オリエンタル白石グループ(オリエンタル白石及びオリエンタル白石の関係会社)は、オリエンタル白石、子会社を合わせ8社により構成されております。
当連結会計年度において、オリエンタル白石グループが営んでいる事業の内容は下記のとおりであります。
(用語説明)
・プレストレストコンクリート
PC鋼材と呼ばれる高強度の鋼材を引っ張って(この作業を緊張といいます。)張力を与えた後にコンクリートと固定することで引っ張られていたPC鋼材が元に戻ろうとしてコンクリートに圧縮力を与えることで、コンクリート部材の強度・耐久性を向上させる技術です。この技術により、コンクリートの最大の弱点(圧縮には強いが引張には弱い。)を克服することができます。
コンクリートの橋梁上部、落石から道路を守るロックシェッド等の防災設備、タンク、建築、舗装、既存構造物の補強など幅広い分野に利用されています。
・ニューマチックケーソン
ニューマチックケーソン工法(Pneumatic caisson method)のpneumaticは空気のcaissonは函(はこ)を意味します。日本では「潜函」工法とも呼ばれています。
地上で鉄筋コンクリート製の函(躯体)を構築し、躯体下部に作業室を設け、ここに地下水圧に見合った圧縮空気を送り込むことで地下水の浸入を防ぎます。
作業室内で地山を掘削・排土して、躯体を沈下させることで、橋梁や建造物の基礎として、また、下水ポンプ場、地下調整池、シールドトンネルの立坑、地下鉄や道路トンネルの本体構造物として幅広く活用されています。
事業の系統図は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、オリエンタル白石グループが判断したものであります。
オリエンタル白石グループは、「人と技術を活かし、常に社会から必要とされる集団を目指す。」の経営理念のもと、公共事業を中心とした社会基盤の整備と維持管理にかかわる事業活動を通じ、社会の発展に貢献できるよう努めております。そして、社会から支持され、信頼される企業となることによって業績の向上を図り、企業価値を高めていくことを経営の基本方針としております。
公共投資市場は、防災・減災対策や将来を見据えたインフラ老朽化対策の推進、整備新幹線の着実な整備やリニア中央新幹線プロジェクトの推進、全国の高速道路の大規模更新工事及び4車線化といった事業が引き続き展開され、今後の建設需要は底堅い見通しであります。しかしながら、建設業においては、技能労働者の減少による担い手確保、ICT等の技術革新による生産性の向上、工事現場における長時間労働の是正といった働き方改革への対応等、課題も山積しております。
このような環境のもと、オリエンタル白石グループでは、主力事業の強化のため公入札における総合評価力の強化による受注確保への対応、オリエンタル白石グループの持つ特化技術採用に向けた技術営業の推進、競争力を高める研究開発・設備投資の推進、教育の充実と多様な人材活用による組織強化、生産性向上とコスト競争力向上等の戦略を進めてまいります。
工事現場における長時間労働を是正するため、生産性の向上、社員能力の向上という観点から“人材の育成”“生産性の向上”“働き方改革”の3つの課題をテーマとして対策を進めております。
同時に、オリエンタル白石グループの事業を支える協力会社に対して研修設備の建設や社員研修、資格取得の支援により技能労働者の確保への環境整備も進めてまいります。
又、オリエンタル白石グループは、サステナブルな経営を目指し、環境問題等の課題に取組むための議論を活性化し、中長期的な企業価値創出のビジョンを企画してまいります。
オリエンタル白石グループは、これまで培ってきた経営資源をもとに、「事業」、「投資」、「財務」、「サステナビリティ」に対する戦略を構築し、長期ビジョン「オリエンタル白石グループ2030年の将来像」に向け一丸となって挑戦と前進を続けるため、2023年度(2024年3月期)を初年度とし、2025年度(2026年3月期)までの3か年を対象とした「中期経営計画2023-2025~さらなる成長に向けた競争力の向上と新たな挑戦~」を策定しスタートさせております。この中期経営計画では、オリエンタル白石グループの2030年像を「人財と技術の多様性を活かし、社会インフラ整備の様々な需要に応え、挑戦と前進を続ける企業集団」とし、グループの2030年の将来像に向け、基幹事業の充実、連結事業の強化、新規・周辺事業による事業領域の拡大、サステナブル経営への取組を進め、企業価値の一層の向上に努めてまいります。
中期経営計画の主な内容は、以下のとおりであります。
中期経営計画の基本方針
①国土強靭化、インフラ老朽化対策などの社会的課題の解決に貢献し、これを業績の向上につなげる。
②基幹事業のさらなる充実、連結事業の強化、新規・周辺事業の成長と領域拡大を推進しグループ全体の発展を図る。
③DXや技術開発、他社・他業種との連携により、事業生産性を高める。
④教育、研修など“人への投資”を促進し、競争力豊かな人財の構築を図る。
⑤バランスのとれた投資、還元戦略を実行する。
⑥カーボンニュートラルに向け、脱炭素施策の推進と技術開発を継続する。
中期経営計画における経営指標目標(2026年3月期)
企業価値向上と成長戦略
持続的な売上の増加と収益の向上
売上高 730億円
営業利益 62億円
親会社株主に帰属する当期純利益 45億円
成長事業の基盤固め
投資額 220億円
D/Eレシオ 0.29倍
株主に対する還元効率
自己資本当期純利益率(ROE) 9%以上
配当性向 50%以上
総還元性向 70%程度
PBR 1倍以上
(事業戦略)
基幹事業(PC土木、ニューマチックケーソン/一般土木、補修補強、PC建築)
・公共工事におけるシェアと実績の拡大
・ニューマチックケーソンの橋梁と治水設備等への事業拡大
・事業量の確保と収益力の維持を図る
・プレキャストコンクリートのすう勢の中でのPC構造の採用を拡大する
連結事業(鋼構造物事業、港湾事業)
・新設橋梁と補修補強のバランスの中で売上・利益の拡大を図る
・港湾、土木の中小工事で受注・売上を確保するとともに今後本格化するカーボンニュートラルポートプロジェクトへの準備を進める
新規・周辺事業(工場製品外販、地域戦略事業、橋梁維持管理事業、官民連携事業、海外事業、環境事業)
・成長投資、技術開発、生産性向上、他社・他業種との連携、顧客基盤の強化
新規・周辺事業の領域拡大を図ることで基幹事業の拡充、連結事業の強化にも寄与
生産性向上
・新たな取組やシステム導入時の必要人員、またその運用による一時的な生産性低下は発生するが、本中計期間に克服し、その後の単位生産量上昇を図る
(投資戦略)
・基幹事業や連結事業の拡充と強化、新規・周辺事業の拡大を図る
経常投資(既存事業継続投資) 50億円
成長投資(成長機会創出投資) 110億円
戦略投資(資本業務提携) 60億円
投資総額(2023-2025年度) 220億円規模
*戦略投資(資本業務提携)資金として伊藤忠商事株式会社への第三者割当増資により約50億円を調達
(財務戦略)
営業CF(堅実なCF創出力の向上)と財務CF(財務健全性を維持した有利子負債の活用、資本業務提携による第三者割当増資)を経常投資・成長投資・戦略投資へ投下し好循環を生み出すことにより企業価値を高めると共に、安定した配当の継続に加え、戦略投資の成果を踏まえた機動的な自己株式取得を実施します。
(サステナビリティ戦略)
・環境(カーボンニュートラルの実現に向けた取組)
2030年度目標 CO2排出量(Scope1,2) 19,000t-CO2
売上高原単位21t-CO2/億円
削減率 約31%(2021年度比)
・人材戦略
人財と技術の多様性を活かす働きやすさと働きがいのある魅力的な企業づくり
・ガバナンス・対話
グループの持続的な成長を支えるガバナンスとステークホルダーとの対話の充実
当該経営数値目標を採用した理由は、オリエンタル白石の経営方針・経営戦略を理解する上でステークホルダーにとって重要な指標であり、目標に対する進捗状況を継続的にモニタリングし、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。オリエンタル白石グループでは、これらのリスクの発生を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
オリエンタル白石グループは、年2回のリスク管理委員会を開催し、各事業部門において事業年度におけるリスクを把握しリスク低減に関する施策を討議するとともに、その有効性の評価と施策結果の確認を行い、その結果を受け翌事業年度のリスク低減へ反映させるサイクルを行っております。また、リスク管理委員会における経過、結果は取締役会に報告しております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてオリエンタル白石グループが判断したものであります。
オリエンタル白石グループの主要な事業は、建設事業であり、その事業サイクルは受注・施工・売上・回収の流れとなっております。リスクの区分としては、このサイクルに直接的に該当する(特に重要なリスク)と関連する(重要なリスク)に区分されます。
(特に重要なリスク)
① 市場リスク
オリエンタル白石グループの事業は、その大半が国・地方自治体及び高速道路会社からの公共事業に依存しております。これらの発注状況については情報収集に努めておりますが、予想を超える公共事業の削減が行われた場合には、目指すべき受注の確保ができず、売上の減少により業績に影響を与える可能性があります。受注への対応のため、本社において営業戦略会議を毎週開催し、これらの発注状況の共有、各支店の受注活動状況の確認、注力事業分野の指示等の受注量確保のための戦略会議を行っております。
② 資材価格・労務費上昇リスク
請負金額に反映することが困難になる水準で資材価格・労務費が高騰した場合には、工事原価の上昇による利益減少により業績に影響を与える可能性があります。資材価格・労務費については、入札時において見積徴収等を行い価格の動向を確認するとともに施工中における資材価格の高騰について発注者と情報を共有することにより請負金額へ反映されるよう協議を行っております。
③ 事故などの安全上のリスク
事業に関して大規模な事故が発生した場合は、多大な損害が発生する可能性があります。オリエンタル白石グループでは、安全を最優先として、事故防止に努めておりますが、万一事故が発生した場合は、社会的信用の失墜、各発注者からの指名停止措置等の行政処分、損害賠償等により、受注機会の喪失、利益の減少、資金負担の増加等の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
④ 品質管理に関するリスク
オリエンタル白石グループの製品の製作及び施工につきましては、品質管理に細心の注意をはらい万全を期しておりますが、万一、重大な契約不適合責任や製造物責任による損害賠償が発生した場合、修復に多大な費用負担、施工遅延の発生や信用力の低下による受注機会の減少等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 取引先の信用リスク
オリエンタル白石グループは、民間からの請負工事を行っており、与信管理、情報収集、債権管理等の対応を取っておりますが、工事代金受領前に取引先が信用不安に陥った場合、貸倒損失の計上による利益の減少、資金回収不能による資金繰りの悪化等により業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(重要なリスク)
① 金利上昇による業績変動リスク
資金調達については、オリエンタル白石を中心としたグループ内資金運用を基本に財務体質の維持・強化に努めており、金融機関からの借入期間の検討等により金利負担の低減に努めておりますが、現行金利が予想以上に高騰した場合には、調達資金コストの上昇がオリエンタル白石グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制に関するリスク
事業を営むにあたり建設業法等の法的規制を受けております。法令遵守の意識徹底は対処すべき課題の最優先課題と位置づけておりコンプライアンス教育による意識の徹底に努めておりますが、万一法令違反があった場合には、行政処分や刑事処分、訴訟による損害賠償等が発生し、受注機会の減少、資金負担の増加等により業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟等のリスク
事業等に関連して訴訟、紛争、その他法的手続きに関わる判決、和解、決定等により、信用力の低下による受注機会の減少や資金負担の増加等の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 感染症に関するリスク
感染拡大や収束時期の長期化による上記①市場リスク(建設投資計画の見直しや工事発注時期の延期による受注機会の減少)や、②資材価格・労務費上昇リスク(工事中断の発生に伴う工程遅延による売上高減少や、関連する経費・労務補償等の原価が増加)等により、業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 情報セキュリティリスク
オリエンタル白石グループは、施工物件に関する情報、経営・技術・知的財産に関する情報、個人情報等様々な情報を取り扱っております。情報セキュリティ規程を定め従業員教育を行うとともに、サイバーセキュリティ対策として、働き方の多様化を踏まえたエンドポイントセキュリティの強化やマネージメント・セキュリティ・サービスを導入しておりますが、これらの情報が外部からの攻撃や従業員の過失等により漏洩または消失等した場合は、信用の毀損、損害賠償や復旧費用等の発生により業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 気候変動に関するリスク
TCFDの枠組みに則り、気候変動に関するリスクは移行リスクと物理的リスクに区分して特定しております。 移行リスクにおいては、CO2削減に伴うエネルギー、材料、資機材等の価格高騰、施主や顧客によるCO2削減要求に対する制約、事業に関する法規則の厳格化が挙げられます。また物理的リスクは気象、環境変化による現場作業不能や災害、労働者の健康被害が挙げられます。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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