トヨコー(341a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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トヨコー(341a)の株価チャート トヨコー(341a)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

トヨコーは「キレイに、未来へ」をミッションとしています。

日本は高度経済成長期から50年以上が経過し、老朽化した工場、倉庫および橋梁や鉄塔など社会インフラ構造物の老朽化の課題が日に日に高まっていますが、メンテナンス現場では担い手の確保に悩まされています。トヨコーは、現場の担い手にやってみたい、使ってみたいと想われる様なテクノロジーを開発し、インフラメンテナンス現場の「3K(キツい、汚い、危険)を3C(Cool、Clean、Creative)に」変える事で、老朽化した社会インフラ構造物を、より永く、キレイに子や孫の世代へ受け継いでいく事で、循環型社会の実現に貢献して参ります。

トヨコーは、「キレイに、未来へ」を実現するための2つのインフラメンテナンスのテクノロジーSOSEI(ソセイ)とCoolLaser(クーレーザー)を展開しています。

 

(SOSEI事業)

高度経済成長期に造られた多くの工場のスレート屋根は、老朽化に加え近年の大型台風や線状降水帯の発生、ゲリラ豪雨など相次ぐ異常気象により製造に直結する大きな被害が出ており、含有アスベスト飛散による健康被害も懸念されていることから、今後これらの改修ニーズが拡大する事が見込まれます。

2006年にトヨコーが独自に開発したSOSEI工法は、これらを解決できる工法として、2025年3月までに累計156万㎡の施工実績に達し、主として自動車や電機メーカーの工場を修繕してきました。SOSEI事業は、塗装業が出自であるトヨコーが自社工事に限定して行ってきました。工法だけ自社で開発し、施工は他社に任せて収入を得るのではなく、工事会社として、現場の作業者の目線で、作業者が使いやすい道具や工法の開発を行い、自社で責任をもって施工する「責任施工」にこだわって事業を展開してきました。屋根上工事は危険が伴うため、安全基準の整備などに強いこだわりを持ち、企業経営を行ってきました。

SOSEI工法は、瞬間硬化する特殊な樹脂を老朽化した屋根上に吹き付け補強する工法です(図1)。2層目(SOSEIコート)まで吹き付ける事で、作業員がスレート屋根上に乗っても踏み抜けない強度が生まれるため、この範囲に作業員が乗り、転落事故を防ぎながら新たな範囲を施工する工法の特許を取得しております(特許第7332142号、第6815548号)。

また、1層目に断熱効果のあるウレタンフォームを吹く事で、夏場の屋根裏温度が最大20℃程度低下するため、空調の効率化を通じて電気代やCO2排出量が削減し、脱炭素化の時代に向けても相応しい工法となっております(図1)。

 

図1:SOSEI工法について



SOSEI事業は、発注者である施工対象の工場や建物の所有者(メーカーや流通業者など)から、トヨコーが元請ないし、他の建設会社などが元請として、さらに協力施工会社に吹き付け作業を外注する事で、工事の役務を提供しております。トヨコーの施工管理者1名を現場に常駐させる責任施工により、作業品質の向上や、徹底した安全対策の実施を行っております。この責任施工の実施が発注者から評価され、リピート発注にも繋がっているものと考えております。

 

(CoolLaser事業)

高出力サビ取りレーザー施工装置CoolLaser(クーレーザー、以下、「CoolLaser」という。)は、これまで工場内部で切断工程や溶接工程に使われていた高出力レーザーをクリーニング用途に応用し、橋梁や鉄塔などの分厚いサビ・塗膜除去を行う事ができる技術です。屋外で高出力レーザーを使用する事例が一般的では無かった2008年に基礎研究を開始し、2018年に初めて外部資本調達を行って以来、開発を加速させてきました。2019年にはトヨコーが主導で一般社団法人レーザー施工研究会を立ち上げ、労働安全衛生総合研究所の研究員や各大学教授、レーザーメーカーや大手ゼネコンなど業界各社106社(2025年4月末時点)に加盟頂き、屋外で高出力レーザーを利用するための安全ガイドラインを制定する他、経済産業省とのJIS規格制定、国土交通省の土木研究機関である国立研究開発法人土木研究所との共同研究など、国の各機関と二人三脚で、社会実装に向けたルール整備も行って参りました。トヨコーは、①橋梁分野(道路・鉄道)、②鉄塔分野(通信・送電)、③海事(海運・ドック)、④その他(プラント・保管)という4つの重点分野を掲げており、これらに関連する企業・団体などを想定顧客としております(図2)。橋梁のうち、道路については日本の場合は国・地方自治体が道路橋全体の約9割を保有し維持管理(注1)していますが、これ以外の分野については基本的には民間企業が顧客となります。

 

図2:CoolLaserの重点取組分野(注2)


 

現在、米国やイタリア、台湾など世界各国で橋が落橋し、多くの人が巻き込まれ亡くなる死亡事故が発生しております。橋梁の維持管理は、人命に直結する重要なテーマであり、我が国でも建設後50年を経過する橋梁が年々増加しております。この橋梁の維持管理において、現状主流である事後保全(設備に不具合が生じてから交換等を行うこと)から予防保全(設備に不具合が生じる前に修繕等を行うこと)にシフトしていく事の必要性が国土交通省にて提言されています(図3)。

図3:我が国の道路橋の建設後経過年数、事後保全から予防保全にシフトした場合の維持費の削減


 

しかし、予防保全として行われている橋梁塗替工事(サビや旧塗膜を除去し、新塗膜により鋼材の腐食を防ぐ工事)は3K仕事(キツい、汚い、危険)であります。特に「危険」の部分において、塗替工事に用いられる剥離剤では、過去に剝離剤中毒事故や引火性による火災事故、ウォータージェットで手足の切断事故が起きるなど、事故が発生しており、若い作業者を確保する事が年々困難となっており、高齢化が進んでおります。また、ブラスト工法(注5)で用いられる研削材は、大量の産業廃棄物となり、地球環境への負荷も大きいと考えております。

 

これらの課題を解決し、重要なインフラ構造物を地球環境や作業員への負荷が少ない手法で、次世代に安全・安心に受け継ぐための新たな工法の確立が必要であると考えております。

鋼橋(注6)のメンテナンスにおいては、腐食因子である塩分が含まれる進行するサビ等に対して、塩分を除去することの重要性が叫ばれております(注7)。既存工法であるブラスト工法は、鋼材表面に付着した塩分を研削材により鋼材の奥に押し込めてしまい、塩分が残ったまま新塗膜が塗られる事で、塗替工事の数年後にサビが再発する再劣化の問題もはらんでおりました。CoolLaserは、既存工法に無い価値の一つとして、塩分除去効果があげられます。レーザー光が、塩分を蒸発プロセスにより除去する事で、再劣化を防ぎ塗替工事の周期を長期化させ、橋梁のライフサイクルコストを低減させる事が期待されています。人口減少社会において、これまでのように再劣化に伴い塗替工事を繰り返す人的余裕は無くなってくると考えられます。以下の価値を兼ね備えたCoolLaserは、まさに次世代のインフラメンテナンス手法として貢献できると考えております。

1.産業廃棄物を大幅に削減することが期待されます(光を用いる事で、ブラスト工法の研削材や、ウォータージェットの汚水、剝離剤の廃液の様な、二次産業廃棄物が一切発生しません)。

2.サビや塩分の高品質な除去が可能で、塗替工事の頻度を低減させ、ライフサイクルコストを削減させることが期待されています。

3.ブラスト工法やウォータージェット工法の様な反力が無いため、作業負荷が軽くなります。また、生じる粉塵も即座に自社開発した特殊な集塵機で吸引する事で、作業環境がクリーンに保たれるため作業者に優しいと考えられます。クリエイティブな新技術を導入する事で、若い担い手などをインフラメンテナンス現場の労働力として確保することに繋がる事も期待されます。

4.反力が無い事で制御がしやすいため、省人化・高効率化に向けたロボット化が容易になります。

プロダクト・技術の強みとして、トヨコーは、「レーザー光の円形照射による対象物(サビ・塗膜)の除去」を日米で権利化しており、競争優位性を築いております(特許第5574354号、US-9868179 図4)。

図4:レーザー光の円形照射による対象物(サビ・塗膜)の除去のメカニズム


塗替工事における下地処理等のメンテナンスには、これまで塗膜除去(剥離剤など)、素地調整(ブラストなど)、塩分除去(ウォータージェットなど)と、各工程に異なる装置を用いる必要がありましたが、CoolLaserであればこれら3つの工程を一気通貫で完結させる事も可能となります。また、現在橋梁の素地調整に用いられるブラスト工法では、研削材が大量に産業廃棄物として生まれ、鉛やPCB(注8)が含まれる塗料を除去する場合には、産業廃棄物の処理コストも高額となりますが、CoolLaserは研削材等の産業廃棄物が生じないため、産廃処理コストを大幅に削減する事が出来ます。CoolLaserは、ドイツや米国、中国などにおける他のレーザークリーニング装置と比較して、以下の優位性(強み)があります(図5)。

・一般的には100W~1kWのレーザー出力が主流である一方で、5.4kWの高出力化を実現できます。

・レーザー光の長距離伝送は難しい技術ですが、トヨコーは屋外工事用途にフォーカスし、開発を進めてきた結果、屋外土木工事に対応できる最大100mの光ファイバーケーブルを通じたレーザー光の長距離伝送により、施工範囲を実現できます。

・高出力のレーザー光が一点に照射され続けると、溶接や切断に使われる様な溶融現象が起き、鋼材にダメージを与えてしまうため、レーザー光を高速でスキャン(走査)する必要があります。トヨコーの円形照射の特許技術は高速スキャンの方法として、同一方向に100%の運動エネルギーを利用できる円運動であるため、高出力レーザーの熱影響回避の技術として他のスキャン方法に比べ優位性があります。

 

CoolLaserはこれらの特許技術を活かす事で、5.4kWの高出力を実現出来ており、表面処理の品質や施工スピードの速さの観点から、この工法のフロントランナーとして確固たる優位性を築いております。

図5:CoolLaser(G19-6000シリーズ)の特徴


=装置・消耗品売上=

装置売上では、「CoolLaser G19-6000」シリーズを製造し、CoolLaserを用いてメンテナンス工事を受注・提供していきたい建機レンタル会社や工事会社、及び自社のインフラをメンテナンスしたいインフラオーナー等のユーザーに対して、1億円程度で装置の販売を行います。なお、組み立てについて、レーザーヘッド部分についてはトヨコーにて組み立てを行い、それ以外の部分は製造委託先工場にて組み立てを行います。出荷前にトヨコーでこれらを結合し、性能評価を行ったのち、出荷を行います。

また、CoolLaserは工事に用いられる事でいくつかの消耗品が発生します。例えば、レーザーヘッド先端部で粉塵からヘッド内の光学系を守る保護レンズや集塵機のフィルター、作業者の目を守るためレーザー光の波長を減衰させる保護メガネなどの保護具を、トヨコーから装置所有者に対して販売を行います。

 

=保守売上=

CoolLaserはシステムやレーザーヘッドについて定期的なメンテナンスを行う必要があります。これについては、トヨコーは装置所有者と保守契約を締結し、役務の提供を行います。

=施工売上=

施工売上では、主に装置の研究開発や市場分野開発を目的とした試験施工を中心とし、依頼内容によっては本施工も行っております。すなわち、CoolLaserの導入の検討や、CoolLaserによるサビや塗膜除去などの工事を依頼したい発注者(施工対象のインフラ構造物の所有者であり、道路や橋は国・地方自治体が主体、鉄道橋や鉄塔、プラントは民間企業が主体)から、トヨコーが元請ないし下請となり、工事の役務を提供しております。なお、トヨコーはCoolLaser工法をトヨコーに限定せず、全国のインフラオーナーや工事会社に活用頂き、日本のインフラメンテナンスに共に取り組んで頂きたいと考える事から、施工売上を積極的に伸ばす事をせずに、先述の装置売上及び装置提供後の保守契約や、消耗品の販売などの継続収益により企業成長して参りたいと考えております。

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります(図6)。

図6:事業系統図


 

(注) 1.出所:国土交通省「道路の老朽化対策の取組み(令和6年8月公表)」

2.市場規模の計算式:世界のブラスト販売市場規模 8.7 Billion USD(a) × 142.4円/USD(2025/5/27 TTM 三菱UFJリサーチ&コンサルティング) × 6.4%(b) =国内のブラスト販売市場規模 800億円

(a) Maximize Market Research社 世界のショットブラストマシン市場(2023年)

(b) 弘文社「佐藤隆良の海外建設市場シリーズ(3)-市場規模編(2015)年」日本の建設市場規模2576億USD÷世界の建設市場規模4兆USD

市場規模については、公開情報又は第三者作成のデータ等に基づき、上記の計算方法によりトヨコーが試算した数値であり、統計調査や第三者作成のデータの精度には限界があるほか、トヨコーによる一定の前提又は仮定に基づいて試算した推計値であるため、実際の市場規模とは大きく異なる可能性があります。

出所:道路=国土交通省「道路統計調査(2022.3)」、鉄道=国土交通省「鉄道統計年報(令和3年度)」、通信=JTOWER「事業計画(2024.5)」、送電=経産省「鉄塔・電柱に係る技術基準をめぐる現状について(2019.11)」、海事=日本内航海運組合総連合会「海運統計要覧(2019)」、ドック=国交省港湾局(2023.4)、プラント=資源エネルギー庁「電力調査統計(2019)」、保管=資源エネルギー庁「石油設備調査(2020.3)」

3.出所:国土交通省「新たな暮らし方に適応したインフラマネジメント~インフラ集約・再編の推進に向けて~(2023年10月)」P.4 建設後50年以上経過する道路橋(橋長2m以上)の割合

4.出所:国土交通省「国土交通省所管分野における社会資本の将来の維持管理・更新費の推計(平成30年11月30日)」より、20年後(2038年度)の事後保全と予防保全にかかる維持管理コストの差から算出。

5.ブラスト工法とは、スラグやガーネットといった研削材を、鋼材表面に衝突させて旧塗膜やサビを除去する工法で、オープンブラストやバキュームブラストなどがあります。

6.鋼橋とは、橋の主部材に鋼材が使われ、鋼板とボルトを組み合わせて建設する橋のことで、コンクリート橋と比べより軽く、長い距離を橋にすることができるため、川や谷の幅が大きければ鋼橋になることが多くなります。

7.出所:日刊工業新聞「防錆・防食技術(2023年5月17日)」

8.PCBとはポリ塩化ビフェニルの略称で、人工的に作られた油状の化学物質です。PCBはその有用性から広範囲に使用されるも、その毒性が明らかになり1972年に製造が中止になりました。



事業等のリスク

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてトヨコーが判断したものであります。

 

(1) 事業運営上のリスク

① 受注先業界の動向について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーCoolLaser事業の製品は、基本的に受注生産であり、主要受注先は建機レンタル会社や建設工事会社、インフラオーナー会社(高速道路会社や鉄道会社、電力会社、通信会社などの社会インフラ構造物を保有する会社)であります。例えば、橋梁の維持管理に関する公共工事の予算が絞られるなど、トヨコーの受注先業界の動向により、トヨコーの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。トヨコーは日頃から各業界の情報収集に努め、特定の業界に依存しない受注活動を行っております。

 

② 新規参入・技術革新について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

CoolLaser事業は、レーザー光の円形照射による対象物(サビ・塗膜)の除去に関して日米で特許を単独保有で取得し、照射されるレーザー光についてはサビ・塗膜が最も効率良く除去できるパラメータを発見し、これを製品に反映しており、レーザー施工の分野では強固な競争優位性を確保しているものと考えております。また、SOSEI事業は大手化学メーカーと共同開発した特殊な樹脂を3層組み合わせる事で老朽化した工場・倉庫の屋根を強靭に蘇らせる独自工法であり、これまで責任施工を貫いて来たことで現場の施工品質を高めるためのノウハウを秘匿化し工法特許を取得しております。しかしながら、SOSEI事業では、材料等を模倣した工法の出現や、CoolLaser事業ではトヨコーを上回る研究開発能力を備えた新規参入企業が出現すること、またはトヨコーの特許技術に抵触しない熱影響回避方法の出現等をもってトヨコーを上回る技術が開発されることも考えられます。トヨコーとしては、数多くの施工から得られた知見を蓄積することで、この競争優位性をより強固なものにできると考えておりますが、新規参入企業の出現やトヨコーを上回る技術の開発により、トヨコーの競争優位性が低下する結果、トヨコーの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、事業者の新規参入による競争激化や、想定していなかった新技術の誕生によりレーザー施工のニーズが減退し、業界環境そのものが著しく変化する可能性があります。顧客ニーズの変化を先読みして、競合技術を継続的に観測し、この結果をトヨコーの技術開発に活かしていくことで対処したいと考えております。

 

③ 外注について(発生可能性:中、発生時期:数年以内、影響度:中)

SOSEI事業は、屋根改修などの施工・メンテナンスにおいて、施工管理(品質管理・工程管理・コスト管理・安全管理)以外の業務については基本的に外注しております。トヨコーでは、自社の選定基準に合致する多数の外注業者と良好な関係を構築しているため、十分な外注体制を構築していると考えておりますが、景気変動等に伴う工事案件の急激な増加などにより、外注先を十分に確保できない状況などが発生した場合には、トヨコーの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。引き続き既存の外注先との良好な関係を築きつつ、新規外注業者の開拓も進めて参ります。

 

④ 特定の販売先への依存について(発生可能性:小、発生時期:数年以内、影響度:中)

SOSEI事業は、特定の企業と販売業務提携契約を締結し、サービスの拡大を進めております。トヨコーの主要取引先は、株式会社フジタ、スリーボンドユニコム株式会社、泰成興業株式会社であり、当該特定取引先への依存度が高い状況にあります。2024年3月期のSOSEI事業売上高が全体に占める特定取引先別の割合は、株式会社フジタは13.8%、スリーボンドユニコム株式会社は12.0%、泰成興業株式会社は11.8%となっております。なお、特定取引先への依存度は大型案件の開始・終了により変動がございます。

CoolLaser事業は、特定の工事会社が大型案件を受注した場合に、装置の販売金額や貸出金額が高額となり、当該取引先への依存度が高まる可能性があります。また、株式会社アクティオ等の建機レンタル会社を通じて装置の貸出を行う事があります。この場合、トヨコーから当該建機レンタル会社へ貸出に必要な装置を販売するため、当該建機レンタル会社への依存度が高まる可能性があります。

当該取引先とは良好な関係を築いており、現時点において取引関係等に支障を来たす事象は生じておらず、トヨコーとしては今後も継続的な取引が維持されるものと見込んでおります。しかしながら、取引先における経営方針、販売方針・販売施策の変更及び取引条件の変更が生ずる場合等には、トヨコーの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。トヨコーといたしましては、今後も主要取引先との取引拡大に加え、他社への売上高の拡大にも努めることで、当該特定取引先への依存度の低下を図り、リスク低減に努める方針です。

 

⑤ 仕入価格の高騰について(発生可能性:大、発生時期:数年以内、影響度:小)

トヨコーは、SOSEI事業では石油を、CoolLaser事業では半導体を原材料の一部として使用しておりますが、石油の原料価格の上昇、半導体の供給不足により、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。この様な調達コストの高まりに対してトヨコーは、適宜販売価格の見直しを行い、価格転嫁ができるように取り組んで参ります。

 

⑥ 研究開発について(発生可能性:小、発生時期:10年以内、影響度:大)

CoolLaser事業は、光学分野と建設分野双方に精通する技術集団として、研究開発部門への重点的な資源配分を実施することで、高付加価値で特長ある製品を開発し、市場投入して参ります。技術革新に追い付かず顧客や市場の需要を満たす魅力的な新製品を開発できなかった場合、または研究開発の成果である新製品の市場投入もしくは市場浸透が遅れた場合、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。トヨコーは、今後も継続して研究開発への資源配分を行い、研究開発のための人材確保の努力を継続して参ります。

 

⑦ 品質について(発生可能性:中、発生時期:数年以内、影響度:中)

トヨコー製品・サービスの提供に当たり、製造・販売した製品の契約不適合や欠陥により性能が不十分であったり、製品の安全上の問題で設備事故や労災事故を発生させ、また納期遅延等を発生させることにより、顧客や第三者に損害を与え損害賠償請求を受ける可能性があります。トヨコーは引き続き顧客との契約に適合する品質、機能、安全性、納期等に万全を期すとともに、納期遅延等が見込まれる場合は早めに顧客との調整を図って参ります。

 

⑧ 法的規制について(発生可能性:小、発生時期:数年以内、影響度:大)

主にSOSEI事業においては、建設に関連する許認可を必要としております。トヨコーが事業に関し取得している許認可は次のとおりです。本書提出日現在、許認可が取消しとなる事由は発生しておりませんが、トヨコー売上高の大半に特定建設業許可が必要であり、今後、何らかの理由により当該許可の取消等があった場合、トヨコーの事業活動に支障をきたすとともに、業績及び財務状況等に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、トヨコーは法令遵守を心がけるとともに、事業遂行上、必要な許認可については適用要件の充足状況を必要に応じて都度確認する等の取り組みを行って参ります。

許認可等の名称

許認可番号

有効期間

法令違反等の要件及び主な許認可取消事由

特定建設業許可(注)

静岡県知事許可(特-3)

第28605号

2021年6月27日から

2026年6月26日まで

建設業法第29条及び第29条の2に取消事由が定められており、当該取消事由の内容は以下のとおり。

・不正な手段により許可を取得した場合

・役員等の欠格条項違反等に該当した場合

・経営業務の管理責任者を欠いた場合

・専任技術者を欠いた場合 など

 

(注)トヨコーが取得している特定建設業許可の業種は、建築工事業、とび・土工工事業、塗装工事業、防水工事業です。

 

 

⑨ 先行投資と赤字計上について(発生可能性:中、発生時期:10年以内、影響度:中)

CoolLaser事業では、開発費用の支出、技術者の採用などの先行投資を必要とする事業であり、結果としてトヨコーは営業赤字を継続して計上しておりました。2025年3月期より販売フェーズに移行し、売上計上を開始した事もあり、同中間会計期間では全社ベースで営業黒字を計上しております。今後も売上計上や、これに伴う売上高に対する研究開発費割合の低減は見込まれるものの、想定どおりの導入実績の獲得が進まない場合などには、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、今後も研究開発投資に際しては計画的に行うとともに、引き続き新規顧客の開拓や事例の積み重ねによる市場ごとの開拓にも取り組んで参ります。なお、資金面においては、2024年3月末の現金及び預金797,652千円に加え、資金調達として2024年4月30日に249,550千円を、2024年6月28日に460,250千円をいずれも第三者割当増資の方法により完了しており、当面の事業運営に必要な手元資金は確保できております。

 

⑩ 売掛債権について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーは、顧客との取引の大部分を代金後払いで販売しております。与信管理等により回収リスクの軽減に努めておりますが、顧客の財務問題等により売掛債権の回収が困難となった場合には、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、トヨコーはこれまで重要な売掛債権の貸し倒れは発生しておらず、今後も特定顧客への取引依存度の低減や取引発生前の信用調査の確認等を行って参ります。

 

⑪ 固定資産の減損について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーは、有形固定資産等の固定資産を保有しております。このうち、減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきであると判定された固定資産がある場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとなります。このため、当該資産等が属する事業の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。トヨコーは金額的に重要な固定資産を取得する際にはその投資回収まで検討の上で投資判断を行って参ります。

 

⑫ 金利変動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーでは、銀行借入による資金調達を行っており、金利変動リスクがあります。金利上昇によるコストの増加を事業活動において吸収できない場合は、財政状態及び経営成績に影響を与える場合があります。実際に金利上昇の可能性が高まった際には、最適な資金調達手段を検討して参ります。

 

⑬ 資材の調達について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーは、SOSEI工法に用いる原材料のうち、一部の特殊な樹脂(2層目のSOSEIコート)及びCoolLaserの装置製造のための一部部について、特定の仕入先に依存しており、これらが調達できない場合、代替品対応に起因する開発・製造スケジュールの遅延等、トヨコーの業績及び財務状況等重大な影響を及ぼす可能性がありますが、現時点において、主要な事業活動の前提となる事項の継続に支障を来す要因は発生しておりません。また、主要な原材料及び資材等は調達先からの供給停止の可能性も考慮し、代替先からの調達切り替えが可能となる様に必要となる仕様は自社で把握し、当該仕様を充足する原材料及び資材等の製造が可能なメーカーを複数社把握しております。なお、2層目のSOSEIコートの調達先である三菱ケミカルインフラテック株式会社との間では「5 経営上の重要な契約等」に記載の通り、主要な事業活動の前提となる「SOSEI工法に関する包括提携契約」及び「覚書」を締結しております。

 

⑭ 売上計上時期の期ずれについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

CoolLaser事業は、納入する装置の納入時期や検収時期が変更となる事で、またSOSEI事業は施主からの急な工期変更の依頼や、天候不順により休工期間が長引く等の要因で、売上・収益の計上が翌半期あるいは翌事業年度に期ずれする場合があります。期ずれした金額の大きさによっては半期あるいは事業年度におけるトヨコーの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、トヨコーは予算策定の段階でこの期ずれのリスクも十分に考慮し、これを過去の実績等に基づき予算に反映しております。

 

 

(2) 会社組織に関するリスク

① 内部管理体制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

トヨコーは、コーポレート・ガバナンス体制の充実を重要な経営課題と認識しており、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制の充実を図っていく方針です。しかしながら、トヨコーの急速な事業展開及び会社規模の拡大に内部管理体制の整備が追いつかなかった場合には、業務運営に支障をきたし、トヨコーの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材について(発生可能性:中、発生時期:数年以内、影響度:中)

トヨコーが競争力を維持し、持続的成長を実現するためには、次世代を担う人材の獲得、育成が重要となります。必要な人材の継続的な採用や育成ができない場合や重要な人材が離職した場合には、製品開発力や顧客サポートの質が低下し、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。トヨコーは人材が価値創造の源泉であるとの認識から、労働環境の改善やモチベーションを高める人事制度の構築に取り組んで参ります。

 

③ 特定の人物への依存について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

トヨコー代表取締役CEOである豊澤一晃は、トヨコー代表取締役であるとともに、大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。現状において、何らかの理由により豊澤一晃がトヨコーの業務を継続することが困難になった場合には、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。このためトヨコーは、豊澤一晃に過度に依存しない体制を作るために、取締役会等における役員間の相互の情報共有や経営組織の強化を図っております。

 

④ 知的財産等について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

トヨコーのような研究開発型の企業にとって、知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難です。この様な事象が起きた場合、第三者の主張の適否にかかわらず解決に時間及び多額の費用を要する可能性があり、第三者がトヨコーの技術を侵害した場合も、解決に時間及び多額の費用を要し、トヨコーの事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、トヨコーはこれまで事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。

また、本書提出日時点において、トヨコーの事業に関し他者が保有する特許権等への侵害又は他者によるトヨコー保有特許権等への侵害により、事業に重大な支障を及ぼす可能性は、細心の注意を払ってトヨコー技術を管理しているため低いものと認識しておりますが、技術調査等は継続して行う事で侵害事件を回避するよう努めて参ります。仮に今後トヨコーが第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合は、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討して参ります。

 

⑤ 情報セキュリティについて(発生可能性:小、発生時期:数年以内、影響度:大)

トヨコーは、技術情報等の重要な機密情報や顧客その他関係者の個人情報を保有しております。不測の事態により情報システムの毀損、停止または一時的な混乱、機密情報を含む内部情報が漏洩した場合、トヨコーの企業価値の毀損、社会的信用の失墜、顧客その他関係者への補償等により、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。トヨコーはこれら情報の外部への流出を防止し、不正なアクセスによるシステムの毀損を防ぐため、社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムの強化、機密データの保管場所やアクセス権限の厳格化、退職予定従業員の大量のデータダウンロード有無のモニタリング等、さまざまな対策を講じております。

 

(3) その他のリスク

① 調達資金の使途について(発生可能性:中、発生時期:10年以内、影響度:低)

上場時の公募増資等により調達した資金の使途については、充分な検討を重ねた上でCoolLaserの生産拡大のための設備投資、さらなる高出力を達成するための研究開発費、借入金の返済等に向けた費用に充当する予定です。しかしながら、急激な経営環境に柔軟に対応するため、計画以外の目的で使用する可能性もあります。その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定した投資効果が得られない可能性があります。

 

 

② 配当政策について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーは創業以来配当を実施しておらず、当面は内部留保による財務体質の強化及び将来の事業展開のための投資に充当することにより、さらなる事業拡大を目指すことが、株主に対する利益還元につながると考えております。中長期的には株主への利益還元については、重要な経営課題として捉え、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討して参りますが、利益計画がトヨコーの想定どおりに進捗せず、今後安定的に利益を計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。

 

③ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:高、発生時期:数年以内、影響度:小)

トヨコーは、トヨコーの役員、従業員に対して新株予約権を付与しており、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は1,167,000株であり、発行済株式総数12,026,600株の9.7%に相当しております。今後もストック・オプションとしての新株予約権を付与する可能性があります。これら既存の新株予約権や将来付与する新株予約権が行使された場合には、トヨコー株式の1株当たりの株式価値が希薄化し、トヨコーの株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ ベンチャーキャピタル等の株式所有割合について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーの発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以

下「ベンチャーキャピタル等」という。)の本書提出日現在におけるトヨコー株式の所有割合は12.6%であります。トヨコー株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場におけるトヨコー株式の需給バランスが一時的に損なわれ、トヨコーの株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 災害等について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

トヨコーの拠点は静岡県に集中しており、大規模な地震や風水害等の自然災害が発生した場合には、操業停止や操業度低下に伴い、生産能力が低下し、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。この様なリスクに対処するため、トヨコーではリモートワーク環境の整備や防災訓練の実施、データバックアップ体制の構築等、リスクの低減に努めております。

 

事業等のリスク

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてトヨコーが判断したものであります。

 

(1) 事業運営上のリスク

① 受注先業界の動向について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーCoolLaser事業の製品は、基本的に受注生産であり、主要受注先は建機レンタル会社や建設工事会社、インフラオーナー会社(高速道路会社や鉄道会社、電力会社、通信会社などの社会インフラ構造物を保有する会社)であります。例えば、橋梁の維持管理に関する公共工事の予算が絞られるなど、トヨコーの受注先業界の動向により、トヨコーの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。トヨコーは日頃から各業界の情報収集に努め、特定の業界に依存しない受注活動を行っております。

 

② 新規参入・技術革新について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

CoolLaser事業は、レーザー光の円形照射による対象物(サビ・塗膜)の除去に関して日米で特許を単独保有で取得し、照射されるレーザー光についてはサビ・塗膜が最も効率良く除去できるパラメータを発見し、これを製品に反映しており、レーザー施工の分野では強固な競争優位性を確保しているものと考えております。また、SOSEI事業は大手化学メーカーと共同開発した特殊な樹脂を3層組み合わせる事で老朽化した工場・倉庫の屋根を強靭に蘇らせる独自工法であり、これまで責任施工を貫いて来たことで現場の施工品質を高めるためのノウハウを秘匿化し工法特許を取得しております。しかしながら、SOSEI事業では、材料等を模倣した工法の出現や、CoolLaser事業ではトヨコーを上回る研究開発能力を備えた新規参入企業が出現すること、またはトヨコーの特許技術に抵触しない熱影響回避方法の出現等をもってトヨコーを上回る技術が開発されることも考えられます。トヨコーとしては、数多くの施工から得られた知見を蓄積することで、この競争優位性をより強固なものにできると考えておりますが、新規参入企業の出現やトヨコーを上回る技術の開発により、トヨコーの競争優位性が低下する結果、トヨコーの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、事業者の新規参入による競争激化や、想定していなかった新技術の誕生によりレーザー施工のニーズが減退し、業界環境そのものが著しく変化する可能性があります。顧客ニーズの変化を先読みして、競合技術を継続的に観測し、この結果をトヨコーの技術開発に活かしていくことで対処したいと考えております。

 

③ 外注について(発生可能性:中、発生時期:数年以内、影響度:中)

SOSEI事業は、屋根改修などの施工・メンテナンスにおいて、施工管理(品質管理・工程管理・コスト管理・安全管理)以外の業務については基本的に外注しております。トヨコーでは、自社の選定基準に合致する多数の外注業者と良好な関係を構築しているため、十分な外注体制を構築していると考えておりますが、景気変動等に伴う工事案件の急激な増加などにより、外注先を十分に確保できない状況などが発生した場合には、トヨコーの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。引き続き既存の外注先との良好な関係を築きつつ、新規外注業者の開拓も進めて参ります。

 

④ 特定の販売先への依存について(発生可能性:小、発生時期:数年以内、影響度:中)

SOSEI事業は、特定の企業と販売業務提携契約を締結し、サービスの拡大を進めております。トヨコーの主要取引先は、株式会社フジタ、スリーボンドユニコム株式会社、泰成興業株式会社であり、当該特定取引先への依存度が高い状況にあります。2024年3月期のSOSEI事業売上高が全体に占める特定取引先別の割合は、株式会社フジタは13.8%、スリーボンドユニコム株式会社は12.0%、泰成興業株式会社は11.8%となっております。なお、特定取引先への依存度は大型案件の開始・終了により変動がございます。

CoolLaser事業は、特定の工事会社が大型案件を受注した場合に、装置の販売金額や貸出金額が高額となり、当該取引先への依存度が高まる可能性があります。また、株式会社アクティオ等の建機レンタル会社を通じて装置の貸出を行う事があります。この場合、トヨコーから当該建機レンタル会社へ貸出に必要な装置を販売するため、当該建機レンタル会社への依存度が高まる可能性があります。

当該取引先とは良好な関係を築いており、現時点において取引関係等に支障を来たす事象は生じておらず、トヨコーとしては今後も継続的な取引が維持されるものと見込んでおります。しかしながら、取引先における経営方針、販売方針・販売施策の変更及び取引条件の変更が生ずる場合等には、トヨコーの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。トヨコーといたしましては、今後も主要取引先との取引拡大に加え、他社への売上高の拡大にも努めることで、当該特定取引先への依存度の低下を図り、リスク低減に努める方針です。

 

⑤ 仕入価格の高騰について(発生可能性:大、発生時期:数年以内、影響度:小)

トヨコーは、SOSEI事業では石油を、CoolLaser事業では半導体を原材料の一部として使用しておりますが、石油の原料価格の上昇、半導体の供給不足により、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。この様な調達コストの高まりに対してトヨコーは、適宜販売価格の見直しを行い、価格転嫁ができるように取り組んで参ります。

 

⑥ 研究開発について(発生可能性:小、発生時期:10年以内、影響度:大)

CoolLaser事業は、光学分野と建設分野双方に精通する技術集団として、研究開発部門への重点的な資源配分を実施することで、高付加価値で特長ある製品を開発し、市場投入して参ります。技術革新に追い付かず顧客や市場の需要を満たす魅力的な新製品を開発できなかった場合、または研究開発の成果である新製品の市場投入もしくは市場浸透が遅れた場合、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。トヨコーは、今後も継続して研究開発への資源配分を行い、研究開発のための人材確保の努力を継続して参ります。

 

⑦ 品質について(発生可能性:中、発生時期:数年以内、影響度:中)

トヨコー製品・サービスの提供に当たり、製造・販売した製品の契約不適合や欠陥により性能が不十分であったり、製品の安全上の問題で設備事故や労災事故を発生させ、また納期遅延等を発生させることにより、顧客や第三者に損害を与え損害賠償請求を受ける可能性があります。トヨコーは引き続き顧客との契約に適合する品質、機能、安全性、納期等に万全を期すとともに、納期遅延等が見込まれる場合は早めに顧客との調整を図って参ります。

 

⑧ 法的規制について(発生可能性:小、発生時期:数年以内、影響度:大)

主にSOSEI事業においては、建設に関連する許認可を必要としております。トヨコーが事業に関し取得している許認可は次のとおりです。本書提出日現在、許認可が取消しとなる事由は発生しておりませんが、トヨコー売上高の大半に特定建設業許可が必要であり、今後、何らかの理由により当該許可の取消等があった場合、トヨコーの事業活動に支障をきたすとともに、業績及び財務状況等に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、トヨコーは法令遵守を心がけるとともに、事業遂行上、必要な許認可については適用要件の充足状況を必要に応じて都度確認する等の取り組みを行って参ります。

許認可等の名称

許認可番号

有効期間

法令違反等の要件及び主な許認可取消事由

特定建設業許可(注)

静岡県知事許可(特-3)

第28605号

2021年6月27日から

2026年6月26日まで

建設業法第29条及び第29条の2に取消事由が定められており、当該取消事由の内容は以下のとおり。

・不正な手段により許可を取得した場合

・役員等の欠格条項違反等に該当した場合

・経営業務の管理責任者を欠いた場合

・専任技術者を欠いた場合 など

 

(注)トヨコーが取得している特定建設業許可の業種は、建築工事業、とび・土工工事業、塗装工事業、防水工事業です。

 

 

⑨ 先行投資と赤字計上について(発生可能性:中、発生時期:10年以内、影響度:中)

CoolLaser事業では、開発費用の支出、技術者の採用などの先行投資を必要とする事業であり、結果としてトヨコーは営業赤字を継続して計上しておりました。2025年3月期より販売フェーズに移行し、売上計上を開始した事もあり、同中間会計期間では全社ベースで営業黒字を計上しております。今後も売上計上や、これに伴う売上高に対する研究開発費割合の低減は見込まれるものの、想定どおりの導入実績の獲得が進まない場合などには、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、今後も研究開発投資に際しては計画的に行うとともに、引き続き新規顧客の開拓や事例の積み重ねによる市場ごとの開拓にも取り組んで参ります。なお、資金面においては、2024年3月末の現金及び預金797,652千円に加え、資金調達として2024年4月30日に249,550千円を、2024年6月28日に460,250千円をいずれも第三者割当増資の方法により完了しており、当面の事業運営に必要な手元資金は確保できております。

 

⑩ 売掛債権について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーは、顧客との取引の大部分を代金後払いで販売しております。与信管理等により回収リスクの軽減に努めておりますが、顧客の財務問題等により売掛債権の回収が困難となった場合には、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、トヨコーはこれまで重要な売掛債権の貸し倒れは発生しておらず、今後も特定顧客への取引依存度の低減や取引発生前の信用調査の確認等を行って参ります。

 

⑪ 固定資産の減損について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーは、有形固定資産等の固定資産を保有しております。このうち、減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきであると判定された固定資産がある場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとなります。このため、当該資産等が属する事業の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。トヨコーは金額的に重要な固定資産を取得する際にはその投資回収まで検討の上で投資判断を行って参ります。

 

⑫ 金利変動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーでは、銀行借入による資金調達を行っており、金利変動リスクがあります。金利上昇によるコストの増加を事業活動において吸収できない場合は、財政状態及び経営成績に影響を与える場合があります。実際に金利上昇の可能性が高まった際には、最適な資金調達手段を検討して参ります。

 

⑬ 資材の調達について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーは、SOSEI工法に用いる原材料のうち、一部の特殊な樹脂(2層目のSOSEIコート)及びCoolLaserの装置製造のための一部部について、特定の仕入先に依存しており、これらが調達できない場合、代替品対応に起因する開発・製造スケジュールの遅延等、トヨコーの業績及び財務状況等重大な影響を及ぼす可能性がありますが、現時点において、主要な事業活動の前提となる事項の継続に支障を来す要因は発生しておりません。また、主要な原材料及び資材等は調達先からの供給停止の可能性も考慮し、代替先からの調達切り替えが可能となる様に必要となる仕様は自社で把握し、当該仕様を充足する原材料及び資材等の製造が可能なメーカーを複数社把握しております。なお、2層目のSOSEIコートの調達先である三菱ケミカルインフラテック株式会社との間では「5 経営上の重要な契約等」に記載の通り、主要な事業活動の前提となる「SOSEI工法に関する包括提携契約」及び「覚書」を締結しております。

 

⑭ 売上計上時期の期ずれについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

CoolLaser事業は、納入する装置の納入時期や検収時期が変更となる事で、またSOSEI事業は施主からの急な工期変更の依頼や、天候不順により休工期間が長引く等の要因で、売上・収益の計上が翌半期あるいは翌事業年度に期ずれする場合があります。期ずれした金額の大きさによっては半期あるいは事業年度におけるトヨコーの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、トヨコーは予算策定の段階でこの期ずれのリスクも十分に考慮し、これを過去の実績等に基づき予算に反映しております。

 

 

(2) 会社組織に関するリスク

① 内部管理体制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

トヨコーは、コーポレート・ガバナンス体制の充実を重要な経営課題と認識しており、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制の充実を図っていく方針です。しかしながら、トヨコーの急速な事業展開及び会社規模の拡大に内部管理体制の整備が追いつかなかった場合には、業務運営に支障をきたし、トヨコーの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材について(発生可能性:中、発生時期:数年以内、影響度:中)

トヨコーが競争力を維持し、持続的成長を実現するためには、次世代を担う人材の獲得、育成が重要となります。必要な人材の継続的な採用や育成ができない場合や重要な人材が離職した場合には、製品開発力や顧客サポートの質が低下し、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。トヨコーは人材が価値創造の源泉であるとの認識から、労働環境の改善やモチベーションを高める人事制度の構築に取り組んで参ります。

 

③ 特定の人物への依存について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

トヨコー代表取締役CEOである豊澤一晃は、トヨコー代表取締役であるとともに、大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。現状において、何らかの理由により豊澤一晃がトヨコーの業務を継続することが困難になった場合には、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。このためトヨコーは、豊澤一晃に過度に依存しない体制を作るために、取締役会等における役員間の相互の情報共有や経営組織の強化を図っております。

 

④ 知的財産等について(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

トヨコーのような研究開発型の企業にとって、知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難です。この様な事象が起きた場合、第三者の主張の適否にかかわらず解決に時間及び多額の費用を要する可能性があり、第三者がトヨコーの技術を侵害した場合も、解決に時間及び多額の費用を要し、トヨコーの事業戦略及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、トヨコーはこれまで事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。

また、本書提出日時点において、トヨコーの事業に関し他者が保有する特許権等への侵害又は他者によるトヨコー保有特許権等への侵害により、事業に重大な支障を及ぼす可能性は、細心の注意を払ってトヨコー技術を管理しているため低いものと認識しておりますが、技術調査等は継続して行う事で侵害事件を回避するよう努めて参ります。仮に今後トヨコーが第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合は、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討して参ります。

 

⑤ 情報セキュリティについて(発生可能性:小、発生時期:数年以内、影響度:大)

トヨコーは、技術情報等の重要な機密情報や顧客その他関係者の個人情報を保有しております。不測の事態により情報システムの毀損、停止または一時的な混乱、機密情報を含む内部情報が漏洩した場合、トヨコーの企業価値の毀損、社会的信用の失墜、顧客その他関係者への補償等により、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。トヨコーはこれら情報の外部への流出を防止し、不正なアクセスによるシステムの毀損を防ぐため、社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムの強化、機密データの保管場所やアクセス権限の厳格化、退職予定従業員の大量のデータダウンロード有無のモニタリング等、さまざまな対策を講じております。

 

(3) その他のリスク

① 調達資金の使途について(発生可能性:中、発生時期:10年以内、影響度:低)

上場時の公募増資等により調達した資金の使途については、充分な検討を重ねた上でCoolLaserの生産拡大のための設備投資、さらなる高出力を達成するための研究開発費、借入金の返済等に向けた費用に充当する予定です。しかしながら、急激な経営環境に柔軟に対応するため、計画以外の目的で使用する可能性もあります。その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定した投資効果が得られない可能性があります。

 

 

② 配当政策について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーは創業以来配当を実施しておらず、当面は内部留保による財務体質の強化及び将来の事業展開のための投資に充当することにより、さらなる事業拡大を目指すことが、株主に対する利益還元につながると考えております。中長期的には株主への利益還元については、重要な経営課題として捉え、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討して参りますが、利益計画がトヨコーの想定どおりに進捗せず、今後安定的に利益を計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。

 

③ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:高、発生時期:数年以内、影響度:小)

トヨコーは、トヨコーの役員、従業員に対して新株予約権を付与しており、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は1,167,000株であり、発行済株式総数12,026,600株の9.7%に相当しております。今後もストック・オプションとしての新株予約権を付与する可能性があります。これら既存の新株予約権や将来付与する新株予約権が行使された場合には、トヨコー株式の1株当たりの株式価値が希薄化し、トヨコーの株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ ベンチャーキャピタル等の株式所有割合について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

トヨコーの発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以

下「ベンチャーキャピタル等」という。)の本書提出日現在におけるトヨコー株式の所有割合は12.6%であります。トヨコー株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場におけるトヨコー株式の需給バランスが一時的に損なわれ、トヨコーの株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 災害等について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

トヨコーの拠点は静岡県に集中しており、大規模な地震や風水害等の自然災害が発生した場合には、操業停止や操業度低下に伴い、生産能力が低下し、トヨコーの業績に影響を及ぼす可能性があります。この様なリスクに対処するため、トヨコーではリモートワーク環境の整備や防災訓練の実施、データバックアップ体制の構築等、リスクの低減に努めております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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