ラクス(3923)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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ラクス(3923)の株価チャート ラクス(3923)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

  ラクスグループは、当連結会計年度末においてラクス及び連結子会社3社(注1)により構成されており、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」をミッションに掲げ、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献していきます。

  具体的には、企業の業務効率化等に貢献するさまざまなクラウドサービスを提供するクラウド事業と、システム開発、インフラ構築・運用、機械学習、品質管理を中心にITエンジニアを派遣するIT人材事業を行っています。なお、事業の区分は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(1)クラウド事業

  当事業では、経費精算システム「楽楽精算」、電子請求書発行システム「楽楽明細」、販売管理システム「楽楽販売」、勤怠管理システム「楽楽勤怠」、メール共有・管理システム「Mail Dealer」、メールマーケティングサービス「配配メール」等の、企業の業務効率化、高付加価値化に貢献するさまざまなクラウドサービスを、自社で企画・開発・運用しております。

  ITに不慣れなお客様でもマニュアルを読むことなく直感的に扱えるサービスを理想として、システム開発、Webデザイン、マーケティング、カスタマーサポート、カスタマーサクセスによる能動的な支援を一貫してグループ内で行える体制を整えております。また、営業部門やカスタマーサクセス部門が直接お客様のご要望を収集し、開発部門にフィードバックすることにより、操作性の改善や機能追加等のバージョンアップを繰り返し、お客様視点を重視した使いやすいサービスを提供しております。

 

  ラクスグループの主なクラウドサービスは次のとおりです。

① 経費精算システム「楽楽精算」

  「楽楽精算」は、経費精算に関わる業務を効率化するシステムです。経費の申請から仕訳まで一連の流れをデータ化し、書類管理に必要な時間を削減します。さらに、申請時の規定違反やミスをシステム上で防止することにより、経理担当者の確認業務が軽減され、経費精算業務の効率化を実現します。

 

② 電子請求書発行システム「楽楽明細」

  「楽楽明細」は、請求書をはじめとした帳票発行業務を効率化するシステムです。請求書の送付方法を電子データ・郵送・FAXから選択できるため導入のハードルが低く、帳票データをシステムに取り込むだけで請求書の作成・送付が完結します。電子発行した請求書は受け取り状況の確認もでき、経理担当者への負荷が大きい業務の効率化を実現します。

 

③ 販売管理システム「楽楽販売」

  「楽楽販売」は、スプレッドシートや紙で管理している販売管理業務を効率化するシステムです。データベースとワークフローを組み合わせてノーコードで簡単にカスタマイズでき、使いながら改善していくことも可能です。ルーチンワークの自動化、リアルタイムでの情報共有により業務の効率化を実現します。

 

④ 勤怠管理システム「楽楽勤怠」

  「楽楽勤怠」は、勤怠管理業務を効率化するシステムです。自動アラートで誤りを通知し、ミスのない勤怠データを収集。休暇取得状況を同時に管理し勤怠データの統合作業が不要となっています。また、顧客企業の独自ルールや法律に則り、残業時間の自動集計が可能。有給休暇・残業時間の状況をリアルタイムに確認し、タイミングを指定した通知も可能としており、人事・労務担当者の業務効率化を実現します。

 

⑤ メール共有・管理システム「Mail Dealer」

  「Mail Dealer」は、メールでの問い合わせをチーム内で一元管理・共有することで、カスタマーサポート業務を効率化するシステムです。返信の重複や対応漏れといったミスを削減し、対応履歴の一覧化によりスムーズな引継ぎを行えます。

 

⑥ メールマーケティングサービス「配配メール」

  「配配メール」は、メールマーケティングを効率化するシステムです。グループ別や属性別に配信が可能で、クリック数のカウント、開封チェック、レポートのグラフ表示等、メールマーケティングの効果測定に不可欠な分析機能も備えています。開封チェック機能を活用して追加でメールを送る機能もあり、効果測定機能を活用したメールマーケティングの効率化を実現します。

 

(2)IT人材事業

  当事業では、ITエンジニアに特化した正社員派遣サービスを提供しております。その特長は、創業時に事業としていたITエンジニアスクールの人材育成ノウハウを最大限に活用し、体系的かつ継続的にITエンジニアの品質を向上させることです。また、営業担当、育成担当が定期的に開催される社内研修やイベント等を通じてITエンジニアとのコミュニケーションを密にとることにより、個々の特性を理解した上で、顧客企業のニーズに対して最適な提案を行っております。この仕組みによりラクスサービスの高付加価値化と稼働率の向上を実現しております。

 

  ラクスグループの提供する派遣サービスは次のとおりです。

① システム開発

  顧客企業のWebアプリケーション開発を中心としたシステム開発支援を行っております。具体的には、システム開発の全ての工程(基本・詳細設計、コーディング、単体・結合テスト、ドキュメント作成)に対してサービスを提供しております。

 

② インフラ構築・運用

  顧客企業のサーバー構築、ネットワーク構築、サポート保守業務支援を行っております。特に、Linux/Unix(注2、3)系サーバー技術全般と、TCP/IP(注4)等のネットワーク技術全般、ならびにAWS(注5)等の主要クラウドサービスを活用したインフラ構築・運用業務に強みを持っております。また、インフラの設計構築、運用設計、保守・運用、監視等、各種の工程へサービスを提供しております。

 

③ 機械学習

  人工知能(AI)、ディープラーニング、機械学習関連プロジェクトに対して、機械学習モデルの構築、データ分析やデータ前処理、分析基盤構築などの工程を支援する人材サービスを提供しております。

 

④ 品質管理

  顧客企業のシステムやアプリケーションに対して、テスト計画からテスト設計、実施にわたる品質管理業務をテスト技法やテストツール、自動化ツールを用いて支援する人材サービスを提供しております。

 

(注)1.2025年4月9日付でインドネシア現地法人、PT. Reformasi Kerja Solusiを設立しており、本書提出日現在の連結子会社数は4社となっております。

2.「Linux」とは、1991年にフィンランドのリーナス・トーバルズ氏が開発したUnix互換のオープンソースOSである。サーバー、スーパーコンピューター、スマートフォンなど幅広い機器の基本ソフトウェアとして採用されている。

3.「Unix」とは、1969年に米国AT&T社ベル研究所で開発されたOSである。その設計思想を継承した派生OSが多数存在し、これらを総称してUnix系OSまたはUnixライクOSと呼ぶ。

4.「TCP/IP」とは、インターネット通信の標準プロトコル群であり、TCP(Transmission Control Protocol)が信頼性制御を、IP(Internet Protocol)が経路制御を担う。現在のインターネット通信の基盤となっている。

5.「AWS」とは、米国Amazon.com, Inc.が提供するクラウドコンピューティングサービス群であり、仮想サーバー、ストレージ、データベース、AIなどをオンデマンドで提供する。

[事業系統図]

(注)PT. Reformasi Kerja Solusiは、当連結会計年度末において連結子会社ではありませんが、2025年4月9日付でラクスの完全子会社として設立されているため、事業系統図に記載しております。


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  ラクスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてラクスグループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

  ラクスグループは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」というミッションを掲げております。私達は、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献してまいります。さらに、行動指針として以下の「リーダーシッププリンシプル」を掲げ、長期ビジョンである「日本を代表する企業になる」ことの達成を目指しております。

 

(リーダーシッププリンシプル)

自分自身の会社だと思う

 リーダーは自分自身が会社のオーナーであると考えます。そのため常に当事者意識をもって事にあたります。優先すべきことは会社が長期にわたって継続的に成長していく事です。もし上司や役員が自社の成長にとってマイナスの意思決定をしていると感じた場合には、強い意思をもって意見を言います。

 

全体最適視点をもつ

 リーダーは会社全体の成長にとって何が大切かを常に考え行動します。自分の部署やチームだけの利害にこだわりません。活動を最適化するために、他部署の情報も積極的に収集します。

 

誠意をもって人と接する

 リーダーは周囲の一人一人に対して誠意をもって話を聞きます。自分や会社の立場だけではなく、相手の立場にもたって物事を考えます。相手が納得感を持った上で双方が望む方向へ導くよう最大限努力します。

 

学習し成長し続ける

 リーダーは自分の目的にとって必要な新しい知識や経験を得るために貪欲に努力します。常に最新の情報にふれ知識をアップデートします。競合や他業界の優れた企業から積極的に学び、それを自社の成長のために活かします。

 

小さく試して大きく育てる

 リーダーは新しい試みを積極的に行います。新しい試みは、それが実際に機能するかどうか分かりません。仮説が本当に正しいかどうか、小さな範囲、小さな予算からスタートし実証を行います。取捨選択を行いながら範囲や予算を拡大していき、最終的に大きく育てます。

 

費用対効果を考える

 リーダーは予算執行の権限を持ちます。すべての予算は、それが費用対効果にみあっているのか検証される必要があります。予算執行をする際には、会社のお金だからという安易な気持ちを決してもちません。

 

やるべきことを実行する

 リーダーは、やるべき事が何なのかを常に考えます。自分がやりたい事ではなく、顧客や組織の課題を解決するために必要な事を実行します。

 

他者の考えを受け入れる

 リーダーは自分の考えと異なることがあった場合でも、それを素直に受け止めます。自分自身への健全な疑いを持ち、本当に正しい事が何なのかを第三者的な視点で考えます。もし自分が間違っていると気づいた時には素直にそれを認め、より正しい状態へ向かうために常に努力します。

 

失敗を許容する

 リーダーは周囲の人の仮説をたてた上での失敗を許容します。知識としては知っている事でも実際に経験しないと分からないことが時にあります。失敗は大きな学びの機会であると考え、それを活かすよう促します。

 

考えている事を言葉で伝える

 リーダーは自分自身の考えを必ず言葉で伝えます。自分が考えている事は、言葉以外では伝わりません。浸透しない場合は、伝わるまで丁寧に繰り返し伝えます。

 

結果にこだわる

 リーダーはゴールを意識し達成するために最善を尽くします。困難があってもそれに立ち向かい妥協しません。また万が一を想定し、常に次善の策をイメージしておきます。

 

(2)経営戦略等

  ラクスグループが競争力を高め、持続的な成長を実現するための施策として、ラクスの成長を牽引している「楽楽精算」「楽楽明細」「楽楽販売」をはじめとした「楽楽シリーズ」にリソースを重点的に配分します。その他のサービスについては競争優位性と市場の成長性を勘案した上で、利益貢献を重視しながら適切にリソースを配分することにより、ラクスグループ全体の持続的な事業成長を目指してまいります。

 

(3)経営環境

  ラクスが所属する情報通信サービス市場においては、人手不足や働き方改革の影響からデジタルトランスフォーメーションによる業務効率化を推進する企業が増加する等、IT投資への意欲は引き続き旺盛に推移しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  インターネットは経済活動を支えるインフラとして不可欠なものとなっており、ラクスグループが提供しているクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスは今後も需要が拡大するものと予測されます。

  ラクスグループの更なる成長を実現するため、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

①  成長サービスへの集中・強化

  クラウドサービス市場は、今後も規模が拡大すると予測されておりますが、一方で新規参入の増加、サービスの飽和等が進むものと考えております。

  ラクスグループは今後も継続的に事業を拡大するため経営資源を成長サービスに集中させ、それぞれの分野において一定の市場シェアを獲得することで収益の拡大に努めてまいります。

 

②  認知度の向上

  ラクスグループはこれまでインターネットやテレビ、雑誌への広告の掲載、展示会への出展や販売代理店を通じて顧客を獲得してまいりました。提供する各サービスの顧客数を拡大し、企業価値の向上を実現するにはラクス及びサービス名の認知度の向上が不可欠であると考えております。

  引き続き、費用対効果を見極めながら、インターネットやテレビ、雑誌などマスメディアの活用に加え、展示会への出展を通じて、更なる認知度の向上に努めてまいります。

 

③  営業力の強化

  クラウド事業では、東京・大阪・札幌・名古屋・新潟・広島・福岡の7拠点で営業活動を行っており、今後も営業人員を増員し営業力を強化するとともに、パートナー企業や販売代理店との連携を強化することにより販路の拡大も図ってまいります。

  また、中長期的には、既存顧客に対しても、ラクスグループの他のサービスを追加で提案していく販売アプローチを進め収益機会の最大化に努めてまいります。

  IT人材事業は、派遣先での業務を通じてITエンジニアのキャリアアップを行い、提供するサービスの高付加価値化を行う事業であり、多くの案件を常に確保し、ITエンジニアの成長機会を提供することが不可欠であります。そのため営業担当者が顧客のニーズを引き出し、最適なマッチングを行うことで継続的な案件確保に努めてまいります。

 

④  開発力の強化

  クラウドサービス市場においてサービスの機能優位性を維持していくためには機能の改善・追加をスピーディーかつ継続的に実施していく必要があります。

  ラクスグループでは、従来の国内開発に加え、ベトナムに開発拠点を設立する等開発リソースの確保に注力してまいりました。今後も国内外を問わず開発力の強化に努めてまいります。

 

⑤  マーケティングの強化

  現在クラウド事業において行っているマーケティング戦略は、時間とともに陳腐化する可能性があります。そのため新たなマーケティング手法を取り入れ、得られたデータを分析し販売力の強化に努めてまいります。

 

⑥  サービスラインナップの強化

  ラクスグループは、法人向けに業務効率化に貢献するクラウドサービスとして、多様なサービスを提供するサービスポートフォリオ管理を特色としております。

  サービスラインナップを拡充することで、主力サービスである経費精算システム「楽楽精算」への依存度を低下させるとともに、新たな事業成長の機会を確保し、持続的な成長の実現を目指してまいります。

 

⑦  人材の確保

  ラクスグループの成長のためには優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。そのため積極的な採用活動を継続することはもちろんのこと、労働市場において知名度の向上を図り採用力の向上に努めてまいります。

 

⑧  システムの安定性の確保

  ラクスグループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼働の確保は必要不可欠であります。安定してサービスを提供していくため顧客の増加に合わせたサーバーの増設等の設備投資を継続的に行い、システムの安定性の確保に努めてまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  ラクスグループは1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標として掲げております。1株当たり利益(EPS)を中長期で大きく伸長させていくために、成長投資を強化して売上高の拡大を目指してまいります。

 

 現在取り組んでいる中期経営目標において、成長投資強化期間中は高い売上高成長を優先いたしますが、最終年度に向けて投資効率を見極め、営業利益率を継続的に向上させることで、1株当たり利益(EPS)の持続的伸長を目指してまいります。

 

 なお、中期経営目標数値は以下のとおりです。

 ・5カ年の売上高      : CAGR(年平均成長率)27%~30%
 ・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上
 ・2026年3月期 純資産   : 200億円以上

 

 売上高CAGRにつきましては、足元の数値を踏まえ、上限、下限ともに引き上げます。

見直し後の、中期経営目標数値は以下のとおりです。

 ・5カ年の売上高      : CAGR(年平均成長率)31%~32%

 ・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上

 ・2026年3月期 純資産   : 200億円以上

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

  ラクスグループの事業においてリスクの要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

  なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてラクスグループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1)経営環境の変化について

  ラクスグループは、インターネット業界においてクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスを提供しております。現在は顧客企業のIT投資マインドの上昇を背景として事業を拡大しておりますが、今後国内外の経済情勢や景気動向等の理由により顧客企業のIT投資マインドが減退するような場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合他社による影響について

  ラクスグループのクラウド事業では先行者メリットを活かしつつ、顧客のニーズに合ったサービスの開発を行うことで優位性を高めております。しかしながらクラウドサービスの新規参入の技術的な障壁は必ずしも高いものとは言えず、資金力、ブランド力を有する大手企業をはじめとする競合他社により類似したサービスが開発され価格競争が激化した場合には、ラクスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)特定の製品への依存リスクについて

  ラクスグループは、法人向けに業務効率化に貢献するクラウドサービスの提供を行っており、経費精算システム「楽楽精算」(2024年3月期 売上:14,446百万円)が主力サービスとして、ラクスグループの業績を牽引しております。「楽楽精算」がラクスグループの売上高に占める割合は大きく、今後、競合製品との競争激化により売上高が大幅に減少した場合には、ラクスグループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)技術革新等への対応について

  ラクスグループが各種サービスを提供するインターネット業界においては新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており、非常に変化の激しい業界となっております。そのため常に新しい技術要素をITエンジニアに習得させてまいりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合ラクスグループが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また、新技術への対応のため予定していないシステムへの投資が必要となった場合、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

  また、会計、税務、人事労務その他の規制に関する変更により、ラクスグループが提供するサービスについて重大な修正を要した場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)ITエンジニア派遣市場の動向について

  現在、多様なインターネットサービスの登場や企業の情報システム化に伴い国内ITエンジニア派遣市場は活況を呈しておりますが、企業によるシステム開発の内製化、人件費や事業コストの安い新興国の企業・人材を活用して開発コストを削減するオフショア開発がラクスグループの想定する以上に急激に進んだ場合、及び、主要な派遣先の業績不振等により派遣受入ニーズが減退した場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)主要な取引先の喪失の可能性について

  IT人材事業においては数十名規模のチームで派遣を行う場合もあり、その結果1社当たりの売上額が大きい取引先が存在します。取引先とのコミュニケーションを頻繁にとることで取引先のニーズに合った人材を派遣し顧客満足度の向上に努めておりますが、何らかの原因によりそれらの取引先の喪失があった場合、ラクスグループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

 

(7)システムトラブルによるリスクについて

  ラクスグループはクラウドサービスを提供しており、同サービスの保守・運用・管理は通信ネットワークに依存しております。安定的なサービス提供のため、サーバー設備の増強や情報セキュリティ責任者が適切なセキュリティ手段を講じることで外部からの不正アクセスの回避等を行っておりますが、以下のシステム障害が発生した場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

①サービス提供を行っているコンピューターシステムへの急激なアクセスの増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によって当該コンピューターシステム及び周辺システムがダウンした場合。

②コンピューターウィルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合。

③従業員の過誤等によって、ラクスグループの提供サービスのプログラムが書き換えられたり、重要なデータが削除された際、事態に適切に対応できず信用失墜や損害賠償による損失が生じた場合。

 

(8)法的規制によるリスクについて

①クラウド事業について

  ラクスグループは、電気通信事業者(旧一般第二種電気通信事業者)として総務省に届出(届出番号E17-2681)を行っており、電気通信事業法に基づく通信役務の提供を行っております。現在のところ、ラクスの事業に対する同法による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、社会情勢の変化等によりラクスの事業展開を阻害する規制の強化等が行われる可能性は絶無では無く、万一かかる規制の強化がなされた場合には、ラクスグループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

  また、インターネットの普及に伴い、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダー責任制限法)」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」及び「特定商取引に関する法律」等の法令が整備されておりますが、今後、これらの法律による規制の強化、関連業者を対象とした新たな法的規制等が制定された場合、ラクスグループの業務が一部制約を受け、ラクスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②IT人材事業について

  ラクスグループのIT人材事業においては、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という。)により規制されているため、ラクスは同法に基づき厚生労働大臣の許可を受け、一般労働者派遣事業を行っております(派遣:派13-310802、紹介:13-ユ-309573)。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行うもの(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事項に該当したり、法令に違反した場合には、事業許可の取り消し、又は業務の停止を命じる旨を定めています。ラクスでは、社員教育の徹底、内部監査等による関連法規の遵守状況モニター、取引先の啓蒙等により、法令違反等の未然防止に努めていますが、万一ラクス役職員による重大な法令違反等が発生した場合、ラクスグループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(9)特定の人物への依存について

  代表取締役社長である中村崇則は、ラクスグループの創設者であり、会社経営の最高責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめ、ラクスグループの事業推進において重要な役割を果たしております。

  ラクスグループは、中村崇則に過度に依存しない経営体制を整備するため、取締役間の相互の情報共有や事業部制導入による経営組織の強化を図っております。しかしながら、何らかの理由により中村崇則がラクスグループの業務を継続することが困難になった場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(10)人材の採用・育成について

  今後の業容拡大を図る中で、各事業において、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であると認識しております。そのため人材の採用・育成を継続的に行っておりますが、今後各事業において人材獲得競争が激化し、優秀な人材の採用が困難となる場合や在職している人材の社外流出が大きく生じた場合、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(11)情報管理体制について

  ラクスグループは、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しておりますが、このような対策にもかかわらず重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、ラクスグループの社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(12)知的財産の侵害におけるリスクについて

  ラクスグループは、提供しているサービスの名称について商標登録申請をしております。また、第三者の知的財産の侵害の可能性については、法務担当及び顧問弁護士並びに弁理士等を通じて事前調査を行い対応しております。しかしながら、万が一、ラクスグループが第三者の知的財産権を侵害した場合、ラクスグループへの損害賠償請求やロイヤリティの支払要求、使用差止請求等が発生し、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(13)海外子会社について

  ラクスグループは、海外子会社においてクラウドサービスの一部を開発しており、当該国の政治・経済・社会情勢の変動に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規則の変更等により当地における事業の継続が困難となる等のカントリーリスクを有しております。カントリーリスクについては顧問契約を締結している現地の会計事務所や法律事務所と情報を共有し適切に対応することでリスクヘッジを行っております。しかしながら、このようなリスクが顕在化した場合、ラクスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)自然災害について

  クラウド事業の顧客の情報資産が格納されるサーバーは、東京都内及び大阪府内に分散管理することでリスクを分散させておりますが、データセンターやその周辺ネットワーク設備等に被害を及ぼす災害、事故等が発生し情報資産の消失又はサービスの提供が維持できない状態に至った場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、災害、事故等によりIT人材事業における派遣先の重要な設備が損壊し事業活動の停止もしくは事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、ラクスグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(15)有価証券の価格変動リスク

  ラクスグループでは、有価証券を保有しておりますが、市場価格のない株式等以外の有価証券については、株式市場の変動などにより時価が著しく下落した場合には、評価損を計上することとしております。また、市場価格のない有価証券については、期末時点での発行会社の財務状況や今後の見通しから減損すべきだと判断した場合には、評価損を計上することとしております。このような状況になった場合、ラクスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)のれんの減損による影響について

 ラクスグループは、企業買収に伴い生じたのれんを2024年3月期末時点で1,696百万円計上しております。買収時の収益計画と概ね相違ない進捗であり、減損の兆候はないと判断しているものの、収益性の悪化などによる価値の毀損により、当該のれんの減損処理を実施する場合は、ラクスの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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