イチカワ(3513)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】イチカワの企業集団は、イチカワ及び子会社7社(連結子会社7社)により構成され、抄紙用具関連事業、工業用事業の2部門に亘り、製造、販売に至る事業活動を展開しております。 事 業 区 分製 品 区 分製 造販 売抄紙用具関連事業抄紙用フエルト抄紙用ベルトスレート用フエルト 等イチカワ織整・縫合工程は連結子会社である(有)アイケー加工に全面外注イチカワイチカワ・ノース・アメリカ・コーポレーションイチカワ・ヨーロッパGmbH宜紙佳造紙脱水器材貿易(上海)有限公司イチカワ・アジア・カンパニーリミテッド(株)イチカワテクノファブリクスその他の代理店工業用事業工業用フエルト工業用関連仕入品 イチカワグループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連を図示すると次のとおりとなります。 連結子会社は次のとおりです。連結子会社・イチカワ・ノース・アメリカ・コーポレーション抄紙用具関連事業、工業用事業製品の販売・イチカワ・ヨーロッパGmbH抄紙用具関連事業、工業用事業製品の販売・宜紙佳造紙脱水器材貿易(上海)有限公司抄紙用具関連事業、工業用事業製品の販売・イチカワ・アジア・カンパニーリミテッド抄紙用具関連事業、工業用事業製品の販売・(株)イチカワテクノファブリクス工業用事業製品の販売・(有)アイケー加工抄紙用具関連事業、工業用事業製品の加工・(株)アイケーサービスイチカワ製品の荷役・保管、その他のイチカワ委託業務 (注)当事業年度末日後、本書提出日までに以下の事象が発生しております。2026年6月 イチカワは株式会社イチカワテクノファブリクスを吸収合併いたしました。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 中期経営計画"NE-27"における対応方針中期経営計画「New Enterprise 2027(略称:"NE-27")」を策定し、「新領域への挑戦の3年」をスローガンとして掲げております。前中期経営計画"NE-24"においては、製造コスト削減やDXの推進等を通じた事業基盤の再構築に一定の成果が見られた一方、環境変化の影響もあり、計画した施策効果の全てを十分に発現させるには至りませんでした。この反省を踏まえ、"NE-27"では、収益力の向上と成長戦略の実効性をより重視した経営を推進してまいります。 (2) イチカワグループを取り巻く経営環境① 紙パルプ業界を中心とした事業環境の概況紙パルプ業界においては、国内市場では紙のデジタル化の進展等を背景に、新聞用紙及び印刷情報用紙を中心として構造的な需要減少が継続しています。また、板紙についても、消費動向や景気動向の影響を受けやすく、需要の先行きは不透明な状況にあります。一方、海外市場では、アジア地域を中心に板紙や衛生用紙の需要拡大が見込まれるものの、新規抄紙用具メーカーの参入や既存メーカー間の競争激化により、市場環境は一層厳しさを増しています。② イチカワグループの事業運営への影響と経営環境認識このような市場環境に加え、原材料価格やエネルギー価格の変動、為替動向、地政学的リスク等、イチカワグループの事業運営を取り巻く不確実性は引き続き高い状況にあります。また、環境負荷低減や持続可能な社会の実現に向けた要請が強まる中、企業活動におけるサステナビリティへの対応は、イチカワグループにとっても経営上の重要課題となっています。イチカワグループが中長期的に持続的成長を実現していくためには、こうした環境変化を的確に捉え、収益力及び競争力を一層強化するとともに、事業基盤の高度化を着実に進めていく必要があると認識しています。 (3) 主要な経営課題と重点的な取組み上記の経営環境認識を踏まえると、イチカワグループにおいて重点的に対処すべき課題は以下のとおりであり、課題ごとに重点的な取組みを推進してまいります。<主要な経営課題>① 国内市場における構造的需要減少下での安定収益の確保国内市場においては、引き続き需要減少による競争激化が見込まれることから、製造コスト削減や生産効率の向上に取組むとともに、顧客の操業条件や課題に即した新製品を中心とした付加価値の高い製品提案を強化し、収益性の確保を図ってまいります。国内市場をイチカワグループの収益基盤として位置付け、成長投資を支える安定的なキャッシュ創出力の確保に重点的に取組んでまいります。② グローバル市場における、販売拡大と収益性の両立によるグローバル成長の実現海外市場においては、アジア地域を中心とした成長機会を的確に捉えつつ、単なる販売数量の拡大だけではなく、製品ミックスの改善や価格競争力の強化を通じて、収益力の向上を目指してまいります。また、各地域の市場特性を踏まえた営業体制・供給体制の最適化を進めてまいります。グローバル市場における成長機会の取り込みと収益性向上の両立を図り、中長期成長につながる事業基盤の構築を進めてまいります。③ 製品競争力・研究開発力を支える事業基盤の更なる強化イチカワグループの競争優位の源泉である研究開発力と製品開発力を一層強化するため、社内資源の有効活用に加え、大学や外部機関との連携を積極的に進め、技術力の高度化を図ってまいります。また、DXを活用した生産・業務プロセスの高度化を通じ、持続的な競争力の確立を目指してまいります。従来のコスト削減・効率化にとどまらず、新製品・新用途の創出を見据えた研究開発力及び事業基盤の強化を通じて、次の成長に向けた競争優位の確立を目指します。④ 環境・社会課題への対応を通じた中長期的な企業価値の向上イチカワグループは、SDGsを含む環境・社会課題への対応を事業競争力及び企業価値向上につながる経営の重要課題と位置付け、製品・技術を通じた環境負荷低減への貢献を進めてまいります。あわせて、これらの取組みを収益性・資本効率の改善と両立させることで、持続可能な企業価値向上を図ってまいります。 イチカワグループは、これらの取組みを着実に実行することにより、「IK VISION2030」で掲げる、サステナブルな社会に貢献し、役職員、取引先、株主及び地域社会が高い満足度を持つ企業となることを目指してまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてイチカワグループが判断したものです。① 紙・板紙の生産動向イチカワグループは、抄紙用具の専門企業として、国内外の製紙会社に製品を販売しておりますが、数量・金額ともに大きなウエイトを占める主要な販売先は国内製紙会社であります。したがって、主力製品の抄紙用フエルトや抄紙用ベルトの需要は、国内紙パルプ業界の紙・板紙の生産動向に大きく影響を受けております。紙媒体からデジタル化への変化が加速し、国内の新聞用紙及び印刷情報用紙需要が減少するリスクがあります。海外市場におきましては、価格競争の激化等といった事業環境の変化により収益性が低下するリスクがあります。イチカワグループは、当該リスクに対し、国内外のお客様が求める高い水準のニーズに応えるため、自社製品を最適な組み合わせでご提案、ご提供できるよう全社一丸となって取組んでまいります。また、お客様の抄紙機プレスパートの能力を最大化し、その提供を通じて、「省エネルギー、環境にやさしい紙づくり」に貢献いたします。 ② 原材料イチカワグループの主要原材料は石油関連素材であり、原油価格の高騰及び石油化学工業の生産動向等により原料コストや調達面で影響を受ける可能性があります。イチカワグループは、当該リスクに対し、原材料の市場変動に柔軟に対応するため代替原料の検討や原料調達先の見直し等を国内外を問わず進めております。また、主原料に限らず、副資材においても、同様の取組みを進めてまいります。なお、中東情勢を中心とする地政学的リスクについては継続的に注視してまいります。 ③ 為替相場イチカワグループの海外売上高比率は前連結会計年度60.5%、当連結会計年度は63.4%となっており、為替変動のリスクを負っています。外貨建売掛金に対しては、先物為替予約により短期的な為替変動による影響を最小限にとどめる措置を講じていますが、中長期的に大幅な為替変動が発生した場合には、イチカワグループの業績、財務状況に影響する可能性があります。また、在外連結子会社の現地通貨建の資産、負債及び収益、費用は決算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。イチカワグループは、当該リスクに対し、米ドルやユーロ等の主要通貨については、為替予約により短期的な影響を最小限にするとともに、海外メーカーから生産設備等を購入する際に支払う一時金を想定し、外貨売上高の収入の一部は外貨預金として保有しております。 ④ 金利イチカワグループは、2026年3月末時点で、有利子負債882百万円を有しております。今後、金利上昇により、業績に影響が生じる可能性があります。また、将来の成長投資やM&Aに伴う資金調達においても、長期金利の動向が業績に影響を与える可能性があります。一方で、イチカワグループは十分な手元資金も保有しており、これらの資産については、安全性及び流動性を確保しつつ、適切な運用を図ってまいります。イチカワグループは、これらのリスクに対し、資金調達環境の動向を注視してまいります。 ⑤ 株価イチカワグループは、2026年3月末時点で、主要な得意先や取引金融機関の株式など市場性のある株式を中心として投資有価証券を7,257百万円保有しており、これらの株価変動のリスクを負っています。同時点では5,592百万円の評価益を有しておりますが、今後の株価の動向次第でこの数字は変動します。イチカワグループは当該リスクに対し、毎年、取締役会にて個別銘柄ごとに、保有目的、取引状況、イチカワのROEに与える影響、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を精査し、検証を行っております。その結果、保有意義が乏しいと判断された銘柄につきましては、イチカワ事業への影響を考慮し、先方との協議を十分に重ねたうえで縮減してまいります。 ⑥ 自然災害等地震・風水害など不測の自然災害が発生し、生産設備や交通手段等のインフラが大きな被害をうけた場合に、製造が休止あるいは遅滞することで、事業の遂行に多大な影響が及び、業績が確保できない可能性があります。イチカワグループは当該リスクに対し、全社員が迅速かつ的確に対応し、人的被害並びに業務への影響を最小限にとどめるため、被害直後の復旧対応事項に関する手順を「事業継続計画書」に定めております。 ⑦ サイバーセキュリティリスクサイバー攻撃、不正アクセス又は情報漏えい等のサイバーセキュリティリスクが顕在化した場合には、基幹システムの停止、生産活動の遅延又は顧客情報の流出等により、イチカワグループの事業継続に支障を来すおそれがあります。また、復旧費用の発生、損害賠償責任の負担又は社会的信用の低下等を通じて、イチカワグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。イチカワグループは、当該リスクに対し、情報セキュリティに関する社内規程の整備及び遵守、アクセス権限管理の徹底、外部専門ベンダーと連携したシステム監視・脆弱性対策の実施、従業員に対する情報セキュリティ教育・啓発等を通じて、サイバーセキュリティ対策の強化に取組んでおります。また、サイバー攻撃等による情報システム停止時を想定した情報システム運用継続計画(IT-BCP)を策定し、対応手順の整備・定期的な見直しを通じて事業継続性確保とインシデント発生時の影響最小化に努めております。 ⑧ その他のリスク世界的な景気の減速により、イチカワの事業活動に係る生産体制、物流体制、営業活動等に支障が生じた場合、イチカワグループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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