デジタルグリッド(350a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


デジタルグリッド(350a)の株価チャート デジタルグリッド(350a)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 デジタルグリッドグループは、デジタルグリッド及び子会社1社により構成されており、「エネルギー制約のない世界を次世代につなぐ」ことをビジョンとして掲げ、DGPの提供による「電力プラットフォーム事業(以降、「電力PF事業」)」、「再エネプラットフォーム事業(以降、「再エネPF事業」)」、及び調整力事業や脱炭素教育事業の「その他」3セグメントに分類して事業を行っております。

 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(1)DGPについて

(a) DGPの概要

DGP(登録商標第6568939号)は、発電家と需要家が直接取引可能な電力取引プラットフォームです。DGP上で行われる電力取引は、デジタルグリッドグループが提供する共通の電子契約に基づき締結され、電力取引契約の履行に必要な需給管理(送電業務)はDGPによって提供されます。発電家と需要家は電力取引に必要な専門知識や機能を具備することなく、DGPを介して自由な電力取引が可能となります。このように、自由な電力取引の場を構築することにより、取引参加者に価格発見機能とリスクヘッジ機能を提供しています。

価格発見機能とは、電力の売り手の「販売してもよい価格」と買い手の「購入してもよい価格」をすり合わせ、取引可能な価格を見つけることができることを指し、公正な価格形成の機能ともいえます。需要家の電力調達にかかるコストはデジタルグリッドグループの手数料を除き、原価で需要家が負担する仕組みとなっています。デジタルグリッドグループはその電力調達コストの原価構造を全て詳らかに開示しており、需要家は電力調達部分に選択肢があることが理解できる仕組みとなっております。デジタルグリッドグループはこの調達部分について、需要家に調達オプションがあることを提示し、需要家は自らのリスク許容度に応じた電力調達オプションを検討することが可能です。

デジタルグリッドグループは、電力の売り手と買い手がそれぞれの方針によって取引先を決め、電力の取引をすることは、売電量または買電量をすべて市場連動にする場合と比べてリスクが低いと想定しております。売り手は、発電所の建設費用等を売電収入によって長い期間をかけて回収していきますが、売電価格がその時々の市場価格によって変動すると費用回収の見通しが立てにくくなり、金融機関からの融資を受けることが難しくなることが想定されます。一方、買い手は、調達したい電力の全量を市場価格連動で購入した場合、市場高騰時に多額の電気代を支払わなくてはならない可能性があります。売り手と買い手が事前に価格と量、期間を固定した上で、電気の売買契約を締結することで、市場変動リスクを低減することができ、こうした機能をリスクヘッジ機能と呼んでいます。

DGPを利用することで、取引参加者である発電家は、自らが投資・建設・保有する発電所の最適な販路を確保し、需要家は自らのリスク許容度に応じた最適な電源を組み合わせて調達することが可能になります。電源の種類に関わらず、取引参加者同士が販売希望価格と購入希望価格をすり合わせていくことにより形成される約定価格は、発電家と需要家にとって取引の際の参考材料となります。約定価格を参考にすることで、不当に高すぎる、または、安すぎる取引価格となることを防ぐことができます。このほか、より条件に合う取引相手を探すための探索コストや取引相手との価格交渉にかかる交渉コストを抑えることができます。

また、両者の取引に際しては、定型化された契約書や複雑な制度に対応したシステムをデジタルグリッドグループが提供しており、利用者の使いやすさを追求したユーザーエクスペリエンスによって取引コストの最小化が図られています。

 

 

電力は一般的に大量かつ長期に貯蔵することが困難であり、需要と供給を常時一致させることが求められるといった特殊性や社会インフラを支える重要なエネルギー源であるという公共性から、電力の取扱事業者には専門性が要請されます。従来、こうした役割は主に旧一般電気事業者に代表されるような大手電力会社が担っていましたが、東日本大震災を契機とする固定価格買取制度(FIT)の導入や電力小売の全面自由化を含む電力システム改革により、独立系発電事業者の増加や自社電源を持たない新電力の登場など多様なプレイヤーが電力の取扱いを開始するようになりました。需要家向けにも多様な料金メニューが提示されるようになりましたが、依然として「専門家」である旧一般電気事業者や新電力といった小売電気事業者を通してしか電力調達をすることが出来ないことに変わりありませんでした。

※旧一般電気事業者:電気事業法(昭和39年法律第170号)による参入規制によって自社の供給区域における電気の小売供給の独占が認められていた電力会社10社(北海道電力株式会社、東北電力株式会社、東京電力ホールディングス株式会社、中部電力株式会社、北陸電力株式会社、関西電力株式会社、中国電力株式会社、四国電力株式会社、九州電力株式会社、沖縄電力株式会社)を指します。なお、新電力とは、旧一般電気事業者以外で、電力販売に参入した小売電気事業者を指します。

 

DGP上の電力取引では、利用者の高い専門性は必須要件ではありません。再エネ発電家には、天気によって変動する再エネの発電量を予測し、30分毎にその計画値を都度報告する義務が課せられますが、なかにはそうした機能を有さない事業者も存在します。また、需要家の中には、調達している電力のコスト構造を意識せず、「専門家」である小売電気事業者に示された料金メニューの内容を正確に把握しないまま契約する事業者も存在しています。DGPが具備しているAI予測機能は、変動性の高い太陽光のような再エネの発電量予測を容易にすることで発電家の業務負担を軽減させます。また、DGP上で実現される多様な発電家との直接取引により、需要家は自らが調達する多様な電源コストを正確に把握することが可能になります。同時に、電源のポートフォリオを組み合わせることにより、燃料価格等で変動する電力価格の高騰リスクを回避することが可能になります。DGPを通じて、必ずしも「専門家」ではない取引参加者同士の取引を拡大させることは、日本全体の電力市場の質向上や複雑な電力取引の民主化に貢献するものと考えています。

 

(b) DGPの特長

DGPの主な特長は、電力取引に必要な機能を備え、自由な電力調達を可能にするシステムを提供している点にあります。利用者は、初期費用、専門知識、小売電気事業者のライセンスを必要とせずに、発電家や需要家と直接電力取引を開始・継続することが可能になります。通常、電力取引には、顧客管理・需給管理・料金計算・精算業務等を行うためのシステムや日本卸電力取引所(JEPX)に参加するための小売電気事業者ライセンスが必要になります。なかでも、需給管理は電力取引の枢要となる機能です。

※JEPX(Japan Electric Power Exchange):日本で唯一電気の売買ができる取引所で、2003年に設立されました。

 

電力の需給管理とは、電力の需要と供給が「同時同量」となるよう管理をすることです。一般的に電力は貯蔵できないことから、発電量(供給)と消費量(需要)を、常に同じ量(同時同量)にコントロールする必要があり、需給バランスが大きく崩れると、大規模な停電が発生するおそれがあります。このため、365日を30分単位で発電事業者は発電計画を、小売電気事業者は需要計画を作成し、電力広域的運営推進機関(以降、「OCCTO」)へ提出することが求められています。電力の過不足が生じた場合は、計画との差分を送配電事業者と精算する必要があり、中小規模の発電事業者・小売電気事業者にとって負担になっています。また、太陽光や風力など再生可能エネルギーの供給量は、天候などさまざまな条件によって変動するため、それによって需要に対して供給が不足、または過多となることがないように調整する必要もあります。こうした課題に対し、DGPでは、人工知能技術の研究開発を手掛ける東京大学と共同開発したAIモデルを活用したアルゴリズム、複雑な需給管理の全自動化とそれをサポートするマーケットの知見により市場競争力のある価格でサービスを提供している点が特長です。

 

 

このほかの特長として、需要家は、DGPを利用することで電力を調達する先の発電家を自ら選択する(特定する)ことができるようになっております。またデジタルグリッドグループでは契約管理や請求をはじめとした電力取引に必要となる一連の送電業務その他の手続きを代行しており、利用者の負荷軽減を実現しております(特許取得済:第6782479号)。

 

DGPのシステムは、原則としてデジタルグリッドで内製しており、顧客ニーズや規制変更にも柔軟に対応することが可能です。システムエンジニアのパフォーマンスを測るDevOps Research and Assessment(DORA)に設定された4つの主要指標のうち、デプロイ頻度・変更のリードタイム・変更の失敗率の3つで最高ランクである「エリートレベル」を達成し、速度・安定性の開発力についてトップクラスの評価を得ております(評価期間:2022年8月~2024年7月)。

 

 

DGPの運営にあたり、デジタルグリッドグループは市場変動リスクを負わず、発電家と需要家の取引量に応じた手数料がデジタルグリッドグループの売上として計上されます。発電家やJEPXへの電源費用、送配電事業者への託送料金、OCCTOへの再エネ賦課金は、デジタルグリッドグループを経由してすべて需要家が負担する仕組みとなっております。またデジタルグリッドグループはDGPを活用し、JEPX等への支払いを需要家に代わって行っています。

※DORAは、Google Cloud が支援する研究組織であり、開発担当者と運用担当者が連携して協力する開発手法である「DevOps」(「開発(Development)」と「運用(Operations)」を組み合わせた造語)のパフォーマンスを評価し、改善するための研究とベンチマークを提供しています。DORAは、DevOpsのベストプラクティスとパフォーマンスを調査するための大規模な研究を行っており、年間レポート「State of DevOps Report」として発表され、業界全体のトレンドやベンチマークを提供しています。このレポートは、DevOpsの導入と改善を目指す多くの企業にとって重要な参考資料となっています。

※託送料金は、電気を送る際に小売電気事業者が利用する送配電網の利用料金として一般送配電事業者が設定するものです。

 

なお、セグメント上、DGPの利用によって生じる電力売買のうち、再エネ以外の電源の取引にかかるプラットフォーム手数料は「電力PF事業」へ、再エネ電源の取引にかかるプラットフォーム手数料は「再エネPF事業」へ、それぞれ属すると定義づけており、電力PF事業と再エネPF事業の事業領域は下図のとおりであります。各事業セグメントの事業内容については、「(2) 電力PF事業」及び「(3) 再エネPF事業」にて記載しております。

 

 

 

(2)電力PF事業

 DGPで取引される電力のうち、当事業の対象は再エネ以外の電源となります。需要家は、自社の電力使用量、予算、リスク許容度などに応じて、最適な調達方法を組み合わせることが可能です。例えばJEPXの一日前市場(スポット市場)は、主要な電源調達手段の一つとして位置づけられます。JEPXのスポット市場では、1日を30分単位で区切った48コマの商品として電力が取引され、コマごとに価格が変動します。一般的な傾向として、夏季・冬季の需要期には価格が上昇しやすく、春季・秋季の端境期には価格が低下しやすい特徴があります。また、1日の価格変動においては、日中に太陽光発電の出力が増加すると価格が低下し、太陽光発電の出力が減少し始める夕刻には電力需要が増加することから、価格が上昇しやすい傾向にあります。さらに、自社の化石燃料発電設備の余剰電力を有効活用したい発電事業者や、化石燃料発電由来の電力を仕入れ・販売するエネルギー企業及び商社も、電源調達の選択肢の一つとなります。化石燃料による発電は出力を人為的に調整できる特性を有するため、一般的に取引単位としては、1日を通じて一定量を固定価格で供給する「ベースロード」、及び日中時間帯に固定価格で供給する「ミドル」の2種類に大別されます。需要家は、「電力コストの抑制」や「電気料金の固定化」といった目的に応じて、これらの調達手段を組み合わせることで、最適な電源ポートフォリオを構築することが可能です。

 当事業におけるデジタルグリッドグループの競争優位性は、割安な手数料、契約形態の柔軟性、及びコスト構造の開示(透明性の高い説明品質)にあると考えております。

 割安な手数料について、従来の小売電気事業者は多くの人員を必要とする高コスト体質であった一方で、デジタルグリッドグループは、自社開発のAIモデルを中心とした電力取引に必要なシステムを開発、運用しており、人件費や管理費を抑えながら、多様な利用者による大量の取引に対応できる体制を整えています。デジタルグリッドグループシステムとあわせ、新規引合から契約締結までの流れは定型化されていることや、大手企業を含むパートナーとのアライアンスを通じた顧客紹介等により、顧客獲得コストも抑えることができております。当事業の特性上、需要家の電力調達にかかるコストはデジタルグリッドグループの手数料を除き、原価で需要家が負担する仕組みとなっています。とくに、小売電気事業者の設定する一般的な基本料金には託送料金に加え、電源待機費用等の費用が加えられていますが、DGPでは、小売電気事業者の基本料金に相当する部分が送配電事業者へ支払う託送料金のみとなっているため、需要家は相対的に安価に調達することが可能になります。なお、DGP利用に伴う手数料は需要家からのみ受領しております。

 契約形態の柔軟性について、旧一般電気事業者や新電力と呼ばれる小売電気事業者は、仕入れの制約があったために販売メニューが硬直的であった一方で、デジタルグリッドグループは仕入れの制約がなく、需要家が化石電源の発電家と契約するタイミング、期間、量を需要家自身で決定することが可能となります。例えば、全量を市場から変動価格で調達していた需要家が、市場価格の上昇を避けるために、期中に化石電源の発電家から一定量を固定単価で調達をすることで、価格変動を抑制したり、予算計画の達成を優先する場合に、最初から化石電源の発電家と一定量を固定単価で契約締結することで、見通しを立てやすくなったりというように、各需要家の立場に応じて需要家自身が仕入先を選択する柔軟な料金ポートフォリオの設計が可能です。このような自由な割合で調達ポートフォリオをDGPで組成することが可能で、個社ごとに特有のメニューを提供しております。取引形態別の実績として契約容量の79%はJEPXからのみ電力調達する顧客となります。(2025年7月実績)

 コスト構造の開示(透明性の高い説明品質)について、DGPでは、需要家は手数料を除く電力調達コストを原価で負担しておりますが、その電力調達コストの内訳として電力使用量、複雑な制度に係る各種請求が詳らかに開示されます。

 このような競争優位性を有するDGPの開発に関して、デジタルグリッドのエンジニアは、エンジニア自身が電力制度、電力市場に知見を蓄積しております。また、新規プロダクトの開発段階から参加しているデジタルグリッドの株主や取引先の存在により、ステークホルダーを巻き込んだアジャイルな開発体制が実現されております。こうした開発体制により、頻繁で複雑な電力制度の変更にも対応可能となっております。

※電源待機費用は電力の安定供給を確保するために、発電所が電力需要のピーク時に対応できるよう待機することに対して支払われる費用のことです。

 

(3)再エネPF事業

 再エネPF事業の対象は、DGPで取引される電力のうち、再エネ電源となります。再エネを取引する手法として、証書のみを取引する方法(環境価値取引)、需要家の敷地内に設置された再エネ設備を対象に電力購入契約を締結する手法(オンサイトPPA)、需要家の敷地外に設置された再エネ設備を対象に電力購入契約を締結する手法(フィジカルPPA、バーチャルPPA)、需要家の需要拠点と離れた自社拠点に設置された再エネ設備から自家消費する手法(自己託送)、小売電気事業者に再エネを届ける手法(再エネ卸)、市場に再エネを売電する手法(需給管理)があります。デジタルグリッドはオンサイトPPAを除く全ての再エネ取引手法に対応しており、取引の組成支援、及びDGPの需給管理機能を発電家に提供することで再エネ電力購入契約の履行を実行しています。

 再エネPF事業の主な特長は、業種や規模を問わない広範な取引参加者とのネットワークと、新たな取引事例をつくる先進性です。これまで、FIT非化石証書の取引システムである「エコのはし」、再エネコーポレートPPAのマッチングプラットフォーム「RE Bridge」など、業界に先駆けてサービスをリリースして参りました。また、2022年4月にバーチャルPPAが解禁されるや否や、同年9月にはFIP制度を活用し、バーチャルPPAの価格変動性を抑え、決済方法を簡素化する手法を組み込んだデジタルグリッド独自のバーチャルPPAである「GPA(Green Purchase Agreement、登録商標6664824号)」をリリースし、同月には初号案件の成約に至っております。また、旧一般電気事業者とはその供給エリア外において協力体制を構築しております。具体的には、エリア外で開発される太陽光発電設備の需給管理を受託しており、当該旧一般電気事業者に再エネ卸を行っております。このようにデジタルグリッドグループは、制度変更にいち早く対応しビジネス化することで、国内の再エネ普及に貢献してきたと認識しております。

 

 

(a) RE Bridge(登録商標第6787953号)

 RE BridgeはコーポレートPPAのマッチングに特化したプラットフォームです。コーポレートPPAにより売電先を確保したい発電家と、追加性のある再生可能エネルギーを長期で安定的に調達したい需要家をオークション形式でマッチングを行い、契約締結後に発電家に求められる需給管理業務等をデジタルグリッドグループが提供することで、案件の組成・発掘から実際のオペレーションまでワンストップでサポートすることができます。RE Bridgeには、発電家と需要家合わせて約150社(2025年7月末時点)の登録があり、2025年5~6月に実施したオークションでは計2,126MWの発電所の参加がありました。RE Bridgeでは登録料や利用料は受領しておらず、マッチング後のコーポレートPPAにおける需給管理をデジタルグリッドグループが受諾することで収益を確保するビジネスモデルとなります。

 

(b) エコのはし(登録商標6722913号)

 デジタルグリッドグループはFIT非化石証書の代理調達サービスを提供しております。FIT非化石証書とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電する際に、電気そのものに加えて発生する環境価値だけを切り離し、証書化したものであり、JEPXで年4回行われるオークションで入札し購入することが可能です。

 FIT非化石証書を購入することで、自社が使用した化石燃料由来の電力を再エネ由来の電力として置き換えることができるため、自社の電気契約の変更が不要で、着手しやすい再エネ導入手段である点がメリットです。FIT非化石証書の購入にあたっては、JEPXの会員登録のための書類作成や入札業務、精算といった手続きが発生しますが、エコのはしでは、利用者はオンラインで会員登録を行い、購入希望内容を入力することで手続きが完了し、再エネ価値取引市場への入札業務はデジタルグリッドグループが代行いたします。こうした一連の手続きに対し、デジタルグリッドグループは調達量に応じた手数料を受領しています。

 

(4)その他

① 調整力事業

 電力ネットワークと直接連系する系統用蓄電池を想定対象として、独立型の定置用蓄電池を制御・運用する事業です。第1号案件は2024年12月より運用を開始しております。系統用蓄電池の収益機会は、主に卸電力市場、需給調整市場、容量市場の3つがあり、それぞれの市場における収益機会は次のとおりです。

 

 

 デジタルグリッドグループは、これまで各種の実証事業等やDGPの商用化を通じて培ったノウハウを活用したシステム、さらに金融トレーディング・リスクマネジメント等の専門知識を有する人材の登用により、系統用蓄電池の保有者の運用を受託するアグリゲーションサービスを2024年12月から開始しており、系統用蓄電池の収益機会を通じて得られた収益の一部をデジタルグリッドの報酬として受領する予定です。

 また、連結子会社であるデジタルグリッドアセットマネジメント株式会社を通じて系統用蓄電池の開発・保有・運用を実施する方針であり、今回の上場における資金使途の主たる目的となります。当事業の将来的な展望としては、需要家と発電家それぞれのDGP利用者に対する市場変動リスクの低減等へ繋げていきたいと考えています。

 デジタルグリッドグループにおいて系統用蓄電池を保有する場合、主な資産として蓄電池・系統連系費用・土地等が資産計上される見込みです。また、主な売上高として上記の各電力各市場における売電収入が見込まれ、売上原価として託送費用・再エネ賦課金・容量拠出金等、販売費及び一般管理費として保守費用・保険料・償却費・水道光熱費・関連する人件費等が想定されます。
 

② 脱炭素教育事業

 デジタルグリッドグループは、日本政府が掲げる2050年のカーボン・ニュートラル実現に向けた各企業の取組みに対して、実務担当者の知識習得を支援するオンライン学習コンテンツGX navi(登録商標第6741588号、第6697124号)を提供しております。GX naviはこれまで幅広い法人のお客様にご利用いただいておりますが、将来的な市場成長や事業拡大の余地には一定の制約があると判断し、現在では事業規模を縮小させております。これに伴いGX naviは2026年7月にサービスの終了を予定しております。

 

③ その他

 デジタルグリッドグループは、顧客企業の要請に応じて、J-クレジットや海外の環境価値証書等の取引を行うことがあります。これらはスポット取引であるため、当セグメントに位置付けております。

 

[事業系統図]

事業の内容を事業系統図により示すと次のとおりであります。

 

※1 連結子会社

※2 パートナー企業との共同出資により設立した、蓄電池の所有・運用を目的とする会社

 

 

 



事業等のリスク

3【事業等のリスク】

デジタルグリッドグループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載します。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示します。デジタルグリッドグループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、デジタルグリッド株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてデジタルグリッドグループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスクについて

① 電力市況について(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

電力の市場価格は、LNGをはじめとする燃料価格の高騰の影響を大きく受け、価格変化が激しい状況が続いています。加えて、電力の需要期である夏季及び冬季においては、市場価格が高騰するリスクは高くなります。

デジタルグリッドグループの電力PF事業では、一部の顧客に対して完全市場連動型プランを提供しておりますが、完全市場連動型プランの場合、需要家は電力の調達に際し市場価格の影響を直接受けます。このため燃料価格の高騰や、予想し得ない事象等が発生することにより電力価格が高騰した場合は、解約リスクが高まり、デジタルグリッドグループの業績に影響を与える可能性があります。

 デジタルグリッドグループでは、解約リスクを低減させる取り組みとして、固定価格(再生可能エネルギーを含む)と変動価格を組み合わせた様々なハイブリッドメニューの提供を行っております。

 

② 制度変更リスクについて(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループが事業展開する電力事業においては、東日本大震災を契機として、FIT制度の創設、電力小売の全面自由化や送配電事業の法的分離の実施、内外無差別性の確保等、大規模な改革が政府主導で行われてきました。そうした電力制度改革を更に推進すべく、2020年に電気事業法及び再エネ特措法の改正案が第201回通常国会で可決され、電力データの活用促進や分散型電源の推進に向けたアグリゲーター事業者の法的位置付けの整理、計量法規制の合理化、市場価格連動型の再生可能エネルギーの買取制度(FIP制度)の導入等が制定されており、2024年度には容量市場開設に伴う容量拠出金制度が開始しました。

デジタルグリッドの事業は、上記のとおり制度変更が著しい環境に属しており、想定外の制度変更等がある場合、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競争激化について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

他社との競合についてデジタルグリッドグループは、DGPなどの電力プラットフォームサービスをはじめとする特色あるサービスの提供や機能の強化、再生可能エネルギーのサービスラインナップの充実、その他の新規事業等に継続的に取り組み、競争力の向上を図っております。また、デジタルグリッドグループはアジャイル手法による開発体制を維持継続して顧客ニーズに迅速に対応することに努めております。しかしながら、デジタルグリッドグループと同様にAIテクノロジー等を提供している企業や新規参入企業との競争激化による顧客の流出やコストの増加等により、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 業績の季節変動について(影響度:小、発生可能性:高、発生可能性のある時期:短期)

デジタルグリッドグループの事業は、需要家の使用電力量の季節変動による影響を受けることから、夏季及び冬季の電力需要が高まる時期に売り上げが偏重する傾向があります。他方、冷夏暖冬といった異常気象により電力の需要が著しく低下した場合は、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 法的規制について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループの事業は、規制業種として、「電気事業法」特有の法的規制を受けており、また、事業運営においては、「個人情報保護法」、「景表法」及び「不正競争防止法」等の規制を受けております。デジタルグリッドグループは、法令等の改廃状況のチェック体制を構築し、関係する法令等の動向を注視する等、法的規制の遵守に努めております。

しかしながら、これら関係法令について、デジタルグリッドの想定外の改正や新たな制定等が生じた場合、デジタルグリッドグループの事業に制約が生じる又は対応のために多額の費用や時間を要する等の可能性があり、デジタルグリッドグループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、将来において、デジタルグリッドグループがこれらの法令等に違反する行為を行った場合には、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導等を受ける可能性があり、万が一、デジタルグリッドグループが取得している許認可等が取り消された場合は、デジタルグリッドグループの事業展開や社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、本書提出日(2025年3月18日)現在において、当該許可の取り消しとなる事由に該当する事実はありません。

 

⑥ 知的財産について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは自社開発AIモデルやシステム・プログラムが事業上重要なものとなっています。デジタルグリッドグループが権利を保有することが重要であると判断するものについては、積極的に特許出願を行っていますが、情報漏洩の観点からこれを防ぐため、特許出願を行う必要がないと判断した項目については特許出願を行っていません。

現在、デジタルグリッドグループでは、定期的に弁理士とミーティングを行い、弁理士に調査を依頼するなど、製品開発において特許権の侵害等がないかチェックを行っております。しかしながら、見解の相違も含め、他社の特許権を侵害する可能性も含まれております。同様に、デジタルグリッドグループが保有する特許権について侵害される可能性もあります。

デジタルグリッドグループとしましては、第三者と知的財産権に関する問題が発生した場合、第三者の弁護士及び弁理士と対応を協議していく方針ですが、案件によっては解決に時間と費用を要し、デジタルグリッドグループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、本書提出日(2025年3月18日)現在において、知的財産権に関する問題は発生しておりません。

 

⑦ 一般送配電事業者との電力精算に係る損益について(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループが事業展開をしている電力PF事業及び再エネPF事業は、一般送配電事業者の送電ネットワークを介して電力を供給する際に一般送配電事業者の定める託送供給約款等に基づき、需要・発電想定量と実際の需要・発電量をそれぞれ30分毎に一致させる義務(計画値同時同量制度)を負っております。事前に計画した需要・発電量と実際の需要・発電量の差分は、インバランス(料金)として一般送配電事業者との間で精算されます。

デジタルグリッドグループでは、自社システム及び需給バランスモニタリングチームによって、30分毎の需給バランスの最適化を図っておりますが、同時同量を達成できない場合において、余剰インバランス・不足インバランスが多額に生じる場合、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、会計処理方法及び影響額については、「第5 経理の状況 2.財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)6.その他財務諸表作成のための基礎となる事項」及び「第5 経理の状況 2.財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(2)事業内容及び提供サービスに関するリスクについて

① サービスのライフサイクルについて(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループの電力PF事業において、電力需給契約の契約期間は基本的に1年間となっていますが、契約締結後はユーザーの意思に従って契約の更新又は解約がなされます。デジタルグリッドグループとしてはユーザーにとって最適な電力調達の選択肢を提供すべく契約締結後もカスタマーサポートの提供や営業活動を通じた顧客ニーズの継続的な把握等を通じて、契約維持に努めております。

しかしながら、ユーザーが他の電力会社に切り替えた場合は手数料収入が減少するため、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システムリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループが提供するDGPの運営は、主に自社開発した社内システムを利用しています。情報システムの要件漏れやプログラムバグの混入等により法令対応が適切に行われず、情報システムの不具合や停止が発生し、お客さま情報の不適切な取り扱いや電力市場への誤入札等の社会的信用の低下につながる事案の発生により、デジタルグリッドグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、不測の事態によってこれらのシステムのインシデントや情報漏洩が発生した場合、日常の業務運営に支障をきたす可能性があります。

対応策として、第三者による定期脆弱性診断や、更新時の脆弱性診断等の対応策を実施予定ではありますが、インシデントや情報漏洩の可能性を完全に回避することは困難であり、また想定した防御レベルを上回る技術によるサイバー攻撃等などにより、当該情報の破壊・改ざん・流出・社内システム停止等が引き起こされる可能性もあります。これらの事態が起きた場合には、事業継続リスク、レピュテーションリスク、顧客対応リスク等様々な事象に影響を与える可能性があり、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定セグメントへの依存について(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループの収益は電力PF事業において顧客から収受する手数料が収益全体の約9割を占めております。今後も需要家のニーズをとらえて電力PF事業のセールス活動の拡大、認知度向上等を通じて当該サービスに係る収益は拡大していくものと考えておりますが、再エネPF事業における再エネ発電家の獲得の他、調整力事業への参入や脱炭素教育事業の開始など、エネルギーに関連する新たな新規事業の検討・サービス開始を継続する方針です。しかしながら、予期せぬ要因により、電力PF事業の収益構造に重大な変化が生じた場合には、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)コンプライアンス・法的規制等に関するリスクについて

① 法的規制について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループが事業展開する電力業界においては、電力事業及びその関連事業を行う者に対し電気事業法が適用されます。デジタルグリッドグループは資源エネルギー庁に登録した小売電気事業者として一般ユーザーとの間で小売供給契約を締結しており、電気事業法及び同法施行規則で定められた義務や規制、並びに経済産業省が公表するガイドラインである「電力の小売営業に関する指針」を遵守して事業を行っています。

これら電力関連の法規制のみならず、RE100等の定める基準、その他のガイドラインの対応については、外部弁護士等の専門家の見解を踏まえて四半期毎のリスク・コンプライアンス委員会等において慎重に判断を行っていますが、新たな法令等の制定や、デジタルグリッドグループが想定しない形での既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 仲介契約について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループの電力PF事業の一部新規取引は、仲介契約(媒介契約及び紹介契約)を通じて行われていることから、デジタルグリッドグループは仲介事業者との良好な業務関係の構築・維持に努めてまいりました。その結果、仲介事業者の新規参画と、仲介事業者の営業体制強化が進んでおります。

他方、仲介事業者が著しく増加することでデジタルグリッドグループから仲介事業者への管理機能が低下し、仲介事業者を通じた新規取引先と紛争が発生するリスク、このほか、仲介事業者を通じた損害により発生するデジタルグリッドグループへのレピュテーションリスクなどによって、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)事業運営体制に関するリスクについて

① 人材の確保・育成について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループでは、事業の持続的な成長を支える優秀な人材を確保することが事業運営上重要であると考えています。そのため、事業部ごとに必要人材要件をマッピングし、積極的な優秀な人材の採用や、教育研修体制を整備することにより、従業員の早期戦力化とスキルアップに努めております。

しかし、競合他社との人材獲得競争の激化、コアメンバーの予期しない退職、雇用情勢の変化等により、計画のとおりに人材が確保できない場合には、事業運営や開発計画に支障をきたし、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 小規模組織であることについて(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは小規模組織であり、ガバナンス体制や内部管理体制はデジタルグリッドグループの組織規模に応じたものとなっています。これらの体制については組織規模に関わらず高い水準を構築・維持することが重要であるとの考えのもと、デジタルグリッドグループは、コーポレートガバナンス・コードを念頭に置いた内部管理体制の構築を図っています。

具体的には、各専門分野における豊富な経験を有した人材を採用するとともに、各種のコンプライアンス研修等社内教育による人材育成を進めることで、事業規模の拡大や多様化に合わせ、内部管理体制を充実・強化していく方針であります。しかし、社内管理体制の構築が想定通り進まない場合や人的資源の流出が生じた場合には、内部管理体制やコーポレート・ガバナンス体制に支障が生じ、デジタルグリッドグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定人物への依存について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドの代表取締役社長CEOである豊田祐介は、エネルギー業界に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定、遂行において重要な役割を果たしております。デジタルグリッドグループでは、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏がデジタルグリッドグループの業務を継続することが困難になった場合、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスクについて

① 大規模な自然災害等について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合、デジタルグリッドグループ又はデジタルグリッドグループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 資金繰りに関するリスクについて(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

電力PF事業の特徴として、キャッシュ・コンバージョン・サイクルが長くなる傾向にあります。電力を日本卸電力取引所(JEPX)から調達した場合、電力代金の支払いが取引日の2営業日までに立替金の形で発生します。当該立替金は請求日に需要家へ請求しますが、請求の事実をもって立替金から未収入金へ振替を行います。日々の調達電力代金は調達電力量にJEPX市場単価を乗じた金額になるため、需要家の増加に伴う取扱電力量の増加や、市況の変化に伴う電力単価の増加等に伴って、立替金相当額や未収入金額は増加する傾向にあります。なお、JEPXへ電力代金を支払い、需要家から回収するまでの期間は最大2ヵ月程度にわたります。

また、需要家が電力を使用することによって発生する需要家が負担する費用(送配電事業者への託送料金、OCCTOへの再エネ賦課金等)は、デジタルグリッドが各社への支払いを需要家に代わって行います。そのため、需要家が負担する費用相当額はデジタルグリッドの債務として、未払金計上されるとともに、需要家に対する未収入金も同額が計上されます。以上の理由により、デジタルグリッドの事業上貸借対照表上の立替金・未収入金・未払金相当額が多額に計上される傾向にあります。

そのため、不測の事態により卸電力市場の電力価格が高騰等した場合、または借入による資金調達が適時に行われない場合等、資金繰りが適切に管理・運用されない場合、デジタルグリッドグループのキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、経営企画部財務担当及びその管掌役員による定期的な資金残高のモニタリングや、複数の金融機関とコミットラインを締結することにより必要資金を迅速に調達できる体制を構築しております。

 

③ レピュテーションリスクについて(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

 デジタルグリッドグループは、デジタルグリッドグループのブランドイメージや社会的信用を維持・向上させることが、既存のクライアントとの関係強化や新しいクライアントを誘引することにおいて重要であると考えています。他方、マスコミ報道やソーシャルメディアの書き込み等において、デジタルグリッドグループに対する否定的な風評が発生し流布した場合等には、デジタルグリッドグループのブランドイメージや社会的信用が低下し、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。デジタルグリッドグループでは、コーポレート部に広報担当者を配置しており、マスコミ等の外部メディアなどへの情報提供に関しては必ずコーポレート部による確認を実施した上で公表しております。

 

④ 訴訟リスクについて(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは、コンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。しかしながら、デジタルグリッドグループの役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性があります。訴訟手続は、一般的に時間や費用がかかるものであり、勝敗如何によらず、経営上の混乱を招く可能性があります。さらに、訴訟の結果としてデジタルグリッドグループにとって不利な判決が出された場合、デジタルグリッドグループは多額の損害賠償義務を負う可能性があります。また、相手方と和解に至った場合でも、和解の条件次第では、同様にデジタルグリッドグループにとって不利な条件を受忍せざるを得ない場合も考えられます。このように、第三者との係争は、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、デジタルグリッドグループでは、本書提出日現在、重大な訴訟を提起されている事実はありません。

 

⑤ 新株予約権の行使による株式の希薄化について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは、取締役、監査役及び執行役員、従業員並びに社外協力者に対するインセンティブ付与を目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、1,461,010株であり、発行済株式総数5,933,300株の24.6%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、この株式価値の希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 配当政策について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは株主への利益還元の重要性を認識しておりますが、現時点では成長過程にあると考え、競争力の確保と更なる成長の継続を経営上の最重要課題としております。また、内部留保の充実を図り、それを原資として中長期的な事業拡大のための投資に充当していくことが、将来的な株主への利益還元に繋がると考えております。以上の理由から、デジタルグリッドは創業以来配当を実施しておりません。将来的には、財政状態、経営成績、事業計画等を勘案し、株主への利益還元策を決定していく所存でありますが、配当実施の可能性及びその時期等については現時点で未定であります。

 

 

⑦ 資金調達の使途について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

上場時の公募増資等により調達した資金は、蓄電池設備の取得資金に充当する予定です。しかしながら、想定通りに蓄電池設備を取得できない場合や、期待通りの投資効果が得られないことが判明した場合、現時点の資金使途以外の事項に資金を充当する可能性があります。そのような場合、目標とする企業価値の向上が想定通り達成できない可能性があります。また、適切に投資実行できた場合においても、蓄電所等の有形固定資産等を所有することになった場合や、SPCへ出資を実行することになった場合は、減損リスクが存在いたします。いずれの場合も、デジタルグリッドグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクを踏まえ、デジタルグリッドグループを取り巻く外部環境や経営環境の変化については適時その動向を注視するとともに、公募増資による資金調達の使途に変更が生じた場合には、適時適切に開示を行います。

 

⑧ 新規事業に関するリスク(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

 現在その他セグメントが赤字となっております。今後もデジタルグリッドグループは事業領域の拡張と持続的な成長を目指し、新規事業への取組みを実施する方針ですが、その内容によっては研究開発・設備投資・人材確保のための費用が発生する可能性があります。また、新規事業開始から安定的な収益を得るまでには一定の期間が必要であり、その期間はデジタルグリッドの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、開始した新規事業が市場環境や予期せぬ技術革新等によって計画通りに推移しなかった場合、デジタルグリッドグループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。

 

事業等のリスク

3【事業等のリスク】

デジタルグリッドグループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載します。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示します。デジタルグリッドグループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、デジタルグリッド株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてデジタルグリッドグループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスクについて

① 電力市況について(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

電力の市場価格は、LNGをはじめとする燃料価格の高騰の影響を大きく受け、価格変化が激しい状況が続いています。加えて、電力の需要期である夏季及び冬季においては、市場価格が高騰するリスクは高くなります。

デジタルグリッドグループの電力PF事業では、一部の顧客に対して完全市場連動型プランを提供しておりますが、完全市場連動型プランの場合、需要家は電力の調達に際し市場価格の影響を直接受けます。このため燃料価格の高騰や、予想し得ない事象等が発生することにより電力価格が高騰した場合は、解約リスクが高まり、デジタルグリッドグループの業績に影響を与える可能性があります。

 デジタルグリッドグループでは、解約リスクを低減させる取り組みとして、固定価格(再生可能エネルギーを含む)と変動価格を組み合わせた様々なハイブリッドメニューの提供を行っております。

 

② 制度変更リスクについて(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループが事業展開する電力事業においては、東日本大震災を契機として、FIT制度の創設、電力小売の全面自由化や送配電事業の法的分離の実施、内外無差別性の確保等、大規模な改革が政府主導で行われてきました。そうした電力制度改革を更に推進すべく、2020年に電気事業法及び再エネ特措法の改正案が第201回通常国会で可決され、電力データの活用促進や分散型電源の推進に向けたアグリゲーター事業者の法的位置付けの整理、計量法規制の合理化、市場価格連動型の再生可能エネルギーの買取制度(FIP制度)の導入等が制定されており、2024年度には容量市場開設に伴う容量拠出金制度が開始しました。

デジタルグリッドの事業は、上記のとおり制度変更が著しい環境に属しており、想定外の制度変更等がある場合、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競争激化について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

他社との競合についてデジタルグリッドグループは、DGPなどの電力プラットフォームサービスをはじめとする特色あるサービスの提供や機能の強化、再生可能エネルギーのサービスラインナップの充実、その他の新規事業等に継続的に取り組み、競争力の向上を図っております。また、デジタルグリッドグループはアジャイル手法による開発体制を維持継続して顧客ニーズに迅速に対応することに努めております。しかしながら、デジタルグリッドグループと同様にAIテクノロジー等を提供している企業や新規参入企業との競争激化による顧客の流出やコストの増加等により、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 業績の季節変動について(影響度:小、発生可能性:高、発生可能性のある時期:短期)

デジタルグリッドグループの事業は、需要家の使用電力量の季節変動による影響を受けることから、夏季及び冬季の電力需要が高まる時期に売り上げが偏重する傾向があります。他方、冷夏暖冬といった異常気象により電力の需要が著しく低下した場合は、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 法的規制について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループの事業は、規制業種として、「電気事業法」特有の法的規制を受けており、また、事業運営においては、「個人情報保護法」、「景表法」及び「不正競争防止法」等の規制を受けております。デジタルグリッドグループは、法令等の改廃状況のチェック体制を構築し、関係する法令等の動向を注視する等、法的規制の遵守に努めております。

しかしながら、これら関係法令について、デジタルグリッドの想定外の改正や新たな制定等が生じた場合、デジタルグリッドグループの事業に制約が生じる又は対応のために多額の費用や時間を要する等の可能性があり、デジタルグリッドグループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、将来において、デジタルグリッドグループがこれらの法令等に違反する行為を行った場合には、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導等を受ける可能性があり、万が一、デジタルグリッドグループが取得している許認可等が取り消された場合は、デジタルグリッドグループの事業展開や社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、本書提出日(2025年3月18日)現在において、当該許可の取り消しとなる事由に該当する事実はありません。

 

⑥ 知的財産について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは自社開発AIモデルやシステム・プログラムが事業上重要なものとなっています。デジタルグリッドグループが権利を保有することが重要であると判断するものについては、積極的に特許出願を行っていますが、情報漏洩の観点からこれを防ぐため、特許出願を行う必要がないと判断した項目については特許出願を行っていません。

現在、デジタルグリッドグループでは、定期的に弁理士とミーティングを行い、弁理士に調査を依頼するなど、製品開発において特許権の侵害等がないかチェックを行っております。しかしながら、見解の相違も含め、他社の特許権を侵害する可能性も含まれております。同様に、デジタルグリッドグループが保有する特許権について侵害される可能性もあります。

デジタルグリッドグループとしましては、第三者と知的財産権に関する問題が発生した場合、第三者の弁護士及び弁理士と対応を協議していく方針ですが、案件によっては解決に時間と費用を要し、デジタルグリッドグループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、本書提出日(2025年3月18日)現在において、知的財産権に関する問題は発生しておりません。

 

⑦ 一般送配電事業者との電力精算に係る損益について(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループが事業展開をしている電力PF事業及び再エネPF事業は、一般送配電事業者の送電ネットワークを介して電力を供給する際に一般送配電事業者の定める託送供給約款等に基づき、需要・発電想定量と実際の需要・発電量をそれぞれ30分毎に一致させる義務(計画値同時同量制度)を負っております。事前に計画した需要・発電量と実際の需要・発電量の差分は、インバランス(料金)として一般送配電事業者との間で精算されます。

デジタルグリッドグループでは、自社システム及び需給バランスモニタリングチームによって、30分毎の需給バランスの最適化を図っておりますが、同時同量を達成できない場合において、余剰インバランス・不足インバランスが多額に生じる場合、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、会計処理方法及び影響額については、「第5 経理の状況 2.財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)6.その他財務諸表作成のための基礎となる事項」及び「第5 経理の状況 2.財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

(2)事業内容及び提供サービスに関するリスクについて

① サービスのライフサイクルについて(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループの電力PF事業において、電力需給契約の契約期間は基本的に1年間となっていますが、契約締結後はユーザーの意思に従って契約の更新又は解約がなされます。デジタルグリッドグループとしてはユーザーにとって最適な電力調達の選択肢を提供すべく契約締結後もカスタマーサポートの提供や営業活動を通じた顧客ニーズの継続的な把握等を通じて、契約維持に努めております。

しかしながら、ユーザーが他の電力会社に切り替えた場合は手数料収入が減少するため、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システムリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループが提供するDGPの運営は、主に自社開発した社内システムを利用しています。情報システムの要件漏れやプログラムバグの混入等により法令対応が適切に行われず、情報システムの不具合や停止が発生し、お客さま情報の不適切な取り扱いや電力市場への誤入札等の社会的信用の低下につながる事案の発生により、デジタルグリッドグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、不測の事態によってこれらのシステムのインシデントや情報漏洩が発生した場合、日常の業務運営に支障をきたす可能性があります。

対応策として、第三者による定期脆弱性診断や、更新時の脆弱性診断等の対応策を実施予定ではありますが、インシデントや情報漏洩の可能性を完全に回避することは困難であり、また想定した防御レベルを上回る技術によるサイバー攻撃等などにより、当該情報の破壊・改ざん・流出・社内システム停止等が引き起こされる可能性もあります。これらの事態が起きた場合には、事業継続リスク、レピュテーションリスク、顧客対応リスク等様々な事象に影響を与える可能性があり、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定セグメントへの依存について(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループの収益は電力PF事業において顧客から収受する手数料が収益全体の約9割を占めております。今後も需要家のニーズをとらえて電力PF事業のセールス活動の拡大、認知度向上等を通じて当該サービスに係る収益は拡大していくものと考えておりますが、再エネPF事業における再エネ発電家の獲得の他、調整力事業への参入や脱炭素教育事業の開始など、エネルギーに関連する新たな新規事業の検討・サービス開始を継続する方針です。しかしながら、予期せぬ要因により、電力PF事業の収益構造に重大な変化が生じた場合には、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)コンプライアンス・法的規制等に関するリスクについて

① 法的規制について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループが事業展開する電力業界においては、電力事業及びその関連事業を行う者に対し電気事業法が適用されます。デジタルグリッドグループは資源エネルギー庁に登録した小売電気事業者として一般ユーザーとの間で小売供給契約を締結しており、電気事業法及び同法施行規則で定められた義務や規制、並びに経済産業省が公表するガイドラインである「電力の小売営業に関する指針」を遵守して事業を行っています。

これら電力関連の法規制のみならず、RE100等の定める基準、その他のガイドラインの対応については、外部弁護士等の専門家の見解を踏まえて四半期毎のリスク・コンプライアンス委員会等において慎重に判断を行っていますが、新たな法令等の制定や、デジタルグリッドグループが想定しない形での既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 仲介契約について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループの電力PF事業の一部新規取引は、仲介契約(媒介契約及び紹介契約)を通じて行われていることから、デジタルグリッドグループは仲介事業者との良好な業務関係の構築・維持に努めてまいりました。その結果、仲介事業者の新規参画と、仲介事業者の営業体制強化が進んでおります。

他方、仲介事業者が著しく増加することでデジタルグリッドグループから仲介事業者への管理機能が低下し、仲介事業者を通じた新規取引先と紛争が発生するリスク、このほか、仲介事業者を通じた損害により発生するデジタルグリッドグループへのレピュテーションリスクなどによって、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)事業運営体制に関するリスクについて

① 人材の確保・育成について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループでは、事業の持続的な成長を支える優秀な人材を確保することが事業運営上重要であると考えています。そのため、事業部ごとに必要人材要件をマッピングし、積極的な優秀な人材の採用や、教育研修体制を整備することにより、従業員の早期戦力化とスキルアップに努めております。

しかし、競合他社との人材獲得競争の激化、コアメンバーの予期しない退職、雇用情勢の変化等により、計画のとおりに人材が確保できない場合には、事業運営や開発計画に支障をきたし、デジタルグリッドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 小規模組織であることについて(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは小規模組織であり、ガバナンス体制や内部管理体制はデジタルグリッドグループの組織規模に応じたものとなっています。これらの体制については組織規模に関わらず高い水準を構築・維持することが重要であるとの考えのもと、デジタルグリッドグループは、コーポレートガバナンス・コードを念頭に置いた内部管理体制の構築を図っています。

具体的には、各専門分野における豊富な経験を有した人材を採用するとともに、各種のコンプライアンス研修等社内教育による人材育成を進めることで、事業規模の拡大や多様化に合わせ、内部管理体制を充実・強化していく方針であります。しかし、社内管理体制の構築が想定通り進まない場合や人的資源の流出が生じた場合には、内部管理体制やコーポレート・ガバナンス体制に支障が生じ、デジタルグリッドグループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定人物への依存について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドの代表取締役社長CEOである豊田祐介は、エネルギー業界に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定、遂行において重要な役割を果たしております。デジタルグリッドグループでは、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏がデジタルグリッドグループの業務を継続することが困難になった場合、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスクについて

① 大規模な自然災害等について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合、デジタルグリッドグループ又はデジタルグリッドグループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 資金繰りに関するリスクについて(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

電力PF事業の特徴として、キャッシュ・コンバージョン・サイクルが長くなる傾向にあります。電力を日本卸電力取引所(JEPX)から調達した場合、電力代金の支払いが取引日の2営業日までに立替金の形で発生します。当該立替金は請求日に需要家へ請求しますが、請求の事実をもって立替金から未収入金へ振替を行います。日々の調達電力代金は調達電力量にJEPX市場単価を乗じた金額になるため、需要家の増加に伴う取扱電力量の増加や、市況の変化に伴う電力単価の増加等に伴って、立替金相当額や未収入金額は増加する傾向にあります。なお、JEPXへ電力代金を支払い、需要家から回収するまでの期間は最大2ヵ月程度にわたります。

また、需要家が電力を使用することによって発生する需要家が負担する費用(送配電事業者への託送料金、OCCTOへの再エネ賦課金等)は、デジタルグリッドが各社への支払いを需要家に代わって行います。そのため、需要家が負担する費用相当額はデジタルグリッドの債務として、未払金計上されるとともに、需要家に対する未収入金も同額が計上されます。以上の理由により、デジタルグリッドの事業上貸借対照表上の立替金・未収入金・未払金相当額が多額に計上される傾向にあります。

そのため、不測の事態により卸電力市場の電力価格が高騰等した場合、または借入による資金調達が適時に行われない場合等、資金繰りが適切に管理・運用されない場合、デジタルグリッドグループのキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、経営企画部財務担当及びその管掌役員による定期的な資金残高のモニタリングや、複数の金融機関とコミットラインを締結することにより必要資金を迅速に調達できる体制を構築しております。

 

③ レピュテーションリスクについて(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

 デジタルグリッドグループは、デジタルグリッドグループのブランドイメージや社会的信用を維持・向上させることが、既存のクライアントとの関係強化や新しいクライアントを誘引することにおいて重要であると考えています。他方、マスコミ報道やソーシャルメディアの書き込み等において、デジタルグリッドグループに対する否定的な風評が発生し流布した場合等には、デジタルグリッドグループのブランドイメージや社会的信用が低下し、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。デジタルグリッドグループでは、コーポレート部に広報担当者を配置しており、マスコミ等の外部メディアなどへの情報提供に関しては必ずコーポレート部による確認を実施した上で公表しております。

 

④ 訴訟リスクについて(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは、コンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。しかしながら、デジタルグリッドグループの役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性があります。訴訟手続は、一般的に時間や費用がかかるものであり、勝敗如何によらず、経営上の混乱を招く可能性があります。さらに、訴訟の結果としてデジタルグリッドグループにとって不利な判決が出された場合、デジタルグリッドグループは多額の損害賠償義務を負う可能性があります。また、相手方と和解に至った場合でも、和解の条件次第では、同様にデジタルグリッドグループにとって不利な条件を受忍せざるを得ない場合も考えられます。このように、第三者との係争は、デジタルグリッドグループの事業及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、デジタルグリッドグループでは、本書提出日現在、重大な訴訟を提起されている事実はありません。

 

⑤ 新株予約権の行使による株式の希薄化について(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは、取締役、監査役及び執行役員、従業員並びに社外協力者に対するインセンティブ付与を目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、1,461,010株であり、発行済株式総数5,933,300株の24.6%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、この株式価値の希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 配当政策について(影響度:小、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

デジタルグリッドグループは株主への利益還元の重要性を認識しておりますが、現時点では成長過程にあると考え、競争力の確保と更なる成長の継続を経営上の最重要課題としております。また、内部留保の充実を図り、それを原資として中長期的な事業拡大のための投資に充当していくことが、将来的な株主への利益還元に繋がると考えております。以上の理由から、デジタルグリッドは創業以来配当を実施しておりません。将来的には、財政状態、経営成績、事業計画等を勘案し、株主への利益還元策を決定していく所存でありますが、配当実施の可能性及びその時期等については現時点で未定であります。

 

 

⑦ 資金調達の使途について(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

上場時の公募増資等により調達した資金は、蓄電池設備の取得資金に充当する予定です。しかしながら、想定通りに蓄電池設備を取得できない場合や、期待通りの投資効果が得られないことが判明した場合、現時点の資金使途以外の事項に資金を充当する可能性があります。そのような場合、目標とする企業価値の向上が想定通り達成できない可能性があります。また、適切に投資実行できた場合においても、蓄電所等の有形固定資産等を所有することになった場合や、SPCへ出資を実行することになった場合は、減損リスクが存在いたします。いずれの場合も、デジタルグリッドグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクを踏まえ、デジタルグリッドグループを取り巻く外部環境や経営環境の変化については適時その動向を注視するとともに、公募増資による資金調達の使途に変更が生じた場合には、適時適切に開示を行います。

 

⑧ 新規事業に関するリスク(影響度:中、発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし)

 現在その他セグメントが赤字となっております。今後もデジタルグリッドグループは事業領域の拡張と持続的な成長を目指し、新規事業への取組みを実施する方針ですが、その内容によっては研究開発・設備投資・人材確保のための費用が発生する可能性があります。また、新規事業開始から安定的な収益を得るまでには一定の期間が必要であり、その期間はデジタルグリッドの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、開始した新規事業が市場環境や予期せぬ技術革新等によって計画通りに推移しなかった場合、デジタルグリッドグループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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