ニップン(2001)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】ニップングループ(ニップン及びニップンの関係会社)は、ニップン(株式会社ニップン)及び子会社59社、関連会社21社で構成されております。営んでいる主な事業内容とニップン及び子会社、関連会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。 (1) 製粉事業ニップンが小麦粉、ふすまを製造し、特約店を通じて販売しており、ニップン商事㈱、㈱ニップン商事コーポレーション、鈴木㈱及び丸七商事㈱は、この特約店の一部であります。松屋製粉㈱がそば粉を製造し、販売しております。(2) 食品事業<国内>ニップンが家庭用小麦粉、プレミックス等、冷凍食品類を製造し、特約店を通じて販売しております。オーマイ㈱がニップン製造の小麦粉を使用して、パスタ類を製造しニップンに販売しております。日本リッチ㈱が冷凍食材をニップンから仕入れて販売しております。㈱畑中食品がニップン製造の食材を使用して、冷凍食品を製造しニップンに販売しております。㈱ファーストフーズ、㈱一富士製麺所、㈱ファーストフーズつくば、㈱ファーストフーズ名古屋がニップン製造の食材を使用して、中食関連食品を製造、販売しております。オーケー食品工業㈱、㈱ナガノトマトが加工調理製品を製造、販売しております。<海外>タイにおいて、NIPPN(Thailand)Co.,Ltd.がプレミックス及び冷凍生地を製造しており、NIPPN FOODS CORPORATION(THAILAND) LTD.がプレミックス等を販売しております。中国において、上海金山日粉食品有限公司がプレミックスを製造しており、上海日粉総合貿易有限公司がプレミックス等を販売しております。米国において、Pasta Montana,L.L.C.がパスタ類を製造、販売しており、NIPPN California Inc.がプレミックス等をニップン等から仕入れて販売しております。インドネシアにおいて、PT NIPPN PRODUCTS INDONESIAがプレミックスを製造しており、PT NIPPN FOODS INDONESIAがプレミックス等を販売しております。(3) その他事業ニップンが不動産の賃貸を行っております。エヌピーエフジャパン㈱がペットフードを製造、販売しております。ニップンライフイノベーション㈱が健康食品類をニップンから仕入れて販売しております。ニップンエンジニアリング㈱が食品関連プラントの設計、施工を行っております。ニップンドーナツ㈱、ニップンドーナツ関西㈱、ニップンウミノ㈱及び大和フーヅ㈱がニップン製造のプレミックスを使用する飲食店を経営しております。ニップンビジネスシステム㈱が情報処理システムの開発、提供をしております。㈱ニップンロジスが物流サービスを提供しております。 以上に記載した事業を系統図によって示すと次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてニップングループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 ニップングループは創業以来の製粉事業に食品事業を加えて基盤事業とし、冷凍食品や中食など事業の多角化を進めてまいりましたが、今後はヘルスケアや大豆・野菜事業などへも注力し、さらに新規事業も加えて事業領域を拡げ持続的成長を図っていくため、「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します」を経営理念としております。 ニップンを取り巻く環境は目まぐるしく変化しておりますが、創業以来の技術力と新しいデジタルトランスフォーメーション(DX)の融合を図り、イノベーションを起こすことで、変化を先取りした新しい時代の「食」を創造していきたいと考えております。 社内においては、社員一人ひとりが創業以来のパイオニア精神を忘れず、創造性・多様性を育み、何事にも積極的に取り組めるような職場環境を構築し、新たな事業領域にチャレンジしてまいります。 このような企業活動を通じて、気候変動等の環境問題、食資源の有効活用、生物多様性の保全、人権課題、人口問題、健康寿命の延伸等の社会的課題に対して真摯に向き合い、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。ESG経営を実践するレジリエント企業として、日本と世界の現実に目を向け、国内外のパートナーとともに「より良い社会」「より良い地球」の実現に力を注ぎます。 ニップングループは、経営理念を実現するためにお客様、社員、株主、社会をはじめとするステークホルダーとともに、未来につながる価値を創出してまいります。 様々な場面でニップン製品が愛用され、世の中の全ての人々に幸せ、心身の健康、そして笑顔をお届けする企業を目指します。 (2) 会社を取り巻く経営環境 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復傾向で推移いたしました。しかしながら、アメリカの通商政策の動向や金融資本市場の変動に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱等により、先行きは一段と不透明感を増しております。 食品業界においては、インバウンド需要の拡大や外食産業の持ち直しにより緩やかな回復基調が見られたものの、中東の地政学的リスクに伴う原油高や供給不安により、原材料価格・物流費の高騰に加え、石油由来の包装資材を始めとした原材料の調達リスクに直面しております。個人消費の更なる冷え込みも懸念される中、ニップングループの経営環境に及ぼす影響について、最大限の注意を払う状況が続きました。 ニップングループは持続的な成長を実現するため、ブランド力の強化や差別化した商品の展開に注力するほか、生産拠点の整備・拡充や事業の取得・提携を推進することにより、収益の向上に努めておりますが、国内外での消費行動の変化等がニップングループの業績に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 (3) 会社の対処すべき課題と中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標① 長期ビジョン2030についてニップングループは、経営理念の達成に向けて、2024年5月に長期ビジョン2030「ニップングループは、総合食品企業として、食による社会課題の解決に挑み続けます」を策定しました。売上高5,000億円・営業利益250億円規模までの成長を目指す経済的価値の追求に加え、社会的価値の創造にも注力するため、ニップンのありたい姿と取り組みの方向性を整理し、2030年度までに達成することとしました。 <長期ビジョン達成に向けた施策>長期ビジョン2030の実現に向け、事業戦略の実行を支える全社的な基盤整備を推進しております。特に、生産性向上に直結するDXの推進と、価値創造の源泉となる人的資本の強化を全社共通の最重要施策と定め、業務の効率化と高度化の両立を図ってまいります。 ■DX推進による生産性向上ニップングループは、アナログデータのデジタル化や業務の自動化・見える化を段階的に推進してまいりましたが、より本質的なDXにシフトアップするため、「ニップンDX全体構想」を策定しました。既存事業の進化と新規事業の創出・ウェルビーイング実現に向けて、抜本的な業務の効率化・高度化により、挑戦する時間と人財を生み出すDXを推進しております。生成AIをはじめとする最新技術と全社的に蓄積されたデータをシームレスに連携して活用できる基盤を整え、現場主導で業務プロセスの最適化と改善を繰り返す企業文化を形成してまいります。 ■人的資本の強化長期ビジョンの達成や従業員のウェルビーイング実現に向け、経営戦略と人財戦略の連動を図るため「人財ビジョン」を策定しております。人財ビジョンを主軸として、求められる人財創出につながる人財育成・人事制度改定・組織風土づくり等に取り組むことで、従業員の創造性と多様性を育み、何事にも積極的に取り組める職場環境の構築を進めながら個人と組織双方の持続的な成長を目指します。 <成長領域における戦略と課題>■冷凍食品事業において、2030年までに売上高900億円/年を目指します。家庭用冷凍食品において、「オーマイプレミアム」をはじめとする冷凍パスタに加えて、市場の伸長が続くワンプレート商品を軸として売上拡大を図ります。業務用冷凍食品において、好調な外食需要やインバウンド需要に対応するため、ユーザーのニーズに即した商材の売上拡大を図ります。売上拡大を実現するために、2025年4月に連結子会社化した株式会社畑中食品の新冷凍食品工場建設や自動化技術の導入を進め、供給能力の増強に取り組んでまいります。 ■海外事業において、2030年までに売上高600億円/年を目指します。既存進出国における事業拡大を図る他、新規需要地域への販売拡大に取り組んでまいります。また、海外事業の拡大に貢献できるグローバル人財の育成に注力する他、日本製品の輸出拡大も進めてまいります。冷凍食品事業業績推移と目標 海外事業業績推移と目標 ②中期目標ニップングループは、長期ビジョンに掲げる売上高5,000億円・営業利益250億円の実現に向けて、「2026年度までに売上高4,000億円・営業利益150億円の達成」を中期目標として2022年5月に設定しました。その後、2023年度実績がこれを前倒しで達成したことから、2024年5月に中期目標を上方修正して、新たに「2026年度までに売上高4,500億円・営業利益210億円、ROE8%以上、ROIC5%以上」を掲げております。中東の地政学的リスクに伴う物流費や原材料の高騰、供給不安など先行きの不透明感は増していますが、ニップングループは基盤領域の収益力強化、成長領域及び新規事業領域への戦略投資、M&Aや事業提携の機会追求、DX推進による企業競争力の強靭化、サステナビリティ経営の推進の5つを戦略の基本方針とし、基本方針に沿った戦略を着実に実行することによって、2026年度中期目標の達成に努めてまいります。 <各事業の戦略と施策>製粉事業では、知多工場が2026年2月に稼働を開始し、省エネ・環境を含めサステナビリティに配慮しながら、最新の自動化技術等により高い生産性を実現しております。また、やわら小麦などニップンならではの価値訴求型商品を開発・拡販していくことで差別化を図ってまいります。加えて、DXを駆使した生産性の高い営業活動の実践と無駄の排除、物流改善、各工場における生産効率向上を図り、安定的なキャッシュの創出に努めてまいります。 食品事業では、プレミックスやシーズニングにおいて、ニップンノウハウを活用した商品の差別化やDXを通じた採算管理の徹底により、更なる収益性の向上を図ってまいります。家庭用分野においては、冷凍・常温いずれの温度帯でもマスターブランドである「オーマイプレミアム」の商品開発を継続することに加え、広告宣伝活動と連動した販促を実施することで、ブランド認知の向上とさらなる価値訴求を図ってまいります。さらに株式会社畑中食品の新工場新設等を通じて供給体制の増強を推進してまいります。 海外事業では、拠点内外における市場開拓と海外事業拡大へ向けた取り組みを加速させてまいります。2025年9月よりUtah Flour Milling, LLCの新工場が本格稼働しており、事業拡大へ向けた取り組みの検討を継続するだけでなく、各国拠点の近隣諸国の販路拡大に向けた活動や、NIPPN Vietnam Company Limitedの新工場稼働に向けた体制整備にも取り組んでまいります。 <中期目標達成へ向けた成長戦略>ニップングループは、中期目標達成をより確実なものとする具体的施策として、「生産拠点の新設・再配置」、「付加価値商品の開発・提供」及び「マーケティング戦略の推進」に取り組んでおります。 ■生産拠点の新設・再配置国内では、2026年2月に製粉拠点として知多工場が稼働を開始いたしました。臨海部に立地し大型穀物船が接岸できる知多埠頭の原料サイロに隣接しており、原料小麦の直接搬入による原材料調達コストの削減を実現しております。加えて、流量や製品分析などを自動測定するシステムを導入することにより、製粉工程の精度向上と効率化を図る等、スマートファクトリー化を推進しております。さらには、大地震の際の津波の影響を考慮し、建物1階床レベルの嵩上げを行う等、自然災害への強靭性を高めております。同工場は、太陽光発電設備の導入や非化石証書の活用により、実質100%再生可能エネルギーを実現したニップン初のカーボンニュートラル工場となります。このほか、2026年度末に株式会社畑中食品の新冷凍食品工場が竣工予定、また、研究開発拠点を新たに設置する「ニップンR&Dセンター」へ移転予定です。さらに海外では2027年にNIPPN Vietnam Company Limitedのプレミックス新工場が稼働予定となっております。今後も投資効果を慎重に見極めながら、拠点の新設・再配置を検討してまいります。 ■付加価値商品の開発・提供ニップンは、でんぷんの老化が遅く(硬くならない)、作りたてのような食感を長持ちさせる特性を持つ国内産小麦を、農研機構と共同研究し、「やわら小麦®」として商標を取得しております。その開発と実用化が評価され、令和7年度民間部門農林水産研究開発功績者表彰において、「農林水産省農林水産技術会議会長賞」を受賞しました。2026年3月には、「焼きたてはもちろん翌日以降もやわらかな食感が楽しめる」という新たな消費者価値を提供する家庭用新商品として、「ニップンつぎの日もやわらか強力小麦粉」を発売しております。今後も「やわら小麦®」を広くご活用いただけるよう、各種商品開発に向け取り組んでまいります。 ■マーケティング戦略の推進消費者起点の取り組みにより成熟市場においても拡大・成長を実現するべく、2023年10月よりマーケティング戦略を推進してまいりました。具体的には「オーマイプレミアム」ブランドに注力し、常温・冷凍いずれの温度帯でもおいしさを実感していただける商品を展開することで、消費者に選ばれる商品・ブランドづくりを進めてまいります。また、2025年4月にはマーケティング本部を新設し、商品開発と営業支援機能を組み込むことで、統一した戦略立案と迅速な意思決定が図れる体制を整えました。今後は、徹底した「消費者起点のマーケティング」を業務用領域においても展開し、ブランド認知の更なる向上と収益拡大につなげてまいります。 <政策保有株式の縮減>ニップングループは、政策保有株式の保有にあたり、資本コストを意識した上で銘柄ごとに保有意義を検証し、保有合理性が薄れたと判断した株式の縮減を進めることにより、資本効率の向上を目指しております。2025年度においては、保有先との対話を進め、59億円相当の政策保有株式を売却いたしました。中期目標の最終年度となる2026年度においては、保有額を連結純資産比20%未満にするという目標達成のため、引き続き縮減に注力してまいります。 ニップングループの経営理念である「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献」するため、経済的価値を追求する事業成長戦略と社会価値創造戦略に経営資源を投入し、長期ビジョン及び中期目標の達成を目指してまいります。 ③サステナビリティ経営の取り組みニップングループは、多くの地球の恵みの恩恵を受け、事業を展開しています。これらの素材の調達から製造・物流・加工等のサプライチェーン全体の事業活動が環境に大きな影響を与えていることを認識しています。サステナブルな食料システムの維持のため、「気候変動対応」「生物多様性の保全」「循環型社会の実現」を通じ、食の持続可能性に対する負のインパクトを軽減することは、ニップングループの事業継続において、喫緊の課題であることを認識しています。また、企業価値創造の源泉となる「従業員」のウェルビーイング実現に向け経営戦略と人財戦略の連動を図るため「人財ビジョン」を策定しました。人財ビジョンを主軸とし、求められる人財創出につながる人財育成、人事制度改定、組織風土づくりなどに取り組んでいます。 <気候変動>ニップングループは、気候変動への対応を企業理念の実現における重要な課題と捉えております。GHG排出量削減の重要性を認識し、2030年度までにスコープ1+2のGHG排出量を2021年度比で42%削減する目標を設定しました。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、具体的な取り組みを進めております。2026年2月に稼働を開始した知多工場では、ニップン国内工場で4例目となる太陽光発電設備を導入しました。また、使用電力の100%を実質再生可能エネルギーとし、ZEB Readyの取得など、高い省エネ性能を実現しました。今後も省エネ設備の導入、再生可能エネルギー設備の導入、及び再エネ電力の調達等に関するロードマップを的確に見直しながら、着実なGHG排出量削減に努めてまいります。 <持続可能な調達>ニップングループは総合食品企業として、製粉やプレミックスなどの食品素材から、冷凍食品などの川上から川下まで幅広い事業を展開しています。その中で多様な原材料を扱うことから、サプライチェーンの拡大に伴い「人権」「生物多様性」「気候変動」など、社会・環境面への影響がより大きくなると認識しています。こうした状況を踏まえ、ニップングループは「人権方針」および「調達基本方針」を改定し、新たに「生物多様性方針」を策定しました。これらの方針に基づき、人権デュー・ディリジェンスの実施や、TNFDのLEAPアプローチを通じたリスクと機会の特定など、持続可能な調達に向けた取り組みを進めています。 <人的資本>人財ビジョンを主軸に、求められる人財創出につながる人事制度改定や人財パイプラインづくりとしての人財育成、イノベーション創出基盤としての組織風土醸成に取り組んでまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】ニップングループでは、企業目的の達成に影響を与えるリスク管理に関して必要な事項を定め、リスクの防止及び損失の最小化を図ることを目的に、代表取締役社長を委員長としたリスクマネジメント委員会を設置しております。さらに、リスクマネジメント委員会の下部組織として、コンプライアンス部会、災害対策部会、事業遂行部会、情報セキュリティ部会を設置し、各部会においてそれぞれ担当の事案を検証し、必要に応じて対応できる体制を整備しております。多様なリスクについては、①事業、②サステナビリティ、③ガバナンスの3つのカテゴリーに分類し、それぞれに対して基本的な対応策を設定しています。また、リスクマネジメント委員会では、「影響度」と「発生頻度」の2軸でリスクマップを作成しています。「影響度」は人的被害、事業中断リスク、コンプライアンスおよび財務への影響を基準とし、「発生頻度」は年次発生の可能性から10年に1回程度の頻度までを想定して、各リスク項目を大・中・小で評価しマッピングしています。 リスク対応策1・事業1-1 貿易自由化の変動と麦政策の変更CPTPP(TPP11)、日EUEPA、日米貿易協定等の継続的な見直し・拡大に加え、世界的な貿易政策の不確実性が高まっています。これらに伴う制度変更、小麦調達方式の変更、輸入増加、国内価格競争の激化、関連業界の再編等により、ニップングループの基幹事業(製粉、プレミックス、パスタ等)が影響を受ける可能性があります。また、国際的な物流環境の変化や地政学リスクにより、調達・供給の安定性に影響が及ぶ可能性もあります。小規模工場の集約や臨海大型工場への生産統合によるコスト競争力強化、差別化可能な製品開発、海外事業の拡大を進めております。また、制度・国際情勢の動向を継続的に把握し、調達方式の柔軟化や市場変動に対応した供給体制の確保に努め、リスクの低減を図っております。1-2 為替の変動海外から調達する原材料・商品のコストは、為替相場の急激な変動に大きく影響を受けます。加えて、在外子会社の損益・財務状況は円貨換算時の評価差により変動し、業績に影響を及ぼす可能性があります。為替変動がサプライチェーン全体に及ぶことで、調達コスト増や在庫評価への影響が生じる場合もあります。為替予約ルールの運用や市場動向の注視により調達影響を低減するとともに、原材料・商品の価格転嫁を適宜行うことで、業績変動の抑制に努めております。また、在外事業の為替影響を踏まえた財務管理を実施し、変動リスクの最小化を図っております。1-3 製品市況の変動国内市場は人口減少・少子高齢化が進むなか競争が激化しており、消費動向の変化や景気動向、物価上昇等の影響を受けやすい状況です。製品市況が大きく変動した場合、ニップングループの業績の不安定要因となる可能性があります。特に、製粉事業の副産物であるふすまは需給バランスの影響を受けやすく、価格変動が収益に影響する可能性があります。市場動向に応じた適正な販売価格設定、高付加価値製品の開発、需要変化に対応した製品ラインアップの強化を進めております。また、副産物については在庫水準の適正化に努めることで、市況変動の影響を抑制しております。1-4 物流の委託ドライバーの不足や高齢化、物流関連法規制の厳格化が進みドライバー確保がより困難を極めている状況に加え、人件費、燃料費、車輛維持費等の上昇が運送会社の経営を圧迫し倒産リスクを高めており、輸送能力が縮小する事で取引先への製品納入が滞り、業績に悪影響を与える可能性があります。今後急速に進む事が予想される輸送能力の縮小を回避する対策として、難作業の改善、トラックの長時間待機・荷役時間削減に向け物流の改善に取り組んでいます。またリードタイム延長による輸送平準化、共同輸送の拡大、積載重量の増加等の物流効率化策を進めています。 リスク対応策1・事業1-5 海外事業ニップングループは米国やアジア地域に事業を展開しており、これらの地域では、政治・経済情勢の変化、法令・規制変更、テロ・紛争等の地政学リスク、物流遅延、感染症の再拡大など、事業活動に影響を与える不確実性が存在します。これらの要因により事業運営が制約を受けるほか、収益性に影響が生じる可能性があります。海外情勢の情報収集とリスク監視を強化するとともに、海外関連会社に対する適切な管理・運営サポートを実施しております。また、地域分散の推進、供給体制の見直し等により、特定地域への依存リスクを抑制し、事業継続性の確保を図っております。1-6 投資コストの増加生産設備及び各拠点の大規模な設備投資の実施により、一時的な減価償却費や各種経費等の増加が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。一定金額以上の設備投資については、投融資委員会を設置し、委員会において社内基準に基づき経済合理性を十分吟味したうえで、取締役会において投資効果等を審議のうえ決議しており、また、投資後の業績進捗状況等のモニタリングを継続的に実施することでリスクの低減を図っております。2・サステナビリティ2-1 製品の安全性食品の安全性に対する消費者の意識は日々高まっており、法令・規制等も厳格さを増しております。ニップングループでは、新技術の導入や品質管理に関する社内研修の実施等、品質保証体制の強化に取り組んでおりますが、想定外の要因により、販売停止や製品回収を行う可能性があります。ニップングループでは、JFS-C等の食品安全マネジメントシステムおよび品質管理システムの認証取得、食品防御や食品偽装防止への取り組みの強化、製造委託先を含む製造拠点における品質管理の徹底、トレーサビリティシステムの維持、食品表示の多重チェック等、品質保証体制の強化を推進することにより、リスクの低減を図っております。2-2 気候変動気候変動により、原材料の調達からお客様への販売まで、サプライチェーン上の様々な場面で影響が及び、また、脱炭素社会への対応により、コストが上昇するなど、ニップングループの事業活動に支障が生じる可能性があります。ニップンはサステナビリティ委員会及びサステナビリティ実行委員会を設置しており、気候変動に関するニップングループのリスクに包括的かつ具体的に対応する体制を整えております。また、2023年2月には、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同を表明し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」における提言に沿って取り組み、リスクの低減を図ってまいります。2-3 原材料の調達地球温暖化・自然災害によって動植物の収穫量が減少したり、エネルギーコストや人件費の高騰、為替の変動等によって調達コストが上昇したり、紛争、政治情勢の不安定化、疫病の蔓延等による物流障害によって、原材料の調達が難しくなる可能性があります。また、原材料の変動コストを適切に商品原価に転嫁しないと、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。調達に際して環境・人権問題等の社会的課題に適切に対応しなかった場合、ニップングループのブランド毀損や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。ニップングループでは、環境・人権等に配慮しながら、安全で価格競争力のある原材料を探し出し、様々な変化 やリスクを踏まえて、産地分散による複線化した調達体制を確保し、原材料の変動コストを適切に商品原価に転嫁して、リスクの低減を図っております。2-4 資金調達ニップングループは、銀行等からの借入により必要資金の調達をしておりますが、急激な金利上昇や事業計画未達等により格付けが低下し、資金調達環境の悪化や金利負担が増加するなど、ニップングループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。財務体質の維持及び強化に努めるとともに、資金調達先及び方法、期間を分散させることにより、リスクの低減を図っております。 リスク対応策3・ガバナンス3-1 サイバー攻撃及びコンピュータシステムのトラブル・データ漏洩ニップングループでは、システムにトラブルが起こった場合、業務に支障をきたすことが考えられます。また、個人情報を含むデータの漏洩やデータ暗号化の被害等があった場合、対応費用が発生します。情報セキュリティ基本方針、情報セキュリティ管理規程等を制定し、従業員教育や訓練を実施しております。外部からの攻撃に対するハード面、ソフト面の強化を図るとともに、情報機器についてはデータへのアクセス制御やパスワードの厳重管理を徹底し、取締役会が定期的に情報セキュリティの管理状況をモニタリングしており、リスク低減を図っております。3-2 法的規制の影響ニップングループでは、食品衛生法、食品表示法、環境法等、国内外の法的規制等の適用を受けています。規制強化や想定を超えた新たな法的規制により、事業活動の制限や対応費用が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。関連法規の改正動向の把握に努め、外部研修会への参加、社内研修会の開催、内部監査などを実施し、コンプライアンス体制を強化し、リスクの低減を図っております。3-3 知的財産権ニップングループの知的財産権やノウハウが侵害される可能性、また、ニップングループが第三者の知的財産権を意図せず侵害した場合、当該第三者から損害賠償請求等の権利行使を受ける可能性があり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。法務部門、知的財産部門による知的財産権の取得、関連部門によるノウハウ化、知的財産権の調査、知的財産権を尊重した製品開発及び営業活動を行い、リスクの低減を図っております。3-4 災害による影響ニップングループでは、大規模災害等が発生した場合、大きな損害を被ったり、製品の製造・出荷に支障をきたしたりすることが考えられます。リスクマネジメント委員会の下部組織である災害対策部会が、全社的な体制の検討を行います。設備・機器の安全性チェックや防災訓練などを実施し、安全な操業や事故防止体制の確立を図るとともに、従業員の安否確認システムの導入や初動対応計画の作成、事業継続計画の見直し、通信手段、情報ツールの導入、防災用品の拡充、食料の備蓄、損害保険の付保等によりリスクの低減を図っております。3-5 人材の確保ニップングループでは、人材の確保及び育成が順調に進まない場合、適切な人材の配置に支障をきたす恐れがあり、特に製造現場での人材が不足することは事業継続に影響を与える可能性があります。ニップングループでは、製造要員他必要な人材を確保するとともに、職場における教育(OJT)や研修(OFF-JT)等により、その育成に努め、ワークライフバランスの促進や育児・介護に関する休業・勤務制度の導入等、働きやすい制度設計に取り組み、加えて健康経営を推進しております。またエンゲージメントサーベイを通じて社員の状態を可視化した上で組織課題の洗い出しや定着率向上に向けた対策を講じております。さらにIоTやAIを活用して作業の効率化、省力化することで生産性の向上に取り組み、リスクの低減を図っております。3-6 提携及び買収ニップングループでは、事業展開の手段として他社との提携や買収を実施することがあります。事業環境の変化等の様々な不確実性により、当初期待した成果を実現できない場合、生産設備、のれん及び投資有価証券については、投資額の回収が見込めなくなることにより、多額な減損処理が必要となり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。提携や企業買収にあたっては、詳細なデューデリジェンスを実施し、一定金額以上の設備投資やM&A等の計画については、投融資委員会において社内基準に基づき経済合理性を十分吟味したうえで、取締役会において投資効果等を検証しながら決議しております。また、投資後の業績進捗状況等のモニタリングを継続的に実施することでリスクの低減を図っております。 リスク対応策3・ガバナンス3-7 資産の運用ニップングループの従業員に係る年金資産は、外部金融機関を通じて運用されておりますが、市況の悪化等により期待運用収益率を実現できない場合や、数理計算上で設定される割引率等の前提条件が変動した場合、将来期間において認識される退職給付債務が増減し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ニップングループは政策保有株式を保有しておりますが、経済環境や企業収益の動向に付随する時価下落や発行会社の業績不振等により、自己資本が毀損するなどニップングループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。年金資産については、運用の詳細情報を定期的に収集して運用状況のモニタリングを実施しております。政策保有株式の保有については、個別の銘柄ごとに保有目的やメリットなど経済合理性の検証を行い取締役会に報告するとともに、保有の妥当性が認められない場合は縮減に取り組んでおります。検証にあたっては便益やリスクが資本コストに見合っているか否かを精査したうえで、事業戦略の観点など定性的な評価を含め総合的な判断をしております。3-8 感染症等感染症の流行により従業員の感染、原材料の確保に支障が生じる等により、製品の安定供給に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。感染症の流行時の事業継続計画を策定し、業績への影響を低減するよう備えております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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