阿波製紙(3896)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 阿波製紙グループは、阿波製紙(阿波製紙株式会社)、連結子会社1社(Thai United Awa Paper Co.,Ltd.)および持分法適用関連会社1社(滁州市国豊阿波濾材有限公司)により構成されており、機能紙(※1)・不織布の開発・製造・販売を主たる業務としております。 なお、持分法を適用しない子会社3社は連結財務諸表に及ぼす影響に重要性が乏しいため、連結の範囲に含めておりません。 阿波製紙は1916年に機械抄き和紙メーカーとして創業し、時代ニーズに合わせた製品の開発、製造・販売を行うことで機能紙・不織布メーカーへと成長を続けてまいりました。さらには、パートナー企業と共同開発を行い、顧客のニーズにマッチした製品の開発や他業種との交流により新たな原材料・製造のノウハウの蓄積を図ってまいりました。 阿波製紙グループの特徴としましては、自動車関連業界において、エンジン用濾材やクラッチ板用摩擦材原紙といった、自動車の動力部分に欠かすことの出来ない製品を長年にわたり製造・販売しております。また、水処理関連業界において、海水淡水化や超純水製造といった高度な水処理に欠かすことの出来ない分離膜支持体用不織布の製造・販売を行っております。その他、食品用、電気・電子部品用などの各種産業用途向け機能紙の製造・販売を行っております。 (※1)機能紙………書く、拭く、包む以外に、化学繊維、合成繊維、無機繊維、金属繊維、鉱物繊維など、多種多様な原料に、阿波製紙の培ったコア技術を加え、電気絶縁、導電、遮光、耐熱、防音、濾過、分離、吸着などの働きを持たせた紙をいいます。 阿波製紙グループの主な事業内容及び阿波製紙と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 なお、阿波製紙グループは、機能紙・不織布の製造・販売を事業内容としており、単一の事業活動を行っておりますので、品目別に記載しております。 (1)自動車関連資材 主要な製品はエンジン用濾材、クラッチ板用摩擦材原紙、鉛蓄電池用セパレータ原紙などであります。① エンジン用濾材 エンジン用濾材は、阿波製紙及び子会社のThai United Awa Paper Co.,Ltd.が製造・販売をしております。また、持分法適用関連会社の滁州市国豊阿波濾材有限公司においても、製造・販売をしております。 エンジン用濾材とは、主に自動車のエンジン周りに使用されております。その用途としては、吸気用、潤滑油用、燃料用があります。エンジンの燃焼には大量の空気が必要になりますが、空気中にはエンジンに有害なダスト(ゴミ、他車から排出されるススなど)が含まれており、エンジンの不調やエンジン各部を傷めてしまうことがあります。そこで、これらを防止するために吸気用濾材が使用されています。また、潤滑油は使用することで、カーボン粒子などで汚れていきます。このような不純物除去を行うために潤滑油用濾材が使用されています。燃料用濾材は、燃料タンクに入ったゴミを濾過し、水分を分離することで、エンジンの燃焼を適正に保つ役割を担っています。エンジン用濾材は、これらの働きを通じてエンジンに清浄な空気、燃料を供給及び潤滑油の性能を維持し、自動車の燃費向上や排気ガスの浄化などに貢献しております。 ② クラッチ板用摩擦材原紙 クラッチ板用摩擦材原紙は、阿波製紙が製造・販売しております。 主にオートマチック自動車のクラッチ板用摩擦材として使用され、自動車のトランスミッション(変速機)に組み込まれます。クラッチの機能としては、薄い何枚ものクラッチディスクを摩擦させることによりエンジンの動きをトランスミッションに伝え車輪を回し、発進・停止・変速を行います。クラッチ板用摩擦材は、クラッチディスクの表面に張り付けられており、優れた摩擦性能により変速時のショックを吸収し、スムーズなギアチェンジを可能にします。また、トランスミッション内は非常に高温になるため、耐熱性に優れた材料が使用されております。 ③ 鉛蓄電池用セパレータ原紙 鉛蓄電池用セパレータ原紙は、阿波製紙が製造・販売するほか、子会社のThai United Awa Paper Co.,Ltd.が製造・販売しております。 鉛蓄電池は主に自動車用として使用されており、正と負の鉛極板、セパレータ、電解液で構成されており、電解液のイオン移動により充放電を行います。阿波製紙の製品は鉛蓄電池に入っているプラスとマイナスの極板同士がショートしないように、極板の間に入れるセパレータに使用されております。 (2)水処理関連資材 主要な製品は分離膜支持体用不織布であります。 分離膜支持体用不織布は、阿波製紙が製造・販売を行っております。 当製品は、主に世界の水処理用分離膜メーカーが製造する逆浸透膜モジュールに分離膜支持体として使用されております。用途市場としては、海水淡水化や廃水処理などのインフラ用途をはじめ、工業用、家庭用浄水器などに幅広く使用されております。 (3)一般産業用資材 主要な製品群は食品用、電気・電子部品用機能紙などであります。 食品用は、主に加工食品の鮮度保持用に使用される脱酸素剤の包材として使用され、阿波製紙が製造・販売しております。電気・電子部品用は、主に電子機器などの断熱部材や放熱部材として使用され、阿波製紙が製造・販売しております。その他、主に耐熱プレス用の工程紙として使用される耐熱クッション材などがあります。 [事業系統図](注)非連結子会社3社(いずれも持分法非適用)につきましては、重要性が乏しいため、事業系統図には記載して おりません。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】阿波製紙グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において阿波製紙グループが判断したものであります。 (1)経営方針 阿波製紙グループは、「紙の可能性を追求し、多様な機能材との新結合を図ると同時に、環境との調和を目指した商品・サービスの提供を通じて、人類・社会に貢献する」という経営理念のもと、機能紙・機能材メーカーとして事業活動を展開しております。 今後も、独自技術を活かした製品・サービスの提供を通じて、お客様や社会のニーズに応え、企業価値の向上に取り組んでまいります。 (2)経営戦略 阿波製紙グループは、第5次中期経営計画に基づき、「超品質の実現」を基本方針として、分離膜支持体を中核とした利益拡大と成長領域の創出を進め、収益基盤の確立に取り組んでまいります。 水処理関連分野につきましては、水資源制約や環境規制強化等を背景に需要拡大が見込まれる中、分離膜支持体用不織布を中心に需要拡大への対応を進めるとともに、品質・機能・供給力を強みとした競争力の強化に取り組んでまいります。 自動車関連分野につきましては、既存用途における需要動向を踏まえながら、コスト競争力の強化や付加価値向上に取り組むとともに、電動化や高機能化等の市場変化への対応を進めてまいります。 また、収益性を重視した事業構造改革を進めるとともに、機能材の用途展開や市場開拓、新規事業創出に向けた取り組みを推進し、収益性の改善と事業領域の拡大に取り組んでまいります。 「超品質」を全社共通の考え方として掲げ、阿波製紙グループが培ってきた技術、品質及び顧客基盤といったコアバリューを活かし、お客様の期待を超える価値提供を通じて、持続的な成長を目指してまいります。 (3)経営環境 阿波製紙グループを取り巻く経営環境は、景気の緩やかな持ち直しが期待される一方、中東情勢を含む地政学リスクの高まりに伴う原材料・エネルギー価格への影響や為替相場の変動等により、依然として不透明な状況が続いております。 阿波製紙グループを取り巻く市場においては、自動車関連分野では電動化の進展等に伴う一部用途の市場環境の変化や需要動向への注視が必要な状況にあります。一方、水処理関連分野では、水資源制約や環境規制強化を背景に、工業用水の処理や再利用用途を中心として需要拡大が見込まれております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 阿波製紙グループは、第4次中期経営計画(2024年4月~2026年3月)において「事業ポートフォリオの最適化」と「知的資本のフル活用による経営基盤の強化」を重点課題として掲げ、これらの取り組みを推進してまいりました。第5次中期経営計画においては、これらの成果を踏まえ、収益基盤の確立及び成長領域の創出に取り組みつつ、「超品質の実現~世界一のブランドの確立~」の方針の下、機能材メーカーとしての持続的な成長を目指してまいります。 また、阿波製紙グループを取り巻く事業環境は、地政学的緊張の継続に伴う原材料・エネルギー価格の変動、為替変動及びサプライチェーンへの影響等が業績に影響を及ぼすリスクに加え、自動車関連分野における技術革新、政策動向及び競争環境の変化等により、不確実性が一層高まっております。 阿波製紙グループは、これらの事業環境の変化及び経営上の重要課題に対し、以下の事項に優先的に取り組んでまいります。 1.成長領域への資源集中と事業構造改革 阿波製紙グループは、主力製品の拡販と新製品の開発を両輪として、分離膜支持体を中心とした水処理用途及び自動車・産業用途に展開する機能材料等の重点領域に経営資源を集中してまいります。 特に、水資源問題への対応を背景に需要拡大が見込まれる分離膜支持体については、生産能力・供給体制の強化により安定供給を実現するとともに、重点市場における技術提案力及び顧客対応力の強化により、グローバル市場でのシェア拡大と多用途展開を図ってまいります。 また、「超品質」の実現を通じて、お客様の期待を超える品質・機能を提供するとともに、供給対応力及び提案力の強化に取り組み、阿波製紙ブランド価値の向上及び中長期的な競争優位性の確立を図ってまいります。 加えて、自動車分野においては、電動化の進展に加え、市場環境の変化に伴う需要動向の不確実性も踏まえ、リチウムイオンバッテリー(LIB)向け断熱材のほか吸音材等の用途展開及び新規採用の拡大に取り組んでまいります。 他方、既存事業については、製品別・顧客別の採算を可視化し、収益性・成長性・資本効率の観点から品種構成や資源配分の見直しを進めるとともに、不採算領域の見直しを含めた事業構造の再編に取り組んでまいります。 2.原価構造改革と価格適正化による収益体質の強化 阿波製紙グループは、原材料・エネルギーコストや為替変動等の外部要因が利益に与える影響を踏まえ、原価低減と販売価格の適正化を一体で推進し、収益体質の強化を図ります。 具体的には、調達先・調達条件の見直しや代替材の検討、複数購買の推進等による調達リスクの低減、工程改善・歩留り改善・生産計画最適化による製造原価の抑制並びに付加価値の訴求に基づく価格適正化を推進いたします。特に、原材料及びエネルギー価格の変動については、調達構造の見直しや代替材の検討等を通じて、その影響の低減に取り組んでまいります。 これらにより、外部環境の変動下においても収益の安定化と利益率の改善を実現してまいります。 3.資本効率の向上と財務体質の強化 阿波製紙グループは、新工場稼働等の成長投資を継続する一方、資本効率の向上と財務体質の強化を重要課題として位置付けております。 投資案件については、収益性や回収見通しを十分に踏まえた検討を行い、資本効率を意識した投資判断を推進してまいります。 また、運転資本の適正化及び資産効率の改善等を通じて、ROA等の経営指標の改善と資本コストを意識した経営に取り組んでまいります。 4.人財基盤の強化とDX・AI活用による競争力向上 阿波製紙グループは、人手不足が恒常化する環境下において、人材の確保・定着・育成を経営基盤強化の中核に位置付けております。 技能継承を含む人財育成体系の整備、重点領域における技術・営業人材の強化、働きやすさと生産性を両立する職場環境の整備を推進いたします。あわせて、技能継承及び評価技術の高度化を通じて、阿波製紙独自の知的資本を組織的に蓄積・活用し、競争優位性の源泉として強化してまいります。 さらに、研究開発・生産・品質・サプライチェーン・間接業務の各領域でDX・AIを活用し、データに基づく意思決定、業務の標準化・自動化、開発スピードの向上を進めることで、限られた経営資源でも高い付加価値を継続的に創出できる体制を構築してまいります。 5.環境対応と事業成長の両立 阿波製紙グループは、環境との調和を目指した商品・サービスの提供を通じて社会に貢献することを使命として掲げております。 製品面では、環境負荷低減に資する材料・機能の提供を通じて顧客課題の解決に貢献するとともに、持続可能な社会の実現に向けた製品・技術開発を推進し、成長分野における事業拡大を図ってまいります。また、生産面では、省エネルギー・廃棄物削減等を通じて環境負荷低減に取り組み、持続可能な事業基盤の強化を図ってまいります。 なお、これらは、サステナビリティに関するマテリアリティ及びKPIと連動した取り組みとして推進してまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 阿波製紙グループは、事業運営及び展開において様々なリスクの発生が想定され、それらの想定されるリスクを事前に認識し、事実上可能な範囲で想定されるリスクの対応策を検討・実施しております。しかし、全てのリスクを低減または排除することは困難であり、これらのリスクが顕在化した場合には、阿波製紙グループの業績及び財政状態、社会的信用等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 阿波製紙グループは、以下において重要なリスクと判断した事項を記載しておりますが、事業に係るリスクをすべて網羅するものではありません。また、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであり、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、経営成績等の状況に与える影響度につきましては、現時点では合理的な予測が困難であり、記載しておりません。 (1)事業環境変化に関するリスク[概要]阿波製紙グループは、自動車関連資材及び水処理関連資材を主力製品としておりますが、これらの製品市場は世界経済の動向や政治状況等により、阿波製紙グループの業績に大きな影響を受ける可能性があります。 特に、中東情勢の混迷を受けたエネルギーや石油関連原材料の動向、米国政府の政治経済運営に伴う世界的な混乱に伴う事業環境の激変は、今後の阿波製紙グループの売上や利益に大きな影響が生じる可能性があります。[対応]阿波製紙グループは、事業環境の変化に対応するため、自動車関連資材においては海外連結子会社と緊密に連携し、市場が求める環境負荷低減につながる商品の更なる開発強化や最適地生産によるサプライチェーンの強化、グローバルな拡販活動や相互バックアップ体制の構築等を組み合わせるとともに、付加価値向上による商品力の強化に努めております。 水処理関連資材においては、増加する世界の水処理需要に応えるため、新小松島工場を稼働させ、海水の淡水化や純水を製造する際に用いる逆浸透膜支持体紙の製造能力を大幅に増強し、世界シェアの拡大を目標に生産性及び付加価値の向上に努めております。 (2)サプライチェーンの調達・供給に関するリスク[概要]阿波製紙グループは、主要原材料の木材パルプ、リンターパルプ等を海外(北米、南米、欧州など)から調達していることに加え、中東地域に依存するエネルギー及び石油関連商品を使用しているため、調達先の不安定な生産及び為替の影響等を強く受けた場合、さらに事業に関わるすべての人の人権を侵害したり、人権を軽視した事象が発生した場合、阿波製紙グループはサプライチェーンの寸断による生産停止等の影響を受けるとともに、取引先への安定供給ができなくなる可能性があります。 こうした場合には、阿波製紙グループの調達・生産・供給体制全般にわたるサプライチェーンに支障が生じ、当期の業績が大きく悪化することが懸念されます。[対応]阿波製紙グループは、国内外にわたる主要原材料の代替材料の検討や調達における複数購買等による調達先の分散化及び適正在庫の確保などグループ全体で安定的な体制を構築しておりますが、中東地域からの石油関連原材料の安定的な確保のため、サプライチェーン各社の協力を得て、調達の安定化に最大限注力しております。また、サプライチェーンの人権問題に取り組むため人権リスク評価を定期的に実施するなど、当リスクの適切な管理に努めております。 他方、阿波製紙グループの原材料等の安定調達ができなくなった場合、阿波製紙グループの供給先に対する適切な情報提供に努めるとともに、早期に供給が再開できるようリスクの最小化に取り組んでまいります。 (3)人財確保・育成に関するリスク[概要]阿波製紙グループは、中長期的な企業の成長のため、優秀な人財の確保・育成が重要であると認識しておりますが、少子高齢化に伴う労働人口の減少による人財確保難、中途退職者など人財の社外流出の加速、エンゲージメントの低下などにより、高度な技術・ノウハウの承継や人的資本の充実に支障が生じ、阿波製紙グループの業績と安定的な成長に影響が及ぶ可能性があります。[対応]阿波製紙グループは、多様な人財を確保し、将来の安定的な事業成長を図るため、人財の確保を最重点課題であると認識しております。新卒採用においては、インターンシップをはじめ、専門性を有する中途採用の通年採用を積極的に実施しております。 また、幹部人財の育成プログラムを導入するとともに、ワークライフバランスの実践に向けた多様な働き方や健康経営への積極的な取り組みの推進、人事制度の改正など、エンゲージメントの更なる向上に注力してまいります。 (4)海外事業展開に関するリスク[概要]阿波製紙グループは、タイ国の連結子会社において製造販売及び研究開発活動を行うとともに、中国において駐在員事務所を設置し、販売支援を行っております。グローバルな事業活動を展開するにあたり、各国の法的規制、経済情勢、政情不安、パンデミックの発生等事業環境の不確実性等のリスクが顕在化した場合には、阿波製紙グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。[対応]阿波製紙グループは、関係会社管理規程に基づき、海外子会社の情報収集や現地の経営環境に適した事業運営の管理強化に努めております。 また、親会社の役員が海外子会社の役員を兼務しガバナンスを強化するとともに、幹部社員を子会社の工場長等の幹部として派遣するなど、相互連携強化による業務支援とオペレーショナルリスクの低減に取り組み、グループ管理体制の充実を図っております。 (5)コンプライアンスに関するリスク[概要]阿波製紙グループは、社是である「道徳経済合一」主義のもと、企業倫理規範を定めてコンプライアンス経営の徹底に努めておりますが、重大なハラスメント、労働法令違反、人権問題等の重大なコンプライアンス違反が発生した場合、または産業廃棄物や工場排水汚染等、事業活動に関連する重大な法令違反等が発生した場合、行政処分等による生産活動の停止など、社会的な信用を失墜し、阿波製紙グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。[対応]阿波製紙グループは、毎日の朝礼において、創業の精神、経営理念、企業倫理規範、コンプライアンスチェックなどを周知徹底するとともに、内部通報規程を制定し、風通しの良い職場風土の醸成並びにコンプライアンスリスクの未然防止に積極的に取り組んでおります。 また、定期的にコンプライアンス意識調査を実施し、ハラスメントの防止などの課題解決に努めるとともに、コンプライアンス情報の発信とセルフチェックの実践による、コンプライアンス教育の充実に努めております。 (6)品質保証に関するリスク[概要]阿波製紙グループは、国内外のお客様に提供する多様な製品において品質不良や不正などの問題が生じた場合には、お客様や社会から阿波製紙グループの信用を失墜し、企業価値や製品ブランドを棄損するほか、損害賠償請求等が発生し、阿波製紙グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。[対応]阿波製紙グループは、品質方針を定め、全員参加で品質マネジメントシステム(QMS)に取り組んでおり、生産設備等の改修も含め、継続的な品質改善活動の実践に努めております。 また、原材料や製品の不良発生時には品質連絡会を開催し課題を共有するとともに、不良発生のメカニズムを徹底的に分析・評価の上、発生工程への反映及び類似工程への水平展開を行い、再発リスクの低減や発生予防に努めております。 (7)自然災害・パンデミックに関するリスク[概要]阿波製紙グループは、国内生産拠点の全てが徳島県内に集中しており、大規模地震による津波の発生及び地球温暖化による大型台風や異常渇水等の自然災害発生頻度が高まり、それらに伴い生産活動に甚大な被害が発生する可能性があります。 また、感染症の世界的な流行拡大等によるパンデミックの発生により、サプライチェーンの寸断や従業員の出勤停止等による工場の稼働不能に陥る可能性があります。 このような事態が発生した場合には、生産能力の著しい低下や設備の復旧に伴う多大な費用の発生が見込まれ、阿波製紙グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。[対応]阿波製紙グループは、今後想定される自然災害リスクに対応するため、「緊急時対応マニュアル」に基づき大規模地震等の災害発生時にも事業活動を継続し、製品の安定供給を図るためBCP(事業継続計画)を策定し、定期的に見直しを行っております。 さらに、従業員や家族の安否確認、災害対応備蓄品等を備え、定期的な訓練及び設備の点検を実施しております。また、感染症等のパンデミックへの対応については、基本的な感染予防対策の徹底に加え、リモートワークによる在宅勤務体制の推進、WEB会議やDXの活用等、グループ全体において可能な限りの感染防止対策に取り組んでまいります。 (8)事業ポートフォリオに関するリスク[概要]阿波製紙グループは、自動車関連資材及び水処理関連資材の製造・販売を主力の事業分野としております。特に、水処理関連資材については、新規参入企業や既存競合他社からの販売攻勢により市場シェアが大きく減少する可能性があり、こうした状況が発生した場合には、阿波製紙グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 他方、世界的なEV化の進展に向けて、電気自動車や燃料電池車等に使用される断熱材市場の開拓を進めてきましたが、急速なEV化の後退が顕著となっており、これらの需要が大きく減少する可能性があります。[対応]阿波製紙グループは、主力の事業分野に依存することに伴う事業ポートフォリオリスクを軽減することが重要であると認識しております。特に、水処理関連資材については、阿波製紙の有する製品開発力や生産技術力を活かし、顧客ニーズに対応する高付加価値製品の提供に努めてまいります。 また、自動車関連資材については、市場環境や需要構造の変化を踏まえながら、これまでに取り組んできた断熱材市場に加え、新事業の創出や事業領域の拡大を進めることで、事業ポートフォリオの分散化を図ってまいります。 (9)環境問題に関するリスク[概要]阿波製紙グループは、サステナビリティに関する活動のうち、気候変動緩和への対応であるCO2排出量削減や非化石化エネルギーの利用低減などの活動が適切に遂行できず目標を達成できない場合、社会的評価の低下による阿波製紙グループの信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、地球温暖化への対応については、阿波製紙グループ事業と密接な関係を有する森林や河川などの環境破壊が世界規模で進んでおり、今後の事業を展開していくうえで重大なリスクと認識しております。[対応]阿波製紙グループは、環境方針を制定し、事業活動全般を通じて地球環境に関するグローバルな社会課題の解決に貢献するための取り組みを推進するとともに、地球環境問題への取り組みを強化するため、2030年度に二酸化炭素排出量を2014年対比37%削減する目標を設定しているほか、環境保護に関する重要項目を設定し、活動を強化しております。 また、効率的で実効性の高い事業活動を推進するため、環境マネジメントシステム(EMS)の認証を取得し、環境意識向上のための教育を行うとともに、グリーン調達基準を制定し、当該基準に適合した原材料の購入等、サプライチェーン各社との緊密な連携強化により持続可能な社会の実現に努めております。 (10)情報管理に関するリスク[概要]阿波製紙グループは、従業員等による個人情報や営業情報等の漏洩、会社機密情報の流出などの情報管理に関するリスクが発生する可能性のほか、システム障害やコンピュータウイルスの感染、不正アクセスによるサイバー攻撃によるシステムリスクが発生する可能性があります。 それらが発生した場合、阿波製紙グループの業績、財政状態及び社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。[対応]阿波製紙グループは、情報セキュリティ基本方針、個人情報保護方針等を制定し、情報管理を重要な企業活動として位置づけており、情報資産を保護すべく統合セキュリティシステムを最新の状態に保つとともに、重大なセキュリティインシデント発生に備えたサイバー保険を付保しております。 さらに、教育研修等を通じて情報セキュリティに関する重要性について周知徹底に努めております。 (11)知的財産権の侵害に関するリスク[概要]阿波製紙グループは、阿波製紙グループが保有している知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、阿波製紙グループ製品の製品差別化や競争優位性が確保されず、期待される収益が失われる可能性があります。 また、阿波製紙グループが製造または販売する製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該製品の回収や販売中止を求められる他、損害賠償を請求される可能性があります。その場合、阿波製紙グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。[対応]阿波製紙グループは、特許権を含む知的財産権を適切に管理する体制を整え、継続的なモニタリングを実施することで第三者による知的財産権の侵害に注意を払っております。 また、専門家、データベース及び調査機関を利用した調査に加え、発明協会等の研修受講による情報収集を強化することで、第三者の知的財産権の侵害防止に努めるとともに、実際に知的財産権に係る係争が発生した場合は、関係者と協力して事業への影響を最小限にとどめるよう努めてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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