Will Smart(175a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


Will Smart(175a)の株価チャート Will Smart(175a)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 Will Smartは、「アイデア」と「テクノロジー」を活用し社会の課題解決を行うことを目的として、モビリティ業界(※1)や国・自治体の課題発見のコンサルティングから解決のためのソフトウエアの開発、ハードウエアの提供及び納品後のサポートまで行うトータルサービスを提供しております。なお、ソフトウエアの開発は顧客の要求に応じて行う受託開発の他、プラットフォーム化したパッケージサービスを提供することにより顧客ニーズを満たしたIoTシステムを短い期間で提供することが可能となっております。

 そのため、Will Smartの収益はシステム開発を行った際の開発売上のみならず、その後の保守売上やパッケージサービスの利用料売上も主要な収益となっております。

 Will Smartでは、人口減少に起因した人的作業の削減、従来事業の収益縮小などの顧客課題や、インバウンド対応や地域交通の再編などの社会課題に対し、Will Smartが持つIoT技術及びWebシステム開発技術と業界知見を掛け合わせることで、無人化・省人化を支援するシステム開発や新サービスやビジネスモデルの変化に適したDXの企画提案を行い、その仕組みを自ら開発することで業界の課題に対応しております。

 Will Smartの事業、ソリューションごとの特長は以下のとおりであります。

 なお、報告セグメントはモビリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 ※1 モビリティ業界:交通や物流など人や物の移動によって経済活動を行う事業群の総称。

 

(1)事業の特長

①業界特化の顧客理解力

 Will Smartは、創業当時から世の中の動静や社会課題などに注目し、それらの背景から発生する企業の課題を解決するためのソリューション提供に取り組んでまいりました。また、他のITベンダーの下請けでは顧客企業の声を拾いきれないことから、モビリティ業界の顧客企業と直に対話を行うことにこだわり、顧客との共創型の課題解決手法により、その実現に必要なシステムの開発を行いつつ、モビリティ業界特有の業務フローに内包される課題や特徴に対する理解も深めてまいりました。

 モビリティ業界に特化し、顧客との直接的な関係構築によって、「開発実績」と「案件を通じて得られる業界知見」を増やすことでWill Smart独自のポジションを築きながら、他社との差別化を図ってまいりました。

 今後もモビリティ業界は、地方自治体などで公共交通系のドライバー不足からくるライドシェア問題を始め、様々な課題が発生することが予測されますが、Will Smartは顧客との関係性を通じて構築してきた実績と業界知見を背景に、業界課題へ柔軟に対応してまいります。

 

②技術力

 Will Smartは、ハードウエアを中心としたIoT技術とWebオープン系のソフトウエア技術を有しており、それらの技術に業界の知見を組み合わせることで、単なるシステム提供ではなく、モビリティ業界の課題解決を提案・実行するために欠かすことのできない業務オペレーションも考慮した総合的な企画開発を行えることが特長となります。

 具体的には、IoT技術として、車などの移動体、屋外環境、公共施設などの通信の安定が必要な場所への設置技術やIoT機器にとって不利な気象条件下でも稼働を可能とする技術を有しております。また、Web技術としては、モビリティ業界には特有のシーズナリティによって変動する需要に応じた価格設定や、在庫と連動した予約管理フロー、業界特有の法律や業界ルールなどに対応が可能な開発技術を有しております。

 

③モビリティ業界特化のプラットフォーム

 Will Smartは受託開発技術を基礎としつつ、開発したサービスを機能毎に提供できる様、プラットフォーム化したパッケージサービスの展開も行っております。そのため、パッケージサービスを利用しつつ、顧客企業のニーズに応じたカスタマイズが可能です。これにより、フルパッケージでの一括導入はもとより、必要な機能のみを既存システムと組み合わせた一部導入など、各々のニーズに沿ったカスタマイズにより、顧客企業のDX化を迅速かつ低コストで実現することが可能となっております。

 

 

(2)ソリューションごとの特長

 Will Smartの事業特性は、以下のサービスにおいて強みを持ち、事業展開しております。

①総合情報配信サービス

総合情報配信サービスは創業時からのサービスであり、屋外・店頭・公共空間・交通機関などの場所において、ディスプレイなどの電子的な表示機器(デジタルサイネージ)を使って施設の館内情報や交通機関の運行情報などの情報を発信するサービスを行っております。本サービスの特長は、複数のシステムから抽出されるフォーマットの異なる情報を統合し、統一した情報として配信することが可能な点や、音声案内・制御システム等の他の機能と連携し、画像以外の情報の配信が可能となる点です。本システムの事例としては、羽田空港リムジンバスの行先・発車時刻・空席情報などのダイヤ情報の表示において、バス会社2社が持つ仕様の異なるデータを統合し、単一の画面で表示しユーザーへ情報を提供しているものがあります。また、本サービスは屋内外の様々な環境下で設置・情報配信が可能となっており、近年ではサービスの特長を活用し、複数情報を統合して配信する必要があるバスターミナルなどにおいて、本システムが採用されております。

その他、本システムを活用したデジタルサイネージ導入支援サービス「Will-Signコンテンツパッケージ」は、多言語配信や緊急情報配信、スマートフォンとの連携をパッケージ化し、全国に販売網を持つ販売パートナーと連携することで、地方自治体や公共施設、交通機関、駅などといった各種事業者に向けた展開に取り組んでおります。

 

②クラウド化支援サービス

クラウド化支援サービスでは、顧客企業が利用するフロントエンドシステム(販売や予約システムなど)を中心にオンプレミス(サーバーやネットワーク機器、ソフトウエアなどを自社で保有し運用する利用形態)のシステムをクラウド化することによるリニューアルや、新規事業の販売系基幹システムの開発を行っております。
 

③モビリティシステムサービス

モビリティシステムサービスは、ガソリン車・EV車両の双方に対応する車載デバイスと、車載デバイスから取得した車両データ(位置情報、燃料残情報、車両情報など)に基づく鍵の制御や車両管理を行うための機能等を有するIoTゲートウェイパッケージの提供と、カーシェアやレンタカー、EV充電器の予約システム(予約決済、会員管理、管理画面)等から構成されております。これらは各機能別に独立したシステムとなっており、API連携により既存システムとの同期も可能なことから、フルパッケージでの提供はもちろん、顧客が必要とする一部機能の提供も可能となっております。

なお、自動車等のデータ取得等にかかるシステム基盤及び車載器については、韓国最大のモビリティプラットフォーム事業者であるAltimobility Corporation(本社:韓国ソウル市、代表者:JEONG KYU SEO)から技術協力を仰ぎ、機能の一部についてライセンス提供を受けつつ、Will Smartが日本向けに追加開発した箇所については、Will Smartと共同ライセンスの形で保持しております。

 

④AI・データサイエンスサービス

AI・データサイエンスサービスは、地方行政や自治体、地方公共交通などの顧客を中心に、事業領域に特化した実証実験や、地方公共交通再編のために複数の交通事業者や自治体などの交通利用データを分析、可視化することができるシステムの提供を行っております。可視化することで課題となる論点を整理し、顧客によるEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング/エビデンスに基づく政策立案)による政策推進が可能となっております。

 

[事業系統図]

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 Will Smartの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてWill Smartが判断したものであります。

(1)経営方針

 Will Smartは、「Will=未来形・意思」×「Smart=高性能・賢明な・最新流行の」を経営理念に掲げ、成長を実現する強い意志をもち、テクノロジーの可能性を追求して社会の発展に貢献する未来志向のチームでありつづけることをビジョンとしております。

 

(2)経営環境

 新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークなどの新しい働き方や非接触システムなどが広まり、デジタル化・DX化への関心が高まる中、IT人材の不足は深刻な状況となっております。また、老朽化・複雑化・ブラックボックス化したレガシーシステムに資金・人材が割かれ、戦略的なIT投資に予算が回らないことで、変化する市場・業界に対応できず経済損失リスクも懸念されております。

 このような中、コロナ禍を契機としてDX化の遅れが認識され、DX化への様々な課題を解決するニーズは高まっております。DX市場の国内における規模は、2022年度の2兆7,277億円から2030年には6兆5,195億円まで拡大するとの予測もあり、国内におけるDX化は加速化すると考えられております。(出典元:富士キメラ総研、2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望)

 また、Will Smartの主な顧客であるモビリティ業界のDX化では、危険運転や交通事故の防止、安全な輸送サービスの実現に向けた投資や、AIなどの先端技術の活用により、ユーザーの利便性を高める投資が増えていくと共に、国・地方自治体は地方交通の再編及び地域課題を解決するための新たな施策に取り組むと考えており、営業活動に注力しております。

 その他、モビリティ業界では、脱炭素社会などESGの取組みの中で、ガソリン車から電気自動車(EV)への転換、クリーンな再生可能エネルギーの利用やシェアリングサービスなどが注目されております。ESGとDXは異なるトピックとしてとらえられることが多いですが、ESGの取組みを行いながら持続的な成長を行うには、システムの導入だけでなく、業務フローの改善が必要になってきます。そこで有効なのがITによる業務のDX化であり、特に気候変動の目標を達成するためにはDXやITの活用がかかせないものとWill Smartは認識しております。

 Will Smartは、これまでモビリティ業界の顧客と直接関係を構築し取引することで最新の業界知見を得ることができ、顧客事業の高い理解と課題解決提案の精度向上を実現してまいりました。これにより独自のポジショニングを築きつつ、競争優位性を高めております。

 Will Smartは、「第1 企業の概況 3事業の内容 (3)ソリューションごとの特長」に記載のソリューションによりESGとDXを同時に実現できる、知見・技術を有しております。

 このような環境のもと、Will Smartは社会の課題解決することを通じて、事業規模の拡大及び企業価値の向上を目指し、以下を経営戦略としております。

 

(3)経営戦略等

 Will Smartは、モビリティ業界を中心として以下の方針及び4つの経営戦略を考えております。なお、インポートビジネスについては、事業を撤退する方針を決定しております。

 

・方針

 Will Smartは新技術を活用し、都市や地域の抱える労働力人口の減少や地方公共交通の再編などの地域課題とそれらから派生するDXニーズの高まりなど、深刻化する社会課題の解決のためのソリューション提供を推進してまいります。これらの課題解決のためには、顧客企業のみならず、国や地方自治体などの行政においても、データに基づいた施策立案や公共交通の再編と運営維持、安全対策等における省人化や環境に優しい交通手段の構築が必要と考えており、各クライアントのDX支援、EV関連サービスの開発及びデータ分析支援を行っております。

 Will Smartは引き続き、モビリティ業界での業容拡大実現のために、これまでの知見を活かし、交通モビリティ、観光地域活性化、都市計画整備、防災、環境エネルギー、セキュリティ等の幅広いフィールドにおいて新たなソリューションの構築と顧客基盤の拡充に取り組んでいく方針であります。

 

・経営戦略

①事業基盤の強化

 Will Smartは、顧客企業との直接取引を通じ、実績を増やすとともに、業界理解の深化と業界特有の技術やノウハウの蓄積を行ってまいりました。業界理解が進むことで、新たな種類の課題解決施策や事業展開の提案が可能となり、その後の継続的な受注にも繋がってまいります。

 今後も、営業人員を増やし顧客との直接的な関係構築を行う機会を増やすことで、技術とノウハウの蓄積を拡大するとともに、マーケティング施策による潜在的な顧客層の発掘を行ってまいります。また、開発体制においても、従業員の能力及び技術の向上やプロダクトマネージャーの採用強化を実施するとともに、小規模なシステム開発会社の買収なども視野に入れ、営業・開発の双方において、事業基盤の強化を図ってまいります。

 

②事業領域の拡大

 Will Smartはこれまで、カーシェアリング、鉄道、バスターミナルなど、モビリティ業界の各企業との取引や業務提携を通じ、独自のノウハウを培ってまいりました。昨今、地域交通の再編に伴い、ライドシェアのような新しい政策的な取組の必要性が高まる中、従来の顧客企業のみならず、国や地方自治体との直接的な取組や連携を積極的に図っていくことで、地域交通におけるMaaSを実現するための新たなビジネス形態へ事業領域を拡大してまいります。

 

③プラットフォームの機能拡大

 Will Smartのプラットフォームは、これまで開発したソリューションの知見を活用し、各々の機能パッケージを一般化して強化を図り、汎用展開を可能としてまいりました。今後もWill Smartの収益基盤の一つとして、ライドシェアやEV充電などの業務領域における機能パッケージの追加を重ね、独自プラットフォームの機能拡大を図ってまいります。

 

④販売パートナーによる販売拡大

 Will Smartの受託開発案件は、主に顧客と直接取引を行うことを強みとしておりますが、他方で、Will Smartサービスの一部をパッケージ化することにより、販売パートナーによる汎用的な販売展開も可能としております。今後は、Will Smart従業員の営業のみならず、販売パートナーを通じたサービス提供の体制を強化することで、販売パートナーの営業力と販売ネットワークにより、パッケージ商材の販売拡大を図ってまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標

 Will Smartは、社会の課題解決のため、ソフトウエアの開発やハードウエアの提供などを継続的に行うには、経営の安定性と成長性のバランスが重要になってくると認識しております。このため、ハードウエアの提供及びソフトウエア開発案件の受注により計上される売上であるショット売上と毎月の保守・運用・システム利用料から得られるストック売上を重要指標としております。しかしながら、Will Smartは成長途中であることから、現時点ではショット売上の増加を目標とすることでアカウントが増加し、ストック売上も増加すると考えております。

 また、収益性を測るための経営指標として売上高営業利益率も重要と考えております。

 Will Smartでは、ショット売上、ストック売上および売上高営業利益率に着目することで、高い成長と安定した経営を目指してまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 Will Smartは、続的成長と企業価値向上のため、下記の項目を主な対処すべき課題として認識し、事業に取り組んでまいります。

 

①人材の獲得と育成

 Will Smartは、事業の安定的・継続的成長のためには、Will Smartの企業文化及び企業理念に合致した志向性を持ち、Will Smart事業を今まで以上に拡大できる高い専門性を有する優秀な人材の確保が不可欠であると認識しております。そのため、優秀な人材の採用及び若手人材の能力及び技術の向上が重要な課題と考えております。

 優秀な人材の確保と能力の底上げのため、今後もインセンティブプランの拡充や長期的なキャリアパスを見据えた研修制度の充実、教育体制の整備を進めていく方針であります。

 

②システムの強化

 Will Smartの展開する事業は、提供サービスの基盤をインターネット通信網に依存しているため、システムの安定稼働及びセキュリティ管理体制の構築が重要であると認識しております。Will Smart事業の成長スピードや市場環境の変化に対応し安定した事業運営を行うためには、サーバー設備の強化、既存システムのバージョンアップ等による外部環境対応が必要となります。今後も、中長期的視野に立った設備投資を行い、システムの安定稼働及びセキュリティ管理体制の維持構築に取り組んでいく方針であります。

 

③組織体制の整備

 Will Smartが今後さらなる業容を拡大するためには、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、今後も業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行える体制整備に努め、財務報告に係る内部統制システムの整備をはじめとして、定期的な内部監査及び監査役監査の実施等により、コンプライアンス体制の維持強化やコーポレート・ガバナンス機能の充実等を図っていく方針であります。

 

④財務基盤の強化

 Will Smartは、継続的にサービスを提供していくとともに、既存サービスの機能改善や新規サービスの開発に取り組むために、手許資金の流動性の確保が重要であると認識しております。このため、金融機関との良好な取引関係の構築や一定の内部留保の確保を継続的に行い、財務基盤の強化を図ってまいります。

 

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 Will Smartの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がWill Smartの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、下記のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。
 Will Smartはこれらのリスクの発生可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。なお、Will Smartは適切なリスク管理を実施することで、以下のリスクの発生可能性を一定程度の低水準まで抑制できると考えており、これらのリスクが顕在化する可能性や時期、顕在化した場合にWill Smartの経営成績等に与える定量的な影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。
 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてWill Smartが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業上のリスク

①経済動向について(顕在化可能性:低/影響度:大)
 Will Smartの提供するサービスは、BtoBサービスであるため顧客の投資予算に左右されます。このため景気低迷期においては、顧客業績の悪化に伴う投資予算削減の結果、受注案件数が減少する可能性があります。このような状況においては、Will Smartの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 特に、Will Smartショット売上高はハードウエア提供及びソフトウエア開発案件の受注ビジネスであり、当初想定した受注案件数よりも実際の受注案件数が下回る場合(想定以上の失注が生じる等)には、Will Smart経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
 Will Smartでは、Will Smartを取り巻く事業環境等の動向に注視すること、ストック売上高の増加による安定的な収益の確保及び顧客層の拡大施策を実施することで、景気低迷期における財政状態及び経営成績に与える影響の抑制に努めております。

 

②個人情報の管理体制について(顕在化可能性:低/影響度:大)
 Will Smartが提供するサービスの中には顧客がサービスを通じて個人情報を取得するものがあり、そのシステムを管理するWill Smart社員も個人情報を扱う場面があると認識しております。万が一、システムで保有する個人情報の漏洩が生じた場合には、Will Smartビジネスの根幹への信頼性が揺らぐため、Will Smartの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 Will Smartでは、収集したデータの社内での機密性確保並びに、漏洩防止施策として、情報に対する暗号化やアクセス制限等を行うとともに、個人情報保護規程等の整備、従業員に対する研修等を通じて情報漏洩リスクの回避に努めております。

 

③システムトラブルの発生リスクについて(顕在化可能性:低/影響度:大)
 Will Smartの事業は、提供サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。何らかの障害により大規模なシステムトラブルが顕在化し、復旧遅延が生じた場合は、Will Smartの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 Will Smartでは、コンピュータウィルスへの感染、ネットワークへの不正侵入、サイバー攻撃等の妨害行為によるシステムダウン、大地震や火災等の自然災害発生によるシステム障害等、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステムトラブルを回避すべく、外部業者によるシステムサーバーの管理・監視体制の構築や、バックアップ等により未然防止策を実施しております。

 

④外注先の確保について(顕在化可能性:中/影響度:中)

 Will Smartは、システム開発の内製化を促進することで、外注の割合は年々減少しているものの、案件の集中状況に応じて、システムの設計、構築等について国内外のパートナーに外注を行うケースが存在しております。

 現状では、有力なパートナーと長期的かつ安定的な取引関係を保っておりますが、パートナーにおいて必要な技術力及び、技術者数が確保できない場合や外注コストが高騰した場合には、サービスの円滑な提供や積極的な受注活動が阻害される可能性があります。また、一部外注先については外注人員の先行確保を実施していますが、Will Smartの受注が減少する局面においては外注人員の削減調整に一定期間を要することが想定され、Will Smartの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 Will Smartでは、安定的な事業運営のため特定の外注先に依存せず、様々な外注先と取引関係にあることに加え、内製化の促進により、外注比率を下げることでリスク回避に努めております。

 

⑤特定業界への特化について(顕在化可能性:中/影響度:大)

 Will Smartは、主にモビリティ業界に所属する顧客向けに事業を行っており、当該業界へ特化することを強みとしておりますが、コロナ禍の様な人流抑制の風潮が蔓延すると公共交通系などにおいては、業績悪化に伴う投資抑制圧力がかかることが想定され、Will Smartの財政状態及び経営成績に対して影響を及ぼす可能性があります。

 Will Smartでは、ストック売上高の増加による安定的な収益の確保及び顧客層の拡大施策を実施することで財政状態及び経営成績に与える影響の抑制に努めております。

 

⑥業績の季節変動について(顕在化可能性:中/影響度:大)

 Will Smartが提供するソリューションは、顧客のシステム投資予算並びに新製品開発予算の対象となる他、顧客企業の予算執行のタイミング、開発するシステムの工期や受託契約案件の外注費検収のタイミングとの兼ね合いから、第4四半期会計期間に売上計上や営業利益が偏重する傾向があります。

 Will Smartは開発標準を作成のうえ、タスク管理を可視化することで納期管理を徹底しておりますが、契約締結時期の遅れによる作業開始時期の遅延や、顧客都合による検収時期の遅延により、計画通りに売上計上ができない可能性があります。特に期末月の3月に予定されていた検収が翌期以降に遅れる場合には、当該期間の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(千円)

182,841

226,560

253,214

423,245

1,085,861

営業利益又は営業損失(△)(千円)

△76,090

△51,349

629

162,935

36,124

 

⑦競合他社の進出について(顕在化可能性:中/影響度:中)

 Will Smartでは、デジタル技術やデータを活用することで、安定的な運用に加え、顧客の業務効率化や新規事業開発など新たな価値創出を支援しております。創業当時よりモビリティ業界に対してサービス提供を行ってきた経験を基に、顧客の課題解決・構想の実行を行うことでサービス価値の拡大に努めるとともに、業界での地位確立に努めております。Will Smartが提供するソリューションは、IoT技術とWEBシステム構築技術を有していることに加え、業界特有の課題や特徴に対する業務知見を反映したソリューションを構築することで他社との差別化を図っておりますが、資金力、ブランド力を有する大手競合企業の参入等により、価格競争が一層激化し、Will Smartの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法的規制等のリスク

①訴訟について(顕在化可能性:低/影響度:大)

 Will Smartは、本書提出日現在において業績に影響を及ぼす訴訟や係争は生じておりません。また、コンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図ることを目的に、リスク管理・コンプライアンス規程を整備し従業員へ周知することで、法令違反などの発生リスクの低減に努めております。

 しかしながら、Will Smartの提供するサービスの不備、Will Smartが保有する個人情報及び顧客企業の内部情報などの機密情報の漏洩、第三者の不正アクセスによる情報流出等に関する訴訟を顧客から提起される可能性があります。これらの訴訟により、ブランドイメージを毀損し、事業活動や経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

②知的財産権管理について(顕在化可能性:低/影響度:中)
 Will Smartは第三者の特許権、商標権、意匠権等(以下、「知的財産権」という。)に抵触することを回避するため、事前の調査、検討及び評価等を随時実施しております。また、関係部署に所属する役員及び従業員に対して定期的な研修を実施する等、内部管理体制の強化に努めております。

 これまで、著作権を含めた知的財産権に関しては、他社の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差止めの請求を受けたことはなく、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しております。しかしながら、Will Smartの事業領域において第三者が保有する知的財産権を完全に把握することは困難であり、Will Smartが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合にはWill Smartに対する損害賠償や使用差止め等が行われることにより、Will Smartの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3)組織体制等に関するリスク

①事業規模の拡大について(顕在化可能性:中/影響度:大)

 Will Smartの従業員は50名(2024年3月末現在)に留まっており、小規模会社であると認識しております。現状は本規模に合わせた社内管理体制を敷いておりますが、今後の成長に伴う事業規模の拡大によっては、以下のようなリスクがあるものと認識しております。

(a) 人材確保・維持について
 Will Smart事業の拡大に伴い、エンジニアの追加採用、サービスの販売を行う営業員の増強、管理部機能強化のための経営管理に特化した人材採用等が必要となる可能性があります。一方で、インターネット関連ビジネスにおいては人材の流動性が高いため、このような人材が機動的に確保できない場合や既存人員が退職してしまう可能性があると認識しております。計画どおりの人員が確保・維持できない場合はWill Smart事業拡大の制約要件となり、Will Smartの成長戦略ひいては財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。Will Smartでは、人材育成プログラムの確立や、十分なインセンティブプランの設定等により、人材の確保・維持に努めてまいります。
(b) 情報システムの拡充について
 今後顧客の増加や提供サービスの拡充に伴って、サーバーへの追加投資等によりWill Smartのシステムインフラを増強する可能性があります。一般的に追加システム投資を行う場合や、新たなシステムへの切り替えを行う場合、バグや不具合の発生等により一時的に十分なサービス提供ができなくなることがあります。万が一当該システム拡充に際して提供サービスに不具合が生じた場合は、Will Smartの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 Will Smartでは、十分な要件設計やテストの実施並びに必要に応じた並行稼働による対応等によって、そのような事象が生じないよう努めてまいります。

(c) 内部管理体制の充実について
 Will Smartは、Will Smartの企業価値を最大化するためには、コーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題の一つであると位置づけております。今後、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じた場合には、適切な業務運営が困難となりWill Smartの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。Will Smartでは、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するため、コンプライアンス研修の継続的な実施及び管理部門の人員補強を行うことによって、これらに係る内部統制が有効に機能する体制の拡充に努めてまいります。

 

②特定人物への依存について(顕在化可能性:低/影響度:大)

 Will Smart代表取締役社長である石井康弘は、Will Smartの経営方針や事業戦略の立案及び決定における中核として重要な役割を果たし、新たな事業モデルの創出においても中心的な役割を担っております。Will Smartは権限委譲等を行うことで同氏に依存しない経営体制の整備に努めておりますが、現状、何らかの理由により同氏がWill Smartの業務を継続することが困難になった場合、Will Smartの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)大株主との関係について

①大株主が株主総会の決議事項に関する支配権または重大な影響力を有することについて
(顕在化可能性:中/影響度:中)

 本書提出日現在において、Will Smart議決権のうち44.2%は株式会社ゼンリンが保有しており、Will Smartのその他の関係会社に該当しております。Will Smartは、大株主からの役員の受け入れは行っておらず、Will Smartが株式会社ゼンリンに対し事前承認を必要とする事項はなく、Will Smartは独自に経営の意思決定を行っております。

 

②取引関係について(顕在化可能性:低/影響度:小)

 Will Smartは、株式会社ゼンリングループと一部サービスの提供等の取引がありますが、一般取引先と同様の条件となっております。Will Smartの独立性の観点を踏まえ、関連当事者との取引については、当該取引の事業上の必要性と取引条件の妥当性等取引内容について審議し、社内規程に定められた承認を得ることとし、取引の健全性及び適正性を確保する体制を築いております。

 なお、当事業年度の関連当事者取引のうち、株式会社ゼンリングループとの取引については、総合情報配信サービスの提供により8,827千円が発生しております。

 

③競合について(顕在化可能性:低/影響度:小)

 Will Smartは、顧客の課題解決を行うためのシステム開発を提供しておりますが、株式会社ゼンリングループは住宅地図帳などの各種地図、地図データベース、コンテンツを提供しており、サービスが異なっております。また、主な顧客業界が異なっており、株式会社ゼンリングループが行っている事業と現時点において競合していることはありません。

 しかしながら、将来において株式会社ゼンリングループの事業戦略に変更が生じた場合には、Will Smartの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスク

①自然災害等について(顕在化可能性:低/影響度:中)
 地震、台風、洪水、津波等の自然災害等により、Will Smartの事業活動に必要な設備等の損壊が生じた場合、Will Smartが提供するサービスの継続に支障をきたす場合があります。事業環境の変化に応じてバックアップサーバーの整備等により柔軟な対応を図っていく方針ですが、これらの事象が発生した場合、Will Smartの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

②調達資金の使途について(顕在化可能性:低/影響度:中)
 Will Smartは、2024年4月の公募増資による調達資金の使途については新規人材の採用費及び人件費、ソフトウエア開発に充当する予定であります。
 しかしながら、Will Smartの属する業界の環境変化や、これに伴う今後の事業計画の見直し等により、投資による期待どおりの効果が上げられなくなる可能性や、場合によっては充当先の変更が生ずる可能性があります。調達資金の使途が変更になった場合には、速やかに開示する方針でありますが、このような場合、Will Smartの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③配当政策について(顕在化可能性:低/影響度:小)
 Will Smartは、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しており、剰余金の配当は、事業基盤の整備状況や事業展開の状況、業績や財政状態等を総合的に勘案し、適切な配当を実施していくことを基本方針としております。しかしながら、Will Smartは成長過程にあることから、内部留保の充実を図り、さらなる成長に向けた事業の拡充や組織体制、システム環境の整備に対する投資等の財源として有効活用することが利益還元に繋がると考えているため、今後の配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。

 

④ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について(顕在化可能性:高/影響度:小)

 Will Smartでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存の株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は254,700株であり、発行済株式総数の17.5%に相当しております。

 

⑤税務上の繰越欠損金について(顕在化可能性:中/影響度:中)

 Will Smartは、当事業年度末時点において、税務上の繰越欠損金を有しております。今後、Will Smartの業績が事業計画に比して順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、Will Smartの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥無形固定資産の減損リスク(顕在化可能性:中/影響度:大)

 Will Smartは、ソフトウエア、のれん等の無形固定資産を保有しており、これらの資産の取得にあたっては事前に必要性や収益性を十分に検証した上で決定しております。しかしながら、経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、対象資産に対する減損損失の計上により、Will Smartの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦収益認識に関するリスク(顕在化可能性:中/影響度:中)

 Will Smartの受託開発案件は、財務諸表「注記事項(重要な会計方針)4.収益及び費用の計上基準(2)役務提供(受託契約等)」に記載のとおり、見積総原価を用いたインプット法を適用しています。Will Smartは、見積総原価の見積精度及び開発進捗管理の精度を高めるよう取り組んでおります。しかしながら、契約ごとに個別性が高く、顧客と合意した要求仕様に対応する工数・外注費等に基づき算定しているため、仕様の追加または変更等により、見積総原価の見直しが必要となった場合、あるいは開発遅延等が発生した場合には、Will Smartの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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