朝日ネット(3834)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


朝日ネット(3834)の株価チャート 朝日ネット(3834)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 朝日ネットはISP(インターネット・サービス・プロバイダ)事業として、個人または法人向けにインターネット接続サービス及びインターネット関連サービスを提供しております。セグメント情報はISP事業の単一で報告をしております。

 

(1)インターネット接続サービス

 インターネット接続サービスとは朝日ネット顧客に対しインターネット接続環境を提供するサービスです。

 インターネット接続環境提供の概念図は次のとおりであります。

 

[インターネット接続環境提供の概念図]

 

 

 

 朝日ネットは、顧客にインターネット接続環境を提供するためインターネットを構成する一員として全世界のサイトやネットワークと相互接続ができる通信環境を構築しております。インターネット接続環境の提供にあたっては、全国に分散する中継点(POI)との間に①バックボーン回線を構築しております。朝日ネットはこのバックボーン回線を自社の技術で運用することにより「回線の安定性」「回線速度」などにおいて高い品質を維持しながら通信費を適切な範囲で維持することに努めております。

 顧客と最寄りの中継点を結ぶ②アクセス回線は、複数の提携電気通信事業者と契約しております。現在はアクセス回線としてFTTHやモバイル回線を利用する顧客が増加しております。

 顧客が利用するインターネット接続サービスに必要な③ルータ等の通信機器を提供しております。

 朝日ネットは、インターネット接続サービスの提供に必要であるネットワーク設備やサーバー設備を複数のデータセンターに設置しISP事業を運営しております。また、顧客の様々な問い合わせに対応するコールセンター業務、課金業務、24時間365日でインターネット接続サービスを監視するネットワークオペレーション業務等を実施しております。

 

 

主なインターネット接続サービスは下記になります。

対応回線種別

サービス名称

月額利用料(税抜)

①バックボーン

②アクセス回線

③通信機器

最大通信速度

提携電気通信事業者

サービス開始時期

FTTH

AsahiNet 光

AsahiNet 光クロス

4,080円~

6,480円~

  1Gbps

 10Gbps

NTT東日本㈱

NTT西日本㈱

2015年2月

2020年4月

ASAHIネット 光 withフレッツ

フレッツ光ネクスト

ASAHIネット光 with フレッツ

フレッツ 光クロス

700円~

 

1,200円

  1Gbps

NTT東日本㈱

NTT西日本㈱

2005年6月

2001年8月

ASAHIネット マンション全戸
加入プラン

  1Gbps

 10Gbps

NTT東日本㈱

NTT西日本㈱

2017年5月

2024年12月

ASAHIネット auひかり

3,400円~

  1Gbps

KDDI㈱

2006年12月

高速
モバイル

ASAHIネット WiMAX 2+

ASAHIネット WiMAX+5G

4,196円~

4,480円~

1.2Gbps

3.9Gbps

UQコミュニケーションズ㈱

2014年2月

2023年5月

ASAHIネット LTE(ANSIM)

900円~

262.5Mbps

NTTドコモビジネス㈱

2013年3月

その他

ASAHIネット おまかせルーター

ASAHIネット おまかせWi-Fi

2,980円

3,480円

2014年9月

AiSTRIX

2015年6月

v6 コネクト

NTT東日本㈱

NTT西日本㈱

2018年9月

 

(2)インターネット関連サービス

 インターネット関連サービスとは朝日ネット顧客にインターネット接続サービスに加えて提供するサービスです。

 インターネット接続サービスを基盤としたホームページサービス、独自ドメインサービス、メールサービス、セキュリティサービスなど接続付加価値サービスを提供しております。

 「manaba」は、朝日ネットが開発、販売、サポートを行っているクラウド型教育支援サービスです。LMS(ラーニング・マネジメント・システム)としての役割に加え、教務システムや認証システム等の既存学内システムや外部教材とも連携し、教育支援のソリューションを広範囲に提供しております。

 

サービス名称

内容

接続付加価値

サービス

メールサービス

パソコン通信時代から、インターネットの基本サービスとして提供しております。メール受信数はメール容量に制限がないのが特長で、メールソフトがなくても、どこからでもホームページ上のメールの送受信が出来る機能もあります。

セキュリティサービス

電子メール送受信時のウイルスチェックサービスを2001年6月から提供しております。また、迷惑メールを遮断する迷惑メール対策サービスを2004年10月から提供しております。

IP電話サービス

インターネットの技術を利用したIP電話サービスをブロードバンド接続会員を対象に2003年3月から提供しております。また「AsahiNet 光」契約者を対象に「AsahiNet 光電話」を2019年7月から提供しております。

独自ドメインサービス

「会社名.co.jp」や「会社名.com」などのように、利用者が独自に設定したドメイン名を使ったホームページやメールアドレスが利用出来るサービスです。

ホームページサービス

ホームページサービス

会員が作成したホームページを設置するスペースを提供するサービスで、インターネットの初期段階である1995年2月からサービスを提供しております。

アサブロ(ブログ)

自社開発の個人向けブログサービス「アサブロ」を2005年3月から提供しております。

教育支援
サービス

manaba

自社開発による教育支援サービスです。LMSあるいはコースツールと呼ばれている教育支援ソフトの機能を搭載した「manaba course(マナバコース)」、学習成果をためるポートフォリオ機能を搭載した「manaba folio(マナバフォリオ)」を提供しております。

追加オプション

manabaに連携する追加オプションを提供しております。学期末に学生が授業を評価する授業アンケートオプションや、授業の出席やアクティブラーニングを補助するオプション等を用意しております。

 

 

[教育支援サービス「manaba」概要]

 

 

(3)事業系統図

 朝日ネットにおける事業系統図は、下記となります。

 

[事業系統図]

 

 

 

(4)「ASAHIネット」インターネット接続契約数

 朝日ネットはインターネット接続サービス及びインターネット関連サービスを提供するISP「ASAHIネット」を運営しております。過去5年間のASAHIネットの会員数の推移と主な内訳数は下記図の通りです。

 

[「ASAHIネット」インターネット接続契約数の推移]

 

 

(注)1.インターネット接続契約数は各年度末日現在において有効なFTTH(光接続)・ADSL・モバイル接続の契約数となります。

2.各年度の退会率は、当該年度の「FTTH(光接続)・ADSL・モバイル接続の退会数÷FTTH(光接続)・ADSL・モバイル接続の契約数」の月平均となります。

 

 

(用語集)

・ISP(インターネット・サービス・プロバイダ):インターネット接続事業者

・相互接続:通信事業者がお互いの通信回線を接続し、相互に通信できるようにすること

・バックボーン回線:インターネットなどの大規模な通信ネットワークにおける、事業者間や拠点間、国家間などを結ぶ高速・大容量のネットワーク回線のこと

・アクセス回線:インターネットなどの通信ネットワークにおける、利用者の建物から通信事業者の最寄りの基地局を結ぶ回線

・POI(Point Of Interface):電気通信事業者同士の回線が接続する箇所(相互接続点)。提携電気通信事業者の局舎などに設置される場合が多く、朝日ネットとのサービス分界点となる

・LMS(ラーニング・マネジメント・システム):学習教材の配信、受講状況、成績などの学修データを統合して管理するシステム

・クラウド型:インターネット経由でサービスを提供する形態。利用者はサーバーなどの設備や保守の必要がなく、インターネット環境さえあればどこでも利用できる

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 朝日ネットの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において朝日ネットが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 朝日ネットの経営の基本方針は、社会基盤として重要な役割を担う先進的で高品質なインターネット接続サービスを適切な価格で安定的に提供することにあります。「接続料金」、「回線の安定性」、「回線の速度」、「サポート」といった基本的な価値の向上を図ることが重要であると考えております。また朝日ネットは教育支援サービス「manaba」を自社開発し大学などの教育機関へ提供しております。IT技術の活用によって教育の質を高めるインフラとしての価値の向上に努めてまいります。

 

(2)経営戦略等

 インターネット接続サービスは生活インフラ及び事業インフラとしての役割が益々増大しております。朝日ネットは、顧客が求める通信品質を維持しながらオペレーションの更なる向上により顧客の利便性を高めていくことが重要課題であると考えております。また、Wi-Fi、VPN、監視カメラソリューション、教育支援サービスなど、インターネット接続の周辺領域の事業も進めております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 先進的で高品質なインターネット接続サービスを適切な価格で継続的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、ROE及び1株当たり純利益を収益性の指標としております。朝日ネットが運営するISP「ASAHIネット」につきましては、会員制ビジネスであることから、インターネット接続契約数の増加を図ることが将来の収益源を確保することにつながっております。こうした観点から「ASAHIネット」のインターネット接続契約数、平均退会率、第三者による顧客満足度調査などを重要な指標としております。他電気通信事業者へIPv6接続サービスをローミング提供する「v6 コネクト」につきましては、提携する電気通信事業者数を重要な指標としております。教育支援サービス「manaba」につきましては、契約ID数に応じた課金体系となっていることから、契約ID数と全学導入校数を重要な指標としております。

 

(4)経営環境

① 業界動向

 朝日ネットが事業を展開する通信業界、教育業界においては、デジタル化(DX)への取り組みによる生産性向上や業務効率化の改善に加え、生成AIを活用したビッグデータやIoT(Internet of Things)への先行投資が続くと捉えております。このような状況下において、朝日ネットは社会的なインフラであるインターネット接続事業者として安定した通信環境とお客様に満足いただけるサービスの提供を維持し続けるための行動に努めております。

② ISP業界

 ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)業界においては、2023年12月末のFTTH(光ファイバー)の利用者数は前年同期比94万契約増(2.4%増)の4,017万契約となり増加しております。また、FTTH契約数のうちNTT東西の卸電気通信役務(サービス卸)を利用して提供される契約数は1,702万契約となっており、FTTH全体契約数に占める割合は前年同期比0.3%減の42.4%となりました。

 MVNOサービスの利用者は、前年同期比447万契約増(15.5%増)の3,322万契約となりました。そのうち高速モバイル通信やIoT(Internet of Things)およびM2M(Machine to Machine)に利用されるSIMカード型の契約者数は前年同期比88万契約増(5.8%増)の1,610万契約となりました。eSIM(イー・シム)を含む通信モジュールの契約者数は前年同期比188万契約増(18.7%増)の1,191万契約となりました。

 1契約あたりのダウンロードトラフィックは、総務省が2024年2月に公開した2023年11月分の集計結果では、固定系ブロードバンド契約者1契約あたりのダウンロードトラフィックが前年同月比84.2kbps増(12.8%増)の741.2kbps、1カ月あたりのダウンロードトラフィックは約232GBとなりました。インターネットトラフィックのピーク時間帯が19時から21時に集中する傾向に変化はありません。トラフィックの伸びは平日と比較して休日は朝から昼にかけてトラフィックの伸び方が大きい傾向にあり、オンラインゲームや動画配信サービスなどがトフィックの伸びを牽引していると捉えております。

 トラフィック増加に起因する通信速度および通信品質の低下はISP業界に留まらず通信業界全体での課題となっています。デジタル社会の基盤となる通信インフラの重要性が高まっており、安定したインターネット通信環境が求められています。

 

③ 教育業界

 大学を取り巻く環境は、文部科学省が進める教育のDX化が後押しされたことによりLMSやポートフォリオは新たな価値を求められております。教育支援サービス「manaba」は、教育の質保証や大学IRを実現するために必要なサービスの提供が必要と考えております。

 

④ 業績の見通し

 ISP「ASAHIネット」は、2024年3月期から継続的に取り組みを進めている「光コラボ」やフレッツサービスを軸としたFTTH接続サービスの契約数増加、およびIoT機器での利用用途が拡大しているLTE等のモバイル接続サービスの契約数増加を目指します。

 VNE「v6 コネクト」は毎年増加するトラフィックと通信品質の取り組み、教育支援サービス「manaba」は教育の質保証を実現するためのLMS機能開発に取り組みます。

 「ASAHIネット」の売上高は、FTTH接続サービス、およびモバイル接続サービスの契約数に比例して増加し、先行指標として四半期単位でインターネット接続の契約数を開示しております。2024年3月期はNTTチャネル、Webチャネル、大口法人の契約数増加に向けて会員獲得チャネルの強化を進めた結果、2024年3月末の契約数は増加傾向にあります。2025年3月期も契約数を増加させるための具体的な活動を進めます。1点目はNTTチャネルの強化です。光コラボレーションモデルの「AsahiNet 光」やNTT東西と協業して販売している「マンション全戸加入プラン」の拡大、NTT東西のフレッツ光に朝日ネットプロバイダサービスのみを提供する「フレッツ 光ネクスト/フレッツ 光クロス」などの販売を強化しています。2点目はWebチャネルの強化です。広告宣伝費や販売促進費を投下し朝日ネットWebサイト経由での見込顧客の獲得を進めています。3点目は法人会員の強化です。朝日ネットは法人会員の契約数が個人会員を超えており、他ISP事業者と比較すると法人の構成率が高いことが特徴です。朝日ネットが選定される理由として固定IPアドレスを利用したインターネット接続があり、2024年2月にサービス仕様および提供価格を変更しました。これにより、IPv4の固定IPアドレスをIPoE上で利用できるようになりました。IPアドレスを固定することで、多要素認証やインターネットを経由して遠隔地からアクセスするなどの利用事例が増加しております。

 VNE「v6 コネクト」は、引き続き提携事業者との協業関係を維持すること、および新たなVNO事業者(電気通信事業者)との提携を拡大させることに注力して取り組みます。将来的には、インターネット上で中継されるスポーツイベントの視聴やオンラインゲームのアップデートなどによるダウンロードされたコンテンツ利用が増加することが予想され、増加の一途をたどると予測しています。「v6 コネクト」はVNO事業者が利用した通信量に応じて利用料が発生するサービスです。VNO事業者の事業展開においては、「v6 コネクト」を用いた通信品質の維持と事業構造におけるコストコントロールは大きな意味を持ちます。2024年3月期は、NTT東西のNGN網と相互接続しているIPv6ネットワークの構成を一部見直すことにより、従来よりも費用の増加を抑えながら取り扱いトラフィック量を増やす取り組みを進めてきました。2025年3月期以降は、提携するVNO事業者の事業拡大や維持に向けて価格調整やネットワークの維持コストを効率化することで、提携事業者と朝日ネットがパートナーとして中期的な関係性を維持することに努めます。

 教育支援サービス「manaba」においては、2024年3月期は教育の質保証や大学IRを実現するために3つの取り組みを進めてきました。1点目は変わりつつある学修環境に対応するための各種システムとの連携強化です。具体的には教育業界の標準規格であるLTI(Learning Tools Interoperability)に対応するためのサービス開発を進めており、類似性チェックツールの「Turnitin」やWeb会議の「Zoom」等との連携を進めました。2点目は学修行動を分析するログの抽出です。3点目は学生の能動的な学修を促すための機能提供です。これら3つの取り組みについて、「manaba」を利用する大学と具体的な利用事例や活用方法を見出すことで2025年3月期は、全学導入校数と契約ID数の増加に向けたサービスの改善に取り組みます。大学をはじめとする教育機関は文部科学省が進める教育のDX化に取り組んでおり、「manaba」をはじめとするLMS(ラーニング・マネジメント・システム)やポートフォリオは新たな事業領域へ挑戦します。

 この方針のもと2025年3月期の業績予想については、売上高12,800百万円(前年同期比582百万円増、4.8%増)、営業利益は2,200百万円(同234百万円増、12.0%増)、経常利益は2,200百万円(同213百万円増、10.8%増)、当期純利益は1,540百万円(同250百万円増、19.4%増)を見込みます。配当金は、中間配当12円00銭、期末配当12円00銭の年間1株あたり24円00銭(配当性向43.2%)を予定しております。ISP、VNE、manabaの各事業で増収を計画しており、費用面では売上高に連動する回線仕入の増加や基幹システムの更改による減価償却費の増加を見込んでいます。2025年3月期の設備投資は30億円を予定しており、その後複数年で基幹システムの更改を進めます。ネットワーク関連の設備投資、および定期的に更新が必要となるサーバ領域の設備投資は例年どおりの規模を予定しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① お客様に満足いただける品質のサービス維持と通信費の抑制

 インターネットにおけるトラフィックは、総務省が2024年2月に公開した集計結果によると、固定系ブロードバンド契約者1契約当たりのダウンロードトラフィックは前年同月比84.2kbps増(12.8%増)の741.2Kbps、1ヵ月当たり232GBとなり増加傾向にあります。

 朝日ネットはNTT東西のフレッツ網(NGN)と直接接続し、シンプルにインターネット接続ができるネイティブ方式でのIPv6接続サービスを「ASAHIネット」会員向けに提供することにより、トラフィックが増加する中でも高い品質を維持し続けております。第三者機関による顧客満足度評価においては10年連続第1位の評価をいただいております。売上に対する通信原価においては売上原価率を維持することができております。今後もお客様に対して満足いただけるサービスの提供と利益の増大を図ってまいります。

 

② ISP「ASAHIネット」会員の獲得

 「ASAHIネット」会員数を増加させるためには、朝日ネットを利用する新規会員の増加を図ることが課題です。

 FTTH接続サービスにおいては、新規回線敷設または他ISPから朝日ネットへの乗換を希望する会員に対して効率的な販促施策を行ってまいります。引き続き朝日ネットへの入会チャネルの強化や法人向け施策など顧客満足度の高い「ASAHIネット」の認知度を向上させることで会員数増加を目指します。

 特に、NTT東西の光コラボレーションモデルを活用したサービスとしてアクセス回線とISPサービスをセットにした「AsahiNet 光」や「ASAHIネット ドコモ光」、NTT東西と協力して提供している「ASAHIネット マンション全戸加入プラン」、最大通信速度概ね10Gbps(上り・下り)の光アクセスサービス「フレッツ 光クロス」においては、より一層の品質向上が実現できるサービスとして注力をして施策を行います。

 モバイル接続サービスにおいては、コンピュータなどの情報・通信機器だけではなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能をもたせるIoTやM2Mの市場規模が引き続き増加しており、朝日ネットではこれらの需要に対して先進的なサービスを提供し、お客様の利便性をさらに高めていくことが重要だと考えております。また、在宅勤務等のテレワーク拡大など今後も需要が増加すると考えております。

 朝日ネットの収益構造は会員からのインターネット接続料収入を基礎としているため会員獲得の増加が収益基盤の向上につながります。

 

③ 「v6 コネクト」の拡販

 朝日ネットはNTT東西のフレッツ網(NGN)と直接接続し、シンプルにインターネット接続が出来るネイティブ方式でのIPv6接続サービスを「v6 コネクト」として他電気通信事業者へローミング提供をしております。2024年3月末の累計提携事業者数は11社、売上高は19億7,900万円となりました。「v6 コネクト」を利用する顧客は集合住宅向け事業者やISP事業者など電気通信事業者を想定しており、今後は新たな事業領域を開拓する取り組みを進めております。通信トラフィックが継続的に増加する状況下において、電気通信事業者は自社事業を継続するためのサービス品質維持と必要な費用の均衡を保ちたいという需要や、IPv6接続サービスを活用して自社サービスや顧客サポートを作り上げることでビジネス領域や規模の拡大を目指したいという需要に対して「v6 コネクト」の付加価値を高めたサービス開発を行ってまいります。

 「v6 コネクト」の売上高は主として基本料金及び従量料金をそれぞれ算定してサービス利用料を定めております。このうち従量料金は利用帯域において「95%タイル値」(※)として測定された最大通信量と基準通信量とを比較衡量して算定されます。最大通信量の測定及び最大通信量に基づいた従量料金の算定には複雑性が伴うため、「v6 コネクト」のサービス利用料が正しく行われず請求機会の逸失や遅れが発生する場合があります。

(※)「95%タイル値」とは、月初から月末までの通信量を朝日ネットが定めた一定時間間隔で分割して測定し、分割した各通信量を昇順で並べ替え上位から95%に位置する一意の値を算定します。

 

④ 教育支援サービス「 manaba 」の拡販

 主に大学などの教育機関に提供している教育支援サービス「manaba」につきましては、今後も教育現場のニーズを取り込み、教育の質を高めるイノベーションに貢献するためのサービス開発を進めてまいります。

 大学の授業が対面とオンラインのハイブリット型に変化した事に加え、文部科学省が進める教育のDX化が後押しされたこともあり、教育現場は学習環境や教材が紙媒体から電子データへ移行するデジタイゼーションが浸透しております。このような背景を踏まえ、「manaba」と外部サービスとの間でのデータ連携の要望が増えており将来を見据えたサービス開発が求められております。具体的には教育業界の標準規格であるLTI(Learning Tools Interoperability)に対応するためのサービス開発を進め、類似性チェックツールの「Turnitin」やWeb会議の「Zoom」等との連携による事例を増やすことで拡販に努めます。

 

⑤ ブランドの構築と顧客満足度の維持、向上

 2024年3月期のISP「ASAHIネット」の平均退会率は0.66%となりました。退会率は同業他社と比較し低い水準を維持し続けております。

 今後も退会を抑止し、更に競合各社からの乗換を促進していくことが重要であると認識しております。そのためには、質の高い会員サービスと安定した接続環境を提供していくことによって、信頼できるブランドを構築し、顧客満足度の維持・向上に努めることを重要な課題としております。

 

 

⑥ 情報セキュリティへの取り組み

 朝日ネットは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO/IEC27000:2013を取得しております。ISMS関連規則等を遵守し、朝日ネットが保有する個人情報及び情報資産を適切に管理・運用すると共に、社内での継続的な取り組みを推進してまいります。

 また、一般社団法人日本情報経済社会推進協会より、個人情報の適切な取り扱いを行う事業者に付与されるプライバシーマークを取得しているほか、インターネット接続サービス安全・安心マーク推進協議会が発行する「安全・安心マーク」使用許諾を得ております。今後も継続的に情報セキュリティや個人情報保護の認識を徹底させる教育を行い、適切な情報管理を行う管理体制を維持・強化していきます。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 朝日ネットの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。

 また、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上あるいは朝日ネットの事業活動を理解するうえで重要であると考えられる事項については投資家及び株主に対する情報開示の観点から積極的に記載しております。

 なお、文中の記載のうち将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において朝日ネットが判断したものであります。

 

(1)事業環境の変化について

 2023年12月末におけるFTTH契約数は、4,017万人に達しております。

 朝日ネットは依然として増大が見込まれるFTTH市場でのシェア拡大による成長を目論んでおりますが、FTTH接続サービスの会員獲得が計画通りに遂行できなければ契約数の伸び率が低下する可能性があります。また、FTTH市場の成熟に伴い朝日ネットにおけるインターネット契約会員数の伸び率が経年的に低下していく可能性があります。

 朝日ネットでは接続事業以外のインターネット関連サービスの充実によって、会員1人当たりの売上高増加を図るとともに、サービス会員数を増大させていくことを計画しております。しかし、インターネット関連サービスについては、事業化までに相応の期間を要したり、事業展開に相当の費用を要するケースも想定されます。また、何かしらの理由によって朝日ネットのインターネット関連サービスが十分にユーザーを獲得できないことも想定されます。さらにインターネット関連サービスの事業環境においては、想定外の環境変化が生じる可能性もあります。これらの要因によって、予定通りにインターネット関連サービスの収益拡大を図ることができなくなる可能性があります。

 

(2)競合について

 朝日ネットが提供するインターネット接続サービスにおける主な競合相手は、自ら通信回線等の設備を有して電気通信事業を行っている電気通信事業者やインターネット接続事業者です。競合他社においては、主に大手通信キャリアなど朝日ネットと比較して大きな資本力、技術力、販売力等の経営資源、幅広い顧客基盤、高い知名度等を有している企業が存在します。競合他社の営業方針や価格設定により、競合他社との競争が更に激化する可能性があり、それにより朝日ネットの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。

 

(3)収益構造について

 朝日ネットにおいて、インターネット接続サービスの売上高全体に占める割合は、2024年3月期において88.8%となっております。インターネット接続サービスの収益構造は、インターネット接続サービス利用料等の売上のほか、新規会員獲得に伴い提携電気通信事業者から支払われる販売報奨金などの売上や、新規会員獲得費用及び通信回線使用料などの経費に影響します。

 新規会員獲得費用については、初期費用や月額利用料の一定期間無料化等のキャンペーンを行っているため月額利用料等の収入化に先行して提携電気通信事業者への回線利用料等や販売促進費の費用が発生し、一時的に朝日ネットの収益を悪化させる要因となります。

 また、通信回線使用料にはバックボーン回線費用が含まれますが、当該バックボーン回線費用はインターネット利用によって発生するトラフィック等に大きく影響されます。従って、FTTH接続サービス契約数の増加、ウイルス、スパムメール、動画配信等による大量のトラフィック消費及びその他予期せぬ原因によるトラフィック増加によって通信回線使用料は大きく増加する可能性があり、結果として朝日ネットの収益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)技術革新について

 インターネット接続サービスやインターネット関連サービスは技術革新が著しく、朝日ネットが技術革新への対応に遅れた場合は新規サービスの開発や導入が滞り新規会員の獲得や維持に支障が生じるなど競争力が低下していく可能性があります。また朝日ネットが設備投資を行った資産が技術革新によって陳腐化し利用価値または資産価値が著しく下落する可能性があります。

 

(5)障害や災害などによるサービスの中断や停止について

 朝日ネットのインターネット接続サービスにおける通信回線は、それぞれの電気通信事業者が管理しています。また、ネットワーク機器、各種サービス提供用サーバー、課金及び顧客管理用サーバーなど、朝日ネットのインターネットサービス提供に係るすべての機器については、朝日ネットにおいて24時間365日の管理体制で運用しております。

 このような管理状況下においても、システム障害や電気通信事業者における回線障害などにより朝日ネットが提供するサービスの中断や停止が発生する可能性があります。また、地震、火災、洪水などの自然災害、戦争、暴動、テロなどの破棄行為やウイルス侵入、サーバーテロなど情報セキュリティ侵犯などにより朝日ネットが提供するサービスの中断や停止が発生する可能性があります。これらの事情によって朝日ネットが提供するサービスの中断や停止が発生した場合、朝日ネットの信用が毀損されたり、業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。

 

(6)朝日ネットのインターネットサービスの品質について

 朝日ネットは会員の増加や通信トラフィックの増加に対応して通信回線を増強するとともに、ネットワーク機器やサーバーなどの設備投資を継続的かつ適切に実施することによりインターネットサービスの品質維持及び改善を図っております。品質維持および改善のための設備投資の増加が朝日ネットの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)提携電気通信事業者との契約について

 朝日ネットは、提携電気通信事業者である東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社、KDDI株式会社、UQコミュニケーションズ株式会社及びエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社とFTTH接続サービス、モバイル接続サービス等におけるアクセス回線の提供に関する契約を締結し、当該アクセス回線の提供を受けております。

 今後、契約終了や契約内容変更などの事態が発生した場合、朝日ネットの営業戦略や価格政策の見直しが必要になる可能性があり、その内容によっては朝日ネットの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)人材の育成及び確保について

 朝日ネットが安定した成長を続けるには、高い技術力を持つ技術部門において優秀な技術要員を確保しつづけることをはじめ、各部門において多様な能力を持つ優秀な人材を確保していく必要があります。現時点においては、新卒採用及び中途採用などで人材を確保し、人材育成も順調に行っておりますが、必要な人材を十分に採用及び育成出来なかった場合、朝日ネットの将来の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)法的規制について

①電気通信事業法

 朝日ネットはインターネット接続事業に関して電気通信事業法に基づく届出を行っており、同法の規制を受けております。また、朝日ネットは同法が規定している内容を社員・役員に徹底し、この法令に則って事業を展開しております。同法には、届出の取消事由等の定めはありませんが、何らかの事由によって監督官庁から行政処分などを受けた場合、朝日ネットの事業展開に悪影響を及ぼす可能性や、事業が行えなくなる可能性があります。

 

②個人情報保護法

 朝日ネットは多数の会員の個人情報を蓄積しており、個人情報の取扱いに関しては個人情報保護に関する法律の規制を受けております。朝日ネットでは同法に則った個人情報保護方針に基づいて、適切な個人情報保護運営に努めておりますが、万一、朝日ネットの持つ個人情報が外部に流出した場合には、その事後処理に相当の費用を要したり、損害賠償請求を受けたり、信用が毀損される可能性があります。

 

③ 不正アクセス行為の禁止等に関する法律など

 近年、国内において、インターネット上の各種不正・迷惑行為を取り締まる法律が整備されつつあります。不正アクセス行為の禁止等に関する法律、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律、特定商取引に関する法律、不正競争防止法、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律、昨年度増加した著作権侵害に伴う発信者情報開示請求に関する「著作権法」など、インターネット関連サービスを直接規制するものではありませんが、その対応のため朝日ネットグループの費用負担が著しく増加する可能性があります。また、これらの法規制に対する朝日ネットの対応が不適切であった場合には、朝日ネットの信用が毀損され、朝日ネットの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ プロバイダ等責任制限法

 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ等責任制限法)は、特定電気通信による情報の流通によってプライバシーや著作権などの権利侵害があったときに、プロバイダなどの特定電気通信役務提供者が負う損害賠償責任の範囲や、発信者情報の開示を請求する権利を定めた法律です。

 この法律に基づき、権利侵害を受けた被害者から起こされる発信者情報開示の任意請求や訴訟について、件数が増加する場合は、朝日ネットの費用負担が増加し、朝日ネットの対応が不適切であった場合は、朝日ネットの信用が毀損され、朝日ネットの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 特定商取引法など

 朝日ネットはインターネットのウェブサイト上においても会員の募集、申込受付を行っており、これは「通信販売」として特定商取引法の規制を受けることがあり、販売条件等の表示義務、誇大広告等の禁止等の規制を受けるほか、不当景品類及び不当表示防止法における各種表示義務の規制を受けております。これらの法規制に対する朝日ネットの対応が不適切であった場合には、朝日ネットの信用が毀損され、朝日ネットの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ その他の法規制

 今後、インターネット上での紛争解決の責任の一部を電気通信事業者に負わせる法制度が増加する可能性があり、その他にも朝日ネットの事業に関わる法規制が新設または強化されることもあり得ます。そのような場合には、朝日ネットの事業運営の自由度や迅速性が損なわれたり、予期せぬコスト負担が発生して朝日ネットの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)知的財産権について

 朝日ネットは、インターネット関連サービスなどの事業展開にあたって、他社の知的財産権を侵害することがないよう十分に注意しておりますが、何らかの事情によって他社の知的財産権を侵害する恐れを完全に否定することはできません。他社の知的財産権を侵害するような事態が発生した場合、該当サービス提供の中止、サービス提供手段等の変更、使用許諾料負担などの対処が必要となり、朝日ネットの事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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