農業総合研究所は、「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、日本や世界から農業がなくならない仕組みを構築することを目的としております。そのためにまずは、ミッションである「ビジネスとして魅力ある農産業の確立」を実践しております。
報告セグメントに基づく事業の内容は以下のとおりです。
(1)農家の直売所事業
農家の直売所事業は、農業総合研究所及び業務委託先が運営する集荷場で登録いただいた生産者(以下、「登録生産者」という)から農産物を集荷し、原則翌日にスーパーマーケット等の小売店(以下、「スーパー等」という)の産直コーナーで販売することです。つまり、登録生産者とスーパー等を直接つなぐ流通を構築しております。生産者の顔が見える「安心・安全・新鮮・おいしい」農産物を、日々生活者がご利用いただいているスーパー等にて購入できる仕組みを提供しております。
農家の直売所事業は、「委託販売システム」の提供と、委託販売システムを農業総合研究所が利用し、農業総合研究所が登録生産者等から農産物を買い取りし委託販売する「買取委託販売」を行っております。
①委託販売システム
「委託販売システム」は、登録生産者から農産物を集荷し、スーパー等の産直コーナーで委託販売を行う流通プラットフォームを提供するものです。農業総合研究所もスーパー等も買い取りをしないため、在庫リスクは登録生産者にあります。在庫リスクを持つ代わりに登録生産者は、販売する「農産物」とスーパー等の「販売先」と「販売価格」を自分自身で決定することができます。つまり、好きなものを好きな量だけ、好きな場所で好きな値段で売ることができる、ということです。これを実現可能にしたのは、スーパー等からバーコード情報(インストアコード等)をご提供いただくことで登録生産者とバーコード情報を紐付けし、農業総合研究所の集荷場にて販売先のバーコードを発券するシステムを構築したことによります。登録生産者は、集荷場にて出荷したいスーパー等別に自分専用のバーコードを発券し、袋詰めした農産物に貼り付けし出荷いたします。
スーパー等で生活者が農産物を購入することにより、登録生産者は販売代金を、スーパー等及び農業総合研究所は販売手数料を得ることができます。また、スーパー等から日々の販売データや出荷データを蓄積し、登録生産者に対し生産者向け情報プラットフォーム「農直システム」にて販売状況や相場状況を提供しております。登録生産者は、在庫リスクを負いますが、原則、農産物市場を経由して販売するよりも多くの販売代金を得ることができます。スーパー等は、買い付けをしないことから在庫リスクを抱えることなく、当コーナーで販売した分の販売手数料を得ることができます。また、登録生産者との間に農業総合研究所を介することで、生産者ごとに代金を支払う必要がなく、支払の手間を省くことができます。実際に農産物を購入される生活者は、日々ご利用いただいているスーパー等で生産者の顔が見える「安心・安全・新鮮・おいしい」農産物を購入し食することができます。
この「委託販売システム」は、登録生産者にとってもスーパー等にとっても生活者にとっても良いもの、すなわち「三方良し」であることが特徴です。
農業総合研究所は、農業総合研究所が運営する集荷場からスーパー等の各店舗までの物流費を負担しておりますが、登録生産者からは、出荷額に応じた物流費見合いの手数料「出荷手数料」をいただいております。その他の手数料として、バーコード発券に伴う手数料、及びスーパー等での販売額に応じた手数料をいただいております。また、登録生産者からは、農業総合研究所の集荷場に登録いただいた時点で登録料をいただき、その後、年に一度年会費をいただいております。集荷場業務を他社に委託している場合は、業務委託先が登録生産者等から農産物を集荷し、スーパー等へ運んでおります。農業総合研究所は、販売額に応じた手数料から集荷場業務に対する委託費を業務委託先に支払っております。
「委託販売システム」は、手数料が主な収益であり、手数料が売上高に計上されるので、「買取委託販売」や「卸販売」よりも利益率の高いビジネスモデルとなっております。
農産物の流れと手数料・情報の流れをまとめたフロー図は以下のとおりとなります。
②買取委託販売
「買取委託販売」は、天候不順等で農産物の供給量が安定しない場合や、スーパー等からフェア実施等で一定の供給量の要望があった場合に、農業総合研究所が登録生産者等から農産物を買い取り供給量を確保し、スーパー等で委託販売を行うことです。農業総合研究所が在庫リスクを負うため、登録生産者等から買い取りする価格は、登録生産者等が市場に出荷する価格と同等かそれ以上となり、価格は農業総合研究所が決定します。スーパー等と生活者が享受するメリットは、「委託販売システム」と変わりません。
農業総合研究所は、第15期まで農業総合研究所が決定した販売価格からスーパー等の販売手数料を差し引いた金額を売上高に計上しておりましたが、第16期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用し、農業総合研究所が決定した販売価格を売上高に計上し、第15期まで販売価格から差し引いておりましたスーパー等の販売手数料は第16期より販売費及び一般管理費に計上しております。
「買取委託販売」は、農業総合研究所が決定した販売価格を売上高に計上し、登録生産者等からの仕入高を売上原価に計上するため、利益率は「委託販売システム」より低くなります。
(2)産直事業
産直事業は、農業総合研究所が生産者から直接農産物を買い取り、商品の「パッケージ」、売場の「POP」、生産者のおすすめ「レシピ」などで商品の付加価値を可視化し、スーパー等の青果売場で卸販売(ブランディング卸)をしております。当事業年度より、農家の直売所における委託販売システムとこれまでのブランディング卸を融合した「産直委託モデル」を青果売場にて本格的に展開しております。「産直委託モデル」は、レベニューシェア方式、大量・安定販売が可能、事務処理が簡便といった特徴を備えており、農産物流通に参加する全員がメリットを享受できる仕組みです。農家の直売所事業で培った「小売アカウント・物流インフラ・産地ネットワーク」を活用することで、生産者の顔が見える「安心・安全・新鮮・おいしい」農産物を青果売場でも展開しております。
①卸販売(ブランディング卸)
「卸販売」は、農産物を登録生産者等から買い取りし、生産者や農産物の強みをPOP・パッケージ等にてブランディング化した上で、スーパー等へ販売を行う仕入販売になります。「買取委託販売」と同様に、農業総合研究所が決定した販売価格と登録生産者等からの仕入高がそれぞれ売上高と売上原価に計上されますが、スーパー等が在庫リスクを負うため、農業総合研究所のスーパー等への販売価格はスーパー等が市場から買い取りしている価格と同等かそれ以下となり、利益率は「委託販売システム」や「買取委託販売」と比較すると低くなる傾向にあります。
②産直委託モデル
「産直委託モデル」は、農家の直売所事業の「委託販売システム」と産直事業の「卸販売(ブランディング卸)」を融合した新しい小売向け農産物流通モデルです。従前の産直卸事業では、生産者から直接農産物を買い取り、ブランディング(付加価値の見える化)を加え、顔が見える安心安全な商品を「卸販売(ブランディング卸)」にて提供してまいりました。1日あたりの流通総額を拡大する販売方式としては優れている一方で、スーパー等が在庫リスクを負うため、スーパー等への販売価格は、スーパー等が市場から買い取りしている価格と同等かそれ以下となっていました。また、スーパー等が農産物を買い取るため、農産物の納品・検品時に少量の劣化等が発生した場合においても、伝票処理が発生し、スーパー等及び農業総合研究所の事務処理が煩雑になっていました。そこで、農家の直売所事業の「委託販売システム」と産直事業の「卸販売(ブランディング卸)」を融合した「産直委託モデル」をスーパー等の青果売場に導入することで前述の課題を解決し、農産物流通に参加する全員がメリットを享受することができると考えています。また、農業総合研究所が2025年4月14日に公表しました「中期経営計画 2025-2027」の中で、農産物流通業界全体で需給バランスをとる仕組みである「AI需給調整プラットフォーム(次世代型プラットフォーム)」の構築を掲げておりますが、その一翼として「産直委託モデル」を位置付けています。
「産直委託モデル」は、生活者が農産物を購入する際に支払う購入金額を、生産者・農業総合研究所・スーパー等で分け合うレベニューシェア方式を採用しているため、農家の直売所事業の「委託販売システム」と同様の取扱いをしております。また、「委託販売システム」の場合、在庫リスクは生産者が負担することとなり、初めはハードルが高いと感じる生産者もいることから、農業総合研究所が登録生産者等から農産物を買い取りし委託販売する「買取委託販売」も行っています。このような取組みにより、スーパー等は在庫リスクを負担することなく、生産者からスーパー等までが一体となり、生活者が喜ぶ商品を届けることに注力することができるようになります。
農業総合研究所のビジョンである、持続可能な農産業を実現するためには、生産者が経営意識を持つことが必要不可欠であると考えており、引き続き生産者が主体となって販売できる農家の直売所事業の「委託販売システム」を積極的に進めてまいります。
また、農家の直売所事業で培った資産を活用し、スーパー等の全ての青果売場に、生産者から直送された農産物を提供するため、産直事業の「卸販売」及び「産直委託モデル」も積極的に進めてまいります。
農家の直売所事業における、集荷場数、スーパー等店舗数及び登録生産者数の推移は以下のとおりであります。
|
|
第15期 2021年8月期末 |
第16期 2022年8月期末 |
第17期 2023年8月期末 |
第18期 2024年8月期末 |
第19期 2025年8月期末 |
|
集荷場数 |
94 |
92 |
92 |
81 |
78 |
|
スーパー等店舗数 |
1,774 |
1,934 |
1,995 |
2,106 |
2,246 |
|
登録生産者数(人) |
9,762 |
10,258 |
10,378 |
10,312 |
10,419 |
また、当事業年度末における都道府県別のスーパー等店舗数、集荷場数及び登録生産者数は以下のとおりであります。
|
|
スーパー等 |
集荷場 |
生産者数 |
|
スーパー等 |
集荷場 |
生産者数 |
|
1.北海道 |
134 |
5 |
109 |
25.大阪府 |
381 |
2 |
199 |
|
2.青森県 |
- |
- |
7 |
26.兵庫県 |
165 |
7 |
1,179 |
|
3.岩手県 |
- |
- |
1 |
27.京都府 |
39 |
2 |
318 |
|
4.秋田県 |
- |
- |
2 |
28.滋賀県 |
18 |
1 |
79 |
|
5.宮城県 |
1 |
- |
2 |
29.奈良県 |
17 |
1 |
200 |
|
6.山形県 |
8 |
- |
72 |
30.和歌山県 |
31 |
6 |
2,666 |
|
7.福島県 |
- |
- |
3 |
31.鳥取県 |
- |
1 |
42 |
|
8.東京都 |
339 |
1 |
15 |
32.島根県 |
- |
1 |
24 |
|
9.神奈川県 |
221 |
2 |
469 |
33.岡山県 |
2 |
- |
3 |
|
10.埼玉県 |
203 |
3 |
653 |
34.広島県 |
13 |
2 |
73 |
|
11.千葉県 |
153 |
5 |
869 |
35.山口県 |
1 |
- |
- |
|
12.茨城県 |
75 |
4 |
488 |
36.徳島県 |
- |
2 |
108 |
|
13.栃木県 |
13 |
1 |
117 |
37.香川県 |
- |
3 |
94 |
|
14.群馬県 |
2 |
- |
53 |
38.愛媛県 |
5 |
4 |
641 |
|
15.山梨県 |
2 |
2 |
362 |
39.高知県 |
- |
5 |
72 |
|
16.新潟県 |
83 |
2 |
210 |
40.福岡県 |
- |
- |
2 |
|
17.長野県 |
71 |
4 |
689 |
41.佐賀県 |
2 |
- |
1 |
|
18.富山県 |
4 |
2 |
3 |
42.長崎県 |
21 |
3 |
129 |
|
19.石川県 |
9 |
- |
- |
43.熊本県 |
- |
- |
30 |
|
20.福井県 |
- |
- |
1 |
44.大分県 |
- |
- |
- |
|
21.愛知県 |
105 |
5 |
166 |
45.宮崎県 |
1 |
- |
24 |
|
22.岐阜県 |
23 |
- |
36 |
46.鹿児島県 |
8 |
- |
18 |
|
23.静岡県 |
58 |
2 |
179 |
47.沖縄県 |
- |
- |
5 |
|
24.三重県 |
38 |
- |
6 |
合計 |
2,246 |
78 |
10,419 |
事業の系統図は以下のとおりであります。
〔事業系統図〕
農業総合研究所の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において農業総合研究所が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
農業総合研究所は、「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、「農業に情熱を」を合言葉に、日本から世界から農業がなくならない仕組みを構築することを目的としております。そのためにまずは、ミッションである「ビジネスとして魅力ある農産業の確立」を実践しております。具体的には、農業総合研究所の主な事業のうち「農家の直売所事業」において、生産者とスーパー等の産直コーナーをつなぐプラットフォームを構築しております。また、「産直卸事業」では、商品の付加価値の見える化をしてスーパー等の「青果コーナー」で販売しております。今後も、両事業を日本全国や海外に広げ、企業価値及び株主価値の向上を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
農業総合研究所の売上高は流通総額の手数料が主であることから、流通総額及び流通総額成長率を重要な経営指標と定めております。流通総額を向上させる参考指標として、スーパー等への導入店舗数と登録生産者数も重視しております。
流通総額成長率10%を継続的に維持していくことを目標とし、企業価値及び株主価値の向上を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
農業総合研究所は、ビジョンである「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」を達成するため、中長期的な視点で事業に取り組んでいくことが重要であると考えております。ビジネスとして魅力ある農産業の確立に向けて、農家の直売所事業においては、農業総合研究所が展開しているプラットフォームをソフト面及びハード面での改善を徹底し、それらの仕組みを重層化させます。また、産直卸事業においては、全国の産地との連携拡大により商品供給を強化し、農業総合研究所の強みであるブランディングを通じて販売力向上を目指します。これらにより、安心・安全な農産物を提供するとともに、適正な収益の獲得を心掛けて、事業を進めてまいります。
この基本方針のもと、以下の3点をプラットフォームのさらなる拡大・強化のために取り組んでまいります。
a.仕入力強化
生産者や大規模生産法人のみにとどまらず、全国の産地との連携拡大を進めてまいります。全国の青果市場と連携し、販路及び産地を相互活用し、特に産直卸事業での仕入力を強化いたします。さらに、拡大が見込まれる有機農産物について、農家の直売所事業及び産直卸事業での取扱いを拡充いたします。
b.物流機能の拡充
大田市場(東京都大田区)内の農業総合研究所の物流センターと大田市場近郊に開設した農業総合研究所の流通加工センターを始めとするセンター機能を活用し、中・大規模生産者からの集荷拡大を狙い、物量の安定化、調達の効率化、取引先の拡大を図ります。また、他の地域への展開や他社とのアライアンスを積極的に進めることで、物流プラットフォームのさらなる機能強化と物流効率の向上に取り組みます。
c.ITプラットフォームの高度化
蓄積された生産・販売データからなるビッグデータとAI等の先端技術を活用し、受発注業務のシームレス化と需給バランスの最適化を図っていきます。消費者動向等の情報を分析・予測し、需給調整機能の高度化により、全国の農産物流通全体を支えるプラットフォームの構築を目指します。
今後もスーパー等を中心とした小売店での展開を軸としつつ、流通総額のさらなる拡大と成長スピードを加速していくため、ECやドラッグストア販売等、新規事業への応用も見据え、物流、IT及び人材への投資を積極的に整備・拡充してまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
農業総合研究所が展開している農家の直売所事業及び産直卸事業は、食の安心・安全への生活者の意識の高まりもあり、今後も引き続き高い成長が続くと見込んでおります。
そのような環境の中、農業総合研究所は、持続的かつ安定的な成長を維持すべく、以下の事項を対処すべき課題として事業を進めてまいります。
① 新規販売先の獲得と既存販売先の取引拡大
農業総合研究所は、農家の直売所事業及び産直卸事業において、特定の販売先に対する依存度が高い傾向にありますが、農業総合研究所が継続的に成長・発展していくためには、既存販売先との取引の維持・拡大に努めるとともに、新規販売先の獲得が必要と考えております。
このため、営業体制の強化を図るとともに、販売先のニーズに合った農産物の供給等のサービス強化も図ってまいります。
② 登録生産者へのサービスの拡充と仕入力の強化
農業総合研究所は、登録生産者に対して、日々の売上情報や農産物ごとの相場情報等を提供しておりますが、今後、新規の生産者の確保や既存の生産者の離反を防ぐためにもさらなるサービスの拡充を図ってまいります。また、農家の直売所事業においては、集荷場を開設し営業活動を行うことで、新規登録生産者を獲得してまいります。産直卸事業においては、主要産地と連携し、仕入力の強化を図ってまいります。
③ 農産物の安全性
農業総合研究所は、登録生産者等が持ち込む農産物の安全性については、登録生産者との間で、「農産物は、新鮮でかつ農薬安全使用基準を守って栽培されたもの(栽培履歴の明示ができるもの)であること」、「食品加工物についてはJAS法、食品衛生法等関連法規を守っていること」、「商標法等法令に抵触する商品でないこと、また、農業総合研究所の事業理念や企業イメージに抵触する商品でないこと」といった規定を設けておりますが、スーパー等や生活者に、より「安心・安全」であることを訴求するために、今後さらなる農産物の安全性管理の強化を図っていく方針であります。
④ 海外展開
農業総合研究所は、農家の直売所事業において、現在は日本国内を中心として展開しておりますが、少子高齢化の問題により、日本国内の市場は今後縮小していくものと予想されております。また一方で、「安心・安全」な日本産農産物の需要は海外でも高まっております。農業総合研究所が継続的に成長・発展していくために、関連会社の株式会社世界市場を通じて、海外への事業展開を推進してまいります。
⑤ 経営管理体制の強化
農業総合研究所では、コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化、災害対策及び事業継続計画等、経営管理体制の強化が重要であると考えております。
このため、社員教育、組織体制や規程の整備・見直し等を定期的に実施することにより、経営管理体制の強化に努めてまいります。
⑥ 人材の確保と育成
農業総合研究所は、事業の継続的な拡大のために、事業の規模や質に合わせた優秀な人材の確保、組織体制の整備及び従業員のモチベーションの維持・向上に努めていく方針であります。
以下において、農業総合研究所の事業、経営の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において農業総合研究所が判断したものであります。
①農業総合研究所の事業について
農業総合研究所は、スーパー等に産直コーナーを設置いただき、登録生産者に「委託販売システム」を提供することを主たる事業としており、登録生産者の出荷額に応じた出荷手数料等とスーパー等での販売額に応じた販売手数料を主な収益源としております。
農業総合研究所の事業拡大のためには、既に産直コーナーを設置いただいているスーパー等の店舗数拡大や新規スーパー等の獲得が必要になります。また、店舗数拡大に伴い、農産物を出荷していただく登録生産者の拡大も合わせて必要になります。従いまして、スーパー等の導入店舗数の増加と登録生産者の増加が農業総合研究所の事業拡大のための前提条件になります。これらの前提条件が順調に行われない場合、または、スーパー等の方針変更によっては、農業総合研究所の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②特定取引先への依存について
農業総合研究所は、2024年8月期において、株式会社ライフコーポレーションにおける販売実績が全体の14.5%となっており、特定取引先への依存度が高くなっております。農業総合研究所の事業拡大のためには新規スーパー等の獲得が必要であり、この依存度は解消されていくと考えておりますが、順調に新規スーパー等の獲得が進まない場合、依然としてこの依存度が高い状態が継続する可能性があります。このため、これらの特定取引先の方針変更によっては、農業総合研究所の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、農業総合研究所はスーパー等で農産物が販売された事実がある場合には、スーパー等から入金が無かった場合においても、登録生産者へ販売代金の支払いを行う方針であります。
③食品の安全性について
農業総合研究所は、登録生産者との間で、「農産物は、新鮮でかつ農薬安全使用基準を守って栽培されたもの(栽培履歴の明示ができるもの)であること」、「食品加工物についてはJAS法、食品衛生法等関連法規を守っていること」、「商標法等法令に抵触する商品でないこと、また、農業総合研究所の事業理念や企業イメージに抵触する商品でないこと」といった規定を設けております。
しかしながら、登録生産者による表示の偽装や虚偽の情報提供等が行われる可能性は否定できません。また、食品の放射能汚染問題については、その安全性に関する社会通念上の見解が未だ明確でないことに加えて、今後当該問題に関する何らかの法規制が設けられた場合、当該法規制が求める対応等が即時に実施できない可能性があります。このような事象が発生した場合、行政機関からの指摘又は処分並びに消費者からのクレーム又は損害賠償等が生じる可能性があり、ブランドイメージの悪化や対外信用力の低下等により農業総合研究所の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④「委託販売システム」による農産物の販売について
農業総合研究所の「委託販売システム」では、スーパー等に設置いただいている産直コーナーの運営において、登録生産者がスーパー等で委託販売をする仕組みを提供している立場であり、原則として農業総合研究所は売買の当事者とはなりません。
しかしながら、スーパー等の産直コーナーで農産物を購入された消費者との間で何らかトラブルが発生した場合、農業総合研究所が法的責任を問われる可能性があります。また、農業総合研究所が法的責任を負わない場合においても、ブランドイメージの悪化等により農業総合研究所の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤天候不順等の自然災害による影響について
農業総合研究所の取り扱う農産物については、集荷場を業務提携先を含めた日本全国各地で運営することで産地を分散させ、特定地域の天候不順等の自然災害による収穫不能・品質劣化時も別産地から商品の供給ができる体制を取っております。しかしながら、想定以上に天候不順等が深刻化、長期化並びに広域化した場合、流通量の減少による欠品や品質劣化等の問題の発生により、農業総合研究所の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥農産物相場の変動について
農業総合研究所が取り扱う農産物については、極端な豊作や不作によって需要と供給のバランスが崩れると、相場が想定以上に変動する可能性があります。豊作により相場が下落すると、物流効率が悪化し営業利益率を悪化させ、不作によって相場が上昇すると、農業総合研究所の「委託販売システム」を通さず、既存の農産物市場で販売する登録生産者が増えることで、農業総合研究所の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦季節変動について
農業総合研究所は、初夏の5月から7月、初秋の10月から11月にかけて、果物等の収益性の高い商品の収穫期に該当することや農産物の収穫高自体が多くなることにより、売上高や利益が増加する傾向にあります。このため、当該時期の業績如何によっては、農業総合研究所の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧システム障害について
農業総合研究所が運営する集荷場で発券するスーパー等のバーコード発券システムは、通信ネットワークに全面的に依存しており、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合や、その他予測不可能な様々な要因によってシステムがダウンした場合、農業総合研究所の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、システム開発や保守については外部委託しておりますが、運営会社のサービスの低下、自然災害の発生によるサーバーのダウン等によりインターネットへの接続及びシステムの稼働が円滑に行えない状態になった場合においても農業総合研究所の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨個人情報管理に関するリスクについて
農業総合研究所は、登録生産者の個人情報を保有しております。個人情報漏洩による企業経営・信用への影響を十分に認識し、個人情報保護規程の整備、アクセス制限、社員への周知徹底など、個人情報の管理体制の整備を行っておりますが、万が一、個人情報が漏洩した場合は、損害賠償費用の発生、社会的信用の失墜などにより、農業総合研究所の経営成績や財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑩売上高計上基準について
農業総合研究所は、農家の直売所事業の「委託販売システム」を積極的に拡大していく方針ではありますが、スーパー等との契約によっては、「委託販売システム」での取引ではなく、「卸販売」での取引になる可能性があります。また、農産物の安定的な供給等を行うために、農業総合研究所が登録生産者から買い取りを行う「買取委託販売」が、農業総合研究所の想定以上に構成割合が高まる可能性があります。
「委託販売システム」では受領する手数料(純額)を売上高としており、仕入計上はありません。一方、「卸販売」及び「買取委託販売」ではスーパーや消費者等への販売高(総額)を売上高とし、仕入高を売上原価として計上しております。そのため、「委託販売システム」での取引の売上総利益率は「卸販売」及び「買取委託販売」での取引に比べ高くなります。
「委託販売システム」での契約を見込んでいた取引が「卸販売」での取引となった場合や「買取委託販売」の構成割合が想定以上に上昇した場合、計上基準の違いにより「委託販売システム」での取引と比べ、全体の売上高が増加し、売上総利益率が低下する恐れがあります。
⑪経営陣への依存について
農業総合研究所の現経営陣は、経営方針や経営戦略等、農業総合研究所の事業活動全般において重要な役割を果たしており、現経営陣に対する農業総合研究所の依存度は高くなっております。
そのため、現経営陣に過度に依存しない経営体制を構築すべく、従業員への権限委譲等を進めておりますが、何らかの理由により現経営陣の業務遂行が困難となった場合には、農業総合研究所の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑫人材の確保と育成について
農業総合研究所が実施するサービスにおいては、優秀な人材の確保と教育体制の充実による継続的な人材育成が必要不可欠であると認識しております。このため、事業の拡大に見合った人員の確保・育成ができなければ事業の拡大が進まない可能性があります。さらに、その場合、提供サービスの質が低下し、農業総合研究所の事業活動に影響を及ぼす可能性もあります。
また、人材の確保・育成が順調に進んだとしても、その人材が外部流出することにより、人的戦力の低下、ノウハウの流出、知的財産その他の機密情報も流出する可能性があります。農業総合研究所では、人材の流出を防ぐための施策として、透明性の高い人事考課の徹底、従業員持株会制度を導入しております。ただし、これらの施策が効果的に機能する保証はなく、今後人材流出が進んだ場合、農業総合研究所の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
⑬配当政策について
農業総合研究所は、剰余金の配当につきましては、内部留保とのバランスを保ちながら、収益の増加に連動した配当を行うことを基本方針としております。
しかしながら、現時点では配当を実施しておらず、今後の配当実施の可能性及び実施時期等については未定であります。
⑭新たな感染症について
新たな感染症が流行した場合には、農業総合研究所の集荷場の人員等の確保が困難となるなど農産物の集荷業務に支障が生じ、農業総合研究所の業績は影響を受ける可能性があります。また、流行の程度によって、消費者動向が大きく変動する可能性があります。感染拡大防止への取り組みとして、テレワークの積極的な活用や時差出勤の推奨等の施策を実施しています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー