オプロ(228a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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オプロ(228a)の株価チャート オプロ(228a)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 地球温暖化、少子高齢化、サイバー犯罪、パンデミック対応などによるビジネス環境の変化は、DX(※1)の推進を加速しています。DXは単なる業務効率化やシステム刷新ではなく、そのゴールはデジタル技術でビジネスモデルやワークスタイルを変革し、私たちを取り巻く環境がどう変化しても持続可能なビジネスと社会を実現することにあります。

 そのためには、あらゆる業務や情報資産をデジタル化してオンラインでつなぎ、その柔軟性や活用度を高める必要があります。しかし、システムのサイロ化(※2)や膨大な紙文書がその足かせとなるケースも多くあります。オプロは「業務をつなげる力」で足かせからお客様を解放しDXの可能性を広げるため、ビジネス文書の電子化とデータ連携に取り組んできました。

 オプロは「未だないピースを発明する」をコンセプトに、データオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションの提供を通して、幅広い分野で豊富なノウハウ=「つなげる力」を蓄積してきました。その力を活用して情報伝達の在り方を変えれば、分断されていた業務が「つながって」生産性が上がることはもちろん、お客様のビジネスが様々な可能性と「つながり」、新たな価値やビジネスを生み出していきます。そのような状況をお客様と共に創り上げていくことこそ、オプロが考える真のカスタマーサクセスです。

 また、DXを推進するうえで、オプロが重要と考えているものは「内製化」です。システムインテグレーター等に頼らず、自社で完結できてこそ、推進が加速されると考えております。オプロはローコード、ノーコードで処理を実現できるサービスを提供し、さらにAI機能を取り入れ、自動で生成される仕組みを実現しております。

 

 オプロはクラウドサービス事業の単一セグメントですが、その売上は現在の主力サービスである「クラウド売上」を中心に、「製品売上」、「製品保守売上」、「その他売上」より構成されております。データオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションの売上については、「クラウド売上」に含まれております。また、「製品売上」とは、クラウドサービス提供開始以前より販売しているオンプレミス製品の売上であり、「製品保守売上」とは、そのオンプレミス製品に関わる保守売上であります。オプロの売上の大半は月次で計上されるクラウドサービスのライセンス利用料となるため、安定的に推移いたします。

 上記区分別の売上高の推移は以下のとおりです。

 

2024年11月期

2025年11月期

売上高

構成比

売上高

構成比

クラウド売上

2,007,844千円

95.4%

2,465,049千円

96.6%

製品売上

18,979千円

0.9%

9,313千円

0.4%

製品保守売上

63,177千円

3.0%

63,181千円

2.5%

その他売上

14,684千円

0.7%

15,055千円

0.6%

合計

2,104,685千円

100.0%

2,552,601千円

100.0%

 

 また、オプロは、様々な他社SaaSと連携したクラウドサービスとして、データオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションの2つのソリューションを提供しております。これらのクラウドサービスの大部分はSalesforce, Inc.が提供するクラウドサービスと連携するサービスとして提供、もしくは同社が提供するプラットフォーム上において構築されています。同社は、本書提出日現在において、世界中のあらゆる業界における15万社以上(同社公表)の企業に利用されているクラウドサービスを提供しています。同社の提供するサービスは顧客情報の管理・共有、営業活動の分析・可視化、営業プロセスの自動化などの機能(SFA※3、CRM※4)のみならず、様々な外部サービスとも連携することが可能であり、その点も同社サービスが顧客から選ばれる理由となっております。オプロは、同社の提供するクラウド型CRMサービスと密に連携したサービスを提供していることを強みとしており、今後も顧客に選ばれる新たなサービスを生み出し、事業拡大を目指してまいります。

 

 

           

 

 ソリューション別の売上高の推移は以下のとおりです。

 

2024年11月期

2025年11月期

売上高

構成比

売上高

構成比

データオプティマイズソリューション売上

1,543,280千円

76.9%

1,860,269千円

75.5%

セールスマネジメントソリューション売上

464,563千円

23.1%

604,780千円

24.5%

合計

2,007,844千円

100.0%

2,465,049千円

100.0%

 

 以下ソリューション毎にサービス内容を記載いたします。

 

(1)データオプティマイズソリューション

 企業や組織が持つ取引情報や人事情報などの帳票データや、行政・公共機関、組織が持つ様々な情報を処理・整理することができるソリューションです。

 日本の企業や組織は、2025年12月22日に公益財団法人日本生産性本部が公表した「労働生産性の国際比較2025」によると、OECDデータに基づく2024年の日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38カ国中28位となっており、生産性の観点から世界に後れを取っていると言われていることから、業務の生産性を高めていく必要があります。また、人的資本の重要性が増している状況から、働き方の柔軟性も持たせていかなければならないという課題を持っております。

 オプロのデータオプティマイズソリューションの活用により、商談情報や従業員情報など分散している情報をデータ層から取り出して、必要な情報を帳票として出力したり、データ比較表など最適なカタチに加工することができます。また、紙を利用することが主体となっていた業務におけるデジタル化を支援し、データ層への情報集約を効率化することができるため、業務の生産性を大きく上げることができるだけでなく、郵送や押印などオフィスにいなければできなかった業務をリモートワークで行うことも可能にするため、お客様の働き方を柔軟に変えていくこともできるようになります。

 データオプティマイズソリューションでは、商談情報や従業員情報などをデータ層から取り出して、必要な情報を帳票出力や比較表など最適なカタチに加工することができる出力(OUTPUT)サービスと、紙を主体とする業務におけるデジタル化を支援し、データ層への情報集約を効率化することができる入力(INPUT)サービスから構成されており、主に以下のサービスを提供しております。

 

 

<出力(OUTPUT)サービス>

① クラウド帳票DXサービス「帳票DX」

 帳票DXはSalesforce(※5)をはじめとした様々なシステム・サービスから「帳票」を出力するクラウド帳票DXサービスです。

 ビジネスのDX化が進む現在においても業務に欠かすことのできない「帳票」ですが、オプロは2007年よりクラウド帳票事業をスタートし、企業の電子化・ペーパーレス化に貢献してきました。

 帳票DXにより出力された「帳票」を様々な外部サービスに連携することで、郵送や押印などのオフィスワークにおける帳票電子化の多くの課題を解決することで生産性を上げることができ、お客様のDX化そして内製化を実現できるだけでなく、長時間労働の課題や、働き方に柔軟性を持たせることができます。

 帳票DXはオプロが18年以上に亘って培ってきたクラウド帳票の技術とノウハウを集結した次世代型のクラウド帳票サービスです。請求書や契約書等の取引関係書類から、ダイレクトメールのような大容量サイズのファイルまで対応できる、新しく設計し直された帳票生成エンジンとAI機能を搭載した帳票デザインツールをお客様に提供しております。

 その特徴としては、サービスの根幹を成す電子帳票の出力機能に加え、押印やメール配信などの周辺業務のプロセスを省力化・自動化する連携機能をすべてのプランで利用でき、電子帳票の雛形である帳票テンプレートを自社で設計するための洗練された帳票デザインツールを利用できます。ドローソフト(※6)のような操作感で帳票テンプレートを設計できるため、現場担当者の方でも直感的に扱え、内製化の実現が可能です。また、データセンターの多重運用により可用性に優れた環境が整っています。仮に一部のサーバーがダウンしても、帳票DXはサービスを停止することはありません。データは毎日バックアップされ、万が一問題が起きても監視体制を整備していますので早期に解決することが可能です。さらに、帳票DXでは企業のDXを促進するために、出力枚数の増加によるプラン変更や超過料金に縛られない新しい料金体系として、扱うデータの大きさやリクエスト数により選択していただける料金体系としております。

 

        

 

 

② クラウド帳票サービス「oproarts」

 oproarts(オプロアーツ)は、①「帳票DX」の前世代の帳票出力サービスです。18年以上に亘って安定して提供し続けており、いまも多くのお客様にご利用いただき、生産性の向上や、働き方の柔軟性を持たせることに貢献しております。

 帳票出力サービスとしては、新規のお客様には①帳票DXをご契約いただいており、既存のお客様には継続してサービス提供しております。また、オプロのようなクラウドサービス提供会社様に当該サービスを自社ブランドのサービスとして提供することができるOEM提供を広げております。

 

<入力(INPUT)サービス>

③ 金融/行政機関向け電子申請サービス「カミレス」

 カミレスは、金融機関や行政機関が行う各種サービスの利用者からの申請や窓口対応業務、そして金融機関や行政機関の内部における職員の方々の行う紙主体の業務台帳を迅速にデジタル化することができるクラウドサービスです。各種サービスの利用者の「申請」から、各機関内部における「承認」「共有」などの社内手続きなどの業務ワークフローそのものをスムーズに電子化することができ、窓口業務を大幅に削減することができるDX化サービスです。

 各種サービス利用者にとって直感的で操作しやすいUI(※7)を提供し、画面上の書類を見ながら、紙に記入するように項目に入力していくだけでデータ登録することができ、紙に記入するイメージそのままにオンライン申請することが可能になるため、サービス利用者は窓口を訪れる必要がなくなります。さらに帳票DXをプラスして利用することで、金融機関や行政機関の職員の方々は、書面の交付業務などを効率化し、長時間労働を減らすことも可能になり、必ずしもオフィスや窓口に行く必要がなくなるため、働き方を柔軟に変えていくことができます。

 

          

 

④ 現場帳票DXサービス「帳票DXモバイルエントリー」

 帳票DXモバイルエントリーは、専用モバイルアプリからSalesforceなどのシステムに、インターネット接続がないオフライン環境下でもデータ入力することができるサービスです。これまで紙の帳票で行われていた店舗での契約又は申込み業務や、工場や個人宅の設備の点検・報告などをモバイルアプリで行うことができます。現場の「紙帳票」を見た目そのままに入力画面化することで業務の生産性を向上することができるだけでなく、働き方を変えることができます。

 施設や設備の点検・報告、工業製品の検査、配送の受け渡しサインなど、現場には紙ベースの運用がまだまだ残っていますが、デジタル化によるメリットは、帳票への記入漏れ・記入ミスの解消や業務システムへのデータ転記作業の負担軽減や生産性の向上だけではありません。紙で保存されていた情報がデジタル化されて管理されていくことで、情報の伝達スピードが上がり、情報を可視化し共有できるようになり、データに基づいた経営方針の決定やさらなる業務改善を可能にしていきます。

 専用の入力帳票画面のデザインツールにより、現場で使用するデバイスや作業項目に応じて最適な入力フォームを設計できます。入力フォームは帳票イメージそのままのレイアウトにすることも、スマートフォンの表示に適したシンプルなレイアウトにすることも可能です。また、タブレットやスマートフォン、PCによる通常のキー入力に加え、手書き入力や音声入力に対応しており、作業現場を写真撮影して報告することや、作業完了の顧客サインを残すことも可能です。また、インターネット接続がないオフライン環境でも入力作業ができ、端末に一時的に保存されたデータは、インターネットに接続後、Salesforce環境へアップロードされます。さらに、帳票DXもご利用いただけるため、現場で入力されたデータと顧客情報や機器情報等のデータを組み合わせて、現場作業報告書などの帳票をPDF出力することができます。従来、現場作業後にオフィスに戻って行っていたデータ転記や報告書作成などのアナログ作業や重複していた事務的な作業をなくすことができるため、働き方を大きく変えることができます。

 

          

 

 データオプティマイズソリューションでは、上記サービスを顧客へ提供することで、契約月額利用料を受領するストック型ビジネスとなっております。

 収益モデルについては、以下のとおりです。

区分

内容

ランニング利用料

月額固定料金で、基本的なサービス機能の対価であります。

帳票DXはご利用組織ごとの課金、その他サービスはID課金となっております。

データオプティマイズソリューション売上の大半を占めております。

初期費用

一部サービスにて発生する、サービス導入時に発生する作業の対価であります。

プロフェッショナルサービス

お客様へのサービス導入・定着化を目的とした、特別なサポート対応等の対価であります。お客様に代わり帳票を作成・修正する「帳票開発サービス」や、お客様の目標や課題を認識し、最適な提案を行う「コンサルティング」等が該当します。

その他

上記に当てはまらない、従量課金やその他スポット対応の対価であります。

 

 データオプティマイズソリューションにおけるユーザー(契約数)及び契約ARR(※8)の推移は以下のとおりです。

契約数(期末月)

前期比

契約ARR(期末月)

前期比

2022年11月期

1,009社

124.6%

713,609千円

126.6%

2023年11月期

1,194社

118.3%

1,108,077千円

155.3%

2024年11月期

1,380社

115.6%

1,397,728千円

126.1%

2025年11月期

1,529社

110.8%

1,595,924千円

114.2%

 

(2)セールスマネジメントソリューション

 経営や事業のゴールに対して、達成のために必要な営業・販売に関する様々な情報を一元管理し、業務プロセスを支える販売管理ソリューションです。

 DXによって従来のビジネスモデルを打破する動きが起こっており、サブスクリプション型ビジネスはその顕著な成功例と言え、ビジネスモデルが変われば、その業務プロセスの管理手法も変わります。

 オプロは2007年からサブスクビジネスにいち早く参入し成長を続けており、そのノウハウをサービスの機能として実現し、売上按分化機能、プラン変更やユーザ数の増減などによる契約管理機能、サブスクビジネス特有のKPI管理・分析機能、従量課金やデポジットなど毎月の請求額が変動する販売サイクルに対応した機能など、B2Bサブスクビジネスの管理に強みを持った販売管理サービスの提供を開始しました。B2Bビジネスの管理に必要な問合せ対応、商談、見積から始まり、B2Cサブスクビジネスでも必要な受注、契約、請求など、一連の業務をスムーズに連携する機能を提供し、顧客との新しい「つながり」方を容易に実現するとともに、お客様のビジネスの長期的・安定的成功を支援します。さらに帳票機能としてデータオプティマイズソリューションの「帳票DX」の一部の機能をサービスに含めて提供しており、B2Bの販売管理に必要な見積書、注文書、納品書、請求書などの帳票業務もDX化することができ、働き方も柔軟に変えていくことができます。

 

     

 

 

 セールスマネジメントソリューションでは、主に以下のサービスを提供しております。

 

① サブスクリプション管理サービス「ソアスク」

 「ソアスク」は、LTV(※9)を最大化するためのサブスクリプション型ビジネスの管理に強みを持った販売管理サービスです。

 見積・契約・売上・請求などのバックオフィス業務をサポートする機能を中心に、案件の活動管理や契約・売上状況の可視化などサブスク管理に必要な要素を統合したプラットフォームを提供しております。

 ソアスクは世界15万社以上に利用されているSalesforce, Inc.のプラットフォーム上にオプロが独自開発したアプリケーションをセットしてサービス提供しております。そのため、Salesforce各種サービスと同一プラットフォーム上での利用が可能となっており、特に、Sales Cloud(※10)を利用している場合には、リード、取引先、商談、キャンペーン等のデータと一連のUI操作の流れのままに、ソアスクの見積、受注、契約、請求、売上情報といった販売管理データを統合して、各部門の活動や情報連携の仕組みをSalesforceプラットフォーム上で一元管理することが可能です。

 

 

② 「モノ」のサブスクリプション管理サービス「モノスク」

 モノスクは有形商材を扱うサブスク事業に対応したサブスク管理サービスで、ソアスク同様に世界15万社以上に利用されているSalesforce, Inc.のプラットフォーム上で稼働しています。

 ソアスクが備え持っているサブスクリプションの販売業務を管理する基本機能に加え、「モノ」のサブスクビジネス特有の商品に関する設置情報やサポート・保守の記録情報などの機器管理機能などを備え、情報を一元管理できます。モノスクを導入いただくことで、契約中の商品状況を瞬時に把握し、かつ情報を正確に保つことが可能です。

 

 

 セールスマネジメントソリューションでは、上記のサービスを顧客へ提供することで、契約月額利用料を受領するストック型ビジネスとなっております。

 収益モデルについては、以下のとおりです。

区分

内容

ランニング利用料

ID課金による月額固定料金で、基本的なサービス機能の対価であります。

帳票機能としてご利用可能な帳票DXはご利用組織ごとの課金となります。

セールスマネジメントソリューション売上の大半を占めております。

初期費用

一部サービスにて発生する、サービス導入時に発生する作業の対価であります。

プロフェッショナルサービス

お客様へのサービス導入・定着化を目的とした、特別なサポート対応等の対価であります。お客様の目標や課題を認識し、最適な提案を行う「コンサルティング」等が該当します。

 

[事業系統図]

 

 

 (注) オプロでは、サービスの提供形態によりクラウド売上と製品売上に区分しており、それぞれクラウドサービスによるサービス提供とオンプレミスによるサービス提供を行っております。

 

 なお、セールスマネジメントソリューションにおけるユーザー(契約数)及び契約ARRの推移は以下のとおりです。

契約数(期末月)

前期比

契約ARR(期末月)

前期比

2022年11月期

124社

121.6%

329,871千円

135.6%

2023年11月期

135社

108.9%

396,065千円

120.1%

2024年11月期

150社

111.1%

493,042千円

124.5%

2025年11月期

158社

105.3%

579,915千円

117.6%

 

※用語解説

 本項「事業の内容」において使用する用語の定義については、次のとおりです。

番号

用語

定義

※1

DX

デジタルテクノロジーを活用し、ビジネスプロセス・文化・顧客体験を新たに創造し、変わり続けるビジネスや市場の要求を満たすプロセスを指します。

※2

サイロ化

業務プロセスや業務アプリケーション、各種システムが孤立し、情報が連携されていない状況を指します。

※3

SFA

企業の営業部門における情報及び業務プロセスを自動化することで、営業活動が管理する情報全般をデータ化して、蓄積・分析することができるシステムです。

※4

CRM

顧客の氏名や年齢、属性といった基本的な情報をはじめ、購買履歴や志向など、顧客に関わる情報を一元管理し、その蓄積した情報をもとに、マーケティングやサポート、マネジメントを行うことが可能となるシステムです。

※5

Salesforce

Salesforce, Inc.が提供しているクラウドサービスプラットフォームです。Salesforce、Sales Cloud、及びその他はSalesforce, Inc.の商標であり、許可のもとで使用しています。

※6

ドローソフト

コンピュータ上で絵やイラストを描くためのソフトウエアを指します。

※7

UI

UIとはユーザー・インターフェース(User Interface)の略称です。ユーザー(利用者)と、製品・サービスをつなぐ接点(インターフェース)のことです。

※8

契約ARR

年間経常収益(Annual Recurring Revenue)のことであり、クラウドサービスのなかでも毎年得ることのできる収益を指します。初期費用といった一時的な売上は含みません。

※9

LTV

「顧客生涯価値(Life Time Value)」の略称であり、ある顧客が自社の利用を開始してから終了するまでの期間に、自社がその顧客からどれだけの利益を得ることができるのかを表す指標です。

※10

Sales Cloud

Salesforce, Inc.が提供する、顧客管理・営業支援サービスです。

 


有価証券報告書(2024年11月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 オプロの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてオプロが判断したものであります。

(1)経営方針

a.ミッション

 オプロは「make IT simple」というミッションを掲げております。企業はコーポレート・ガバナンスを強化し、常にビジネスの「見える化」を進めています。更に、環境・グローバル・M&A等を考慮し、ビジネスモデルを含め、あらゆる変化に対応するためITを強化しています。これらに迅速に対応するためには、ITをsimpleにまとめ上げ、様々な変化に対して迅速に対応する必要があります。まさに時代は「make IT simple」を求めています。オプロは「make IT simple」を実現するソフトウエア製品、サービスを提供してまいります。

b.製品・サービスの指針

 オプロが目指す製品とサービスの指針は「Less is More」です。バウハウス(注)第3代目校長であった建築家ミース・ファン・デル・ローエ氏の言葉より「無駄を省くことで、さらにより良いものになる」という考えでパフォーマンスの高い製品開発を続け、お客様に喜んでいただけるサービスを常に強化しています。

c.経営理念

 オプロの経営理念は「謙虚・誠実・進取」です。人を敬い尊敬することで相手を認め(謙虚)、人や仕事に真面目に対応し(誠実)、自ら進んで新しいことを取り入れてまいります(進取)。

d.CREDO

 オプロは、オプロの従業員が心がけるべき行動指針として以下のCREDOを掲げています。

・イノベーションを起こすことにチャレンジするベンチャーです

 ベンチャーのメンバーであることを自覚して、成長し続けるために誠実に努力し、イノベーションを起こすために謙虚に学び、変化や失敗を恐れずに全力でチャレンジを続けます。

 

・お客様を大切にする会社です

 カスタマーサクセスに関係のないメンバーは一人もいないことを自覚し、お客様の話をよく聞き、課題を把握し、お客様の質問に真摯に応え、お客様がイメージしている理想を超える良いサービス・製品を安定的に提供し続けます。カスタマーサクセスを実現できるメンバーを集めて育て、すべての活動をカスタマーサクセスに生かすよう努めます。

 

・シンプルで洗練された会社であり続けます

 シンプルで洗練された会社であり続けるために構成されたメンバーであることを自覚し、当たり前の活動とは何かを常に考え、自らの意思で難しいといわれることにチャレンジし、効率よく物事を進めるためにフォーカスし、高いレベルで活動するよう努めます。

 

・私たちはスピードが速く、柔軟にチャレンジする会社です

 強い意識をもちスピード感のある活動を行い、社会環境の変化を敏感に感じ、変化を恐れず、柔軟に対応していくよう努めます。また、行動せずに問題を起こさないことを良しとするのではなく、チャレンジすることを良しとする雰囲気を大切にするよう努めます。

 

・謙虚で誠実な行動をとるメンバーの集まりです

 経営理念である「謙虚」「誠実」を実践することを常に心がけて活動していきます。

 お客様、パートナー、社内外メンバーに関係なく相手を尊重し、理解に努め、謙虚な言葉と行動をとるよう努めます。

 

・適切なコミュニケーションが取れるメンバーの集まりです

 適切なコミュニケーションをとり、会社・チーム・個人の目標が同じベクトルになるよう努め、バランス感覚を持って活動します。

 

 (注) 1919年、ヴァイマル共和政期ドイツのヴァイマルに設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校

 

(2)経営戦略等

 オプロはSFA、CRM、会計、契約、ファイルストレージといった多彩なクラウドサービスとの親和性の高いサービスを提供することで、各クラウドサービスの特長を最大限に活かしながら、「つながる」ことでこれまでにない価値を創出するということを武器に、それをより強固なものとし、データオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションを安定的に成長させると共に収益向上を目指してまいります。

① データオプティマイズソリューション

 オプロは、従来のペーパーワークのフローとフォーマットを変えずにデジタル化を進めることで、ペーパーレス化が進むビジネス環境において帳票業務を効果的に他のシステムと結び付け、帳票を貴重な情報資産として蓄積・共有する新たな価値を創造してきました。

 ビジネスコミュニケーションに不可欠な帳票のビジネスフローをデジタル化することで、ビジネスそのものを変革したいというニーズが増えており、それに伴い「帳票DX」や「カミレス」といったサービスの導入も増加しています。

 今後は、ターゲットとする業界や業種に対して効果的なマーケティング活動を展開し、データオプティマイズソリューションの認知度を一層向上させ、顧客基盤を拡大し、また、新たな収益の柱を生み出すために、新機能の提供と新しいサービス展開を、これまで以上に積極的に行ってまいります。

② セールスマネジメントソリューション

 セールスマネジメントソリューションでは、サブスクリプション型ビジネスに特化した販売管理サービス「ソアスク」を提供しております。見積・契約・納品・請求など一連の販売に関する業務をスムーズにつなげる機能を備えており、顧客との新しい関係を容易に構築するとともに、サブスクリプションビジネスの特徴である長期的で安定した成功をサポートしています。

 近年、モノのサブスクリプション管理の需要が増えており、そのニーズに応えるために「モノスク」というモノのサブスクリプション管理に特化した販売管理サービスの商談と導入も増加しております。

 今後は「ソアスク」と「モノスク」機能をともに強化していくとともに、効果の高いマーケティング活動を行うことにより、「ソアスク」「モノスク」の認知度を向上させ、顧客数を拡大してまいります。

 以上①及び②の戦略を着実に遂行していくために、優れた人材の積極的な採用と人材育成にも力を入れてまいります。

 

(3)経営環境

 IT専門調査会社であるIDC Japan株式会社(以下、「IDC」とします。)は国内第3のプラットフォーム市場を調査し、2024年~2028年の市場予測を2025年1月17日に発表しました。本調査によると、第3のプラットフォーム市場とは、クラウド、モビリティー、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術を基盤とし、AI、AR/VR、IoTなどの革新技術を含む市場を指し、今後のITサービス市場は、この第3のプラットフォームが牽引し、数々のイノベーションを創出していくものと予測されており、オプロが提供しているデータオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションがターゲットとするDX市場は、この第3のプラットフォームに関連したITサービス市場に内包されます。

 本調査によると、2024年の国内第3のプラットフォーム市場の市場規模は25兆1,484億円で、前年比成長率は11.7%を見込んでいます。地政学的な不確実性の高まりやインフレを契機とする経済悪化のリスクといった不安要素はあるものの、レジリエンシーの強化や脱炭素化の取り組みに積極的な産業や企業が牽引する形でデジタルビジネス向け投資が継続するとみており、2028年には31兆169億円に達して、2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は6.6%になると予測しています。

 また、同市場を産業分野別に分析すると、金融分野においては、多くの銀行が政策金利の緩やかな上昇に伴う収益の改善を背景として、クラウドベースでの顧客情報基盤整備、Generative AI(生成AI)を含むAIを活用した業務効率化、スマートフォンアプリ開発による非対面チャネルの強化を積極的に行っています。証券/投資サービスは、大手証券会社、ネット証券を中心として、新NISA制度の開始、資産運用ビジネスの規制緩和などによって増加した個人投資家の囲い込みを図るためにデジタルチャネルの強化が継続しているほか、AIを活用した業務効率化の取り組みが継続しています。機関投資家向けの「アルゴリズム取引」の高度化など、市場運用分野での高度なAI活用も進んでいます。また、「中央官庁」「地方自治体」においては、デジタル庁が主導するデジタルガバメント政策に基づく情報連携基盤の整備、デジタルサービスの拡充や、地方自治体における業務システムの標準化/共通化が進んでいます。2025年度末(2026年3月)の期限までに標準化対応が完了する自治体におけるIT支出は落ち着く一方、政令指定都市を中心として期限に間に合わずに支出タイミングが先送りになる自治体が出てくるとみています。デジタル田園都市国家構想に基づく政策や、各自治体独自のデジタル施策向けの支出などによって、2025年における地方自治体の第3のプラットフォーム向け支出は高い成長率になると予測しています。この領域は、オプロが主にデータオプティマイズソリューションの提供を通して、実績や知見を蓄積してきた領域となります。

 一方、第3のプラットフォームへの支出規模が最も大きく、これまで高い成長率を示してきた製造分野は、2024年以降は他の産業分野と比較するとやや低い成長率になると予測されていますが、2024年の製造業の設備投資は拡大基調であり、サプライチェーンや工場/プラントのOT(Operational Technology)領域などにおけるデジタルレジリエンシーの強化意識は強く、また脱炭素化/GX(Green Transformation)の取り組みが現在の想定以上に広く早く進むことで、2024年以降の成長率を上振れさせる可能性があります。この領域は、オプロが主にセールスマネジメントソリューションにおいて、2007年からサブスクリプション型ビジネスに参入し、実績や知見を蓄積してきた領域となります。

 オプロは実績や知見を蓄積してきたこれらの領域において他社との間においての競争優位性を保持できているものと認識しており、今後も高い市場成長が見込まれるDX市場へのデータオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションの拡大に注力してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 将来の事業成長とともに収益基盤の安定化を図るため、期末ARR、ARR成長率、解約率、ストック売上、ストック売上比率を重要な経営指標としております。

重要な経営指標

内容

期末ARR

期末時点での年間経常収益(Annual Recurring Revenue)のことであり、クラウドサービスのなかでも毎年得ることのできる収益を指します。初期費用といった一時的な売上は含みません。

ARR成長率

前期末と比較した、期末ARRの伸び率を指します。

解約率

前月末ARRにおける当月の解約ARR比率の期中平均を指します。

ストック売上

総売上のうち、クラウドのライセンス利用料売上や製品保守売上といった将来的に継続する可能性の高い売上を指します。

ストック売上比率

総売上におけるストック売上の比率を指します。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 信用力の向上及び知名度の向上

 数あるクラウドサービスのなかでオプロのサービスを選んでいただくためには、オプロ及びオプロサービスの知名度向上と信頼性及び信用力の向上が不可欠と考えております。オプロのブランド価値、知名度及び信頼性向上のため、よりお客様のニーズに応えたサービスの開発だけでなく、積極的にPR施策を行ってまいります。

② エンタープライズ市場の開拓

 これまでは市場に拘らずにお客様を開拓してきましたが、中長期的に成長していくためには、エンタープライズ市場の開拓が重要な課題であると認識しております。そのための製品開発、マーケティング、営業、コンサルティングの各領域での積極的な投資、パートナーとの関係強化、信用力の向上を目的とした継続的な広報活動に引き続き取り組んでまいります。

③ 優秀な人材の確保

 オプロの中長期的な企業価値の向上に向けて優秀で意欲的な人材を採用し、その人材の育成・定着化を継続し、良好な文化を築いていくことは経営基盤を強固にしていくために非常に重要な課題であると認識しております。オプロとしては、積極的な採用活動を継続していくとともに、教育施策を推進して人材の育成・教育を推進し、高い意欲をもって働ける環境や仕組みの構築に引き続き取り組んでまいります。

④ 収益基盤の多様化

 オプロのビジネスは従来Salesforce連携サービスの比率が大きく、Salesforce市場の拡大とともに成長してまいりました。短期的な視点では、同市場には依然としてオプロにとって広大な市場があり、成長できる分野であると予想しています。一方、中長期的な視点では同市場に変化が生じた場合にはオプロの経営成績に影響を及ぼすリスクがあると認識しております。オプロはSAP連携やSmartHR連携など、Salesforce以外の連携先との体制構築に引き続き取り組んでまいります。

⑤ 社内管理体制の充実

 社内管理体制におきましては、内部統制システムの更なる強化を推し進め、業務効率の向上を図るとともに、安心・安全な情報セキュリティ体制、迅速な経営判断と情報開示体制に基づく強固なコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。

⑥ 継続的な新サービス、新機能の提供

 オプロが競争優位性を確保しながら持続的に成長するためには、新サービスや新機能の提供、ユーザビリティの向上などにより、サービスの付加価値を高めていくことで、高い継続率を維持していくことが重要な課題であると認識しております。現在のサービスの機能強化と新サービスの提供を継続的に推進し、競争優位性の保持に注力してまいります。

⑦ 資金調達力の拡大

 オプロの売上・利益の一層の拡大及び経営基盤の安定を図る上で、そのために必要な投資資金は、自己資金の充当をベースとしながらも、設備の拡充や新たなサービスや事業の開発といった成長のための新規投資が発生した場合など、必要に応じて金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等も含めた多様な資金調達の検討を行ってまいります。また、オプロ事業とのシナジーが期待できる企業との連携を積極的に推進してまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 以下において、オプロの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。オプロは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、オプロ株式に関する投資判断は、本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、本書提出日現在においてオプロが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)DX投資の動向の影響について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロの事業は国内市場に依存しており、国内顧客企業のDX投資の動向に影響を受けます。オプロはDX投資における顧客ニーズにあった付加価値の高いサービスの提供、新しいサービス開発を行っておりますが、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や為替相場の変動などにより、国内外の経済情勢の悪化や景気動向の減速等することで、顧客企業のDX投資意欲が減退した場合、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)特定の取引先への依存について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロは株式会社セールスフォース・ジャパンとの間で、Salesforce プラットフォームを仕入れ、その上にアプリケーションを追加して販売することのできるOEMパートナー契約、及びSalesforce プラットフォームにオプロサービスを連携して提供することができるISVforceパートナー契約を締結しております。提出日現在においてオプロサービスの売上のうち9割程度が同社と連携したサービスとなっており、オプロが当該契約の各条項において重大な違反を発生させた場合や、オプロが契約内容の円滑な履行が困難となった場合には、同社から解約をすることができることとなっております。当該契約の継続に支障を来す要因が発生した場合には、同社と連携したサービスを提供できなくなり、同社からのオプロサービスの提案もなくなるため、オプロの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、これらの契約の内容については、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載のとおりであります。

 また、同社は日本において同社のサービスを継続的に利用している多くの顧客を持っており、日本からの撤退の予定はなく、今後のオプロとの関係は安定して継続する見込みでありますが、仮に同社の事業方針の変更等により、取引関係の解消又は取引条件の大幅な変更がなされた場合や、株式会社セールスフォース・ジャパンの競争力が低下し、市場規模が縮小した場合には、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 提出日現在において、上記契約の継続に支障を来す要因の発生はなく、同社の事業方針の変更、同社の競争力の低下、取引関係の解消又は取引条件の大幅な変更に関する情報はございませんので、中期的には同社との連携サービスを増やすなど関係性をより強化していきますが、長期的には同社への依存度を下げるべく同社以外の他社サービスとの連携サービスを継続的にリリース・検討してまいります。

 

(3)技術革新への対応について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロが属しているソフトウエア業界の特徴として、変動費となる原材料仕入が少なく人件費等の固定費水準が高いため、限界利益率が高いことがあげられます。そのため、売上高が増加した場合の増益額が他の産業に比べ大きい一方、売上高が減少した場合の減益額も他の産業に比べて大きく、利益の変動額が大きい傾向にあります。このような環境の中、急速な技術革新により、現在保有する技術・ノウハウなどが陳腐化した場合、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、オプロの主要な事業領域は、IT技術の進化及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており変化の激しい業界となっております。そのため、継続的に新しい技術要素をITエンジニアに習得させてまいりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合、オプロが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また、予定していない技術要素への投資が必要となった場合、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)優秀な人材の確保及び育成について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロが事業拡大を進めていくためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最重要課題であると認識しております。オプロでは、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の改善や研修の実施等の施策を通じ、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでいます。オプロでは今後もこれらの施策を継続していく予定ではありますが、これらの施策が効果的である保証はなく、必要な人材が十分に確保・育成できなかった場合や、採用後の人材流出が進んだ場合には、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)レピュテーションリスクについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロは、顧客への販売活動、IR、広報等のあらゆる情報発信においてコンプライアンスに沿った対応をすることを研修指導しておりますが、クレーム等の発生によりインターネット上の掲示板への書き込みや、それを起因とするマスコミ報道等によって、何らかの否定的な風評が広まった場合、その内容の正確性にかかわらず、企業イメージの毀損等により、オプロの経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しております。オプロでは、取締役会、経営会議やリスク・コンプライアンス委員会において風評の発見や対策等を行っており、リスクの低減に努めてまいります。

 

(6)感染症等の蔓延について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロが事業を展開する事業領域においては、技術者による専門的な技術の提供が主要な業務であるため、新型コロナウイルス感染のほか、伝染性疾患、インフルエンザ等の季節性感染症等の蔓延により、事業活動の停止や制限等の影響を受けます。

 オプロでは、従業員の健康は直接業績に影響するものと考え、日頃より健康管理の重要性を従業員に指導し、健康診断の定期受診や予防接種の受診を奨励しておりますが、オプロが事業展開する地域において、感染症の流行及び拡大が発生した場合、並びにこれに伴う政府及び行政による緊急事態宣言又はまん延防止等重点措置が発出された場合には、オプロ又はオプロの取引先の事業活動に悪影響をもたらし、オプロの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大した際には、オプロは感染拡大を防止するため、従業員の時差出勤やテレワークの実施、従業員とその家族を含めた衛生管理の徹底等を実施してまいりました。

 今後新たな感染症の蔓延が発生した場合は、顧客のIT投資等の中止や延期等により、オプロ又はオプロの取引先の事業活動に多大な影響をもたらし、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)競合について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロの事業は、既存の競合企業数は多く、高額な投資も不要であり許認可も必要としないことから、新規企業の参入障壁も低い業界であります。オプロでは、市場環境の変化やニーズ、同業他社の動向をタイムリーに把握し、常に機能強化または新サービスを積極的に提供することや、特許や商標の出願・登録を積極的に進めるほか、価格だけでなく付加価値で対抗できるブランディングを図っておりますが、今後、同業他社による新商品や新サービスの出現等によって価格競争が激化する結果、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報セキュリティについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロは、オプロサービスに顧客が入力する情報を取り扱うことはありませんが、オプロの業務遂行の一環として、機密情報を取り扱うことがあります。オプロでは2016年5月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)のISMS認証並びに2018年5月にクラウドセキュリティ(ISO27017)の認証を取得しており、情報管理に取り組んでおります。しかしながら、これらの情報について、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、オプロの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)個人情報の取扱いについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロは、オプロサービスに顧客が入力する個人情報を取り扱うことはなく、自ら個人情報を収集する業務を行っておりませんが、オプロの管理業務、並びにオプロが事業を展開する顧客先における一部業務においては、名刺情報などの個人情報を取り扱う場合があります。オプロは、オプロの管理業務、並びに顧客の業務に対する安全性と信頼性に重点を置くため、個人情報マネジメントシステムを構築し、プライバシーマークの認定を受け、部門ごとに個人情報保護部門管理者を設置し、個人情報の安全な管理と運用に十分配慮しておりますが、個人情報が外部に漏えいするような事態となった場合には、オプロの信頼失墜による売上の減少及び損害賠償等により、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)協力会社の活用について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロでは、必要に応じてシステムの設計、構築等について協力会社等に外注しております。現状では、協力会社と長期的かつ安定的な取引関係を保ち、エンジニアの確保に注力しておりますが、協力会社において技術力及び技術者数が確保できない場合及び外注コストが高騰した場合には、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(11)クラウド売上のランニング利用料について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

 オプロの売上は主にクラウド売上であり、その中でもクラウドサービス利用の対価であるランニング利用料が多くを占めております。このランニング利用料は、受注金額が契約期間にわたり按分されて売上計上されるため、その正確性を確保するために業務手順の自動化等、社内業務とシステム両面から改善を図っております。しかしながら、もし異常な取引や処理の誤りが生じた場合、売上が月別に分散されることから特定の月単位での誤りが表面化しにくく、異常の発見が遅れることにより、的確な経営判断の妨げや会計処理を誤るリスクがあり、発生した場合にはオプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)不採算案件の発生について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

 高度化、複雑化、短納期化するソフトウエア開発等の業務においては、開発途中での要件変更、品質の低下、納期遅延などの問題が発生するリスクがあります。オプロでは、業務管理部門、品質管理部門は各プロジェクトの品質、コスト及び納期等の状況を見極め、異常を検知・予測し、早期に対策を講じて不採算案件の発生防止に努めております。しかしながら、このような取り組みにもかかわらず障害が防止できない場合、追加費用が発生して採算が悪化し、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)ソフトウエアの減損について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

 オプロはクラウドサービス事業に関わるソフトウエアを開発しており、現時点でソフトウエアを無形固定資産に計上しております。オプロは、ソフトウエアの減損に係るリスクを低減するために、事業の収益力強化に努めており、ストック売上及びストック売上比率を重要な経営指標に含めております。データオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションにおけるランニング利用料は、リカーリングレベニューであり、契約が継続される限りは毎年継続的に売上が計上され、契約数が増加すればその分売上も増加します。オプロは、事業の安定と収益力の強化のため、このリカーリングレベニュー及びリカーリング比率の拡大を図っております。しかしながら今後、事業環境の変化により保有するソフトウエアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、減損損失が発生しオプロの業績に影響を与える可能性があります。

 

(14)代表者依存度について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 創業以来、代表取締役社長を務めている里見一典は、オプロの経営方針や事業戦略構築等において重要な役割を果たしております。オプロは、事業拡大に伴い代表者に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、現状においては何らかの理由により代表者が退任するような事態が生じた場合には、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:新株予約権行使時、影響度:小)

 オプロでは、オプロの取締役及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日の前月末日現在の新株予約権による潜在株式総数は141,100株であり、発行済株式総数2,285,300株の6.17%に相当します。これらの新株予約権が行使された場合、オプロ株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

(16)係争や訴訟について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 本書提出日現在においてオプロの業績に重要な影響を及ぼす係争や訴訟は提起されておりませんが、取引先とのトラブルの発生等、何らかの問題が生じた場合には係争や訴訟に発展する可能性があります。オプロは、他社の持つ特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう各事業部門が管理部の法務業務担当者と連携して細心の注意を払って事業を遂行しておりますが、係争や訴訟に発展した場合、その内容及び結果によっては、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)自然災害等の発生について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 オプロでは、大規模な地震や台風等の自然災害に備えてテレワークの導入や事業継続計画(BCP)の策定による事業の復旧や継続を速やかに遂行する体制を構築しておりますが、自然災害の規模によっては事業活動が停止あるいは著しく制約される可能性があり、その内容によっては、オプロの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(18)配当政策について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:中期、影響度:小)

 オプロは、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展のための内部留保を確保しつつ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としております。
 しかしながら現段階においては、オプロは成長過程であると認識しており、今後の事業戦略に応じて、新製品の開発や市場開拓等事業領域拡大のために、内部留保の充実を優先するため、配当を行っておりません。将来的には、業績及び財務状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針でありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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