ZenmuTech(338a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


ZenmuTech(338a)の株価チャート ZenmuTech(338a)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】ZenmuTechは、「データの保護、データの利活用を追及する」をミッションとして、安心・安全なデータセキュリティを社会に提供するため、自社開発した秘密分散技術「ZENMU-AONT」(※1)を活用した「秘密分散ソリューション『ZENMU』シリーズ」の展開、及び国立研究開発法人産業技術総合研究所により開発された理論と「ZENMU-AONT」開発のノウハウを生かした「秘密計算(※2)ソリューション」(「QueryAhead」)の開発を進めております。なお、ZenmuTechは情報セキュリティ事業の単一セグメントであります。 (1) 秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズ従来、セキュリティで用いられる一般的な暗号化技術(※3)では、暗号化された元データを暗号鍵やパスワードで管理するため、暗号鍵やパスワードを詐取されてしまうと、情報漏洩のおそれがありました。しかも、パスワードは増え続けることで管理が難しくなり、同一のパスワードを使い回す懸念もあります。これに対してZenmuTechの「ZENMU-AONT」は、「データ自体を無意味なものとして扱う」という新しい発想のセキュリティであり、データを暗号化したうえで複数の意味のないデータに変換・分散し、分散片単独では元のデータの復元や解析をできないようにする処理(データの無意味化)を行います。データの復元には暗号鍵やパスワードによる管理ではなく、全てのデータの分散片をそろえることで復元するアルゴリズムを実現しています。暗号鍵やパスワードによる管理を必要とすることなく、データを守ることを実現しました。また、分散片の数やデータサイズを任意に設定可能であり、データサイズは最小で32バイトであるため、ネットワークやストレージに大きな負荷をかけることがなく、分散処理や復元処理の高速化が可能となっています。ZenmuTechの秘密分散ソリューションのうち主力である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」は、シンクタンク、コンサルティングファーム、金融機関、ITベンダーなどで活用されておりますが、特定の業界や企業規模に限定されず利用することが可能です。ZenmuTechソリューションにおいては、契約先で使用されるPC端末毎にライセンスを付与することとしておりますが、ライセンスの販売形態として、①ライセンスのみを一括して販売するフロー型、②ライセンス契約と保守契約及びアプリケーションのアップデート対応が一体となったサブスクリプション契約、③ライセンス利用に係る保守単独契約の三形態があり、②③をストック型形態と位置づけております。販売経路は主に代理店を介しており、近年はライセンス数1,000件以上の大規模案件を代理店との協業により獲得していくことが多くなっております。こうしたフロー型及びストック型のビジネスモデルの概況は以下のようになっております。 ZenmuTechの秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズの主なサービス・製品の詳細は次のとおりです。 ①情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」「ZENMU Virtual Drive」は秘密分散技術を使用したPC向けの情報漏洩対策ソリューションであり、上の図の「ZENMU for PC」や「ZENMU Virtual Drive Enterprise Edition」の総称です。サーバー、クラウド、USB、スマートフォン、ウエアラブル端末などあらゆるデバイスに、PCに内蔵されているデータの一部を自由に分散保管し、分散片を外部で管理する仕組みとなっています。保管先も、無意味化されたデータであれば、高価なストレージである必要はないため、新規にサーバー等の追加投資をする負担が少なく、パブリッククラウド(※4)の利用も可能です。 また、PCの操作に不慣れな方にも複雑な操作を必要とすることなく快適に利用できる、ユーザビリティの高さをコンセプトに開発を進め、シンプルな画面設計で通常のPC上の操作とほぼ同様に扱えるようになっております。データを分散保管したPCと外部のデバイスとの接続時に自動で分散片をPC上でマウント(結合)し、復元されたデータにアクセス可能な状態にしています。仮に、データの分散片が保管されているデバイスの紛失や盗難に遭ったとしても、管理者が分散片へのアクセスを停止すればデータを復元することができなくなるため、セキュリティリスクは軽減されます。データの無意味化により、分散片の一部のデータだけでは元のデータを推測することは、現実的な処理時間では不可能な状態となることから、個人情報保護委員会が規定する「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」上の「漏洩等事案に係る個人データ又は加工方法等情報について高度な暗号化等の秘匿化がされている場合」に該当する状態であり、ZenmuTechでは分散片の一部の漏洩は情報漏洩には該当しないものと判断しております。従って、社外へのPCの持ち出しやリモートワーク等の際、紛失・盗難時の有効な対策になり得ると考えております。エンドポイントセキュリティ(※5)として、従業員のリモートワークなどの多様な働き方を重視し、セキュリティインシデント発生の抑制及び発生時の被害のリスクを減少したい顧客への導入が増加し、他社ブランドとしてOEM提供しているものを含め本書提出日現在約11万5千人(注)の方にご利用頂いております。さらに、オフラインでも利用でき、ネットワーク環境に影響されず、安定的なパフォーマンスを維持することができます。ネットワーク環境には依存せず、アクセスの集中時やWeb会議で通信負荷が増大した際のレスポンスの悪化や処理速度の低下といった事態は生じず、大量の処理を実行するサーバー等のリソースが不要であるため、情報セキュリティソリューションの選択肢の一つであるVDI(※6)と比較して、導入・運用に係るコストを抑えられる特徴があります。また、顧客が必要としている時に即時に試用・提供が可能であり、顧客側においても、サーバー等の新たな固定資産の設備投資への負担が少ないため、ソフトウエア開発等の受託開発型に比して、導入までの意思決定期間を短くすることができます。ZenmuTechでは、常にカスタマーサポート部門と技術開発部門が連携してサービスの改善・強化に努め、顧客から選ばれるサービスの継続を目指しております。(注)ZenmuTech製品の利用者数を客観的に表すサブスクリプション契約ライセンス数と保守契約ライセンス数の合計値になります。 ②秘密分散ソフトウエア開発キット「ZENMU Engine」「ZENMU Engine」は「ZENMU-AONT」の秘密分散技術を顧客のソリューションに組み込むことができるようにするための製品(ライブラリ)であり、ソフトウエア開発キットとして提供しています。また、顧客の要望に応じて「ZENMU Engine」を組み込んだOEM商品の開発に対するコンサルティングなどの技術支援を行っております。「ZENMU Engine」に係る課金形態として、顧客の利用目的に応じたソフトウエア開発キットのライセンス収入を得るほか、ライセンス利用に伴う保守契約を締結し、保守料を収受しております。また、OEM商品の開発に際して、コンサルティング料を収受するほか、OEM商品の収益に応じたロイヤルティを得る収益形態となっております。 <ZENMU EngineのOEM商品の事例>a.デジタルウォレットNFT(※7)及び暗号資産の取扱もできるデジタルウォレットの保護の要として、秘密鍵の秘匿化処理に「ZENMU Engine」の技術が採用されました。デジタルウォレットは、今後、メタバースと言われるインターネット上の3次元の仮想空間におけるサービスやNFTマーケット、暗号資産決済等、Web3(※8)サービスでは必要不可欠となるため、今後の利用拡大も期待されます。 b.防犯・監視カメラ個人の顔が識別できる映像データは個人情報にあたりますが、秘密分散技術によって映像データを分散保管することによりセキュリティが強化され、漏洩や盗聴、窃取から守ることができ、株式会社日立システムズエンジニアリングサービスから「秘密分散フォービデオ」として提供されております。 (2) 秘密計算ソリューションZenmuTechでは、秘密分散技術を応用し、国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究を基に秘密計算ソリューション「QueryAhead」を開発しました。秘密計算技術を用いることで、データを秘匿化したまま計算や通信、保存などの処理を行い、クラウドや社内サーバーなど環境を問わずに安全にデータの受け渡しや加工・分析が可能となり、データの利活用の活性化によるビジネス機会の創出、産業の活性化が期待されます。ZenmuTechでは、複数の企業と連携して、秘密計算技術の開発・改良などの研究開発を進めるほか、秘密計算ソリューション「QueryAhead」を利用したサービスの事業化を目指すパートナーの開拓や委託研究の受託役務等を進めております。 (3) その他秘密分散ソリューションおよび秘密計算ソリューションの開発・提供とは別に設立当初から行っております、シンクライアント用「Windows Embedded OSのカスタマイズ」及び「シンクライアント基盤最適化コンサルティング」を「Embedded」ソリューションとして提供しており、既存代理店の案件や導入済顧客からの追加導入やPC更新時などのリピート案件について顧客の運用に応じたコンサルティングやカスタマイズ作業などの受託役務から収益を得ております。■用語解説本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義は次のとおりであります。番号用語意味・内容※1秘密分散技術「ZENMU-AONT」秘密分散技術「ZENMU-AONT」とは、情報を暗号化技術によって複数の分散片に分け、すべての分散片がそろわないと復元が不可能とするAONT(All or Nothing Transform)方式を用いた独自の秘密分散アルゴリズム(手順・計算方法)です。分散片はそれぞれ意味を持たず、32バイトまで小さくすることができ、分散後のデータサイズが大きくならないため、ネットワークに負荷をかけることなく、分割や復元処理が高速で可能となり、情報を無意味化することができる技術です。 ※秘密分散技術のイメージ※2秘密計算技術秘密計算技術とは、データを暗号化したまま計算することができる技術の総称であり、データ分析でのプライバシー保護を強化する技術のひとつです。秘密計算技術により、機密データの直接的な送受信を避け、暗号化したままデータ分析が実施できることから、組織間のデータ共有などアナリティクスの高度化につながると期待されています。ソフトウエア上で秘密計算を行う方式として、暗号化したまま計算する方式(準同型暗号方式)と秘密分散技術を利用したMPCと呼ばれる方式があり、ZenmuTechは秘密分散技術のノウハウを活かしMPC方式の秘密計算技術の事業化に取り組んでおります。 ※3暗号化技術元のデータや通信内容を不規則な文字列に変換する処理のことであり、仮に個人情報が流出したとしても、データはランダムな文字列で表示されるため、第三者による解読や悪用を防止することができる技術です。データを暗号化するため、また、暗号化したデータをもとのデータに戻す(復号化)ために使用される文字列を暗号鍵(または単に「鍵」)と呼び、主要な暗号化方式のひとつである公開鍵暗号方式ではペアとなる別の鍵を生成し暗号化と復号化で別々の鍵を使い分け、暗号化に用いる鍵を「公開鍵」、復号化に用いる鍵を「秘密鍵」と呼びます。 番号用語意味・内容※4パブリッククラウド情報システムのインフラをサービスとして遠隔から利用できるようにしたクラウド環境のうち、誰でもインターネットからアクセスして利用することができます。※5エンドポイントセキュリティネットワークの末端に接続されているPCやモバイル端末などの「エンドポイント」を保護するセキュリティ対策です。※6VDIVirtual Desktop Infrastructure(仮想デスクトップ基盤)の略称で、デスクトップ仮想化や仮想デスクトップなどと呼ばれます。OSやアプリケーションなどのデスクトップ環境を仮想化してサーバー上に集約したものであり、利用者はシンクライアントPCからネットワークを通じてサーバー上の仮想マシンに接続し、デスクトップ画面を呼び出して操作することができます。※7NFT正式名称はNon-Fungible Token(非代替性トークン)で、改ざんが難しいブロックチェーン技術を使って、所有者情報などを保証するデジタル資産です。※8Web3次世代の分散型インターネットのことであり、ブロックチェーンなどの技術を活用して、データを分散管理します。 以上で述べました事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】ZenmuTechの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目であると認識しております。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてZenmuTechが判断したものであります。 (1) 経営方針ZenmuTechは、「安心・安全な情報の利活用で世界を変える」ことを目的として、事業に取り組んでおります。そのビジョンとして、・ZenmuTechのソリューションを通して、安全な情報社会の一翼を担う。・情報の利活用により、潜在価値の発掘・新たな価値の創造に貢献する。を基本方針に、情報セキュリティ事業を展開してまいります。 (2) 経営環境ビッグデータやAIの発展により有用なデータが蓄積されるようになり、企業間でデータを活用し、製品・サービスの改善や労働生産性の向上、新たな市場の出現等が期待されています。しかし、そのデータは、サイバー攻撃による広範囲に影響をもたらす情報漏洩、従業員がPC等のデバイスを外部に持ち出すことによる過失や内部不正による漏洩及び紛失、ハッキング、改ざん等のリスクにさらされており、データにアクセスするエンドポイントデバイスやモバイルデバイスに対するセキュリティソリューションの需要が高まっております。このような現状を踏まえ、世界のエンドポイントセキュリティ市場規模は、2023年から2030年にかけて 年平均成長率 7.4%で拡大し、2030年には288億米ドルに達すると予測されています。(注1)さらに、主力ソリューションである「ZENMU Virtual Drive」は、情報漏洩対策のソリューションとして位置付けることが可能であり、類似の目的として利用される仮想デスクトップソリューションの市場規模は2024年の予測では834万ユーザー程度と推定されており、新型コロナウイルス感染症の流行を背景にしたリモートワークの導入または拡大を検討する企業からの需要により2027年まで緩やかな成長が見込まれており(注2)、価格差や利便性を強みとした置き換え提案、またはオフライン対応やローカルデータ保護としての同時利用による共存により、同市場のユーザー数の獲得による成長が見込まれます。なお、ZenmuTechの売上高の推移は以下のようになっております。今後は特に、「ZENMU Virtual Drive」を中心とした秘密分散ビジネスが順調に伸長していくものと予想しております。ZenmuTechの秘密分散技術によるソリューションは、PC等のデバイスにあるデータをセキュアに保護し、上記の仮想デスクトップソリューションに対して導入費用およびランニングコストの両方において低コストかつ秘密分散技術の利用によりデータの通信量が小さく、ネットワーク環境に左右されずに作業スピードを維持することができることに優位性があると考えており、セキュリティ対策とコスト、業務効率の両立を重視する顧客に対して最適なソリューションの提供に努めていく方針であります。 <事業別売上高の推移> 2023年12月期2024年12月期2025年12月期秘密分散ビジネス(千円)376,727511,858700,547秘密計算ビジネス(千円)50,280120,000132,532その他(千円)13,78317,08318,863合計440,791648,942851,943 また、後述の秘密計算技術につきましては、海外市場(特に米国市場)は既に活況を呈しており、秘密計算「Confidential computing」の世界市場の規模は2024年に160-180億ドル、2026年に520-540億ドルと推定されるなど拡大することが予想され、「Confidential computing」の中でもZenmuTechが採用する「Multi-party computing」においても、次の図のように2024年から2026年にかけて高い成長が見込まれており、2026年には30億ドルの市場になると推定されております。(注3) このような環境のもと、グローバルなマーケットを見出すため、米国の大規模なスタートアップ展示会への出展を行い、大手シンクタンクとの共創によりソリューションを適用できる領域をリサーチするなど、事業化に向けて取組んでまいります。 (注)1.IDC Japan㈱ 国内クライアント仮想化市場予測、2023年~2027年2.Grand View Research, Inc.「エンドポイントセキュリティの市場規模、シェア、動向分析レポート:コンポーネント別、展開別、組織別、用途別、地域別、セグメント予測、2023年~2030年」3.CONFIDENTIAL COMPUTING CONSORTIUM「Common Terminology for Confidential Computing」 (3) 中長期的な経営戦略データの「保護」からデータの「活用」へデバイスに残されているローカルデータの保護はZenmuTechの秘密分散ソリューションで保護することが可能となりますが、今後、5G(第5世代移動通信システム)により通信環境が飛躍的に伸びることが期待される中で、クラウドストレージ上に保存されるデータの保護に移行していくことが予想されます。ZenmuTechは、このような情勢にも対応すべく製品開発に注力し、さらに、保護された膨大なデータの利活用を促進し、新しい価値を創造することができるよう秘密計算技術の向上に努めてまいります。各ソリューションの事業戦略は次のとおりです。 ■秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズZenmuTechの事業の柱である、秘密分散ソリューションにつきましては、下記の活動を推進してまいります。 ①ZENMU Virtual Drive主力ソリューションである「ZENMU Virtual Drive」に関しましては、一部企業に出社回帰の動きがみられるもののコロナ禍により拡大したリモートワークが定着しており、オフィス出社と在宅勤務を組み合わせたハイブリッドワークが主流となり、引き続きPCの持ち出しとその際のセキュリティ需要は根強いものと見込んでおります。このような市場環境に対して、VDI導入済企業や導入検討中の企業に対して引き続き価格差や利便性を強みとした置き換え提案をおこなうほか、VDIを利用しているもののPC内に一部保存されるローカルデータ保護を目的に、VDI利用企業を顧客にもつ販売代理店と連携しVDIの追加オプションとして「ZENMU Virtual Drive」の機能制限版を提案することで数年ごとのPCおよびセキュリティ見直しのタイミングに限らない導入機会の創出を目指しております。 ②ZENMU Engine秘密分散技術の活用領域の拡大に関しましては、スマートウォッチなどのウエアラブル端末や監視カメラ、ドローン等のIoT機器が普及していくことに伴い、コンピュータネットワーク末端にあるエンドポイントデバイスのデータの保護、転送中のデータ保護が重要になっていくことが予想されます。市場予測を踏まえ、「ZENMU Engine」の提供による秘密分散技術を組み込んだOEM商品の多様な可能性を検討しているフェーズにあります。以下が、その適用例となります。 これら適用例のうち、無人航空機(ドローン)分野では2022年からドローン技術をもったパートナーとともに秘密分散技術ソリューションをドローンや移動型ロボットに搭載する技術「インテグリティ・ドローン」の技術検証の段階に入っております。産業領域や物流領域において、有翼型・マルチコプター型の無人航空機であるドローンの活用の用途が広がり、災害時の情報収集等に警察・消防でもドローンや自律移動型ロボットの導入が推進されています。(注)警視庁「国家公安委員会・警察庁防災業務計画」第1-2 多様な情報収集手段の整備しかしながら、ドローン、ロボットの機体には自律移動用のプログラムや、飛行経路の情報、撮影したデータ等の機密情報を多数含んでおり、予期せぬ落下等の事故による情報漏洩のリスクがあります。このような場合にもZenmuTechの秘密分散技術を組み込むことで、ドローンのデータを瞬時に無意味化することができます。 今後も「インテグリティ・ドローン」の事業化を、パートナーとともに着実に実現し、多分野にわたる活用領域の拡大を進めてまいります。また、監視カメラ市場においては労働人口の減少にともない、管理センターなどから有人監視するのではなく、画像解析AI等と組み合わせたいわゆる「AI監視カメラ」の導入が拡大しております。一方でAI監視カメラの設置拡大にともない、プライバシーなども含む録画データの保管、転送過程でのセキュリティ上の懸念やデータ量の増加による通信、保管コストなどの課題も発生しており、ZenmuTechの秘密分散技術によるデータ保護やデータを任意のサイズや個数に分割可能なAONT方式の特色は通信および保管時のコスト削減などにも貢献可能であることから、AI監視カメラや画像解析技術を持つ企業などを対象に同分野でのOEMパートナーの開拓を進めております。 ■秘密計算ソリューション①データ利活用の現状今日のビジネス社会では異なる複数の企業同士が相互補完的に共存・共栄していく仕組みである「エコシステム」を構築することで、新たな製品やサービスの創出を可能にしています。同様に、「データエコシステム」は、多様な産業の企業が、自社データと外部データ、自社データと自社グループ内のデータ等を掛け合わせ、新たなビジネスモデルを創出すべくデータを価値あるものにしてゆく取り組みです。デジタルマーケットの変革のなかで、顧客とのエンゲージメントの最適化を図るデータ利活用の需要は高くなることが予想され、データの自由な流通をさらに高め、マーケットが求めるインサイトを発見し、革新的なビジネスモデルやサービスの開発による付加価値の向上、プロセス改善等をもたらすことが期待されています。このように、データの利活用への関心が高まる一方で、実際に組織間で機密性の高いデータを共同利用する場合、結果やインシデントに対し誰が責任を持つかといったデータの扱いに関するポリシーの確立や、個人データを含むプライバシーの保護とセキュリティの双方を担保することが高い障壁となっております。 ②機密性の高いデータを暗号化されたまま解析ZenmuTechは、秘密分散技術を活用した秘密計算技術について、産業技術総合研究所との共同研究により、秘密計算ソリューション「QueryAhead」の開発を行ってまいりました。 秘密計算技術の仕組みは以下のようになります。 データをPCやサーバー上に保存する際や転送する際には秘密分散技術によりデータを暗号化された情報に分散します。この場合、データの無意味化により誰も読み取ることができず、安全が確保されています。一方で、実際にそのデータを処理する際には、従来は元のデータに復号(復元)する必要がありました。復号されたデータは、誰にでも読むことのできる状態となることから、情報漏洩などのおそれがあります。次の図は秘密計算の仕組みをイメージしたものですが、秘密計算技術では暗号化されたデータを復号することなく秘匿化したまま処理することが可能となります。 ③秘密計算技術の今後秘密計算技術により、個々の企業や研究機関が所有し、情報漏洩や改ざんリスクのおそれがあるため外部に出すことのできなかった機密データや、個人情報などを秘匿したまま加工・分析することが可能となり、データのセキュリティを担保しつつ、データの利活用が活発になることが期待されております。複数の企業の持つデータを結合・活用してデータ解析を行うことで、産業の活性化や新たなビジネス機会の創出および価値の創造が期待されています。例えば、医療分野では、個人情報を含んでいるDNA情報や疾病情報などを各医療機関、製薬会社等とデータを秘匿化したまま共有、分析することで、より最適な創薬や医療サービスが提供できる可能性があります。 ZenmuTechでは、秘密計算を適用できる分野やアプリケーションを検証している段階にあり、秘密計算の適用領域として、「金融」「製造・物流などのサプライチェーン」「材料開発」「ヘルスケア」分野を主なターゲットと定めております。ZenmuTechでは、複数の企業と秘密計算の早期事業化に向けて、以下のプロセスで取り組んでまいります。a.秘密計算の適用により有効な用途となりうるかを検証し、試作を開発b.実現可能であるか、目的の効果を得られるかなどを確認する概念実証の実施c.実際の秘密計算ソリューションの開発 まずは材料開発および製造業への適用検討を図っています。これらの領域では、AI技術などを活用して膨大な時間を必要とする材料開発の高速化やコスト削減に取り組んでいる一方、AIを用いてより精度の高い実験シミュレーションを行うためには大量の実験データをAIに学習させることが必要であり、同一の製品やサービスを研究開発する企業が連携して秘密計算を適用し、お互いに他社の実験データを見ることはできない状況で各社が保有するデータを共有・分析し、それぞれの企業が単独に持つデータからの分析では得られないより価値の高い分析成果を創出し、開発期間の短縮や試作などのコストを削減し業界としての競争力を高めることが可能になります。また、自社のサプライチェーンを持つ企業のグループ全体に秘密計算を適用し、製造工程のデータとその製造工程に材料・部品等を供給するサプライヤー企業群のデータを共有、分析することで各工程の生産効率や物流効率に関する分析等を行い、工程改善を行うことでコスト削減により競争力を向上させることが考えられます。現在、ZenmuTechでは秘密計算適用に各企業と連携して取り組んでおり、早期実用化に向けた検証を進めてまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等ZenmuTechでは、経営方針として掲げる「安全な情報社会の一翼を担う」という点から、より多くの方にZenmuTech製品を使って頂きたいと考えており、ZenmuTech製品の利用者数を客観的に表すサブスクリプション契約と保守契約の合計値(ライセンス数)を重視しております。ライセンス数の増加に伴い、経営上の最重要課題であり、今後の収益の蓄積となる「ZENMU Virtual Drive 」の売上成長の実現が可能になると認識しております。下記のグラフにあります通り、実績ベースでライセンス数は順調に伸長しております。 なお、ZenmuTechの受注環境は、顧客のシステム等の設備投資予算に影響を受けており、その中でも、特に顧客の決算月が集中する3月及びZenmuTechの決算月である12月に偏る傾向があります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①販売代理店戦略による秘密分散ソリューションの拡販官公庁や地方自治体、個人・小規模事業者など、働き方の多様化やデジタルトランスフォーメーションの進展を背景に、リモートワークや分散型IT環境の導入・高度化を検討する組織からの需要は今後も継続すると見込まれます。これを踏まえ、販売代理店に対するインセンティブ等により販売動機を高める販売強化策を推進するとともに、「ZENMU Engine」を用いたソリューションによる顧客価値の向上と差別化を提案し、新たなアライアンスパートナーの拡大に努めていく予定です。 ②秘密計算を主軸とした新規事業の開拓ZenmuTechが研究開発を行っている秘密計算データベースプラットフォーム「QueryAhead」の事業化を進め、将来の収益の柱となる新規事業を開拓することで、事業領域の拡大を目指します。情報セキュリティ市場は海外のシェアが大きいため、今後は米国等への海外展開も見据え、事業化へ向けて積極的な投資を行ってまいります。 ③サービスの継続的な維持・向上ZenmuTechのサービスはインターネットに依存して提供されている状況にあり、顧客に安定的なサービスを提供するためにパフォーマンスを維持・向上することが、CX(カスタマーエクスペリエンス)を高めるためにも重要であることを認識しております。また、顧客のニーズに即時に対応できるよう技術開発を進めるとともに、適切なサポート人員を確保することによりカスタマーサービスを充実させ、品質を管理する体制を構築してまいります。 ④秘密分散ソリューション及び秘密計算の事業化による収益基盤、財務基盤の強化ZenmuTechは、秘密分散ソリューション「ZENMUシリーズ」のサブスクリプション契約の継続を堅調に推移させることで、ストック型収益を向上させる一方で、パーペチュアルライセンス、使用権の販売によるフロー型収益により財務基盤を支える事業活動を行っておりますが、さらに、ZenmuTech技術(「ZENMU Engine」等)を組み込んだOEM製品の市場投入増大を目指した活動を行ってまいります。また、現在の収益は秘密分散ソリューションの比率が高い状況となっておりますので、秘密計算ソリューションの早期事業化・事業拡大を図り、秘密計算事業による収益比率を上げることによって収益基盤を強化してまいります。 ⑤優秀な人材の確保・育成技術革新が続く情報セキュリティ業界において、ZenmuTechが継続的に成長していくためには高い専門性を持った優秀な人材の確保と教育が重要な課題であると認識しております。そのため、従業員が能力を最大限発揮できる体制を構築し、社内におけるノウハウの共有や教育訓練等を実施し、優秀な技術者と営業担当者の育成に努めてまいります。 ⑥内部管理体制の強化ZenmuTechは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。そのために必要な組織体制の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。

事業等のリスク

3【事業等のリスク】ZenmuTechの事業展開その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、情報の適時開示の観点から積極的に開示しております。なお、ZenmuTechは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、ZenmuTech株式に関する投資判断は、以下の記載事項および本項以外の記載事項を、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。ZenmuTechのリスク管理につきましては、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、以下に挙げましたリスク要因を把握し、管理する体制となっております。詳しくは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 1.取締役および使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」をご参照ください。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてZenmuTechが判断したものであり、本項の記載における将来に関する事項は、全てのリスク要因が網羅されているわけではありませんので、ご留意ください。 (1) 事業環境に関するリスク①技術革新への対応に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)ZenmuTechが属する情報セキュリティの分野は、コンピュータに対する新たな脅威や技術革新等による事業環境の変化により、市場のニーズが変動するリスクがあります。このような状況のもと、ZenmuTechは、技術開発部門による新しい発想による技術開発及び各研究機関との研究成果の各種学会、カンファレンス等での発表、各種メディアへの情報発信などの取り組みにより、ZenmuTech製品及びサービスの競争力の維持向上に努めております。しかしながら、ZenmuTechが技術革新に対応するための人件費などの開発費用を投じることができない場合、またはZenmuTech製品及びサービスの陳腐化又は競合他社の企業努力などの要因により、ZenmuTechが競争力を維持することができない場合には、ZenmuTechの業績に影響を与える可能性があります。 ②事業環境の変化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 高)ZenmuTechが製品・サービスを提供している情報セキュリティの市場は、日々情報漏洩の危険にさらされている現状においては、今後も拡大していくものと見込んでおりますが、国内市場においては市場の成長スピードを高い精度で見積もることは難しい状況にあります。また、市場が順調に拡大した場合でも、競合他社の参入や変化のスピードに迅速かつ柔軟に対応できず、ZenmuTechが市場でのシェアを伸ばして行くことができなくなる可能性があります。ZenmuTechでは、新製品や新たなソリューションに向けての研究開発の深耕、顧客ソリューションにおけるZenmuTech技術の適用拡大と提案力向上などの取り組みを強化しておりますが、このようなZenmuTechを取り巻く事業環境の変化に有効な対抗策を講じることができなかった場合、ZenmuTechの業績に影響を与える可能性があります。 ③特定事業への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)ZenmuTechが展開する事業領域は、情報セキュリティ事業の単一セグメントであり、当該事業に経営資源を集中させております。ZenmuTechでは、情報セキュリティ事業のうち主力サービスである「ZENMU Virtual Drive」に関する売上高の割合が高く、これを含めた秘密分散ビジネスの売上構成は2025年12月期において82.2%と依存度が高くなっております。ZenmuTechでは、「ZENMU Engine」を用いたOEMの強化や、秘密分散技術を応用させた秘密計算ソリューションの研究開発を進める等、特定サービスへの依存低下を進めておりますが、環境の変化等により、当該市場が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④法的規制に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)本書提出日現在において、ZenmuTechの事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しておりますが、ZenmuTechが提供するサービスにおいて、主力商品となっている情報の分散データの取り扱いについては「個人情報の保護に関する法律」等の法令を遵守する必要があります。その他関連する新たな法令等の制定や、既存法令等の改正及び解釈変更がなされた場合、ZenmuTechの事業が制約を受け、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。設立以降、ZenmuTechの事業が重大な制約を受ける法令の制定・改正等はありませんが、ZenmuTechでは事業に関連する法的規制に関する情報を定期的に収集し必要に応じて顧問弁護士等のアドバイスを受けつつ対策を講じる方針です。 (2) 事業内容に関するリスク①販売代理店への依存に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)ZenmuTechの主力商品である情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」の販売経路は、主に販売代理店を経由した取引となっており、ZenmuTechでは販売代理店への側面サポートや代理店との協業による顧客開拓を行っております。しかしながら、ZenmuTechにとってはエンドユーザーとの直接の関与が難しいという側面があります。今後も安定的に事業を拡大するために、より販売代理店との連携強化を進めることで、エンドユーザーの要望や受注状況等の情報を収集し、確実性の高い受注予測ができるよう努めてまいりますが、情報収集に遅れ等が生じた場合、ZenmuTechの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②研究開発活動の不確実性に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)ZenmuTechは、秘密分散技術や秘密計算技術を開発・事業化するため、研究開発費用に資本を投入しておりますが、市場動向の予測が難しく、適時に効果的な研究開発活動を実施できず、他社がZenmuTechより優れた技術、製品を開発すれば、ZenmuTechの製品は陳腐化し、販売シェアが縮小すると同時に、新製品の事業及び市場の拡大が妨げられることになります。そのような変化を的確に予測し、求められる技術、製品の開発をタイムリーに行うことは非常に困難です。特に新規技術につきましては、研究活動の方向性を定めることには一層の困難を伴うため、研究開発に要した費用を回収することへの不確実性が高いと考えられます。ZenmuTechでは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な経営戦略」に記載した成長戦略に則り事業展開を行っていく方針であり、秘密計算ソリューションの事業化に向けて産業技術総合研究所との共同研究を基礎とした開発を行っていく方針でありますが、研究開発活動が収益に寄与する成果を出すことができない場合、ZenmuTechの事業、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 会社組織に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)①小規模組織における内部統制に係るリスクZenmuTechは、小規模の体制で効率的な事業運営に努めており、現在の組織体制に則した業務執行体制、内部統制を構築しておりますが、今後、事業の急速な拡大等により、適切な人的・組織的な対応ができずに、内部統制の構築に遅れが生じる場合には、事業運営が困難となり、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ②人材の育成・確保に係るリスク(発現可能性 中、影響度 高)ZenmuTechでは、積極的に優秀な人材の採用、育成に注力し、従業員の働きやすさを重視したリモートワーク等の業務環境の整備によるワークライフバランスの確保やCWO(最高ウェルビーイング責任者)を選任し、従業員のウェルビーイング(健康かつ健全な心と身体である状態)の維持向上の推進を図ることで、人材の定着に努めておりますが、ZenmuTechが属する情報セキュリティ分野においては、特に専門的な技術を持ったエンジニアや業界・技術に通じた営業担当者の獲得は難しい状況にあります。そのため、適切な人材を十分に確保できず、あるいは優秀な人材が社外へ流出した場合には、ZenmuTechの経営戦略の遂行上、影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他のリスク①税務上の繰越欠損金に係るリスク(発現可能性 低、影響度 中)ZenmuTechは事業拡大のための先行投資等により2016年2月期から2022年12月期まで当期純損失を計上したこと、及び当該資金を株式会社日本政策金融公庫からの借入れにより調達したことにより、2022年12月期まで債務超過となっておりましたが、2023年12月期の黒字化並びに2023年12月までに行った第三者割当増資により債務超過を解消しております。一方で税務上の繰越欠損金は引続き存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されております。ZenmuTechの事業が順調に推移し、当該繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、ZenmuTechの業績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。 ②無形固定資産(ソフトウエア)に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)ZenmuTechは、製品・サービスの強化・維持を図るためソフトウエアへの開発投資を推進しており、将来の収益獲得が確実であると認められた開発費用をソフトウエアとして無形固定資産に計上しております。ソフトウエアの開発に際しましては、市場性等を慎重に見極めておりますが、市場や競合状況の急激な変化などにより、想定していた利用が見込めなくなった場合や、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、除却あるいは減損の対象となる可能性があり、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③新株予約権の行使による株式価値の希薄化に係るリスク(発現可能性 高、影響度 中)ZenmuTechは、ZenmuTechの役員、従業員及び社外協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しており、本書提出日時点における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は7.10%となっております。ZenmuTechでは、資本政策によりその割合を適切に把握しておりますが、これらの新株予約権が行使された場合には、ZenmuTechの株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 ④知的財産権に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)ZenmuTechの事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟等の問題が発生した事実はなく、本書提出日現在においては、ZenmuTechの事業に関し他者が保有する特許権等への侵害により、事業に重大な支障を及ぼす可能性は低いものと認識しております。しかしながら、今後、ZenmuTechが第三者との間で係争となった場合、弁護士や弁理士と協議の上、個別具体的に対応策を検討していく方針ですが、当該第三者の主張の適否に関わらず、解決に至るまでに、時間および多額の費用を要する可能性があります。また、ZenmuTechの商品や技術につきましては、適正に管理しておりますが、第三者が侵害した場合にも同様に、時間および多額の費用を要する可能性があります。その場合にはZenmuTechの事業戦略および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。現状、秘密分散ソリューション、秘密計算技術ともに特許化および公知化する戦略をとっており、これらはZenmuTechの強みとなっております。そのほか、ZenmuTechの秘密分散ビジネスおよび秘密計算ビジネスでは、自社開発技術を中核に製品・サービス等の開発を行っているものの、秘密計算ソリューション「QueryAhead」では産業技術総合研究所の開発したソースコード(※1)について同研究所の子会社として知財および共同研究の管理を行う株式会社AIST Solutionsから許諾を得て使用しております。また、同研究所との共同研究契約を通じて、秘密分散技術、秘密計算技術の双方について理論面での高度化を継続的に図っており、同研究所との協力関係の維持および強化について今後も取り組んでいく方針です。なお、当該ソースコードの使用については2091年12月31日までの使用許諾契約を締結済であり、また、秘密計算の処理自体は当該ソースコードに依存することなく実現しているものであることから、ZenmuTechの事業及び業績に影響を及ぼす可能性は限定的であるものと考えております。 (※1)「ソースコード」コンピュータへの指示や一連の処理手順などをプログラミング言語によって表記したもの。「QueryAhead」における産総研が開発した「秘匿シャッフルプログラム」ソースコードはデータを秘匿化したまま大きさの順番に並べる機能を担っており、最大値、最小値を求める、等の処理を実現しています。 ⑤配当政策に係るリスク(発現可能性 低、影響度 低)ZenmuTechは、株主に対する利益還元を経営上の重要な経営課題と位置づけておりますが、現状においては成長過程にあるため、当面の間は内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当することが、株主に対する利益還元につながるものと考えております。将来的には、各事業年度の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主に対して配当による利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 ⑥資金調達に係るリスク(発現可能性 低、影響度 高)ZenmuTechの公募増資による調達資金の使途については、ZenmuTech事業の拡大のため、事業成長のための研究開発費や採用等による人員増による人件費などへの充当を予定しております。しかしながら、上記に記載しましたように、事業環境が変化することも考えられるため、当該資金を想定通りの使途に充当されない可能性もあります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定通りの投資効果を得られない可能性があります。そのような場合において、ZenmuTechの業績に影響を及ぼす可能性があります。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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