ユナイテッド&コレクティブ(3557)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


ユナイテッド&コレクティブ(3557)の株価チャート ユナイテッド&コレクティブ(3557)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

ユナイテッド&コレクティブは、一都三県を中心とした首都圏ならびに大阪府において飲食事業を行っており、鶏料理居酒屋「てけてけ」、ハンバーガーカフェ「the 3rd Burger」、うま味海鮮丼「海鮮丼新太郎」の各ブランドを店舗展開しております。

なお、ユナイテッド&コレクティブの報告セグメントは飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1) ユナイテッド&コレクティブ事業の特徴「PPM戦略」

ユナイテッド&コレクティブは、手頃な価格で“本当に美味しい料理”を多くの人々に届けるために、店内仕込みを徹底する「ISP戦略(In Store Preparation)」、高品質を担保できる商品に限定して外部委託を行い生産性を高める「PISP戦略(Productive In Store Preparation)」を行ってまいりました。

2021年より、「PPMセンター(注)」を立ち上げ、「PPM戦略(Preparation Process Management)」を推し進めております。一律のセントラルキッチン化でも、一律の店内仕込みでもなく、どの作業を店舗に残し、どの作業をセントラルキッチンに譲るのかを外食ならではの圧倒的な商品力と、食品工場に匹敵する高い生産性を理想に、それぞれの業態、それぞれの商品において、緻密な調理工程管理を行うユナイテッド&コレクティブの戦略です。

 

(注)PPMセンターとは

「PPM戦略」の中核を担う、ユナイテッド&コレクティブの自社加工拠点を指します。これまでは店内仕込みと外部委託(海外・国内)を商品ごとに使い分けることにより商品力と生産性を高めてまいりましたが、新たに自社加工拠点という選択肢を得ることでより一層緻密なコストコントロールと品質の向上が可能となります。具体的には「the 3rd Burger」におけるバンズ及びパティの製造拠点とし、「the 3rd Burger」事業の成長ドライバーとして位置づけております。

 

 <商品ごとの具体例>

 ① 塩つくね/てけてけ

タイの外部委託先において、屠鳥~ミンチ~ミキシング~急速冷凍までを一連の工場ラインで加工しております。店舗では串打ち・成型を行い、じっくり時間をかけて焼き上げます。各店舗で毎日一から作っていた従来の仕込み方法に比べて、鮮度が高くジューシーで均一な品質を実現できております。

 

 ② 水炊きスープ/てけてけ

国内の外部委託先において、鶏ガラ処理~煮炊き~乳化~濃縮までを一連の工場ラインで加工しております。店舗では香りと味わいを高めるための風味付けを行い、お客様の卓上にて他の具材とともに加熱をして召し上がっていただきます。低価格かつ高品質な味わいを実現するため、外部委託先と長年研究を重ねて実現させた水炊きスープです。

 

 ③ ど根性串(ねぎま)/てけてけ

大ぶりの鶏もも肉と長葱の定番焼鳥は、店舗で毎日仕込みを行っております。外部委託に切り替えることでコストは削減できるものの、鮮度・味わい・香りといった品質がユナイテッド&コレクティブの基準に満たない商品については、店内仕込みを徹底し手間を惜しまず店舗でお作りします。

 

 ④  バンズ・パティ/the 3rd Burger

従来は各店舗で仕込みを行っていたthe 3rd Burger業態の根幹であるバンズ・パティをPPMセンターでの生産に切り替え、トーストやグリルといった最終工程のみ店舗で行います。製造拠点を1ヶ所に集約させることで、各店舗での日々の仕込みでは実現できない多様な原材料の配合と緻密な温度管理が可能となります。それにより、これまで以上に肉肉しくジューシーなパティや高級食パンを彷彿させるバンズなど時代の潮流に合った品質へと柔軟に改良でき、より一層バリューを感じていただける商品へと進化させてまいります。

 

 

(2) ユナイテッド&コレクティブの展開する主な業態とその特徴及び店舗数

2024年2月29日現在

業態

業態の特徴

店舗数

 


高度成長期をコンセプトにした店内で、こだわりの「にんにく醤油だれ」で焼き上げる焼き鶏や、博多生まれの店主が試行錯誤の末たどり着いた、濃厚コラーゲンスープの「博多水炊き」などの鶏料理を中心とした居酒屋です。店内での仕込み・調理にこだわることで安心安全で圧倒的に美味しい料理を提供しています。

70

(2)


 “Real Fresh, Real Burger”
焼き立てのふんわりバンズ、100%ビーフにこだわった自家製パティ、毎日仕入れるみずみずしい新鮮野菜が特徴の「毎日食べても体が喜ぶ」これまでにない第3のハンバーガーカフェです。ナチュラルテイストの店内で、フレッシュな味わいを堪能できる「都会の公園」を目指します。


"The Ultimate UMAMI Experience"

削りたて鰹節とお出汁の『うま味海鮮丼』。海鮮丼・手巻き寿司・海鮮茶漬けと一杯で三度愉しめる、究極のうま味体験をお楽しみいただけます。

 

(注) 店舗数の()内は、FC店舗数で内書きしています。

 

ユナイテッド&コレクティブの事業の系統図は次のとおりであります。

[事業系統図]


 


有価証券報告書(2024年2月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

COVID-19の影響度合いが弱まり経済回復が進む中で、原材料・食材・エネルギー等の仕入価格の高騰・生産年齢人口の減少・スポットワーカーの増加など、原材料費・人件費・水道光熱費といった店舗運営コストの上昇が続いており、依然として厳しい経営環境が続いております。

2025年2月期におきましては、「時代・マーケット・現実に適応することでコロナから完全に脱却する」を社内目標に掲げ、以下の戦略・取り組みを推進することで経営課題を解決し、通期での黒字化を目指します。

 

(1) 「PPM戦略(Preparation Process Management)」の推進

2022年2月期に立ち上げた自社加工拠点「PPMセンター」は予定通り順調に稼働しております。外食ならではの圧倒的な商品力と、食品工場に匹敵する高い生産性を目指し、それぞれの業態、それぞれの商品において、緻密な調理工程管理を行い、このような状況下においても安定した商品提供とコスト管理が行える体制を構築し、利益の確保に努めてまいります。

 

(2) 「てけてけ」のリモデル店舗の開発及び既存ブランドの新商品開発

COVID-19やSNSの発達など近年の社会変化により、外食動機が変化し新たなニーズが生まれております。既存店のブランドコンセプトや想定利用シーンを見直し、メインブランド「てけてけ」のリモデル化や新商品開発を推し進め、既存店のトップラインの早期回復を図ります。

 

(3) 新業態開発及び新規出店の推進

てけてけ」「the 3rd Burger」に並ぶ事業化を目標に、2024年2月期にオープンした「海鮮丼新太郎」のブラッシュアップや、直営による新規出店に加えフランチャイズによる店舗展開を視野に入れた新たな飲食業態の開発を推し進めます。2025年2月期の新規出店数は2店舗を計画しております。

 

(4) 店舗QSCレベルの向上

人材採用・研修教育・各種マニュアルの強化・再整備を行い、全店舗において店舗QSCレベルの向上を推し進めてまいります。原材料費や光熱費などの物価高騰の影響を価格転嫁により吸収しつつ、サービスレベルを強化することでお客様の体験価値向上を図ります。

 

(5) 特定技能制度を活用した外国籍人材の活用

少子化・労働力不足等による人材不足の課題解決に向け、特定技能人材の受け入れを積極的に行うことで、労働集約型ビジネスの根幹である人材の確保・教育・研修を推進し、盤石な人員体制の構築を図ります。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

ユナイテッド&コレクティブの事業展開その他に関して、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてユナイテッド&コレクティブが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) ユナイテッド&コレクティブの事業展開について
① 事業の内容について

ユナイテッド&コレクティブは「てけてけ」「the 3rd Burger」「海鮮丼新太郎」の3業態80店舗(2024年2月29日現在)を一都三県と大阪府に展開しております。各業態ともに、市場ニーズや消費者嗜好の情報を収集しながら、常に業態の進化および新業態開発を継続して行っていく方針でありますが、国内景気の悪化・低迷等の外的要因やユナイテッド&コレクティブ固有の問題等の発生により、店舗集客に大きな変化が生じた場合は、ユナイテッド&コレクティブの財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 食材の仕入・管理について

食材につきましては、「安全」「安心」をお客様に提供するために、より厳しい基準で管理体制を維持しておりますが、ユナイテッド&コレクティブ使用の食材において、安全性が疑われる問題等が生じた場合、また、ユナイテッド&コレクティブの営業店舗等で安全性が疑われるような事象が発生した場合には、ユナイテッド&コレクティブの財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのほか、社会的環境の変化や法令の改正などにより、提供する食材の調達や加工に設備や作業等が必要になった場合には、コストの増加が発生し財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 出店計画について

新規出店用物件の情報については、不動産仲介業者等に加え、ユナイテッド&コレクティブ既存店の管理会社、取引先銀行、取引先業者等からも情報入手を心がけておりますが、ユナイテッド&コレクティブ業態に合う物件取得は容易ではありません。売上・利益計画についても、取得物件において想定通りの店舗売上・収益を確保できない可能性があります。今後とも、新規出店計画達成に必要な物件の確保に努めてまいりますが、出店後に店舗周辺に多大な環境変化などが事態が発生した場合、ユナイテッド&コレクティブの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 人材確保

店舗の安定した運営を継続して行うためには、パートタイマー・アルバイトを含め優秀な人材の確保が必要であります。ユナイテッド&コレクティブの経営理念を理解し、賛同した人材確保を最重要課題として、正社員の採用においては新規学卒採用だけでなく、既存店舗に勤務しているパートタイマー・アルバイトからの社員登用や中途採用、特定技能制度の活用など、優秀な人材の獲得に取り組んでまいります。また人材教育に関しては、全店に設置された教育用タブレットを活用し、理念教育を重点的に行う事によりユナイテッド&コレクティブの核となり得る人材を育成してまいります。しかしながら、人材の確保及び教育が追いつかない場合には、ユナイテッド&コレクティブの財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 賃貸借契約の管理

ユナイテッド&コレクティブの本社及び店舗は全て建物を賃借しております。各賃貸借契約に対し保証金等を差し入れており、2024年2月29日現在、保証金等の差入残高は785,417千円で総資産に対し19.9%の比率となっております。

新規出店の際、与信調査については万全を期しておりますが、賃貸人側の財政状態が悪化した場合、保証金等が回収不能に陥ったり、賃借物件の継続賃借が困難になる恐れがあります。そうなった場合、ユナイテッド&コレクティブの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 経営者への依存に関するリスク

ユナイテッド&コレクティブにおいて、創業者である代表取締役坂井英也は、ユナイテッド&コレクティブの経営方針の策定や経営戦略の決定、業態開発等、ユナイテッド&コレクティブの業務執行において重要な役割を担っております。ユナイテッド&コレクティブでは、組織体制の充実や職務分掌及び職務権限規程に基づく権限の委譲など、特定の者に過度に依存しない組織体制への移行を進めており、依存度は相対的に低下するものと考えておりますが、そうした経営体制への移行過程において、何らかの理由により坂井の業務執行が困難となった場合には、ユナイテッド&コレクティブの経営成績及び事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法的規制について

① 食品衛生法

ユナイテッド&コレクティブでは、飲食事業の衛生管理の重要性に鑑み、仕入食材については物流センターにおける品質管理の徹底を図っているほか、配送においても温度管理等、品質維持を徹底しております。また、各店舗におきましても衛生面での定期的なチェックと改善指導等を実施し社内の規則に沿った衛生管理を徹底しておりますが、食中毒に関する事故が発生した場合や食品衛生法の規定に抵触するような事象が発生した場合、ユナイテッド&コレクティブの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 食品リサイクル法

2001年5月に施行された「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食業者(食品関連事業者)は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、食品残渣物の削減を義務付けられております。ユナイテッド&コレクティブは食品残渣物を削減するための取り組みを鋭意実施しておりますが、今後法的規制が強化された場合には、その対応のために、設備投資等に関連する新たな費用が発生し、ユナイテッド&コレクティブの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

③ 風営法

深夜0時以降も営業する店舗につきましては、深夜営業について「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」により規制を受けております。ユナイテッド&コレクティブは、各店舗における届出等、当該法令に定める事項の厳守に努めておりますが、法令違反等が発生した場合には、一定期間の営業停止等が命ぜられ、ユナイテッド&コレクティブの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 製造物責任

ユナイテッド&コレクティブは、「農林物資の規格化等に関する法律」(JAS法)、「製造物責任法」(PL法)等に基づく規制を受けており、これらの法令の遵守についても対策を講じておりますが、万が一これらの法令に違反した場合、商品の廃棄処分、回収処理などが必要となるおそれがあり、ユナイテッド&コレクティブの財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 出入国管理及び難民認定法

ユナイテッド&コレクティブのアルバイト従業員のうち、6.9%(2024年2月29日現在)が外国人となっております。外国人の労働に関しては、「出入国管理及び難民認定法」により規制されており遵守しておりますが、法令や規制内容の変更が発生した場合には、一時的に人材不足によりユナイテッド&コレクティブの財政状態または経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 有利子負債について

ユナイテッド&コレクティブは、店舗造作費用及び差入保証金等の出店に係る資金を主に金融機関からの借入れにより調達しております。この結果、総資産に占める有利子負債(借入金)の割合が、2024年2月29日現在で82.5%と高い水準となっております。金融機関とは良好な関係を維持しており、現在のところ特に金利引上げの要請も受けておりませんが、有利子負債依存度が高い状態のまま金利が上昇した場合、ユナイテッド&コレクティブの財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 減損損失について

ユナイテッド&コレクティブは、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として、主に店舗を基本単位としてグルーピングしております。外部環境の著しい変化等により、店舗収益が悪化し、店舗における営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合、固定資産について減損損失を計上することとなり、ユナイテッド&コレクティブの財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 自然災害の脅威について

ユナイテッド&コレクティブは、首都圏に集中して店舗展開を行っているため、東京都心部を中心に大規模な災害(地震、台風、洪水、新型コロナウイルス感染拡大等)が発生した場合、来客数の著しい落ち込みや通常営業が困難となる恐れがあり、ユナイテッド&コレクティブの財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) COVID-19について

ユナイテッド&コレクティブは、飲食店の経営が主要な事業となっておりますが、COVID-19の感染拡大に伴う政府・自治体による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用により、時短営業や外出自粛要請などが発せられ今後の見通しが立たない場合、ユナイテッド&コレクティブの財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 継続企業の前提に関する重要事象等について

ユナイテッド&コレクティブは、前事業年度において、COVID-19の感染拡大を受け度重なる営業活動の自粛やアルコール提供の中止、時短営業等を行ったことで債務超過に陥っております。当該重要事象等を解消するため、当事業年度では「てけてけ」のリモデル店舗及び新業態・新商品の開発、既存業態の店舗QSC向上・管理体制強化によりトップラインの早期回復を図り、戦略的な退店を推し進め本社を縮小移転するなどで店舗固定費や本部管理コストを大幅に削減する取り組みを推進いたしました。この結果、通期の売上高5,980百万円・営業利益38百万の計画に対し、売上高6,168百万円・営業利益52百万円といずれも計画を上回る着地となったものの、当事業年度末においても債務超過が継続しております。

 これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が発生しておりますが、当事業年度末の資金残高の状況及び今後の資金繰りを検討した結果、当面の事業活動の継続性に懸念はございません。加えて、当該重要事象等を解消するため、不採算店の撤退及び抜本的なコスト圧縮、資金調達及び資本政策の実施など対策を講じていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー