ワールド(3612)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


ワールド(3612)の株価チャート ワールド(3612)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 ワールドグループは、ワールド、子会社48社及び持分法適用関連会社又は共同支配企業2社より構成されております。

 ワールドグループの事業内容は、国内外にて婦人、紳士及び子供衣料品並びに服飾雑貨の販売を営むブランド事業、ファッションに特化したECモール運営や情報・物流システムの業務受託等のデジタルソリューションの提案、デジタル軸での新たなサービスの開発・展開を担うデジタル事業、衣料品並びに服飾雑貨等の生産・調達・貿易や什器製造販売を通じた空間創造支援等のプラットフォーム事業を営んでおります。

 なお、ワールドは、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 以上の概要を図示すると次のとおりであります。

 

 

■ブランド事業

 

 

ブランド事業では、国内を中心に、アパレル・雑貨等の小売業を運営しており、ブランド事業セグメント全体最適の視点で、ブランドポートフォリオ戦略を機動的に修正し、成長性と収益性のバランスを図っております。

 

(国内アパレルブランド)

国内アパレルブランドにおいては、百貨店を中心に展開するミドルアッパー業態とショッピングセンターを中心に展開するミドルロワー業態にて婦人、紳士、子供服に加え、肌着等のインティメイトなどの小売業を展開しております。各ブランド事業を営む子会社は、衣料品の商品企画を行い、その商品企画に基づいて、ワールドのプラットフォームを活用して調達した商品を直営店舗、EC販路及び専門店を通じて、主に国内市場で販売しております。また、㈱ワールドフランチャイズシステムズは、主に㈱アルカスインターナショナルのフランチャイズ事業を展開しております。

 

(国内ライフスタイルブランド)

国内ライフスタイルブランドにおいては、服飾雑貨や生活雑貨、ジュエリーや革小物に至る雑貨業態を展開しております。中間持株会社である㈱ワールドライフスタイルクリエーションの統括の下、例えば、㈱ライフスタイルイノベーションが、独自で服飾雑貨や生活雑貨等の企画、調達及び販売を行っております。

 

(海外)

アジアを中心に独資若しくは合弁で展開しており、日本のブランド事業会社から輸入、若しくは、現地で独立して企画、調達した衣料品並びに服飾雑貨、生活雑貨等を現地で独立して販売しております。

 

(投資)

投資サブセグメントにおいては、収益面で課題のあるブランドのバリューアップの他、外部より連結加入してきた企業に対して、ワールドグループの一員としてプラットフォーム活用のシナジーなどが早期に発揮できるよう事業のPMI(M&A後統合プロセス)に取り組んでおります。

㈱W&Dインベストメントデザインを中心に、アパレル領域での事業の再生や成長の支援に取り組んでおります。

 

■デジタル事業

 

 

デジタル事業は、B2Bソリューション及びB2Cネオエコノミーから成り立っており、デジタル技術を梃子にしたトランスフォーメーションの牽引役として、ワールドグループにおける重点投資の領域と位置付けております。

 

(B2Bソリューション)

B2Bソリューションは、Eコマースとデジタルソリューションから構成されております。Eコマースでは、自社ブランドを販売する直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」の運営を受託しております。

デジタルソリューションにおいては、自社の物流インフラの改善・提供や基幹システムの刷新・展開に限らず、㈱ファッション・コ・ラボが営業窓口として他社に向けた基幹システムやCRM(顧客管理)システム等の新たなビジネスソリューションの提供などを行っております。

 

(B2Cネオエコノミー)

B2Cネオエコノミーにおいては、「サーキュラー」というキーワードへ焦点を当てる形で、これまで様々なテーマで実験してきた事業の「選択と集中」による成長戦略を追求しております。㈱ティンパンアレイでは、ユーズドセレクトショップの運営を行っており、2024年3月より連結子会社化した㈱アンドブリッジでは、オフプライスストア「& Bridge」を運営しております。またラクサス・テクノロジーズ㈱では、ブランドバッグに特化したサブスクリプション型レンタルサービスも行っております。

■プラットフォーム事業

 

 

プラットフォーム事業においては、ワールドグループが長年に渡って培ってきた様々なノウハウと仕組みが凝縮された、多業態・多ブランドを支えてきたプラットフォームについて、これまでのワールドグループ企業による利用に加えて、積極的に外部企業にも開放する形で各種サービスの提供へ取り組んでおります。この取り組みを加速させるため、2022年4月1日付で㈱ワールドプラットフォームサービスを新設し、㈱ワールドストアパートナーズ、㈱ワールドプロダクションパートナーズ、㈱ワールドビジネスサポート、㈱ワールドアンバー及び㈱アスプルンドの5社を同社の傘下に配置しております。

アパレルプラットフォームのうち生産プラットフォームでは、その中核である㈱ワールドプロダクションパートナーズが、国内製造会社、協力縫製メーカー及びOEMメーカーにおいて製造された商品について、その大部分をワールドのブランド事業子会社に供給しているほか、製造子会社群の生産性改善の指導・支援、他社アパレルの商品開発及び製造(OEM・ODM事業)も行っております。また2025年2月28日付で三菱商事ファッション㈱(同日、エムシーファッション㈱に社名変更)を100%子会社とし、プラットフォーム機能の強化を図っております。

また、アパレルプラットフォームのうち販売プラットフォームを担う㈱ワールドストアパートナーズにおいては、店舗開発、催事の企画・運営及びアウトレットを通じた在庫消化や他業種小売業の運営受託も行っております。

この他、ファッションビジネスに係る様々な事務処理・手続等の各種事務サービスなどを提供するシェアードサービスプラットフォームを担う㈱ワールドビジネスサポートは、ワールドグループを含めた企業の各種事務処理の代行を行っております。また、ライフスタイルプラットフォームを担う㈱アスプルンドは、アパレル以外の業界にも営業活動を広げて、什器・家具の製造販売、空間・店舗デザインの提供等の空間創造事業を行っております。

 

 なお、ワールドグループの次期経営構想「VISION-W」の実現に向け、2027年2月期より事業経営を「B2C」「B2B」の2大事業セグメントに移行のうえ、サブセグメントにおいても市場、及びビジネスモデルに応じて再編いたします。

 本再編は、非アパレルの大きな成長に伴い、アパレルのみに依存しない事業構造の完成に向けて、グループの強みを最大限に活かし、グループ全体の更なる構造的な生産性改善を図るとともに、より明確な事業責任と素早い資源配分を実現するための構造的な施策です。この再編と同時に、グループ全体のポートフォリオマネジメントに一層磨きをかけ、中長期的に持続可能な価値創造を通じて、株主価値並びに社会的価値の両立を図り、ステークホルダーの皆様の期待に応え続けるよう努めてまいります。

 本再編後の体制および商流を図示すると次のとおりであります。

 

■グループ概要

 

■B2C事業

 

■B2B事業

 


有価証券報告書(2024年2月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 ワールドグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてワールドグループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針等

 ワールドグループは、「創造全力、価値共有。つねに、その上をめざして。」をコーポレート・ステートメントとして設定し、お客様へ価値を提供し続ける仕組みをつくり、それを実行することにより、お客様の共感をいただき、つねに新たな可能性に向けて自らを革新し続けていくことに挑戦しております。

 具体的には、ワールドグループは、1992年、顧客価値と生産性の最大化を目的に、消費者を起点に小売から生産までを一気通貫させ、ロス・無駄を価値に変える「スパークス(SPARCS)」構想を発表しました。これはファッション産業において、これまで分断されていたビジネスモデルをつなぎ、在庫ロスと機会ロスを最小化すると同時に、ワールドグループにおいてコアとなる生産系、開発系、マーチャンダイジング系、店舗運営系のそれぞれの業務において再現性のある仕組みをプラットフォーム化することで競争優位性を高め、変化する顧客のニーズにスピーディーに応えることを意味しております。ワールドグループは、「スパークス(SPARCS)」モデルを日々進化させ、これまで培ったプラットフォームを梃子に、生産から販売に至るすべての業務やリアルとネットのオペレーションを情報で同時につなぐべく、IT技術で事業基盤を絶え間なくアップデートし続けております。

 そして、現在、中期的な基本方針として、より多様なブランド、ファッションの楽しさ、価値あるモノを、デジタル技術を活用したプラットフォームやサービスにより、ロス・ムダなくお客様に届けることで持続可能な産業世界を追求する、新たな「ワールド・ファッション・エコシステム」の実現を目指して、持続的な社会に適合したビジネスモデルの開発を推進しています。コロナ禍の環境下においてテクノロジーが日常生活に一段と浸透するなか、ファッションの新たな価値の提供と社会的課題の解決に向けた投資や活動に全速力で取り組んでまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 ワールドグループでは、本業の稼ぐ力を表す「コア営業利益」を最も重要視する経営指標としております。コア営業利益は、IFRSに基づく売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて算出した、日本会計基準の営業利益に相当する数値であり、この持続的な向上を成長性の視点での重要指標に位置付けております。

 この他、ワールドグループでは、次期の中期経営計画で本格的な成長戦略を追求できるよう、価値創造的な状態を当中期経営計画「PLAN-W」で創り上げることが重要と認識しております。具体的には、「PLAN-W」において、最適資本構成の下でROEがCOEを超過する状態や、投下資本利益率(ROIC)が加重平均資本コスト(WACC)を上回る状態を目指します。このため、これまでのROA(コア営業利益ベース)に替えて、新たにROICを経営指標に設定しております。また、債務返済の能力及び事業の収益性・成長性を持続的に向上できるよう、有利子負債と株主資本の最適な資本構成を検討する目的から、従来のD/Eレシオに替えて、新たにネットD/Eレシオを財務体質の健全化指標といたしました。さらに、株主資本に対するリターンの効率性を表すROEの維持・向上にも注力しております。

 なお、現在の収益の柱であるブランド事業においては、商品(在庫)の収益性の指標として、交叉比率の分解能である「粗利益率」と「在庫回転率」の改善に取り組んでおります。また、成長性の指標としては、事業拡大に取り組んでいる非アパレル事業のコア営業利益が、ワールドグループ全体のコア営業利益に占める割合のほか、ワールドグループの持続的な成長をけん引するECチャネルでの売上高の連結売上高に対する比率も重視しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 ワールドグループのブランド事業では、創業以来、経営環境の変化に応じ、卸売事業から百貨店SPA(Speciality store retailer of Private label Apparelの略であり、製造小売業を指します。)事業、ショッピングセンターチャネルでのSPA事業、Eコマース事業、ライフスタイルブランド事業へと拡大してきております。その結果、幅広い世代・テイスト、多様なチャネル及び幅広い価格帯をカバーする数多くのアパレルブランドを展開提供しております。これらの多業態・多ブランドの運営により培った多様性のマネジメント力、多様なファッションビジネスをフルカバーする情報システム、ファッションビジネスの事業改善に貢献する空間・製造・販売のフルラインナップのプラットフォームといったワールドグループの強みを活かして、今後はアパレル事業の改善にとどまらず、非アパレル事業を拡大することを企図しております。非アパレル事業では、産業全体の構造的課題の解消に積極的に取り組むため、ユーズドセレクトショップやオフプライスストア事業の運営、大量生産から生じうる大量廃棄を回避してムダなく消費者に製品をお届けする循環モデルの確立、シェアリングを可能とするサブスクリプション型レンタルサービスなど、“ムダなモノを作らない”次世代ビジネスモデルの事業の推進も行っております。

 このように「ブランド事業」において自社ブランドのバリューアップ、他社ブランドへの投資などによる事業ポートフォリオ全体の最適化を目指すとともに、「デジタル事業」において、テクノロジーを駆使した他社向けのデジタルソリューションサービス(B2Bソリューション)を拡大することで、多様なテクノロジー、ベンチャー企業との連携を通じた新たなビジネス・シーズを育成し、顧客の変化に適合した次世代型ファッション・サービスの開発(B2Cネオエコノミー)を推進し、更なる付加価値の創造を進めていきたいと考えております。

 これらの結果として、ワールドとしては、連結コア営業利益の持続的な成長を図りつつ、ワールドグループ全体のコア営業利益に占める非アパレル事業のコア営業利益(注)の割合(2023年3月期:40.6%、2024年2月期:33.8%)を、約50%を維持することとしております。

(注)「アパレル事業」/「非アパレル事業」の区分は、ブランド事業及びプラットフォーム事業をベースにして「アパレル事業」を把握するなど、ワールドが独自に定義したものであります。このため、一般にアパレルと称される事業領域が、ワールドグループのブランド事業及びプラットフォーム事業以外の事業セグメント(デジタル事業)に含まれる場合、当該領域は「非アパレル事業」に区分されることがあります。

具体的な定義及び算定方法は以下のとおりです。

「非アパレル事業」とは、ワールドグループの営む事業から「アパレル事業」を除いたものを指し、アパレル事業及び非アパレル事業のコア営業利益は以下のとおり算出されています(但し、いずれも未監査の数値です。)。

「アパレル事業」のコア営業利益 =[ブランド事業のコア営業利益-(海外のコア営業利益+国内ライフスタイルブランドのコア営業利益+投資のコア営業利益)]+アパレルプラットフォームのコア営業利益

「非アパレル事業」のコア営業利益=ワールドの連結コア営業利益-「アパレル事業」のコア営業利益

海外のコア営業利益は、台湾和亜留土股份有限公司及びWorld Saha Fashion Co., Ltd.各社のコア営業利益の単純合算です。

国内ライフスタイルブランドのコア営業利益は、株式会社ワールドライフスタイルクリエーション及びその傘下の子会社群のコア営業利益の単純合算(但し、株式会社ワールドライフスタイルクリエーションが当該子会社群から受領する配当額は控除)です。

投資のコア営業利益は、株式会社ワールドインベストメントネットワーク及びその傘下の子会社群のコア営業利益の単純合算(但し、株式会社ワールドインベストメントネットワークが当該子会社群から受領する配当額は控除)です。

アパレルプラットフォームのコア営業利益は株式会社ワールドストアパートナーズのコア営業利益並びに株式会社ワールドプロダクションパートナーズ及びその傘下の子会社群のコア営業利益(単純合算)の単純合算です。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 ワールドグループを取り巻く経営環境は、人口減少や少子高齢化の進行にともなう販売数量減少に加えて、国内アパレル市場も成熟化してプレイヤーの淘汰が進む一方、海外生産地での加工賃上昇や為替変動による仕入価格の上昇に加えて、人手不足による人件費や物流費といった経費増加も生じるなど、引き続き厳しい状況が続くことが予想されます。また、デジタル化の進展を背景として消費者の購買行動は急速に変化しており、新たなビジネスチャンスが生まれているものの、新規参入企業の誘発などを通じて異業種や外資系も巻き込んだ競争激化が継続しております。

 新型コロナウイルス感染症は消費者の生活様式や購買行動を変化させたほか、ロシア・ウクライナ情勢の緊迫による原料価格の高騰等、深刻な世界的ダメージにより、引き続き厳しい市場環境が続くことが想定されます。

 こうした国内アパレル市場や消費者の大きな変化の中で、永続的に成長を遂げ、勝ち続ける企業組織であるためには、これらの環境変化の認識のもと、更なる変革が必要であると認識しております。そして、自己変革を具現化するためにも、以下の点を対処すべき課題と認識し、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。

 

①事業収益力の向上

 ワールドグループは、各事業セグメント間の密接な連携や相互の活用で一枚岩を図りつつ、それぞれのセグメントで異なる外部顧客に向けた営業活動等に取り組んでおります。

 それぞれの事業セグメントの具体的な課題や取り組みについては、以下のとおりであります。

 

(ブランド事業)

 国内外のアパレルブランド及び国内ライフスタイルブランドにおいては、強化すべきブランドと店舗への選択と集中に取り組んでまいりました。デジタル事業、プラットフォーム事業を拡大させていくためにも、ブランド事業が強靭であるということがワールドグループの競争力の源泉との認識のもと、子会社各社が市場最適に向けた改善活動を行っていることに加えて、様々なテーマの改革をグループ横断で実施しています。

 成熟した市場では、過去のようなブランド開発や新規出店だけに頼った収益成長が見込めないと判断しており、また、コロナ禍での新しい価値観に対応するためにも、既存のブランドや店舗の付加価値を再構築するべく、グループに分散していたマーケティング組織を統合しマーケティング強化を進めるとともに、店頭で販売を担うドレッサーのインフルエンサー化によるSNS経由でのマーケティングを進めるなど店舗とECのシームレスなサービス提供に向けて総力を挙げて取り組んでまいります。

 これらの取り組みを通じて、既存店売上前年比については、「利益を伴わない売上は追わない」という基本方針を維持して、値引き販売を抑制しつつ、100%超を目指してまいります。

 この他、国内ライフスタイルブランド店舗の出店や、主に地域密着が重要な近隣商圏型ショッピングセンター(NSC)を対象に、ワールドグループのアパレル企画開発力とストアの運営ノウハウを最大限に活用したフランチャイズ事業の出店や、店舗での顧客体験価値向上の一環として店舗改装も進めてまいります。

 投資サブセグメントには外部より連結加入してきた企業が含まれております。ワールドグループ内では投資対象として優先順位が高くない場合、㈱ワールドインベストメントネットワーク又はその傘下の孫会社の下に移して管理支援を行いつつ、外部資本の活用等も視野に入れた事業開発・改革を進めて収益構造の確立を目指してまいります。

 なお、傘下の子会社については、事業のPMI(M&A後統合プロセス)を含む改革を実行し、一定程度の収益確保が認められる場合、当該子会社の事業内容に適した事業セグメントへ移管しております。

 

(デジタル事業)

 デジタル事業では、B2BソリューションとB2Cネオエコノミーという二つの空間に分け、B2Bソリューションではワールドグループの内から外へサービスラインを展開しており、B2Cネオエコノミーでは顧客の変化に適合した新たなファッション・サービスの開発に取り組んでおります。

 B2Bソリューションにおいては、EC等における受注、梱包、発送、入金等の一連のプロセスを指すフルフィルメント、バリューチェーンをフルカバーする多様な機能群に至る、ファッションビジネスに必要な全ての業務領域を支えるデジタルプラットフォームの構築と提供を推進しております。ワールドグループのリアルな事業経験に裏打ちされたシステムは、「中小企業でも低廉なコストで利用できるサービス」をコンセプトに他社への魅力あるサービス提供も視野に入れて、全業務領域のシステム刷新に伴う開発投資を行ってまいりました。今後は、ベンダーと協業で業界の共通基盤としてのシステムや付随するОМОコマース事業のソリューションを提供するほか、プロジェクトマネジメント、業務設計等のIT・業務コンサルティング、及びデジタルマーケティング運用等の受託事業へ進化させることで収益貢献を積み上げてまいります。

 一方、B2Cネオエコノミーにおいては、顧客の変化に合わせたビジネス・シーズを増やすべく、デジタル軸で新たなサービスの開発・展開に乗り出し、ワールドグループに足りない技術や資源、ノウハウについて外部から獲得・補強を進めてまいりました。「所有から利用へ」、「マスからパーソナルへ」、「一方通行から双方向へ」といったキーワードに代表されるように、消費の在り方そのものが大きく変化するなか、「次世代ファッションのビジネスモデル開発で欠かせないのが『つなぎ目にあるロス』を埋める協業である」という思想に基づき、従来の大量生産・大量販売からリユース・レンタル・オフプライスといった今あるモノを循環させるサーキュラー・エコノミーへと、過去における事業開発とは発想や仕様、手法から大転換していることが特徴です。今後、グローバルかつ、商品仕入を工夫することで魅力ある顧客サービスへ改善し、収益性を高めてまいります。

 

(プラットフォーム事業)

 プラットフォーム事業においては、ワールドグループが長年にわたって培ってきた様々なノウハウと仕組みが凝縮された、多業態・多ブランドを支えてきたプラットフォームについて、これまでのワールドグループ企業に加えて、積極的に外部企業にも開放する形で各種サービスの提供へ取り組んでおります。

 アパレルプラットフォームにおいては、OEM受託として、国内から中国、アセアンにいたる幅広い生産基盤や商標資産、企画機能といった生産支援メニューを外部企業に提供しているほか、店舗開発や販売代行、在庫消化といった多様な販売支援メニューを提供しております。

 また、ライフスタイルプラットフォームとして、ワールドグループが多様な販売チャネルへの直営店の展開を通じて培ってきたノウハウやアセットも活用します。例えば、店舗設計や什器調達、VMD(注)機能等をファッション関連企業に空間創造支援サービスとして提供するほか、競争優位性のある海外什器調達力を背景にホテルや飲食店の内装等にも事業範囲を拡大しております。この他、シェアードサービスプラットフォームとして、ファッションビジネスに関わる様々な事務処理・手続き等の各種事務サービスを一括で受託できる体制を整えています。

 こうしたワールドグループの各種プラットフォームを顧客ニーズによって組み合わせ、ワンストップでサービスを提供することは、例えば、海外ブランド企業の日本進出支援に有効な手段となります。海外企業の日本初進出時には、店舗開発や店舗運営、経理等の本部機能やシステム構築、物流網の設置など、起業特有の多岐にわたる分野で幾つものハードルがあります。ワールドグループは、顧客の事業課題の特定、戦略構築から伴走しながら、顧客に

とっての最適商品・サービス開発・提供によって付加価値を高め、真のパートナーとなることを目指してまいります。

(注)VMDとは、ヴィジュアル・マーチャンダイジングの略。ディスプレイ、インテリア、販売促進など商品MDを視覚面からサポートする専門機能

 

②財務体質の改善

 ワールドグループは、保有資産の有効活用による価値極大化も目指しており、資産に対するリターンである資産効率の向上に取り組んでおります。

 これまで、ブランド事業の中核的なアセットである棚卸資産の圧縮で在庫回転率の改善を進めたほか、不動産の入れ替えなどで固定資産の収益力も引き上げました。こうした資産の効率性及び収益力の向上を図るとともに、その対となる資金調達面において、負債・資本バランスといった財務体質の改善を進めました。MBO時の資金源として銀行借入やメザニンを利用した経緯もあり、資本に対する借入金の割合が大きいといった課題を抱えていますが、借入金のリファイナンスにより安定的な財務基盤を構築した上で、事業活動により得た利益を原資として、有利子負債の圧縮を進め、財務体質の安定化を進めてまいります。

 2021年3月期において中期経営戦略を迅速且つ着実に推進する目的で永久劣後特約付ローン(注)による150億円の資金調達を実施しておりますが、2023年5月8日に公表した中期経営計画「PLAN-W」に基づき、借入での借換えを段階的に行っており、2023年9月には50億円を償還いたしました。

 

(注) 永久劣後特約付ローンは、元本の弁済期日の定めがなく利息の任意繰延が可能なことなどから、国際会計基準(IFRS)における「資本性金融商品」に分類され、本劣後ローンによる調達額は、ワールド連結財政状態計算書上、「資本」に計上されることになります。

 

 ワールドグループでは、債務返済の能力及び事業の収益性・成長性を持続的に向上できるよう、有利子負債と株主資本の最適な資本構成を検討する目的から、従来のD/Eレシオに替えて、新たにネットD/Eレシオを財務体質の健全化指標とし、中長期的にネットD/Eレシオ0.5倍を目指してまいります。

 

③人材等のリソースの確保

 ワールドとしましては、今後の事業の柱に不可欠な人材や資金といったリソースの確保も重要課題と認識しており、企業価値改善と従業員価値改善の好循環を通じてステークホルダーの価値改善を実現してまいります。

 ワールドグループは、ファッションテックといった新たな分野に秀でた技術や人材を確保するため、グローバル・オファリングにより調達した資金を活用し、M&Aなどを通じエンジニア等の人材を得てきました。今後は、ワールドグループの事業構造の非連続な変革の実現には、優秀な人材の確保が引き続き重要と認識しており、まずはコロナ禍で傷んだ従業員処遇の回復に加え、持続的な従業員処遇改善に取り組んでまいります。加えて、外部人材を登用し、継続的に次世代リーダーを輩出していく仕組み作りにも注力してまいります。

 

④コーポレート・ガバナンスの強化

 ワールドはグループ企業価値を高めるため、事業持株会社としてグループ経営戦略を立案し、子会社間でのシナジー効果の追求や子会社に対する管理・監督機能を適正かつ有効に発揮すべく、今後もグループの業務や組織運営、事業ポートフォリオの最適化や保有資産の価値最大化に取り組んでまいります。

 そして、企業の社会的責任(CSR)の高まりに継続的に応えていくため、今後も意思決定プロセスの透明性確保や企業経営の効率性向上に注力するとともに、コンプライアンス体制の強化と内部統制システムの充実を図ってまいります。

 また、監督と執行の分離で迅速な意思決定を行うことにより、グループ企業価値の更なる向上を目指しております。同時に、社外取締役が過半数を占める取締役会の監督機能の強化や役員の健全な新陳代謝の進展なども図っており、グループの経営力の更なる向上ならびにコーポレート・ガバナンス体制の一層の強化に取り組んでおります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 ワールドグループの事業に影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。記載内容のうち将来に関する事項は、本書提出日現在においてワールドグループが判断したものであります。

 

(1)経済情勢の変化に関するリスク

 ワールドグループの取り扱う商品・サービスは、いわゆる基礎的支出の対象(生活必需品)ではなく、選択的支出(嗜好品)の対象ととらえられており、一般に選択的支出(嗜好品)は、収入面での不安がもたらす家計の防衛意識などから、支出抑制の対象となりやすい傾向にあります。ワールドグループは、収益の大部分を日本国内で得ているため、日本の経済情勢の影響を強く受けます。このため消費税増税等の政策や自然災害等日本固有の要因はもとより、地政学リスクや原料高等に起因する世界的な経済活動の低迷等が日本の経済情勢に悪影響を与え、ワールドグループの収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)消費者の嗜好の変化等に関するリスク

 ワールドグループが取り扱う衣料品、服飾・生活雑貨を中心としたファッション業界は、ファッショントレンドの移り変わりによる消費者の嗜好の変化の影響を大きく受けます。ファッショントレンドについては、SNSの浸透等により情報の発信源が広がっていることや、中長期的にはより低価格の商品が嗜好される傾向にある一方で、近時は相応の品質を備えた商品が好まれるトレンドも一部で見られるなど、消費者の嗜好は多様化しており、これを正確に予測することは従来に比して困難になっております。

 ワールドグループは多くのブランドを複数の販売チャネルで展開することで消費者の多様な嗜好に対応していく所存ですが、現時点でワールドグループがその収益の大半を得ているブランド事業において、ワールドグループがこのような消費者の嗜好の変化に適時かつ適切に対応できない場合やワールドグループ又はその各ブランドの消費者からの評価や支持が低下した場合には、ワールドグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)仕入価格その他の費用の増加によるリスク

 ワールドグループの事業活動については、製造国・地域の人件費増加、原材料費の増加、為替レートの変動等を要因とした仕入価格の上昇が発生する可能性があり、とりわけワールドグループの商品の多くが製造されている中国をはじめとする新興国における人件費の増加、世界的な物流網の混乱や原料高、米ドルに対する円安の影響を受けやすい状況にあります。

 また、国内においても、都市部を中心とする賃貸物件の賃料の上昇、原油価格の高騰や物流業界における人手不足による輸送費用の増加、各販売チャネルや製造拠点における人件費の増加又は今後の新規出店やシステム投資による減価償却費の増加も見込まれます。ワールドグループは、このような仕入価格や費用等の増加の影響を価格設定やその他の手段によって抑えるように努めておりますが、かかる措置が功を奏しない場合には、ワールドグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)人材に関するリスク

 ワールドグループでは、人材は企業の競争力の源泉であり、企業は個人の自己実現の「媒体」であるという考えから、「人中心経営」の発展に日々努めております。しかしながら、近年の日本における労働人口の減少やこれに伴う人材獲得競争の激化及び人件費の高騰等により、経営幹部、ITエンジニア、投資人材、デザイナー・パタンナー、販売員等、有能な人材を確保、育成、雇用継続することができず、又は、これに多額の費用を要することとなり、その結果、ワールドグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)仕入先、製造委託先、物流委託先その他の取引先に関するリスク

 ワールドグループでは、仕入先、製造委託先、物流委託先その他の取引先の経営状況及び信用度の把握に努めております。しかしながら、取引先の経営状況の悪化や信用不安により、貸倒れ、支払いの遅延や商品の調達・販売の支障が生じる可能性があるほか、出店先である百貨店・ショッピングセンター・駅ビル・ファッションビル等の経営破綻や閉店等により、当該施設に出店する収益店舗等の営業活動が終了し、また、追加的な損失や引当の計上が必要となり、ワールドグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)新規事業に関するリスク

 ワールドグループでは、長期的・持続的な企業価値の向上を目指すため、常に顧客のニーズの動向やマーケット・チャネルの効率性の変化を的確に捉えるべく、新たな価値を生み出すための新規事業に積極的に取り組み続けております。新規事業を開発・推進していく過程で事業投資を行う際には、十分な調査・研究を行った上で最終的な判断を下すよう留意しておりますが、市場環境の急速な変化やワールドグループの新規事業での経験の不足等によりワールドグループの期待した成果を上げることができない場合には、ワールドグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)M&Aに関するリスク

 ワールドグループでは、事業ポートフォリオの最適化又は投資成果の享受を目的として、ワールドグループが直接行う買収・マイノリティ出資やワールドグループの出資する投資ファンドを活用したM&Aによって、設備、人材又は技術・ノウハウ等を保有する企業をグループに迎える等して、事業の継続的拡大を推進しております。しかし、M&Aにおいて、個々の案件の獲得が成功するかどうかは、ワールドグループが投資にかかる適切な機会を発見できるかということや、資金力のある他社との競争並びにワールドグループによる投資機会についての正確な評価及び売主との交渉力に左右される可能性があり、さらに買収後も、ワールドグループのノウハウやリソースを投入したにもかかわらず、PMI(M&A後統合プロセス)が円滑に進まない、又は、市場経済状態の悪化等のワールドグループの影響が及ばない要因により当初期待した収益や効果が得られずに目的を達成できない場合には、ワールドグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、マイノリティ出資においては、出資先の経営陣がワールドグループの意思に反する経営判断を下す、又はワールドグループの意思に反して若しくは不利な条件で、ワールドグループの投資持分を売却せざるを得なくなる可能性があり、その結果、ワールドグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報に関するリスク

 ワールドグループは、直営店舗やECサイトにおける顧客、従業員等の個人情報のほか、経営戦略上の施策、商品開発等に関する重要な機密情報を多数保有しております。

 これら個人情報及び機密情報の取り扱いについては、情報管理者を選任し、データベースへのアクセス環境、セキュリティシステム、紙情報の保管管理等の改善を常に図り、情報の利用・保管等に関する社内規程・基準を設け、情報の取り扱いに対する意識の向上を目的とした社員教育の徹底や、牽制システムの構築等、情報管理体制を整えておりますが、人為的なミス、コンピュータシステムの予期せぬトラブル等による情報流出や不正アクセスやサイバー攻撃等の犯罪行為による情報漏洩が発生する可能性があります。このような事態が発生した場合、ワールドグループは、顧客等からの損害賠償の対象となり又はこれに対応するための費用等が生じうるほか、行政処分の対象となる可能性があり、その結果、ワールドグループの社会的信用度が低下し、ワールドグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)知的財産権に関するリスク

 ワールドグループでは、特許権、商標権等の知的財産権を所有しており、法令の定め及び社内規程に則って関係する国や地域での商標の取得を含む管理体制を整えておりますが、国・地域等によっては知的財産権の保護に関する制度や体制が十分に確保されているとは言えない場合があります。また、国内外において、ワールドグループ商品の模倣品が市場に流通する等、ワールドグループの知的財産権が第三者により侵害された場合、ワールドグループ又はそのブランドのイメージを侵害し、ワールドグループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 また、ワールドグループが意図せず第三者等の知的財産権を侵害してしまった場合には、当該第三者から訴訟等を提起される可能性があり、損害賠償や補償等、又は訴訟等に対応するための多大な時間、労力、費用を要する可能性があることに加え、ワールドグループ又はそのブランドのイメージ、評価、社会的信用を害する可能性があり、その結果、ワールドグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)ハザードに関するリスク

 ワールドグループでは事業継続計画(BCP:Business continuity planning)を作成する等BCM(Business continuity management)に関する取組みを行っております。しかし、異常気象や地球温暖化等の影響による天候不順、台風や集中豪雨等の予測できない気象状況の変化が起きた場合、又は、地震及び地震に起因する津波、電力不足等・風水害・落雷等不測の自然災害やパンデミック、突発的な事故、火災及びテロ行為、インフラの断絶、ITシステムの故障等により、事業の一部中断や取引先(仕入先等)に被害が生じた場合、ワールドグループの売上が減少するのみならず、製造及び出荷の遅滞、又は製造・物流設備の修理、取替え、再製造等に係る費用が増加し、多額の損失をもたらし、ワールドグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)海外に関するリスク

 ワールドグループは、中国、台湾、タイでの販売事業と中国をはじめとするアセアンでの生産管理及び貿易業務を行っております。ワールドグループの連結売上高に占める海外売上高の割合は現時点では軽微ですが、今後海外で販売・生産の両面を進める上において、現地における自然災害や感染症、テロや戦争、政変や経済情勢の悪化、為替レートの変動、インフレの発生や生産コストの上昇、運輸・物流の未整備、現地従業員の雇用問題、地政学的問題等の社会情勢、知的財産権訴訟を含む法律や制度及びその改正、消費者の嗜好及び購買行動の差異といったリスクが内在しております。

 海外における事業に関しこれらのリスクが現実化した場合には、取引工場の操業が困難になり、日本国内への商品供給体制(仕入活動)に支障が出る等の問題が発生することや海外での売上が減少することにより、ワールドグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)外国為替相場の変動に伴うリスク

 ワールドグループの商品の多くは海外で生産されていますが、大半の商品は日本国内で販売されているため、ワールドグループの商品の仕入価格は外国為替相場の変動により影響を受けます。

 また、海外子会社の財政状態及び経営成績、外貨建ての取引並びに資産及び負債は、ワールドグループの連結財務諸表の作成時に円建てに換算されるため、ワールドグループの財政状態及び経営成績は外国為替相場の変動により影響を受けます。

 

(13)減損に関するリスク

 ワールドグループは、2024年2月29日現在、2006年4月のMBOを含む過去のM&A等により生じたのれん60,317百万円を連結財政状態計算書に計上しているほか、その他の有形・無形の固定資産も有しています。今後、これらの固定資産に係る事業の収益性が低下する場合、当該固定資産の帳簿価額と公正価値の差を損失とする減損処理により、ワールドグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、ワールドグループが認識しているのれんは、各連結子会社を資金生成単位として配分し、減損テストを実施しております。ワールドグループにて実施しているのれんの減損テストについては後記「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 13.無形資産」を参照下さい。

 

(14)多額の借入金、金利変動及び有利子負債の財務制限条項への抵触に関するリスク

 ワールドグループは、金融機関からの融資契約(シンジケートローン)及び金銭消費貸借契約(永久劣後特約付ローン)を含む借入により事業資金を調達しております。永久劣後特約付ローンは、元本の弁済期日の定めがなく利息の任意繰延が可能なことなどから、国際会計基準(IFRS)における「資本性金融商品」に分類され、本劣後ローンによる調達額は、ワールド連結財務諸表上、「資本」に計上されることになるため、2024年2月29日現在における総資産に対する借入金の割合は31.0%となっております。

 ワールドグループは、中長期的に借入金の削減を行っていく予定ですが、かかる削減が進行しない場合、借入金及び金融費用・支払利息の計上により、ワールドグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 ワールドグループの借入金のほとんどについては変動金利となっているものの、現在の金利動向等に鑑みて、ワールドグループは金利変動へのヘッジを行っていないことから、市場金利が上昇等により調達金利が変動した場合には、ワールドグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、ワールドグループが締結している融資契約(シンジケートローン)に基づく借入金については、一定の財務制限条項が付されております。かかる財務制限条項は、純資産維持及び利益維持に関する一般的な数値基準を設けるものであり、当該金融機関からの調達以降、本書提出日現在において財務制限条項には一度も抵触しておりませんが、仮に今後これらに抵触し、かつ貸付人の請求がある場合は、ワールドグループは当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、ワールドグループの財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)気候変動がもたらすリスク

 ワールドグループは、気候変動に関わる課題をワールドグループの経営に重要な影響を与える主要なリスクのひとつとして認識しております。気候変動による影響は一部顕在化しており、ワールドグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクがワールドの経営に与える影響と影響に対する対応策については、前記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)戦略」を参照ください。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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