ツクルバグループは、ツクルバ及び連結子会社1社(株式会社ツクルバボックス)の計2社により構成されております。
ツクルバグループは、「住まいの『もつ』を自由に。『かえる』を何度でも。」をビジョンに掲げ、情報通信技術、デザインを高次に融合させることで、誰もが個性豊かな生き方を実現できる仕組みを提供すべく事業活動を行っております。
なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(1) cowcamo(カウカモ)事業
当事業では、ITを活用した中古・リノベーション住宅流通プラットフォーム「cowcamo」において、オンラインメディアを通じた物件情報流通サービス、自社エージェント(※1)による売買仲介サービス、定額パッケージも含めたリノベーションサービス、自社企画商品の開発・販売を主なサービスとして提供しております。
当事業の特徴は、中古住宅流通のバリューチェーン(※2)を、テクノロジーを用いて統合している点にあります。具体的には、中古・リノベーション住宅における一連の顧客体験の統合・刷新(特徴①-1)、住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化(特徴①-2)、顧客ニーズや物件のデザイン、物件の取引データなどの独自データの活用(特徴②)にあります。
当事業では、中古・リノベーション住宅に特化した住宅情報メディアサービス及びエージェントによる仲介サービスを提供しております。主な収益源は、中古・リノベーション住宅の売買に関して売手及び買手から受領する売買仲介手数料、その他付随するリノベーション等の斡旋手数料等、自社企画商品の販売収益であり、広告掲載料等は受領しておりません。
特徴①-1:中古・リノベーション住宅購入における一連の顧客体験の統合・刷新
当事業では、オンラインの住宅情報流通メディアを中心に、中古・リノベーション住宅の購入体験の統合・刷新を図っております。具体的には、従来の店舗やチラシ、物件情報検索サイトを通じた画一的な物件情報流通に対して、ソーシャルメディア等のチャネルに特化し、独自に撮影した画像や取材記事を中心としたコンテンツ型メディアとしての物件情報流通モデルを確立しております。また、会員向けに、ツクルバグループ独自の物件情報データベースからユーザーの嗜好にあった物件を選定・提案するネイティブアプリ(※3)や、住宅購入検討プロセスにおけるエージェントとのコミュニケーションをオンラインチャット上で行うことができるネイティブアプリを相次いで開発し、多数の会員を有する住宅購入サービスへと成長いたしました。
なお、「cowcamo」における会員数は55万人に達しております。
特徴①-2:住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化
一連の業務フローにおいて自社開発したシステムを活用することにより、高い生産性と顧客満足の両立を図っております。具体的には、顧客の個別的な嗜好性や住まい探しの状況を一元的に把握・管理することが可能な顧客管理システム、エージェントによる顧客への提案支援、顧客とのアポイントメント管理、業務の優先度管理等を支援する業務支援システム、顧客とのコミュニケーションを円滑化・効率化するチャットアプリなど、一連の業務フローが全て自社開発プロダクトによりシステム化されております。これにより、各々の業務プロセスにおいて高い生産性を実現するとともに、非熟練者でもオペレーションを遂行できることから事業拡大に柔軟に対応可能な組織の拡張性を実現していると考えております。ツクルバグループの組織的能力である特徴①-2によりツクルバグループのサービス価値である特徴①-1の提供が実現していると考えております。
特徴②:顧客ニーズや物件のデザイン、物件の取引データなどの独自データの活用
cowcamoでは、前述したメディアサービス、エージェントサービスを通じて、顧客ニーズやリノベーションのデザイン、物件・取引情報等の多数のデータを蓄積しております。これらのデータを解析・活用することで、ユーザーのニーズの分析や、最適なリノベーション企画の立案、販売価格の推計等が可能となります。当事業ではこれらを応用し、当サービスを利用する売主・事業者に対してリノベーション物件の商品企画や販売支援などの業務支援サービスの提供や自社企画商品の開発・販売を行っております。これにより、収益機会が拡大するとともに、cowcamoのユーザー・会員に適した物件の供給が増大し、サービス全体の価値向上に寄与するものと考えております。
〔用語説明〕
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてツクルバグループが判断したものであります。
なお、不動産企画デザイン事業につきましては、2023年11月1日付で事業譲渡(会社分割及び新設会社の株式譲渡)が完了しております。
(1) 経営方針等
(i)経営方針
ツクルバグループは、「「場の発明」を通じて欲しい未来をつくる。」をミッションに掲げ、デザイン×ビジネス×テクノロジーの融合を強みとし、主に住宅領域の社会課題を解決することで、これまで生み出せなかった新たな価値をつくり社会に届けていくことを目指しています。
(ⅱ)事業アプローチ
ツクルバグループは、主に住宅領域の社会変化の兆しに着目し、デザイン×ビジネス×テクノロジーの融合により、これまで生み出せなかった価値を社会に届けていくことを目指しています。そのため、事業づくりにおいても、従来の競争型のアプローチではなく、異なる領域を“和える”編集型のアプローチにより産業を再定義していく独自の手法で事業創造を行っていきたいと考えています。
(ⅲ)共創型ワークスタイルの実践
事業プロデュース、広告クリエイティブ、不動産流通、建築・空間設計、メディア運営、編集、コミュニティマネジメント、イベントプランニング、そしてITエンジニアリングに至るまで、多様な職能のメンバーがツクルバに集っています。それぞれが自分の「色」を持ちながら、所属を超えて混ざり合い、「新たな色」を生み出す共創型ワークスタイルを実践することで、デザイン×ビジネス×テクノロジーの融合を実現しています。
(2) 経営戦略等
ツクルバグループは、主力事業であるcowcamo(カウカモ)事業のサービス改善および組織体制の強化により事業規模を拡大させてまいります。具体的な経営戦略につきましては、以下のとおりであります。
(i)統合型の住宅流通プラットフォーム「cowcamo」の確立・拡大
① cowcamoが目指す流通構造の改革
(a)中古住宅流通のバリューチェーンをテクノロジーで統合
中古住宅に関する既存の流通構造では、再販事業者が売主から物件を買取り、リノベーションを施して再販する「買取/企画開発」のプロセス、不動産ポータルサイトの運営事業者が物件情報を掲載する「情報流通」のプロセス、不動産売買仲介事業者を通じて買主が中古住宅を購入する「不動産流通」のプロセスが、いずれも別個の事業者に分散して行われています。ツクルバグループのcowcamoでは、中古・リノベーション住宅の企画開発、情報流通、不動産流通の一連のプロセスをデザインとテクノロジーで統合することにより、一貫した顧客体験と業務の生産性向上の両立を図っております。
(b)徹底的なユーザー視点で住宅購入の体験を革新
当事業では、デザインとテクノロジーを用いたメディアサービス及びエージェントサービスの統合により、ソーシャルメディア等のチャネルに特化した物件との出会いの体験、独自に撮影した画像や取材記事を中心としたコンテンツ型メディアを通じた物件選びの体験、エージェントとのコミュニケーションをオンラインチャットやオンラインミーティング等で行うことによる物件購入の体験等、住まい探しの初期段階から購入までの一連の顧客体験すべてをデザインする事で、住宅購入に関する顧客体験の刷新を図っております。
② 独自のポジショニング
ツクルバグループは、cowcamo(カウカモ)事業において、情報解析等のテクノロジーによって、従来は独立に存在していた不動産ポータル、仲介業ならびに不動産事業者支援サービスを統合した新しいプラットフォームを確立・拡大したいと考えております。
日本の住宅流通領域におけるサービスは、Web業界を出自とする不動産ポータル事業者、不動産業界を出自とする仲介事業者、またシステム・ソフトウエア業界を出自とする不動産事業者向けシステムの提供など、事業体の出自により、それぞれが独立に事業・サービスを提供し、分散されてきました。しかしながら、ツクルバグループが市場機会として着目する中古・リノベーション住宅の流通におきましては、物件の固有性と多様化する顧客ニーズを適切にマッチングさせた上で、顧客の求める一点ものの商品を企画することが重要となるため、各事業体が提供するサービスを統合した事業モデルが有効であると考えております。
また、このような統合型の住宅流通プラットフォームを確立する上では、Webサービスの開発力、仲介業務の理解ならびに仲介業務を効率化する業務システムの開発力、物件情報を供給する不動産事業者とのネットワーク及び同事業者に対する業務支援サービス・システムの開発力など、テクノロジーと業務オペレーション、組織力の高度な統合が必要となり、これが同業他社による類似サービスの展開に対する障壁として有効に機能するものと考えております。
③ 一連のプロセスをデザインとテクノロジーによって統合・最適化
ツクルバグループは、データ(物件データ、顧客データ、デザインデータ)を中心として、一連の業務プロセスを自社開発のシステムによって効率的にデザインして統合・最適化し、エージェントの生産性を継続的に改善する方針です。業務プロセスの具体例は以下の通りです。
(a) マーケティング:マーケティング支援ツールを用いた会員データ解析、マーケティングオートメーション
(※3)
(b) 物件企画・開発:企画支援ツールを用いた査定業務の自動化、物件・デザインデータの解析
(c) コンテンツ制作:制作支援ツールを用いたコンテンツ管理、物件選定の自動化
(d) エージェント・業務支援:エージェントCRMツール(※4)を用いた顧客データ管理、顧客と物件のマッチングによる提案支援、顧客応答の自動化、エージェントアサイン(※5)の自動化
④ ユーザーを起点とした自律的成長サイクルの実現
ツクルバグループは、中古マンション購入における一連の顧客体験の統合・刷新等により、ユーザーのエンゲージメント(※6)を高めることで会員数の拡大を図る方針です。主な会員数の拡大のサイクルは以下の通りです。
(i) オンライン・オフラインを統合してデザインされた洗練されたユーザー体験によりユーザーが蓄積
(ii) 蓄積されたユーザーの購買行動により、顧客嗜好、取引、空間・企画のデータが蓄積
(iii)蓄積されたデータを活用して売主側の仕入、リノベーション企画・開発、売却を提案
(iv) データを基にユーザーニーズに基づく物件が供給される
(v) ストーリー調の魅力的な記事により、蓄積された豊富なユーザーに訴求
(vi) ユーザーがさらに集まり、反響(※7)も集まり、早く適正な価格で売れる
(vii)それによってさらに売主が集まる
上記のように、洗練されたユーザー体験により既に蓄積されているユーザー基盤を起点とし、そのユーザー基盤に対して売主が集まり、さらにデータ活用によりユーザーが望む魅力的な物件が増え、さらにそれによってユーザーが増える、というユーザー基盤を起点とした自律的成長サイクルを実現しています。
⑤ 顧客、データ、ノウハウの蓄積により持続的な競争優位を確立
ツクルバグループは、これまでの事業運営において、独自の顧客基盤、データ、オペレーションノウハウを蓄積して参りました。今後も独自の顧客基盤、データ、オペレーションノウハウの蓄積により、持続的な競争優位の構築を図る方針です。
(a) 顧客基盤の蓄積:cowcamoは首都圏における中古・リノベーション住宅流通プラットフォームとして多数の利用事業者数・ユーザー数を擁しております。
(b) データの蓄積:ツクルバグループは、首都圏の中古・リノベーション住宅流通に関する独自のデータを蓄積しております。これらのデータは、自社での取材や実際の取引に基づく統合的なデータ(物件の定性的な評価情報や内装写真等の物件固有のデータ、売出から成約にいたるまでの価格推移等の取引情報データ、cowcamo上でのユーザーの物件への反響行動に関するデータ等)であり、これまでも部分的には存在していましたが、これらのデータを統合的に蓄積している点で、希少性の高い情報資産であると考えております。
(c) オペレーションノウハウの蓄積:ツクルバグループは、オペレーション(物件情報取得、企画・デザイン、取材・記事制作、マーケティング、顧客管理、マッチング、接客支援等)をテクノロジーを活用して統合しております。一連のバリューチェーンを統合したノウハウが、同業他社による類似サービスの展開に対する障壁として有効に機能するものと考えております。
⑥ 一貫した世界観を実現するための組織
ツクルバグループの組織的な能力であるテクノロジー、オペレーション、デザインが、構想力、プロダクト力、マーケティング力を発現する事で、中古住宅流通のバリューチェーンの統合による一貫した世界観が実現されると考えております。
(a) テクノロジー:エンジニア、データサイエンティスト(※8)を中心としたメンバーにより実現
(b) オペレーション:営業、マーケティング、コンテンツ制作を中心としたメンバーにより実現
(c) デザイン:Web/UXデザインに加え、建築デザインを専門とするメンバーにより実現
⑦ 「cowcamo」による市場創出
ツクルバグループは、cowcamoを通じて、中古・リノベーション住宅の適切な価格形成と生涯買い替え頻度の向上により、中古物件流通市場の活性化をリードしたいと考えております。cowcamoは中古住宅の流通市場を対象としておりますが、(a)価格形成×(b)買い替え頻度向上により対象市場の拡大を図る方針です。なお、国土交通省「住生活基本計画(令和3年3月19日)」では、2018年に全国12兆円であった中古住宅・リフォーム市場が長期的に20兆円となることが目標として掲げられております。
(a) 価格形成の観点
(b) 買い替え頻度向上の観点
⑧ 事業アセットを活用した更なる成長ポテンシャル
ツクルバグループでは、cowcamo(カウカモ)事業の事業アセットであるデータ、デザインノウハウ、オペレーションモデル、ブランドを活用することで、収益機会の拡大と収益性の向上を図る方針です。
(a) データ、デザインノウハウの横展開による収益機会の拡大:売主・事業者向けサービス
・蓄積したデータを活用し売主・再販事業者へ企画・開発を支援(供給物件の質・量の向上、収益源の拡大)
(b) デザインノウハウ、ブランドの横展開による収益機会の拡大:自社企画物件
・デザインノウハウ、ブランドを活用し、自社企画物件を提供(流通額に対する収益性向上)
(c) オペレーションモデル、ブランドの横展開による収益機会の拡大:パートナーモデル
・自社エージェントにて確立されたオペレーションモデルを横展開(事業の拡張可能性の向上、収益源の拡大)
⑨ リノベーション時代の住宅流通プラットフォームとしてのポジションを確立
ツクルバグループはリノベーション時代の競争原理の変化の特徴として、自分らしい生活を志向する購入者層の増加、ビジュアルコミュニケーションの重要度の高まりがあると考えております。ツクルバグループはcowcamoを通じて、リノベーション時代の住宅流通プラットフォームとしてのポジション確立を図ってまいります。
⑩ 企業価値向上に関するツクルバグループの考え
ツクルバグループは、ユーザー基盤の蓄積と成約率改善による売上総利益の継続的な成長及びオペレーション最適化による営業利益率の改善、並びに創出された利益の再投資による売上総利益の更なる拡大により、企業価値の向上を図る方針です。具体的には(a)取引件数の増加及び(b)取引あたり収益の増加による売上総利益の成長と、(c)広告効率及び(d)オペレーション効率等の向上による営業利益率の改善を通じた企業価値の向上を目指して参ります。
(a) 取引件数の増加要因:会員数の蓄積、成約率の向上、生涯取引機会の拡大等
(b) 取引あたり収益の増加要因:流通価格の適正化、テイクレート(※9)の向上、周辺領域での収益化
(c) 広告効率の改善要因:広告運用パフォーマンスの継続的改善(広告運用の内製化・最適化、顧客別のナーチャリング(※10))、プロダクトの継続的改善
(d) オペレーション効率の改善要因:エージェントオペレーションの型化・高度化(営業プロセスの型化と独自CRM開発、独自ツール開発、営業支援システム導入などによる業務プロセスの省人化)、その他オペレーションの型化・高度化
なお、(c)広告効率の改善及び(d)オペレーション効率の改善により「cowcamo(カウカモ)事業」のセグメント利益率は継続的に改善しております。
ツクルバグループが経営管理上重要視しているKPI(Key Performance Indicator の略称で主要な業績評価指標のこと)は以下の通りです。
「cowcamo」のKPIの推移
(注)1. 「GMV(Gross Merchandise Value:流通総額)」は、特定の期間においてcowcamoを通じて消費者が購入した商品の合計値です。取引された住宅の総額やリノベーション工事などの総額が含まれます。表中の数字は住宅の購入に関して取引決済日を基準として集計した数値です。金額は百万円未満を切り捨てしております。
2.「テイクレート(付加価値獲得率)」は、特定の期間におけるcowcamo事業の売上総利益をGMVで除することで算出される流通における付加価値獲得率です。比率は小数第二位を四捨五入しております。
「cowcamo」の参考指標の推移
(注)1. 「会員数」は、「cowcamo」に会員登録したユーザーの特定の期間の末日における会員数です。一度も取引を行ったことのない会員も含まれております。
2.「取引件数」は、特定の期間において販売された住宅の件数の合計値です。表中の数字は住宅の購入に関する売買契約書の締結日を基準として集計した数値です。なお、同一取引において複数戸数の販売が行われる場合、従来は戸数単位で集計しておりましたが、取引単位の集計に修正しております。
業績の推移(単位:百万円)
(注) 1.「営業利益又は営業損失」は、「全社」については全社の営業利益又は営業損失です。また、「cowcamo(カウカモ)事業」については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げる「セグメント利益又は損失」です。なお、2023年7月期より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるために、全社費用の配賦方法を見直し、報告セグメントの利益又は損失の測定方法の変更を行っております。2022年7月期以降のcowcamo(カウカモ)事業におけるセグメント利益は、変更後の測定方法に基づき作成したものを開示しております。
2. cowcamo(カウカモ)事業の主な収益源は、中古・リノベーション住宅の売買に関して売手及び買手から受領する売買仲介手数料等でありますが(純額により売上計上)、顧客ニーズに応じて一時的に物件の仕入・販売取引(再販取引)を行うケースがあります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ツクルバグループは、上記「企業価値向上に関するツクルバグループの考え」に記載の通り、売上高、売上総利益及び営業利益並びにGMV、テイクレートを重要な経営指標とし、高収益事業を展開していくことにより利益率の向上を図ってまいります。
(4) 経営環境
ツクルバグループは、cowcamo(カウカモ)事業に係る事業環境を以下のように認識しています。
① 市場規模
cowcamoがターゲットする首都圏の中古マンション流通市場は、2023年時点で6.6兆円と推計されます(注1)。
中古マンションストックにおいては、築年数25年以上の物件の割合が32%(2015年)から58%(2023年)に上昇しており、2025年には全体の6割を超過すると推定されます(注2)。築年数の古い物件においては、リノベーションが実施される割合が高いことから、ツクルバグループがターゲットとしている中古・リノベーション住宅セグメントの流通量は中長期的に拡大するものと考えております。
ツクルバグループでは、首都圏での住宅購入においてリノベーションが普及するなかで、市場の拡大・一般化に伴ういくつかの変化を予想しております。
(a) リノベーション住宅市場の形成
・リノベーションを前提とした流通価格の形成
・「安いから」中古リノベーションから「こだわるなら」中古リノベーションへ
(b) 中古住宅の流通方法の多様化
・リノベーション済住宅の購入
・中古住宅の購入後にリノベーションを実施
・リノベーション済住宅の購入後に追加でリノベーションを実施
(c) 中古住宅流通事業者の変化
・再販事業者の拡大
・リノベーション住宅専門サイトの成長
② ユーザー基盤の拡大
ツクルバグループは、ユーザー基盤の拡大を軸に、収益機会の最大化と市場創出に取組む方針です。cowcamoの更なる認知拡大やプロダクトの機能向上を通じて、より多くのユーザーにご利用頂けるサービスを目指して参ります。また、現在の営業エリアである東京・横浜エリア(ターゲット層人口は約200万人、うち推計中古住宅購入検討者数約180万人)から首都圏(ターゲット層人口は約450万人、うち推計中古住宅購入検討者数約410万人)への展開を通じて、一層のユーザー基盤の拡大を図って参ります(注3)。
(注) 1.公益財団法人東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ 2023年度」、公益財団法人不動産流通推進センター「2024不動産業統計集(3月期改訂)3不動産流通」、リフォーム産業新聞社「中古住宅リノベ市場データブック 2022-2023」から首都圏における40㎡超のマンションの市場規模をツクルバグループが推計
2.公益財団法人東日本不動産流通機構等のデータよりツクルバグループが推計
3. 東京・横浜エリアおよび首都圏のターゲット層人口(i)、推計中古住宅購入検討者数(ii)は以下の様に推計しております。
(i)東京・横浜エリアおよび首都圏のターゲット層人口:東京都及び横浜市(A1)、首都圏(A2)それぞれにおける25歳以上50歳未満の人口×推計持ち家許容割合(B)×推計中古住宅許容割合(C)により算出
A1:「住民基本台帳による東京都の世帯と人口(令和6年1月)」東京都総務局統計部
「令和6(2024)年 年齢別人口(住民基本台帳による)」横浜市政策局総務部
A2:「人口推計 2023年10月1日現在人口推計」総務局統計部
B:「平成30年度 住宅経済関連データ 3.住宅に対する国民の意識」国土交通省 において「現在借家」の世帯のうち、今後の居住形態及び住み替え方法を「借家などへの住み替え」と答えた世帯を除く世帯の割合(57.0%)
C:「平成30年度 住宅経済関連データ 3.住宅に対する国民の意識」国土交通省 において「現在借家」の世帯のうち、今後の居住形態及び住み替え方法を「中古住宅」「こだわらない」と答えた世帯の割合(56.0%)
(ii)都区部および首都圏の推計中古住宅購入検討者数:都区部および首都圏それぞれのターゲット層人口(i)×5年以内に住み替えを希望する割合(D)により算出
D: 「今後の住み替え・改善意向(14区分)/家計主の年齢(8区分) 」総務省統計局 において、世帯主の年齢が50歳未満の世帯のうち、5年以内に「できれば住み替えたい」と答えた世帯の割合(91.0%)
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
ツクルバグループの対処すべき課題としましては、既存事業の拡大、収益性の向上及び中長期的な成長に資する体制整備が重要であると認識しており、特に下記を重要課題として取組んでおります。
① サービスの知名度向上
ツクルバグループは、テレビや新聞、雑誌、ラジオ等のマスメディア向けの広告は実施しておらず、これまで培ってきたデジタルマーケティングのノウハウを活用することにより、ユーザー、会員を獲得してまいりました。
一方で、当面の対象市場としている首都圏の中古マンション流通市場の規模は6.6兆円(上記(4)参照) と広大であり、中でもリノベーションマンション市場は今後も堅調に拡大していくものと想定します。このため、今後のユーザー、会員獲得においては、より広範な認知の獲得が重要であると認識しており、今後はこれまで構築してきたデジタルマーケティングの効率改善と並行し、費用対効果を慎重に検討した上で、テレビや新聞、雑誌、ラジオ等のマスメディアを活用した広告宣伝活動も検討してまいります。
② エージェントサービスのオペレーションの高度化・効率化
ツクルバグループは、これまでに開発してきた業務管理システム、蓄積してきたノウハウにより、エージェントサービスの生産性向上とサービス品質の両立に取組んでまいりました。
しかしながら、今後の事業成長のためにはさらなるユーザー数の増加が必要であり、恒常的な収益性の向上を実現するためには、引き続きオペレーションの高度化・効率化が重要であると考えております。そのため、蓄積された顧客データ・業務データのさらなる活用、業務の自動化等の施策を実施してまいります。
③ 事業開発の強化
ツクルバグループは、早期の事業拡大のために適切な外部の事業者との連携が重要であると考えております。そのため、取引先事業者との関係を強化し、事業開発の推進を図ってまいります。具体的には、cowcamo(カウカモ)事業においては、他の事業者との連携を通じた顧客向けサービスの拡充を推進すると同時に、物件供給及び事業者向けサービスの強化を図ってまいります。
④ 技術開発体制の強化
cowcamo(カウカモ)事業においては、技術革新のスピードは非常に早く、類似のサービスや競合の参入が予測されるため、新規サービスの展開スピードを速めるべく、エンジニアの採用・チーム体制の整備を通じて開発体制を早期に強化してまいります。
⑤ 組織体制の強化
ツクルバグループは、事業規模の拡大及び成長のためには、専門性を有する人材の採用及び社員の育成及び社員への企業理念・経営方針の伝達が重要な課題と考えております。ツクルバグループは社内研修の強化、福利厚生の充実を図っていくとともに、志望者を惹きつけるような事業を展開していくことで、優秀な人材の採用強化に取組んでまいります。また、社員に対して経営ビジョン・ミッションを踏まえたツクルバグループの経験とノウハウに基づく研修を計画的に実施していくことで、社員の育成及び企業理念・経営方針の伝達を行ってまいります。
⑥ 情報管理体制の強化
ツクルバグループは、社内の情報管理体制を整備し、情報管理の徹底を図っておりますが、個人情報等の機密情報につきましては、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、情報セキュリティマネジメントシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を図ってまいります。
⑦ 内部統制の強化
ツクルバグループ事業が継続的に成長し、顧客に安定したサービスを提供し続けていくためには、継続的な内部統制の整備、強化に取組んでいくことが重要であると考えております。ツクルバグループは、組織が健全かつ有効的に運営されるように、内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部統制の整備、強化を行っていく方針であります。
〔用語説明〕
ツクルバグループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。
また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。ツクルバグループは、これらのリスクに対し発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。
なお、不動産企画デザイン事業については、2023年11月1日付で事業譲渡(会社分割及び新設会社の株式譲渡)が完了しているため、同事業に係るリスクは記載しておりません。
本項記載の将来に関する事項は本書提出日現在においてツクルバグループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境に関わるリスク
① 市場環境について
ツクルバグループは、中古住宅流通市場を中心とした不動産市況の動向に影響を受ける可能性があります。
cowcamo(カウカモ)事業は、一般消費者の実需向けの事業である上に、潜在顧客を会員として蓄積することで、多少の市場変動には影響を受けない事業モデルとなっておりますが、ツクルバグループの想定を上回る景気悪化等により長期的に不動産市況が低迷した場合は、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、ツクルバグループは、インターネットを介したサービス提供を行っておりますが、インターネットの普及に伴う弊害の発生、利用に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因により、インターネット利用の順調な発展が阻害された場合には、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、ツクルバグループの仲介サービスの売上計上は、売買契約を締結した時点ではなく、サービスの提供を行った時点で計上しております。そのため、サービスの提供時期により、ツクルバグループの四半期毎の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 技術革新について
ツクルバグループは、インターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、当該領域は技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が極めて速く、それらに基づく新機能や新サービスの導入が相次いで行われる変化の激しい市場です。このような環境の中で、ツクルバグループは、データ解析や人工知能の導入、スマートフォンやタブレット端末等の多様なデバイスへの対応等、最新技術の開発を率先して行うと共に、優秀な人材の確保に取り組んでおります。
しかしながら、今後何らかの革新的な技術が開発され、ツクルバグループの対応が遅れた場合や、そのような革新的な技術に対応するために多額のシステム開発費用が追加的に発生する場合には、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 感染症等の影響について
新型コロナウイルス感染症等の感染力が高く治療方法が確立されていない感染症の流行等を原因とする、政府による外出自粛要請に基づく不動産取引の停滞、消費マインドの冷え込みによる長期的な景気悪化等が生じる場合には、ツクルバグループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) cowcamo(カウカモ)事業に関わるリスク
① 競争優位性について
ツクルバグループは、cowcamo(カウカモ)事業において、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の特徴を有するサービスを提供することによって、従来の不動産ポータル事業者、仲介事業者に対する競争優位性の構築を推進してまいりました。
しかしながら、将来、テクノロジーに長けた企業によるツクルバグループの事業領域への新規参入、類似した事業モデルを有する海外企業の日本市場への進出等により、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
ツクルバグループは、これらの脅威を想定し、潜在顧客である会員との関係の強化や新規技術・サービスの開発を通じた競争力の強化を進めてまいりますが、競合企業の動向がツクルバグループの想定を超える場合には、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② ユーザーの継続的なサービス利用について
当事業においては、住宅情報流通サービス、エージェントサービスを通じた一連のサービスプロセスにおいて、顧客を「cowcamo」のユーザーとして認識し、会員化施策等により、継続的なサービス利用を促すことで、顧客基盤の構築と業績の安定化を図っております。しかしながら、何らかの施策の見誤りやトラブル等でユーザーのサービス利用の継続が損なわれた場合、当事業の業績が悪化し、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ エージェント人員の採用・育成について
当事業においては、サービスの需要拡大を見据えた計画的なエージェント人員の採用・育成を計画しております。また、独自の業務ツールの開発等を含むエージェント業務の型化・効率化を行うことで、属人的な経験や能力に依存しない体制を確立しております。
しかしながら、ツクルバグループの想定を超える人材市場の逼迫や何らかの組織的な要因により、計画的な採用・育成が想定の通りに行われない場合には、当事業の業績が悪化し、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ システムの開発・運用体制について
当事業においては、一連のサービス、オペレーションを自社開発のシステムによって提供・運営していることから、将来の事業拡大を見据え、システムの開発・運用体制の継続的な拡充を計画しております。
しかしながら、システム開発・運用に要する人員の獲得の遅れや、システム開発・運用上の何らかのトラブルの発生等により、システムの開発・運用が計画通りに進展しない場合には、当事業の業績が悪化し、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 広告宣伝について
当事業においては、ユーザーの計画的な獲得にあたり、インターネット広告を中心とした広告運用を実施し、広告出稿先や競合の広告出稿元の動向を注視しながら計画的な広告宣伝を行っております。
しかしながら、広告出稿先の配信ロジックの変更や、競合する広告出稿元の動向が、ツクルバグループの想定を大きく超える場合には、計画された広告効果が実現されず、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 協力会社及び取引先との関係について
当事業においては、仲介業務における協力会社や物件の売主である再販事業者が事業運営に重要な役割を果たしております。ツクルバグループは、継続的に良質な協力会社、取引先の開拓、関係の維持・強化に努めておりますが、何らかの要因により協力会社や取引先との取引の継続が損なわれた場合には、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然災害等について
当事業においては、首都圏を中心に事業展開を行っておりますが、これらの地域で地震・火災・水害等の大規模な自然災害等が発生した場合には、掲載物件の仲介停止や、仲介スケジュールの変更、不動産価格下落による収益性の低下等により、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 消費税の増税について
ツクルバグループが仲介する中古・リノベーション住宅は、一般家庭で購入する最も高額な耐久消費財と言われていることから、消費税率の動向により需要が大きく左右される特性があります。消費税率が引き上げられた場合、家計の実質所得の目減りとなることから個人消費を抑制する要因として、顧客の住宅購入意欲の減退につながり、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 不動産にかかる税制について
ツクルバグループが仲介する中古・リノベーション住宅を購入するにあたっては、大多数の顧客が住宅ローンを利用しております。住宅ローンの金利が大幅に上昇した場合には、月々の住宅ローン支払い負担の増加や金利変動への不安感から、顧客の住宅購入意欲の減退につながる可能性や、金融機関からの住宅ローンの貸し付け条件が厳しくなる可能性があります。また、当該購入・保有にあたって不動産取得税、固定資産税等の各種の租税公課が発生します。現在、不動産取得税の税率軽減措置や固定資産税の負担調整措置等の税負担の軽減措置が講じられておりますが、上記の税負担の軽減措置が行われなくなった場合、住宅の購入・保有にかかる負担が増加することから、顧客の住宅購入意欲の減退につながる可能性があります。これらの事象が発生した場合、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 再販取引を実施するにあたり発生するリスク
当事業の取引の大半を占める不動産物件の仲介においては、契約不適合責任や在庫リスクは発生しませんが、顧客ニーズに応じた事業・サービス開発の一環で一部仕入取引を行っており、販売先に対する契約不適合責任を負う可能性があります。したがって、該当物件に多額の補修費用等を要する重大な瑕疵が生じた場合には、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、物件の仕入時から何らかの理由により販売状況が不振となり、その間に不動産の市場価格が下落した場合には、棚卸資産に評価減が発生すること等により、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業運営体制に関わるリスク
① 特定経営者への依存について
代表取締役CEOである村上浩輝は、創業以来代表取締役CEOを務めており、ツクルバグループの経営方針や事業戦略構築、ブランド力の向上等において重要な役割を果たしております。ツクルバグループは、事業拡大に伴い特定経営者へ依存しない経営体制の構築を進めておりますが、不測の事態が生じた場合、又は退任するような事態が生じた場合には、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の確保及び育成について
ツクルバグループは、継続的な事業拡大や新規事業の推進のためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が重要であると認識しております。
しかしながら、ツクルバグループが求める優秀な人材が必要な時期に十分確保・育成できなかった場合や、何らかの理由により人材流出が進んだ場合には、恒常的な事業拡大や新規事業の推進に支障が生じ、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制について
ツクルバグループは、コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンスの徹底を図るための様々な施策を実施しております。また、業務の適正化及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、内部管理体制の構築が追い付かないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) システム等に関わるリスク
① 開発について
ツクルバグループは、システム開発に関わる投資を継続的に行っております。システムの開発においては、関連する事業のロードマップに基づき必要な社内外の人的リソースを計画的に確保する体制をとっております。しかしながら、ソフトウエアエンジニアの人材市場の逼迫等により、開発工数の確保が困難になる、工数当たりの単価が増大する等の場合には、開発スケジュールの遅延やコストの増大により、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 運用(障害)について
ツクルバグループのサービスはインターネットを介して提供されております。ツクルバグループでは、安定的なサービスの運営を行うため、システムの冗長化、脆弱性検査、不正アクセス防御等の対策を講じております。しかしながら、自然災害、事故、不正アクセス、その他何らかの要因によりシステム障害等が発生した場合には、ツクルバグループに直接的な損害が生じるほか、ツクルバグループサービスに対する信頼性の低下を招きかねず、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報の管理について
ツクルバグループは、取引先の企業情報や物件情報及び個人情報を取り扱っております。ツクルバグループでは、情報セキュリティの管理の徹底について重要な課題と認識しており、総合的な情報セキュリティを確保するため、情報セキュリティマネジメントシステムの構築・運用を行っております。加えて、全社で個人情報の取扱及びインサイダー取引の未然防止に関わる社内規程の整備、定期的な従業員教育、システムのセキュリティ強化、個人情報取扱状況の内部監査等を実施し、情報管理の強化に努めております。
しかしながら、外部からの不正なアクセスやツクルバグループ関係者の故意又は過失により情報流出等の問題が発生した場合には、ツクルバグループへの損害賠償請求や信用の低下等により、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法的規制に関するリスク
① 一般的な法的規制について
ツクルバグループの事業に関連する主な法規制として、「宅地建物取引業法」、「借地借家法」、「建築基準法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」等があります。
ツクルバグループはこれらの法規制を遵守した事業運営を実施しており、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施等を行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、ツクルバグループが運営する事業が新たな法規制の対象となる場合、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、現時点において、当該免許・許可等の取消し等、重大な行政処分の対象となる事由は発生しておりませんが、将来何らかの理由によって当該免許の取消しを含む行政処分がなされ、またはこれらの更新が認められない場合には、ツクルバグループの事業活動に支障を来すとともに、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、法的規制について、その有効期間が法令等により定められているものは下表のとおりであります。
(許認可等の状況)
② 訴訟等について
ツクルバグループは、法令及び契約等の遵守のため「コンプライアンス規程」を定めて社内教育やコンプライアンス体制の充実に努めております。しかしながら、ツクルバグループが事業活動を行うなかで、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。かかる訴訟の内容及び結果によっては、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生やツクルバグループの社会的信用の毀損によって、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 知的財産権について
ツクルバグループが使用する商標、ソフトウエア、システム等について、現時点において第三者の知的財産権を侵害するものはないと認識しております。今後も、侵害を回避するための著作権等の監視、管理等を顧問弁護士と協力して行っていく方針でありますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合は、当該第三者より、損害賠償請求、使用差止請求等が発生する可能性があり、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 不動産の表示に関する公正競争規約について
不動産業界は公正取引委員会の認定を受け、「不動産の表示に関する公正競争規約」及び「不動産業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」を設定しております。ツクルバグループはこれらの規約を遵守し業務を遂行するように努めておりますが、万一、不測の事態によって規約に違反する行為が行われた場合、お客様からの信頼性が低下し、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) その他のリスク
① 新株予約権等の行使による株式価値の希薄化について
ツクルバグループは、役職員に対して、業績向上に対する意欲を高めることを目的としたストック・オプション(新株予約権)を発行しております。ストック・オプションが権利行使された場合には、ツクルバ株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。また、A種種類株式における普通株式対価取得請求権の行使により、株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性もあります。なお、本書提出日現在、新株予約権等による潜在株式数(自己新株予約権を除く)は、1,030,133株であり、普通株式の発行済株式総数に潜在株式数を加えた合計(自己株式を除く)の12,398,524株の8.3%に相当しております。
② 普通株式における配当政策について
ツクルバグループは、将来の事業展開に即応できる財務体質の強化を重要課題の一つとして位置付けております。そのため、現時点においては内部留保の充実を図り、事業の効率化及び拡大のための投資を積極的に行い、企業価値の向上を図ることが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各連結会計年度における経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点で普通株式における配当実施の可能性及び実施時期は未定であります。
③ 減損会計の適用について
ツクルバグループが所有する固定資産において、急激な経済情勢の変化や金融情勢の悪化等により事業の恒常的なキャッシュ・フローの将来にわたる収益性の著しい低下や保有資産の時価の著しい下落が認識された場合、減損会計を適用し経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ツクルバグループが保有する投資有価証券について、発行体の信用力が悪化し実質的価値が低下あるいは時価が低下した場合、投資有価証券評価損あるいは貸倒引当金繰入の計上により、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 有利子負債について
ツクルバグループは、運転資金を金融機関からの借入金により調達しております。ツクルバグループの資金調達に関してツクルバグループの業績や財政状態の悪化、風説、風評の流布等が発生した場合、あるいは金融不安等が発生した場合には、必要な資金を合理的な条件で確保できず資金繰りが困難になる可能性があります。また、今後の金利動向に著しい変化が生じた場合には支払利息の増加等により、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、ツクルバグループが締結している当座貸越契約等の中には、一定の財務維持条項が付されているものもあり、これらに違反又は抵触する場合には、期限の利益の喪失等により、ツクルバグループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 税務上の繰越欠損金について
第13期連結会計年度末には、ツクルバグループに税務上の繰越欠損金が存在しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後、繰越欠損金の繰越期間の範囲内において納税額が減少することにより、ツクルバグループのキャッシュ・フロー等の改善に貢献することになりますが、ツクルバグループの業績が事業計画に比して順調に推移した場合には、ツクルバグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新たな事業領域における新規事業について
ツクルバグループは、本書提出日現在、cowcamo(カウカモ)事業を中心に事業展開を行なっております。本書提出日現在において、新たな事業領域への拡大の具体的な計画はありませんが、将来において、広範囲なシナジーと将来の成長を目的として、他の事業領域への事業ポートフォリオ拡大を進める可能性があります。
しかしながら、拡大先の事業領域において、必要な情報、経営資源、顧客関係、事業の専門知識、ブランド認知度が常に適時に確保できるとは限りません。拡大先の事業領域における事業発展には、従前とは異なった経験や知見を有する人材やリソースの確保が必要であり、事業展開に想定以上の時間を要したり、初期投資の負担が収益性を毀損したりする可能性があります。その他、これらの事業領域では、個々の案件を推進したツクルバグループが第三者に生じた損害に対して賠償責任が生じ得る等の独自のリスクもあり、かかるリスクは可能な限り保険または契約等により回避を図るものの、リスク回避の手法、法的規制に対する十分な理解や内部管理体制の構築、そのための人材の充実が求められます。また万一、監督当局から行政処分を受ける等した場合には、顧客やマーケットの信頼を失うこと等により、ツクルバグループの経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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