カゴメ(2811)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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カゴメ(2811)の株価チャート カゴメ(2811)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】カゴメの企業集団は、カゴメ、子会社39社及び関連会社3社で構成され、国内外での食品の製造、仕入及び販売を主な事業内容としております。カゴメグループ各社の事業に係る位置付けは、次のとおりであります。 カゴメグループは、国内において、飲料や調味料の製造・販売を行っている国内加工食品事業、また海外において農業生産、商品開発、加工、販売事業を展開する国際事業の2つを主たる事業としております。なお、カゴメグループは製品、顧客等の要素及び経済的特徴の類似性を考慮し、飲料、通販及び食品他については事業セグメントを集約して「国内加工食品事業」、トマト他一次加工、トマト他二次加工(※1)についても集約の上「国際事業」を報告セグメントとしております。したがって、カゴメグループは「国内加工食品事業」、「国際事業」及び「その他」の3つを報告セグメントとしております。また、セグメント利益は、「事業利益(※2)」であり、取締役会は事業利益に基づいて事業セグメントの業績を評価しております。 ※1 トマト他一次加工…農作物を加工した、ペーストなどの製造・販売トマト他二次加工…主に、農作物の一次加工品に調味料などを加えて加工した、ピザソースなどの製造・販売 ※2「事業利益」は、「売上収益」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えた、経常的な事業の業績を測る利益指標です。 各報告セグメントの主要な製品は、以下の通りであります。 セグメントの名称主要製品及び商品等 飲料野菜生活100シリーズ、トマトジュース、野菜一日これ一本、他 通販野菜飲料、サプリメント、スープ、他 食品他トマトケチャップ、トマト調味料、ソース、贈答品、他国内加工食品事業 トマト他一次加工トマトペースト、ダイストマト、にんじん汁、冷凍地中海野菜、他 トマト他二次加工ピザソース、バーベキューソース、トマトケチャップ、他 ※3国際事業 その他国内農事業、種苗の生産・販売、新品種・栽培技術などの研究開発、不動産事業、新規事業、他 ※3国際事業のうち、一次加工及び二次加工に属さない事業は「トマト他二次加工」に含めております。 主要な関係会社の事業系統図は、次のとおりであります。

有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、カゴメグループが判断したものであります。(1) トップメッセージ 独自の強みで、 持続可能な成長と 価値を生み出す企業へ 2026年1月に代表取締役社長に就任しました奥谷晴信です。創業127年の歴史を受け継ぎ、日本及び海外関係会社を含めたカゴメグループのトップとしてカゴメを率いていく立場となり、大変身が引き締まる思いです。まずは私自身の信念や決意、経営にかける想いについて、お話しします。1990年に入社して以来、国内外の実に様々な部門で経験を積んできました。最初の10年間は工場勤務や農産加工原材料の調達業務に携わり、その後は国際事業の開発とイタリア子会社への出向、国際事業本部での戦略立案や収益構造改革及びグループ会社のマネジメントを担当、直近の5年間は、2024年のIngomar Packing Company, LLCとのM&A推進をはじめとする事業拡大やカゴメグループ全体のコーポレート企画業務等を担ってきました。社内でもユニークなキャリアを積んできた方ですが、いずれの経験からも他に代えがたい学びを得られました。中でも特に印象深いのは、ものづくりの現場である工場での勤務と国際事業に関する業務です。入社直後の工場での勤務は、カゴメが最も大事にしている「品質第一」「現場・現物・現実」といったものづくりへの考え方や、安心・安全へのこだわりについて触れる経験となり、その後の様々な判断や意思決定における拠り所となっています。国際事業に関しては、日本と異なる文化や利害関係の中で物事を前に進める力を養えたこと、また、社内外・国内外の様々な人と接することで、多様な考え方への理解が深まったことが大きな財産です。また、2度の出向を通して、カゴメの特徴や課題を客観的に見ることができたという経験も、今後の経営に活かしていきたいと思っています。カゴメの歴史を振り返ってみると、カゴメの歴代の社長たちには「見えないものを見えるようにしてきた」という共通点があります。例えば「食を通じた社会課題の解決」、「農からの価値形成」など、カゴメが元来有している強みを言語化し、社会貢献と企業成長を両立させてきたのがカゴメのリーダーであり、このようにして生まれた強みが、現在のカゴメの「企業文化」になっています。また、カゴメが持つブランド、人材、知的財産、お客様・お取引先様との信頼関係などの「無形資産」はかけがえのない財産です。カゴメの強みである「企業文化」をさらに醸成しグローバルに広げていくこと、そして「無形資産」を拡充し、新たな価値創造に取り組み、さらなる成長と社会課題の解決を実現していくこと、それこそが今後のカゴメの経営を担う私の使命だと認識しています。また、グループ経営体制のマネジメントについても解決すべき重要な課題だと思っています。今やカゴメの事業利益における国際事業の比率は41%を占める構造となってきていますので、経営体制もそれに対応させていく必要があります。既存の国際・国内加工食品事業と新しいチャレンジ領域の事業において、各部門の責任者との役割分担を明確にし、社長としてやるべきこと、決めるべきことに注力していきたいと思っています。 農から始まり、自然と向き合い続けてきたカゴメの原点2026年2月に、カゴメグループ新理念体系を発表しました。これまでも長期ビジョンは定期的に改訂してきましたが、今回は既存の企業理念や行動規範、ブランドステートメントなどを含む全てを体系的に考え直し、新たに「ミッション・ビジョン・バリューズ(以下、MVV)」として再整理をしています。2024年から約2年にわたり、経営陣や従業員、社外取締役、お得意先など、様々な方との議論や意見交換を繰り返して作り上げていきました。トップの一声で決めてしまうのでなく、ステークホルダーも含めたグループ全体で作っていくという姿勢は、非常にカゴメらしさが表れていたと感じます。カゴメ内部では「大切にする軸はこれまでと同じで良いのか」「もっと変わらなければいけないのではないか」という2つの考えの間で非常に悩む局面もありましたが、社外の方から「今持っている素晴らしい価値をもっと伸ばしていってほしい」など、非常にサポーティブなご意見をいただき、それらも取り入れながら考え方の軸を定めていったという印象です。ミッションでは「循環」という言葉が、重要なキーワードになっています。これは、私たちカゴメの原点である農業と自然の関係性を改めて定義した言葉で、人が自然に働きかけることで、自然が豊かさをもたらし、さらに人々の健康や社会の持続性に貢献していくという「相互作用」を表現しています。また、「人が自然を、自然が人を」という表現については、経営陣の間で興味深い議論がなされました。西洋と日本における自然との向き合い方の違いは何か、という視点に立つと、日本の自然との向き合い方は「共生」なのだろう。そして、自然との一方的な関係性ではなく共生していくこと、それはこれまでもこれからもカゴメの使命なのだという想いが、この表現に込められています。私たちは農業から始まった会社です。カゴメの価値の中心には、常に農や自然があり、その領域をどれだけグローバルに広げていけるのかがチャレンジであると考えています。2035ビジョンは、2035年までの地球環境の変化や食糧問題、個人の価値観の多様化等、環境予測をもとに「よりよく進化した未来とはどういった状態か」というカゴメなりの定義を構築し、それをどう実現していくのかというバックキャスト型で考えています。定義した未来に対してカゴメができる価値提供は何か、その問いに対する答えを「農から食にわたる技術革新」という言葉に込めています。バリューズについては、社内での共感値が非常に高かったことが印象的でした。全く新しいことをバリューズとして伝えたのではなく、カゴメに既に存在していた「企業文化」を言語化できた、まさに「見えないものを見えるように」したということです。語尾の表現は、社員一人ひとりの積極性に働きかけ、日々の業務の中での前向きな行動を促す言葉となるよう「~しよう」で統一しました。バリューズのもと、カゴメグループのメンバー一人ひとりが、新しいことへ果敢にチャレンジしてくれることを期待しています。今後は、MVVを社内にどう浸透させていくかが課題です。経営陣・従業員、海外を含めたカゴメグループの皆がMVVを理解し合うこと、目指す先の共有と浸透、そして対話が肝になっていきます。1回掲げたら終わりではなく、繰り返し対話して伝えていくこと、特に海外グループ会社においては、まずは各グループ会社の経営陣と、現地で顔を合わせて共有を深めていくことから始めたいと思っています。グループ経営の基本は、同じカルチャー・同じ思想に立つことというのが私の考えです。カゴメのグループ会社は、自然の恵みから価値を生み出すという点でベースとなるカルチャーはそもそも近いのですが、MVVによってそれがよりクリアになり、グループ経営の進化に向けたさらなる一歩を踏み出すことができると思っています。 2035ビジョン実現のカギ2035ビジョンにおいて「ビジョン実現をドライブする2つの構想」として「農と食のウェルビーイング事業の展開」と「環境負荷の低いトマトビジネスの開拓」を掲げました。 2035ビジョン策定にあたって想定した「よりよく進化した未来」を、私たちは「個人個人の関心事に対して、社会課題を解決するイノベーションが浸透・普及し、社会や地球環境、個人の身体を含めた健全性が保たれ、よい影響をもたらしている未来」と定義しました。その実現に向けて、カゴメが既に持っている知見や持たなければならない経営資源を融合した結果、この2つの領域にたどり着いたという経緯です。「農と食のウェルビーイング事業」では、農と食を起点としたコミュニティの場や、つながりを提供し、心身の健康だけでなく、社会的健康ニーズに応える新しい事業の構築を目指します。2026年度からの3年間でビジネスモデルの原型を作ることを目標としています。私たちが持つ無形資産(ブランド、商品、人材、知的財産、お客様・お取引先との関係など)と、新たな資源とを掛け合わせて価値を生み出していくべく、10年後の事業規模を見据えながら、まずは事業基盤づくりに注力していきます。「環境負荷の低いトマトビジネス」は、カゴメの特徴的な価値創造の仕組みを最大限に活かした事業構想であると言えます。カゴメは農での実証や研究に基づくエビデンスを起点としたバリューチェーンを展開しており、これまで培ってきた研究開発技術を駆使しながら、環境負荷の低いトマトビジネスの開拓を目指していきます。特に海外では、トマトに特化した川上分野での取り組みがかなり進んでいるため、将来的に日本でのノウハウ活用につなげていける可能性も秘めていると考えています。 この2つの構想は、既存の国内加工食品事業・国際事業と別の事業ではなく、あくまで既存事業で培った「無形資産」を最大限活用するとともに、新たな資源を取り込んで価値創造に挑むものです。各事業ポートフォリオの戦略の明確化とグループ経営の推進、適切な資源投下などマネジメントの徹底に励み、将来の成長を担う事業の育成を実現していきます。 2035ビジョン実現に向けた10年方針は、3つの期間ごとの中期経営計画(以下、中計)にて展開・推進し、2026年~2028年は「Kagome Group Plan 2028」に基づいて、取り組みを進めていきます。2035ビジョンの実現を通じて目指す2035年度の定量目標は、売上収益5,000億円、事業利益500億円、ROE12%以上、2028年の定量計画は売上収益3,250億円、事業利益270億円にインオーガニック成長を加え、ROE9%以上を見込んでいます。10年方針の定量目標は、社会に対してカゴメが提供できる価値の規模感として設定しており、前中後期の各中計で着実に成果を積み上げることで達成を目指していきます。国際事業においては、二次加工を中核とした成長を加速させ、国内加工食品事業は、人口減少という逆風の中でも、収益獲得力の強化を進めていきます。さらに、2028年までに500億円程度のM&Aを含む戦略的な投資を計画しています。中計の達成に向けては、各事業の多方面からの施策とチャレンジが重要になると考えています。国際事業は、商品・サービスの競争優位性や独自性を磨いていくこと、国内加工食品事業は、人口減少を乗り越えつついかに需要創造を実現できるかが課題です。また、近年のインオーガニックの取り組みは、国際事業を拡大するためという考え方でしたが、今後は国内も対象として考えています。国内における新規事業や農と食のウェルビーイング事業、既存事業のさらなる拡大、収益率の向上など、事業の新旧や国内外の線引きをせずに、必要なM&Aは検討していく方針のもと、事業成長を図っていきます。ROEについては、2028年度に9%、2035年度に12%達成を目標としています。これらの実現に向けては、収益性の高い事業への資源配分の最適化と、ROIC管理も含めた資本効率の向上が特に重要だと考えています。現在の国内加工食品事業の中で、成長性があり資本効率も良い領域はそう多くありません。この実態を冷静に判断・分析し、今ある領域の底上げを図るのか、全く新しいサービスを創造するのか等、適切な事業ポートフォリオマネジメントを推進していくことが重要です。カゴメの事業の性質上、市況の変化によるボラティリティは避けられない側面がありますが、その影響のレベルを低く抑えることは可能だと考えています。国内外で培ったノウハウを活用した徹底的な原価マネジメントや生産性の向上に加えて、農業技術開発分野への資源投下による収穫の安定性向上と収量増加は、農から価値を形成する私たちだからこそできる取り組みです。また、変動影響を許容できる幅に収めることが可能な事業ポートフォリオを構築していくことを含めて、「我々自身の努力で実現できること」を着実に進めていきます。 国際事業の戦略のポイントは、フォーカスエリアの特定です。限られた経営資源の中で成長市場を見極めて、自社で担う範囲と他社と協力する範囲の区分をこれまで以上に考える必要があります。例えば、北米はフォーカスエリアの1つですが、品種開発から二次加工までカバーしている中で、それぞれの結びつきをどう強くしていくかが課題と捉えています。その他の国においても、事業チャンスがある地域へは貪欲に参入していきたいと考えています。従来公言している北米を中心とした業務用フードサービス市場については、これまで以上にアグレッシブに挑戦していく意向です。このエリアはトマト加工産業がある程度完成されていますので、どこで競争優位性を確保するかが勝敗の分かれ目になってきます。需要創造が重要とは言え、フードサービスである以上、商品そのものに価値がなければ話になりません。一定のコスト競争力を有していることは大前提として、私たちが取り組むべきは、お客様のニーズに即座に対応できるソリューション提供力を強化し、それを真の優位性に高めていくことだろうと思います。例えばR&Dやイノベーティブな商品の開発、精緻なマーケティングによる店頭の課題解決などもソリューション対応力の1つです。日本では既に実践していますので、海外でもチャレンジしていく必要があります。ほかには、グループ間の情報やノウハウを管理・共有・活用していくためのプラットフォームを持つことも有用です。また、トマト加工産業がまだ黎明期にあるインドにおいては、将来的なポテンシャルを注意深く見極めていきます。カゴメがインドで競争力と必要な品質を確保するためには、川上(品種開発・栽培)から川下(消費者)までをカバーして、バリューチェーンに深く関与するビジネスモデルを作らなければなりません。関与の度合いについては、市場環境や事業のステータスに応じて段階的になると考えています。この活動にはカゴメがこれまで行ってきた農から始まるバリューチェーンの構築に関する知見が活きると考えています。インドにはトマトを食材としてカレーを作るなど、トマトを調理して食べる食文化があり、レストランの厨房では生のトマトから調理している所もまだまだ多いです。一方でトマト加工品を使用する世界的なピザチェーンも急増しています。人手から加工品に変わるタイミングをタイムリーにキャッチし、レストランに商品を置いてもらう営業機会を探るなど、市場を見極めながら事業拡大のチャンスを的確につかんでいきます。現在のカゴメの国際事業に足りないのは、海外においても「カゴメでなくてはダメ」と言われるほどの競争力です。世界各地でトマト事業を展開し、安定した品質と供給力、さらにはお客様にソリューションを提供する能力をさらに強化し発揮することで、選ばれる商品・サービスの創出を実現していきます。国内加工食品事業においては、リスクの1つとして、農業の担い手の減少が挙げられます。カゴメの強みは安定した原材料調達力と契約農家との関係性ですが、気候変動の影響などにより、現在の状態を維持し続けられるのかは不透明であり、バリューチェーンのさらなる強化の必要性を感じています。今後は、一次加工より前の川上領域への参入とその方法について考えるとともに、国内の農業の持続性にどう関わっていくのかという、大きな視点で検討していかなければなりません。現在、北海道での国産加工用トマトの一次加工拠点の新設も予定しています。これにより、輸送効率の向上と環境負荷の低減を図るとともに、安定的な調達を確保し、ひいては国内のトマト加工産業の持続的な発展に貢献できると考えています。国内は成熟市場ではありますが、カゴメのブランド力やお客様との深い信頼関係は、現在でも着実に成長していると認識しています。野菜飲料の需要喚起策にも引き続き取り組み、商品そのものが発信する価値や、商品のポテンシャルを引き出し、深掘りしていくことで、さらなる需要創造に取り組んでいきます。 新たなビジョンの制定に伴い、マテリアリティも見直しました。社会課題のロングリストを出発点に、自社とステークホルダー双方の視点で重要度を評価し、7つの重要課題を再特定しています。新たなマテリアリティはこれまで以上に社会とカゴメとの関係性を鮮明にする表現に見直しています。事業を通じて社会課題の解決に挑戦していくことはこれまでと変わりません。人的資本の強化においては、経営戦略と人材戦略の連動を図りながら、人材価値の最大化に取り組んでいきます。カゴメはこれまでも人的資本経営には特に力を入れて取り組んできました。根底にある「カゴメを好きで働いてくれる人たちの成長が、カゴメの成長につながっていく」という基本の考え方は変えていませんが、今後の経営を考えたときに重要なことは、多様な人材集団を形成することだと考えています。ここでいう「多様」とは、ジェンダーや国籍はもちろん、DXやグローバル、サステナビリティなどのスキル面での専門性の深化も意味しています。幸い、働き方改革や心理的安全性の確保など、以前から注力してきた取り組みが既に社内に浸透していますので、私はその土壌の上で人材価値の最大化に励んでいきたいと思います。「経営は舞台を準備して、そこで人を育てていくことが(会社の)役割である」という7代目社長である喜岡の言葉があるのですが、私も従業員が最大限に力を発揮できる「舞台」を整えて、皆さんの活躍を後押ししていきたいと思います。また、各人の役割を明確にし、誰かの指示を待つことなく自らオーナーシップを発揮して取り組んでいける仕組みづくりにも、グループ経営の観点から取り組んでいきます。 コーポレート・ガバナンスに関しては、取締役会の役割が長期視点の企業価値向上に資するものに変化している潮流を踏まえ、執行側と経営側の役割分担をよりクリアにしていくことの重要性を感じています。国際事業については2023年に社内カンパニー化し、戦略は経営側が策定し、意思決定の権限は両者合意の上でカンパニー側へ委譲する構造ができています。今後はこれを事業ポートフォリオや戦略単位に対応できるものに広げていく必要があると考えています。かねてより推進していることではありますが、適切な情報開示も含めてクリアな運営体制をどう維持していくのかが重要だと認識しています。多様な経験とカゴメ以外の企業文化に関する知見を持つ社外取締役の方々からの意見を引き続きいただきながら、取締役会の実効性向上に努めていきます。また、投資家の方々とのコミュニケーションについては、適切かつタイムリーな情報開示と、情報を丁寧に伝えていく対話型の機会を積極的に持つことを重要視しています。2025年はセルサイドアナリストの方々を米国にお招きし、畑や工場の生産現場を見ていただく機会を作りました。こういったリアルな場での対話を引き続き大切にし、国内外の投資家の方々との接点を拡大していくことで、カゴメの独自の強みをご理解いただくとともに、対話から得られる貴重なご意見を経営に反映していきたいと考えています。そして、24万人を超える個人株主の方々との関係性についても重要視しながら取り組んでいきます。 127年の歴史を持つカゴメの経営を引き継いだ今、守らなければならない価値と、変化・進化させるべきところをどう見極めて、未来へのさらなる成長につなげていくのか、それが私に課せられた大きなチャレンジであるとの想いを新たにしています。新たに設定したMVVのもと、経済価値と社会価値の両面から成長を図り、企業価値を高めていくため、まずは足元のKagome Group Plan 2028で成果を出すことに最大限力を注いでいく所存です。安心・安全やブランドへの信頼、従業員の働きがい、社会とのつながりや共助の取り組みといった定性的な価値を、私は「多面的なカゴメの魅力」と呼んでいます。これを、カゴメならではの企業価値として今まで以上に高めていくことを究極的な私自身の使命とし邁進していきますので、引き続きのご支援をお願いいたします。代表取締役社長 (2) 会社の経営の基本方針1.カゴメグループ理念体系カゴメグループは、「感謝」「自然」「開かれた企業」を企業理念としております。これは、創業100周年にあたる1999年を機に、カゴメグループの更なる発展を目指して、創業者や歴代経営者の信条を受け継ぎ、カゴメの商品と提供価値の源泉、人や社会に対し公正でオープンな企業を目指す決意を込めて、2000年1月に制定したものです。また、カゴメグループは今後も「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」をお客様と約束するブランドメッセージとして商品をお届けしてまいります。 カゴメの企業理念、ブランドメッセージや長期ビジョンを含めたカゴメグループ理念体系は以下のとおりです。 2.Mission・Vision・Values制定の背景カゴメグループは社会の変化が急速に進み、技術の進化がさらに加速する環境において、長期的な視点を持って経営を行うため、企業理念や行動規範、これまでのブランドステートメントなど、全てを含めて体系的に考え直し、新たにミッション・ビジョン・バリューズを設計しました。カゴメグループが一貫して進む方向性を明確にすることで、持続的成長と企業価値向上を実現します。  Mission 私達の使命カゴメグループは、人が自然を、自然が人を豊かにする循環を生み出し続けます 農家を原点とするカゴメは、創業以来、自然の恵みである野菜や果物のおいしさと栄養を、お客様にとって価値ある飲料や食品という形に変え、食卓へ届けてきました。その背景には、食を通じて人々の健康と豊かな生活に貢献したいという想いがあります。自然との共生を大切にしながら、品種改良や栽培技術の研究、加工技術の開発、野菜の機能価値情報発信など、自然を豊かにする活動にも取り組んできました。これらの創意工夫や挑戦の積み重ねが、人が自然を、自然が人を豊かにする循環となり、カゴメの長い歴史を築いてきました。しかし、気候変動などの環境変化が自然の恵みを育む農の営みに深刻な影響をもたらしています。この課題に対応するため、「人から自然」への豊かさを育む働きかけを広げながら、「自然から人」への恵みを一層大切にして、双方をつなぐ循環の輪をより太く、大きくしていきます。  2035 Vision 2035年にカゴメグループが目指す姿~Cultivating Nature's Potential~ 農から食にわたる技術革新をリードし、自然の可能性を共に拓く会社へ気候変動などの環境変化により、持続可能な農の営みを守り、食の基盤を維持することがますます困難になっています。一方で、生活者のニーズに目を向けると、心身の健康に加え、人や地域とのつながりも重視され、ウェルビーイングの重要性が一層高まっています。こうした変化の中で、農家を原点に自然の恵みの価値を届けてきたカゴメは、社会においてどのような存在となり、どのような価値を創造し、未来を築くのか。それを示すのが「2035ビジョン」です。自然との共生を大切にしながら、農から食にわたる革新的な技術で、畑などの農地を中心とした自然の豊かさを育んでいきます。そこから生まれる恵みの価値を最大限に引き出し、人々に届け、持続可能な未来を創り続けます。  2035 Values 2035ビジョンを実現するための価値観Explore 探究しようAdvance先進しようCooperate協創しよう 「2035バリューズ」は、「2035ビジョン」を実現するために従業員一人ひとりが大切にする価値観です。これらは企業文化を育み挑戦を支えてきた歴代トップの言葉、そして「企業理念」「ブランドメッセージ」「行動規範」に根差しています。このバリューズは従業員だけでなく、社外のステークホルダーへの呼びかけでもあります。ビジョンの達成には、カゴメが積み重ねてきた知見や技術に加え、新しい発想や技術を持つパートナー、そして志を共にするステークホルダーとの連携が欠かせません。私たちは共に、新しい価値を生み出し、未来をより豊かにしていきたいと考えています。 (3) カゴメの価値創造プロセスカゴメは、「企業理念」をゆるぎない価値観、「ブランドメッセージ」を社会やお客様への約束として経営の根底に据え、組織全体が一貫した行動をとっています。また環境変化の予測と、リスク認識を行い、カゴメグループの重要な経営課題であるマテリアリティを継続的にアップデートしています。その上で、企業価値向上を支える経営資源を活かし、「農から価値を形成するグローバル・バリューチェーン」を多様なステークホルダーとの協業により進化させてきました。このバリューチェーンを通じて、自然やその恵みを活かし人々の食と健康に貢献するとともに、品種改良や土壌改善、環境保全など、自然の持続可能性を高める取り組みを続けています。農から価値を創出し、人々の健康を支える。そして、農を持続可能にする研究や技術開発を継続することで、自然をさらに豊かにする商品・サービスを提供します。この活動を通じて、人と自然の循環を生み出し続け、社会価値と経済価値の創出により、企業価値を向上させていきます。 (4) 農から価値を形成するグローバル・バリューチェーンカゴメは、原材料となるトマトや野菜の品種や栽培技術の開発など、農の領域から携わり、栽培、生産、開発、販売までのバリューチェーンをグローバルで展開しています。創業時から「畑は第一の工場」という思想を持ち、農業視点開発から各プロセスの知見を培ってきました。川上から川下まで各プロセスの強みを強化するとともに、農を起点とした一連のつながりや相乗効果を最大限に発揮することで、新たな価値提案や社会課題解決の取り組みを実行していきます。 事例01 カゴメ×トマトが環境のためにできることGARBiC 戦略開発室 石岡 大輔 カゴメの売上や収益において、トマト・トマト製品は大きな割合を占めますが、環境負荷に関してもその割合が非常に高いです。地球環境への貢献や、ビジネスの永続性のためにも、トマトでの環境負荷低減への取り組みは避けられません。カゴメにはもともと農場での生産から加工に至るまでの工程での世界規模のネットワーク、そしてそれを支える遺伝資源や栽培技術を有しています。それらを最大限に活用し、カゴメグループを横断したプロジェクト体制で、独自のトマトによる環境貢献にチャレンジしています。既に、各地の農場においてGHG排出や水使用量を減らす取り組みをいくつかスタートさせていますので、今後の成果にご期待ください。 事例02 インドにおけるバリューチェーン構築への挑戦KFICグローバルトマト事業部 柳川 慎弥 トマト生産量世界第2位のインドは、カゴメの国際事業が飛躍的な成長を遂げる上で重要な戦略拠点です。巨大で伸長著しいフードサービス市場の潜在力を踏まえ、長期視点で基盤強化のための成長投資を進めています。2016年にはピザソースなどの二次加工品を製造・販売するKagome Foods India Pvt.Ltd.を設立し、レストランやケータリング会社での加工品需要の高まりに応えることで事業を拡大してきました。一方、主要原材料となるトマト及び一次加工品であるトマトペーストの価格・品質・調達量の不安定さは、競争が激しいインド市場において成長の足枷となる重要課題です。まずはトマト栽培から携わる体制を整備し、原材料の安定調達と品質向上を実現するバリューチェーン構築を進めています。今後、インド市場における競争力の強化を図るとともに、中東・東南アジア等の周辺国への供給も視野に入れた広域な供給網構築を目指します。これまでカゴメグループがトマトの垂直統合型ビジネス(種子から食卓まで)で蓄積してきた知見を最大限に活用し、現地ステークホルダーとの協働を通じて持続的な成長を実現していきます。インドの契約農家を訪問 事例03 農の想いを受け止め、生活者へつなぐ。恵みがめぐる国産バリューチェーンマーケティング本部 ウェルビーイング事業部 中津隈 哲郎 カゴメは農家の集まりから生まれた会社であり、その原点は今も私たちの価値観の中心にあります。野菜や果実は植えてすぐに実るものではなく、収穫には長い時間と多くの手間が必要です。加えて、気候変動や後継者不足など、国産原材料の調達環境は一段と厳しくなっています。だからこそ私たちは短期的な成果にとらわれず、産地が直面する現実に真摯に向き合い、持続的に農を育み続けられる体制づくりを大切にしています。こうした姿勢は、農の未来を支える企業として果たすべき責任だと考えています。一方、家庭用・業務用・ギフト・通販向けなど多様な商品ラインアップを持つことは、カゴメの価値創造を支える重要な要素です。幅広い出口があることで、豊作・不作といった収量の変動を柔軟に受け止め、生産者の努力を確かな価値へとつなげることができます。これからも商品の背景や物語を丁寧に届け、おいしさや安心に加えて「そのひと口が日本の農の未来につながる」という視点を広く共有することを通じて、生活者と農をつなぐ新たな循環を育んでいきます。トマトを育てる契約農家を訪問 (5) 第3次中期経営計画の振り返りカゴメグループは、2016年に「2025年のありたい姿」「ビジョン」を掲げました。その実現に向けて10年間を3つの中期経営計画に分け、「健康寿命の延伸」「農業振興・地方創生」「持続可能な地球環境」の3つの社会課題解決に取り組んできました。この10年間の成果と課題を踏まえ、次なる成長ステージである2035ビジョンへの歩みを進めます。ここではまず、前中期経営計画(2022年~2025年)(以下、前中計)を振り返ります。 1.前中計 基本戦略10年間の最終フェーズにあたる前中計では、「4つのアクションの有機的連携による持続的成長の実現」を基本戦略に掲げ、オーガニック・インオーガニック両面での成長を目指して、グループ一体での取り組みを推進してきました。4つのアクションそれぞれの主な取り組みは以下の通りです。これらを有機的に連携させ、持続的な成長を追求しました。 4つのアクション 活動内容結果1野菜摂取に対する行動変容の促進ベジチェック®の展開測定回数(累計、延べ人数):2,400万回以上 ※2025年12月時点企業・自治体などでの導入実績(累計):8,400台野菜摂取推進プロジェクト情報発信対象人数:1.8億人  ※中計期間4年間、累計、延べ人数2ファンベースドマーケティングへの変革生活者接点の多様化植物性ミルク・スープなど新領域への挑戦3オーガニック・インオーガニックでの成長オーガニック売上収益成長年平均成長率4.9%  ※中計期間(4年)、為替影響除くインオーガニック成長M&A投資額:約360億円ROE(2025年)7.9%4グループ経営基盤の強化と、挑戦する風土の醸成農業研究基盤の構築農業研究に特化した研究開発組織GARBiC(※1)及びCVCの設立調達基盤の強化調達拠点分散、Ingomarの連結子会社化環境取り組みCDP気候変動Aリスト(2024年)/CDP水Aリスト(2025年)エンゲージメントサーベイスコア73 ※2021年度:70 ※1 GARBiC:Global Agricultural Research & Business Center 2.連結売上収益・事業利益推移4つのアクションの有機的な連携により、国内加工食品事業の着実な成長に加え、国際事業におけるフードサービス企業向けの販売を拡大しました。その結果、為替影響を除いたオーガニック年平均成長率は4.9%となりました。インオーガニック成長においては、2024年1月のIngomar連結子会社により、国際事業の規模が拡大するとともに、付加価値創出に向けた強固な基盤が整理されました。 売上収益・事業利益推移 3.投資実績前中計期間中における新商品導入、品質の維持・向上、生産性向上を主な目的とした投資額は、4年間で約400億円となりました。このうち約6割が国際事業への投資です。主な事業投資は、2024年のIngomar買収に伴う約360億円となります。 4.国内加工食品事業コスト上昇が継続する環境下において、機動的な価格改定に加え、原価低減活動、野菜の健康価値の訴求、ファンベースドマーケティング、需要創造活動といったカゴメの強みを掛け合わせることで、売上収益の成長と事業利益水準の回復に取り組みました。今後に向けては、コスト高が継続する事業環境下において、持続的に利益を創出できる事業構造への変革と、新たな成長の柱の育成が引き続き重要な課題です。 売上収益推移 事業利益推移 5.国際事業米国を中心に、バリューチェーンの強化とフードサービス向け販売の拡大に取り組みました。米国ではIngomar連結子会社化により、一次加工の調達基盤を強化するとともに、農業研究基盤の拡充を進めました。二次加工はトマトペースト市況の影響により販売単価は低下したものの、フードサービス企業向け商品を中心に販売数量は増加しました。トマトペースト市場変動を前提とした業績変動幅の抑制と、グローバル・バリューチェーンを活かした競争優位性の確立が今後の課題です。 売上収益推移 事業利益推移 6.主な経営指標国内加工食品事業の収益の回復、国際事業の拡大により、EPS(1株当たり当期利益)は2021年度109.3円から、2025年度161.4円へと52.1円増加しました。一方で、ROEは2021年度対比で低下しており、目標の9%に届かず課題を残しています。特に、当期利益率(親会社の所有者に帰属する当期利益)及び総資産回転率が低下しています。獲得した資産を確実に利益に結び付ける力の強化が今後の課題です。 EPS・ROE・ROICの2021年度・2025年度の比較 ※ ROIC:事業利益×(1-税率)/(株主資本+有利子負債) (6) 中期経営計画 「Kagome Group Plan 2028」について1.概要カゴメの価値の中心には、創業以来一貫して「農」と「自然」があります。カゴメは農を起点に、品種・栽培技術開発、調達、加工、そしてお客様のもとに価値を届けるまでのバリューチェーンを構築してきました。 このバリューチェーンを構成するそれぞれの強みを掛け合わせることで、カゴメグループ全体としての強さを磨き、持続的な成長を加速します。農からの価値形成力、バリューチェーン全体で培った技術や知見、国内外の自社拠点に加え、サプライヤーや顧客と築いてきたグローバルネットワーク。これらは、長年の事業活動を通じて積み重ねてきたカゴメ独自の強みです。事業構造や市場環境が大きく変化する現在においては、個々の強みを単独で発揮するだけでなく、グループ各社が持つ強みを有機的に掛け合わせ、その相乗効果を最大化することが重要になります。カゴメグループは農から価値を形成するバリューチェーンの強みを掛け合わせることで、競争優位となる価値の創出に挑み続けます。 2.位置付けと定量目標2035ビジョンの実現を目指して、2026年から2028年までのKagome Group Plan 2028では「『農から価値を形成するバリューチェーン』を進化させ、国内外における競争優位性を築く~独自の強み『農・技術・グローバルネットワーク』の相乗効果の最大化~」をテーマに掲げました。2029年以降に、国際事業及び新規価値領域が成長を大きく牽引していくためには、本中計期間における成長基盤の構築と競争力の強化が極めて重要となります。Kagome Group Plan 2028では、経営指標としてROE9%以上を目標に設定しています。また、期初の事業ポートフォリオを前提とした成長目標として、売上収益3,250億円、事業利益は270億円を掲げました。これに加え、約500億円規模の戦略投資予算枠を確保し、インオーガニック成長を含む将来に向けた成長機会の創出を推進していきます。 3.基本戦略Kagome Group Plan 2028の基本戦略は、「収益獲得力の向上と、成長・新規価値領域への資源投下による競争力強化」です。この実現のため、4つの戦略を実行します。 ① 独自の強みの最大化による、収益獲得力の向上と、国際事業の二次加工を中核とした成長の加速イ 収益基盤 | 国内加工食品事業野菜と健康の価値提供を起点としたバリューチェーン最適化による、収益獲得力の強化日本市場は、人口の減少、高齢化率の上昇などの環境変化に加え、様々なコストの上昇が継続しています。一方で、健康への関心の高まりや、食に対する価値観の変化といった新たな需要も確実に生まれています。このような需要を捉え、野菜と健康の価値提供を強化するとともに、バリューチェーンの最適化を通じて、成長と利益獲得を両立する国内加工食品事業へと進化を図ります。日本国内においては、生産者との強い信頼関係や、機能性研究など、川上からの価値開発が進んでいます。ここから創出した価値を多様な商品へと展開し、需要創造を図るとともに、生産拠点・在庫・チャネルの最適化を推進していきます。 ロ 収益基盤 | 国際事業:トマト他一次加工バリューチェーンの相互連携の強化による、トマト他一次加工の安定的な収益の創出トマト他一次加工は、加工用トマトやトマトペーストの市況の影響を受けやすく、業績の変動幅が拡大しやすい特性を有しています。このため、市況変動を前提としながらも、適切な利益を安定的に創出できる事業構造への変革が課題です。これに対し、カゴメの強みを掛け合わせた一連の施策を通じて対応していきます。具体的には、GARBiCや契約農家との連携による加工用トマトの付加価値化に加え、製造工程における品質向上や原価低減活動の展開、さらにトマト他二次加工の顧客ニーズに対応した商品開発を進めます。これらは、一連のバリューチェーンを有するカゴメならではの一貫した取り組みであり、収益基盤の強化と安定化につながるものと考えています。 ハ 成長領域 | 国際事業:トマト他二次加工ソリューション提案力強化による、フードサービス向け事業の成長と、インドの基盤構築主に、フードサービス企業向けのピザソースやオイルソースなどを販売しています。フードサービス市場規模が大きい米国、ヨーロッパ、及び成長率の高いインドを重点エリアとしています。フードサービス業態はトレンドの変化が速く、顧客の要望に即時に対応できる提案力とQCD(品質・コスト・供給力)が勝敗を分けます。日本、米国で培った知見を相互に活用し、ソリューション提案力の高度化、QCDの仕組みづくり、グローバルネットワークの連動を一体で進め、トマト他二次加工をこれからの成長エンジンにしていきます。 ② 未来の柱をつくる、新規価値領域の創造2035ビジョンの実現に向けて、今後確実に拡大すると予想されるウェルビーイングとサステナビリティの2つの市場に対し、カゴメらしく価値創造に取り組むことで、未来の成長の柱を創造します。取り組みの1つ目は「農と食のウェルビーイング事業」、2つ目は「環境負荷の低いトマトビジネス」です。これらを未来の成長の柱に位置付け、2028年までを価値開発フェーズとして、2029年以降の事業化へとつなげていきます。 ③ 成長投資と株主還元の最適化による資本効率の向上「4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)CFO/CROメッセージ」をご参照ください。 ④ 価値創造の原動力となる経営基盤(人材・研究開発・DX・サステナビリティ)の進化カゴメグループが独自の強みを築き、持続的な価値創造を実現する原動力は、人材・研究開発・DX・サステナビリティの4つの経営基盤です。 4.Kagome Group Plan 2028 主な経営指標Kagome Group Plan 2028では、事業の成長を示す指標として売上収益と事業利益を、経営成果を測る指標としてROEと株主還元を設定しています。主要指標を以下に示します。 事業の成長目標(中計期初の事業ポートフォリオを前提)(億円) 2025年度実績2028年度目標増分売上収益2,9423,250+307事業利益226270+43 経営の成果目標(インオーガニック含む)() 2025年度実績2028年度目標増分ROE7.9%9%以上+1.1pt株主還元(中計期間累計)総還元性向 41.3%総還元性向 50%+8.7pt

事業等のリスク

3 【事業等のリスク】(1) カゴメグループリスクマネジメント方針私たちは「農から食にわたる技術革新をリードし、自然の可能性を共に拓く会社へ」の2035ビジョンのもと、「人が自然を、自然が人を豊かにする循環を生み出し続ける」ことで社会的使命を果たしていきたいと考えています。そのために、常に変化する外的環境及び事業上発生しうる様々なリスクを的確に把握・評価し、適切な対応をとっていきます。また、重大事案が発生した場合に備え、被害の拡大防止と損害・損失の極小化を可能とする体制を確立するなどリスクに対する対応力を高めていきます。 (2) リスクマネジメント活動カゴメにおけるリスクマネジメント活動は、リスクの顕在化の予防及び顕在化したリスクへの対応のための活動を主な内容とします。リスクの顕在化の予防と、顕在化したリスクへの対応のための取り組みいずれについても、具体的な活動は、経営計画や事業目標を踏まえたリスクマネジメント活動のPDCAサイクルに基づき実施されます。 1.リスクの顕在化の予防① 基本枠組みカゴメは、リスクの性質・内容を踏まえた適切な管理を実現するため、企業活動に関するリスクを次の3つに分類しています。 ●戦略リスク中長期的な経営戦略を踏まえ、重大な影響が認められるものとしてカゴメが指定するリスク●社会・環境リスク社会・経済環境や自然災害などの外部要因によるリスクのうち、特に顕在化した場合には不可抗力であると一般的に認識されるもの●オペレーショナルリスク戦略リスク、社会・環境リスクを除く全てのリスク  以上3つのリスクの分類を基礎として、リスクの企業経営への影響度に鑑み、個別に認識されたリスクを次の2つのリスクに区別します。 会社の重点リスク課題 戦略リスク、社会・環境リスク、オペレーショナルリスクのうち、企業経営への影響が大きいと評価されるものです。経営会議やリスクマネジメント統括委員会が戦略リスクの指定、重点リスク課題の決定並びに改善事項の指摘などを行い、リスクマネジメント活動のPDCAサイクルを管理します。重点リスクには、法令違反リスク(行動規範逸脱や贈収賄、不正経理を含む幅広い腐敗・汚職を含みます)や環境、安全リスク等のESG要素も含まれています。重点リスク課題については、取締役会や監査等委員会に報告され、取締役会等による監督がなされています。 各組織のリスク課題「会社の重点リスク課題」以外のリスクです。各組織がリスクオーナーとなり、リスクマネジメント活動のPDCAサイクルを実施します。 ② 2026年度の「会社の重点リスク課題」カゴメは、次のリスクを「会社の重点リスク課題」と認識し、重点的な管理活動の対象としています。リスクの性質・内容を踏まえた適切な管理を実現するため、戦略リスク(①~③)、社会・環境リスク(④~⑦)、オペレーショナルリスク(⑧~⑫)の3つに分類し開示しています。リスク分類重点リスク課題主管組織、報告会議体 等主管組織報告会議体(頻度)備考(報告内容等)戦略リスク①経営戦略・予実乖離の発生による利益の悪化・新規事業、M&Aの失敗や遅れによる業績悪化や収益機会の喪失・保有資産の価値下落による収益性の悪化や財政状態への影響■予実:経営企画室    財務経理部■新規事業:投資委員会■保有資産:財務経理部取締役会(毎月)経営会議(年1回)取締役会、経営会議(年1回、適宜)・事業戦略の成長に当たっての進捗管理等・投資委員会での定期的モニタリング内容等・政策保有株式の状況、減損検討対象となる固定資産の報告等②人材戦略・成長分野、新規事業、海外事業領域拡大に対する人材不足・特定の専門領域(DX、財務経理等)の人材不足・人材育成策の不足・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに関する目標未達■人材開発委員会■人事部人材開発委員会(適宜)経営会議(適宜)・中期経営計画実現に向けて必要な人材の質(スキル)と量(人数)・人材不足の業務領域を改善するための採用、育成、キャリア形成などの人事施策・経営人材育成計画・戦略的アサイメント等のプロセス設計・実施・定年年齢延長に関する制度改正案・ダイバーシティに関する現状と今後の課題③適正なガバナンス体制の構築・取締役会および監査等委員会の実効性の不備・経営者による内部統制の無効化■取締役会■監査等委員会取締役会(年1回)監査等委員会(適宜)・第3者によるアセスメント等・海外子会社売上比率増加に伴う子会社ガバンス体制の強化社会・環境リスク ④消費者・広報・不適切な広告や顧客対応の失敗による訴訟や不買運動、ブランドイメージの棄損・情報開示、メディア対応不備によるSNSでの拡散・炎上、ブランドイメージの毀損■客相、経営企画室(広報G)リスクマネジメント統括委員会(隔月)メディア対応訓練(広報G)・不満、苦情件数、ネガティブ報道のモニタリング内容等・リスクコミュニケーション体制の整備/見直しと強化(定期的訓練の実施)⑤社会情勢・顧客ニーズ・日本国内における景気の後退や需要の減少または消費者ニーズへの対応の遅れによる売上の減少・原材料/資材価格高騰に伴う商品供給・収益減少■マーケティング本部、営業本部■KFIC、GARBiC 商品企画会議(適宜)経営会議(適宜)・競合環境や消費者動向の分析。支店別、カテゴリー別の売上動向等・原材料調達の中長期的安定化策の実施⑥金融市場 ・為替変動や金利変動による資金調達コストの増加や資金繰りの悪化 ■財務経理部取締役会(四半期毎)・リスクヘッジ取引とモニタリング内容等⑦天災・不可抗力・地震・水不足・集中豪雨等の自然災害、感染症や紛争等による工場操業やその他事業活動の停止(BCP)・異常気象による原材料調達の滞り■BCP:リスクマネジメント統括委員会事務局■異常気象:調達部経営会議(年1回)執行役員会(適宜)・BCP活動の進捗等・主要原材料のシーズン毎の調達進捗・その他原材料の調達戦略課題等 リスク分類重点リスク課題主管組織、報告会議体 等主管組織報告会議体(頻度)備考(報告内容等)オペレ❘ショナルリスク⑧情報管理・サイバーセキュリティ・サイバー攻撃による操業停止や情報改竄、機密情報・個人情報の漏洩・不適切な情報管理による操業停止や情報改竄、機密情報・個人情報の漏洩、社会的信用の失墜■情報セキュリティ委員会リスクマネジメント統括委員会(隔月)・PCウイルス感染、IT機器紛失、外部攻撃件数のモニタリング内容等・IT機器紛失件数のモニタリング内容、定期的な従業員向け情報漏洩対策教育の実施等⑨安全・衛生・職場における労働災害、長時間労働、感染症等の発生による従業員の健康被害■労働安全衛生委員会リスクマネジメント統括委員会(隔月)・労災、感染症等発生状況のモニタリング内容等⑩製品・サービスの安全性・異物混入、表示の誤り、品質検査の不備、種子の異品種コンタミ、非食品に関する品質検査の不備等による品質不良品の出荷や健康被害及び賠償責任に係る費用の発生の可能性■品質保証部、生産調達本部 品質保証委員会、リスクマネジメント統括委員会(毎月、隔月)・不適合/重大品質事故の発生件数、内容等⑪サプライチェーン(調達、生産、物流)・突発的な需要増や、種子・原材料不足等による原材料の不足・自動倉庫、物流システムの障害等による生産や出荷の滞り・物流業界の労務管理の厳格化等に起因する輸送能力低下による製品供給の不安定化・天災、紛争等による原材料の急騰・供給不足、通信・物流インフラの停止・制限・業務委託先(物流・通販・新規ビジネス等)での長期障害発生に伴う事業影響■生産調達本部、SCM本部執行役員会(隔月)経営会議(適宜)・課題進捗等・突発的な事象の発生時の適切な対応方法の整備(含.早期事業影響引き当て)⑫法令・規則違反、規制・重大な法令、規則違反(会社法、税法、金商法、東証ルール等)・食品安全関連規制違反、個人の不正行為や関係会社の不祥事・環境問題(GHG排出量削減、水資源問題、プラスチック問題等)への対応の遅れによる、株主や投資家からの否定的な評価・カゴメ及び取引先における人権問題(強制労働、ハラスメント等)の発生による、社会的信頼の低下・事業展開国における重大な法令、規則、慣習(宗教・文化慣習を含む)違反■会社法、金商法等:財務経理部■食品安全法関連:品質保証部■不正行為:コンプライアンス委員会■環境:経営企画室(サステナビリティG)■人権:経営企画室(サステナビリティG)、法務部■海外子会社:KFIC、GARBiC取締役会(四半期毎)品質保証委員会、リスクマネジメント統括委員会(毎月、隔月)コンプライアンス委員会、リスクマネジメント統括委員会(隔月)経営会議(年2回)サステナビリティ委員会(適宜)コンプライアンス委員会、リスクマネジメント統括委員会(隔月)・法令・規則違反のモニタリング内容等・法改正情報、対応等・不正行為のモニタリング内容等・環境マネジメントレビュー等・人権方針の策定、人権デューディリジェンスの進捗等・ホットライン通報内容等 2.顕在化したリスクへの対応① 基本骨子カゴメでは、リスク顕在化事象に対して実効的かつ効率的に対応するため、その影響度の評価に基づきリスク顕在化事象を分類し、事業継続計画やその他のリスク顕在化に応じた対応計画の整備を進めています。 ② 事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)カゴメでは、今後想定されるいくつかの個別的な緊急事態におけるシナリオを想定し、事業継続計画を作成しています。事業継続計画は、事業を単位として作成されることが一般的です。しかし、カゴメにおいては、複数の事業間でバリューチェーンが重複または近似していることから、重要な商品及び機能を単位として事業継続計画を作成しています。重要な商品とともにカゴメの事業継続計画において単位となっている重要な機能は、調達、サプライチェーンマネジメント(SCM:Supply Chain Management)、財務経理及び広報の4機能です。調達及びサプライチェーンマネジメントは、食品メーカーとして生産活動を行うための不可欠な機能です。また、財務経理は、自社の企業としての存続、サプライチェーンの維持、従業員の生活の確保、その他の企業における事業としての生産活動を行うための基盤となる機能です。そして、広報は、カゴメの企業理念の1つである「開かれた企業」に照らして重要と考えている機能です。社内外のステークホルダーに対する説明責任を果たすことは、とりわけ緊急時において強く求められるところであり、広報はそのための不可欠な機能と考えられるためです。こうした事業継続計画により、緊急時においてもカゴメの事業活動を継続し、または停止からの速やかな復旧を行い、企業価値の保全を図ります。 ③ その他のリスク顕在化への対応のための取り組み現在、カゴメでは、事業継続計画を含む個別的なリスクの顕在化への対応計画を整備し、首都直下地震などの大規模災害を想定したシナリオを作成した上で、内閣府「事業継続ガイドライン」に沿って、個別的な計画を体系的に整理し、統合的な対応計画を策定しています。こうした取り組みでは、カゴメグループ内部の関係者の主体的関与を確保し、外部専門家の支援も活用しています。また、重要機能ごとに机上訓練やシミュレーション(予行演習)を行い、対応計画の有効性を評価・改善し、PDCAサイクルを確立することで、リスク顕在化時の対応力を継続的に向上させています。 〈事例〉リスク顕在化への対応のための取り組みカゴメでは、リスク事象が顕在化した場合に備え、事業継続計画の整備を進めています。その際重要なことは、絵に描いた餅とならないよう立案した計画を効率的で実効性のあるものとすることです。そのためには、事業継続計画の整備→訓練の実施→実施結果に基づく検証→事業継続計画への反映のPDCAサイクルを確立することが大切だと考えています。この考えのもと、2023年には重要商品及び4機能(調達、サプライチェーンマネジメント、財務経理及び広報)の事業継続計画の有効性確認を目的とした机上訓練を、2025年には生産部門、営業部門、システム部門等で首都直下地震、南海トラフ地震等震度6強程度を想定したシナリオに基づく机上訓練を行いました。併せて、効果的な訓練のあり方についても検証しました。具体的には、訓練は災害発生時の初動対応のみとはせず、地震発生直後、地震発生3日後(初動対応が一定完了する時期)、地震発生7日後(社会インフラが復旧し始め、詳細な被害情報が集まり始める時期)の3局面における状況変化を想定し、各局面で事業継続計画が機能するかについての検証を行いました。訓練を通して得られた結果は、今後各事業計画に反映し高度化を図るとともに今後の訓練計画自体にも活かし、リスク顕在化時の対応力向上を目指します。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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