ラクス(3923)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 ラクスグループは、当連結会計年度末においてラクス及び連結子会社4社(注1)により構成されており、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」をミッションに掲げ、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献してまいります。 具体的には、企業の業務効率化等に貢献するさまざまなクラウドサービスを提供するクラウド事業と、システム開発、インフラ構築・運用、機械学習、品質管理を中心にITエンジニアを派遣するIT人材事業(注2)を行っております。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 (1)クラウド事業 当事業では、経費精算システム「楽楽精算」、帳票発行システム「楽楽明細」、販売管理システム「楽楽販売」、勤怠管理システム「楽楽勤怠」、問い合わせ自動応対システム「楽楽自動応対」(注3)、メールマーケティングサービス「楽楽メールマーケティング」(注3)等の、企業の業務効率化、高付加価値化に貢献するさまざまなクラウドサービスを、自社で企画・開発・運用しております。 ITに不慣れなお客様でもマニュアルを読むことなく直感的に扱えるサービスを理想として、システム開発、Webデザイン、マーケティング、カスタマーサポート、カスタマーサクセスによる能動的な支援を一貫してグループ内で行える体制を整えております。また、営業部門やカスタマーサクセス部門が直接お客様のご要望を収集し、開発部門にフィードバックすることにより、操作性の改善や機能追加等のバージョンアップを繰り返し、お客様視点を重視した使いやすいサービスを提供しております。また、生成AIを活用した付加価値向上にも積極的に取り組んでおり、開発の効率化、サービスへの機能実装を推進しております。 ラクスグループの主なクラウドサービスは次のとおりです。① 経費精算システム「楽楽精算」「楽楽精算」は、経費精算に関わる業務を効率化するシステムです。経費の申請から仕訳まで一連の流れをデータ化し、書類管理に必要な時間を削減することが可能です。さらに、申請時の規定違反やミスをシステム上で防止することにより、経理担当者の確認業務が軽減され、経費精算業務の効率化を実現いたします。 ② 帳票発行システム「楽楽明細」「楽楽明細」は、請求書をはじめとした帳票発行業務を効率化するシステムです。請求書の送付方法を電子データ・郵送・FAXから選択することができるため導入のハードルが低く、帳票データをシステムに取り込むだけで請求書の作成・送付を完結することが可能です。電子発行した請求書は受け取り状況の確認も可能で、経理担当者への負荷が大きい業務の効率化を実現いたします。 ③ 販売管理システム「楽楽販売」「楽楽販売」は、スプレッドシートや紙で管理している販売管理業務を効率化するシステムです。データベースとワークフローを組み合わせてノーコードで簡単にカスタマイズすることで、使いながら改善していくことも可能です。ルーチンワークの自動化、リアルタイムでの情報共有により業務の効率化を実現いたします。 ④ 勤怠管理システム「楽楽勤怠」「楽楽勤怠」は、勤怠管理業務を効率化するシステムです。自動アラートで誤りを通知し、ミスのない勤怠データを収集することが可能です。休暇取得状況を同時に管理し勤怠データの統合作業が不要となっております。また、顧客企業の独自ルールや法律に則り、残業時間の自動集計が可能です。有給休暇・残業時間の状況をリアルタイムに確認し、タイミングを指定した通知も可能としており、人事・労務担当者の業務効率化を実現いたします。 ⑤ 問い合わせ自動応対システム「楽楽自動応対」「楽楽自動応対」は、メールでの問い合わせをチーム内で一元管理・共有することで、カスタマーサポート業務を効率化するシステムです。返信の重複や対応漏れといったミスを削減し、対応履歴の一覧化によりスムーズな引継ぎを行うことが可能です。 ⑥ メールマーケティングサービス「楽楽メールマーケティング」「楽楽メールマーケティング」は、メールマーケティングを効率化するシステムです。グループ別や属性別に配信が可能で、クリック数のカウント、開封チェック、レポートのグラフ表示等、メールマーケティングの効果測定に不可欠な分析機能も備えております。開封チェック機能を活用して追加でメールを送る機能もあり、効果測定機能を活用したメールマーケティングの効率化を実現いたします。 (2)IT人材事業(注2) 当事業では、ITエンジニアに特化した正社員派遣サービスを提供しております。その特長は、創業時に事業としていたITエンジニアスクールの人材育成ノウハウを最大限に活用し、体系的かつ継続的にITエンジニアの品質についての維持と向上を図っている点にあります。また、営業担当、育成担当が定期的に開催される社内研修やイベント等を通じてITエンジニアとのコミュニケーションを密にとることにより、個々の特性を理解した上で、顧客企業のニーズに対して最適な提案を行っております。この仕組みによりラクスサービスの高付加価値化と稼働率の向上を実現しております。 ラクスグループの提供する派遣サービスは次のとおりです。① システム開発顧客企業のWebアプリケーション開発を中心としたシステム開発支援を行っております。具体的には、システム開発のすべての工程(基本・詳細設計、コーディング、単体・結合テスト、ドキュメント作成)に対してサービスを提供しております。 ② インフラ構築・運用顧客企業のサーバー構築、ネットワーク構築、サポート保守業務支援を行っております。また、インフラの設計構築、運用設計、保守・運用、監視等、各種の工程へサービスを提供しております。 ③ 機械学習人工知能(AI)、ディープラーニング、機械学習関連プロジェクトに対して、機械学習モデルの構築、データ分析やデータ前処理、分析基盤構築などの工程を支援する人材サービスを提供しております。 ④ 品質管理顧客企業のシステムやアプリケーションに対して、テスト計画からテスト設計、実施にわたる品質管理業務をテスト技法やテストツール、自動化ツールを用いて支援する人材サービスを提供しております。 (注)1.2026年4月1日付でIT人材事業を手掛ける、ラクス連結子会社である株式会社ラクスパートナーズを譲渡しており、本書提出日現在の連結子会社数は3社となっております。2.上述の通り、ラクスグループは事業譲渡により本書提出日現在において、クラウド事業の単一セグメントを運営しておりますが、2026年3月末時点での状況として、IT人材事業についても記載をいたします。3.「楽楽クラウド」へのブランド統合を目的に、2025年10月23日付で「メールディーラー」を「楽楽自動応対」に、「配配メール」を「楽楽メールマーケティング」に名称変更しております。 [事業系統図](注)株式会社ラクスパートナーズは、本書提出日時点で連結子会社ではありませんが、当連結会計年度末において連結子会社であったため、事業系統図に記載しております。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 ラクスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてラクスグループが判断したものであります。 (1)経営方針 ラクスグループは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」というミッションを掲げており、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献してまいります。 また、「日本を代表する企業になる」をビジョンに掲げ、達成すべきゴールとして捉えておりますが、ラクスグループでは、ゴール達成のための思考と行動指針に大きな特徴があります。 (思考)「ユニークネス」と称しており、以下の4項目で構成されております。・ゴールオリエンテッド・継続的な進化・誠実な合理性・不確実性への挑戦 従来の構成要素であった「着実な継続」や「不確実性の排除」については、より変化の激しい環境でも絶えず成長を実現できる意図を込め、「継続的な進化」「不確実性への挑戦」としてアップデートいたしました。 (行動指針)「ラクスリーダーシッププリンシプル(RLP)」と称しており、以下の11項目で構成されております。・自分自身の会社だと思う・全体最適視点をもつ・誠意をもって人と接する・学習し成長し続ける・小さく試して大きく育てる・費用対効果を考える・やるべきことを実行する・他者の考えを受け入れる・失敗を許容する・考えている事を言葉で伝える・結果にこだわる ラクスは、思考と行動指針をもとに今までにも高いゴールを掲げてきました。引き続きミッション・ビジョンの実現のため、事業を推進してまいります。 以上をもとにラクスでは、経営を推進していくための以下の各種方針を定め、開示しております。 (全体方針)①サステナビリティ基本方針 ラクスグループは、サステナビリティを経営の根幹に据え、責任ある行動を実践し、すべてのステークホルダーとの価値協創を通じて、持続的な企業価値の向上を目指すことを目的に当方針を策定しております。 本方針は、ラクスグループのすべてのサステナビリティに関する方針体系の最上位に位置づけられており、ラクスグループは本方針に基づき、事業を通じた社会課題の解決と持続可能な社会の実現に向けた活動を推進しております。 (ガバナンス)②コンプライアンス方針 ラクスグループは、事業活動のあらゆる場面でコンプライアンスを徹底することが、イノベーションと持続的成長を支える経営基盤であり、すべてのステークホルダーとの信頼関係を構築するために不可欠であると認識しております。ここでいうコンプライアンスとは、会社法や金融商品取引法といった事業活動に関わるすべての法令を遵守することはもとより、社会規範や企業倫理に基づき、公正性と高い倫理観を持って誠実に行動することまでを意味いたします。この認識のもと、ラクスは、持続的な企業価値向上と公正な社会を実現することを目的に、本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、継続的な社内教育の実施や内部通報制度の適切な運用を通じて、コンプライアンス意識の浸透と実効性の高いガバナンス体制の維持・強化に努めております。 ③腐敗防止方針 ラクスグループは、あらゆる形態の贈収賄や不正な利益供与、資金洗浄、その他の腐敗行為を排除し、誠実かつ倫理的な事業運営を行うことが、企業の社会的責任であると認識しております。この認識のもと、ラクスは、国際的な社会課題の解決を目指す姿勢を重視し、社会的潮流との整合を意識しながら、組織の持続可能性と公正な社会を実現していくことを目的として、本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、腐敗行為のリスク評価や社内研修を継続的に実施し、透明性の高いクリーンな事業運営を徹底しております。 ④反社会的勢力排除に関する基本方針 ラクスグループは、社会の秩序や安全に脅威を与える暴力団をはじめとする反社会的勢力を断固として排除することが、企業の社会的責任であり、ステークホルダーからの信頼を確保し、企業価値を維持向上させるための重要な経営基盤であると認識しております。この認識のもと、ラクスは、反社会的勢力との関係を一切遮断することを目的として、本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、取引先等の属性審査を徹底するとともに、警察等の外部専門機関と緊密に連携し、反社会的勢力との関係遮断に向けた体制を整備・運用しております。 ⑤税務方針 ラクスグループは、事業活動を行うすべての国や地域において、適用される税法を遵守し、適正な納税を行うことが企業の重要な社会的責任であると認識しております。納税は、各国・各地域の経済及び社会の持続的な発展への貢献及び基盤となります。この認識のもと、ラクスは、透明性の高い税務ガバナンス体制を構築し、誠実な納税義務の履行を徹底することを目的として、本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、各国の税制等の動向を適切に把握し、税務コンプライアンスの維持・向上と適切な税務ガバナンスの運用に努めております。 (人的資本)⑥人権方針 ラクスグループは、事業活動を通じて直接的または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識しており、人権尊重に深く関わる社会課題の解決に対し、事業を通じた価値提供により貢献いたします。この認識のもと、ラクスは、関係するすべての人々の権利を尊重し、責任ある取り組みを推進することを目的として、本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、事業活動に関わる人権リスクの把握と低減に努めるとともに、ステークホルダーに対する啓発活動を推進しております。 ⑦DEI方針 ラクスグループは、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包摂性)の推進が、すべての社員の成長と組織の持続的な価値創出につながると考えております。この認識のもと、ラクスは、DEIの理念を人財戦略、組織運営、サービス提供に組み込み、企業文化として定着させることで、人的資本の活性化と社会的信頼の向上を実現し、持続的な企業成長に貢献していくことを目的として、本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、多様なバックグラウンドを持つ社員が能力を最大限に発揮できる人事制度の整備や、インクルーシブな組織風土の醸成を推進しております。 ⑧労働安全衛生方針 ラクスグループは、従業員一人ひとりがラクスにとって最も重要な資本であると認識しており、すべての従業員が心身ともに健康で、安全に、そして安心して働くことができる職場環境を提供し、従業員のエンゲージメントを最大化することが、企業の持続的成長を支える経営基盤であると考えております。この認識のもと、ラクスは、本方針を従業員の安全と健康を守り、働きがいを高めるための行動指針として定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、労働時間の適正な管理やメンタルヘルスケアの充実をはじめとする、安全で健康的な職場環境の維持・改善に継続的に取り組んでおります。 (環境)⑨環境方針 ラクスグループは、ITサービスの提供を通じて、社会のデジタル化や業務の効率化、ペーパーレス化を支援し、地球環境への負荷低減に貢献することを企業の重要な社会的責任と認識しております。この認識のもと、ラクスは、環境保全への取り組みを経営上の重要課題と位置づけ、本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、事業活動に伴う環境への影響及び気候変動に起因するリスクと機会を適切に把握・管理するため、環境マネジメントの実践を通じて、気候変動リスクへの対応、環境負荷の低減、生物多様性の保全を継続的に推進しております。 (情報管理)⑩情報セキュリティ基本方針 ラクスグループは、多種多様なIT関連サービスの提供を通じて多くのステークホルダーと信頼関係を築いており、その中でお客様からお預かりした情報をはじめ、ラクスグループが保有するすべての情報資産を漏洩・改ざん・破壊・盗難などのあらゆる脅威から守ることは、ラクスグループの重要な社会的責任であると認識しております。この認識のもと、ラクスは、本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を構築のうえ、すべての役員及び従業員が本方針を理解・遵守することで、機密性・完全性・可用性の確保と向上に努めております。 ⑪個人情報保護方針 ラクスグループは、多種多様なIT関連サービスの提供を通じて多くのステークホルダーと信頼関係を築いており、その中でお預かりする個人情報を安全かつ適切に取り扱うことは、ラクスの重要な社会的責任であると認識しております。この認識のもと、ラクスは、本方針を定めております。 ラクスグループは本方針に基づき、個人情報保護マネジメントシステム(PMS)を構築のうえ、すべての役員及び従業員が本方針を理解・遵守することで、個人情報保護と安全な運用に努めております。 (公正な取引、価値分配)⑫知的財産方針 ラクスグループは、研究開発活動等から生み出される知的財産が競争力の源泉であり、持続的な企業価値向上を支える極めて重要な経営資源であると認識しております。この認識のもと、ラクスは自社の知的財産を適切に保護・活用するとともに、第三者の正当な知的財産権を最大限に尊重する企業文化を醸成するため、本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、社内における知的財産の創出・保護体制を強化するとともに、他者の知的財産権の侵害リスクを適切に管理・低減する取り組みを推進しております。 ⑬マルチステークホルダー方針 ラクスグループは、企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要となっていると認識しております。この認識のもと、ラクスは、本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、価値協創や生産性向上によって生み出された収益・成果について、マルチステークホルダーへの適切な分配を推進しております。 (情報開示)⑭ディスクロージャーポリシー ラクスグループは、透明性、公平性、継続性を原則とした情報開示を通じて、株主・投資家をはじめとするすべてのステークホルダーとの信頼関係の維持・向上を図っております。 各種法令及び東京証券取引所の「有価証券上場規程」に定める会社情報の適時開示に関する規定を遵守するとともに、投資判断に影響を与える可能性のある情報についても積極的な開示を推進いたします。また、その趣旨を尊重し、必要な情報提供及び管理に協力いたします。ラクスは、コーポレートガバナンス・コード及びスチュワードシップ・コードの精神に則り、株主・投資家との建設的な対話の基盤として本方針を定めております。 ラクスグループは、本方針に基づき、適時適切かつ公平な情報開示を継続し、経営の透明性向上に努めております。 上記①から⑭の各種方針の詳細については、ラクスコーポレートサイト(注1)にて公開しております。また、ラクスグループの成長基盤となる人財育成方針、社内環境整備方針については下記のとおりです。 ⑮人財育成方針 ラクスグループは、「人の成長が組織の成長につながる」という考えのもと、全社員が自律的に学び、挑戦し、行動し続けることができる環境の構築を重視しております。「安心して働き、成長し続けられる」ことを人財マネジメントの根幹に据え、単なる業務スキルの習得にとどまらず、ラクスグループの行動指針である「RLP」を体現し、高い倫理観と社会的責任感を兼ね備えたリーダーシップ人財の育成を目指しております。 これを実現するため、RLPを全社的な育成・評価の基盤とし、多様な学習機会の提供と自律的なキャリア形成を支援してまいります。 ⑯社内環境整備方針 ラクスグループは、「社員一人ひとりがゴールを共有する仲間である」という認識のもと、すべての社員が心身ともに健康で、安心して最大限のパフォーマンスを発揮できる環境の整備を重視しております。持続的な成長を支えるため、社員の多様な価値観・ライフステージ・職種特性に応じた柔軟な働き方を可能とする各種制度の拡充を進めております。 また、単なる制度の提供にとどまらず、社内コミュニケーションの活性化やインナーブランディングを通じたカルチャー醸成を図り、組織全体のエンゲージメント向上を推進しております。 以上の方針をもとに、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等の多様なステークホルダーとの協働・対話を重視し、価値協創及びその適切な分配を通じて、持続的な経済発展への貢献を目指しております。 (2)経営戦略等 ラクスグループが競争力を高め、持続的な成長を実現するための施策として、ラクスの成長を牽引している「楽楽精算」「楽楽明細」「楽楽販売」をはじめとした「楽楽クラウド」にリソースを重点的に配分いたします。その他のサービスについては競争優位性と市場の成長性を勘案した上で、利益貢献を重視しながら適切にリソースを配分することにより、ラクスグループ全体の持続的な事業成長を目指してまいります。 また、選択と集中の一環として、当連結会計年度終了後の2026年4月1日付でIT人材事業の事業譲渡を実行しております。 人的資本については、経営方針に基づき、具体的な施策として以下を実施しております。 (人財育成施策)・RLPの浸透と運用RLPをもとにした研修体系を整備し、管理職の行動実践を可視化。定期的なレビューを通じて実効性を高めております。 ・等級と連動した研修体系等級別研修(Next Leader Program、意思決定研修、1on1実践研修)やOJT支援制度を整備し、等級に応じたスキルとマインドの段階的な習得を促進しております。 ・キャリア自律支援と配置の柔軟性確保複線型の等級制度・社内公募制度・ジョブローテーション制度の運用により、社員の希望と適性に応じたキャリア選択を支援。年次を問わない抜擢登用も実施しております。 ・評価の透明性と納得性の向上コンピテンシー評価と成果評価による2軸評価制度を導入。評価フィードバックと納得度調査に基づき、上司のマネジメント改善サイクルを運用しております。 ・エンゲージメント向上と組織風土づくり年3回のエンゲージメントサーベイを実施し、部門単位でアクションプランを策定。組織課題を特定し、継続的に組織開発を図っております。 (社内環境整備施策)・柔軟な就業制度の整備時差出勤制度、在宅勤務制度などを整備し、ライフスタイルや業務特性に応じた柔軟な働き方を推進しております。 ・健康と安心を支える制度の拡充年次有給休暇とは別に、本人または同居家族の私傷病に対して最大5日間の特別有給休暇を付与する「シックリーブ制度」を導入。加えて、メンタルヘルス支援、健康診断・再検査支援制度を提供しております。 ・エンゲージメント向上施策の実施全社員向けイベント「楽!フェス」のリアル開催、Web版、冊子版の社内報「ラクスNow」発信、表彰制度「ラクスAWARD」などを通じ、価値観の共有と士気向上を図っております。 ・多様な社員が活躍できる環境の整備性別、年齢、国籍を問わず、すべての社員が能力を発揮できる環境を整備。時短勤務、看護休暇といった育児、介護、私傷病との両立支援制度も導入しております。 ・継続的な制度改善サイクルの構築社員の声をもとに施策をアップデートし、有給休暇取得率90%以上、月間平均時間外労働時間20時間未満を継続実現するなど、働きやすい社内環境の整備に向けた実効性ある制度運用を継続しております。 (3)経営環境 ラクスが所属する情報通信サービス市場においては、働き方の見直しや深刻化する人手不足等を背景に、企業における業務効率化への関心が一層高まっており、企業活動のデジタル化が進展しております。この結果、企業によるIT投資は引き続き堅調に推移しております。 また、生成AIの活用に対する企業の関心が急速に高まっていることを受け、ラクスではこれを新たな提供価値・市場機会の創出要因と捉え、プロダクトへの連携拡張と運用自動化の実装を加速しております。 一方、一部の事業領域では市場の成熟化が進んでおり、システム未導入層が導入効果を慎重に見極めている層へと移行しているほか、類似のサービスを展開する事業者の増加により、競争環境は厳しさを増しているものと認識しております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 インターネットは経済活動を支えるインフラとして不可欠なものとなっており、ラクスグループが提供しているクラウドサービスは今後も需要が拡大するものと予測されます。 一方、一部事業領域では市場の成熟化が進行し、競争環境が厳しさを増す中で、ラクスグループが持続的な成長を実現するためには、以下の課題への対応が重要であると認識しております ①成長サービスへの集中・強化 クラウドサービス市場は今後も拡大が見込まれる一方、競合の増加や一部分野の成熟化が進行しており、事業ごとに成長余地に差が生じつつあります。このような環境下、ラクスは2026年4月のIT人材事業の事業譲渡によりクラウド事業への専業体制へ移行いたしました。 今後は、より一層成長性の高いサービスへの経営資源の重点配分を進め、確実な市場シェアの獲得と収益力の向上を図ってまいります。 ②サービスラインナップの拡充 特定のサービスへの依存度が高い状態は、将来的な成長機会やリスク分散の観点で課題となり得ます。ラクスは既存プロダクト群に加え、顧客の新たなニーズを捉えた新サービスの開発・導入、M&Aによるプロダクト獲得を推進し、事業ポートフォリオの多様化と持続的な売上成長の両立を目指してまいります。 ③営業・販売体制の強化 拡大する市場で継続的な成長を実現するためには、営業活動の質と量の両面から強化が必要と認識しております。 クラウド事業は、東京・大阪・札幌・名古屋・新潟・広島・福岡・静岡・仙台の9拠点(注2)で営業活動を行っており、今後も営業人員を増員し営業力を強化するとともに、パートナー企業や販売代理店との連携を強化することにより販路の拡大も図ってまいります。 また、中長期的には、カスタマーサクセス体制の強化を通じて顧客のサービス活用を支援し、既存顧客に対して自社プロダクトのクロスセル提案や上位プランへのアップセル等を推進いたします。これにより、顧客単価の向上、解約率の低減を通じた収益機会の最大化に努めてまいります。 ④マーケティング戦略の高度化による認知度向上 ラクスグループはこれまでインターネットやテレビ、雑誌への広告の掲載、展示会への出展や販売代理店を通じて顧客を獲得してまいりました。提供する各サービスの顧客数を拡大し、企業価値の向上を実現するにはラクス及びサービス名の認知度の向上が不可欠であると考えております。 一方、現在行っているマーケティング戦略は、時間とともに陳腐化する可能性があります。引き続き、費用対効果を見極めながら、インターネットやテレビ、雑誌などマスメディアの活用に加え、展示会への出展を推進いたします。また、オンライン・オフライン双方のチャネルを活用しながら、データ分析に基づくマーケティング精度の向上に取り組み、ブランド認知度の向上と顧客獲得効率の改善を図ってまいります。 ⑤開発力の強化 クラウドサービス市場においてサービスの機能優位性を維持していくためには、生成AIをはじめとする最新技術へのキャッチアップとプロダクトへの実装を推進するとともに、機能の改善・追加をスピーディーかつ継続的に実施していく必要があります。 ラクスグループでは、従来の国内、ベトナムでの開発に加え、2025年4月にはインドネシアに新たな開発拠点を設立する等、開発リソースの確保に注力しており、今後も開発リソースの最適化と技術力の強化を進め、プロダクトの優位性維持と顧客満足度の向上を目指してまいります。 ⑥人財の確保と育成 ラクスグループの成長のためには優秀な人財を数多く確保することが不可欠であります。そのため積極的な採用活動を継続することはもちろんのこと、労働市場において知名度の向上を図り採用力の向上に努めてまいります。 また、採用後も人的資本投資として研修制度やキャリア支援の充実、エンゲージメント向上施策を推進し、組織の競争力向上を図ってまいります。 ⑦システムの安定性とセキュリティの確保 ラクスグループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼働の確保は必要不可欠であります。安定してサービスを提供していくため顧客の増加に合わせたサーバーの増設等の設備投資を継続的に行い、システムの安定性の確保に努めてまいります。 また、災害対策に加え、ISMS(注3)、PMS(注4)等の管理体制の強化を通じて、安定稼働と情報セキュリティリスクの低減を図ってまいります。 ⑧財務基盤の強化と資本効率の向上、株主還元 ラクスグループは、営業キャッシュ・フローの増加や成長投資による資本構成の変化を踏まえ、引き続き財務の健全性を維持しながら、高い水準での資本効率維持にも取り組んでいく方針であります。資本効率面では特別損益などの一過性影響を除いて、ROE30%以上の継続を目安といたします。 また、株主還元では総還元性向20%以上を目安とし、当期1株当たり年間配当金は前年度実績を上回る水準を下限として連続増配の継続を目指してまいります。 ⑨ガバナンス・内部統制の強化 組織の拡大とともに、経営の透明性やリスク管理体制の実効性確保がより重要となります。ラクスは、取締役会及び各種委員会の運営強化、内部監査機能の充実を通じて、健全かつ透明性の高い経営体制の構築を推進してまいります。 また、サステナビリティ基本方針を最上位方針とする各種方針を制定、開示しており、年次でのレビュー及び指標・目標のモニタリングを通じた、コンプライアンスの徹底と内部統制の継続的な高度化を図ってまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 ラクスグループでは、2021年3月期を基準として、2026年3月期を最終年とする5カ年の中期経営目標を策定しており、設定されていた目標数値は以下のとおりです。 ・5カ年の売上高 : CAGR(年平均成長率)31%~32% ・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上 ・2026年3月期 純資産 : 200億円以上 当連結会計年度がその最終年となりますが、結果については、以下のようになりました。 ・5カ年の売上高 : CAGR(年平均成長率)31.4% ・2026年3月期 当期純利益 : 132億円 ・2026年3月期 純資産 : 260億円 また、ラクスグループでは、当連結会計年度終了後の2026年5月に、2027年3月期から2029年3月期の3カ年を対象期間とする、中期経営計画を策定しております。 中期経営計画ではクラウド事業に経営資源を集中し、収益性の改善に取り組むことで、成長と高収益を両立するクオリティグロースの実現を目指します。具体的には中期経営計画の最終年までにRule of 50(注5)の達成を目指してまいります。 なお、2029年3月期を最終年とする中期経営計画の目標数値は以下のとおりです。 ・クラウド事業売上高の3カ年のオーガニックグロース(注6): CAGR(年平均成長率)15%以上 ・Rule of 50の達成(2028年3月期以降) ・正社員1名当たり売上高:3,000万円以上(2029年3月期)(注7) ・特別損益等、一過性要因の影響を除いたROE:30%以上を堅持 ・株主還元:総還元性向20%以上と毎期増配の継続 (注)1.ラクスコーポレートサイトのURLは以下のとおりです。https://www.rakus.co.jp/2.2026年5月11日付で岡山営業所を設立しており、本書提出日現在では10拠点となっております。3.「ISMS」とは、Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)の略で、組織の情報セキュリティを管理するための枠組みのこと。ラクスでは一般財団法人「日本品質保証機構」によるISMS認証を2021年1月15日に登録しており、継続的に維持更新しております。4.「PMS」とは、Personal Information Protection Management Systems(個人情報保護マネジメントシステム)の略で、企業が個人情報を適切に取り扱うための枠組みのこと。ラクスでは一般財団法人「日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)」によるプライバシーマークを2006年9月5日に登録しており、継続的に維持更新しております。5.中期経営期間中にクラウド業界で投資家が注目する「Rule of 40(売上成長率と営業利益率の合計が40%を超えると望ましいとされる指標)」を上回る50%の実績を達成することを目標といたします。6.2026年4月1日付でのIT人材事業の事業譲渡に伴い、ラクスはクラウド事業の単一セグメント企業となっております。事業譲渡により、2027年3月期は連結で見た売上成長率が減速するため、クラウド事業のみを対象とした目標設定となります。また、目標数値には不確実性が高いM&Aの実施可能性は反映しておりません。2026年3月期末時点で保有していたラクスプロダクト及び中期経営期間中に自社で開発し、市場投入される新規プロダクトや追加される有償機能による達成をめざします。7.計算に当たっての正社員数は期中平均を採用いたします。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 ラクスでは、リスクの適切な管理・運営による経営の健全性を確保するために「リスク管理規程」を定めており、具体的な事象を想定し、経営に重大な影響を与える、またはその可能性が高いリスクの発生に備えております。 「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」においては、事業活動におけるマテリアリティ(重要課題)を特定し、各課題に付随するリスク及び機会を記載しておりますが、本項では、マテリアリティに記載されたリスクに加えて、ラクスの事業継続及び業績に重大な影響を及ぼす可能性のある、現時点で認識している主なリスク要因について記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要と考えられる事項については、積極的に開示してまいります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてラクスグループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。 リスク項目については、発生可能性及び影響度をそれぞれ三段階で評価しております。評価の定義は以下のとおりです。 発生可能性(高・中・低):時間軸に基づく定義で、定性的に評価 高: すでに顕在化しつつある、または1年以内(次期連結会計年度内)に発生する可能性が高い。 中: 中期経営計画の期間内(向こう2~3年以内)に発生する可能性がある。 低: 向こう3年間で発生する可能性は低いが、中長期的・突発的に発生し得る。 影響度(大・中・小):財務的インパクトに基づく定義で、定性的に評価 大: 連結売上高や営業利益に対して甚大な悪影響を及ぼす。または、事業の継続が困難となる事象。 中: 連結業績に一定の悪影響を及ぼすものの、事業の継続は可能であり、リカバリーが見込める事象。 小: 連結業績への影響は限定的または軽微であり、通常の業務範囲内で吸収可能な事象。 (1)経営環境の変化によるリスクについて (発生可能性:中、影響度:中) ラクスグループは、インターネット業界においてクラウドサービスを提供しております。現在は、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応、業務効率化・人財不足対策の観点から、企業のIT投資は一定の底堅さを維持しております。一方、景気動向の不確実性や金利上昇によるコスト意識の高まり、地政学的リスク等が顧客企業の投資判断に影響を与える可能性もあります。 このような外部環境の変動により、IT導入・更新の意思決定が先送りされるような場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 マクロ環境の変化に対する打ち手は限定的ではありますが、動向を注視し、変化に適切に対応することで、リスクの低減を図ってまいります。 (2)競合影響によるリスクについて (発生可能性:中、影響度:小) ラクスグループは、クラウドサービスの特定領域における先行者メリットと高い市場シェアを活かしつつ、顧客のニーズに合ったサービスの開発を行うことで優位性を高めております。しかしながら、クラウドサービスの新規参入の技術的な障壁は必ずしも高いものとは言えず、市場の成熟に伴い、価格競争のみならず、機能面でも競争は一層激化しております。 資金力やブランド力を有する大手企業による機能的に優れた代替製品の登場や、競合他社による積極的な顧客獲得施策がラクス顧客の解約や新規獲得の機会損失を招いた場合には、ラクスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 事業構造上、先行者メリットは大きいですが、市場動向を注視し、他社との競合においては適切な対策を施すことで、リスクの低減を図ってまいります。 (3)特定の製品への依存によるリスクについて (発生可能性:低、影響度:中) ラクスグループは、法人向けに業務効率化に貢献するクラウドサービスの提供を行っており、経費精算システム「楽楽精算」、帳票発行システム「楽楽明細」が主力サービスとして、ラクスグループの業績を牽引しております。両サービスがラクスグループの売上高に占める割合は大きく、今後、競合製品との競争激化により売上高が大幅に減少した場合には、ラクスグループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。 両サービスに続くサービスを育成し、サービスポートフォリオのバランス化を図るほか、各サービスの収益性を高めることで、依存度の低下を図ってまいります。 (4)生成AIを含む技術革新等への対応によるリスクについて (発生可能性:中、影響度:大) ラクスグループが各種サービスを提供するインターネット業界においては新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており、非常に変化の激しい業界となっております。そのため常に新しい技術要素をITエンジニアに習得させてまいりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合、ラクスグループが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また、新技術への対応のため予定していないシステムへの投資が必要となった場合、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 加えて、近年は生成AIをはじめとする人工知能技術が急速に進展しております。ラクスグループにおいても、AI技術の業務活用や製品への応用を積極的に検討・導入しておりますが、AIを活用した新規サービスの台頭や、他社による業務効率化・自動化の加速により、ラクスグループの既存サービスとの競争環境が短期間で大きく変化する可能性があります。 技術革新については、関心が高まっており、リスクと同時に大きな機会が存在します。新技術動向の把握に努め、適切に取り入れていくことで、リスクの軽減のみならず、事業成長の加速に努めてまいります。 (5)広告宣伝の費用対効果の悪化によるリスクについて (発生可能性:低、影響度:小) ラクスグループは、テレビCMを中心とした積極的な広告宣伝活動による市場認知に基づき、多くの新規顧客を獲得しております。実施による効果が事前に想定し得る期待を大きく下回った場合には、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 費用対効果を厳しく検証しながら広告宣伝費を投下することで、リスクの軽減を図ってまいります。 (6)システムトラブルによるリスクについて (発生可能性:低、影響度:大) ラクスグループは、クラウドサービスを通じて顧客に価値を提供しており、その安定的な保守・運用・管理は、インターネット通信ネットワークやクラウドインフラに強く依存しております。安定的なサービス提供のため、サーバー設備の増強や情報セキュリティ責任者が適切なセキュリティ手段を講じることで外部からの不正アクセスの回避等を行っておりますが、以下のようなシステム障害やサイバーリスクの発生時には、ラクスサービスの提供停止や顧客影響、社会的信用の毀損等により、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ①サービス提供を行っているコンピューターシステムへの急激なアクセスの増加や電力供給の停止等の予測不可能なさまざまな要因によって当該コンピューターシステム及び周辺システムが停止した場合②ランサムウェア、ゼロデイ攻撃、サプライチェーン攻撃等、高度化するサイバー攻撃によりサービス提供が阻害された場合③従業員や委託先の過誤等による、ラクスグループの提供サービスのプログラムの改ざん、重要なデータの削除や漏洩等に適切に対応できない場合 第三者機関による脆弱性診断の定期実施、ISMS等外部認証の取得を通じた内部管理体制の構築、CSIRT(シーサート)の設置、定期的な研修及び訓練の実施等を通じて、リスクの軽減を図ってまいります。 (7)情報管理体制によるリスクについて (発生可能性:低、影響度:大) ラクスグループは、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しておりますが、このような対策にもかかわらず重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、ラクスグループの社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ラクスグループでは、情報セキュリティ基本方針、個人情報保護方針を開示しており、ISMS、PMS等外部認証の取得を通じた内部管理体制の構築、CSIRT(シーサート)の設置、定期的な研修及び訓練の実施等を通じて、リスクの軽減を図ってまいります。 (8)自然災害によるリスクについて (発生可能性:低、影響度:大) クラウド事業の顧客の情報資産が格納されるサーバーは、東京都内及び大阪府内に分散管理することでリスクを分散させておりますが、データセンターやその周辺ネットワーク設備等に被害を及ぼす災害、事故等が発生し情報資産の消失またはサービスの提供が維持できない状態に至った場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ラクスグループでは、BCP(事業継続計画)シナリオに基づく大規模障害時の対応訓練実施、データ復元テストによる回復可否確認、実際のサービス運用環境とは物理的に分離されたサーバーに対する全顧客データのバックアップ、主要なサービス提供拠点とは異なる地理的ロケーションに設置されたサーバーに対する全顧客データのバックアップ等を定期的に実施することを通じて、リスクの軽減を図ってまいります。 (9)法的規制によるリスクについて (発生可能性:低、影響度:中) ラクスグループは、電気通信事業者(旧一般第二種電気通信事業者)として総務省に届出(届出番号E17-2681)を行っており、電気通信事業法に基づく通信役務の提供を行っております。現在のところ、ラクスの事業に対する同法による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、社会情勢の変化等によりラクスの事業展開を阻害する規制の強化等が行われる可能性は絶無では無く、万一かかる規制の強化がなされた場合には、ラクスグループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、会計、税務、人事労務その他の規制に関する変更により、ラクスグループが提供するサービスについて重大な修正を要した場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 法的規制の変更については、動向を注視し、速やかに対応を施すことで、リスクの軽減を図ってまいります。 (10)知的財産権によるリスクについて (発生可能性:低、影響度:中) ラクスグループによる第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っておりますが、ラクスグループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、ラクスグループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性を否定できません。この場合、損害賠償請求や使用差止請求等により、ラクスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ラクスグループでは、知的財産方針を開示しており、法務部門を中心にグループの知的財産権については適切な保護に努める一方、認識せずに他社の権利を侵害することがないように努めることで、リスクの軽減を図ってまいります。 (11)従業員及び関係者による不適切行為によるリスクについて (発生可能性:低、影響度:中) ラクスグループには多人数の従業員が在籍しており、多くの関係者が存在します。コンプライアンス体制を整えておりますが、従業員及び関係者による不適切行為が生じた場合、ラクスグループに損失が発生する可能性があります。 ラクスグループでは、コンプライアンス方針、腐敗防止方針、反社会的勢力排除に関する基本方針を開示しており、定期的なコンプライアンス講習を実施していくことで、リスクの軽減を図ってまいります。また、不適切行為によって生じた損失については、関連法規に基づいて適切に対応してまいります。 (12)特定の人物への依存によるリスクについて (発生可能性:低、影響度:中) 代表取締役社長である中村崇則は、ラクスグループの創設者であり、会社経営の最高責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめ、ラクスグループの事業推進において重要な役割を果たしております。何らかの理由により中村崇則がラクスグループの業務を継続することが困難になった場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ラクスグループは、中村崇則に過度に依存しない経営体制を整備するため、取締役間の相互の情報共有や事業部制導入による経営組織の強化を図ってまいります。 (13)人財の採用・育成によるリスクについて (発生可能性:中、影響度:中) ラクスグループは、今後の業容拡大を図る中、専門性を有する人財の採用・育成は不可欠であると認識しております。そのため人財の採用・育成を継続的に行っておりますが、人財獲得競争が激化し、優秀な人財の採用が困難となる場合や在職している人財の社外流出が大きく生じた場合、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ラクスグループでは、人権方針、DEI方針、労働安全衛生方針を開示しており、適切な人的資本管理を進めることで、リスクの軽減を図ってまいります。 (14)海外子会社によるリスクについて (発生可能性:低、影響度:小) ラクスグループは、海外子会社においてクラウドサービスの一部を開発しており、当該国の政治・経済・社会情勢の変動に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規則の変更等により当地における事業の継続が困難となる等のカントリーリスクを有しております。カントリーリスクについては顧問契約を締結している現地の会計事務所や法律事務所と情報を共有し適切に対応することでリスクヘッジを行っております。しかしながら、このようなリスクが顕在化した場合、ラクスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 海外子会社は現地でのサービス提供等は行っていないため、業績に与える直接的なリスクは限定的ですが、サービス開発に影響を及ぼさないよう、クロスボーダーでのリスク管理を図ってまいります。 (15)有価証券の価格変動によるリスクについて (発生可能性:中、影響度:小) ラクスグループでは、純投資や資本提携等を目的として有価証券を保有しており、今後も新たに取得する可能性があります。市場価格のある有価証券については、株式市場の変動などにより時価が著しく下落した場合には、評価損を計上することとしております。また、市場価格のない有価証券については、期末時点での発行会社の財務状況や今後の見通しから減損すべきだと判断した場合には、評価損を計上することとしております。このような状況になった場合、ラクスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ラクスグループでは、有価証券の取得に際して、対象企業の財務状況や事業計画等を十分に精査し、投資の妥当性を厳格に検討しております。また、取得後においても定期的に対象企業の経営状況や市場環境等をモニタリングし、リスクの早期把握に努めております。 (16)のれん及び顧客関連資産の減損によるリスクについて (発生可能性:低、影響度:中) ラクスグループは、企業買収に伴い生じたのれん及び顧客関連資産を計上しており、今後もM&Aの実施により、新たにのれん等が発生し増加する可能性があります。既存の買収案件については、買収時の収益計画と概ね相違ない進捗であり、減損を認識する必要はないと判断しているものの、今後の事業環境の変化や収益性の悪化などによる価値の毀損により、当該のれん及び顧客関連資産の減損処理を実施する場合は、ラクスの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ラクスグループでは、企業買収の検討に際して、対象企業に対する詳細なデューデリジェンスを実施し、事業計画の妥当性や投資回収の可能性を慎重に見極めております。買収後においては、早期の事業統合(PMI)を推進して計画の達成に努めるとともに、定期的に事業の進捗状況をモニタリングし、環境変化に迅速に対応する体制を構築しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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