クリエイト(3024)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


クリエイト(3024)の株価チャート クリエイト(3024)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

クリエイトグループ(クリエイト及びクリエイトの関係会社)は、クリエイト(クリエイト株式会社)、連結子会社4社(ダイドレ株式会社、ダイポリシステム株式会社、クリテック株式会社、株式会社ハネイシ)により構成されており、管工機材等の販売を主な事業としております。

各事業におけるクリエイト及び関係会社の位置付け等は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(管工機材)

パイプ・継手・バルブ等の管工機材商品の販売を主たる業務としております。ダイドレ株式会社は、主に排水継手・排水器具・マンホール等のトーロー印商品を製造しており、クリエイトはトーロー印商品の総販売代理店として販売しております。

 

(施工関連)

工事の請負等であります。

 

(物流関連)

一般運送事業であります。

 

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

管工機材等の取扱主要商品は、次のとおりであります。

 

商品区分

主 要 商 品

排水・汚水関連商品

※ねじ込み式排水管継手(ドレネージ継手)
※排水用各種器具(排水器具、防水継手、ルーフドレン等)
※マンホールカバー、※排水鋼管用可とう継手(MD継手)
排水集合管、耐火二層管

給湯・給水関連商品

鋼管、被覆鋼管、鋼管用継手、溶接継手、ステンレス管及び継手
銅管及び継手、樹脂管及び継手、ポリエチレンパイプ及び接手

化成商品

塩化ビニルパイプ及び継手、各種ポリエチレン管及び継手

耐火ビニルパイプ・耐火透明継手

空調ドレンパイプ・ドレン透明継手

排水マス、雨水マス、雨水浸透マス、公共マス、下水道用継手、雨水貯留そう

その他

空調用ダクト、通気弁、各種バルブ、フレキシブル継手
住宅設備機器類(エアコン、換気扇等)、
水栓、蓄電池、オゾン発生器、水素発生器、浄水器、受水槽、その他

 

※ クリエイトの連結子会社であるダイドレ㈱が製造し、クリエイトが販売するトーロー印商品を含みます。

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてクリエイトグループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針
  クリエイトグループは、社是である「和を以て尊しと為す」を創業以来大切に想い、グループ理念として『安全安心で快適な「環境」と「信頼」をお届けする』を掲げています。

 暮らしや産業、公共の社会基盤を支えることを使命と考え、管工機材と住宅設備資材等を販売することを通して、安全かつ快適な暮らしができる社会づくりに貢献することを経営の基本方針としています。

  この基本方針のもと、持続的な企業価値の向上を図り、全てのステークホルダーの「信頼と期待」に応えていく企業活動を実践してまいります 。

 

(2)目標とする経営指標

主な経営指標としては、売上高の安定的な拡大及び収益力を示す営業利益、経常利益の向上を目標としております。一方で収益性だけでなく資本コストを意識し、資本効率指標となるROE(自己資本利益率)を重視しております。財務の健全性は、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の適正化、バランスシートのコントロールにより資産効率指標である自己資本比率の向上に、取り組んでいます。

 

(3)経営環境
  国内経済は、インバウンドが牽引する個人消費の持ち直しや半導体工場関連の投資に加えて、自動化・省力化や脱炭素に向けた関連投資の設備投資が活発になり、景気は内需を中心に回復基調が続いています。

一方で、物価高、人手不足、実質賃金のマイナス、金利の動向、行き過ぎた円安、世界経済の減速リスク等今後の見通しは不確実性が高く、注視する必要があります。特に住宅業界においては、人口と世帯数の減少や住宅の長寿命化により新設住宅着工戸数が大きく減少することが予測されており、クリエイトグループにとって厳しい事業環境が予想されます。

また、気候変動による環境問題及び人権問題、高齢化社会の進行等の社会問題もますます深刻化しており、サステナビリティ意識の高まりやデジタル化等、企業を取り巻く環境は急激に変化しています。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略

上記のような経営環境のもと、クリエイトグループは、2024年4月から2027年3月までの3か年を対象期間とする中期経営計画「 Vision 110 」を策定し、3月に開示しました。

中計ビジョンである以下を実現するための戦略をスピーディに実行し、着実に成果につなげていくことが、クリエイトグループの対処すべき最大課題と認識しています。

 

<中計ビジョン>

1)2026年1月に創業110周年を迎え、節目となる中計最終年度の2026年度に初の営業利益10億円をグループをあげて達成する。

2)企業価値の向上、持続的な成長に向けて、次の成長ステージのための基盤づくりをする。

今回、中計を策定するにあたり、グループとして統一感をもった新たな“ グループ理念 ”と ”グループビジョン”に修正しました。

 

<グループ理念>

“安全安心で快適な「環境」と「信頼」をお届けする ”

「環境」はクリエイトグループの製造・卸・加工・施工・運送全てのビジネス、提供する機能に該当します。また、「信頼」は、お客様から評価される全ての商品・サービスの原点であり、グループ全役職員が責任をもってつくりあげるものであり、この理念を常に拠り所とします。

 

 

<グループビジョン>

“ レガシーと変革スピリットを常に持ち続ける ”

今までの2つのビジョン「100年の誇りとDNAを絶やすことなく、誠実な経営をつないでいく」と「変化に果敢に挑戦し、持続的に企業価値を向上させる」を「レガシー=過去を受け継ぐこと」と「変革スピリット=変革への挑戦心」でひとつに表現し、グループのありたい姿=ビジョンとして追求してまいります。

 

<連結経営目標>

 

2024年3月期

実績

2027年3月期

中期経営計画

売上高

35,860百万円

44,000百万円

営業利益

413百万円

1,000百万円

ROE

2.9%

10%水準

自己資本比率

28.9%

30%以上

配当性向

70.7%

30%を基準とする

基本方針

 

グループ各社の戦略とグループシナジーの発揮により、最終年度連結売上高440億円、営業利益10億円を目標とします。財務目標は、現状の資本コスト(3%レベル)を踏まえ資本効率を意識し、ROE10%水準を目指して、PBR1倍割れ解消へ向けた改善を実現します。

また、財務の健全性は、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の縮小、売上債権の流動化、調達資金の長短バランスの適正化等バランスシートのコントロールにより、及第点である自己資本比率30%以上を目標とします。株主還元については、連結配当性向30%を基準として、業績動向等を総合的に勘案し配当金額を決定する方針としました。

 

<Vision 110の基本戦略>

1 財務・資本戦略

中計期間中のキャッシュフローを「戦略投資」「次世代に向けた成長投資」「株主還元」を明確化して、キャッシュ・アロケーションを設定します。戦略の実行と投資計画のモニタリングを通して、計画的な実行を進めます。

 


2 営業・製販戦略

既存ビジネスに加え、次の成長ステージに向け、市場拡大とニーズが高まる分野への販売基盤を確立します。脱炭素の動きが加速するなか太陽光・蓄電池、断熱材、水素関連製品等のサステナブル商材を重点拡販商品として施策を展開します。また、建設業許可を取得したことから工事を付与した受注促進にも取り組んでいきます。

さらに製造部門である子会社ダイドレは、新商品開発を積極推進し、強みとなるモノづくり機能を進化させていきます。

 

 

3 物流戦略

物流を“強み”とする差別化戦略で、「管材業界No.1物流」を目指します。営業所の拡張移転は、ターゲットエリアに対して、候補とする営業所の出店を中計期間内に段階的に実施します。併せて、メーカーの運送ニーズに対応する首都圏以外の展開は、運送子会社ハネイシを軸としてM&Aを含め物流拠点を拡大、流通網を充実させます。

戦略的投資となるセンター構想(東名阪エリアの増設・新設等)は、事業戦略を策定し、投資リターンを見極めたうえで実行を判断します。

 

4 人的資本経営・人事戦略

人財を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すために、人財育成・能力開発と環境整備を確立させます。グループ全体で企業価値向上を目指す必要があることから、グループで統一した教育プログラム、人事評価制度に整備していくことに注力していきます。

教育体制は、リスキリングを進めるこれまでの階層ごとの研修に加えて、意欲の高い人が志願する研修の制度設計やエグゼクティブ人財を育成する制度を創設しました。

評価制度は、目標設定(社内KPI)、総合評価の整備、期待される行動要件の統一化等を刷新できるよう取り組んでいきます。

人事制度は、キャリアプラン作成によりキャリアパスの明示、ジョブローテーションの実施を進め、タレントマネジメントシステムを活用して「人財ポートフォリオ」を把握して、経営戦略と連動させることを目指します。前年、有価証券報告書に開示した人財育成方針・環境整備方針指標である「1on1ミーティングの実施率100%」「男性育休取得率100%」「女性管理職10%達成(8名)」も達成できるよう、PDCAサイクルを回していきます。

 

5 コーポレートガバナンスの強化

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために東証が進めるコーポレートガバナンス・コード83の原則の実行を受け身で捉えず、自律的に実効性高く運用することで、企業としての“強み”とします。今般、役員報酬制度に中長期のインセンティブを付与した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット(PSU))を導入することで、さらに株主目線での経営を促進します。

コーポレートガバナンス・コードのなかでは、特に「後継者計画」「内部統制・リスクマネジメント」「取締役会の実効性評価」の3つを重点課題としています。

「後継者計画」は、従来からサクセッションプランによる経営スキル保有人財を育成していますが、より少人数に絞り込んだ能力開発、育成プランの実行と次世代の階層まで広げた整備を進めています。「内部統制・リスクマネジメント」は、役員と部門長でのリスク管理会議を通じて知識・スキルの向上とツールを活用した課題解決を進めるPDCAを実行しており、さらに体制の整備と運用の実効性向上を目指します。「取締役会の実効性評価」は、アンケートや議論から出た課題を取締役会の年間を通したアジェンダセッティングで、継続的にチェック&フォローすることで解決を図っています。

 

6 サステナビリティ経営の推進

クリエイトグループは、「SDGs」への取り組みを通じて、サステナビリティに貢献することを基本方針として取り組んでいます。この4月から推進のリーダー部署となる「サステナビリティ推進室」を新設、全体の旗振りを担います。気候変動リスクへの対応としては、大きな自然災害が発生した場合、被災後のサプライチェーン体制を維持するための復興体制や手順となるBCPを充実すべく整備を進めます。

脱炭素の取り組みに関しては、サステナブル商材の拡販、自社の車両・トラックのハイブリッド化、フォークリフトの電動化、照明設備のLED化、ペーパーレス化を進めながら、近い時期にCO2排出量のスコープ2レベルまでは把握していく方針です。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

(1) リスクマネジメント体制

クリエイトグループは、経営及び事業活動等に関する諸種のリスクは、取締役と管理部署の部門長により構成されるリスク管理会議において、リスクマネジメント体制の構築と運用にあたっています。リスク管理会議は、毎月開催され、事業リスクとオペレーションリスクで抽出されたリスクを評価・分析、対応策の策定とその運用状況の管理を実施します。

また、取締役会は、リスク管理会議で協議された内容の報告を受け、対応状況の論議、監督を行っています。

 

(2) 事業等のリスク

クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあります。クリエイトグループの経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクの特定・評価、見直し、対応策の策定、管理状況の確認はリスク管理会議において、年1回行っており、経営への「影響度」と「発生可能性」からリスクを分布したリスクマップを作成しています。

ただし、以下のリスクはクリエイトグループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、対応策もこれらのリスクを完全に排除するものではありません。なお、下記の事項は有価証券報告書提出日(2024年6月21日)現在において判断した記載となっています。

 


 

① 安全労働管理に関するリスクによる影響

クリエイトグループは、お客様へ迅速な配送を全国展開できる物流を強みとしており、営業現場及び東西の配送センタ―で倉庫・配送作業及び運送業務を行っております。

業務運営は、法令を遵守し安全面を最優先に配慮・対策を行っていますが、重大な労働災害・交通事故が発生した場合、人的損失及び被災者・被害者への補償、社会的信頼の失墜等により、信用・評価を大きく毀損することで、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。労働災害・交通事故の根絶に向けては、現場ごとに安全管理や対策が適切に履行されているか確認する「危険予知ミーティング」を全社的に定例実施しております。

 

② 建設市場動向による影響

クリエイトグループの主要販売品目である管工機材商品は、新設住宅着工戸数、公共事業建設、民間設備投資等の建設投資動向により需要が大きく増減する傾向があります。これらの建設投資の動向が、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

クリエイトグループは、市場動向に左右されにくい安定的な事業を拡大させるため、事業ポートフォリオについて、コア事業を見極めた強化と整理、収益力の向上、グループシナジーの発揮、新規事業の展開等の観点で見直し、経営資源を集中させて事業の最適化を進めています。また、今後、脱炭素の動きが加速するなかで、市場・顧客ニーズの高まるサステナブル商材の拡販を各支店の重点戦略として、市場動向を把握した重点拡販商品等の施策を展開、支店と営業本部一体となった営業推進を行っています。

 

③ 自然災害、感染症、予測困難な事象リスクによる影響

クリエイトグループは、全国に倉庫を併設した営業所と東西の物流センターを保有しておりますが、地震や台風、集中豪雨等の大規模自然災害や感染症に加え、予測困難な事象(火災・テロ・戦争・ITシステム障害・サイバー攻撃等)による事業停止の影響により、物流と配送が分断される可能性があります。大規模自然災害や感染症に対し、必要とされるBCP(事業継続計画)を策定して発生時の対策を行っておりますが、環境変化や影響が想定より大きい場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

クリエイトグループは、全国営業所の物流拠点を有することから、事業が停止した被災地区へ近隣拠点からの代替配送を行うことで、早期の事業復旧に向けた施策を推進します。 

 

④ サプライチェーンの安定性による影響

クリエイトグループは、多数の仕入先から多様な商材を仕入れており、仕入先の原材料・部品の調達はグローバル化が進み、サプライチェーンは、複雑化しています。想定を超えた自然災害、感染症の流行、政情不安等突発的な変化による生産の中断、輸送停止でサプライチェーンが分断・停滞した場合、代替品の調達ができず、お客様への供給で支障が生じ、クリエイトグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

リスクの対応策として、在庫の安定的な確保、同類商材の複数社調達、仕入先からの生産・供給の見通しの情報収集、需要側のニーズや動向を捉える等サプライチェーンマネジメントの取り組みを行っています。

また、運送会社の2024年問題による輸送能力の低下により、ジャストインタイムの競争優位性が確保できないことで顧客離れが加速化し、クリエイトグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

荷主企業としての対応策は、取引する運送会社と十分な連携をとり、配送の効率化、残業時間の改善に取り組んでいます。

 

⑤ 買収した投資資産に関するリスクによる影響

クリエイトグループは、M&Aによりグループ化した運送子会社を保有しております。当該会社に偶発債務や未認識債務が発生したり、計画どおりの利益が確保できず、買収額やのれん代として出資した投資額の回収が困難と判断し、当該のれん代や株式の減損損失を計上した場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

リスクを回避するために、M&A実施時には、各種デューデリジェンスを綿密に行い、実施後には、統合作業による体制整備、また、親会社からの社外取締役がモニタリングに取り組んでおります。

 

 

⑥ 競走下の販売環境による影響

クリエイトグループの属する管工機材業界は、垣根が低く成熟した市場であり、競合が激化、過度な値引競争が生じる環境となっています。加えて連結子会社のダイドレ株式会社が製造する金属系トーロー印商品の販売促進や商品開発に努めておりますが、製品素材が樹脂化と共に汎用化が加速され、価格が低下、過当競争で優位性が維持できなくなった場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

上記の環境化、中期経営計画の事業ポートフォリオ戦略では、既存ビジネスに加えて住宅設備やサステナブル商材の拡販、仕入先メーカーの最大ニーズである物流機能の拡大、商材と工事の一体受注等、次のコア事業に向けた取り組みを行っております。

また、得意先経営者の高齢化が進むなか、後継者難から事業承継が進まず、競合企業の子会社化、もしくは倒産・廃業に至ることで、得意先の減少が発生した場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 情報セキュリティリスクによる影響

クリエイトグループは事業活動を通して、取引先の個人情報及び機密情報、また、クリエイトグループの個人情報や機密情報を有しています。これらの情報に対するシステムのセキュリティ対策及びリスクマネジメント体制の強化を推進しております 。

しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により、万一、これらの情報が流出した場合や重要データの破壊・改ざん、システム停止等が生じた場合には、クリエイトグループの信用低下、被害を受けた方への損害賠償等の費用が発生し、財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

クリエイトグループは、多様化かつ巧妙化する情報セキュリティ上の脅威への対策として、サイバーセキュリティの技術的な対策に加え、階層別研修やeラーニング教育を通して、従業員の情報セキュリティ意識のレベルの向上に努めております。

また、情報システム部が中心となり、情報担当役員を責任者とする情報戦略委員会を設置し、各部門長が委員となり部門内の教育・啓発や対策を実施する取り組みで、情報セキュリティレベルを向上させています。

 

⑧ 法令・規制に関するリスクによる影響

連結子会社であるダイドレ株式会社が製造する排水継手・排水器具・マンホール類については「建築基準法」等、その他クリエイトグループ事業についても関連する法律や規制の適用を受けております。これらの法律の改廃や新設、適用基準の変更等により、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、事業活動に関連する法令・規制の遵守を徹底させるコンプライアンス体制の強化を図っておりますが、これら対策を講じても、不正行為やコンプライアンスに関するリスクを完全に回避することはできず、重大な法令違反等が発生した場合には、社会から信頼が失墜、主要な事業運営に支障をきたし、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

クリエイトグループは、法令とコンプライアンス遵守のために、基本理念となる「行動指針」を定め、階層別研修や定期的な社内周知等社員への啓発、教育活動を行っております。

 

⑨ 仕入価格の変動による影響

クリエイトグループの取り扱う管工機材商品は、仕入れメーカーの製造原価が原材料価格の変動に影響を受けるため、仕入価格が変動する可能性があります。仕入価格が上昇した場合、販売価格に転嫁することで、売上総利益を維持することを行っておりますが、価格転嫁が進まない、または価格転嫁までに長期間を要した場合は、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。

クリエイトグループは、仕入価格の変動を捉えるため、原材料価格の動きやマーケット動向等を仕入れメーカーと情報共有、連携強化を図り、販売先への価格転嫁が迅速にできるよう取り組んでおります。また、複数社購買を行うことでリスクを低減しております。海外からの調達については、為替の変動に影響を受けるため、為替予約で変動リスクを軽減しておりますが、予測の範囲を超える大幅な為替変動やヘッジ未対応通貨の為替変動があった場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑩ 海外事業リスクによる影響

連結子会社であるダイドレ株式会社は、トーロー印商品等の素材及び商品の一部を、中国、タイ、ベトナムより調達しております。海外における事業活動は、政治情勢、法的規制、税制変更、経済状況変化等の予期せぬリスクに直面する可能性があり、こういった予期せぬリスクが生じた場合、素材及び商品の調達が困難になることで、期待どおりの収益が上げられず、損失となった場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

クリエイトグループは、子会社について、親会社取締役の社外取締役としての監視体制と取締役会でのグループ会社の情報共有により、ガバナンスの強化に取り組んでおります。

 

⑪ 建設事業活動のリスクによる影響

連結子会社であるクリテック株式会社は、主に電気工事、土木工事、管工事ほか多岐に渡る工事種類の施工の事業を展開しております。受注活動を進める際には、自社施工体制が対応可能かどうか等リスクの抽出・判定を十分行って、受注決定の判断をおこなっています。建設工事における施工管理については、品質管理、原価管理、環境管理、安全衛生管理を厳格に行っております。

しかしながら施工期間中の重大な労働災害・人身事故や自然災害・周辺環境による想定外の工事遅延及び施工物件の契約不適合責任による修復費、補償費、加えて長期にわたる工事において資材費・労務費が著しく上昇して、請負金額に反映できない等、多大な費用負担が発生した場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、建設工事現場を監督する技術者不足から、人材確保が困難となり、当初想定した受注案件が実現されない場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 子会社ガバナンスが機能しないリスクによる影響

クリエイトグループは、グループとして企業価値を最大化させるため、一体となったグループガバナンス体制を整備しております。しかしながら親会社子会社間での価値観の相違、双方向のコミュニケーション・情報共有不足、コンプライアンス意識が浸透しないこと等で、ガバナンスが機能せず事業の失敗、法令・コンプライアンス違反やセキュリティ事故等想定しないリスクによる損失が発生した場合は、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、グループで統一した共有すべき経営理念、行動基準に沿った法令・コンプライアンス等の遵守、損失危険管理、情報保存管理等に関する基準を定め、その遵守に向けた適切な啓蒙活動を実施します。

また、ガバナンスの機能として、親会社取締役の社外取締役による取締役会の監視・監督、親会社内部監査部によるモニタリングで監督機能を強化しており、親会社経営陣によるグループを含めたリスクの把握と解決に向けた定例会議を開催しております。

 

⑬ 固定資産に関するリスクによる影響

クリエイトグループは、営業所で有形・無形固定資産、自社ビルの一部賃貸事務所で有形固定資産、倉庫の賃貸不動産で投資その他の資産を保有しておりますが、経営環境の著しい変化等による営業所の収益低下や不動産市況悪化等による賃貸収入低下で、十分なキャッシュ・フローを創出できず、対象資産の減損損失の計上をした場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

クリエイトグループは、各営業所の業績目標に関する予算・実績管理は、月次で実施しており、業績が著しく低下した際には、営業本部主導で迅速に対応、改善できる体制にしております。

また、2027年度以降適用が予定されるリース会計を鑑み、固定資産の減損計上とならないよう不採算営業所の採算改善、安定的な利益計上に向けた取り組みも実施しております。

 

 

⑭ 人財確保に関するリスクによる影響

クリエイトグループは、優秀な人材を幅広く採用・育成することで、事業活動の推進と競争力の維持・向上を図っています。人財の獲得競争の激化や社員の退職等によって十分な人財の確保及び育成ができなかった場合には、競争力の低下につながり、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

クリエイトグループは、新卒採用に加え、社員からの紹介採用、機動的な中途採用等、ダイバーシティ&インクルージョンを重視した採用を行っており、人財の定着化へ向けて、人を重要な経営資源とする人的資本経営の推進及び従業員エンゲージメントの向上や職場環境の改善に取り組んでおります。

また、サプライチェーンの観点からは、国内で配送ドライバーが不足する等、物流業界全般を通じて人材確保が困難になってきており、取り巻く環境の厳しさが増しています。物流能力を強化し、リスクの低減を進めていますが、運送会社の外部環境変化や労働力不足等の影響が想定よりも大きい場合には、輸送コスト等の上昇や販売の機会損失等が発生し、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります 。なお、首都圏においては、親密運送会社をグループ化し、配送体制の効率化とドライバー確保に向けた採用のサポートをすることで物流の安定化を図っています。

 

⑮ 債権管理、与信管理に関するリスクの影響

クリエイトグループは、与信管理規程に基づいて締結された得意先との契約をベースに売上債権を管理しております。得意先の信用度による与信上限金額を設定し、債権保証サービスによるリスク低減を図りながら、現場の情報収集に外部の信用調査機関情報も活用して与信管理を行っております。

また、自律的な与信管理体制を確立するために、現場の与信スキルを向上させる研修を定例開催しております。なお、必要に応じて貸倒引当金を計上しております。

しかしながら、経済情勢の変化により経営基盤の脆弱な企業等が、急速に経営状況が悪化する場合も考えられ、予測不能な事態が生じた場合には売上債権の回収に支障をきたし、クリエイトグループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑯ 在庫に関するリスクによる影響

クリエイトグループは、得意先のニーズにジャストインタイムで対応できるよう、豊富な商品を取り揃える目的で、棚卸資産を保有しております。棚卸資産は、適切な在庫管理を行っておりますが、急激な経済環境変化での市況悪化や自然災害等の外的要因で、著しく陳腐化し評価損を計上した場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

クリエイトグループは、営業所ごとに在庫の目標を設定し、商品管理を担う商品管理部指導のもと、月次でモニタリングを実施して在庫の適正化に取り組んでおります。

 

⑰ 会計処理による影響

クリエイトグループは、税効果や退職給付費用等において、業績を始めとした将来の予想・前提に基づいて算定を行っております。そのため、予想や前提となる数値に変更がある場合、もしくはこれらの算定を行うための会計基準に変更がある場合には、クリエイトグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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