シンカ(149a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 シンカは、「ITで 世界をもっと おもしろく」を経営理念に掲げ、顧客対応業務の課題解決を目的としたクラウド型コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」を提供しております。近年、様々な分野においてテクノロジー化が進展しておりますが、中小企業等における顧客対応業務においては、未だテクノロジー化が遅れており、多くの課題が存在します。特に、電話を中心とした顧客とのコミュニケーションにおいては、コミュニケーションの記録がなされていない、または記録されていても顧客情報との紐づけが不十分であること、顧客対応が担当者のスキルに依存し属人化していること、組織として顧客とのコミュニケーション状況を把握・管理することが困難であること等の課題が顕著です。 これらの課題を解決するため、シンカは“会話を クラウドで おもしろく”をコンセプトとする「カイクラ」を提供しております。「カイクラ」は、顧客(注1)に関する情報をクラウド(※)上に集約し、カイクラユーザー(注2)のオフィスの固定電話への着信時に顧客情報をパソコン、タブレット、スマートフォン等の画面にポップアップ表示する機能を有しております。これにより、担当者は過去の会話履歴や録音記録を参照しながら対応できるため、顧客対応の質を向上させ、属人化を解消することができます。 さらに、「カイクラ」は、SMS(※)送信機能、通話録音機能、ビデオ通話機能、携帯通話録音機能、メール連携機能等の機能を提供し、顧客との多様なコミュニケーションチャネルを一元管理します。これらの機能により、電話だけでなく、SMS、ビデオ通話、メール等のコミュニケーション履歴も顧客情報と紐づけて自動的に保存・管理することが可能となり、組織的な顧客管理を実現します。 また、販売面では、自社の販売部門や、販売代理店や取次店などの販売パートナーによる「カイクラ」の販売に加え、「カイクラ」の機能をより迅速に展開するため、「カイクラ」の一部機能を他社にOEM(※)提供することで、先方の販売力とブランド力を生かして「カイクラ」機能の拡大を担っていただいております。 シンカは「カイクラ」を通して、顧客との様々なチャネルによるコミュニケーションを自動で記録・整理し一元管理し、必要な時にこれを参照できるようにすることで、顧客とのコミュニケーションロスやクレームを減らし、カイクラユーザーと顧客の双方の満足度を向上させるとともに、コミュニケーションに関する業務の効率化やカイクラユーザーにとって優良な顧客の囲い込みを可能とすることで、「カイクラ」を利用する企業や店舗、個人事業主などの生産性の向上に寄与していきたいと考えております。なお、シンカは、カイクラ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の開示を省略しております。 (注)1.カイクラユーザーのお客様(カイクラユーザーが提供する製品・サービスを利用している企業や個人)2.シンカが提供する「カイクラ」を利用している、シンカの直接のユーザー (1)コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」(a)「カイクラ」の特徴 「カイクラ」は、企業活動で発生する様々なコミュニケーションのDX(※)を実現するサービスであり、個別の機能として、オフィスの固定電話でのコミュニケーション支援機能やSMS送信機能、通話録音機能、ビデオ通話機能、携帯電話録音機能、及びメール連携機能などを備えております。「カイクラ」を使うことにより、顧客とのこうしたコミュニケーションを自動で記録・整理し、一元管理することが可能です(下図①)。 例えば、固定電話とSMSなど、異なるコミュニケーション手段を用いて顧客とコミュニケーションを取った場合であっても、カイクラユーザーはカイクラを通じ、これらを自動で記録・整理し、顧客情報と関連付けして一元管理することが可能となります(下図②)。その結果、「カイクラ」を導入したオフィスでは、コミュニケーションの属人化を排除することができ、電話対応者の業務経験やスキルに依存しない、より質の高い顧客対応が可能となります。 また、固定電話及び携帯電話の会話を「カイクラ」で録音した場合、AI(※)により自動でテキスト化することができます。このテキスト化されたデータを用いて、「解約」等ビジネス上影響があると考えられる単語の強調表示や会話内で頻出する単語の分析などが可能となります。 「カイクラ」は、オフィスに設置したカイクラアダプターにより、そのオフィスへの固定電話への着信時に、インターネット回線を通じて関連する顧客情報やコミュニケーション履歴を自動で呼び出し、パソコン/タブレット/スマートフォンにこれらをポップアップします。カイクラアダプターを設置しても、カイクラユーザーは自身の固定電話番号などの電話環境を変更する必要はありません。 加えて、CTIを標準装備したクラウド電話サービス「カイクラフォン」の提供も開始しております(下図③)。「カイクラフォン」はPCやスマートフォンアプリを用いて、固定電話の発着信を可能としており、オフィス以外でも固定電話業務を継続できることから、テレワークや外出先における電話対応の効率化を実現します。 上記により、顧客対応業務の効率を改善させ、電話対応の負担を軽減できることから、顧客満足度及び従業員満足度を向上させ、結果、カイクラユーザーの収益向上に貢献します。 (b)「カイクラ」の主な機能イ.固定電話でのコミュニケーション支援 カイクラユーザーのオフィスの固定電話へ着信があった時に、関連する顧客情報や会話履歴を自動で呼び出し、パソコン/タブレット/スマートフォンにこれらをポップアップします。ポップアップさせる情報はカスタマイズ可能であり、例えば顧客氏名、住所、営業担当者、商品購入日、商品の詳細など、カイクラユーザーのニーズに合わせたオリジナルの画面を提供することができます。 また、カイクラユーザーが他社のCRM(※)システムを通じて顧客情報を管理している場合、API連携(※)により「カイクラ」とこれらCRMシステムとを連携させることが可能です。この場合、カイクラユーザーのオフィスへ着信があった時に、当該CRMシステムで管理されている情報を、「カイクラ」の画面上に表示させることができます。 これにより、電話の対応時に、カイクラユーザーが必要とする情報を確認できることから、よりきめ細やかで安定したコミュニケーションが可能となります。また、顧客情報はクラウド上のデータベースに蓄積されており、これは電話着信時だけではなくいつでも参照することができるため、カイクラユーザーは組織として、顧客情報やコミュニケーション履歴を管理することができます。 なお、カイクラ画面のイメージは以下のとおりです。 ロ.SMS送信 「カイクラ」の画面から、顧客や自社の従業員に対してSMSを送信することができます。SMSは携帯電話の番号に対して送信できるため、顧客への連絡や不在時の伝言に有効となります。また、「カイクラ」は送信したSMSの履歴を自動で記録し、顧客情報と関連付けて一元管理するため、どの顧客に・いつ・どのようなSMSを送信したか、顧客情報から検索できるだけでなく、カイクラユーザーのオフィスの電話に着信があった時にはその内容がパソコンなどの画面にポップアップされます。 さらに、「カイクラ」のSMS送信機能は予約送信機能を有しているため、例えば来店予約の前日に来店リマインドのメッセージを自動で送付するなど、いわゆるMA(※)ツールとして利用することも可能です。 ハ.通話録音 カイクラユーザーのオフィスの電話の内容を自動で録音し保存することができます。また、この電話の会話内容をAIにより自動でテキスト化し、さらに生成AIによりそのテキストを要約することも可能です。 通話録音の音声データ及びそれをテキスト化したデータは、「カイクラ」により自動で顧客情報と関連付けられ、一元管理されます。 この通話録音機能により、カイクラユーザーは重要な会話などについてあとから聞き直すことができ、より適切な顧客対応が可能となります。また、会話のテキストデータは「カイクラ」上で検索や分析が可能となるため、「解約」「キャンセル」などの特定のキーワードが含まれている会話だけを抽出したり、どのようなキーワードが頻繁に使われていたりするのかなどの分析も可能となります。 通話録音機能に関する「カイクラ」の画面は以下のとおりです。 ニ.AI要約機能(テキスト要約、感情ラベリング) 「カイクラ」での通話内容を自動でテキスト化し、そのテキスト化済みの発着信履歴の内容をAIが要約します。また、要約した内容をもとにAIが話者の感情をラベリングすることも可能です。これにより、会話内容のスムーズな共有や、話者の感情からクレームやカスタマーハラスメントの早期発見、対策も可能となります。 AI要約機能のイメージ図は以下のとおりです。 ホ.ビデオ通話 「カイクラ」はビデオ通話機能を有しております。特定のアプリケーションのインストールは不要で、パソコンやスマートフォンのブラウザ上で簡単にビデオ通話を行うことができます。このビデオ通話機能ではカメラを通じた動画や音声だけでなく、パソコンやスマートフォンの画面の共有も可能であり、ビデオ通話内容を録画することも可能です。この録画データも「カイクラ」により自動で顧客情報と関連付けて記録・整理され、他のコミュニケーション履歴とともに一元管理されます。また、その履歴は必要に応じて検索が可能です。 ビデオ通話機能のイメージ図は以下のとおりです。 ヘ.携帯通話録音 「カイクラ」は、固定電話だけでなく、社用の携帯電話で会話した内容を自動で録音することができます。また、この電話の会話内容をAIにより自動でテキスト化することも可能です。 この携帯電話での会話の音声データ及びそれをテキスト化したデータは、「カイクラ」により自動で顧客情報と関連付けて記録・整理され、他のコミュニケーション履歴とともに一元管理されます。その結果、カイクラユーザーはこの携帯電話での会話データを、顧客情報、オフィスの固定電話での会話内容、送信したSMS、ビデオ通話内容とともに参照することが可能です。 「カイクラ」の携帯通録は、録音データのアクセス権をアカウントごとに設定できるだけではなく、電話の相手先の属性ごとに、携帯電話での会話の録音可否を設定できます。このように、携帯電話での会話については、録音記録が必要な会話のみを記録し、必要な従業員にしかそれをアクセスできないようにすることで、個人情報やプライバシーに配慮しながら、必要な会話を一元管理することが可能となります。 携帯通話録音機能のイメージ図は以下のとおりです。 (注)3.現在、携帯通話録音機能はNTTドコモ、au、SoftBankの提供する社用携帯電話のみ対応しております。 ト.メール連携 「カイクラ」は、オフィスの固定電話着信と同様に、メールの送信時及び受信時にその内容を「カイクラ」に取り込み、社内のチームメンバーに対してポップアップ通知することができます。これにより、「カイクラ」の画面上で顧客とのメールのやり取りを確認・共有できるとともに、固定電話やSMS、ビデオ通話、携帯電話など、「カイクラ」で一元管理されているその他のコミュニケーション履歴を参照しながらメール対応することが可能となります。 また、「カイクラ」に取り込むメールは顧客とのメールに限定し、その他の不要なメールは取り込まないなど、個人情報やプライバシーに配慮しながら必要なメールのみを一元管理することが可能です。 メール連携機能のイメージ図は以下のとおりです。 チ.クラウド電話(カイクラフォン) 「カイクラフォン」はCTIが標準装備されているクラウド電話です。本サービスの利用に際しては、専用機器の設置や電話番号の変更を行う必要がありません(注4)。PCやスマートフォン向けアプリを利用することで、オフィス外でも固定電話の発着信が可能となり、テレワークや外出先における効率的な電話対応が実現できます。また、本サービスはクラウドCTIが搭載されており、電話の着信時に顧客情報とコミュニケーション履歴を自動的に表示させることができ、迅速かつ効率的な電話対応が可能となります。 クラウド電話(カイクラフォン)のイメージ図は以下のとおりです。 (注)4. 一部エリアに限定されます。順次拡大を予定しております。 (2)「カイクラ」の収益構造 「カイクラ」の主な収益構造は、カイクラユーザーから得られる「カイクラ」の利用料収入であります。 この利用料収入は、「カイクラ」導入時の初期売上、サブスクリプション(※)型の月額売上及びSMSなどの従量課金売上の3つから構成されます。 初期売上は「カイクラ」を導入した拠点ごとに収益計上されます。また、月額売上及び従量課金売上は「カイクラ」を導入した拠点が継続して「カイクラ」を利用することで収益が計上されます。 シンカの収益モデルは、「カイクラ」導入拠点数及びその利用量が増加するに従って月額売上及び従量課金売上などの収益が逓増する、いわゆるSaaS(※)型の収益モデルとなっております。 2018年12月期以降の各期末時点でのアクティブユーザー(注5)(会社)及びその拠点数の推移、業界ごとの導入企業割合は以下のとおりです。 (注)5.アクティブユーザー:獲得したカイクラユーザーのうち、解約によりカイクラを利用しなくなったユーザーを除いたユーザー数 また、シンカの事業系統図は以下のとおりであります。 [事業系統図] <用語集>下記は、「3 事業の内容」の文章中において※で示した用語の本書内での意味を説明しております。用語説明クラウドインターネット等を経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する形態のこと。SMS「Short Message Service」の略称で、携帯電話の電話番号を使ってメッセージのやりとりができるサービスのこと。OEM「Original Equipment Manufacturing」の略称で、委託者や発注元の名称・ブランドで製品やサービスを生産・提供すること。DX「Digital Transformation」の略称で、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務や組織などを変革し、競争上の優位性を確立すること。AI「Artificial Intelligence(人工知能)」の略称で、コンピュータがデータを分析し、推論、判断、最適化提案、課題定義や解決、学習等を行う、人間の知的能力を模倣する技術のこと。CRM「Customer Relationship Management」の略称で、顧客管理のためのツールやシステムのこと。API連携APIは「Application Programming Interface」の略称で、API連携とはアプリケーション間やシステム間でデータや機能を連携し、利用できる機能を拡張すること。MA「Marketing Automation」の略称で、ソフトウエアを利用してマーケティング活動を自動的に行うプロセスのこと。サブスクリプション顧客に対し提供するサービスの対価を、利用期間に応じて継続的に受領する収益モデルのこと。SaaS「Software as a Service」の略称で、クラウド上にソフトウエアを用意し、インターネット経由でその機能を利用できるサービスのこと。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 シンカの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてシンカが判断したものであります。 (1)経営理念 シンカは、企業の生産性と幸福度を世界一に導きながら日本をもっと元気でおもしろい国にしよう! そして世界をもっとおもしろくしよう!という思いから、「ITで 世界をもっと おもしろく」を経営理念に掲げております。 この経営理念を実現するために、顧客とのコミュニケーションを自動で記録・整理し、一元管理することのできる「カイクラ」を開発・提供しております。 「カイクラ」を通してコミュニケーションテクノロジーを進化させ、人と人のつながりを強くし、あらゆる企業のコミュニケーションエラーを解消することで、ビジネスにおけるあらゆる会話をおもしろくする。そして、顧客も社員も社員の家族も、みんな幸せになる、また、毎日が本当に楽しいと思える、そんな社会を実現したいと考えております。 (2)事業展開方針① 短期的な方針 シンカは、これまで自動車業界、不動産業界といった、顧客との継続的な関係性を重視する特定の業界をターゲットとして製品販売しておりましたが、同様のニーズを持つ新たなターゲット業界を新規開拓するとともに、より広い販売機会を求め、シンカ以外の企業とのアライアンス構築を行っております。さらに、大企業への「カイクラ」導入を目的としてNTTグループや大塚商会、SB C&Sとの協業を強化する一方で、拠点を多く持たない小規模な企業に対しては、「カイクラ」の一部機能を他社にOEM提供し、他社製品の一部として販売するなど、戦略的な販売活動を行っております。 また、商品戦略として、オフィスにおける固定電話でのコミュニケーションだけではなく、SMSやビデオ通話、携帯電話での通話やメールでのコミュニケーションなど、様々な種類のコミュニケーションを一元管理しておりますが、さらに別のチャネルのコミュニケーションを「カイクラ」に取り込むことにより、カイクラユーザーに対しより価値のあるサービスを提供し、コミュニケーションプラットフォーマーとしての地位を確立することを目指しております。 ② 中長期的な方針 現在、「カイクラ」は固定電話や携帯電話などによる顧客とのコミュニケーションに対応しており、顧客情報やコミュニケーション履歴をデータベースで一元管理し、導入オフィスにおいて顧客対応の属人化を解消することを可能にしております。将来的には、蓄積されたデータに基づき会話の量や質、顧客とのリレーションを測定し、よりよいコミュニケーション方法を提案することで、顧客コミュニケーションの効率化と快適性の向上を図ってまいります。 また、日本のビジネス文化では、人と人との関係性を重視し会話や雑談を通じて人との距離を縮めようとする傾向がある一方で、会話によるコミュニケーション上の課題や非効率な顧客コミュニケーションが生じやすくなると考えております。シンカは「カイクラ」の提供を通じ、コミュニケーションエラーや非効率を解消しながらも、会話や雑談を通じた温かみのあるコミュニケーションを拡げていきたいと考えております。 (3)経営環境 シンカは「カイクラ」をクラウドサービスとして提供しております。 シンカが属するクラウドサービス市場は、デジタル化の進展とともに企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が加速し、クラウド技術の活用が一層拡大しています。総務省「令和6年通信利用動向調査」によると、国内でクラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は年々増加しており、企業の業務効率化やデータ活用の高度化が進んでいます。さらに、政府においても「ガバメントクラウド」の整備が進められ、各府省庁が共同で利用するクラウド基盤の拡充が進行しており、今後もクラウドサービスの普及は一層進むものと予測されます。 また、顧客ニーズの多様化により、消費者個人の嗜好に合わせたきめ細かな対応やサービスが求められる中、顧客情報管理の重要性が高まっております。CRMの活用により顧客とのコミュニケーションデータを蓄積し、失注やキャンセルといった課題を把握することで、顧客へのアプローチやサービス改善に活かすことが可能となります。また、リモートワークの普及や企業のデジタル化の促進の影響もあり、こうしたCRMを導入する企業は年々増加し、現在ではさまざまなCRMサービスが登場しております。 このような経営環境のもと、シンカは「カイクラ」を開発・販売しております。顧客とのコミュニケーションは様々なチャネルを経由して行われますが、「カイクラ」を用いることにより、こうした様々なチャネルにおける顧客とのコミュニケーションを自動で記録・整理し、一元管理することが可能となります。その結果、カイクラユーザーは、顧客ニーズの分析、応答品質の向上、リスク管理といった顧客対応力を向上させることができることから、今後もそのニーズが広がるものと考えております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 経営理念「ITで 世界をもっと おもしろく」の追求及び企業ミッションである「企業のあらゆる会話をおもしろくする」の実現のためには、シンカのサービスであるクラウドサービス「カイクラ」の認知度向上とさらなる普及が重要であると考えております。 シンカは、さらなる事業推進のため、以下の7点を重要課題として取り組んでまいります。① 販売力強化について シンカはこれまで、営業戦略として特定の業界を深掘りするT字戦略により、主に自動車業界、不動産業界における製品販売に注力してまいりました。当該戦略は一定の成果がありましたが、引き続き事業の持続可能性を高めるため受注件数を拡大させていくことが喫緊の課題であると認識しております。具体的には、自動車・不動産業界以外の新たな注力業界を新規開拓するとともに、特定の業界において影響力の強い企業とのアライアンス構築を行います。これらに加え、NTTグループや、2024年に業務提携を開始した大塚商会、SB C&Sとの協業について強化を行い、さらなる知名度向上と収益獲得に取り組んでまいります。また、多拠点を有する中規模以上の企業への販売に焦点を当てるなど、戦略的な販売活動を継続してまいります。さらにSMS等の従量課金サービスの利用促進等により、単価を上げたサービスとして収益力を向上させます。 ② 認知度向上について シンカは、電話コミュニケーションを利用する企業は「カイクラ」を利用することで企業の生産性を高めると考えておりますが、「カイクラ」の認知度は総じて低く、顧客が「カイクラ」の利便性を認識していただくまでに相当の時間を要しております。そのため、シンカは「カイクラ」及びシンカの認知度向上が急務であると捉えており、これまで雑誌等のメディアや講演等に加え、オウンドメディアを通じた認知度向上を図ってまいりましたが、今後はより一層、問い合わせ及び受注可能性を高めるためのプロモーション及びマーケティングを強化する必要があると考えております。引き続き、費用対効果を勘案しながら、インターネット、リアルを問わず様々な施策を検討、実施をしてまいります。 ③ カスタマーサクセス強化について シンカサービスを利用したカイクラユーザーの事業の成功は、シンカサービスの継続的な利用につながり、カイクラユーザーの生涯価値の向上に寄与すると認識しております。そのため当事業年度におきましては、継続的にカイクラユーザーによるカイクラ利活用を促進するとともに、長期的に良好な関係を構築するために、カスタマーサクセスグループを強化してまいりました。今後は、よりカイクラユーザーへの価値提供を行うためにアップセルを強化していく必要があるとの認識を強めております。ただし、ユーザー数が増えれば増えるほど対応コストは増大化していくため、より効率的なカイクラユーザーへの対応方法の探索にも注力してまいります。引き続きカイクラユーザーの満足度の向上を図り、シンカサービスのファン化、解約防止に努めつつ、オプションサービスの追加販売に注力してまいります。 ④ 商品力強化について シンカの主力商品である「カイクラ」は、通話録音機能、音声テキスト化機能、SMS送信機能、ビデオ通話機能など、固定電話や携帯電話でのコミュニケーションに多様なオプションサービスを提供し、企業の業務効率化と顧客対応の高度化を支援してまいりました。 当事業年度においては、クレーム・カスタマーハラスメント対策機能の強化に加え、AI自動要約機能、会話品質判定機能、AI自動発着信タグ付け機能、AI感情ラベリング機能の大幅アップデートなど、AIを活用した機能拡充を推進いたしました。シンカの強みである膨大なコミュニケーションデータとAI技術を掛け合わせることで、付加価値の高い新機能の開発を継続的に進めております。 また、「カイクラフォン」につきましては、カイクラの強みを活かしたクラウド電話サービスとして展開し、従来型サービスとの差別化を図りながら、既存顧客のニーズに対応した提案を推進しております。今後も関連サービスとの連携強化を通じて、顧客当たりの提供価値向上に取り組んでまいります。 シンカは、コミュニケーションテック企業として、さまざまなコミュニケーション手段の統合が競争力の源泉であると考えております。今後も「カイクラ」をはじめとするサービス・商品の開発に積極的な投資を行い、AI技術の高度化を通じて、より利便性の高いコミュニケーション環境の提供に努めてまいります。 ⑤ 組織力強化について シンカは、事業拡大に伴う人員不足及び組織体制の強化を重要な経営課題と認識しております。当事業年度においては採用活動に注力し、とりわけ事業部門におけるハイレイヤー人材の確保を進め、事業推進力の向上を図りました。 また、リモートワーク制度やフレックスタイム制度を整備し、柔軟な勤務体系を構築しております。今後も社会環境の変化に適応しつつ、こうした働き方を維持するとともに、社員が同じ方向を向き一体感をもって事業に取り組める組織づくりが重要であると考えております。そのため、シンカのミッション・ビジョン・バリューの浸透、組織体制の最適化、教育制度の拡充、人事評価制度の高度化、賃金体系の見直し、導入済みの従業員持株会の活用促進等を通じ、人的資本への投資を強化し、組織基盤のさらなる強化に努めてまいります。 ⑥ 内部管理体制強化について シンカは、順調に業容が拡大している状況のもと、企業としての社会的責任は益々高まっているとの認識を強めています。これまでも経営管理体制の継続的な改善を行い、ガバナンス強化を図ってまいりましたが、コーポレート・ガバナンス強化のための積極的な取り組みは、企業価値向上の近道であると考えております。そのため、引き続きより良い組織体制の整備及び社内規程・業務マニュアル見直しを推進し、さらなる管理体制強化及び統制強化による事業リスク低減に努めてまいります。 ⑦ 財務基盤強化について シンカは、さらなる事業拡大のために、組織、営業、マーケティング、商品開発等様々な観点から戦略を策定しておりますが、当該戦略を遅滞なく実行するために、安定した財務基盤を確立・維持することが急務であると捉え、第三者割当増資や費用の見直しによる財務基盤強化に努めてまいりました。今後は引き続き、受注数増大のみならず、費用の見直しを定期的に実施するとともに、キャッシュ・フロー経営を推進することで、健全な財務基盤構築に努めてまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 シンカの収益拡大が経営上の最重要課題であり、「カイクラ」の利用契約数の拡大がこれに寄与すると考えております。また、シンカの主な収益モデルはサブスクリプション型であるため、毎月継続的に得られる収益も重要視しております。そのため、アクティブユーザー(注)1の会社数及び拠点数、MRR(Monthly Recurring Revenue)(注)2、月次解約率(注)3及びARPA(ユーザー1拠点あたりの売上単価)(注)4を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。 (注)1.アクティブユーザー:獲得したカイクラユーザーのうち、解約によりカイクラを利用しなくなったユーザーを除いたユーザー数2.MRR(Monthly Recurring Revenue):各月の「月額売上」と「従量課金売上」の合計3.月次解約率:当該月に解約したユーザーに関するMRR÷前月末MRR4.ARPA(ユーザー1拠点あたりの売上単価):当該月のMRR÷当該月末のアクティブユーザーの拠点数
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 シンカの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性がある主要なリスクは以下のとおりであります。シンカは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をしてまいります。 また、シンカとして必ずしも重要な事業上のリスクに該当しないと考える事項につきましても、投資者の判断上、あるいはシンカの事業活動を理解するうえで重要であると考えられるものについては、投資者に対する積極開示の観点から記載しております。シンカ株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてシンカが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)市場環境について(顕在化の可能性 小、影響度 大、発生時期 中長期) シンカは、クラウドサービスである「カイクラ」をSaaS形態によりサービス提供しております。シンカが属するクラウドサービス市場におきましては、国内でクラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は年々増加しており(出典:総務省「令和6年通信利用動向調査」)、クラウドサービス利用や投資は継続して拡大基調にあります。しかしながら、今後、経済情勢や景気動向により同市場の拡大が鈍化、縮小するような場合には、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、2025年1月より双方向番号ポータビリティ制度が導入され、固定電話の番号を変えることなくクラウド電話への切り替えが可能となりました。シンカは、このような新制度に関する動向を常に注視し、制度の変更に対応した新サービスの提供に努めております。こうした取り組みの一環として、2025年1月にCTI機能を標準搭載したクラウド電話サービス「カイクラフォン」をリリースいたしました。しかしながら、今後の市場環境の変化や新制度のさらなる導入等により、シンカの競争優位性が低下する可能性があります。その結果、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)競合他社の動向について(顕在化の可能性 中、影響度 大、発生時期 中長期) シンカは、大手上場企業や中小企業、店舗等に対して、クラウドサービス「カイクラ」を提供しております。「カイクラ」は、オフィスの固定電話着信時に顧客の属性や会話履歴をポップアップ表示する機能に加え、通話録音機能、音声テキスト化機能、SMS送信機能、メール連携機能、携帯電話でのコミュニケーションの統合・一元管理を実現するサービスです。また、2025年1月にCTIが標準装備されたクラウド電話「カイクラフォン」をリリースし、今まで以上に幅広いサービスを提供しております。 なお、「カイクラ」が提供する固定電話でのコミュニケーション支援機能、通話録音機能、音声テキスト化機能、SMS送信機能、メール連携機能、携帯電話録音機能等の各機能については、競合他社が存在しており、また、新規参入による競争激化の可能性もあります。「カイクラフォン」においても、同様のクラウド電話サービスを提供する競合他社との競争が想定されます。 シンカは、技術動向を把握するとともに、カイクラユーザーのニーズを的確に捉えながらサービス開発を推進し、大口ユーザーには契約数に応じたボリュームディスカウントなどを行うことで、サービス面及び価格面での優位性を維持する方針です。しかしながら、同様のシステムを提供する競合他社の参入により競争環境が激化し、シンカの優位性が低下する場合、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)技術革新について(顕在化の可能性 小、影響度 大、発生時期 中長期) シンカが事業を展開しているクラウドサービス市場は、技術革新が速く、シンカの優位性を維持するためには、技術革新に即座に対応する必要があります。シンカでは、各種イベントやセミナーへの参加、社内の定期的な勉強会等を通じて、技術革新の動向を把握し社内で情報共有するとともに、それに対応した新サービスの提供ができるよう努めております。しかしながら、シンカが技術革新に対応できないような場合、または、シンカが対応できないような技術革新が生じた場合、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)生成AI等の技術進展について(顕在化の可能性 中、影響度 大、発生時期 特定時期なし) 近年、生成AI等の技術の進展により、ソフトウェアやアプリケーションの開発環境が大きく変化しており、ローコード・ノーコードツール等を活用することで、一定の機能を有するサービスを比較的容易に開発することが可能となっております。このような技術の進展により、シンカが提供するサービスと類似する機能を有するサービスが開発される可能性があり、競争環境が変化する可能性があります。 シンカが提供する「カイクラ」は、ソフトウェアに加え、カイクラユーザーの拠点に設置するアダプター等の仕組みを含めたサービスとして提供されており、単にアプリケーションを開発するのみで同様のサービスを構築することは容易ではないと認識しております。しかしながら、生成AIをはじめとする技術の進展により、シンカの想定を超える形で競争環境が変化した場合には、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 シンカでは、生成AIを含む新たな技術動向を注視するとともに、これらの技術を活用したサービスの機能向上や新サービスの開発に取り組み、競争力の維持及び強化に努めております。 (5)システム障害について(顕在化の可能性 小、影響度 大、発生時期 特定時期なし) シンカが提供する「カイクラ」は、その基盤をインターネット通信網に依存しております。このため、大規模な自然災害やテロ、戦争その他予期せぬ原因によりインターネット通信網が使用できない状態が生じた場合は、サービス提供の継続が困難となります。また、想定を超えるアクセス増加その他予期せぬ事象によるサーバダウンやシンカが提供するサービスの予期せぬ不具合の発生等により、サービス提供が停止する可能性があります。このような事態を避けるため、システムやサーバの冗長化、稼働状況の監視やデータのバックアップ体制の整備、品質管理体制の強化等の対策を講じておりますが、将来においてこれらのような事態が発生した場合には、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)特定のサービスへの依存について(顕在化の可能性 小、影響度 大、発生時期 特定時期なし) シンカの売上高は、2025年12月期において、「カイクラ」によるものとなっております。シンカでは「カイクラ」を、より幅広いコミュニケーションを一元管理することでその競争力の維持・強化に努めておりますが、「カイクラ」の売上高が著しく減少した場合、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)情報セキュリティ及び個人情報等の漏えいについて(顕在化の可能性 小、影響度 大、発生時期 特定時期なし) シンカは、主力サービスである「カイクラ」サービスを提供するにあたり、個人情報その他さまざまな機密情報をカイクラユーザーより受領する場合があります。 シンカが取り扱う機密情報及び個人情報について、漏えい、改ざんまたは、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえず、何らかの要因からこれらの問題が発生した場合には、カイクラユーザーまたは顧客からの損害賠償請求や信用失墜等により、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 シンカでは、情報セキュリティに関連する各種規程類を整備するとともに、外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入防止等についてシステム的な対策を講じて情報セキュリティ事故の未然防止に努めております。さらに、従業員に対しては、入社時及び年次で個人情報保護に関する研修を行うとともに、個人情報を取り扱う業務委託先に対しては、シンカが預ける個人情報を適切に取り扱っているかどうかの確認を行い、情報管理への意識を高め、内部からの情報漏えいを防いでおります。 また、個人情報保護法への対応を推進し、プライバシーマークを取得して個人情報マネジメントシステムに則り、安全管理に努めております。 (8)法的規制について(顕在化の可能性 小、影響度 大、発生時期 特定時期なし) シンカは、基本的な企業活動に関わる法的規制に加え、電気通信事業法、クラウドサービスにおけるセキュリティ、個人情報及びプライバシー保護等の法的規制を受けております。また、「コンプライアンス規程」、「リスク管理規程」、「反社会的勢力対策規程」、「内部者取引防止規程」やその他企業活動に関わる社内の規程やマニュアルを整備・運用することで、法令及び社内規程等の違反に係るリスク軽減を図っております。これらシンカに適用される法的規制が改正・厳格化されることにより、サービス提供内容に制約が生じ、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)知的財産権について(顕在化の可能性 小、影響度 中、発生時期 特定時期なし) シンカが開発するシステムにかかる知的財産権について、第三者の知的財産権に抵触しないよう細心の注意を払っており、これまで第三者から侵害訴訟を提起されたことはなく、知的財産権の侵害を行っていないと認識しております。しかしながら、シンカがそれと認識せずに第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償の請求、当該知的財産権の使用に対する対価の支払いまたはサービスの停止等が発生する可能性があり、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 シンカでは、第三者の知的財産権を侵害しないよう、必要に応じて弁護士や弁理士などの専門家と連携を取りリスクの軽減を図っております。 (10)アダプターの設置と確保について(顕在化の可能性 中、影響度 中、発生時期 特定時期なし) シンカが提供する「カイクラ」は、カイクラユーザーの拠点にアダプターを設置することでサービスの提供が可能となり、収益認識が開始されます。この設置工事が計画どおりに進まないような事態が発生した場合、またはカイクラアダプターが計画どおりに確保できなかった場合、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 シンカは、自社において設置工事を行える従業員を確保するとともに、外部の設置工事業者に設置工事を委託できる体制を整えることで、設置工事が遅延するリスクの軽減を図っております。さらに、カイクラアダプターについてはその市場の需給を確認しながら必要十分な量を確保するとともに、次世代アダプターの探索を継続的に行うことで、アダプターが不足するリスクに備えております。 (11)人材の確保と育成について(顕在化の可能性 中、影響度 中、発生時期 特定時期なし) シンカサービス提供の継続、発展、成長のためには、高い専門性を備えた人材(事業開発、エンジニア、コーポレート管理等)の採用、育成、維持が重要であると認識しております。シンカが必要とする人材の確保が計画どおりに進まずに事業上の制約要因になる場合には、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 シンカは、今後も事業規模の拡大に応じて、専門技術や知識を有する優秀な人材の中途採用に努めるとともに、教育制度の充実、人事評価制度の見直し、インセンティブの付与、労働環境の整備等、従業員の働きがいを向上させる取り組みを強化していく方針であります。 (12)特定人物への依存について(顕在化の可能性 小、影響度 大、発生時期 特定時期なし) シンカの代表取締役社長である江尻高宏は、シンカの創業者であり、創業以来の最高経営責任者であります。江尻高宏は、シンカサービスの営業戦略及び開発に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定、遂行に極めて重要な役割を果たしております。シンカでは、幹部職員の拡充、育成及び権限委譲による分業体制の構築等により、経営組織の強化を図り、特定人物に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により江尻高宏の業務遂行が困難となった場合には、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)訴訟、係争の可能性について(顕在化の可能性 小、影響度 大、発生時期 特定時期なし) シンカでは、本書提出日現在において業績に影響を及ぼす訴訟や紛争は生じておりません。しかしながら、今後何らかの事情によってシンカに関連する訴訟、紛争が行われる可能性は否定できず、かかる事態となった場合、その経過または結果によっては、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14)財務報告に係る内部統制に関するリスク(顕在化の可能性 小、影響度 中、発生時期 特定時期なし) シンカでは、内部統制報告制度のもとで、財務報告の信頼性に係る内部統制の整備及び運用を重要な経営課題の一つとして位置づけ、整備・運用状況の評価及び改善に取り組んでおります。しかしながら、シンカの財務報告に係る内部統制に重要な不備が発見される可能性は否定できず、将来にわたって常に有効な内部統制を整備及び運用できる保証はありません。さらに、内部統制には本質的に内在する固有の限界があるため、今後シンカの財務報告に係る内部統制が有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制に重要な不備が発生した場合には、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15)内部管理体制について(顕在化の可能性 小、影響度 中、発生時期 特定時期なし) シンカの継続的な成長には、倫理観を共有し、適切なコーポレート・ガバナンスを整備し、内部管理体制を整えることが重要であると認識しております。しかしながら、シンカの事業成長に比べて内部管理体制の構築が間に合わない場合、適切な経営管理が行えず、シンカの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性 大、影響度 小、発生時期 短期) シンカは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、2025年12月末時点における付与数は283,680株であり、発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は、8.8%となります。これらの新株予約権が行使された場合、シンカ株式が発行され、既存株主が保有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 (17)配当政策について(顕在化の可能性 大、影響度 小、発生時期 短期) シンカは、株主に対する利益還元については経営の重要課題の一つと位置付けておりますが、シンカは現時点において配当を実施しておりません。今後におきましては、経営成績、財政状態、事業計画の達成状況等を勘案しながら、株主への利益配当を検討していく方針であります。しかしながら、シンカの事業が計画どおり推移しない場合など、配当を実施できない可能性があります。 (18)ベンチャーキャピタルの株式保有割合について(顕在化の可能性 大、影響度 小、発生時期 短期) 2025年12月末時点におけるシンカの発行済株式総数は3,206,320株であり、このうち1,002,220株(発行済株式総数の31.3%)についてはベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合が保有しております。 一般的に、ベンチャーキャピタルは投資先企業の株式について、上場後の市場環境や投資回収方針等に応じて売却を行い、キャピタルゲインの獲得を図ることがあります。シンカにおきましても、今後、ベンチャーキャピタルにより株式が売却される可能性があります。そのような場合には、短期的に需要が悪化しシンカの株価が低下する可能性があります。 (19)調達資金の使途について(顕在化の可能性 大、影響度 小、発生時期 短期) シンカが2024年3月26日に実施した公募増資による調達資金は、シンカサービスを開発するエンジニアや営業人員などの新規採用に伴う人件費、及びカイクラの認知を広げ販売機会を拡大するための広告宣伝活動に充当する予定であります。しかしながら、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定した投資効果が得られない可能性があります。 また、市場環境の変化により、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性が発生した場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。 (20)業績に関するリスクについて(顕在化の可能性 大、影響度 小、発生時期 短期) シンカは、2023年12月期より当期純利益について黒字を計上しておりますが、それ以前の期間においては、売上高及び売上総利益は継続的に増加していたものの、サービスの開発・改良、顧客基盤の拡大を重視し、多額の開発人件費やマーケティング費用を計上し、その結果、営業損失及び当期純損失を計上してまいりました。今後もサービス向上のための開発人件費や顧客基盤拡大のためのマーケティング費用を費消し売上を拡大させていく見込みですが、想定していた効果を上げられない場合、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (21)社歴が浅いことについて(顕在化の可能性 大、影響度 小、発生時期 短期) シンカは2014年1月に設立された社歴の浅い会社であります。2022年12月期までの期間においては、事業の立ち上げ段階であったことなどから、営業赤字及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスを計上しておりました。これまでの事業活動の結果、2023年12月期において当期純利益の黒字を計上いたしましたが、シンカは現在成長過程にあると認識しており、今後もシンカの成長のための投資が必要となり、損失を計上する可能性があります。 当該状況についての分析・検討内容及び解消・改善するための対応策については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであり、シンカの属するIT業界を取り巻く環境はスピードが速く流動的であるため、シンカにおける経営計画の策定には不確定事象を含まざるを得ない状況にあります。シンカは今後もIR活動などを通じて経営状態を積極的に開示していく方針でありますが、過年度の経営成績のみでは、今後のシンカの業績や成長性を判断するためには不十分である可能性があります。 (22)投融資について(顕在化の可能性 小、影響度 大、発生時期 中長期) シンカは、現在において他社への投融資を行ってはおりません。しかしながら、今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。 投資判断においては、シンカとの事業シナジー、投資先候補企業の事業計画、シンカの財務状況や投資先候補企業への影響力等を考慮し、投融資額が適切な水準であることを慎重に確認し、投資判断を行う予定です。ただし、実行した投融資について当初想定した効果や収益が得られない場合には、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (23)過年度の経営成績及び税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性 中、影響度 中、発生時期 中長期) シンカは、過年度において当期純損失を計上していたため、当事業年度末において税務上の繰越欠損金が存在しております。一般的には、繰越欠損金を課税所得から控除することにより、税額を減額することができます。しかし、繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合には、課税所得からの控除が受けられなくなることから、通常の税率に基づく法人税等が発生し、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (24)既存カイクラユーザーの継続維持について(顕在化の可能性 小、影響度 大、発生時期 特定時期なし) シンカは、「カイクラ」をサブスクリプション型で提供しており、カイクラユーザーが継続して「カイクラ」を利用することで月額利用料及び従量課金売上が継続的に発生します。そのため、シンカの継続的な成長のためには、新規顧客の獲得のみならず、顧客満足度を高めることで既存カイクラユーザーを維持することが重要であると考えております。 既存のカイクラユーザーを維持するため、シンカは商品開発に際してカイクラユーザーの要望を取り入れて商品開発を行っております。また、「カイクラ」導入時のオンボーディング活動やユーザーフォローアップなどのサポート活動を充実させることにより継続率の維持・向上を図っております。 また、予算及び中期経営計画は、過去の解約率実績を基に、一定率の解約が発生することを見込んで作成されておりますが、シンカサービスの魅力の低下、競争力の強い競合他社の発生、シンカサポート活動に対する満足度の低下等により、シンカの想定を大幅に超える解約が発生した場合には、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (25)固定資産の減損に関するリスク(顕在化の可能性 小、影響度 中、発生時期 特定時期なし) シンカは事務所設備、工具、器具及び備品やソフトウエア等の固定資産を保有しております。これらの固定資産について「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の兆候が識別され、減損損失を計上すべきと判定された場合には、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (26)販売パートナーとの関係に関するリスク(顕在化の可能性 小、影響度 中、発生時期 特定時期なし) シンカの販売パートナーは、シンカに見込み客の紹介を行い、またはシンカを代理して「カイクラ」の販売を行っております。販売パートナーの事業展開や事業方針の変更などによりシンカと販売パートナーとの関係性が大幅に悪化し、シンカが想定するような見込み客の紹介や販売代理活動が行われなくなったり、販売パートナーに対する手数料が大幅に値上げするなどの事態が発生した場合には、シンカの収益性が低下し、シンカの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー