円高が進行すると円の価値が上がり、海外では円製品の価格が上がって売れにくくなります。そうすると業績悪化の懸念から海外に輸出している企業の株価が下落します。日本は貿易黒字国のため株式市場全体に与える影響も大きくなります。
具体例 為替レートが1ドル120円だとします。日本では120円で販売しているパンを海外では1ドルで買えます。円高が進み1ドル100円になったとします。120円のパンが海外では100円で買えるようになります。パンを輸出している企業は為替が円高に進んだことで20円のマイナスが発生します。
円高が株価に与える影響について、2014年1月24日のケースを見てみましょう。この日は前日に発表された中国の経済指標(製造業の景況感指数)が半年ぶりに下回ったことや、アルゼンチンペソが暴落し、新興国マネーに対する不安が広がったことから安全資産とされている円などに資金が流れて急激な円高と株安を招きました。
この日を境にしたドル円相場の為替の動きは次の通りです。
1月23日から1月24日にかけて円が買われて、円高が急激に進行しました。この後、1ドル102円まであがり1年半ぶりの高値をつけました。続いて日経平均株価を見てみます。
2014年1月24日に大きな窓を開けて急落しました。この日の株式市場は輸出関連銘柄を中心としてほぼ全面安となりました。
おもな輸出関連銘柄のこの日の前日比は下記のようになった。
銘柄 | コニカミノルタ | ブリヂストン | 日鉄住金 | 島精機 | 東芝 | エプソン | シマノ |
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前日比 | −32 | −31 | −325 | −30 | −8 | −24 | −180 |
銘柄 | パナソニック | TDK | トヨタ | ホンダ | 富士重 | ファナック | キャノン |
前日比 | −47 | −100 | −86 | −100 | −45 | −530 | −46 |
現在の日経平均株価と為替(ドル円)の関係は、こちらで確認できます。