ZenmuTechは、「データの保護、データの利活用を追及する」をミッションとして、安心・安全なデータセキュリティを社会に提供するため、自社開発した秘密分散技術「ZENMU-AONT」(※1)を活用した「秘密分散ソリューション『ZENMU』シリーズ」の展開、及び国立研究開発法人産業技術総合研究所により開発された理論と「ZENMU-AONT」開発のノウハウを生かした「秘密計算(※2)ソリューション」(「QueryAhead」)の開発を進めております。なお、ZenmuTechは情報セキュリティ事業の単一セグメントであります。
(1) 秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズ
従来、セキュリティで用いられる一般的な暗号化技術(※3)では、暗号化された元データを暗号鍵やパスワードで管理するため、暗号鍵やパスワードを詐取されてしまうと、情報漏洩のおそれがありました。しかも、パスワードは増え続けることで管理が難しくなり、同一のパスワードを使い回す懸念もあります。これに対してZenmuTechの「ZENMU-AONT」は、「データ自体を無意味なものとして扱う」という新しい発想のセキュリティであり、データを暗号化したうえで複数の意味のないデータに変換・分散し、分散片単独では元のデータの復元や解析をできないようにする処理(データの無意味化)を行います。データの復元には暗号鍵やパスワードによる管理ではなく、全てのデータの分散片をそろえることで復元するアルゴリズムを実現しています。暗号鍵やパスワードによる管理を必要とすることなく、データを守ることを実現しました。また、分散片の数やデータサイズを任意に設定可能であり、データサイズは最小で32バイトであるため、ネットワークやストレージに大きな負荷をかけることがなく、分散処理や復元処理の高速化が可能となっています。
ZenmuTechの秘密分散ソリューションのうち主力である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」は、シンクタンク、コンサルティングファーム、金融機関、ITベンダーなどで活用されておりますが、特定の業界や企業規模に限定されず利用することが可能です。ZenmuTechソリューションにおいては、契約先で使用されるPC端末毎にライセンスを付与することとしておりますが、ライセンスの販売形態として、①ライセンスのみを一括して販売するフロー型、②ライセンス契約と保守契約及びアプリケーションのアップデート対応が一体となったサブスクリプション契約、③ライセンス利用に係る保守単独契約の三形態があり、②③をストック型形態と位置づけております。販売経路は主に代理店を介しており、近年はライセンス数1,000件以上の大規模案件を代理店との協業により獲得していくことが多くなっております。こうしたフロー型及びストック型のビジネスモデルの概況は以下のようになっております。
ZenmuTechの秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズの主なサービス・製品の詳細は次のとおりです。
①情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」
「ZENMU Virtual Drive」は秘密分散技術を使用したPC向けの情報漏洩対策ソリューションであり、上の図の「ZENMU for PC」」や「ZENMU Virtual Drive Enterprise Editon」の総称です。サーバー、クラウド、USB、スマートフォン、ウエアラブル端末などあらゆるデバイスに、PCに内蔵されているデータの一部を自由に分散保管し、分散片を外部で管理する仕組みとなっています。保管先も、無意味化されたデータであれば、高価なストレージである必要はないため、新規にサーバー等の追加投資をする負担が少なく、パブリッククラウド(※4)の利用も可能です。
また、PCの操作に不慣れな方にも複雑な操作を必要とすることなく快適に利用できる、ユーザビリティの高さをコンセプトに開発を進め、シンプルな画面設計で通常のPC上の操作とほぼ同様に扱えるようになっております。データを分散保管したPCと外部のデバイスとの接続時に自動で分散片をPC上でマウント(結合)し、復元されたデータにアクセス可能な状態にしています。
仮に、データの分散片が保管されているデバイスの紛失や盗難に遭ったとしても、管理者が分散片へのアクセスを停止すればデータを復元することができなくなるため、セキュリティリスクは軽減されます。データの無意味化により、分散片の一部のデータだけでは元のデータを推測することは、現実的な処理時間では不可能な状態となることから、個人情報保護委員会が規定する「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」上の「漏洩等事案に係る個人データ又は加工方法等情報について高度な暗号化等の秘匿化がされている場合」に該当する状態であり、ZenmuTechでは分散片の一部の漏洩は情報漏洩には該当しないものと判断しております。
従って、社外へのPCの持ち出しやリモートワーク等の際、紛失・盗難時の有効な対策になり得ると考えております。エンドポイントセキュリティ(※5)として、従業員のリモートワークなどの多様な働き方を重視し、セキュリティインシデント発生の抑制及び発生時の被害のリスクを減少したい顧客への導入が増加し、他社ブランドとしてOEM提供しているものを含め本書提出日現在約10万人(注)の方にご利用頂いております。
(注)ZenmuTech製品の利用者数を客観的に表すサブスクリプション契約と保守契約の合計値
さらに、オフラインでも利用でき、ネットワーク環境に影響されず、安定的なパフォーマンスを維持することができます。ネットワーク環境には依存せず、アクセスの集中時やWeb会議で通信負荷が増大した際のレスポンスの悪化や処理速度の低下といった事態は生じず、大量の処理を実行するサーバー等のリソースが不要であるため、情報セキュリティソリューションの選択肢の一つであるVDI(※6)と比較して、導入・運用に係るコストを抑えられる特徴があります。
また、顧客が必要としている時に即時に試用・提供が可能であり、顧客側においても、サーバー等の新たな固定資産の設備投資への負担が少ないため、ソフトウエア開発等の受託開発型に比して、導入までの意思決定期間を短くすることができます。
ZenmuTechでは、常にカスタマーサポート部門と技術開発部門が連携してサービスの改善・強化に努め、顧客から選ばれるサービスの継続を目指しております。
②秘密分散ソフトウエア開発キット「ZENMU Engine」
「ZENMU Engine」は「ZENMU-AONT」の秘密分散技術を顧客のソリューションに組み込むことができるようにするための製品(ライブラリ)であり、ソフトウエア開発キットとして提供しています。また、顧客の要望に応じて「ZENMU Engine」を組み込んだOEM商品の開発に対するコンサルティングなどの技術支援を行っております。
「ZENMU Engine」に係る課金形態として、顧客の利用目的に応じたソフトウエア開発キットのライセンス収入を得るほか、ライセンス利用に伴う保守契約を締結し、保守料を収受しております。また、OEM商品の開発に際して、コンサルティング料を収受するほか、OEM商品の収益に応じたロイヤルティを得る収益形態となっております。
<ZENMU EngineのOEM商品の事例>
a.デジタルウォレット
NFT(※7)及び暗号資産の取扱もできるデジタルウォレットの保護の要として、秘密鍵の秘匿化処理に「ZENMU Engine」の技術が採用されました。デジタルウォレットは、今後、メタバースと言われるインターネット上の3次元の仮想空間におけるサービスやNFTマーケット、暗号資産決済等、Web3(※8)サービスでは必要不可欠となるため、今後の利用拡大も期待されます。
b.防犯・監視カメラ
個人の顔が識別できる映像データは個人情報にあたりますが、秘密分散技術によって映像データを分散保管することによりセキュリティが強化され、漏洩や盗聴、窃取から守ることができ、株式会社日立システムズエンジニアリングサービスから「秘密分散フォービデオ」として提供されております。
(2) 秘密計算ソリューション
ZenmuTechでは、秘密分散技術を応用し、国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究を基に秘密計算ソリューション「QueryAhead」を開発しました。秘密計算技術を用いることで、データを秘匿化したまま計算や通信、保存などの処理を行い、クラウドや社内サーバーなど環境を問わずに安全にデータの受け渡しや加工・分析が可能となり、データの利活用の活性化によるビジネス機会の創出、産業の活性化が期待されます。
ZenmuTechでは、複数の企業と連携して、秘密計算技術の開発・改良などの研究開発を進めるほか、秘密計算ソリューション「QueryAhead」を利用したサービスの事業化を目指すパートナーの開拓や委託研究の受託役務等を進めております。
(3) その他
秘密分散ソリューションおよび秘密計算ソリューションの開発・提供とは別に設立当初から行っております、シンクライアント用「Windows Embedded OSのカスタマイズ」及び「シンクライアント基盤最適化コンサルティング」を「Embedded」ソリューションとして提供しており、既存代理店の案件や導入済顧客からの追加導入やPC更新時などのリピート案件について顧客の運用に応じたコンサルティングやカスタマイズ作業などの受託役務から収益を得ております。
■用語解説
本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義は次のとおりであります。
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番号 |
用語 |
意味・内容 |
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※1 |
秘密分散技術 「ZENMU-AONT」 |
秘密分散技術「ZENMU-AONT」とは、情報を暗号化技術によって複数の分散片に分け、すべての分散片がそろわないと復元が不可能とするAONT(All or Nothing Transform)方式を用いた独自の秘密分散アルゴリズム(手順・計算方法)です。分散片はそれぞれ意味を持たず、32バイトまで小さくすることができ、分散後のデータサイズが大きくならないため、ネットワークに負荷をかけることなく、分割や復元処理が高速で可能となり、情報を無意味化することができる技術です。
※秘密分散技術のイメージ
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※2 |
秘密計算技術 |
秘密計算技術とは、データを暗号化したまま計算することができる技術の総称であり、データ分析でのプライバシー保護を強化する技術のひとつです。秘密計算技術により、機密データの直接的な送受信を避け、暗号化したままデータ分析が実施できることから、組織間のデータ共有などアナリティクスの高度化につながると期待されています。 ソフトウエア上で秘密計算を行う方式として、暗号化したまま計算する方式(準同型暗号方式)と秘密分散技術を利用したMPCと呼ばれる方式があり、ZenmuTechは秘密分散技術のノウハウを活かしMPC方式の秘密計算技術の事業化に取り組んでおります。
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※3 |
暗号化技術 |
元のデータや通信内容を不規則な文字列に変換する処理のことであり、仮に個人情報が流出したとしても、データはランダムな文字列で表示されるため、第三者による解読や悪用を防止することができる技術です。 データを暗号化するため、また、暗号化したデータをもとのデータに戻す(復号化)ために使用される文字列を暗号鍵(または単に「鍵」)と呼び、主要な暗号化方式のひとつである公開鍵暗号方式ではペアとなる別の鍵を生成し暗号化と復号化で別々の鍵を使い分け、暗号化に用いる鍵を「公開鍵」、復号化に用いる鍵を「秘密鍵」と呼びます。 |
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番号 |
用語 |
意味・内容 |
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※4 |
パブリック クラウド |
情報システムのインフラをサービスとして遠隔から利用できるようにしたクラウド環境のうち、誰でもインターネットからアクセスして利用することができます。 |
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※5 |
エンドポイントセキュリティ |
ネットワークの末端に接続されているPCやモバイル端末などの「エンドポイント」を保護するセキュリティ対策です。 |
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※6 |
VDI |
Virtual Desktop Infrastructure(仮想デスクトップ基盤)の略称で、デスクトップ仮想化や仮想デスクトップなどと呼ばれます。OSやアプリケーションなどのデスクトップ環境を仮想化してサーバー上に集約したものであり、利用者はシンクライアントPCからネットワークを通じてサーバー上の仮想マシンに接続し、デスクトップ画面を呼び出して操作することができます。 |
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※7 |
NFT |
正式名称はNon-Fungible Token(非代替性トークン)で、改ざんが難しいブロックチェーン技術を使って、所有者情報などを保証するデジタル資産です。 |
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※8 |
Web3 |
次世代の分散型インターネットのことであり、ブロックチェーンなどの技術を活用して、データを分散管理します。 |
以上で述べました事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
ZenmuTechの事業展開その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、情報の適時開示の観点から積極的に開示しております。なお、ZenmuTechは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、ZenmuTech株式に関する投資判断は、以下の記載事項および本項以外の記載事項を、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
ZenmuTechのリスク管理につきましては、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、以下に挙げましたリスク要因を把握し、管理する体制となっております。詳しくは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 1.取締役および使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」をご参照ください。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてZenmuTechが判断したものであり、本項の記載における将来に関する事項は、全てのリスク要因が網羅されているわけではありませんので、ご留意ください。
(1) 事業環境に関するリスク
①技術革新への対応に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechが属する情報セキュリティの分野は、コンピュータに対する新たな脅威や技術革新等による事業環境の変化により、市場のニーズが変動するリスクがあります。このような状況のもと、ZenmuTechは、技術開発部門による新しい発想による技術開発及び各研究機関との研究成果の各種学会、カンファレンス等での発表、各種メディアへの情報発信などの取り組みにより、ZenmuTech製品及びサービスの競争力の維持向上に努めております。
しかしながら、ZenmuTechが技術革新に対応するための人件費などの開発費用を投じることができない場合、またはZenmuTech製品及びサービスの陳腐化又は競合他社の企業努力などの要因により、ZenmuTechが競争力を維持することができない場合には、ZenmuTechの業績に影響を与える可能性があります。
②事業環境の変化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 高)
ZenmuTechが製品・サービスを提供している情報セキュリティの市場は、日々情報漏洩の危険にさらされている現状においては、今後も拡大していくものと見込んでおりますが、国内市場においては市場の成長スピードを高い精度で見積もることは難しい状況にあります。また、市場が順調に拡大した場合でも、競合他社の参入や変化のスピードに迅速かつ柔軟に対応できず、ZenmuTechが市場でのシェアを伸ばして行くことができなくなる可能性があります。ZenmuTechでは、新製品や新たなソリューションに向けての研究開発の深耕、顧客ソリューションにおけるZenmuTech技術の適用拡大と提案力向上などの取り組みを強化しておりますが、このようなZenmuTechを取り巻く事業環境の変化に有効な対抗策を講じることができなかった場合、ZenmuTechの業績に影響を与える可能性があります。
③特定事業への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechが展開する事業領域は、情報セキュリティ事業の単一セグメントであり、当該事業に経営資源を集中させております。ZenmuTechでは、情報セキュリティ事業のうち主力サービスである「ZENMU Virtual Drive」に関する売上高の割合が高く、これを含めた秘密分散ビジネスの売上構成は2023年12月期において85%と依存度が高くなっております。ZenmuTechでは、「ZENMU Engine」を用いたOEMの強化や、秘密分散技術を応用させた秘密計算ソリューションの研究開発を進める等、特定サービスへの依存低下を進めておりますが、環境の変化等により、当該市場が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④法的規制に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
本書提出日現在において、ZenmuTechの事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しておりますが、ZenmuTechが提供するサービスにおいて、主力商品となっている情報の分散データの取り扱いについては「個人情報の保護に関する法律」等の法令を遵守する必要があります。その他関連する新たな法令等の制定や、既存法令等の改正及び解釈変更がなされた場合、ZenmuTechの事業が制約を受け、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。設立以降、ZenmuTechの事業が重大な制約を受ける法令の制定・改正等はありませんが、ZenmuTechでは事業に関連する法的規制に関する情報を定期的に収集し必要に応じて顧問弁護士等のアドバイスを受けつつ対策を講じる方針です。
(2) 事業内容に関するリスク
①販売代理店への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
ZenmuTechの主力商品である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」の販売経路は、主に販売代理店を経由した取引となっており、ZenmuTechでは販売代理店への側面サポートや代理店との協業による顧客開拓を行っております。しかしながら、ZenmuTechにとってはエンドユーザーとの直接の関与が難しいという側面があります。今後も安定的に事業を拡大するために、より販売代理店との連携強化を進めることで、エンドユーザーの要望や受注状況等の情報を収集し、確実性の高い受注予測ができるよう努めてまいりますが、情報収集に遅れ等が生じた場合、ZenmuTechの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②研究開発活動の不確実性に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechは、秘密分散技術や秘密計算技術を開発・事業化するため、研究開発費用に資本を投入しておりますが、市場動向の予測が難しく、適時に効果的な研究開発活動を実施できず、他社がZenmuTechより優れた技術、製品を開発すれば、ZenmuTechの製品は陳腐化し、販売シェアが縮小すると同時に、新製品の事業及び市場の拡大が妨げられることになります。そのような変化を的確に予測し、求められる技術、製品の開発をタイムリーに行うことは非常に困難です。特に新規技術につきましては、研究活動の方向性を定めることには一層の困難を伴うため、研究開発に要した費用を回収することへの不確実性が高いと考えられます。)ZenmuTechでは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な経営戦略」に記載した成長戦略に則り事業展開を行っていく方針であり、秘密計算ソリューションの事業化に向けて産業技術総合研究所との共同研究を基礎とした開発を行っていく方針でありますが、研究開発活動が収益に寄与する成果を出すことができない場合、ZenmuTechの事業、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 会社組織に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
①小規模組織における内部統制に係るリスク
ZenmuTechは、小規模の体制で効率的な事業運営に努めており、現在の組織体制に則した業務執行体制、内部統制を構築しておりますが、今後、事業の急速な拡大等により、適切な人的・組織的な対応ができずに、内部統制の構築に遅れが生じる場合には、事業運営が困難となり、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②人材の育成・確保に係るリスク(発現可能性 中、影響度 高)
ZenmuTechでは、積極的に優秀な人材の採用、育成に注力し、従業員の働きやすさを重視したリモートワーク等の業務環境の整備によるワークライフバランスの確保やCWO(最高ウェルビーイング責任者)を選任し、従業員のウェルビーイング(健康かつ健全な心と身体である状態)の維持向上の推進を図ることで、人材の定着に努めておりますが、ZenmuTechが属する情報セキュリティ分野においては、特に専門的な技術を持ったエンジニアや業界・技術に通じた営業担当者の獲得は難しい状況にあります。そのため、適切な人材を十分に確保できず、あるいは優秀な人材が社外へ流出した場合には、ZenmuTechの経営戦略の遂行上、影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他のリスク
①有利子負債の依存度に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechは、運転資金に必要な資金を主に金融機関からの借入で調達しており、2024年12月期第3四半期末の総資産額に占める有利子負債比率は22.3%となっております。現状は借り換えを含め順調に資金調達がなされておりますが、財務体質の悪化や、借入金利の上昇により支払利息が増加した場合には、ZenmuTechの財政状態や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
②税務上の繰越欠損金に係るリスク(発現可能性 低、影響度 中)
ZenmuTechは事業拡大のための先行投資等により2016年2月期から2022年12月期まで当期純損失を計上したこと、及び当該資金を株式会社日本政策金融公庫からの借入れにより調達したことにより、2022年12月期まで債務超過となっておりましたが、2023年12月期の黒字化並びに2023年12月までに行った第三者割当増資により債務超過を解消しております。一方で税務上の繰越欠損金は引続き存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されております。ZenmuTechの事業が順調に推移し、当該繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、ZenmuTechの業績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
③無形固定資産(ソフトウエア)に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
ZenmuTechは、製品・サービスの強化・維持を図るためソフトウエアへの開発投資を推進しており、将来の収益獲得が確実であると認められた開発費用をソフトウエアとして無形固定資産に計上しております。ソフトウエアの開発に際しましては、市場性等を慎重に見極めておりますが、市場や競合状況の急激な変化などにより、想定していた利用が見込めなくなった場合や、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、除却あるいは減損の対象となる可能性があり、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④新株予約権の行使による株式価値の希薄化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 中)
ZenmuTechは、ZenmuTechの役員、従業員及び社外協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しており、本書提出日時点における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は10.85%となっております。ZenmuTechでは、資本政策によりその割合を適切に把握しておりますが、これらの新株予約権が行使された場合には、ZenmuTechの株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
⑤知的財産権に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechの事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟等の問題が発生した事実はなく、本書提出日現在においては、ZenmuTechの事業に関し他者が保有する特許権等への侵害により、事業に重大な支障を及ぼす可能性は低いものと認識しております。しかしながら、今後、ZenmuTechが第三者との間で係争となった場合、弁護士や弁理士と協議の上、個別具体的に対応策を検討していく方針ですが、当該第三者の主張の適否に関わらず、解決に至るまでに、時間および多額の費用を要する可能性があります。また、ZenmuTechの商品や技術につきましては、適正に管理しておりますが、第三者が侵害した場合にも同様に、時間および多額の費用を要する可能性があります。その場合にはZenmuTechの事業戦略および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。現状、秘密分散ソリューション、秘密計算技術ともに特許化および公知化する戦略をとっており、これらはZenmuTechの強みとなっております。
そのほか、ZenmuTechの秘密分散ビジネスおよび秘密計算ビジネスでは、自社開発技術を中核に製品・サービス等の開発を行っているものの、秘密計算ソリューション「QueryAhead」では産業技術総合研究所の開発したソースコード(※1)について同研究所の子会社として知財および共同研究の管理を行う株式会社AIST Solutionsから許諾を得て使用しております。また、同研究所との共同研究契約を通じて、秘密分散技術、秘密計算技術の双方について理論面での高度化を継続的に図っており、同研究所との協力関係の維持および強化について今後も取り組んでいく方針です。なお、当該ソースコードの使用については2091年12月31日までの使用許諾契約を締結済であり、また、秘密計算の処理自体は当該ソースコードに依存することなく実現しているものであることから、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性は限定的であるものと考えております。
(※1)「ソースコード」
コンピュータへの指示や一連の処理手順などをプログラミング言語によって表記したもの。
「QueryAhead」における産総研が開発した「秘匿シャッフルプログラム」ソースコードはデータを秘匿化したまま大きさの順番に並べる機能を担っており、最大値、最小値を求める、等の処理を実現しています。
⑥配当政策に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
ZenmuTechは、株主に対する利益還元を経営上の重要な経営課題と位置づけておりますが、現状においては成長過程にあるため、当面の間は内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当することが、株主に対する利益還元につながるものと考えております。将来的には、各事業年度の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主に対して配当による利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
⑦資金調達に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechの公募増資による調達資金の使途については、ZenmuTech事業の拡大のため、事業成長のための研究開発費や採用等による人員増による人件費などへの充当を予定しております。しかしながら、上記に記載しましたように、事業環境が変化することも考えられるため、当該資金を想定通りの使途に充当されない可能性もあります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定通りの投資効果を得られない可能性があります。そのような場合において、ZenmuTechの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ベンチャーキャピタル等のZenmuTech株式保有割合に係るリスク(発現可能性 高、影響度 中)
本書提出日現在におけるZenmuTechの発行済株式総数は1,072,800株であり、このうちベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合(以下、「VC等」という。)が保有する株式数は162,600株と、ZenmuTech株式の公募増資前の発行済株式総数に対する割合は15.2%となっております。
一般に、VC等が未上場会社の株式を取得する場合、上場後に保有株式を売却しキャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであり、ZenmuTechの株式上場後において、VC等が保有するZenmuTech株式の一部または全部を市場にて売却した場合には、ZenmuTech株式の需給バランスが短期的に損なわれ、株価の形成に影響を及ぼす可能性があります。
ZenmuTechの事業展開その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、情報の適時開示の観点から積極的に開示しております。なお、ZenmuTechは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、ZenmuTech株式に関する投資判断は、以下の記載事項および本項以外の記載事項を、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
ZenmuTechのリスク管理につきましては、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、以下に挙げましたリスク要因を把握し、管理する体制となっております。詳しくは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 1.取締役および使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」をご参照ください。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてZenmuTechが判断したものであり、本項の記載における将来に関する事項は、全てのリスク要因が網羅されているわけではありませんので、ご留意ください。
(1) 事業環境に関するリスク
①技術革新への対応に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechが属する情報セキュリティの分野は、コンピュータに対する新たな脅威や技術革新等による事業環境の変化により、市場のニーズが変動するリスクがあります。このような状況のもと、ZenmuTechは、技術開発部門による新しい発想による技術開発及び各研究機関との研究成果の各種学会、カンファレンス等での発表、各種メディアへの情報発信などの取り組みにより、ZenmuTech製品及びサービスの競争力の維持向上に努めております。
しかしながら、ZenmuTechが技術革新に対応するための人件費などの開発費用を投じることができない場合、またはZenmuTech製品及びサービスの陳腐化又は競合他社の企業努力などの要因により、ZenmuTechが競争力を維持することができない場合には、ZenmuTechの業績に影響を与える可能性があります。
②事業環境の変化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 高)
ZenmuTechが製品・サービスを提供している情報セキュリティの市場は、日々情報漏洩の危険にさらされている現状においては、今後も拡大していくものと見込んでおりますが、国内市場においては市場の成長スピードを高い精度で見積もることは難しい状況にあります。また、市場が順調に拡大した場合でも、競合他社の参入や変化のスピードに迅速かつ柔軟に対応できず、ZenmuTechが市場でのシェアを伸ばして行くことができなくなる可能性があります。ZenmuTechでは、新製品や新たなソリューションに向けての研究開発の深耕、顧客ソリューションにおけるZenmuTech技術の適用拡大と提案力向上などの取り組みを強化しておりますが、このようなZenmuTechを取り巻く事業環境の変化に有効な対抗策を講じることができなかった場合、ZenmuTechの業績に影響を与える可能性があります。
③特定事業への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechが展開する事業領域は、情報セキュリティ事業の単一セグメントであり、当該事業に経営資源を集中させております。ZenmuTechでは、情報セキュリティ事業のうち主力サービスである「ZENMU Virtual Drive」に関する売上高の割合が高く、これを含めた秘密分散ビジネスの売上構成は2023年12月期において85%と依存度が高くなっております。ZenmuTechでは、「ZENMU Engine」を用いたOEMの強化や、秘密分散技術を応用させた秘密計算ソリューションの研究開発を進める等、特定サービスへの依存低下を進めておりますが、環境の変化等により、当該市場が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④法的規制に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
本書提出日現在において、ZenmuTechの事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しておりますが、ZenmuTechが提供するサービスにおいて、主力商品となっている情報の分散データの取り扱いについては「個人情報の保護に関する法律」等の法令を遵守する必要があります。その他関連する新たな法令等の制定や、既存法令等の改正及び解釈変更がなされた場合、ZenmuTechの事業が制約を受け、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。設立以降、ZenmuTechの事業が重大な制約を受ける法令の制定・改正等はありませんが、ZenmuTechでは事業に関連する法的規制に関する情報を定期的に収集し必要に応じて顧問弁護士等のアドバイスを受けつつ対策を講じる方針です。
(2) 事業内容に関するリスク
①販売代理店への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
ZenmuTechの主力商品である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」の販売経路は、主に販売代理店を経由した取引となっており、ZenmuTechでは販売代理店への側面サポートや代理店との協業による顧客開拓を行っております。しかしながら、ZenmuTechにとってはエンドユーザーとの直接の関与が難しいという側面があります。今後も安定的に事業を拡大するために、より販売代理店との連携強化を進めることで、エンドユーザーの要望や受注状況等の情報を収集し、確実性の高い受注予測ができるよう努めてまいりますが、情報収集に遅れ等が生じた場合、ZenmuTechの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②研究開発活動の不確実性に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechは、秘密分散技術や秘密計算技術を開発・事業化するため、研究開発費用に資本を投入しておりますが、市場動向の予測が難しく、適時に効果的な研究開発活動を実施できず、他社がZenmuTechより優れた技術、製品を開発すれば、ZenmuTechの製品は陳腐化し、販売シェアが縮小すると同時に、新製品の事業及び市場の拡大が妨げられることになります。そのような変化を的確に予測し、求められる技術、製品の開発をタイムリーに行うことは非常に困難です。特に新規技術につきましては、研究活動の方向性を定めることには一層の困難を伴うため、研究開発に要した費用を回収することへの不確実性が高いと考えられます。)ZenmuTechでは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な経営戦略」に記載した成長戦略に則り事業展開を行っていく方針であり、秘密計算ソリューションの事業化に向けて産業技術総合研究所との共同研究を基礎とした開発を行っていく方針でありますが、研究開発活動が収益に寄与する成果を出すことができない場合、ZenmuTechの事業、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 会社組織に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
①小規模組織における内部統制に係るリスク
ZenmuTechは、小規模の体制で効率的な事業運営に努めており、現在の組織体制に則した業務執行体制、内部統制を構築しておりますが、今後、事業の急速な拡大等により、適切な人的・組織的な対応ができずに、内部統制の構築に遅れが生じる場合には、事業運営が困難となり、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②人材の育成・確保に係るリスク(発現可能性 中、影響度 高)
ZenmuTechでは、積極的に優秀な人材の採用、育成に注力し、従業員の働きやすさを重視したリモートワーク等の業務環境の整備によるワークライフバランスの確保やCWO(最高ウェルビーイング責任者)を選任し、従業員のウェルビーイング(健康かつ健全な心と身体である状態)の維持向上の推進を図ることで、人材の定着に努めておりますが、ZenmuTechが属する情報セキュリティ分野においては、特に専門的な技術を持ったエンジニアや業界・技術に通じた営業担当者の獲得は難しい状況にあります。そのため、適切な人材を十分に確保できず、あるいは優秀な人材が社外へ流出した場合には、ZenmuTechの経営戦略の遂行上、影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他のリスク
①有利子負債の依存度に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechは、運転資金に必要な資金を主に金融機関からの借入で調達しており、2024年12月期第3四半期末の総資産額に占める有利子負債比率は22.3%となっております。現状は借り換えを含め順調に資金調達がなされておりますが、財務体質の悪化や、借入金利の上昇により支払利息が増加した場合には、ZenmuTechの財政状態や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
②税務上の繰越欠損金に係るリスク(発現可能性 低、影響度 中)
ZenmuTechは事業拡大のための先行投資等により2016年2月期から2022年12月期まで当期純損失を計上したこと、及び当該資金を株式会社日本政策金融公庫からの借入れにより調達したことにより、2022年12月期まで債務超過となっておりましたが、2023年12月期の黒字化並びに2023年12月までに行った第三者割当増資により債務超過を解消しております。一方で税務上の繰越欠損金は引続き存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されております。ZenmuTechの事業が順調に推移し、当該繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、ZenmuTechの業績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
③無形固定資産(ソフトウエア)に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
ZenmuTechは、製品・サービスの強化・維持を図るためソフトウエアへの開発投資を推進しており、将来の収益獲得が確実であると認められた開発費用をソフトウエアとして無形固定資産に計上しております。ソフトウエアの開発に際しましては、市場性等を慎重に見極めておりますが、市場や競合状況の急激な変化などにより、想定していた利用が見込めなくなった場合や、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、除却あるいは減損の対象となる可能性があり、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④新株予約権の行使による株式価値の希薄化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 中)
ZenmuTechは、ZenmuTechの役員、従業員及び社外協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しており、本書提出日時点における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は10.85%となっております。ZenmuTechでは、資本政策によりその割合を適切に把握しておりますが、これらの新株予約権が行使された場合には、ZenmuTechの株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
⑤知的財産権に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechの事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟等の問題が発生した事実はなく、本書提出日現在においては、ZenmuTechの事業に関し他者が保有する特許権等への侵害により、事業に重大な支障を及ぼす可能性は低いものと認識しております。しかしながら、今後、ZenmuTechが第三者との間で係争となった場合、弁護士や弁理士と協議の上、個別具体的に対応策を検討していく方針ですが、当該第三者の主張の適否に関わらず、解決に至るまでに、時間および多額の費用を要する可能性があります。また、ZenmuTechの商品や技術につきましては、適正に管理しておりますが、第三者が侵害した場合にも同様に、時間および多額の費用を要する可能性があります。その場合にはZenmuTechの事業戦略および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。現状、秘密分散ソリューション、秘密計算技術ともに特許化および公知化する戦略をとっており、これらはZenmuTechの強みとなっております。
そのほか、ZenmuTechの秘密分散ビジネスおよび秘密計算ビジネスでは、自社開発技術を中核に製品・サービス等の開発を行っているものの、秘密計算ソリューション「QueryAhead」では産業技術総合研究所の開発したソースコード(※1)について同研究所の子会社として知財および共同研究の管理を行う株式会社AIST Solutionsから許諾を得て使用しております。また、同研究所との共同研究契約を通じて、秘密分散技術、秘密計算技術の双方について理論面での高度化を継続的に図っており、同研究所との協力関係の維持および強化について今後も取り組んでいく方針です。なお、当該ソースコードの使用については2091年12月31日までの使用許諾契約を締結済であり、また、秘密計算の処理自体は当該ソースコードに依存することなく実現しているものであることから、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性は限定的であるものと考えております。
(※1)「ソースコード」
コンピュータへの指示や一連の処理手順などをプログラミング言語によって表記したもの。
「QueryAhead」における産総研が開発した「秘匿シャッフルプログラム」ソースコードはデータを秘匿化したまま大きさの順番に並べる機能を担っており、最大値、最小値を求める、等の処理を実現しています。
⑥配当政策に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
ZenmuTechは、株主に対する利益還元を経営上の重要な経営課題と位置づけておりますが、現状においては成長過程にあるため、当面の間は内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当することが、株主に対する利益還元につながるものと考えております。将来的には、各事業年度の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主に対して配当による利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
⑦資金調達に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechの公募増資による調達資金の使途については、ZenmuTech事業の拡大のため、事業成長のための研究開発費や採用等による人員増による人件費などへの充当を予定しております。しかしながら、上記に記載しましたように、事業環境が変化することも考えられるため、当該資金を想定通りの使途に充当されない可能性もあります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定通りの投資効果を得られない可能性があります。そのような場合において、ZenmuTechの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ベンチャーキャピタル等のZenmuTech株式保有割合に係るリスク(発現可能性 高、影響度 中)
本書提出日現在におけるZenmuTechの発行済株式総数は1,072,800株であり、このうちベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合(以下、「VC等」という。)が保有する株式数は162,600株と、ZenmuTech株式の公募増資前の発行済株式総数に対する割合は15.2%となっております。
一般に、VC等が未上場会社の株式を取得する場合、上場後に保有株式を売却しキャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであり、ZenmuTechの株式上場後において、VC等が保有するZenmuTech株式の一部または全部を市場にて売却した場合には、ZenmuTech株式の需給バランスが短期的に損なわれ、株価の形成に影響を及ぼす可能性があります。
ZenmuTechの事業展開その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、情報の適時開示の観点から積極的に開示しております。なお、ZenmuTechは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、ZenmuTech株式に関する投資判断は、以下の記載事項および本項以外の記載事項を、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
ZenmuTechのリスク管理につきましては、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、以下に挙げましたリスク要因を把握し、管理する体制となっております。詳しくは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 1.取締役および使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」をご参照ください。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてZenmuTechが判断したものであり、本項の記載における将来に関する事項は、全てのリスク要因が網羅されているわけではありませんので、ご留意ください。
(1) 事業環境に関するリスク
①技術革新への対応に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechが属する情報セキュリティの分野は、コンピュータに対する新たな脅威や技術革新等による事業環境の変化により、市場のニーズが変動するリスクがあります。このような状況のもと、ZenmuTechは、技術開発部門による新しい発想による技術開発及び各研究機関との研究成果の各種学会、カンファレンス等での発表、各種メディアへの情報発信などの取り組みにより、ZenmuTech製品及びサービスの競争力の維持向上に努めております。
しかしながら、ZenmuTechが技術革新に対応するための人件費などの開発費用を投じることができない場合、またはZenmuTech製品及びサービスの陳腐化又は競合他社の企業努力などの要因により、ZenmuTechが競争力を維持することができない場合には、ZenmuTechの業績に影響を与える可能性があります。
②事業環境の変化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 高)
ZenmuTechが製品・サービスを提供している情報セキュリティの市場は、日々情報漏洩の危険にさらされている現状においては、今後も拡大していくものと見込んでおりますが、国内市場においては市場の成長スピードを高い精度で見積もることは難しい状況にあります。また、市場が順調に拡大した場合でも、競合他社の参入や変化のスピードに迅速かつ柔軟に対応できず、ZenmuTechが市場でのシェアを伸ばして行くことができなくなる可能性があります。ZenmuTechでは、新製品や新たなソリューションに向けての研究開発の深耕、顧客ソリューションにおけるZenmuTech技術の適用拡大と提案力向上などの取り組みを強化しておりますが、このようなZenmuTechを取り巻く事業環境の変化に有効な対抗策を講じることができなかった場合、ZenmuTechの業績に影響を与える可能性があります。
③特定事業への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechが展開する事業領域は、情報セキュリティ事業の単一セグメントであり、当該事業に経営資源を集中させております。ZenmuTechでは、情報セキュリティ事業のうち主力サービスである「ZENMU Virtual Drive」に関する売上高の割合が高く、これを含めた秘密分散ビジネスの売上構成は2023年12月期において85%と依存度が高くなっております。ZenmuTechでは、「ZENMU Engine」を用いたOEMの強化や、秘密分散技術を応用させた秘密計算ソリューションの研究開発を進める等、特定サービスへの依存低下を進めておりますが、環境の変化等により、当該市場が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④法的規制に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
本書提出日現在において、ZenmuTechの事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しておりますが、ZenmuTechが提供するサービスにおいて、主力商品となっている情報の分散データの取り扱いについては「個人情報の保護に関する法律」等の法令を遵守する必要があります。その他関連する新たな法令等の制定や、既存法令等の改正及び解釈変更がなされた場合、ZenmuTechの事業が制約を受け、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。設立以降、ZenmuTechの事業が重大な制約を受ける法令の制定・改正等はありませんが、ZenmuTechでは事業に関連する法的規制に関する情報を定期的に収集し必要に応じて顧問弁護士等のアドバイスを受けつつ対策を講じる方針です。
(2) 事業内容に関するリスク
①販売代理店への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
ZenmuTechの主力商品である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」の販売経路は、主に販売代理店を経由した取引となっており、ZenmuTechでは販売代理店への側面サポートや代理店との協業による顧客開拓を行っております。しかしながら、ZenmuTechにとってはエンドユーザーとの直接の関与が難しいという側面があります。今後も安定的に事業を拡大するために、より販売代理店との連携強化を進めることで、エンドユーザーの要望や受注状況等の情報を収集し、確実性の高い受注予測ができるよう努めてまいりますが、情報収集に遅れ等が生じた場合、ZenmuTechの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②研究開発活動の不確実性に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechは、秘密分散技術や秘密計算技術を開発・事業化するため、研究開発費用に資本を投入しておりますが、市場動向の予測が難しく、適時に効果的な研究開発活動を実施できず、他社がZenmuTechより優れた技術、製品を開発すれば、ZenmuTechの製品は陳腐化し、販売シェアが縮小すると同時に、新製品の事業及び市場の拡大が妨げられることになります。そのような変化を的確に予測し、求められる技術、製品の開発をタイムリーに行うことは非常に困難です。特に新規技術につきましては、研究活動の方向性を定めることには一層の困難を伴うため、研究開発に要した費用を回収することへの不確実性が高いと考えられます。)ZenmuTechでは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な経営戦略」に記載した成長戦略に則り事業展開を行っていく方針であり、秘密計算ソリューションの事業化に向けて産業技術総合研究所との共同研究を基礎とした開発を行っていく方針でありますが、研究開発活動が収益に寄与する成果を出すことができない場合、ZenmuTechの事業、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 会社組織に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
①小規模組織における内部統制に係るリスク
ZenmuTechは、小規模の体制で効率的な事業運営に努めており、現在の組織体制に則した業務執行体制、内部統制を構築しておりますが、今後、事業の急速な拡大等により、適切な人的・組織的な対応ができずに、内部統制の構築に遅れが生じる場合には、事業運営が困難となり、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②人材の育成・確保に係るリスク(発現可能性 中、影響度 高)
ZenmuTechでは、積極的に優秀な人材の採用、育成に注力し、従業員の働きやすさを重視したリモートワーク等の業務環境の整備によるワークライフバランスの確保やCWO(最高ウェルビーイング責任者)を選任し、従業員のウェルビーイング(健康かつ健全な心と身体である状態)の維持向上の推進を図ることで、人材の定着に努めておりますが、ZenmuTechが属する情報セキュリティ分野においては、特に専門的な技術を持ったエンジニアや業界・技術に通じた営業担当者の獲得は難しい状況にあります。そのため、適切な人材を十分に確保できず、あるいは優秀な人材が社外へ流出した場合には、ZenmuTechの経営戦略の遂行上、影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他のリスク
①有利子負債の依存度に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechは、運転資金に必要な資金を主に金融機関からの借入で調達しており、2024年12月期第3四半期末の総資産額に占める有利子負債比率は22.3%となっております。現状は借り換えを含め順調に資金調達がなされておりますが、財務体質の悪化や、借入金利の上昇により支払利息が増加した場合には、ZenmuTechの財政状態や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
②税務上の繰越欠損金に係るリスク(発現可能性 低、影響度 中)
ZenmuTechは事業拡大のための先行投資等により2016年2月期から2022年12月期まで当期純損失を計上したこと、及び当該資金を株式会社日本政策金融公庫からの借入れにより調達したことにより、2022年12月期まで債務超過となっておりましたが、2023年12月期の黒字化並びに2023年12月までに行った第三者割当増資により債務超過を解消しております。一方で税務上の繰越欠損金は引続き存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されております。ZenmuTechの事業が順調に推移し、当該繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、ZenmuTechの業績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
③無形固定資産(ソフトウエア)に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
ZenmuTechは、製品・サービスの強化・維持を図るためソフトウエアへの開発投資を推進しており、将来の収益獲得が確実であると認められた開発費用をソフトウエアとして無形固定資産に計上しております。ソフトウエアの開発に際しましては、市場性等を慎重に見極めておりますが、市場や競合状況の急激な変化などにより、想定していた利用が見込めなくなった場合や、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、除却あるいは減損の対象となる可能性があり、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④新株予約権の行使による株式価値の希薄化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 中)
ZenmuTechは、ZenmuTechの役員、従業員及び社外協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しており、本書提出日時点における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は10.85%となっております。ZenmuTechでは、資本政策によりその割合を適切に把握しておりますが、これらの新株予約権が行使された場合には、ZenmuTechの株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
⑤知的財産権に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechの事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟等の問題が発生した事実はなく、本書提出日現在においては、ZenmuTechの事業に関し他者が保有する特許権等への侵害により、事業に重大な支障を及ぼす可能性は低いものと認識しております。しかしながら、今後、ZenmuTechが第三者との間で係争となった場合、弁護士や弁理士と協議の上、個別具体的に対応策を検討していく方針ですが、当該第三者の主張の適否に関わらず、解決に至るまでに、時間および多額の費用を要する可能性があります。また、ZenmuTechの商品や技術につきましては、適正に管理しておりますが、第三者が侵害した場合にも同様に、時間および多額の費用を要する可能性があります。その場合にはZenmuTechの事業戦略および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。現状、秘密分散ソリューション、秘密計算技術ともに特許化および公知化する戦略をとっており、これらはZenmuTechの強みとなっております。
そのほか、ZenmuTechの秘密分散ビジネスおよび秘密計算ビジネスでは、自社開発技術を中核に製品・サービス等の開発を行っているものの、秘密計算ソリューション「QueryAhead」では産業技術総合研究所の開発したソースコード(※1)について同研究所の子会社として知財および共同研究の管理を行う株式会社AIST Solutionsから許諾を得て使用しております。また、同研究所との共同研究契約を通じて、秘密分散技術、秘密計算技術の双方について理論面での高度化を継続的に図っており、同研究所との協力関係の維持および強化について今後も取り組んでいく方針です。なお、当該ソースコードの使用については2091年12月31日までの使用許諾契約を締結済であり、また、秘密計算の処理自体は当該ソースコードに依存することなく実現しているものであることから、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性は限定的であるものと考えております。
(※1)「ソースコード」
コンピュータへの指示や一連の処理手順などをプログラミング言語によって表記したもの。
「QueryAhead」における産総研が開発した「秘匿シャッフルプログラム」ソースコードはデータを秘匿化したまま大きさの順番に並べる機能を担っており、最大値、最小値を求める、等の処理を実現しています。
⑥配当政策に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)
ZenmuTechは、株主に対する利益還元を経営上の重要な経営課題と位置づけておりますが、現状においては成長過程にあるため、当面の間は内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当することが、株主に対する利益還元につながるものと考えております。将来的には、各事業年度の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主に対して配当による利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
⑦資金調達に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)
ZenmuTechの公募増資による調達資金の使途については、ZenmuTech事業の拡大のため、事業成長のための研究開発費や採用等による人員増による人件費などへの充当を予定しております。しかしながら、上記に記載しましたように、事業環境が変化することも考えられるため、当該資金を想定通りの使途に充当されない可能性もあります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定通りの投資効果を得られない可能性があります。そのような場合において、ZenmuTechの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ベンチャーキャピタル等のZenmuTech株式保有割合に係るリスク(発現可能性 高、影響度 中)
本書提出日現在におけるZenmuTechの発行済株式総数は1,072,800株であり、このうちベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合(以下、「VC等」という。)が保有する株式数は162,600株と、ZenmuTech株式の公募増資前の発行済株式総数に対する割合は15.2%となっております。
一般に、VC等が未上場会社の株式を取得する場合、上場後に保有株式を売却しキャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであり、ZenmuTechの株式上場後において、VC等が保有するZenmuTech株式の一部または全部を市場にて売却した場合には、ZenmuTech株式の需給バランスが短期的に損なわれ、株価の形成に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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