ピクスタグループは、ピクスタ(ピクスタ株式会社)及び連結子会社3社によって構成されております。ピクスタグループは、「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」ことを企業理念として掲げ、インターネットを最大限活用し、価値を生む人とそれを活かす人を最大多数結びつけ、多様性に富む活気ある社会の実現に貢献していくことを目指しております。その理念のもと、インターネット上で写真・イラスト・動画等のデジタル素材の仕入から販売までを行うオンラインマーケットプレイスの運営を主たる事業としながら、さまざまな分野で才能をつなぎ、無数の感動を生み出し、その集積によって、多数のクリエイティブ・プラットフォームからなる「クリエイティブ・プラットフォーム経済圏」を実現し、2030年に売上60億円超を目指して事業展開をしております。
1.クリエイティブ・プラットフォームについて
(1)デジタル素材のオンラインマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」(PIXTA事業)について
① デジタル素材とは
「PIXTA」は、インターネット上でデジタル素材の販売を行うマーケットプレイス型のサービスです。
デジタル素材とは、広告やコンテンツを制作するうえで、ビジュアル効果を高めるための素材として利用される写真・イラスト・動画等の素材を指します。「PIXTA」では、このデジタル素材を国内外のクリエイターからクラウドソーシング形式で収集し、素材を必要とする法人・個人向けに販売しております。
従前、新聞・書籍・チラシ・カタログ等の紙媒体を中心とする広告等に用いられる素材は、広告代理店、デザイン制作会社といった広告制作を専門とする企業によって使用されるのが一般的でした。しかし、インターネット環境の発展や技術革新によるデジタルコンテンツの制作コストの低下を主な背景として、動画広告を含むインターネット広告やデジタルサイネージ(注1)などのデジタル販売促進ツール、電子書籍やスマートフォン(以下、スマホ)アプリなど、デジタル素材の利用範囲の裾野も広がってきております。
このような背景のもと、「PIXTA」が取り扱うデジタル素材は広告制作会社やデザイン制作会社のみならず、出版・印刷会社、その他企業・団体など幅広い業種の法人からフリーランス等の個人まで多様な属性の購入者に利用されています。また、利用される素材の種類も写真・イラストから動画等へと多様化してきております。
また、このような素材は、これまでは専門業者によって制作されていましたが、デジタル一眼レフカメラをはじめとした撮影・編集機材の普及により、アマチュアでもクオリティの高い素材を制作することが可能となりました。「PIXTA」では、プロ・アマチュアを問わずオンラインで素材を投稿することができるため、会社員、主婦、学生、シニア等のアマチュアクリエイターからプロのフォトグラファー、イラストレーター、ビデオグラファーまで、国内外の幅広い層のクリエイターが、時間や距離、経歴や経験など既存の枠組みにとらわれることなく素材の提供を行っております。
② 「PIXTA」の特徴
「PIXTA」の素材は、すべてロイヤリティフリー・ライセンス(注2)で提供されております。購入者は、利用対価を支払うことにより、利用規約で定められた範囲において何度でも自由に利用できるデジタル素材をダウンロードすることが可能です。また「PIXTA」では、都度1点から素材を購入できる「単品販売」と、契約期間中であれば一定数に達するまで定額料金で素材をダウンロードできる「定額制販売」という2種類の販売制度を展開しており、必要なときに無駄なく素材を購入したいニーズと大量・頻繁に素材を使用したいニーズの双方に応えられる体制を構築しております。
購入者獲得に際しては、SEO・SEM(注3)などいわゆるオンラインマーケティングにより多くの見込み客を誘導する仕組みを構築しております。また、サイトを訪れた購入者が欲しい素材をすぐ探せるようにするための検索機能の改良や、会員登録から購入までの手続を簡素化するようなサイトの利便性を高める改善を常時行っております。
素材を提供するクリエイターへは、当該素材が実際に売れた場合に、販売価格とピクスタで定める「コミッション率」に応じた「獲得クレジット」を付与します。クリエイターは、保有する「獲得クレジット」がピクスタの定める最低支払基準額を超えた時点で、希望する金額を、希望するタイミングで換金申請することができます。
素材のクオリティを確保するため、素材の販売にあたっては独自の審査を行っております。また、一定のクオリティを有する素材をピクスタにのみ提供できるクリエイターに対しては「専属クリエイター」に登録できる制度を設け、報酬の支払いや審査において優遇を行っております。さらに、一定のニーズを有する人物素材をピクスタにのみ継続的に提供できるクリエイターを「人物専属クリエイター」と位置づけ、人物モデルを紹介するなどの撮影サポートを行っております。このような取り組みを通じて購入者のニーズに応える素材を提供できるクリエイターの活性化を図っております。
(注1)デジタルサイネージとは
屋外や店頭などに設置された、広告や案内情報を掲載するための映像表示装置のこと。
(注2)ロイヤリティフリー・ライセンスとは
事前に取り決められた使用許諾範囲内であれば、追加の使用料(ロイヤリティ)の発生が免除されている著作物の使用権のこと。一度データを購入すれば、その後は利用規約の定める範囲で何度でも使用可能。
(注3)SEO・SEMとは
SEOとは、検索エンジンの検索結果のページの表示順の上位に自らのWebサイトが表示されるように工夫すること。SEMとは検索エンジンから自社Webサイトへの訪問者を増やすマーケティング手法のひとつ。
(2)出張撮影プラットフォーム「fotowa(フォトワ)」(fotowa事業)について
「fotowa」は、ピクスタが2016年2月に開始した、撮影してほしい人とフォトグラファーをつなぐ出張撮影プラットフォームです。ニューボーン(新生児)撮影やハーフバースデー、お宮参りや七五三等の子どもの記念日・行事等において、インターネット上で好みのフォトグラファーと時間・場所を指定して予約し、ナチュラルでおしゃれな家族の記念写真を撮影することができます。
ライフイベントの撮影需要増加やSNSの普及による写真共有の需要の高まりを受け、個人向けの撮影サービス市場は拡大傾向にあります。
ピクスタが「PIXTA」で培ったクリエイターネットワークとプラットフォーム運営ノウハウを活かして「fotowa」を運営していくことにより、この市場の需要に応え、また、フォトグラファーに新たな活躍の場を提供していきたいと考えております。
(3)その他の事業について
その他の事業につきましては、PIXTAオンデマンド及びPIXTAカスタムを中心とした法人向け撮影事業並びに、YASUMI WORKS社によるものづくり体験事業等を展開しております。
法人向け撮影事業においては、ピクスタグループの強みである顧客基盤及びクリエイター基盤を活かし、顧客企業のニーズに即したサービスの改善及び拡充を進めてまいります。
ものづくり体験事業につきましては、店舗数の拡大やフランチャイズ展開の検討、EC販売事業への展開等を通じて事業基盤の強化を図り、中期的にはピクスタグループの新たな成長ドライバーとなることを目指してまいります。
ピクスタグループの事業系統図は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてピクスタグループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
ピクスタグループは、「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」ことを企業理念として掲げ、インターネットを最大限活用し、価値を生む人とそれを活かす人を最大多数結びつけ、世界中の才能をつなげるクリエイティブプラットフォームを創造することで、多様性に富む活気ある社会の実現に貢献していくことを目指しております。
(2)経営環境とそれに対応する経営戦略
ピクスタグループにおけるサービスの売上のうち、インターネット広告を含む各種広告にかかる素材利用が一定の割合を占めております。
ピクスタグループの主要な事業であるPIXTA事業において取り扱う写真・イラスト・動画等のデジタル素材は、主に、企業やメディア各社、広告制作会社そしてデザイナーによりさまざまな媒体での広告制作物において、ビジュアル効果を高めるために使用されております。
インターネット広告市場につきましては、2023年に、インターネット広告費で3兆3,330億円(前年比7.8%増)(※)と、1996年から一貫して成長を続けており、広告のインターネットメディアへのシフトが続いております。
従って、ピクスタグループを取り巻く事業環境は、今後もインターネットメディア及び動画広告をはじめとするインターネット広告市場の拡大や、著作権等に関するコンプライアンス意識の高まりを受け、デジタル素材ニーズはさらに増加していくものと想定されます。
また、主にSNSの普及を背景としたライフイベント時の撮影ニーズ増加・ライフイベントの多様化を受け、家族写真撮影の市場も拡大・多様化の傾向にあります。
このような経営環境のもと、PIXTA事業につきましては、今後も定額制を軸とした安定成長を続けるために、定額制購入ページへの流入強化に加え、検索に関するユーザーインターフェースの改善や機能追加等のユーザーの利便性向上に資する取り組みを進めてまいります。
fotowa事業につきましては、撮影件数の継続的な増加に向けて、衣装レンタル等の撮影周辺を含めたサービス拡充を通じて、サービス満足度向上、リピート利用の増加に努めてまいります。
(※ 出典:株式会社電通「2023年 日本の広告費」)
(3)目標とする経営指標
ピクスタグループは、中長期的な事業拡大と企業価値の増大を図っていくために、重要な経営指標として、売上高、営業利益及びそれらの成長率を重視しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
ピクスタグループは、さらなる事業拡大と収益基盤の安定化のために、以下の項目を対処すべき課題と認識し、対応を推進しております。
① 収益基盤の強化
ピクスタグループは、主力サービスであるPIXTA事業においてデジタル素材販売による収益基盤を構築し、PIXTA事業で得られる利益をもとに新規事業への投資を行っております。事業拡大による飛躍的な成長を遂げるために、収益基盤の強化は重要な課題であると認識しております。
今後もPIXTA事業を安定的に成長させていくため、長期的な収益基盤の軸となる定額制販売の強化及び販売素材の充実に努めてまいります。
また、fotowa事業及びその他の新規事業においても、顧客獲得施策を推進し、収益基盤の構築に取り組んでまいります。
② 新規サービス・新規事業の立ち上げ
現在、ピクスタグループにおいては複数のクリエイティブ・プラットフォームを運営しておりますが、既存のプラットフォームの強みを活かした新規サービス・新規事業の開拓は課題の一つであると認識しております。
今後も、素材のジャンル拡大や販売方法・提供サービスの多様化等、ユーザーにとって価値のある新規サービス・新規事業を検討し展開していきたいと考えております。
③ サービスの継続的改善及び技術革新への対応
ピクスタグループが展開する事業は、技術革新や顧客ニーズの変化等の激しい業界であり、特に近年では、AIを用いた自動画像生成等の制作技術革新が進んでおり、運営サービスの継続的な改善は不可欠な課題であると認識しております。
この課題に対応するため、AI技術の積極的な活用により新たな顧客層の開拓やユーザビリティの向上に努めてまいります。また、サイト・サービスの安全性強化及び安定運用のための施策についても引き続き取り組んでまいります。
④ 人材の確保・育成
事業拡大及び経営体制の強化のために、優秀な人材の確保・育成は不可欠な課題であると認識しており、ピクスタグループ理念に共感する優秀な人材を獲得するための採用施策及び企業理念や行動指針であるピクスタウェイの共有等に取り組んでおります。
また、ピクスタでは、既にリモートワーク体制を原則とした勤務体制を整備しておりますが、今後も、社員が生産性を最大化できる環境で業務に取り組めるような体制の整備を推進してまいります。
⑤ 経営管理体制の強化
企業価値の継続的な向上を図るにあたり、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくことが不可欠であると認識しております。そのため、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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