テクニスコ(2962)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


テクニスコ(2962)の株価チャート テクニスコ(2962)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 テクニスコグループ(テクニスコ及びテクニスコの関係会社)は、テクニスコ及び連結子会社2社、非連結子会社1社により構成されており、精密加工部品事業の単一セグメントを営んでおります。

 テクニスコグループが製造販売する製品群は、「ヒートシンク(*)製品」、「ガラス製品」及び「その他」に区分され、それぞれ以下のとおりとなります。なお、(*)を付している用語については、章末に「用語解説」を設け、説明しております。

・ヒートシンク製品

 テクニスコグループが扱う「ヒートシンク製品」は、電子部品が機能する際に発生する熱を吸収し放熱して、性能低下や故障を防ぐことを目的とした構成部品であり、半導体レーザー(*)向け、パワー半導体(*)向け、MPU(*)向け等の高機能ヒートシンク製品を提供しております。

・ガラス製品

 テクニスコグループが扱う「ガラス製品」は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの機能性を上げる構成部品で、半導体センサー(*)などの電子デバイスの小型化、高機能化を可能とするための付加価値を高めた「ガラス製品」が求められており、各種センサー向け、モバイル機器向け、バイオ・医療向け等の精密ガラス製品を提供しております。

・その他

 各種金属材料、シリコン(Si)材料、窒化アルミニウム(AlN)や酸化アルミニウム(Al)などのセラミック材料の加工製品を提供しております。また、ガラスやセラミック加工用のダイヤモンドツールも提供しております。

製品群ごとの主要製品は下記の図に記載の内容となります。

 

 

 

 テクニスコグループは、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場向けのヒートシンク製品、ガラス製品及びその他の精密加工部品の製造販売を行っております。製造拠点は、テクニスコの広島工場を中心に、中国子会社であるTECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.の蘇州工場及びシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.のシンガポール工場を含めたグループ製造体制を構築しております。

 テクニスコグループが製造販売する製品は、顧客製品の中の構成部品として組み込まれるものであり、基本的には顧客ごとの要求仕様を受託し、試作から量産までにおいて製品化していく受注生産となります。

 「切る」「削る」「磨く」「メタライズ(非金属の表面への金属膜化)」「接合」の加工技術を組み合わせる「クロスエッジ®Technology」を、最先端の開発や生産に活かし、顧客の要望を叶え製品化させる技術力及び実現力が、テクニスコの強みとなります。

 一般的な専業メーカーの場合、例えば「切る」を専業とするメーカーであれば、その後に「磨く」工程や「メタライズ」といった加工工程が必要である場合、それぞれを専業とするメーカーに外注することで最終的に製品化することになります。一方で、テクニスコグループはこれらの複数加工技術を自ら組み合わせて製品を完成させます。これにより、顧客へ、以下の「クロスエッジ®Technology」の特長におけるメリットを提供することが可能と考えております。

 

 

 

 

 テクニスコグループは、もとは株式会社ディスコの研削切断加工技術を活かした受託加工を提供してまいりました。そのような中、「クロスエッジ®Technology」を展開する契機となったのは、2000年頃の海底ケーブルなどによる長距離光通信網敷設急増での光通信バブルであります。顧客からのニーズも踏まえ、切断だけでない様々な加工の必要性を模索していた時期でもあり、そこで創出した利益をもとに、メタライズ技術である薄膜蒸着設備を導入しました。導入した設備をテクニスコ事業に活用していくための技術開発を地道に続け、新たな加工技術を身に付けることができました。その後、顧客からのニーズに応えていくための技術開発を繰り返し、一つ一つ新しい技術をものにしていきました。その過程で、「切る」「削る」「磨く」等それぞれの要素技術において、模倣が難しいコア技術も習得してまいりました。これらコア技術を中心に複数工程を組み合わせることにより、独創的な加工技術を生み出し製品化へとつなげていき、専業メーカーだけでは対応できない技術力を蓄積してまいりました。これにより、テクニスコの強みである「クロスエッジ®Technology」が確立されました。さらに、「クロスエッジ®Technology」の継続的な進化のために要素技術そのものを増やすとともに、それぞれの要素技術のレベルアップを図り、その中でコアとなる技術を増やし進化へとつなげることが重要であり、そのための技術開発に注力しております。

 

 

 テクニスコグループは、サービスの付加価値をより高めていくという観点から、従来、高機能ヒートシンクの開発に注力しております。

 一般的なヒートシンクの材料としては銅(Cu)やアルミニウム(Al)がありますが、これら材料の素材は、熱を吸収するための熱伝導(熱の伝わりやすさ)は高い一方で、熱膨張(熱による物質の伸縮)が大きい面があります。高い出力のレーザーを出す半導体素子は非常に高い発熱となるため、CuやAlなどを材料としたヒートシンクでは素子とヒートシンクの伸縮の差により損傷してしまいます。しかし、テクニスコの得意領域である高出力レーザー用のヒートシンクは、高い熱伝導を持つ上で、素子の熱膨張に近い素材である窒化アルミニウム(AlN)とCuを複合構造としたCu/AlN/Cu(*)や、銅タングステン(CuW)を主な材料とした高機能ヒートシンクとして製品化しております。これらの材料は、CuやAlに比較して複数素材からなる複合材であるため、切断、切削やめっきなど加工が難しくなる側面がありますが、顧客からの様々な仕様要求に応えるよう製品化に注力しております。

 

 さらに、高出力レーザー用途の機器は、年々高性能化、高出力化が進み、より高機能なヒートシンクが求められており、テクニスコグループにおいては、それらのニーズに対応する手段の一つとして、非常に高い熱伝導を持つ銀とダイヤモンドの複合材料として、2016年にシルバーダイヤの製造に関する特許を所有する海外企業と当該特許の使用許諾契約を締結し、製造をテクニスコのシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて行っております。また、同社(子会社)では製造したシルバーダイヤを素材とした高機能ヒートシンク製品の開発及び製造を行っております。

 シルバーダイヤは素材にダイヤモンドを包有するため、加工が難しい側面を有しておりますが、テクニスコが持つ「クロスエッジ®Technology」を駆使し、次世代高出力レーザー用サブマウントや次世代の無線通信規格である5G・6G通信(*)の通信デバイス用のヒートシンク等、様々な用途に適したシルバーダイヤ製ヒートシンク製品の開発を進めております。

 このように、テクニスコグループでは、これまでの受託加工を中心とした事業展開に加え、自社製造の素材をもとにした自社開発製品を新たな事業展開の柱とすべく、テクニスコが提供するサービス等の付加価値をさらに高めていくこととしております。

 

 テクニスコグループの加工技術はガラス製品に活かされております。ガラス製品の用途市場は幅広く、自動車における車載エレクトロニクス市場での半導体センサーをはじめ、自動運転技術でのLiDARセンサー(*)、産業機器における制御装置市場での高周波(RF)スイッチ(*)や画像センサー、また、医療機器における分析装置市場での内視鏡やDNA/血液分析などの用途に向けた製品として、ガラス貫通配線基板、立体配線ガラス、マイクロ流路ガラス、キャップガラスなどのガラス製品を提供しております。

 

 テクニスコの加工技術はヒートシンク製品、ガラス製品だけでなく、その他として各種金属、シリコン、セラミックなどの材料などの微細加工にも活かされ、切断、切削の加工を受託しております。また、独自の切断・切削技術への創意工夫の蓄積で得たガラス・セラミック加工用ダイヤモンドツールも製造販売しております。

 テクニスコグループの海外販売は、連結売上高の50.7%を占めております。これは、地域別のニーズに即した製品の提供による事業を展開しており、主に欧州における高出力の半導体レーザー向けヒートシンクや米国におけるライフサイエンス向けガラス製品の販売になります。

 

[事業系統図]

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

 

 

 

 

 

<用語解説>

ヒートシンク

電子部品や電子機器などが発生する熱を吸収し放熱することで、性能低下や故障を防ぐことを目的とした部品で「放熱板」とも呼ばれます。

半導体レーザー

電圧を与えるとレーザーを出す半導体素子を利用したもので、レーザーダイオード(Laser diode)やLaser diodeを略してLDとも呼ばれます。小型で低電圧、低電流でも高効率のレーザーを出すことができ、年々、半導体レーザーの出力は向上しており、長距離光通信用のレーザー、外科手術などの医療用レーザーから、溶接機器などの溶接用レーザーまで、用途が広がり性能も向上してきております。

パワー半導体

電流を直流と交流に変換したり、電圧や周波数を変えて電気を効率的に使うようにするため半導体で、高い電圧や大きな電流を扱うため高熱が発生します。

MPU

Micro Processing Unit(マイクロプロセッサーユニット)の略で、デジタルコンピューターが演算処理を行う演算回路(プロセッサ)をシリコンなどの半導体上に形成し、マイクロチップに実装したものです。

半導体センサー

半導体の物性によって、温度、光、圧力などが変化した際に、半導体の電気抵抗などの変化を検知してセンサーとするもので、家電、自動車、産業機器、など幅広く使用されております。センサーの種類で代表的な例では温度センサー、光センサー、圧力センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーがあり、特に自動車はこのようなセンサーが数多く搭載されており、温度センサーや圧力センサーはエンジン制御やブレーキなどの油圧の制御、加速度センサーやジャイロセンサーはエアバッグや横滑り防止装置の制御、また光センサーはライトや最近では駐車支援システムにも使用されております。

Cu/AlN/Cu

発熱する高出力レーザーの半導体素子の熱膨張に近く、熱伝導も高い窒化アルミニウム(AlN)の両面に、非常に高い熱伝導を持つCuが形成されている構造のヒートシンク材。Cuは熱膨張が大きいため、その熱膨張を緩和するためAlNがCuとCu間にサンドイッチされる構造としております。

5G・6G通信

2020年に主流である携帯電話などの移動通信システムの通信規格は4G(GはGeneration<=世代>の頭文字をとったもので4th Generation<=第4世代>)と呼ばれ、2020年以降から現在は次世代規格である5Gの通信規格へ置き換わってきており、4G通信の20倍の高速化、高信頼性および低遅延の通信を実現するものとなり、さらに高速化し進化した6G通信が2030年を目途に導入されることが予想されております。次世代通信を実現するためには、高い出力、高い周波数に対応できる通信機器が必要とされます。

LiDARセンサー

「light detection and ranging(レーザー画像検出と測距)」の頭文字をとったLiDAR(ライダー)センサーは、物体との距離や形状を測るためのセンサーで、レーザー光を使うことで、電波を使って測定するレーダー方式に比べ、高精度に距離、形状や位置関係などを立体的に検知できる特徴があり、自動車の自動運転技術への広がりが進んでおります。

高周波(RF)スイッチ

携帯電話や無線LAN、近年の衛星通信などの電波通信は高い周波数が使用され、その通信経路を切り換えるための電子回路部品であり、小型化、高機能化のため微細な回路内にスイッチの機能を持たせるようになってきております。


有価証券報告書(2024年6月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 テクニスコグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてテクニスコグループが判断したものであります。

(1)経営方針

 テクニスコグループは、社会的使命、永続的な目標および企業としての姿勢を「The TECNISCO WAY」として企業理念に掲げており、その社会的使命として掲げた「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」を果たすため、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」で、真の顧客ニーズと市場ニーズを捉えたモノづくりに取り組んでおります。また、永続的な目標の“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”において、顧客より求められる部品加工の領域は幅広くありますが、テクニスコグループはその中でも高機能ヒートシンク及びガラスの領域においては、顧客が困ったときにはテクニスコに相談したいと思わせられる存在になりたいと考えており、企業としての姿勢の“誠実な企業として生きる 独創の企業として生きる”を基に、世の中の快適につながる部品加工の技術開発を進めております。

 なお、企業を構成する主要な要素とテクニスコを取り巻くステークホルダーとの関係性という観点から、テクニスコグループが2023年度に実現すべき姿を「VISION 2023」として定義し、その具現化を継続して進め、景気の波に左右されず着実に成長・拡大するビジネスモデルを構築すること、企業としての基礎体力を強化して安定的な収益構造を実現することを中期的な課題として継続的に取り組んでおります。

 

(2)経営戦略等

 果たすべき社会的使命、「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人々の喜びの実現の一助になる」の実現を目指す上で、テクニスコグループは、中長期のマイルストーンとして「VISION 2023」を策定しています。その策定にあたっては、「VISION 2018」の活動の振り返りを行い、進化を目指して未来からの視点で描かれており、売上高や利益などの定量的な要素によらず、より定性的な要素も含めた内容になっています。事業や技術、会社、文化といった企業を構成する様々な要素の姿と「顧客」「サプライヤー」「従業員」「株主」などのステークホルダーとの関係性から、テクニスコグループの2023年度末(2024年6月期)の到達点を定義しています。例えば中長期の経営指標に関して、事業の姿においては7つの事業の柱をもっていること、独自の製品が事業の柱の1つとなっていること、リスクマネジメントの仕組みが構築・運用されていることを掲げています。

 現在、テクニスコグループは、ヒートシンク製品、ガラス製品の製造販売を主な事業として、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場の合計6つの市場を主な展開領域としてテクニスコ製品の浸透を図っております。そのためには、これまで取引先からのニーズに対し、どうやって作るか(HOW)に主眼を置いた受託加工を主体としたビジネスモデルから、新たに何を作るか(WHAT)を主眼にした自社素材及び自社製品の開発、製造も並列させたビジネスモデルへの転換に取り組んでまいります。

 これらを実現させるために、ヒートシンク製品においては産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場及び航空宇宙市場でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の開発、また、複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造、ガラス製品においてはライフサイエンス市場に向けた高信頼性製品の開発、さらに、成長市場である環境エネルギー市場へ独自加工技術による展開など、技術開発と製造の効率化を継続的に実施してまいります。

 また、社会的使命を果たすために、企業体質の強化は不可欠ですが、リスクマネジメントシステムの推進、働き方改革の推進、健康経営の推進、人材の育成開発、スピーディな情報連携、内部統制整備運用などを継続的に実施してまいります。特に果たすべき社会的使命について、継続的なチャレンジによって「人々の喜びの実現の一助になる」と定義しているように、人々の喜びを実現するのは、顧客です。すなわちテクニスコグループが「クロスエッジ®Technology」を求める先端製品開発に携わる人々から、認められた存在であることがマテリアリティ(最重要課題)です。テクニスコグループは、これを推進する体制として「テクニスコCSマネジメントシステム」という全社的な体制にて、顧客の正直な声を全従業員に届け、CS向上のための活動を行ってまいります。

 

(3)経営環境

 テクニスコグループの主要製品であるヒートシンク製品は、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場等において、様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。

 現況において、テクニスコグループは、半導体レーザーの市場セグメント、材料処理、医療、光通信、LiDARセンサー、ディスプレイと照明など様々な分野における主要な半導体レーザーメーカーと取引実績があります。現在、地域別売上では、特に中国メーカーの顧客から旺盛な需要がありますが、競合である日米欧等の主要メーカーもテクニスコグループの顧客であり、その需要を確実に取り込めるように、既存取引先との関係強化及び新規取引先開拓に取り組んでまいります。また、半導体レーザー用途以外でもパワー半導体、MPU向けの高機能ヒートシンク製品を提供しておりますが、これらを含めた半導体市場全体は、デジタル革命の進展に伴い今後も右肩上がりで成長し、2030年には、現在(2020年)の約2倍に匹敵する約100兆円(経済産業省:2021年6月 半導体戦略 参考資料より)に達すると言われています。半導体の微細化、極小化により大容量、高速、高信頼性や低消費電力、性能比低価格化など、半導体の進化に向けた追求は止まることがありません。テクニスコグループは、顧客の最先端製品のR&D・開発担当者と直接対話し、共に解決する提案型の営業を行うことで、顧客製品の信頼性、長寿命化に必要不可欠な電気の放熱問題を解決する、ヒートシンク製品を提供してまいります。

 もう一つのテクニスコグループの主要製品であるガラス製品は、自動車市場、ライフサイエンス市場等における様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。

 ガラス製品は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの小型化、高機能化を可能とする構成部品です。特に車の自動運転技術が進む自動車市場向けの各種センサーやモバイル機器向け、バイオ・医療向け等に精密ガラス製品を提供しております。それぞれの市場においては、顧客製品の高性能化、小型化が進んでおり、テクニスコグループは顧客ニーズを確実に取り込めるように、取り組んでおります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 テクニスコは、株式会社ディスコの研削切断加工技術をもとに受託加工を提供しておりましたが、2000年代、顧客ニーズも踏まえてコーティング技術である薄膜の設備を導入し、新たな加工技術を身に付けました。その後、技術開発を繰り返し、さらなるコア技術を中心に複数工程を組み合わせ、独創的な加工技術を生み出し製品化へとつなげ、専業メーカーでは対応できない技術力を蓄積してまいりました。テクニスコの強みである「クロスエッジ®Technology」は、このように確立された歴史があります。テクニスコグループでは、下記の事項を対処すべき課題と認識して、さらなる進化のためにコア技術を増やし、レベルアップを図る研究開発活動に取り組み、安定的な収益構造の実現を推進してまいります。

 

①ヒートシンク製品でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の活用・開発

 テクニスコグループの主力製品であるレーザー機器用ヒートシンクは、現在は主に窒化アルミニウム(AIN)、銅タングステン(CuW)が原材料ですが、高出力用レーザーを出す半導体素子に直接接合されるため、熱膨張が半導体素子に近くないと、素子自体を損傷します。一方でレーザー加工機は、用途の多様化により高出力化や微細加工のために信頼性が求められ、機器や部品の冷却需要が高まっております。テクニスコグループは、より効率よく熱を吸収し、放熱する高性能ヒートシンク材料の活用(SiC等の新素材)や開発に注力しております。

 

②ヒートシンク製品での複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造

 上記研究開発の一環で、テクニスコのシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.において、さらに熱伝導が高い素材として、銀とダイヤモンドを原材料としたシルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製造開発を行っています。この製品は、熱膨張が様々な半導体素子の数値に近く、熱伝導がテクニスコ従来品の2~2.5倍の性能を有しています。今後の用途は、データセンターのサーバー、ハイパーフォーマンスコンピューティング、MPU向けヒートシンク、通信用RF増幅器、高出力レーザー用ヒートシンク、X線装置などで、将来性のある用途を見込んでおります。

 

③ガラス製品での高信頼性製品の開発

 ガラス製品は、微細加工を施す精密部品で、テクニスコグループは、顧客の真のニーズを引出し、提案、製品化しております。用途は、CMOSイメージセンサー、MEMS(微小機械システム)の各種センサー、半導体パッケージ等です。近年、使われる環境が人体である医療用チップや、自動運転車の各種センサー、LiDAR(レーザー光による距離計測システム他)など人命に係わる製品の部品になりますので、高い信頼性を備えた製品の開発に注力しております。

 

④ガラス製品での独自加工技術による展開

 従来の機械加工技術に加えレーザー加工機の試験導入と、原点である「クロスエッジ®Technology」を併せ、それぞれのメリットを活かす複合加工へと発展させる取り組みを進めています。さらに将来的には、金属・ガラスとセラミック複合体など新たな技術開発の必要性も認識しており、将来的なお客様への提案力の強化に努めております。

 

⑤優秀な人材の確保

 「クロスエッジ®Technology」を継続して進化し成長を続けるためには、優秀な人材の確保が重要であると考えております。テクニスコではこれまで、経験者を中心とした積極的な人員の確保に努めるとともに、社員に対してもハラスメントの防止や労働環境改善のES(従業員満足度)調査への配慮に加え、健康経営による働き方改革等を踏まえた人事施策を行っており、今後も継続、強化を図ってまいります。また、社員一人ひとりが独創的な挑戦を継続し、進化し続ける企業風土の醸成を推進してまいります。

 

⑥安定的な資金調達の構築

 テクニスコグループがメーカーとして最新の設備を保持し、生産設備を維持していくためには、安定的な資金調達が重要であります。今後の事業拡大に向けては、大きな資金需要を見込んでいることから、そのために、安定した調達能力を高め、十分な手許資金の確保を可能とすることに取り組んでまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 テクニスコグループは、企業理念に掲げている「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」という社会的使命のもと、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」の提供により、“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”の実現に向けて取り組んでおります。

 このことからテクニスコグループでは、現在展開している市場での事業規模拡大及び新たな市場への展開を推進し、安定的な収益構造を実現することを中期的な課題としていることから、売上総利益率の向上と経常利益の拡大を経営において重視しております。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がテクニスコグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 テクニスコグループでは、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置することにより、テクニスコグループにおけるあらゆるリスク等への対応および未然防止の体制を構築しております。詳細については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、テクニスコグループが判断したものであります。

 

(1)経済状況について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループは国内・外の電子部品メーカー向けに製品を製造・販売しているため、その販売先の国又は地域の経済状況、自然災害、戦争・テロ、金融・資本市場、法令や政府による規制、および顧客の設備投資動向や生産動向の影響を受けます。特にテクニスコグループは、高い海外売上高比率(2024年6月期は連結売上高に対し、65.8%)となっております。

 当リスクへの対応として、販売先の国又は地域の情報収集や、市場環境・受注状況を取締役会等の重要会議における定期的なレビューの実施、また全社的な業務改善活動(PIM活動)の継続的な取り組み等により、予期せぬ需要や景気の変化に対し柔軟に対応できる体制を整備し、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、世界各地において予期せぬ景気後退による需要の減少および顧客が設備投資凍結や減産などを行った場合には、売上の減少等により、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)中国リスクについて(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループは、中国・蘇州に現地法人を置き、製品の生産や営業活動を行っております。近年、中国では米中貿易摩擦、近隣との地政学的な緊張関係、感染症への大幅な政策転換等、経済情勢に大きく影響する事象が続いております。

 テクニスコグループでは現地法人を通じ、中国の経済・社会・政治的状況や法規制の動向について情報を収集し、対応が必要な事象が生じた際には、現地法人や専門家等と連携して対処していくことで、リスクの低減を図ってまいります。

 しかしながら、現地での法律・規制や租税制度の変更や、予期し得ない経済情勢の悪化等が生じた場合には、追加的な納税義務並びにコストの増加や、売上の減少等により、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替レートの変動について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループの事業には、海外における生産と販売が含まれております。各地域における現地通貨建の取引は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般的に円安は事業に好影響をもたらしますが、円高はテクニスコグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当リスクへの対応として、テクニスコグループは、為替変動の情報を注視するとともに、為替予約等を行うことにより、リスクの低減に努めております。

 しかしながら、予期しない大幅な円高が生じた場合、円換算後の価値が大きく影響を受け、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)新規事業の開発について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループは、高機能ヒートシンク用の新素材および製品の開発・製造に取り組んでおりますが、開発の遅れ、各種実証や認証の対応等に時間を要する等のリスクが潜んでおります。

 テクニスコグループは、開発・実証・認証等の進捗状況について、逐一キャッチアップし毎回の経営会議および取締役会において状況の共有及び議論を行うことにより、リスクの低減に努めております。

 しかしながら、これらに大幅な遅れが生じた場合、当該事業への投下資本に対する回収が進まず、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)人材の確保および育成について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 テクニスコグループは、将来にわたる持続的な発展のために、優秀な人材の継続的な採用や育成が重要な課題であると認識しておりますが、雇用情勢の変化等により採用難や人材流出が進んだ場合、ベテラン社員の技能やノウハウ等の伝承や、後継人材の育成が適切になされないリスクが潜んでおります。

 テクニスコグループは、人材育成により生産性向上と残業時間の抑制を図る取り組み等を継続して行っているほか、一層の技術革新、生産性の向上を進めるための優秀な人材確保と従業員のモチベーション向上を図るべく、積極的な採用活動、人事評価制度の整備、技能の伝承、研修の実施等の施策を講ずることにより、リスクの軽減を図っております。しかしながら、雇用情勢がいわゆる「売り手市場」となった場合、人材が知名度や給与等において優位な他社に流れ、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)技術革新について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループの製品販売先である電子機器、自動車、航空宇宙、医療、設備産業等の業界においては、技術革新や事業環境の変化が急速に進んでおり、顧客がテクニスコグループに求める技術レベルも高度化してきております。

 テクニスコグループは、シルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製品開発をはじめとした、新製品の開発や技術力の研鑽等に積極的に取り組んでいるほか、大学等研究機関との共同開発による産学官連携を積極的に実施するとともに、顧客との密接なコミュニケーションによりニーズの捕捉に努め、高度なニーズに対応し続けることにより、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、新技術や顧客ニーズへの対応の遅れなどが発生した場合、顧客が求める技術レベルに対応できず、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)研究開発活動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループでは、新製品開発、製品改良、生産工程の改善等を研究開発活動として、継続的に実施しておりますが、開発の遅れが生じた場合や、開発した製品が顧客ニーズに合致しなかった場合、また、競合他社による新技術・製品が先行投入された場合には、開発コストの回収が困難となる等のリスクが潜んでおります。

 テクニスコグループは、大学等研究機関との共同開発による産学官連携の積極的な実施や、開発・実証・認証等の進捗状況について逐一キャッチアップし状況の共有及び議論を行うことにより、リスクの低減に努めております。

 しかしながら、テクニスコグループが顧客ニーズを把握しきれず、これに応えるための製品を正しく開発できない場合や、上記(6)にもあるように、新技術等への対応の遅れなどが発生した場合、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)原材料価格の変動及び調達について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループは、金属、ガラス、非金属、貴金属等を原材料に使用しており、これらの材料価格が変動する懸念や、調達そのものが困難となるリスクも潜んでおります。

 当リスクへの対応として、テクニスコグループは、貴金属等の重要な原材料の複数社購買、政策的な在庫の確保、客先の需要見通し情報を仕入先と共有するなど関係強化等の対策を行い安定供給の確立に取り組んでおります。

 しかしながら、景気や為替の変動、政情の不安等の社会的混乱、投機筋の動向により、材料価格の大幅な変動や、調達そのものが困難となった場合、価格転嫁や生産活動等への影響により、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)サプライチェーンについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループは、十分な品質の原材料等の提供を社外のサプライヤーより受けることが、製品の開発・生産活動において必要不可欠であると認識しております。需給動向の変化に伴い調達競争が激化した場合、開発・生産活動に支障が生じ、テクニスコグループの業績や財政状態に影響を与える可能性がありますが、テクニスコグループはサプライヤーを複数確保することにより、リスクの軽減を図っております。

 しかしながら、独自の製品・技術等を有するサプライヤーから調達している原材料等の調達競争が激化した場合、代替での調達が進まず、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)外部委託先について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループは、十分な品質の外注加工サービスの提供を社外の委託先より受けることが、製品の開発・生産活動において必要不可欠であると認識しております。現在、これらの外部委託先との関係は良好ですが、外部事業者との関係が悪化した場合、開発・生産活動に支障が生じるリスクが潜んでおります。

 テクニスコグループは、品質、コスト、生産能力に問題がなければ内製にて対応するのが基本的なスタンスであり、代替可能な領域の一部のみを、社内の稼働に応じて外部委託先を利用するというのが典型的な利用ケースであることから、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。また、テクニスコグループは委託先を複数確保することにより、リスクの軽減を図っております。

 しかしながら、独自の技術等を有する外部委託先との関係が悪化した場合、代替での委託が進まず、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)公的規制・コンプライアンスについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 テクニスコグループの事業活動において、国内外の法令や規制に反する事象が発生した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、テクニスコの社会的信用の低下等が発生するリスクが潜んでおります。

 テクニスコグループでは、法令遵守および法的要求事項への対応として、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置するとともにコンプライアンスマニュアル・行動規範を策定しております。また、社員に対するコンプライアンス教育と行動規範の周知を行い、法令遵守の徹底に努めています。

 しかしながら、法規制の変更等の把握等が漏れ、予期せぬ法規制への抵触が生じた場合には、監督官庁や訴訟への対応、レピュテーションへの影響等により、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)環境規制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 テクニスコグループは、水質汚濁、劇物・有機溶剤使用、廃棄物等多様な環境問題に対し各種環境法令及び規制の影響を受けており、年々それらの規制が厳しくなっております。

 テクニスコグループとしては、こうした規制の制改定動向をタイムリーに捕捉し、遵守の徹底に努めるとともに、企業としての社会的責任の観点からも事業活動を通じて地球の環境保全や環境リスク低減に努めて取り組んでおります。

 しかしながら、各種環境法令等が大きく厳格化された場合、大幅な追加的義務並びにコスト増加が発生し、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)感染症の拡大について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染拡大によっては、テクニスコグループの事業活動において影響が生じる可能性があります。

 テクニスコは感染拡大を想定し、リモートワーク制度やWEB会議の活用等により、感染拡大期においても円滑なコミュニケーションを取り、業務を継続できる体制を構築しております。

 しかしながら、感染が大きく拡大・長期化した場合には、テクニスコグループ各社や顧客の事業活動が停滞する事態が発生し、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)自然災害、人的災害等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 テクニスコグループは、生産拠点を広島県、中国・蘇州、シンガポールの3箇所に構えており、災害等が発生した場合、生産設備への損害、ラインの停止等が発生するリスクが潜んでおります。

 ただし、これらの各拠点が、自然災害等により同時に生産活動の停止が発生する可能性は極めて低いと考えられます。また、テクニスコグループとしては、各拠点における防災設備や防災体制の整備、防災訓練の実施などの対策を行うほか、社外サプライヤーへの加工委託等を一部行うことにより、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、広島は各製品の開発拠点、蘇州は量産品の生産拠点、シンガポールは高性能ヒートシンク材料の開発・生産拠点と、各工場特有の機能を有しており、全ての機能において直ちに代替が効くものではないことから、被害の復旧が長期化した場合、生産活動が停滞し、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)生産拠点の集中に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループは、上記(14)のとおり、国内外に計3箇所の生産拠点を構えており、設備等のトラブル発生による生産活動の停止が発生するリスクが潜んでおります。

 ただし、これらの各拠点において、同時多発的に設備等のトラブル発生による生産活動の停止が発生する可能性は極めて低いと考えられます。テクニスコグループとしては、設備のメンテナンスの定期的な実施、設備投資計画に基づく計画的な設備の更新、さらに、社外サプライヤーへの加工委託等を一部行うことにより、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、各工場はそれぞれ特有の機能を有しており、全ての機能において直ちに代替が効くものではないことから、復旧が長期化した場合、生産活動が停滞し、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、中国・蘇州の工場が立地する工業団地「蘇州日本工業村」には再開発計画があり、これにより、移転が求められておりますが、テクニスコグループでは、関係各所とも十分に協議のうえ、近隣地区への移転に向けた生産計画や工事計画を進めており、現工場と移転先工場での操業にブランクが生じる可能性は極めて低いと考えられます。

 

 

(16)固定資産の減損について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 テクニスコは開発・生産設備をはじめとする固定資産を多数所有しております。経営環境の著しい悪化等によっては、減損損失を認識する必要が生じるリスクが潜んでおります。

 テクニスコグループは過去に必要な固定資産の減損は実施済であり、現時点において遊休資産を含め、収益性の低下を認識すべき資産の保有はなく、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。

 しかしながら、予期せぬ急激な経営環境の悪化が生じた場合、固定資産について、さらなる減損損失を認識する必要が生じ、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)設備投資について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループは生産能力および研究開発力の維持・増大のため、設備投資を継続的に行なっておりますが、設備投資の結果、増強した能力が必ずしも業績に貢献しないリスクがあるほか、これらの老朽化等に伴う更新が進まなかった場合、現在と同程度の水準の生産設備を維持できないリスクが潜んでおります。また、資金調達や設備納入等に遅れが生じた場合、生産能力の拡大が想定どおり進まないリスクが潜んでおります。

 テクニスコグループは、設備投資に際し、事前に収益性や投資回収可能に関する十分な検討や、可能な限り専用設備の導入を避け多用途の汎用設備を導入しているほか、設備投資計画に基づく計画的な設備の更新を実施することにより、これらのリスクの低減を図っております。

 しかしながら、予期せぬ急激な顧客ニーズの変化、経済状況の悪化等が生じた場合、増強した設備による貢献が不十分となる可能性があります。このほか、計画変更による設備更新の停滞や、資金調達・設備納入等の遅れが生じた場合、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)知的財産等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループの技術・ノウハウを第三者が不正に模倣した場合や、知的財産を巡って紛争が生じた場合には、テクニスコグループの製品の競争力低下等が生じるリスクが潜んでおります。

 テクニスコグループでは、特許権その他の知的財産権や機密管理により知的財産の保護を徹底するとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう専門家とも連携しながら細心の注意を払うことにより、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、予期せず第三者との紛争が発生した場合、多額の訴訟費用が生じ、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、知的財産権の保護が不十分な国または地域において模倣等が生じた場合には、当該模倣品が拡販され、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)情報の流出について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループは、事業活動における重要情報や顧客から入手した個人情報、機密情報を保有しています。顧客の情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償やテクニスコグループの社会的信用の低下等が生じるリスクが潜んでおります。また、営業上・技術上の秘密情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合もしくは第三者に不正使用された場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失等が生じるリスクが潜んでおります。

 テクニスコグループは、「情報マネジメント規程」をはじめとする社内規程を制定しているほか、情報管理に関する社内研修を定期的に実施しております。さらに、サイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐための管理体制を構築し、適切な安全措置を講じております。

 しかしながら、予期せぬサイバー攻撃等によりテクニスコグループから情報漏洩等が生じた場合や、テクニスコと機密保持契約等を取り交わした第三者が、これに反し、テクニスコに知られず情報を不正使用した場合、生産や業務の停止、競争優位性の喪失等が生じ、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)テクニスコの競合環境について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 テクニスコグループには国際的な大企業から小規模な企業、国内から海外まで、広範な競合企業が存在することから、競争の激化により新規受注数が減少し、または製品・サービス価格が下落するリスクが潜んでおります。

 テクニスコの主力製品であるヒートシンクは新規参入も少なく、特にレーザー用ヒートシンクについては極めて高度な加工精度と品質管理が要求されるもので、これら技術を有する企業は、テクニスコ含め限られております。また、テクニスコグループは、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」の5つの加工技術による「クロスエッジ®Technology」を保有するという優位性を存分に活かし、市場における競争力を高めることにより、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、海外の新興企業をはじめ他社における技術力や営業力等の向上により、技術や価格等において、テクニスコの競争力が低下し、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)大株主の状況に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 テクニスコの代表取締役社長である関家圭三の資産管理会社である合同会社XEホールディングスのテクニスコ議決権の所有割合は2024年6月30日現在で54.82%であり、同社のテクニスコ株式の保有・処分方針によっては、テクニスコ株式の流動性および株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。

 同社は、今後も引き続きテクニスコ株式の継続保有を維持する方針であることから、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。また、議決権の行使にあたっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針であります。

 しかしながら、同社が、テクニスコ株式の保有・処分方針を大きく転換した場合、当該リスクが高まる可能性があります。

 

(22)有利子負債について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 当連結会計年度末において、テクニスコグループの有利子負債は3,968,734千円、総資産に対する割合は41.7%となっており、金融市場、またはテクニスコグループの信用力の変動等により、借入金利の上昇、資金調達方法の制限等が発生するリスクが潜んでおります。また、借入金の一部には財務制限条項が付されております。

 テクニスコは、公的優遇制度の活用等の対策を講じるとともに、健全な借入レベルを維持するよう努めており、金利が上昇した場合の影響は極めて限定的と考えております。また、当座貸越枠の積極的な活用により適切なタイミングでの調達を図るとともに、テクニスコグループ内の資金融通を適時柔軟に行うこと等により資金効率の向上に努めております。

 しかしながら、予期せぬ急激な金利変動や経営環境の悪化が生じた場合、資金調達方法の制限や、財務状況の悪化による借入金の即時の返済により、テクニスコグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー