TalentX(330a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 TalentXは、「未来のインフラを創出し、HRの歴史を塗り替える」ことをビジョンに掲げ、大企業や成長企業を中心に、AI・テクノロジーを活用し、自社の人材獲得力を強化し、競争優位を創るオールインワンプラットフォーム「MyTalent Platform」を提供しております。近年、生成AIをはじめとするテクノロジーの進化により、AIを活用した業務変革が様々な分野で進展しております。一方で、AIの活用においては、企業固有のデータを継続的に蓄積・活用できることが、提供価値の向上につながる重要な要素の一つであると考えております。採用領域においても、応募者、辞退者、元社員、社員紹介候補者など、採用活動を通じて得られる人材データは、企業ごとに異なる重要な情報資産であると考えております。しかしながら、多くの企業では、これらのデータが採用チャネルごとに分散して管理されており、十分に蓄積・活用されていない状況にあります。こうした課題に対し、TalentXは企業固有の人材データを継続的に蓄積・活用する統合型タレントアクイジションプラットフォーム「MyTalent Platform」を提供しております。従来、採用市場では、人材紹介会社や求人媒体を活用した採用活動が主流でした。また近年では、企業が候補者へ直接アプローチするダイレクト採用も拡大しておりますが、その多くは転職顕在層を対象としており、企業間で候補者を獲得する競争が続いております。こうした背景のもと、企業固有の人材データをAIで活用することにより、転職潜在層との継続的な接点を構築し、企業が人材獲得競争への依存を低減できる採用手法として「AIネイティブ採用」を提唱し、その実現を支援しております。TalentXは創業以来、一貫して企業の人材データを蓄積・活用するプロダクトを展開してまいりました。2015年には社員紹介データを活用するリファラル採用(注1)サービス「MyRefer」、2022年には候補者データを蓄積・活用する採用CRMサービス「MyTalent」、2024年には採用マーケティングデータを蓄積する採用ブランディングサービス「MyBrand」をリリースしました。さらに2026年には、これらを統合した「MyTalent Platform」へブランドを刷新するとともに、AIを活用した書類選考支援や要件サジェスト機能を搭載した採用管理システム「MyTalent Hire」の提供を開始しております。現在、「MyTalent Refer」に蓄積された約100万人の利用従業員データ、「MyTalent CRM」に蓄積された47万人超のタレントプールデータをはじめとする独自の人材データを活用し、企業の採用活動を支援しております。また、人材データを継続的に蓄積・活用することで、AI技術の進展に応じた機能・サービスの高度化を図ることが可能な事業基盤の構築に取り組んでおります。TalentXは、海外で進化したタレントアクイジションの考え方を日本市場へ導入し、AI・テクノロジーを活用した統合型タレントアクイジションプラットフォームを提供しております。これまで1,000名以上の大手企業の大手企業(注2)をはじめとし、累計1,000社以上に導入され、本書提出日現在では、日本の時価総額TOP50企業の40%以上(注3)の採用マーケティングを支援しております。事業系統図及びビジネスモデルは以下のとおりであります。なお、TalentXは「AI採用プラットフォーム事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。 <サービス概要>サービス内容MyTalent PlatformMyTalent Platform企業固有の人材データを蓄積・活用し、AIを活用した人材獲得を支援する統合型タレントアクイジションプラットフォームMyTalent Brandノーコードで自社採用サイトを構築し、採用マーケティングデータを蓄積する採用ブランディングモジュールMyTalent CRM応募者・辞退者・アルムナイ等の候補者データを統合・蓄積し、AIを活用したスカウトを支援する採用CRMモジュールMyTalentHireAIによる書類選考支援や要件サジェスト機能を搭載し、あらゆる応募経路・選考データを一元管理する採用管理(ATS)モジュールMyTalentRefer(MyRefer)社員ネットワークを活用したリファラル採用を促進し、社員紹介データを蓄積・活用するリファラル採用モジュールその他Myシリーズプラットフォームの展開を通じて寄せられる顧客のニーズに応え、採用戦略全般をコンサルティングするRXO事業や、その他採用決定時に収益を計上する成果報酬事業を展開 <事業系統図> 従来型の採用は、主に転職顕在層を対象とした外部チャネル中心の採用活動が主流であり、エージェント費用や媒体費の上昇による採用単価の高騰、候補者獲得競争の激化、担当者依存による再現性の低さといった課題があります。これに対し、タレントアクイジションでは、過去の応募者、社員紹介候補者、退職者(アルムナイ)等との接点を継続的に活用しながら採用活動を行うことで、採用単価の低減、候補者獲得競争の抑制及び採用活動を通じて得られたデータやノウハウの継続活用を実現し、企業の持続的な採用競争力の向上を可能にします。「MyTalent Platform」は、このようなタレントアクイジションを、テクノロジーと伴走型コンサルティングによって実現するプラットフォームであります。過去の応募者、社員紹介による候補者及び退職者(アルムナイ)との接点を活用することで、企業独自の人材ネットワークを構築し、自社採用力の強化、外部人材サービスへの過度な依存の低減、市場に出ていない人材との関係構築、採用マーケティングの精度向上及び内定承諾率・定着率の向上を支援しております。TalentXは、AIネイティブな統合型タレントアクイジションプラットフォームとして、集客(自社サイトへの誘導)、獲得(候補者情報の取得)、関係構築(候補者との継続接点形成)、選考(応募管理・面接管理)、採用(内定・入社)及び社内活性化(入社後エンゲージメント)までの採用プロセス全体を一元的に管理しております。従来の採用モデルでは、人材獲得の手法が部分最適で分断されているうえ、外部採用チャネルへの依存度が高く、担当者の経験に基づく属人的な判断に依拠しやすいほか、各ツールにデータが散在し各工程が独立していることにより、全体最適が困難な構造となっております。これに対し、「MyTalent Platform」は、採用プロセス全体で得られたデータを統合・一元管理し、AIが次のアクションを提示することで意思決定を支援しております。また、ルーティン業務の自動化、成功パターンの横展開、過去接触候補者の継続活用及び自社マーケティングチャネルの確立を通じて、採用力の内製化、データ統合とAIによる示唆並びに自動化と再現性の向上を実現しております。(注1) リファラル採用とは、自社の社員や取引先など社内外の信頼できる人々から、友人や知人を紹介してもらう採用方法です。(注2) 本書では、常時雇用する従業員数が1,000名以上の企業を指すものとします。以下同様。(注3) 2026年3月31日時点の東京証券取引所プライム市場の時価総額を基準としています。 TalentXが提供するMyTalent Platformの各サービスの概要は以下のとおりであります。(1)「MyTalent Brand」 「MyTalent Brand」は、2024年1月にリリースされた採用メディアの作成支援ツールです。ノーコードで理想の採用オウンドメディアを作成でき、外部の制作会社を使わずに自社で採用メディアの作成や更新等の作業が可能になるほか、人的支援やコンサルティングにより工数を抑えながら施策を実施できます。採用ブランドを継続的に育成するため、自社で柔軟に更新可能な採用オウンドメディアを構築するサービスです。従来の外部求人メディアを利用する場合、他社求人と横並びになり応募が分散すること、広告では魅力が伝わらないこと、他社と併願となるため候補者獲得競争が生じやすいことが課題となります。「MyTalent Brand」を活用して自社メディアを構築し採用ブランディングを強化することで、検索エンジン対策や分析機能の活用により独自集客・応募成果につながり、従業員のストーリーを通じたリアルな自社の魅力を伝えることができ、自社への理解・共感を深めることで、他社との過度な採用競争を回避しながら採用活動を行うことが可能となります。 (2)「MyTalent CRM」「MyTalent CRM」は、2022年2月にリリースされたAI採用MA(注1)ツールです。「MyTalent CRM」は、中途・新卒採用の過去応募者やイベント参加者、将来的にリファラル採用の候補となる人材、自社を退職したアルムナイ社員に登録してもらうことで独自のスカウトデータベースを構築することができます。従来の外部スカウトデータベースとは異なり、転職市場に現れない潜在層であり、過去に自社と何らかの繋がりがある層(自社への理解または関心のある層)を対象にAIを活用して半自動的にスカウトを実施します。その結果、候補者の転職意向が高まるタイミングを的確に捉え、他社に先駆けて採用に結びつけることが可能となります。 一般的な外部スカウトデータベースでは、競合が多いため返信率が低下し、優秀な候補者を他社に取られてしまうリスクが課題です。しかし、「MyTalent CRM」では独自のスカウトデータベースをもとにスカウトするためそうしたリスクが軽減されます。 また、「MyTalent CRM」は採用サイトや関連ページに計測タグを設置し、タレントプール(注2)に登録された候補者の行動履歴を自動収集・分析します。メールへの反応やウェブサイト訪問などの行動を「興味スコア」として数値化し、AIが応募意欲の高い候補者を抽出します。適切なタイミングで最適化されたメールを送ることで、競合他社とのバッティングを回避し、効率的な採用活動を実現します。 「MyTalent CRM」は「MyTalent Refer(MyRefer)」同様、採用活動を効率的かつ効果的に進められるサービスとして、大手企業を中心に採用されており、2026年6月時点で累計47万件を超えるタレントプールが登録されています。(注1) MAとは「Marketing Automation(マーケティングオートメーション)」の略で、マーケティング活動を自動化・効率化するための技術やツールを指します。(注2) タレントプールとは、将来的に採用の可能性がある優秀な人材と関係を維持していくため、候補者のデータを集約することを指します。 (3)「MyTalent Hire」 「MyTalent Hire」は、2026年3月にリリースされたAIネイティブな採用管理システム(ATS)です。「MyTalent Platform」の中核機能として、要件設定、候補者スクリーニング及び採用データの蓄積・活用までを担い、「採用業務の効率化」と「採用力の強化」を同時に実現する次世代のATSです。新卒採用及び中途採用における過去応募者や、カジュアル面談後辞退者、それ以外のタレントプールといった自社の候補者DBを構築し、過去応募・カジュアル面談・タレントプールの各データとAIを掛け合わせることで、AIによる自動評価支援により書類選考を効率化し、経験スキルデータに基づく最適な要件をAIが提案します。従来のATSは主に応募者情報の管理を中心とした役割を担ってきましたが、AIネイティブATSを活用することで、管理にとどまらず採用マーケティング領域へと機能を拡張し、多様な応募経路を統合管理のうえDX化することで採用業務の効率化を図り、さらにAIによる業務の自動化を通じて、人事担当者が候補者体験の向上に一層注力できるようになります。 (4)「MyTalent Refer(MyRefer)」「MyTalent Refer(MyRefer)」は、創業時の2015年10月にリリースされた人材紹介会社の仲介による採用活動ではなく、従業員をリクルーター化し、ネットワークによる採用活動を促進するリファラル採用サービスです。リファラル採用は現場社員の紹介による採用であることから求人企業、求職者双方にとって情報の信頼性が高く、ミスマッチが起きづらいことや、転職市場に出ていない人材を採用できるという特徴があります。人材紹介会社を利用した場合、採用コストの高騰や早期離職などのミスマッチ、人材が集まりにくいといった課題がありますが、「MyTalent Refer(MyRefer)」を活用することで、採用コストの削減、マッチング精度の向上、転職潜在層からの新たな応募者の創出などのメリットが期待できます。リファラル採用の推進においては、人事部門が募集ポストの周知や進捗管理をアナログで行うため業務が滞りがちであり、社員側にも友人知人の情報共有による負担が生じます。これらの課題を解決するため、「MyTalent Refer(MyRefer)」は多彩な機能を提供します。主要SNSと連携し、自社の求人情報やニュースをリアルタイムでシェア可能であり、こうした広報活動を自動化することもできます(注1)。それだけでなく、従業員にポイント付与などの仕組みを通じて動機づけを行い、楽しく自発的な紹介活動を促します。 さらに、従業員や求人ごとの紹介活動データを可視化し、リファラル採用の課題を特定する仕組みも整備しています。 これらの機能により、リファラル採用を簡単に導入・活性化できる環境を構築でき、人事システムや従業員向けアプリを通じて、採用活動を効率的かつ効果的に進められるサービスとして、大手企業を中心に採用されており2026年6月時点で累計100万名を超える従業員に利用されています。 (注1) 社内広報オートメーション機能は「パーソナライズ自動化」を活用し、従業員一人ひとりに対して適切なタイミングで最適なコンテンツを配信し、リファラル採用の社内広報と従業員の動機付けを自動化するための機能です。従業員の属性(部署、職種、タグなど)やリクルーター活動状況をもとに、配信対象や頻度、内容を決定して自動配信しリファラル採用を効率的に促進します。 TalentXは、全プロダクト横断のAIインフラとして「AI Core基盤」をリリースし、プロダクト横断でAI活用を可能にする基盤整備を本格推進しております。AI Coreは、TalentXの全プロダクトに共通して搭載されるAIインテリジェンス基盤です。個別プロダクトごとに独立したAIを実装するのではなく、採用プロセス全体のデータを横断的に学習・活用できる統合AIレイヤーとして設計されております。具体的には、全プロダクト共通のデータモデル、採用データの蓄積・再学習ループ、APIによる外部システム連携を備えております。統合AI基盤が重要である理由として、単機能AIでは個別AIごとにデータが分断され、採用全体の最適化ができないという限界がありました。これに対しAI Core基盤は、統合データによる学習を行い、候補者行動から採用結果まで一気通貫でAIが学習することが可能になります。これにより、MyTalent CRM・MyTalent Hire・MyTalent Refer(MyRefer)・MyTalnet Brandをまたぐプロダクト横断での自動化を実現しております。 TalentX事業及び「MyTalent Platform」の特徴は以下のとおりです。(1)大手企業の顧客を中心とした、安定した顧客基盤 創業期より大手企業向けにプロダクト開発を進めてきた結果、「MyTalent Platform」利用企業の67%(2026年3月末時点)が従業員数1,000名以上の大手企業となっております。 大手企業に支持されている理由として、まず創業期から大手企業をユーザーとして取り込むことを重視した事業開発方針があります。具体的には、大手企業の要望に応える柔軟かつ堅牢なシステム(注1)を備えたプロダクト設計としています。 また、大手企業へのARPA(注2)は導入以降、アップセル(注3)やクロスセル(注4)により年々増加しております。「MyTalent Refer(MyRefer)」単体のアップセル、「MyTalent Platform」のクロスセルと多くのキャッシュポイントが存在しており、今後もアップ/クロスセルによる更なる拡大が見込まれ、実際に大手企業の中で「MyTalent Platform」を複数導入いただいている企業におけるARPAの平均値は、2023年3月末時点395千円に対し、2026年3月末時点780千円と増加しています。 カスタマイズ可能な機能を備え、優れたUI/UXや他のシステムとの統合性を提供することに加え、強固なセキュリティ対策が施されている点が特徴です。また、企業のニーズに応じた柔軟なサポート体制もその一環として重要な役割を果たしています。(注2) 「MyTalent Platform」をご利用いただいている1社当たりの月額サブスクリプション売上高です。(注3) アップセルとは、顧客に提供しているサービスよりも上位のサービスを提案し、利用いただくことを意味します。TalentXであれば、例えば「MyTalent Refer(MyRefer)」について一部の支店が利用いただいているものを全社で利用いただくことや、利用人数が増加したことで適用されるプランがアップすることが当てはまります。(注4) クロスセルとは、顧客が利用しているサービスとは異なる別のサービスを提案し、併せてご利用いただくことを意味します。TalentXであれば、例えば「MyTalent Refer(MyRefer)」を利用中の顧客に「MyTalent CRM」や「MyTalent Brand」も一緒に活用いただくこと、「MyTalent CRM」を利用中の顧客に「MyTalent Refer(MyRefer)」や「MyTalent Brand」も一緒にご活用いただくことが当てはまります。 (2)利用するほど価値が高まり、解約されにくいサービスモデル TalentXは採用領域において低い解約率を実現しており、設立以来7期連続で増収を達成しております。TalentXの特徴は、利用を重ねるほどプラットフォームの価値が高まるサービスモデルにあります。例えば、「MyTalent Refer(MyRefer)」では、新入社員が毎年新たなリクルーターとして加わることで、企業内のネットワークが拡大し紹介機会が増加します。また「MyTalent CRM」では、応募者情報や候補者との接点情報が継続的に蓄積され、企業独自の候補者データベースが構築されます。さらに「MyTalent Brand」では、採用コンテンツや採用活動を通じて得られた知見が蓄積されることで、採用広報の効果向上につながります。 このように採用活動を通じて蓄積されたデータやネットワークが企業の資産となり、利用年数とともに活用価値が高まることから、継続利用につながりやすいサービスモデルとなっております。実際に、MyTalent Platformの解約率(注1)は、2022年3月期の2.0%から2026年3月期には0.9%まで低下しております。 (注1) 解約率:MyTalent Platformをご利用いただいているお客様におけるNet Revenue Churn Rateの12か月平均。Net Revenue Churn Rateとは解約やダウングレードによる損失だけでなく、サービスのアップグレードやクロスセルによって得た利益も含めた金額の割合を示すチャーンレートです。売上全体の把握や予測に役立つ指標です。 (3)採用データを一元化し、AIネイティブを可能にする統合基盤 TalentXの「MyTalent Platform」は、採用活動で生まれるデータを一元管理し、AIによる継続的な価値向上を実現する統合基盤です。「集客・獲得」「関係構築」「選考」「採用」「社内活性」の各プロセスを一気通貫で支援するタレントアクイジションプラットフォームです。従来の採用モデルでは、人材獲得の手法が部分最適でつながっていないうえ、人材会社に依存しているという課題がありました。具体的には、人材各社に母集団形成を依存する外部依存、担当者の経験に基づく属人的な判断に依拠しやすい意思決定という属人的判断、各ツールにデータが散在する分断されたデータ、各工程が独立し全体最適が困難な人手運用・部分最適といった課題です。これに対し「MyTalent Platform」では、自社サイトへ誘導する集客、候補者情報を獲得する獲得、候補者を管理する関係構築、応募・面接を行う選考、応募者を管理する採用、入社後エンゲージを高める社内活性までを一つのプラットフォーム上で提供しております。これにより、自社のマーケティングチャネルを確立して採用力を内製化すること、過去の接触候補者を資産として継続的に活用するタレントプール活用、採用プロセス全体を一元管理しAIが次のアクションを提示するデータ統合×AI示唆、ルーティン業務を自動化し成功パターンを横展開する自動化×再現性を実現しております。 (4)データネットワーク効果による成長と安定 「MyTalent Platform」は、採用活動を通じて蓄積される候補者情報、社員ネットワーク情報、選考情報等を一元的に管理するAIネイティブなタレントアクイジションプラットフォームです。利用企業の増加に伴い、プラットフォーム上に蓄積される求人・候補者・コンテンツ等のデータ量および多様性が拡大し、AIによる分析、マッチング、提案機能の精度向上につながります。AI精度の向上により、候補者とのマッチング精度向上、採用業務の効率化、採用成果の向上など顧客企業への提供価値が高まり、継続利用や利用範囲の拡大につながります。その結果、さらなる利用企業の増加とデータ蓄積を促進し、プラットフォーム全体の価値が継続的に向上する好循環を形成しております。またTalentXの売上高の大部分はサブスクリプション型の継続課金収益により構成されております。高い契約継続率を背景として安定した収益基盤を有しており、利用企業の拡大とデータネットワーク効果による顧客価値向上を通じて、中長期的な成長を実現する事業構造となっております。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 TalentXの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてTalentXが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針ビジョン(Vision) 「未来のインフラを創出し、HRの歴史を塗り替える」 TalentXは、AI・テクノロジーで企業の人材獲得力を高めるAI HRTechカンパニーとして、AIネイティブな統合型タレントアクイジションプラットフォーム「MyTalent Platform」を提供しています。 生成AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化により、ソフトウェア業界の競争ルールは大きく変わり始めております。AI時代には、データを蓄積し自動化を実現するプラットフォームの価値が高まり、人材採用市場もまた大きな変革期を迎えております。既存の採用サービスではリーチしきれない潜在層を含め、新たな機会を求める転職等希望者数は過去最高の1,000万人を突破しております。このような環境下において、企業には一度接点を持ったすべての人材情報を継続的に蓄積し、企業独自の人材データベースを構築することが求められております。 TalentXの社名は、ビジョンである「未来のインフラを創出し、HRの歴史を塗り替える」の実現に向け、AIネイティブ採用により日本企業の採用を変革し、自社採用力を強化して競争優位を創るオールインワンプラットフォーム「MyTalent Platform」を通じて、日本の採用に変革(X)を起こす集団でありたいという決意を込めており、タレントを通じて人と組織のポテンシャルを最大化することを目指しています。 TalentXの事業の一つである「MyTalent Refer(MyRefer)」サービスは、HR業界の当たり前を変革し、転職・採用市場に新しい概念を創るという想いで2015年にスタートしました。その当時、リファラル採用という概念はまだ一般的に浸透しておらず、「採用は人事が担うもの」という考え方が主流でした。2023年の1年間の中で、「MyTalent Refer(MyRefer)」ご利用企業様やTalentXへ問い合わせをいただいた企業のうち62.0%の企業は何らかのリファラル制度を実施しており(注1)、企業の主要な採用チャネルのひとつとして定着しつつあります。そこからさらに少子高齢化による労働人口の減少や人材獲得競争の激化により、企業には従来の募集活動だけではなく、転職潜在層を含む幅広い人材との継続的な関係構築が求められるようになっております。TalentXは、こうした環境変化を背景に、リファラル採用支援にとどまらず、採用サイト、タレントプール、採用管理システムを統合した「MyTalent Platform」を提供しております。 TalentXは、採用活動を通じて得られる候補者データや採用ノウハウを企業の資産として蓄積・活用し、採用をコストが消えていく採用から資産が積みあがる採用へ転換することで、企業の採用競争力向上に貢献してまいります。 少子高齢化により労働人口減少に拍車がかかり、人材獲得競争が激化する中、企業には待ちの姿勢ではなく、自らタレントを惹きつける採用力が求められております。採用競争力が企業の成長や生産性を左右する時代において、TalentXは日本の採用のあり方を転換する新たな概念とサービスを提供し、企業の持続的な採用競争力の向上に取り組んでおります。 (注1) TalentX調べ「リファラル採用の実施状況に関する企業規模・業界別統計レポート」調査対象企業2,586社、有効回答2,174社、うち1,348社が実施https://MyTalent.jp/lab/resource_337/2023年の1年間の中で、MyTalent Refer(MyRefer)ご利用企業様や弊社へ問い合わせをいただいた企業様2,586社に対して、各社のリファラル実施状況を調査したものとなります。 パーパス(PURPOSE) 「人と組織のポテンシャルを解放する社会の創造」 TalentXは、タレントを通じて人と組織のポテンシャルを最大化(X)することを目指しています。あらゆる人には、自分固有の強みややりがいを発揮できる環境があり、あらゆる企業には自社固有の強みや働く魅力があります。 人や会社の「らしさ」を引き出し、本来巡り合えなかった本質的なマッチングを創出することで、自分たちの存在意義、介在価値、やりがいを感じられる。 このような、人と組織のポテンシャルを解放する社会を創造することが、私たちの存在意義です。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 TalentXは、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として、売上高、MyTalent PlatformMRRを含むサブスクリプション売上高比率、売上高総利益率、調整後営業利益率、ARR(Annual Recurring Revenue)(注1)、課金利用社数(注2)、MyTalent PlatformのARPA(注3)を重要な客観的な指標と捉えております。 (注1)ARR(Annual Recurring Revenue):年間経常収益(Annual Recurring Revenue)各期末時点におけるMRR(Monthly Recurring Revenue、対象月の月末時点における管理会計上のサブスクリプション売上高)を12倍して算出しています。(注2)課金利用社数:MyTalent Platformを課金利用していただいている社数です。複数アカウントを利用している企業もあります。(注3)「MyTalent Platform」のARPA(1社当たりの月額サブスクリプション売上高) (3)経営環境 生成AIの急速な進展により、ソフトウェア産業における競争環境は大きく変化しております。AI時代においては、データを蓄積し継続的に活用できるプラットフォームの重要性が高まっており、人材採用市場においてもAI活用が急速に進展しております。海外の調査では、AI導入企業の約70%が人事領域における活用を推進しており、採用活動はAIの先行活用領域の一つと位置付けられております。(注1) (注1) 出典:Boston Consulting Group「How AI Is Changing Recruitment」 日本では労働人口の減少が進む中、AI活用の進展等を背景に企業の経験者採用ニーズは増加しており、求人数は増加の一途を辿っております。その結果概ね全ての職業で人材不足が顕在化し、採用コストの上昇や人材紹介会社への依存拡大、採用担当者の負荷増加といった課題が顕在化しており、企業には採用活動の変革が求められております。(注2)(注2) 左図表 出典:みずほ総合研究所株式会社(現 みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)作成(総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」) 右図表 出典:パーソルキャリア株式会社「転職求人倍率レポート(2024年12月)」 日本の労働市場では労働力人口7,015万人のうち転職者は330万人と全体の5%程度である中で、既存の採用サービスではリーチしきれない潜在層を含め転職等希望者数が過去最高の1,000万人を突破しています(注3)。 (注3) 出典:総務省統計局「労働力調査2025年」 労働人口の減少が大きな社会課題となる中、TalentXが属する採用市場は、国内で2020年約0.9兆円から2025年約1.6兆円と増加しており、中途採用計画が未充足の企業が58%と半数以上となっております(注4)。なお、世界の採用マーケティング市場は2024年に約17兆円まで拡大しております(注5)。 TalentXはこの国内における1.6兆円の仲介採用市場(人材紹介及び求人広告の合算市場)に加え、転職を検討している潜在層を含む領域も事業領域としており、TalentXのService Available Marketは大手企業向けで約650億円、中小企業も対象とした場合は約1,661億円と推計しております(注6)。 (注4) 出典:リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2025年度上半期実績、正規社員)」。(注5) 左図表 出典:厚生労働省「職業紹介事業報告書 令和6年度版」、全国求人情報協会「求人情報提供サービス市場規模調査結果 2026年」右図表 出典:Fortune Business Insights Online Recruitment Technology Market Size, Share & COVID-19 Impact Analysis,市場規模は日本円に換算しております。1米ドル当たり約159円(2026年3月31日時点)(注6) Service Available Market:事業が獲得しうる最大の市場規模です。TalentXCRMで管理している日本国内の従業員数1,000名以上の企業3,738社のうち、「MyTalent Platform」がコアターゲットとしている企業数(中途採用において人材紹介または媒体を活用している企業)を算出しております。コアターゲット企業数を従業員数1,000~2,999名、3,000名以上に分類し、「MyTalent Platform(「MyTalent Refer(MyRefer)」、「MyTalent CRM」、「MyTalent Brand」)」の新規獲得時の月額利用料を積算し、これを1年間分(12か月分)に換算して推計しております。 (4) 中長期経営戦略等 TalentXを取り巻く採用市場は、少子高齢化による労働力不足や人材獲得競争の激化に加え、生成AI技術の進展により大きな変革期を迎えております。企業においては、従来の求人広告や人材紹介会社を中心とした採用活動から、自社が保有する候補者との継続的な関係構築やデータ活用を重視するタレントアクイジションへの転換が進んでおります。このような事業環境の中、TalentXはAIネイティブ採用を実現する、MyTalent Platformを通じて、人材獲得活動の変革を目指しております。 TalentXは、中長期的な企業価値向上に向けて、以下の中長期成長戦略を推進しております。 AIネイティブ戦略TalentXは、AI Coreを軸に、採用プロセス全体をAIで統合・自動化することを推進しております。競合との差別化をプロダクト品質で実現し、AIファーストの採用体験を業界標準とすることを目指しております。具体的には、AI機能の継続的なリリース、精度向上に向けたデータ学習ループの構築、AI Agentへの段階的な進化を推進してまいります。これらを通じて、解約率の低下による粘着性の向上を図ってまいります。 統合プラットフォーム戦略TalentXは、「MyTalent CRM」「MyTalent Hire」「MyTalent Refer(MyRefer)」「MyTalent Brand」を単一の「MyTalent Platform」へ統合し、プラットフォームとしての価値向上を推進しております。各プロダクトを個別に利用する場合と比べ、統合的に利用することで採用活動全体を一元的に管理できるため、顧客にとっての利便性が高まります。また、複数プロダクトにまたがって採用データが蓄積・連携されることで、顧客の採用業務がプラットフォーム上に定着し、継続的な利用につながります。具体的には、プロダクト間のデータ連携の深化、蓄積される採用データ資産の拡大、外部パートナーとの連携によるエコシステムの構築を推進してまいります。これらを通じて、顧客単価の上昇を図ってまいります。市場拡大戦略TalentXは、これまで主に従業員数1,000名以上の大企業を中心に事業を展開してまいりました。大企業市場においては、既存顧客への深耕、複数プロダクト導入の推進及びコンサルティングサービスの強化を通じて、顧客単価の向上を図ってまいります。また、TalentXがこれまで培ってきた大企業向け営業ノウハウや顧客基盤を活用し、継続的な新規顧客開拓を推進してまいります。さらに、「MyTalent Platform」への統合を契機として、中堅・成長企業市場への展開を加速し、顧客基盤の拡大を図ってまいります。ブランド投資やマーケティング投資、販売体制の強化を通じて市場認知度の向上を図るとともに、新たな顧客層の獲得を推進してまいります。またTalentXは、システム利用料を中心としたリカーリング事業に加え、RXO(Recruitment Transformation Outsourcing)をはじめとするコンサルティング事業や成果報酬型サービス等のパフォーマンス事業を展開しております。リカーリング事業による安定的な収益基盤と、パフォーマンス事業による成長機会を組み合わせることで、持続的な成長を実現してまいります。 TalentXは、これらの中長期成長戦略を推進することで、AIネイティブ・タレントアクイジションプラットフォームとしての競争優位性を強化し、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 TalentXが優先的に対処すべき事業上及び財務上の主な課題は、以下の項目と認識しております。 ①AIネイティブな統合型タレントアクイジションプラットフォームの推進 既にリリース済みの採用ブランディングサービス「MyTalent Brand」、AI採用MAサービス「MyTalent CRM」、リファラル採用支援ツール「MyTalent Refer(MyRefer)」、AIネイティブATS「MyTalent Hire」に加え、新たなサービスを順次導入することで、「MyTalent Platform」のサービスラインをさらに拡充してまいります。これにより、TalentXサービスのプラットフォーム化を一層強化し、既存顧客の深耕および新規顧客の獲得を推進してまいります。 ② 収益性の追求 2023年3月期までは、③に記載の人材の確保・育成のための人件費や採用費等が積み重なった結果、営業損失が先行して発生しておりましたが、2024年3月期より利益に転じております。AIネイティブ採用の観点で事業間シナジーを生み出すとともに、成長事業に対しては積極的に投資を実施しながら、全社的なコストの適正化を図ってまいります。 ③ 優秀な人材の確保・育成 TalentX事業を成長させていくため、優秀な人材の確保・育成は不可欠であると認識しております。また、人員拡大とともに組織化を進め、教育制度も拡充し、従業員の成長をサポートしてまいります。 ④ 情報管理体制の継続的な強化 TalentXの運営する事業においては、顧客情報や個人情報を取り扱っており、これらの情報管理体制を強化することが重要であると考えております。そのため、個人情報に関する社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施やセキュリティシステムの構築を行っております。また、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマーク制度の認証を取得しており、引き続き、情報管理体制の強化、徹底を図ってまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化 TalentXが継続的な成長を続けていくことができる強固な組織基盤の確立に向け、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の更なる強化を図ってまいります。 ⑥ 財務上の課題 TalentXは金融機関から借入を行ってはおりますが、営業活動による安定的なキャッシュ・フローを源泉として健全な財務基盤を築いているため、現時点において優先的に対処すべき財務上の課題はありません。 しかしながら、今後の持続的な成長に向けて、M&A、資本業務提携、新規事業への投資その他の成長投資を実施した場合には、一時的に財務負担が増加する可能性があります。そのため、営業活動による安定したキャッシュ・フローの確保に加え、金融機関との一層の関係強化や資金調達手段の多様化を進めることで、財務基盤の更なる強化に努めてまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がTalentXの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。TalentXといたしましては、これらのリスクを認識し、リスクの予防、回避及び発生時の適切な対応に努める所存であります。なお、文中における将来に関する事項については、本書提出日現在においてTalentXが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。なお、TalentXはリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、リスク管理の基盤としての内部統制システムと代表取締役社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会において、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスク顕在化の予防を図っております。 (1)市場動向について(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし) TalentXが提供するクラウドを利用したサービスについては、現在、企業が業務の自動化や効率化を進めており、それらを後押しするシステム投資へのマインドが上向いていることから、企業規模を問わず高い需要が継続しております。このような環境の中、TalentXでは、「MyTalent Platform」のサービスラインを増やすことで特定のサービスに依存することなく、また、外部環境の変動に強い大手企業を主たる顧客とし、顧客の属する業界も金融からメーカーなど幅広くすることでリスクを軽減しております。 しかしながら、今後経済情勢や景気動向等が変化し、顧客企業の投資マインドが減退するような場合には、TalentXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)競合について(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし) TalentXは、大量の情報を簡易な操作で分析・可視化できるサービスを複数の領域で展開しております。TalentXでは、顧客ニーズに合わせたサービスを展開するほか、これまでの経験・実績及び社内ノウハウ等を強みとして製品力を強化することで差別化を図り優位性を高めております。 しかしながら、TalentXが事業を展開する人材関連(人材関連サービス、採用マーケティング等)市場において、事業展開する領域によっては、資金力、ブランド力を有する競合事業者が存在するほか、新規に参入者が出現する可能性があります。これらの企業との競争が激化した場合には、TalentXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)技術革新への対応について(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし) TalentXがサービスを提供するインターネット業界においては、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われ、変化の激しい業界となっております。TalentXでは、新しいトレンドには柔軟に対応していく必要があるため、最新の技術動向や環境変化を把握できる体制を構築するほか、優秀な人材の獲得及び社員教育等に努めております。また、近年進展する生成AIをはじめとする新技術についても、「AIネイティブ採用」の実現に向けて、各プロダクトへの活用及び機能開発を推進しております。 しかしながら、TalentXが技術革新や市場環境の変化に適切に対応できない場合、又はTalentXの想定を超える革新的な技術やサービスが生じた場合には、TalentXの競争力が低下する可能性があります。また、これらへの対応のために追加的な開発投資や人材投資等が必要となる場合には、TalentXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)生成AI技術の進展について(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし) 近年、生成AIをはじめとするAI技術の発展が進んでおり、企業における活用事例も拡大しております。これらの技術の進展は、技術的側面のみならず、企業の採用活動や人材獲得戦略、人的資本投資の方針にも影響を及ぼす可能性があります。現時点において、AI技術の普及がTalentXの受注状況や価格水準に重大な影響を及ぼしている状況にはありませんが、AI技術を活用した新たなサービスの登場や競合企業による機能強化等により、市場環境や顧客ニーズが大きく変化する可能性があります。また企業における投資の重点がAI関連領域へシフトした場合には、TalentXが提供するサービスに求められる機能や価値も変化する可能性があります。さらに、AI技術を活用した施策の実行にあたっては、適切なセキュリティ対策やデータ管理体制の整備、専門的知見を有する人材の確保等が求められるほか、関連する法規制やガイドライン等の動向に対応する必要があります。TalentXにおいても、「AIネイティブ採用」の実現に向けて生成AIを含む新技術の活用を進めておりますが、市場環境、技術動向及び投資動向の変化に適切に対応できない場合には、TalentXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)システムトラブルについて(顕在可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし) TalentXのサービスはインターネット経由で提供されており、サービス基盤は社内外のネットワークやシステムに依存しております。このためTalentXでは、安定的なサービス提供のため、情報セキュリティの強化を行うなどのシステム管理体制を強化しております。 しかしながら、自然災害や事故等により、電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因により、ネットワークやシステムが停止した場合には、サービスを提供することが不可能となる場合があります。またアクセスの一時的な増加による負荷増大でTalentXシステムが停止する場合や大規模なプログラム障害でサービス提供に支障が出る場合があります。さらに、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪やTalentX担当者の過誤等によって、TalentXのシステムに重大な影響が出る場合があります。 これらの場合、TalentXのサービスへの信用度が著しく低下し、TalentXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)新規事業への投資について(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし) TalentXでは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するため、新規事業を開発するための取り組みを積極的に進めていく方針であります。 新規事業が安定して収益を生み出すまでには、一定期間、研究開発等への投資を要することが想定され、全社の利益率を低下させる可能性があるため、新規事業への投資については市場動向を充分に観察・分析し、事業計画等を慎重に検討した上で実行判断をするほか、既存事業の収益とのバランスを勘案しながら、許容できるリスクについて判断しております。 しかしながら、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当初の計画どおりに推移せず、投資に対して十分な回収を行うことができなかった場合、TalentXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)内部管理体制について(顕在可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし) TalentXでは、継続的な成長のために適切なコーポレート・ガバナンスを整備し、内部管理体制の充実を図ることが重要であると認識しております。このため業容拡大や従業員の増加に合わせ、内部管理体制の整備を進めており、今後も一層の充実を図る方針となっております。 しかしながら、TalentXの事業成長に比べて内部管理体制の構築、整備が遅れるなど、適切な内部管理体制の整備がなされない場合、TalentXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)人材の確保について(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし) TalentXでは、今後更なる業容拡大に対応するため、優秀な人材を確保し、継続して育成・定着させることが重要な課題であると考えております。このため採用活動を強化するほか、入社後の研修等の充実を図るなど、各種施策を推進しております。 しかしながら、TalentXが求める人材を十分に確保できず、また社内における人材育成が計画通りに進まない場合、適正な人員配置が困難となり、TalentXの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (9)特定人物への依存について(顕在可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし) TalentXの代表取締役である鈴木貴史は、TalentXの主要株主であるとともに、TalentX事業に関する豊富な経験と知識を有しており、TalentXの経営方針や事業戦略の決定などの事業活動全般において重要な役割を果たしております。 TalentXでは、業容拡大とともに権限委譲を進め、過度に依存しない経営体制の整備や人材の育成など、リスクの軽減に努めております。 しかしながら、何らかの理由により同氏によるTalentX業務の遂行が困難となった場合、TalentXの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (10)法的規制について(顕在可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし) TalentXは、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「電子署名及び認証業務に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」、「不正競争防止法」、「下請法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「電気通信事業法」、「職業安定法」等の法的規制を受けております。これらのうち、TalentXが事業を展開するに当たり大きく影響を受ける法律は、「個人情報の保護に関する法律」、「職業安定法」であります。TalentXは、「個人情報の保護に関する法律」をはじめとする主要法令等の遵守を徹底する体制の整備及び社内教育を実施し、関連諸法令等の遵守を図っております。 TalentXプロダクト「MyTalent Platform」を提供すること自体は顧客へのシステムの提供であり、有料職業紹介事業の許認可を要するものではありませんが、「MyTalent Platform」に付随するサービス等については有料職業紹介事業許可に基づき行っているものがあります。この点、「MyTalent Platform」に付随するサービス等から生じる売上高の全体に占める割合は現時点では僅少であり、本サービス等を実施する場合は職業安定法をはじめとする関連諸法令等を適切に遵守しております。 また、「MyTalent Platform」を利用される顧客に対しては、利用の仕方やリファラル制度設計上、職業安定法等の規制に抵触しないよう留意する必要があるため、TalentXから適切に注意喚起等を行っております。 しかしながら、このような対策にもかかわらず、新たな法令の制定や既存法令における規制強化等がなされ、TalentXの事業が制約を受ける場合、または万が一法令等遵守体制が機能しなかった場合、TalentXの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 なお、TalentXでは、職業安定法に基づく有料職業紹介事業の許可を得て、サービスを提供しておりますが、現時点で当該許可の継続に問題となるような事象は発生しておりません。 (11)情報管理体制について(顕在可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし) TalentXは、提供するサービスに関連して顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。TalentXでは、個人情報の取り扱いの重要性を十分に認識しており、「個人情報の保護に関する法律」や「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」の要求事項の遵守に努めております。これらの情報資産を保護するため、プライバシーマークを取得しているほか、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO/IEC 27001:2022」の認証取得、個人情報保護方針、情報セキュリティに関する方針を定め、この方針に従って各種規程、マニュアルを制定し、法令の遵守を徹底する体制の整備及び社内教育を実施し、情報資産を適切に管理、保護しております。 しかしながら、このような対策にもかかわらず重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、TalentXの社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、TalentXの事業及び業績に影響を与える可能性があります。(注) プライバシーマーク制度とは、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が行う日本工業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備する事業者等として認定する制度のことです。認定された事業者には「プライバシーマーク(Pマーク)」の使用が認められます。 (12)知的財産権について(顕在可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし) TalentXは、TalentXが開発した知的財産については適切に登録等を行いTalentX財産の保全を図っております。またTalentXが他社の保有する知的財産を侵害しないよう、サービスの開発段階において採用する技術等について、TalentX内で調査し、必要に応じて弁理士等を通じて調査を行うこととしております。 しかしながら、万が一、TalentXが第三者の特許権や著作権等の知的財産を侵害した場合には、TalentXの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 (13)訴訟等について(顕在可能性:低/影響度:小/発生時期:特定時期なし) TalentXは、法令及び契約等の順守のため「コンプライアンス・マニュアル」を定めてコンプライアンス体制の充実に努めており社内教育を実施しております。本書提出日現在において訴訟を提起されている事実はありません。 しかしながら、将来何らかの事由により訴訟を提起される可能性があります。その訴訟の内容及び結果によっては、TalentXの事業及び業績、並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 (14)自然災害について(顕在可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし) TalentXの事業活動に必要なサービス基盤については、自然災害等が発生した場合に備え、データセンターやクラウドを利用しております。 これらサービスの利用にあたっても、自然災害や事故等に備え、定期的なバックアップ、稼働状況の監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めております。しかしながら、火災、地震等の災害によりサービス基盤が被害を受け、情報資産の消失又はサービスの提供が維持できない状態に至った場合には、TalentXの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在可能性:低/影響度:小/発生時期:中期的) TalentXでは、役員及び従業員に対するモチベーション向上等を目的として新株予約権を付与しており、本書提出日現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は3.2%となっております。また今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。 これらの新株予約権が行使された場合、発行済株式総数が増加し1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。 (16)配当政策について(顕在可能性:低/影響度:小/発生時期:特定時期なし) TalentXは、株主に対する利益還元を経営の重要課題と位置付けております。現在、TalentXは成長段階にあり、収益基盤の強化や新規投資への充当を通じて事業拡大を図ることが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このため、会社設立以来、配当は実施しておりません。将来的には、その時点における経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローの状況を勘案し、安定した配当を継続的に実施できる体制を整えた上で、利益還元策を検討していく方針であり、中長期的な配当実施も視野に入れつつ、その時期及び内容については今後慎重に検討してまいります。 (17)M&Aの実施によるリスク(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:短期的) TalentXは成長戦略の一環として、M&Aを推進しております。M&Aの実施においては市場動向や顧客ニーズ、相手先企業の業績、財政状況及びM&Aに伴うリスク分析等の結果を考慮し進めるよう努めて参りますが、買収後の偶発債務等の何らかの理由により、買収した事業が計画通りに展開する事ができず、投下した資金の回収ができない場合には、追加的費用の発生やのれんの減損等により、TalentXの業績に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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