クリアルグループ(クリアル及びクリアルの関係会社)は、クリアル及び連結子会社(クリアルパートナーズ株式会社、CREAL ASIA Pte Ltd、クリアルホテルズ会社、ステイシー新大阪合同会社、臼木証券株式会社)並びに関連会社(株式会社ティーエーティー)の計7社で構成されており、「不動産投資を変え、社会を変える」というグループミッションを実現すべく、DX(注1)を活用した資産運用プラットフォーム事業を展開しております。クリアルグループが展開する資産運用プラットフォーム事業は不動産への投資、資金調達、物件仕入れ、運用、売却といった不動産投資運用にかかる一連のフローのDXを推進しており、ITの活用により効率的に運営される新しい資産運用プラットフォームです。
世界の運用資産残高は増え続け、また国内でも老後の年金問題に挙げられるように、資産運用の重要性やニーズは機関・個人投資家問わず増しています。あらゆる資産運用の手段の中でも、不動産投資は他の上場金融商品と比較して、金融市場の影響を受けにくく、価値が相対的に安定した、資産運用に欠かせない重要な商品のひとつにもかかわらず、不動産投資への機会は一部の富裕層や機関投資家に限定され、また管理手法や業務プロセスには大きな変革の余地がある状況です。従来イノベーションが進んでいなかった不動産投資の業界においても、大きなIT化の進む局面に来ており、クリアルではITプラットフォームの有無が資産運用業界における競争優位性を持ち始める時代に入っていると考えています。海外では不動産投資のDX化が進展を続け、例えばグローバルの不動産投資クラウドファンディング (注2)のマーケットは約142億ドル(2022年)から約7,934億ドル(2032年) (注3)へ成長するという予測もされております。
クリアルでは、従前より機関投資家等のプロ向けに不動産投資運用サービスを展開しておりますが、クリアルの有するプロ向け資産運用ノウハウにDXを組み合わせ、一般個人には手の届きにくい非公開市場である不動産投資市場へすべての個人がアクセスできるようなプラットフォームを構築しています。不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は従来の人的リソースに依拠していた資産運用プロセスのDXを推し進め、多くの人が手軽に楽しく安心してオンラインで不動産投資による効率的な資産運用を始められるサービスを創造し、金融包摂(注4)の実現を企図するサービスです。すなわち「CREAL」は、いままで大型不動産投資への参加機会を持てなかった多くの個人へ不動産投資の門戸を開放することにより、不動産投資の民主化を実現します。また、「CREAL」では個人投資家の多くの共感を呼び込むことが可能であるため、従来投資が進んでいなかったESG不動産(注5)及び地方創生領域を含めた新しい不動産投資対象領域への投資の促進を図り、経済的リターンと社会的リターン(注6)の両立を図ります。
このようにクリアルは、ITと資産運用のノウハウの活用により、誰もが不動産投資による安定的な資産運用を開始できる資産運用プラットフォーム事業を提供することで、資産運用の民主化という社会課題を解決します。また同時に、日本に滞留する約1,100兆円(注7)の現預金を資産運用へ振り向ける転機となるサービスとなることを目指しています。
(注)1. DXとはDigital Transformationの略で、進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革していくことを指します。
2.クラウドファンディングとは群衆(クラウド)と資金調達(ファンディング )を組み合わせた造語で、インターネットを通じて特定のプロジェクト等に共感した人より資金を募る仕組みです。
3.Polaris Market Research & Consulting LLP, Real Estate Crowdfunding Market Report (Forecast to 2032)より。
4. 「金融包摂(Financial Inclusion)」とは、世界銀行による定義では「すべての人々が、経済活動のチャンスを捉えるため、また経済的に不安定な状況を軽減するために必要とされる金融サービスにアクセスでき、またそれを利用できる状況」のことを指しており、経済活動に必要な金融サービスをすべての人々が利用できるようにする取り組みです。
5.「ESG不動産」は、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資対象となる不動産を指します。
6.「社会的リターン」とは、社会的な成果をもたらす事業に資金を投入することにより得られる、社会の状況が改善したという成果・事実を指します。
7. 日本銀行が2025年3月21日発表した2024年第4四半期の資金循環統計(速報)によると、2024年12月末時点の家計の金融資産は2,230兆円、うち現預金が1,134兆円となっています。
(1) 事業の具体的内容
クリアルグループでは資産運用プラットフォーム事業を有機的に一体となり運営しているため単一セグメントでありますが、クリアルが展開する、①「CREAL」②「CREAL PRO」③「CREAL PB」、クリアル連結子会社が展開する賃貸管理サービス等の④「その他」の4つのサービスにより構成されております。①1万円から資産運用が可能なサービスである「CREAL」では、保育園などESG不動産からレジデンスに至るまで多様な不動産へ投資ができる不動産ファンドオンラインマーケットです。また、②1億円からの資産運用となる「CREAL PRO」は、機関投資家・超富裕層(注)向けの大型不動産への投資を通じた資産運用サービスです。そして、③1,000万円からの資産運用が可能な「CREAL PB」は、ITを活用し効率的に実物不動産(主に首都圏の中古区分レジデンス)に投資ができる個人投資家向けの資産運用サービスです。なかでも、「CREAL」及び「CREAL PB」はDXを大きく活用したサービスであり、「CREAL」はクリアルの主軸成長事業です。
(注)「超富裕層」とは、純金融資産(預貯金、株式、投資信託、一時払い生命保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた金額)について5億円以上を保有する世帯を指します。
(2) 事業の特徴
① 「CREAL」
「CREAL」は、クラウドファンディングを活用した不動産ファンドオンラインマーケットです。資産運用において重要な位置づけを占めるにも拘わらず、投資に必要な多額の資金と手間、専門的な知識が障害となり個人にとっては遠い存在であった不動産投資への門戸を広く個人に開放するサービスです。
クリアルが予め設定した分配金リターンを目的として投資家が一口1万円からさまざまな不動産へ投資できるサービスであり、投資家登録から投資実行に至るまですべてオンラインで不動産投資を完結することができる仕組みです。また、投資後の物件の管理から運用、そして売却に至る全運用プロセスについて不動産投資ノウハウを有するクリアルに一任することができ、投資家は手間や高度な知識を要することなく不動産投資運用が可能となります。
「CREAL」の業務の流れは以下のとおりであります。
a. 物件供給の業務提携契約締結先の会社、ホテルや保育園の運営者、仲介会社等から収集した投資物件情報からスクリーニングを行い投資適格物件の選定を行います。
b. クリアルが選定した投資適格物件についてファンドの組成を行い、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」上に公開します。
c. 投資家は掲載されたファンド情報及びファンドに応じて設定された利回りを考慮のうえ投資金額を決定します。
d. ファンドが成立した場合には、クリアルが「CREAL」にて募集完了した投資金額を用いて対象不動産を売主より購入します。その際、クリアルはファンド組成費用として一定の手数料(アップフロント・フィー)を受領します。
e. ファンド運用期間中に不動産を賃貸することにより賃借人から得られる賃料を基にして、投資家へ配当を行います。クリアルはファンド運用時に管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領します。
f. ファンド運用終了時に不動産を売却することにより得られた売却代金を基にして、投資家へ最終配当及び元本償還を行います。ファンド運用終了時においては不動産売却手数料(エグジット・フィー)を受領し、さらにクリアルが物件を売却して利益が生じた場合には、クリアルは当該売却利益または当該売却利益の一部(プロフィットシェア)を受領します。
また、「CREAL」では、これまでの不動産投資において課題となっていた「情報の非対称性」(注1)を解消すべく、楽しくも分かりやすい徹底した情報開示を実践しております。以下は「CREAL」における情報開示項目の例となります。
・募集金額、想定利回り(インカムゲイン、キャピタルゲイン内訳)、想定運用期間、想定初回配当日
・投資対象の不動産や運営者へのインタビューについてのとりまとめ動画
・プロジェクトについての投資リスクの考え方
・物件が所在する地図と建物図面
・不動産価格調査報告書やエンジニアリングレポート等の不動産鑑定を含めた専門家の第三者レポート
・物件の運営者の概要
・投資対象が所在するエリアや市場のマクロマーケットの概況
・投資リターンの参考となる類似物件についての賃貸事例や売却事例
・ファンドにおける調達資金とその使途
・投資リターンのシミュレーション
「CREAL」はサービス開始以来、社会的に資金を必要としているが十分に流れていないESG不動産領域へ注力してまいりました。今までは投資規模が小さいため世の中に必要な不動産であるのにもかかわらず機関投資家からの投資がされにくかった保育園、学校、ヘルスケア、地方創生関連のアセットに対して、クラウドファンディングにより個人投資家からの投資資金を送る導管としての役割を果たし、社会性と投資商品性の両立を図ることを目指しております。「CREAL」における初めてのESG不動産への投資は2019年4月、東京都豊島区駒込に所在する保育園となります。以後、「CREAL」におけるこれまでの投資金額に占めるESG不動産への投資額は50億円超(注2)となっております。
(注)1.不動産会社である売主と一般個人である買主の間で保有する情報に格差があり、買主にとって不利な条件で不動産投資をせざるを得ない状況のことを指します。
2.サービスローンチから2025年3月末日時点における「CREAL」にて投資した全不動産の投資金額のうちESG不動産が占める金額の総額。
② 「CREAL PRO」
1億円からの資産運用サービスである「CREAL PRO」は、機関投資家・超富裕層向けの資産運用サービスであり、大型不動産への投資を通じた資産運用サービス事業を展開しております。具体的には、クリアルが情報を入手した投資物件を基に仲介業務や私募ファンドを組成・運用する業務が中心となります。また、クリアルグループが固定資産として保有するホテルの運営事業も含まれております。
「CREAL PRO」の業務の流れは以下のとおりであります。
a. 物件供給の業務提携契約締結先の会社、ホテルや保育園の運営会社、仲介会社等から収集した投資物件情報からスクリーニングを行い投資適格物件の選定を行います。
b. クリアルが選定した投資適格物件についてファンドの組成もしくは仲介業務を行い、当該ファンドへ出資に興味をもつ投資家の探索もしくは当該物件への購入意欲のある投資家の探索を行います。
c. 投資家による当該ファンドへの出資が行われファンドが成立した場合、もしくは投資物件を購入した場合には、クリアルはファンド組成費用として一定の手数料(アップフロント・フィー)もしくは仲介手数料を受領します。
d. ファンド運用期間中、クリアルは物件の運用管理を行うことにより管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領します。
e. ファンド運用終了時に不動産を売却することにより得られた売却代金を基にして、投資家へ最終配当及び元本償還を行います。ファンド運用終了時においては不動産売却手数料(エグジット・フィー)を受領し、さらにクリアルが物件を売却して利益が生じた場合には、クリアルは当該売却利益の一部(プロフィットシェア)を受領します。
法人や機関投資家向けの不動産投資運用サービスを提供するに当たっては、取り扱う商品により適用される法規制・必要な許認可は異なりますが、クリアルでは宅地建物取引業・第二種金融商品取引業及び金融商品取引法第29条に基づく登録を行い、現物不動産のみならずファンドの信託受益権の媒介業務や投資助言・代理業を行っています。また、「CREAL PRO」における不動産特定共同事業法による現物不動産の取引・運用業務につきましても今後展開していく予定でございます。
③ 「CREAL PB」
「CREAL PB」は、個人投資家向けに、実物不動産(主に首都圏の中古区分レジデンス)への投資を通じた資産運用サービスを提供しております。個人投資家向けに販売する投資用不動産をクリアルが仕入れ、個人投資家に販売することにより売却利益を獲得します。
「CREAL PB」では、不動産投資に関わる一連のプロセス各所でのDX化を通じ、業務改善やコスト削減、また顧客にとっての利便性が高まるような取り組みをしております。
・投資案件の物件評価・仕入システム「CREAL buyer」
物件仕入れを効率的に行うために自社開発をしたAIを用いた物件評価・仕入システム「CREAL buyer」は、膨大なオンライン上の中古区分レジデンス不動産情報の中から、クリアルグループが仕入れるべき物件を自動的に収集・提案します。「CREAL buyer」のAIは、不動産に関わる膨大な量のデータを常時学習しており、ロケーションやエリア、面積・築年数・スペックに応じた適正な賃料や価格査定を可能としており、クリアルグループの購入する物件についての適切な価格査定を行っている他、割安な価格や賃料が設定されているハイパフォーマンスな物件をインターネット上で常に選別し、そのような物件がある際には仕入れの提案を担当者に通知します。「CREAL buyer」のAIによる適正賃料・適正価格の提示を通じ、投資商品の安定的な供給をサポートしています。
・不動産投資運用のDXを推進する「CREAL concierge」
物件の収支や契約書がオンラインで一元管理できる「CREAL concierge」の利用により、いままで書面や対面でのやりとりに大きく依存していた不動産投資運用プロセスのDXを推進します。「CREAL PB」の顧客である不動産オーナーは、物件の賃貸状況や収支状況がオンラインでいつでも手軽に確認可能となります。また、顧客である不動産オーナーに対して最新の販売中の不動産を表示することも可能とすることにより、顧客の更なるロイヤルティ育成をし、物件の買い増しを促進します。
④「その他」
「その他」は、主に連結子会社であるクリアルパートナーズ株式会社が提供する不動産賃貸管理サービスと、クリアルホテルズ株式会社及びその子会社が提供するホテル運営サービスで構成されております。不動産賃貸管理サービスは顧客である不動産オーナーより、集金代行手数料や契約事務手数料等の賃貸管理収入を継続して受領します。ホテル運営サービスには、不動産オーナーと賃貸借契約を締結し宿泊者から宿泊料を継続して受領する方式と、不動産オーナーからホテル運営の業務委託を受け運営手数料を継続して受領する方式があります。
・物件管理業務効率化ツール「CREAL manager」
物件の賃貸管理を一元化する「CREAL manager」の利用により、区分中古レジデンス不動産における賃貸管理業務を効率的に運用できる仕組みを構築しています。書面やエクセルなどで分散管理していた情報が一元化され、契約管理及び入出金管理を効率的に管理することはもちろん、オーナー向け明細の作成や希望者への郵送が自動化され効率的な作業を可能としております。
[事業系統図]
クリアルグループの事業系統図は以下のとおりです。
※「CREAL」は短期の資産運用(5年以内)サービスとなりますが、サービスローンチから2025年3月末までの各ファンドの想定運用期間は1か月~7年となっております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてクリアルが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 会社の経営の基本方針
クリアルグループは、「不動産投資を変え、社会を変える」というグループミッションを掲げております。魅力的な資産運用の手段である不動産投資について、投資の機会が一部の富裕層や機関投資家に限定され、また管理手法や業務プロセスには依然として非効率な状況にあるという社会課題に対して、クリアルグループは不動産投資プロセスにDXを推し進めることにより、不動産投資を変え課題を解決いたします。具体的には、クリアルでは、従前より機関投資家等のプロ向けに不動産投資運用サービス「CREAL PRO」を展開しておりますが、クリアルの有するプロ向け資産運用ノウハウにDXを組み合わせ、一般個人には手の届きにくい非公開市場である不動産投資市場へすべての個人がアクセスできるようなプラットフォームを構築しています。クリアルが運営する、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は、クラウドファンディングを活用することによりこれまで多額の資金や借入、時間と手間が必要であった不動産投資を一口1万円からオンラインで誰もが気軽に始められる新しい資産運用ツールとなります。また、「CREAL PB」は、物件の仕入、販売、顧客管理といった不動産投資運用のさまざまなプロセスにITを活用することで業務効率向上と中間費用の削減を目指し、個人投資家が実物不動産投資による中長期的な資産形成を効率的に行うためのサービスとなります。
(2) 経営環境
新型コロナウイルス感染症の拡大は、わが国の経済や雇用に大きな影響を与え、多くの人に将来に対する生活不安を与えております。このような状況の中、将来を見越した投資、生活防衛のための資産運用の重要性については注目が集まっており、国内の少子高齢化が進む「人生百年時代」といわれる社会情勢にも後押しされ、老後資金についての関心はますます高まっております。「資産運用」という市場は拡大傾向にあり、中でも「Fintech」を活用した資産運用のツールは急速に拡大しております。
「資産運用」と「ITの活用」という拡大が見込まれる二つの領域は、参入企業は多いものの、市場の成長性を鑑みると市場のポテンシャルは高く、クリアルの不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」には大きな可能性があると考えております。不動産投資クラウドファンディングのマーケットはグローバルで約142億ドル(2022年)から、今後は約7,934億ドル(2032年)まで成長するという予測がなされております。日本においても約10億ドル(2022年)から、今後は約583億ドル(2032年)へと成長するという予測もなされております(注1)。このように不動産投資クラウドファンディングのマーケットは、日本・海外ともに大きな市場の成長が想定されます。
(注)1.Polaris Market Research & Consulting LLP, Real Estate Crowdfunding Market Report (Forecast to 2032)より。
① 不動産テック(注1)×EC(注2)というユニークなビジネスと多様なメンバー構成
クリアルは、IT業界において熟練した技術経験を積んだエンジニア・デザイナー・マーケターで構成されるDX事業本部と不動産ファンド事業において長年の経験を有するメンバーで構成されたCREAL事業本部を同時に有し、業界でも非常に稀有なポジショニングを有しております。長らくイノベーションが発生していなかった不動産投資プロセスにDXを推し進める不動産テック会社であり、ITの活用による業務効率向上と中間費用削減により、投資家の皆様に安定的なリターンの提供が可能となります。
また、同時に自社で組成したファンド商品を自社で運営する不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」にてダイレクトに販売するEC事業の側面を有します。自ら商品を企画・組成の上、一般個人投資家への販売までも一貫してオンライン上で直接行う、ユニークな事業モデルを展開しております。
(注)1.不動産テックとは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのことをいいます。
2.ECとは、Electronic Commerceの略で、日本においては「電子商取引」と訳され、インターネットを利用して、売買、決済及びサービスの契約等の商取引を行うことをいいます。
② 不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL(クリアル)」の競争優位性
「CREAL」は、クラウドファンディングを活用した不動産ファンドオンラインマーケットです。投資家が一口1万円からすべてオンラインで不動産投資運用を完結することができる仕組みであり、不動産投資運用のDXを推進する事業です。競争優位性の源泉はシステム開発能力、商品組成、マーケティングの3点にあると考えます。
・システム開発における優位性
社内のエンジニア・デザイナーによる自社開発であり、投資家のニーズを「CREAL」のシステムにスピーディーに反映することが可能です。技術基盤と洗練されたUI/UX(注1)により、「CREAL」は『Ruby biz Grand prix 2020』(主催:Ruby biz グランプリ実行委員会(事務局:島根県 商工労働部 産業振興課 情報産業振興室))においてVertical Solution賞を受賞、また2020年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しております。
・商品組成における優位性
不動産ファンド事業において長年の経験を有するメンバーで構成されたCREAL事業本部におけるノウハウにより、サービスローンチ以来、保育園、学校、ホテル、オフィス、レジデンス等の様々なアセットタイプの商品化を実現しております。現在ESG不動産の仕入れネットワークとして老人ホーム、保育園における運営者及び中古マンションリノベーション会社からの直接の案件持ち込みを企図して、以下の会社と案件供給の業務提携契約を締結しております。運営者にとっても、バランスシートを使わずに不動産開発を行うことが理想であり、かつ「CREAL」の広範な登録会員へ施設を直接アピールできるという魅力は大きく、クリアルが推し進めるESG不動産タイプであるヘルスケア、保育園施設等の運営者及び中古リノベーション会社との間で案件供給の業務提携契約の締結を重点的に進めてまいります。なお、現段階において、一部の業務提携先との間では物件の売買取引成立にまで至っていない場合がありますが、具体的な物件の紹介についてはいずれの業務提携先からも既に受けております。
・マーケティングにおける優位性
投資未経験の方に投資に対して広く関心を持って頂けるようなサービスを目指し、自社でのオンラインマーケティングの他に、以下のパートナーと提携しています。提携パートナーがお客様へ「CREAL」の紹介・誘導を行う報酬として、クリアルがお客様から頂く手数料を提携パートナーとシェアしており、今後も提携パートナーを増やしていく方針です。
以上の強みを背景に、クリアルの不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は、高い資金調達力を誇っており、2024年3月末日現在において、108ファンドを組成し、うち78ファンドは償還済みであり、いずれも元本割れ・配当遅延も無く想定利回りの配当を完了しております。
(注)1.「UI/UX」のUIとは、User Interface(ユーザー インターフェース)の略で、インターネットサービスとユーザーの接点です。UXはUser Experience(ユーザー エクスペリエンス)の略で、ユーザーがサービスを通じて得る体験のことをいいます。
③ 「CREAL」の高い再投資率による積み上型モデルとしての収益安定性
「CREAL」は、ファンドが成立した場合に一定の管理手数料(アップフロント・フィー)を、また、ファンド運営時にも管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領します。さらに、ファンド運営終了時においては売却手数料(エグジット・フィー)に加え、クリアルが物件を売却し利益が生じた場合には、当該売却利益の全部もしくはその一部(プロフィットシェア)を獲得します。投資家へ安定した投資商品を供給する対価としての手数料と、商品の利回り実績が、あらかじめ投資家へ提示している想定利回りを上回ったときに得られるプロフィットシェア(成功報酬)の二段構えのフィー体系となっており、投資家の満足度を維持しつつクリアルにとっても安定かつ収益率の高いフィー体系となっております。また、「CREAL」における投資家のリピート投資率(注1)は安定的に推移しており、ファンド運営終了後も償還された金額と同水準、もしくはそれ以上の金額を新ファンドへ投資するロイヤルティの高いユーザー層を獲得しており、安定的な積み上げ型モデルの収益構造となっております。
(注)1.「リピート投資率」とは、GMV(注2)のうち過去1年間において投資実績がある登録会員の投資金額の割合を指し、以下の計算式で算出されます。
2. GMVとは「流通取引総額:Gross Merchandise Value」の略であり、「CREAL」においてファンド組成のため投資家から調達した資金額をいいます。
④ 「CREAL PRO」及びDX化を通じた「CREAL PB」の成長ポテンシャル
「CREAL PRO」は機関投資家や超富裕層を顧客とした不動産ファンド事業が中心となります。取得対象となる不動産は相対的に大きい規模(10億以上~)となり、かかる対象市場は主に不動産証券化市場になります。当該市場は年間約33兆円(注2)の市場規模であり、大きな市場となります。
また、「CREAL PB」では都心部の中古区分マンションの販売及びその後の各種管理サービスの提供を行っていますが、首都圏の区分マンションの年間取引額約1.7兆円(注1)のなかで、「CREAL PB」のシェアは0.4%であり、DX化により差別化されたサービスや効率的な業務運営を通じ大きな成長ポテンシャルがあります。「CREAL PB」ではクリアルが独自で開発する「CREAL buyer」「CREAL concierge」がビジネスの各バリューチェーンにおいてDX化を推し進めており、IT化が今後進展していく不動産業界の中で、その強みを生かして大きな成長を目指します。
(注)1.国土交通省 土地・建設産業局 不動産市場整備課「不動産投資市場の現状について」
2.公益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ(2023年4月度~2024年3月度) Ⅰ.中古マンションレポート 1.首都圏・都県別概況 (1)成約状況」より算出。
⑤ 「CREAL」を起点とした「CREAL PRO」及び「CREAL PB」の事業シナジー
「CREAL」における各種ファンドの物件売却先として「CREAL PRO」が展開する機関投資家や超富裕層向けの不動産ファンドへの売却を推し進めております。その結果、「CREAL」投資家への安定的なリターンの提供のみならず、「CREAL PRO」の顧客である機関投資家・超富裕層に対しても良質な投資案件を独占的に紹介できるといったメリットがあります。また「CREAL」オンライン投資家の中には、中長期な資産運用形成の実現のために実物不動産投資に興味がある投資家も一定数存在しており、そのような投資家を「CREAL PB」へ送客するケースや、「CREAL PB」の富裕層顧客を「CREAL PRO」へ送客するケース等もあり、クロスセル(注1)の実現を図っております。
(注)1.クロスセルとはある商品の購入を検討している顧客に対し、別の商品も組み合わせで購入してもらうための営業活動のことをいいます。
① 経営戦略
クリアルグループは、従来イノベーションが進んでいなかった不動産投資のプロセス変革のため積極的なIT投資を継続的に行っており、そうした成長投資の継続により「CREAL」を資産運用の代表的なサービスとしての地位を確立いたします。また、「CREAL PB」ではクリアルが独自で開発する「CREAL buyer」「CREAL concierge」、及び「その他」では「CREAL manager」を活用し、IT化が今後進展していく不動産業界の中で、差別化されたDX戦略により成長を図っていきます。
「CREAL」、「CREAL PRO」、「CREAL PB」の商品ラインナップで、誰もが不動産投資による安定的な資産運用を実践できる社会、すなわち資産運用の民主化を目指していきます。
② 目標とする経営指標
クリアルグループの主な収益の源泉は、「CREAL」上でファンド組成・運用・物件の売却を行う場合に発生する一連の各種フィー及び売却益(第1 3 事業の内容 (2)事業の特徴 に記載)及び「CREAL PRO」におけるアセットマネジメント・フィーや不動産の売却益、並びに「CREAL PB」における投資用不動産の売却益となります。なお、クリアル「CREAL」における一連の各種フィーは、概ね以下のように設定しております。
すなわち、GMVが増加すればクリアルが収受する各種フィーもダイレクトに増加いたします。このように「CREAL」においてはECサイトのフィーモデルと近い体系となっており、そのため経営指標としてGMVを重視しております。
様々なDX開発を行うクリアルグループにおいては、人件費を含む開発費用のほか、継続的に広告宣伝費等の販管費が先行投資として必要です。そのため、クリアルグループの事業基盤の着実な拡大を把握する指標として、営業利益ではなく、売上総利益を重要視する指標の1つとしております。
従って、クリアルの目標とする経営指標はクリアルグループ及び各サービス毎の売上総利益、並びに「CREAL」におけるGMVが最も重要な経営指標(以下、「KPI」という。)となります。
また、「CREAL」に係るKPIについては、登録会員数、累計調達額及びリピート投資率を重視しており、サービス開始以来の推移は以下のとおりです。
(注)1.「登録会員数」とは、本人確認及び登録審査手続きを終えて口座開設が完了し、いつでも投資が行える状態にある会員の数を指します。また、数値は期末時点のものになります。
2.「累計調達額」とは、実際の物件取得の金額のうち「CREAL」を通じて調達した金額の総累計額(償還額は控除せず)を指します。
① 不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の認知度の更なる向上
事業の成長のためには、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の登録会員数増加とそれに伴うGMVの継続的な増加が不可欠です。サイトを魅力的に保つための創意工夫を継続的に実践していくとともに、各種マーケティング活動を通じて、更なる認知度の向上と登録会員数及びGMVの増加を図っていく必要があります。
② 良質な不動産投資案件の仕入れ
投資家に対して安定的なリターンを創出し、かつ売却時にキャピタルゲインを獲得できる良質な不動産を安定的に仕入れることは、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」登録会員数及びGMVの増加と利益確保のために非常に重要なファクターとなります。クリアルの投資物件の情報入手は、不動産仲介会社及び事業提携をしているパイプライン提供企業からの日常的な情報提供が中心であります。今後は、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の認知度・知名度拡大により仲介会社を介さない不動産保有者からのダイレクトソーシングを推進するとともに、ホテル・介護施設・病院・保育園、デベロッパー等といった運営会社を始めとするパイプライン提携企業を増やし、継続的にネットワークを拡大していくことが、案件の安定的な確保のために重要と考えています。また、良質な不動産投資案件の仕入れは「CREAL PB」及び「CREAL PRO」においても重要な課題であり、同様の取り組みを通じて案件の拡充をしていくとともに、特に「CREAL PB」においては、クリアル開発の物件仕入ツール「CREAL buyer」から収集した投資物件情報からのスクリーニングも活用し、効率的な仕入活動を行っていく方針です。
③ 新規許認可の取得
クリアルは不動産特定共同事業法に基づく第三号及び第四号事業者(注1)としての許可につき金融庁及び国土交通省へ申請中となります。当該許可を取得することにより、外部のSPCを利用したクラウドファンディングでの案件組成が可能となります。外部のSPCにてクラウドファンディングを活用することで、「物件のオフバランス化」「金融機関・機関投資家のファンドへの参画」が期待され、より大型の案件組成も可能となることから、早期の許認可取得を目指し体制整備を行っております。
(注)1. 不動産特定共同事業法2条4項3号・4号に掲げる行為を業とする事業者
④ 優秀な人材の確保と育成
クリアルグループは今後の事業の拡大のために優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。そのため、継続的に業界経験者を中心とした中途採用を行っております。また、入社した社員に対しては定期的に社内の研修プランに従った研修・教育を実施することによりその育成に取り組んでおります。今後も継続的に採用を進め、社員への研修・教育制度の質を高めていくことで、優秀な人材の確保と育成を推進する方針であります。
⑤ 内部管理体制の強化
クリアルグループの更なる事業の拡大、継続的な成長のためには、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの更なる強化が重要な課題となります。クリアルグループは、監査役と内部監査室の連携、経営陣や従業員に対する研修の実施等を通じて、内部管理体制の一層の強化に取り組んでいく方針であります。
⑥ 財務基盤の強化
クリアルグループにおいて、新たなサービスの新規開発に取り組むため、また良質な不動産を安定的に仕入れるためには、手許資金の流動性確保が重要であると認識しております。このため、金融機関との良好な取引関係の構築や、内部留保の確保を継続的に行い、財務基盤の強化を図ってまいります。
クリアルグループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資判断上重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しています。クリアルグループはこれらのリスクの可能性を十分認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針です。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてクリアルグループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)クリアルのリスクマネジメント体制
クリアルは、リスクの顕在化防止のため、また発生した場合の適切な対応による損失の最小化を図るため、代表取締役社長を委員長とし、取締役を中心に構成するリスク管理委員会を設置しております。
(2)クリアルのリスクマネジメント体制の運用状況
リスク管理委員会は、四半期に1回定期的に開催し、リスクの調査、その重要度に応じた各種リスクへの対応策の検討及び決定、対策の実施状況のモニタリング等を行っております。
(3)事業等のリスク
① 不動産市場の動向について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クリアルグループが属する不動産業界は、景気動向、金利動向及び地価の変動等の不動産市場の動向に影響され、クリアルグループにおいてもこれらの経済情勢の変化により、各事業の業績に影響を受けます。将来不動産価格が下落した場合には、たな卸資産の評価損が発生する可能性があります。また、不動産の価格が高騰し、これに伴い購入金額が上昇した場合には、物件の仕入が困難となる可能性があり、また、販売の際にはその収益性が低下し、クリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。もっとも、クリアルの運営する不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の活用により、クリアルは銀行借入に依存することなく個人からダイレクトに資金を調達することができるため、金融機関の貸出姿勢の変化にかかわらず安定して不動産への投資が可能となっております。
② コロナウイルス感染症の拡大について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
新型コロナウイルス感染症の拡大は、生活防衛のための資産運用の重要性につき認識される契機となり、在宅ワークを通じた個人投資家の時間的融通もあり、クリアルグループの展開するサービスへの追い風となる側面があります。一方で、その影響が長期化し経済不況が生じるような場合には、資産運用に対するニーズの動向が不透明になる可能性があり、また経済不況が不動産市況に影響がある場合には、不動産価格の下落や各種不動産の稼働率低下等を通じて、クリアルの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、クリアルグループでは各種不動産に対して適切なアセットアロケーションを図るとともに、運営状況を慎重に把握することとしています。
③ 劣後出資を通じて案件売却時に損失が発生する可能性について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クリアルの運営する不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」では、投資家保護の観点から、出資持分を優先部分と劣後部分に分け、優先部分を保有する投資家は劣後部分を保有する投資家より優先的に配当等を受け取る仕組みを構築しております。想定どおりに収益が生じなかった場合のリスクを、劣後部分を有する投資家(クリアル)が劣後出資額を上限として負担することにより、優先部分への配当等の確実性を高めております。結果的には優先部分は劣後部分に比べてリターンは低くなるものの安定性が高く、劣後部分はハイリスク・ハイリターンとなります。なお、2020年12月以後の案件においては劣後出資割合を5%程度と設定しております。
クリアルは投資案件毎に案件総額の5%〜20%を劣後出資部分として投資(劣後出資)しています。つまり、投資案件売却時に損失が発生する場合には、劣後出資額を上限としてクリアルが優先して損失を負担することから、不動産市況次第では売却時に損失が出る可能性があります。なお、当該劣後出資についてはクリアルのみ出資を可能としております。
売却時期においては原則として事前に案内をしている想定運用期間内で売却を目指しますが、例外として想定運用期間内に対象不動産の売却が完了しない場合には満了日の1ヶ月前までに投資家へ通知することにより、満了日から60ヶ月を超えない範囲で期間を延長する場合がございます。すなわち、不動産市況が下降局面で売却損失が発生する可能性が高い場合は、投資家との契約上、投資期間を長期に延長し、不動産市況が回復することを待つことのできる合意を予めとりつけております。かかる対応策を講じているにもかかわらず、売却損失が多く発生する場合には、クリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、サービス開始から2021年12月末現在に至るまで売却損失が発生した案件はございません。
④ クラウドファンディング市場の成長性について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
不動産投資クラウドファンディングのマーケットはグローバルで約2,434億円(2016年)から約2兆3,733億円(2020年)へ拡大し、今後は42兆1,221億円(2026年)まで成長するという予測がなされております。日本おいても約85億円(2016年)から約850億円(2020年)まで拡大しており、今後は約1兆5,331億円(2026年)へと成長するという予測もされております。今後もクリアルとしては投資リターンを目的とした商品の市場成長を期待していますが、クラウドファンディング市場の成長速度によっては会員獲得のスピード、ひいてはクリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」案件募集時に成立下限額を調達できない場合について
(顕在化可能性:低/影響度:小/発生時期:特定時期なし)
「CREAL」にて大型案件を募集する際には、案件成立にあたっての下限調達額を設定することがあります。投資家からの応募金額が下限調達額を下回る場合には案件自体が成立せず、応募金額を投資家に返還することになりますが、案件の不成立が続く場合には投資家からの応募が減少していく可能性があり、ひいてはクリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また成立下限額を調達できない場合、募集の前提となる不動産の売買契約の条件によっては、売主へ違約金を支払う場合があり、当該違約金の支払いがクリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 案件仕入について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クリアルグループの資産運用プラットフォーム事業では、個人向け及び法人向けに数多くの投資対象から良質と思われる案件の仕入れを行っていますが、それらは仲介会社、施設運営会社(ホテル・介護施設・病院・保育園等の運営者)、一般事業法人、個人不動産オーナー等多岐に分散しています。案件仕入は特定の会社に集中せずに常に広いネットワークの中から行っていますが、クリアルグループが良質と判断できる案件の仕入れを計画通りに行うことができない場合、売上や各種フィー収入の減少を通じて、クリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 引き渡し時期による業績の変動について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クリアルグループでは、不動産の売却にあたっては引渡基準を採用しています。クリアルグループでは、引き渡し時期による業績の変動がないように案件管理・期日管理を徹底しておりますが、案件によっては1件あたりの売上高や損益が財務数値に大きな影響を与えることがあり、そのような案件の引渡し時期が計画に対して前後することにより、クリアルグループの四半期や年度損益に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ KPIの動向について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クリアルグループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営戦略及び目標とする経営指標」に記載の通り、各種KPIを設定して経営状況の管理を行っています。これらKPIの達成やその指標の改善に常に努めておりますが、各種KPIの実績が大幅に悪化することを通じて、売上高や収益率に大きな悪影響を及ぼし、クリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 競合について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クラウドファンディング市場は急速な勢いで成長しているため、既存企業や新規参入企業との競合はあるものの、現在は市場成長の恩恵が上回っているものと考えています。しかしながら、今後市場の成長が鈍化した場合、あるいは参入企業が多く増える場合には、新規投資家獲得速度の減速や投資家離脱、あるいは投資家あたりの投資金額減少を通じて、クリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 人材の確保について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クリアルグループでは、今後の事業拡大のためには、優秀な人材を確保することが最重要課題だと考えています。このため、今後も優秀な人材の採用及び教育研修実施の機会・内容の充実により、クリアルグループの企業理念及び経営方針を理解した、クリアルの成長を支える社員の育成を行うとともに、優秀な人材の確保を継続して行ってまいりますが、計画どおりに人材が確保できない場合には、クリアルグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 小規模組織であることについて
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
本書提出日現在におけるクリアルグループの組織は小規模であり、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制を構築しております。このため、業容拡大に応じた人員を確保できず、役職員による業務遂行に支障が生じる場合、あるいは役職員が予期せず退任又は退職した場合、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、クリアルグループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 訴訟などの可能性について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クリアルグループでは、コンプライアンス経営の重要性を認識しており、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。クリアルグループの事業に関連して、過去第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありませんが、クリアルグループが販売した物件の契約不適合やクレーム等に起因する訴訟等が発生する可能性は存在します。訴訟等の内容及び結果によっては、クリアルグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 契約不適合責任について
(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クリアルグループが販売した物件に対して民法及び宅地建物取引業法のもと、契約不適合責任を負っています。万が一、クリアルが販売した物件に契約の内容に適合しないものがあるとされた場合には、クリアルは契約不適合責任に基づく、補修工事費用の負担等を追うことがあり、クリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 個人情報の管理について
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
クリアルグループの事業活動において、顧客・取引先・クラウドファンディングの会員の機密情報や個人情報を取得・保有しています。クリアルグループでは、これらの情報流出を防止するために、情報管理規程を定め、個人情報の保護に関する法律、関係諸法令及び監督当局のガイドライン等を遵守し、社内規程の制定及び管理体制の確立を図るとともに、個人情報管理責任者を選任して、上記関係規範を従業員に周知・徹底しています。個人情報の取り扱いについては、今後も、細心の注意を払ってまいりますが、不測の事態によってクリアルグループが保有する個人情報が外部流出した場合、賠償責任を課せられるリスクやクリアルグループに対する信用が毀損するリスク等があり、クリアルグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 災害の発生及び地域偏在について
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
地震、暴風雨、洪水等の自然災害、暴動、火災等の人災、感染症の拡大が発生した場合、クリアルグループが保有する不動産の価値が大きく毀損する可能性があり、クリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、クリアルグループが保有する不動産は、売却時の需要を考慮した上で、東京を中心とする首都圏所在の比率が高い状況にあり、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化等により、クリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 法的規制等について
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
クリアルグループが行う事業につきましては、以下の法令等による規制を受けています。しかしながら、今後、これらの法令等の解釈の変更及び改正が行われた場合、また、クリアルグループが行う事業を規制する法令等が新たに制定された場合には、事業内容の変更や新たなコスト発生等により、クリアルグループの業績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、クリアルグループが取得している以下の許認可(登録)等につき、本書提出日現在において事業主として欠格事由及びこれらの許認可(登録)の取消事由に該当する事実はないことを認識していますが、今後、欠格事由又は取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消等の事態が発生した場合には、クリアルグループの事業に支障を来たすと共に業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」については、不動産特定共同事業法に基づき運営していますが、クラウドファンディング市場の歴史がまだ浅く、今後、不動産特定共同事業法の改正等が生じる可能性があります。かかる改正等が生じた場合は、クリアルとして直ちに対応していく方針ですが、法改正による規制強化等によって事業運営に与える影響が大きい場合には、事業活動、並びに財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(a) クリアルグループの事業活動に関係する主な法的規制
(b) クリアルグループの取得している免許・登録等
クリアル
クリアルパートナーズ株式会社
⑰ システムリスクについて
(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
クリアルの不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は、外部のサーバーや通信ネットワークシステムを利用し、事業を運営しています。従いまして、サーバーのシステムダウンや外部からの不正アクセス、サイバー攻撃等により、「CREAL」に何かしらの問題が発生した場合には、「CREAL」の運営に支障を来たし、クリアルグループに対する信用の毀損を通じて、クリアルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑱ 配当政策について
(顕在化可能性:事業計画の進捗状況による/影響度:小/発生時期:特定時期なし)
クリアルは、株主への利益還元を経営上の重要な課題として認識しており、事業基盤の整備や事業展開の状況、経営成績や財政状態等を総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。
クリアルは、現在では「CREAL」の事業拡大を積極的に推進しており、成長過程にあることから、内部留保の充実を図り、組織体制、システム環境の整備への投資等の財源として資金を有効活用することが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。クリアルは、将来において、財政状態及び経営成績を勘案しながら配当を実施していく方針ではありますが、現時点において、今後の具体的な配当方針については未定であります。
⑲ ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
(顕在化可能性:高/影響度:小/発生時期:権利行使期間内)
クリアルでは、取締役、監査役、従業員等に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しています。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は484,800株であり、発行済株式総数4,272,000株の11.3%に相当します。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。
⑳ 大株主との関係について
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クリアル取締役会長である徳山明成は、クリアルの大株主であり、同氏の資産管理会社及び近親者の所有株式数を含めると、本書提出日現在で発行済株式総数の64.1%の議決権を所有しております。本募集及び売出しにより支配株主ではなくなる予定ですが、引き続き大株主となる見込みです。同氏は、現在クリアルの非常勤取締役として業務執行取締役ではないものの、相応の稼働時間をもって取引先開拓等の各種側面支援を行っており、今後も安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。同氏は安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、クリアル株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
クリアルは、株式会社東京証券取引所への上場を予定しており、上場に際しては、公募増資及び売出しによってクリアル株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において31.4%にとどまる見込みです。今後は、クリアルの事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、クリアル株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりクリアル株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(顕在化可能性:低/影響度:小/発生時期:特定時期なし)
クリアルが計画している公募増資による調達資金については、既存社債の償還資金及びクラウドファンディングに係る劣後出資のための資金に充当する予定であります。しかしながら、クラウドファンディングは市場環境の変化が激しく、今後の事業展開において事業計画の変更が必要となり、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があります。その場合は、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。
また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性があります。
(顕在化可能性:低/影響度:小/発生時期:特定時期なし)
クリアルでは、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」における劣後出資への充当資金や自社で取得する物件の取得資金について、一部をクリアルの個人株主櫻井恵子氏とその親族である株主(以下、総称して「取引先株主」という。)が所有する資産管理会社より調達しております。個人投資家から資金調達した経緯は、不動産特定共同事業法の特性上、購入物件につき第三者への担保提供ができないことに起因し、金融機関の融資姿勢が厳しかったことによります。2021年3月末時点において、当該取引先株主の資産管理会社からの資金調達残高が連結有利子負債総額に占める割合は約55%となっております。また、取引先株主及びその資産管理会社とは、アセットマネジメント契約に基づくアセットマネジメント報酬の受領や不動産取引の実績があります。
本書提出日現在における当該取引先株主のクリアル株式保有比率は、発行済株式総数の9.1%となっております。最近2連結会計年度における、当該取引先株主及びその資産管理会社2社とクリアルとの取引の状況は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1.個人株主櫻井恵子氏及び有限会社ラ・バース並びに合同会社HAKとのアセットマネジメント契約、仲介契約に関する取引及び匿名組合契約に関する取引条件については、他の投資家と同一の取引条件となっております。
2.有限会社ラ・バースとの社債の発行、及び利息の支払いに関する取引条件については、資金充当の対象となる物件の利回り等に基づき、個別交渉の上、取締役会による承認決議を得て決定しております。
クリアルでは、当該取引先株主の資産管理会社より調達した劣後出資への充当資金及び物件の取得資金について、上場を通じて調達する資金により全額返済する方針であり、又今後の必要資金については、自己資金や金融機関からの融資に切り替えていく方針であります。加えて、「CREAL」及び「CREAL Partners」の事業成長、「CREAL Pro」の他の投資家とのアセットマネジメント契約の促進、及び他の資金調達先の確保が進捗しており、当該取引先株主への取引依存度は一層低減していく予定であります。
しかしながら、上場時の資金調達がクリアルの想定を下回る場合や取引金融機関の融資姿勢が大幅に変更された場合、事業運営に必要な資金が確保できず、クリアルグループの事業活動並びに、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該取引先株主の資産管理会社より調達した劣後出資への充当資金及び物件の取得資金についての全額返済が困難になる可能性があります。
クリアルは、取引先株主及びその資産管理会社との間で良好な関係を築いており、現時点において取引関係等に支障を来たす事象は生じておらず、今後も継続的な取引が維持されるものと見込んでおります。また、「CREAL」の事業拡大により、主に「CREAL Pro」を構成する、取引先株主及びその資産管理会社への取引依存度は今後低減していくことを見込んでおります。しかしながら、今後何らかの理由により契約の更新がなされない場合や、取引条件の変更が生ずる場合等には、クリアルの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。クリアルとしては、今後も他社への売上高の拡大に努めることで、当該特定取引先への依存度低下を図り、リスクの逓減に努める方針です。