ケイ・ウノ(259a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 ケイ・ウノグループは、ケイ・ウノ(株式会社ケイ・ウノ)、子会社2社(株式会社ユートレジャー、U-International Factory Co., Ltd.)及び関連会社1社(愷吾柔璞琳夢股份有限公司)により構成されており、ジュエリー及び時計の製造販売事業を主たる業務としております。 また、ケイ・ウノグループの事業は、「製造小売事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ケイ・ウノグループは「オーダーメイドでお客様に特別な感動と喜びを贈り続ける」というパーパスのもと「オーダーメイドの新しい文化を創る」というビジョンを掲げ、オーダーメイドでジュエリー及び時計を製造販売するビジネスモデルを構築しております。 消費者の嗜好の多様化や、個性重視の価値観の広まりが進みつつある中において、アイテムに求める機能や利便性、デザインの要望は十人十色です。その一方で、世の中には多くの方に受け入れられるように制作された既製品が多数を占め、「あとちょっとこうだったらいいのにな…」という気持ちを叶えられるサービスは、まだまだ希少となっております。お客様に特別な感動と喜びを贈るため、「80%、90%の満足を狙うよりも、お客様一人ひとりのニーズに合わせて100%の満足を提供できる企業でありたい」。その想いから、ケイ・ウノグループはオーダーメイドを行っております。 このような想いのもと事業を運営してきたケイ・ウノグループは、オーダーメイドのジュエリー販売を強みとしており、デザイナーがお客様の目の前で一からデザインを描くオーダーメイドのご提案から、既成のデザインへダイヤモンドや彫金を追加する部分的なオーダーメイドまで、お客様のニーズに合わせた幅広いサービスの提供が可能となっております。また、すぐにお使い頂けるケイ・ウノならではの既製品も展開しております。ケイ・ウノグループは、こだわりの品質をお客様に安心してお届けするために、ジュエリーのデザインから製造・販売までを自社で一貫して行う事業モデルを採用しております。自社で製造から販売を一貫することにより、高コストかつ大量生産が難しいオーダーメイドビジネスを生産量の増加を低コストで実現し、付加価値の高いサービスを全国で展開しております。また、ケイ・ウノグループは、アニメやゲーム等のキャラクタージュエリーを取り扱うブランド「U-TREASURE」を展開するほか、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社とライセンス契約を締結し、主にオーダーメイドでディズニーのキャラクターや世界観を用いたジュエリーを展開する「Disney Treasure created by K.UNO」を取り扱っております。 さらに、一般消費者向けのオーダーメイドビジネスで培ったデザイン力と製造力を活かし、法人向けのODM生産も行っております。※ODM…Original Design Manufacturingの略で、パートナー企業から委託を受けて製品をデザイン・設計・生産することをいう。(1)ブランドの特徴ブランドロゴ特徴オーダーメイドを主軸にジュエリーや時計でお客様の想いをカタチにするブランドです。1981年の創業以来、ジュエリーのオーダーメイドやリフォーム・修理を中心に手がけており、年間に約4万種類のデザインを生み出します。一つひとつのデザインにはコンセプトがあり、一生愛せる宝物となるよう願いをこめています。キャラクタージュエリーを軸に大人の宝物をクリエイトするブランドです。オーダーメイドビジネスで培った技術力と提案力による再現性の高い商品展開を強みとし、ECサイトやU-TREASURE専門店等においてファッションジュエリーの既製品をメインに展開しながら、ブライダルジュエリーの取り扱いも行っています。また、一部ライセンスではフルオーダーメイドジュエリーの取り扱いも開始しました。その他にも、キャラクターだけでなく、食品・鉄道・車やスポーツといった元来の意味を超えた「推し」のファンをターゲットに、キャラクタージュエリー以外の様々なアイテムを展開しています。(2)主要取扱いライセンス© Disney © 2025 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L664401 © Nintendo / HAL Laboratory, Inc.©TSUBURAYA PROD. ©2015 EXNOA LLC/NITRO PLUS ©CAPCOM ©堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会©2016 Universal City Studios LLC. All Rights Reserved.(3)ニーズをカタチにするオーダーメイド・オーダーメイドジュエリー ケイ・ウノグループのオーダーメイドジュエリーは、決まった枠やデザインから商品を選ぶのではなく、デザイナーがお客様のご要望に沿ったデザインを描き、世界でたった一つの宝物を生み出すご提案をしております。ケイ・ウノグループではほとんどの店舗にデザイナーが常駐しており、アドバイザー(販売員)と共に丁寧なカウンセリングを行っております。カウンセリングを基にデザインのほか、価格帯のご希望やお客様ご自身が気づかない潜在ニーズをカタチにして、お客様の目線に沿った付加価値の高い提案を追求しております。また、決まったデザインの商品にダイヤモンドや彫金を追加するシンプルなオーダーメイドも提供しております。常にお客様と一体となって一つのデザインを完成させてきた長年の経験やノウハウがケイ・ウノの強みであります。 「フルオーダーメイド品の納品までのフロー」 ・オーダーメイド時計 ケイ・ウノグループはジュエリー事業で培ってきた技術やノウハウを生かし、ジュエリーと同様にデザイナーがデザインを描いてご提案するオーダーメイド機械式時計や、ケース・文字盤・ベルト等をラインナップの中から自分だけの組み合わせをセレクトし楽しむセレクトオーダーメイド時計のほか、裏蓋に描かれたキャラクターを何通りもの中からセレクトすることのできるクオーツ時計など、様々なサービスを展開しております。さらに、オーダーメイドジュエリーを長年取り扱ってきたケイ・ウノグループならではの商品として、ジュエリーに小さな時計パーツを組み込んだ『Jewelry with Watch』なども取り扱っております。 これらの時計をブライダルジュエリーご購入のお客様に対する結納返し品としてやケイ・ウノグループでご購入いただいたファッションジュエリーとのコーディネートとしてご提案できることは、長年ジュエリーを製造・販売してきたケイ・ウノグループの強みであります。 ・オーダーメイドをきっかけとしたLTVの最大化 ケイ・ウノグループは、CRMの手法を用いてお客様のライフステージに合わせた様々なアイテムやサービスのご提案を行う事でLTVの最大化を目指しております。ケイ・ウノとお客様とのファーストコンタクトの多くは、婚約指輪や結婚指輪等のブライダルジュエリーのオーダーメイドとなっております。ブライダルジュエリーをオーダーメイドすることでオーダーメイドの楽しさを知り、その後、ファッションジュエリーでもオーダーメイド商品をご購入される方が多くいらっしゃいます。また、商品のご購入の際にカウンセリングを行い、出会いのきっかけ、飼っているペットの情報、結婚記念日及びお子様のご誕生・ご進学といったお客様の多岐にわたる情報を蓄積しており、CRMの手法(メールマガジンやDM等)にてライフイベント毎に適切なタイミングでアプローチを行っております。 また、ケイ・ウノグループはオーダーメイドの技術を活かした、リフォームジュエリーに特に力をいれております。お持ちいただいたダイヤなどを決まった空枠に当てはめる方法が一般的なリフォームジュエリーですが、ケイ・ウノグループではオーダーメイドと同様にお持ちいただいたお品物に刻まれた想いや背景をカウンセリングの中で伺い、新たにお作りするジュエリーにも引き継いで頂きたいという考えの基、デザイナーがその思いや背景を新しい形としてリフォームプランをご提案しております。リフォームジュエリーに込められた想いを紡いだ新たなオーダーメイドジュエリーをご購入いただくお客様も多くおり、LTVの最大化に繋がっております。 さらに、お客様の想いをカタチにした大切なジュエリーを永くご愛用頂きたいという考えから、ケイ・ウノグループでお作り頂いた商品は、①リフレッシュ仕上げ(小傷を磨きとり、新品同様の状態にするサービス)②サイズ直し③石ゆるみチェックのアフターサービスをほとんどの商品に対し永久無料保証を提供しております。 このようにケイ・ウノグループは、ブライダルジュエリーをきっかけにケイ・ウノグループの強みである丁寧で細やかな接客によってお客様との良好な関係を築き、ファッションジュエリーからリフォームジュエリーまで何度もオーダーメイドをご愛用頂くことでLTVの最大化を図っております。 ※CRM…Customer Relationship Managementの略で「顧客関係管理」の意味。顧客の情報をデータ化し、最適で効率的なアプローチを行う手法。※LTV…Life time Valueの略で「顧客生涯価値」の意味。顧客が自社と取引を開始してから終わるまでの間に、どれだけの利益をもたらすのか、その総額を表す指標。 「生涯顧客像のイメージ」 ・製販一貫の製造体制 ケイ・ウノグループは、お客様のニーズを再現したこだわりの品質をお客様に安心してお届けするために、店舗や工場に60名以上のデザイナーと150名以上の職人を擁し、デザインから製造・販売までを自社で一貫して行う製造体制を採用しております。一般的に、オーダーメイドジュエリーの製造は商品の種類や加工内容が多岐に渡ります。そのため、職人の育成には長い期間を要することから、ケイ・ウノグループでは独自の教育プログラムとして、難易度の低い加工スキルから段階的に製造に携わらせることで職人の早期戦力化および高い技術力を持った職人の育成に強みを持っております。そのため、ケイ・ウノグループの職人は、最新技術から伝統技法まで幅広い専門技術を身に着けることが可能となっております。製造工程については、職人による手作業が多いものの機械化が可能な工程についてはできる限り機械化し、生産の効率化を図っております。 さらに、ケイ・ウノグループはジュエリーだけではなくダイヤモンドにおいてもお客様にとってのオンリーワンを届けたいという想いから、ダイヤモンド原石のカット・研磨も自社で行っており、長年の研究により培った技術力を用いて生み出した独自のダイヤモンドカット技術において、2016年には特許を取得しております。 また、ケイ・ウノグループではU-TREASUREブランドの拡大により、近年はファッションジュエリーの既製品の取扱量が増加傾向にあります。2022年1月には主に既製品製造のための拠点としてタイ王国において自社グループ工場を開設しております。ケイ・ウノグループがオーダーメイドで培った製造クオリティの高さを保ちながらも大量ロット製品を効率的に製造できる体制を整え、今後のケイ・ウノグループの売上拡大に対応できるよう生産力の向上を図っております。 職人の手作業による伝統工芸・技法「七宝焼き」を施したリング※七宝とは釉薬(ガラスの粉等)をのせて、炉で焼成して表現する技法のこと (4)オーダーメイドの実績が可能にしたライセンス商品展開 ケイ・ウノグループは、映画・アニメ・漫画・ゲーム等のライセンスを用いてオーダーメイド商品やケイ・ウノグループオリジナルの既製品を取り扱っております。ライセンス商品はキャラクターの立体感や表情だけでなく、その物語が有する世界観などの高い再現性がライセンス提供会社から求められるため、一つひとつの商品内容が異なるオーダーメイドでの展開はもちろんのこと、既製品であってもジュエリーとして商品化するには高い参入障壁が存在します。ケイ・ウノグループでは、長年のオーダーメイドビジネスで培ったデザイナーの幅広い提案力と職人の高い技術力により、高い再現性が求められるライセンス商品においても、継続的にキャラクタージュエリーの展開が可能となっております。さらにこの高い技術力によって、キャラクターの再現性だけではなく着け心地や耐久性・強度等、品質面にもこだわった商品提供を実現しております。このように、ライセンス商品において付加価値の高い商品展開ができることはケイ・ウノグループの強みとなっております。 特許権のカット技術を用いて作成した「ミッキーマウス」のアイコンが浮かび上がるダイヤモンド『SweeTrick Diamond® ~Mickey Design~』 (5)事業系統図
有価証券報告書(2025年9月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】ケイ・ウノグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてケイ・ウノグループが判断したものであります。 (1) 経営方針ケイ・ウノグループは、「オーダーメイドでお客様に特別な感動と喜びを贈り続ける」というパーパスのもと「オーダーメイドの新しい文化を創る」というビジョンを掲げ、ジュエリーを中心にオーダーメイドのビジネスモデルを構築し、「お客様に特別な感動と喜びを贈り続ける」という経営理念を実現することを基本方針としております。 (2) 経営戦略等a.基本戦略ケイ・ウノグループの成長戦略は、成長性はもとより収益性に重点を置いた戦略として、「既存価値の適切な訴求と価格適正化を目的としたオーダーメイド戦略」及び「IP(知的財産)価値の最大化と販路の拡大を目的としたIP戦略」の2つを両輪に据え、これらを「戦略実現と原価低減のための基盤強化」が支える形で成り立っております。 b.基本施策 ケイ・ウノグループは、基本戦略であるオーダーメイド戦略とIP戦略に取り組み、中長期的な成長を目指していきます。①オーダーメイド戦略『既存価値の適切な訴求と価格適正化』 ケイ・ウノグループは、特徴と強みであるアドバイザー(販売員)・デザイナー・職人を自社で抱え、デザインから製造までを一貫して行う製造体制を採用しております。創業から40年以上に渡って培ってきたオーダーメイドのノウハウを活用することで、オーダーメイドは一般的に1回あたりの接客時間が長く手間がかかるため、原価率が高くなる傾向にありながらも、ケイ・ウノグループは独自の製販一貫体制により既製品とほぼ変わらない価格帯で提供してまいりました。その強みを活かし、近年は“オーダーメイドの敷居を下げる”ことをテーマに、オーダーメイドを気軽に体験していただくための「アレンジオーダーメイド」の訴求・商品開発に注力してまいりました。その結果、オーダーメイドには興味があるもののそれまで経験していなかった層の獲得に成功し、売上は伸長した一方で、オーダーメイドが本来持つ付加価値の訴求が弱まり、オーダーメイドを展開しない他社と競合する状況が発生しました。これは、ケイ・ウノグループにおける体験価値を十分に価格反映できていないこと、オーダーメイドブランドとしての認知が不十分であることが要因であると考えております。 そこで、今後は新たな戦略として、従来から得意としてきた体験価値に重点を置いたブランディングの実行による販売単価の引き上げを行うとともに、オーダーメイドブランドとしての認知向上を図ることといたしました。ここでいう体験価値とは、ケイ・ウノグループが重視する3つの体験価値「パーソナライズ性」「ブランド体験の一貫性」「顧客向けサービス」のことを指します。 1つ目の「パーソナライズ性」とは、お客様一人ひとりに合わせた提案型接客やカスタマイズ、オーダーメイドサービス等を指します。ケイ・ウノグループの強みの源泉であるオーダーメイドこそがパーソナライズの核であるため、これまで以上にオーダーメイドを前面に打ち出した広告宣伝や、オーダーメイドの参考となる商品開発を拡充することにより、パーソナライズ性を高めてまいります。2つ目の「ブランド体験の一貫性」とは、店舗、接客、商品、サービスなどのすべての体験にブレがなく、期待と現実にギャップの無い状態のことを指します。世界観を統一するため、広告上で用いるクリエイティブやHP・SNSのリニューアル、定期的な出店及び店舗の改装によりブランド価値の一貫性を高めてまいります。3つ目の「顧客向けサービス」とは、購入後のアフターメンテナンスや、購入者向けの特典・プログラムを指します。創業から続く永久無料のアフターサービスを継続しながら、LTV向上につながる商品開発の強化やフェア・イベントの拡充により、顧客向けサービスの充実を図ってまいります。なお、3つの体験価値を重視したアクションを実行することに加え、価格面においても相場に合わせた柔軟な価格改定と、ケイ・ウノのオーダーメイドや品質、アフターサービス等の価値を反映した価格設定を行ってまいります。 ②IP戦略『IP価値の最大化と販路の拡大』 IPにおいては、これまでアニメ・ゲーム版権を中心にジュエリーや純金製・18金製のフィギュア等を展開してまいりました。その結果、拡大する推し活市場やコンテンツ産業を追い風に順調に売上を伸ばしてきました。一方で、現在の取扱いIPや販路については未だ限定的であり、拡張する余地があると考えております。そこで、今後はアニメ・ゲーム等以外のIP展開による「潜在市場の更なる取り込み」と「国内外における販路の拡大」を戦略として実行してまいります。具体的には、IPの持つ価値を最大限引き出すための広告宣伝の強化や、HPのリニューアル、アニメ・ゲーム以外のIP展開や、中高価格帯を中心とした、ジュエリー以外の貴金属製品の積極的な投入を実施いたします。また、販路拡大として、国内では新規出店を、海外においては、重点地域における販売網の強化・拡張に努めてまいります。 c.基盤強化「戦略実現と原価低減のための基盤強化」①AI活用によるビジネスモデルの構造的課題解決 ケイ・ウノグループの培ってきた製販一貫体制のビジネスモデルは、他社には摸倣できない優位性を持つ一方で、オペレーションの複雑さや非効率さによる構造的課題も並存しております。ケイ・ウノグループのビジネスフローは販売と製造に大別されますが、販売現場では、販売員のスキルのばらつきや複雑な見積もりプロセスによるミスの発生や、接客の長時間化といった課題を、製造現場では、工程作成における確認作業の多さや経験者の裁量による暗黙知が多く、教育や標準化が困難といった課題をそれぞれ抱えております。これらの課題をAIの活用により解決し、戦略実現と原価低減を図ってまいります。 ②難易度別グローバル分業による生産量増加と原価構造の最適化 ケイ・ウノグループが戦略を実現するためには、今後の受注量に対応できる生産キャパシティの確保が必須と考えております。現在日本では、オーダーメイドのほか受注生産品のすべてを、タイでは、主にシルバーを中心とした量産工程を担っております。今後、日本では高難易度、高付加価値、職人技を要する工程に特化することで、更なるブランド価値の向上を図ります。タイでは、これまでの量産工程に加え受注生産品の難易度低から中程度の工程を日本から移行することで、生産量の確保及び効率化を図ります。このように国内工場と海外工場の役割を分けることで、生産量を増加させつつ原価構造の最適化を図ってまいります。 (3) 経営環境㈱矢野経済研究所の調査(2025年版 宝石・貴金属市場年鑑)によると、海外ブランドがインバウンド顧客などを中心に好調に推移したこと、金地金価格の高騰による値上げ及びこれに伴う販売単価上昇、高単価品が投資目的で購入されたこと等により、宝飾品全体での市場規模は、2024年には前年比108.1%の1兆1,306億円に増加し、3年連続で1兆円超となりました。さらに、インバウンド消費の減速は見られるものの、地金価格高騰の影響で引き続き商品価格の値上げせざるを得ない状況であること等により、2025年は1兆2,070億円まで回復すると予想されております。また、ブライダルジュエリーの市場規模は、2024年には前年比111.8%の2,217億円となりました。全宝飾品市場の市場規模が前年比108.1%であったことと比較すると、ブライダルジュエリー市場は高い伸長率となっておりますが、これは婚姻組数が前年比102.2%となったことに加え、ブランド各社の値上げを起因とした婚約指輪及び結婚指輪の単価アップが主な理由として考えられます。なおブライダルリングは値上げをしたとしても必ず購入する必需品に近い物であるといえるため、買い控えへの影響は限定的であり、今後も安定的な市場が続くと予想されております。 (4) 目標とする経営指標ケイ・ウノグループは、急激に変化する社会情勢でも安定的に利益を出すことのできる経営体質を構築するため、営業活動が効率的に行われたどうかを見るために有効である売上高、売上総利益、売上総利益率、営業利益及び売上高営業利益率を重要な経営指標と考えております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題ケイ・ウノグループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。①国内事業の伸長ケイ・ウノグループが継続的に成長をするためには、国内事業の伸長が重要であると認識しております。ケイ・ウノの強みであるオーダーメイドビジネスが持つ高い付加価値力を活かし、お客様お一人おひとりの多様なニーズに合わせて100%満足いただける商品をご提供することで他社との差別化を図り、LTV(顧客生涯価値)の向上と企業価値の最大化を図ってまいります。また、高い成長性や話題性を持つIPの力を掛け合わせ、推し活ニーズに合わせたライセンス商品の積極的な展開も行うことで、ケイ・ウノグループの更なる拡大を進めてまいります。 ②海外事業の拡大ケイ・ウノグループが更なる成長をするためには海外事業の拡大が重要であると認識しております。そのため、オーダーメイドやIPの力を活かし、既存展開地域での新規出店や代理店等の販路拡大に加え、現地ニーズに合わせた商品展開や開発により売上の獲得を図ってまいります。 ③優秀な人材の確保及び育成ケイ・ウノグループは、今後更なる事業拡大を推進するためには、優秀な人材の確保が重要であると認識しております。したがって、従業員の定着率を高めるための人事制度の整備及び教育の強化に努め、積極的に活躍できる優秀な人材の採用に取り組んでまいります。 ④コーポレート・ガバナンス機能の強化 ケイ・ウノグループは、継続的な事業の発展のためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化が必要であると認識しております。全てのステークホルダーから信頼される企業となれるよう、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてケイ・ウノグループが判断したものであります。 (1)事業環境に関するリスク①事業環境について(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)ケイ・ウノグループは、ブライダルジュエリーによる売上高がグループ売上高全体の約7割を占めております。キャラクター商品を中心としたファッションアイテムの販売強化や新規マーケット開拓のための海外進出など、国内ブライダルジュエリーによる売上高への依存度を低下させる取組みを行っておりますが、想定を上回って少子化・晩婚化が進行するなど、想定以上に国内ブライダルジュエリー市場が縮小した場合には、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ②原材料価格の高騰について(顕在化の可能性:高、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中)ケイ・ウノグループは、金・白金をはじめとした貴金属やダイヤモンド等、価格に為替相場や国際的な市況の影響を受けやすい原材料を使用しております。これらの原材料はロシア・ウクライナ情勢の長期化や米国の通商政策をきっかけとした世界経済の減速等の影響を受けて既に価格が高騰していることから、原材料の購入時期の分散、既存取引先との価格交渉、独自研磨技術を用い付加価値を高めたダイヤモンドの商品開発を行う等の取り組みを行っておりますが、今後さらに原材料価格が上昇し、販売価格に完全に転嫁できない場合は、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 (2)事業内容に関するリスク①個人情報管理について(顕在化の可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)ケイ・ウノグループは事業運営を行う上で、お客様の個人情報を取得しております。個人情報の管理徹底を図るため、個人情報管理規程等に基づく管理体制の整備や従業員教育を行っておりますが、外部からの不正侵入等、不測の事態により個人情報が外部に漏洩するような重大なトラブルが発生した場合には、社会的信用を失うこととなり、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ②版権元との商品化許諾契約について(顕在化の可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)ケイ・ウノグループは、キャラクター商品の製造販売にあたり、版権元から商品化許諾を受けております。ケイ・ウノグループは版権元と良好な関係を維持できるよう十分なコミュニケーションを図るとともに、ケイ・ウノにしかできない高クオリティ商品の開発や、販売チャネルの拡充等を行うことで、契約の更新が行われるように取り組みをしておりますが、既存版権元との商品化許諾契約が何らかの理由によって更新拒絶、又は解除等により終了した場合には、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 (3)事業運営体制に関するリスク①子会社の業績・財政状態について(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)ケイ・ウノグループの子会社である「U-International Factory Co.,Ltd.」は、ケイ・ウノグループの第2の生産拠点として2022年1月に工場を開設し操業を行っておりますが、工場立上げに伴う新規投資により債務超過の状態にあります。これを解消するために業務の効率化や新規採用による生産量の拡大、生産可能アイテムの増加など収益改善を図っておりますが、今後、急激な金融情勢の変化や為替の変動等、経済的に不利な要因の発生や政治的混乱、採用活動の難航化などにより、生産計画が予定どおり進行しなかった場合は、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ②合弁事業について(顕在化の可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)ケイ・ウノグループは、台湾において合弁会社である「愷吾柔璞琳夢股份有限公司」を設立し、店舗運営を行っております。現在は設立以来順調に業績が伸びており、経営の安定化が進んでおりますが、何らかの理由により合弁解消に至り、海外店舗戦略を変更せざるを得ない場合には、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ③人材の確保及び育成について(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)ケイ・ウノグループは、「お客様に特別な感動と喜びを贈り続ける」という理念のもと、長年のオーダーメイドビジネスによって培ったお客様のニーズを引き出す提案力、職人の高い技術力により、お客様のこだわりをひとつひとつ反映した商品をご提供しております。これらの商品を安定的に提供するためには、質の高い人材の育成・確保が必要であることから、積極的な採用活動を行うとともに、従業員への継続的な教育や適切な人事評価を行う等従業員ロイヤルティ向上のための取り組みを行っておりますが、このような人材の育成・確保が十分に出来ず、適正な人員配置が困難になった場合、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ④店舗の賃借物件への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)ケイ・ウノグループは、店舗の大半を賃借により出店しております。出店前に適切な情報収集を行い長期的に店舗運営が可能な物件を選定するよう努めておりますが、貸主の事由によっては業績が好調な店舗であっても当該店舗の退店を余儀なくされたり、出店時の差入保証金が倒産その他貸主の事由によって全部又は一部が回収できなくなった場合、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑤繰延税金資産について(顕在化の可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)ケイ・ウノグループは、将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討して計上しておりますが、将来の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合には、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑥棚卸資産の評価について(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)ケイ・ウノグループは、オーダーメイドによる受注生産品だけではなく、即日ご購入頂ける商品を求めるお客様のニーズに応えるために製品在庫を有しております。在庫量を適正に保つため、直近の受注状況や今後の需要予測等を考慮しながら必要量の生産を行っておりますが、消費動向等の変化により滞留在庫が生じ、棚卸資産の評価減を実施することとなった場合には、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑦固定資産の減損について(顕在化の可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)ケイ・ウノグループは、保有する固定資産について減損会計を適用しております。新規出店時には損益計画を作成してリスク検討を行っておりますが、今後、店舗等の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理がさらに必要になった場合、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑧業績の季節変動について(顕在化の可能性:高、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中)ケイ・ウノグループは、プレゼント需要の高い商品を取り扱っていることから、クリスマス商戦のある第1四半期に売上が偏る傾向があります。ケイ・ウノグループでは、その他の季節に合わせた新作リリースやフェア等の施策を行い、業績の平準化を図っておりますが、第1四半期の業績が当初の計画を著しく下回った場合は、年間の業績予想に影響を及ぼす可能性があります。また、ケイ・ウノグループは積極的に新卒採用をしており、4月に入社する新卒社員は接客研修や技術研修をベースとした教育を概ね3ヶ月程度受け業務に従事しております。そのため下半期においては、教育研修費にかかる経費が増加するほか、職人の稼働率が低下する傾向にあります。ケイ・ウノグループでは、実務に即した教育の充実を図り、新卒社員の早期戦力化に努めておりますが、利益は下半期が少なくなる傾向があります。 基準連結会計年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) 上半期 下半期通期 第1四半期第2四半期 第3四半期第4四半期 売上高(百万円)1,8231,7363,5601,6571,7863,4437,004構成比(%)26.024.850.823.725.549.2100.0営業損益(百万円)4861110△4841△7102構成比(%)47.659.4107.0△46.939.9△7.0100.0(注)上記四半期連結会計期間の数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人東海会計社の四半期レビュー又は期中レビューを受けておりません。(4)法的規制に関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)ケイ・ウノグループは、事業運営を行う上で古物営業法、特定商取引法、景品表示法、下請代金支払遅延等防止法、製造物責任法等の法的規制の適用を受けております。ケイ・ウノグループにおきましては、これらの法的規制を遵守するように努めておりますが、法令違反が発生した場合や、今後これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる等の理由により事業運営に制約を受けた場合には、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 (5)競合リスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)ケイ・ウノグループが属するジュエリー業界には多くの競合企業が存在しております。ケイ・ウノはオーダーメイドを主軸とし、お客様の100%の満足を目指す提案力や技術力で競合他社との差別化を図っておりますが、競争の激化による顧客の流出やコストの増加等が発生した場合には、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 (6)その他のリスク①自然災害について(顕在化の可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)ケイ・ウノグループは、国内店舗での販売、国内自社工場での生産が売上高、生産量の大半を占めております。ケイ・ウノグループは、店舗においては全国的な店舗展開のほか、ECや卸販売等販売チャネルの多角化を行うとともに、製造拠点においては国内3か所、海外1か所の複数拠点を構えることで当リスクの分散に努めておりますが、ケイ・ウノグループの店舗、工場を含む地域において、大規模な地震や台風等の自然災害等が発生し、事業拠点の損壊・消滅、電力供給の制限等により店舗の営業や工場の操業が一部又は全部不能になった場合には、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ②有利子負債の依存度について(顕在化の可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)ケイ・ウノグループは、出店に要する資金の他、一部の運転資金を主として金融機関からの借入金によって賄っております。ケイ・ウノグループの連結有利子負債残高は、2025年9月期連結会計年度末において1,461,143千円、総資産に占める有利子負債の比率は、2025年9月期連結会計年度末において32.2%となっております。ケイ・ウノグループは財政の健全化に取り組み、有利子負債比率を低下させておりますが、積極的な事業展開のために今後も金融機関からの借入を継続する方針であります。今後、現在の低金利水準が変動したり、金融情勢の急速な変化等何らかの理由により十分な資金が調達できない場合には、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ③支配株主との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)ケイ・ウノの大株主である久野新太郎氏及び久野栄太氏は、ケイ・ウノの創業者であり代表取締役社長であった久野雅彦氏の子であります。2022年に久野雅彦氏が逝去したことに伴い、同氏が所有しておりましたケイ・ウノ株式を久野新太郎氏及び久野栄太氏が相続した結果、本書提出日現在、久野栄太氏が代表取締役を務める資産管理会社である有限会社秀吉が所有するケイ・ウノ株式と併せると、両氏で発行済株式総数の59.7%を所有することとなり、両氏はケイ・ウノの支配株主となります。ケイ・ウノグループの事業計画の円滑な遂行のために、支配株主とは定期的に意思疎通を行い良好な関係を築いており、ケイ・ウノグループと支配株主との間に特別な取引関係はありません。現時点において、支配株主が所有するケイ・ウノ株式についての方針は具体化しておりませんが、将来、何らかの事情によって、支配株主が所有株式をケイ・ウノの想定しない第三者に譲渡し、かつ当該第三者がケイ・ウノと敵対又は競合する関係である場合、並びにその可能性をもつ場合には、ケイ・ウノグループの業績に影響を与える可能性があります。 ④配当政策について(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)ケイ・ウノグループは、創業以来、経営基盤の強化及び積極的な事業展開に備えるため、内部留保の充実を図り、配当を実施しておりません。株主に対する利益還元については経営の最重要課題の一つとして位置付けておりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等は未定であります。内部留保の水準や事業成長フェーズの変化などを適切に判断し、経営成績・財政状態を勘案しながら、配当などによる株主への利益還元に努める所存であります。 ⑤新株予約権の行使による1株当たりの株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中)ケイ・ウノグループは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図ると共に、ケイ・ウノグループの業績に対する役職員の意欲を高めることを目的として、新株予約権を発行しております。本書提出日現在、発行済株式総数1,055,200株に対する割合は7.77%となっております。これらの新株予約権の行使がなされた場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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