(1)事業の概要
スタメングループ(スタメン及びスタメンの関係会社)は、スタメン(株式会社スタメン)、連結子会社2社、非連結子会社1社により構成されております。
スタメングループは、「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」というスタメンの経営理念をグループビジョンとして、主要サービスであるエンゲージメントプラットフォーム「TUNAG(ツナグ)」及びオンラインコミュニティプラットフォーム「FANTS(ファンツ)」を軸として事業拡大を進めてまいりました。そして、創業事業であるエンゲージメントプラットフォーム「TUNAG」を通じて得た知見を活かし、100%子会社である「株式会社STAGE」を2021年に設立し、エンゲージメント経営を人材採用の視点から支援する新しい人材紹介事業の運営を開始しました。また、意思決定の迅速化のため、100%子会社である「株式会社スタジアム」を2023年1月に設立し、「FANTS」の更なる事業展開を進めております。2023年2月にはクラウドセキュリティサービス「Watchy(ウォッチー)」(旧名称:漏洩チェッカー)の提供」の提供を開始しました。
(2)スタメングループのサービスについて
①従業員エンゲージメント事業「TUNAG(ツナグ)」
エンゲージメントプラットフォーム「TUNAG」は企業のエンゲージメント向上を通じて、企業活動を支援するSaaS(Software as a Service)(注1)モデルのプラットフォームサービスです。エンゲージメントとは「会社と従業員」のタテの相互信頼関係、及び「従業員同士」のヨコの相互信頼関係が確立されている状況と定義づけており、待遇や環境など与えられるモノの上に成り立つ従業員満足度とは異なる概念であります。信頼関係を土台とするエンゲージメントについては、業績指標や離職率との相関関係が報告されております(注2)。
エンゲージメントの向上、組織改善を行なっていくためには、①現状の課題を明らかにした上で、②それに対して適切な施策を設計し、③さらに設計した施策を継続的に実施していくという3つのステップが必要となります。「TUNAG」は、それぞれのステップに対して「エンゲージメントサーベイ」「専属のカスタマーサクセス担当による支援」「社内制度運用クラウド」というソリューションを提供できるエンゲージメント向上へのワンストップサービスとなっております。
(Step.1)エンゲージメントサーベイ
組織の現状を可視化するために、組織のエンゲージメントを診断するアンケートをクラウドツールで提供しております。診断するアンケートはスマートフォンやパソコンから短時間で回答することが可能であり、診断レポートがクラウドツールから自動生成され、その結果から課題を数値化する事で、(Step.2)の施策の企画・設計における優先度や狙いを明確化することができます。回答結果は部署毎、役職毎など、様々なセグメント分類が可能であるほか、定期的なサーベイの実施により、回答結果の推移を比較することも可能となります。
(Step.2)専属のカスタマーサクセス担当による支援
エンゲージメントを向上するためには、「会社理解・共感」「上司や仲間との関係」「承認欲求」など様々な要素に対してアプローチしていくことが必要になります。「TUNAG」ではそのアプローチを「社内制度(注3)」として具現化し、専属のカスタマーサクセス担当が「TUNAG」上で運用が自走化するまで支援します。スタメンの専任スタッフは数十社の企業に対して組織改善施策を企画、設計した経験に加えて、全社で蓄積された企業の制度設計・運用に関するノウハウを元に、組織課題に合わせた社内制度の企画・設計・提案を行います。
(Step.3)社内制度運用クラウド
社内改善施策の課題として、設計された社内制度が現場に浸透せず、運用施策の自走フェーズに至る前に形骸化してしまうことが挙げられます。「TUNAG」では、そういった事態を防止する仕組みを組み込んだクラウドツールを提供しております。なお、スタメンのサービスは、アマゾンウェブサービス(AWS)のクラウド上に構築しております。
「TUNAG」のクラウドツール上では、社内制度が一元的に見える化されており、従業員が利用しやすい環境を提供しております。社内制度が利用されたときには、利用した場所、一緒に参加した従業員、写真などの内容がタイムラインに投稿として自動で共有され、それを見た他の社員との新たなコミュニケーションを発生させるとともに、さらなる社内制度の利用を促します。こうして投稿が蓄積されていくことで、次第に、社内文化の構築、浸透が進んでいきます。また、組織単位の運用状況については、人事担当者が直感的に把握することのできる分析ダッシュボードを提供しており、分析ダッシュボードでは施策の活用度合いや各種ランキング、部署役職ごとのセグメント分析などが可能となっています。
以上の3つのステップを通じて、社内の様々なステークホルダーが、「TUNAG」を媒介として有機的につながり、組織のエンゲージメント向上につなげていきます。
②コミュニティエンゲージメント事業(FANTS)
オンラインコミュニティプラットフォーム「FANTS」は、「TUNAG」が保有する組織運営・組織活性化に有用な多数の機能をコミュニティ向けに拡張・再構築し、2020年5月より提供を開始いたしました。
入退会・課金・投稿管理等、オンラインサロンの開設に必要な機能をワンストップで提供するプラットフォームサービスとなっており、プロスポーツチーム、ミュージシャンやアーティスト、タレントや著名人、レジャー施設、YouTuber、協同組合、スクールや習い事など、幅広いカテゴリーのコミュニティにおいて、エンゲージメント構築を支援しております。
③クラウドセキュリティサービス(Watchy)
2023年2月より提供を開始した、クラウドセキュリティサービス「Watchy」は、社用コンピューターの管理・監視により、IT資産管理、情報漏洩対策、労務管理などをサポートするクラウドセキュリティサービスです。企業のDX化と働き方の多様化という2つの大きな社会変化に対応するために、これまでの既存のIT資産管理では実現できていなかった「簡単」「シンプル」「リーズナブル」の3つの特徴を強みとして、情報システム担当者がご不在の企業さまにも不安なく使っていただけるサービスを提供しています。
④人材紹介事業(STAGE)
人材紹介事業「STAGE」は、エンゲージメント経営を人材採用の視点から支援する新しい人材紹介事業として2022年1月から本格的に事業を開始しました。会社と社員、社員同士の相互の信頼関係である「社内エンゲージメント」やカルチャーマッチを重視し、入社前から入社後の1年間のフォローアップをすることで、ユーザーが新しい会社で活躍できるような採用支援サービスを提供しています。
(3)スタメンのビジネスモデル
「TUNAG」及び「FANTS」はともにクラウド上で提供するサービスの対価を利用期間に応じて受領するサブスクリプションモデルを採用しており、アカウント数に応じた料金体系となっております。月額利用料をストック収益として積み上げていくことで、継続的な顧客接点にもとづくサービスの向上と安定収益基盤の拡大を目指しております。
「TUNAG」につきましては、政府主導で“働き方改革”が推進されている国内において、“エンゲージメント経営支援”という独自の切り口を提案すること、また「組織課題の解決」という企業経営の根幹を事業領域としていることにより、「TUNAG」はサービス提供開始以降、業種・業態を問わず利用企業数を拡大しております。また、継続ライセンスの蓄積により、売上高ストック比率(「TUNAG」の売上高に占める、利用料やオプション等の月額収益の割合)についても高水準を維持しております。
「FANTS」につきましても、サブスクリプションサービスや国内ソーシャルメディアマーケティングが高い成長性を示している中、注力マーケットの見直し等の戦略変更や、人材採用による体制強化により、運営コミュニティ件数は増加し、売上高の成長性は上昇基調に回帰しています。2022年7月より直営コミュニティによる売上をストック収益に含めて計上していることから、売上高ストック比率については、変動が大きい状況にありますが、運営コミュニティの新規開拓やプロダクトの機能開発を加速化し、引き続き、幅広いジャンルやカテゴリーでのコミュニティ運用を推進することで、ストック収益を積み上げて、収益の安定化を図り、売上高ストック比率(「FANTS」の売上高に占める、利用料等の月額収益や直営コミュニティ収益の割合)についても高水準を維持していく方針です。
(利用企業数及び売上高ストック比率の推移)
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2022年 |
2023年 |
2024年 |
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1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
||
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TUNAG |
利用企業数(社) |
452 |
483 |
526 |
570 |
605 |
651 |
711 |
767 |
819 |
888 |
972 |
1,055 |
|
売上高ストック 比率(%) |
87.7 |
94.8 |
92.6 |
93.1 |
91.8 |
92.7 |
92.7 |
91.3 |
93.1 |
92.3 |
93.0 |
92.6 |
|
|
FANTS |
利用サロン数(サロン) |
181 |
131 |
135 |
129 |
126 |
130 |
140 |
140 |
136 |
151 |
166 |
187 |
|
売上高ストック比率(%) |
84.5 |
70.0 |
81.6 |
77.4 |
67.6 |
56.7 |
71.9 |
78.4 |
62.7 |
46.4 |
48.4 |
43.7 |
|
(注)利用企業数及び運用コミュニティ数は各四半期末時点の数となります。また、売上高ストック比率は各四半期会計期間における売上高の合計より算出しております。
新規顧客獲得についても、「TUNAG」及び「FANTS」は共通しており、Web広告、イベント出展、架電などの自社の営業活動によるものとパートナー(注4)からの顧客紹介によるものがあります。さらに、「TUNAG」においては、これらに加えてテレビCMやタクシー広告による集客も行っております。現時点の契約の大半は自社活動によるものであり、マーケティング活動の強化や導入実績の蓄積により、問い合わせ件数の増加につなげております。パートナーからの顧客紹介については、成約となった場合、月額利用料等の一部を販売手数料として継続的に支払い、更なる顧客紹介につなげております。
(注1) SaaSとは、ソフトウエアをインターネット等のネットワーク経由で、利用者がサービスとして利用する状況を指します。
(注2) エンゲージメントに関する代表的な調査として、以下の2つがあげられます。なお、「エンゲージメント」に関する統一的な定義はないため、「エンゲージメント」「従業員エンゲージメント」など若干表現に差異があります。
① アメリカの経営・人事管理コンサルティング会社であるCEB社(Corporate Executive Board)の2004年のレポート「Driving Performance and Retention Through Employee Engagement」によると、従業員エンゲージメントの高い従業員の12ヶ月以内の離職可能性率は1.2%にとどまり、従業員エンゲージメントの低い従業員の離職率は9.2%と高くなっています。
② アメリカのコンサルティングファームである2012年のウイリス・タワーズワトソン社の調査『2012Global Workforce Study』によると、エンゲージメントの低い企業群、エンゲージメントが高い企業群の1年後の業績指標に3倍もの差が見られることが明らかになっています。
(注3) 社内制度とは、社内で期待する行動やコミュニケーションを形にしたものの総称であり、感謝の気持ちを送りあう「サンクスメッセージ」や、自らの業務情報を共有する「日報」など、福利厚生に類するものから業務関連のものまで幅広く含み、現在でも多くの企業で実施・運用されています。
(注4) 「TUNAG」においては業界特化型コンサル企業、採用サービスの営業代理店、ビジネスマッチングを手がける金融機関等、「FANTS」においては芸能事務所や業界関係者等とパートナーシップや事業連携に関する契約を締結しております。
[事業系統図]
①エンゲージメントプラットフォーム「TUNAG」
②オンラインコミュニティプラットフォーム「FANTS」
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてスタメングループ(スタメン及び連結子会社)が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営の基本方針
スタメングループは、「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」というスタメンの経営理念をグループビジョンとして、世の中に良い影響力を与えるサービスを、「期待を超える=感動」のエッセンスに徹底してこだわり、提供していくことを企業のミッションとしております。
(2)目標とする経営指標等
持続的な成長を目指していくため、主な経営指標として売上高、営業利益を特に重視しております。また、従業員エンゲージメント事業及びコミュニティエンゲージメント事業はBtoB・SaaS・サブスクリプション型のビジネスモデルであるため、KPI(Key Performance Indicators)として、利用企業数・運用コミュニティ数、利用企業・運用コミュニティの平均月額収益、売上高ストック比率等を重要指標として運営を行っております。
(3)経営環境及び経営戦略
経営環境につきまして、スタメングループが従業員エンゲージメント事業として提供している「TUNAG(ツナグ)」及びコミュニティエンゲージメント事業として提供している「FANTS(ファンツ)」ともに、成長性の高い市場を領域に属していると認識しております。
「TUNAG」につきましては、テクノロジーの進化や働き方に対する価値観の変化が急激に進むこの時代に、事業や会社の長期的な成長を左右するのは「人と組織」の強さと捉えて、企業と従業員、そして従業員同士の相互信頼関係であるエンゲージメントの高い会社作りを推進するサービスを展開しております。生産年齢人口の減少が続き、人材定着や離職改善への意識は今後一層高まっていくことが予想され、最近のHR Tech※1の展示会でエンゲージメントにフォーカスしたサービスが取り扱われ、また、エンゲージメント関連の書籍の出版も増えております。
「FANTS」につきましても、SNSの発達によって個人による情報発信の機会が広がる中で、オンラインサロン市場が拡大しております。サロンの開設者としても著名人からSNS上でフォロワーが多い一般人等に広がり、利用者としても若年層・ネットユーザーを中心に認知度を高めております。
また、「TUNAG」が属する国内のSaaSモデルサービス市場は、2023年度に1兆4,000億円を超え、2027年度には2兆990億円へと拡大すると予測されており※2、「FANTS」が属するサブスクリプション・サービス市場は、2022年度に1兆円を超え、2024年度には1兆2,422億円へと拡大すると予測されております※3。
※1 人事・人材領域におけるテクノロジーを活用したサービスの総称。
※2 富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」による。
※3 矢野経済研究所「2022 サブスクリプション・定額サービス市場の実態と展望」による。
その中で、スタメングループは、「企業向けのエンゲージメント市場」と「コミュニティ向けのエンゲージメント市場」の2つのエンゲージメント領域で、企業向け、コミュニティ向けの異なる市場を開拓することで、グループで培ったノウハウを活かし、多面的な収益拡大を図ってまいります。
① 国内市場における顧客基盤の拡大
国内市場においては、売上高成長率の最大化を最優先とし、「TUNAG」、「FANTS」の契約企業数・平均MRRの成長を進めてまいります。
「TUNAG」においては、注力業界の策定、プロモーションの強化、アライアンスの強化による契約企業数の拡大と、1,000名以上のアカウント数の契約企業の拡大、アップセル・クロスセルの拡大、ユーザーコミュニティの活性化による平均MRRの伸長に注力し、売上高成長率の最大化を進めてまいります。
「FANTS」においては、人材採用の加速とオフィス移転による体制強化、プロダクトの機能拡張、総合的なコミュニティ運営サポートの強化を推進し、オンラインコミュニティ市場の拡大を図ります。
② 更なるノウハウの活用
「企業向けのエンゲージメント市場」と「コミュニティ向けのエンゲージメント市場」の2つのエンゲージメント領域で、企業向け、コミュニティ向けの異なる市場を開拓することで、グループで培ったノウハウを活かし、多面的な収益拡大を図ってまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
さらなる成長を実現するため、対処すべき課題は以下のとおりであると認識しております。
① 人材の確保と組織力の強化
持続的な事業継続には、事業拡大に対応できる人材の採用を継続し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。経営理念や行動指針に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、社内のエンゲージメントを高め、社員が早期に活躍できるよう社内施策の整備や環境構築に努めてまいります。
② 新規契約獲得力の強化
スタメングループは、TUNAG・FANTSそれぞれのサービスにおいて、テレマーケティングやダイレクトメールなどの「アウトバウンド活動」と、パートナー開拓や広告プロモーションなどによる「インバウンド活動」を組み合わせながら、営業活動を行っています。今後も、営業人員の増員や教育体制の整備を行いながら、TUNAGにおける金融機関やFANTSにおける芸能事務所など、それぞれのサービス特性に合わせたパートナーの開拓や広告プロモーションの強化を行いながら、マーケットシェアの拡大を図ります。
③ 継続率の確保
導入顧客における効果最大化のため、サービス利用を支援するカスタマーサクセス部門の新規採用や教育体制の整備を行うことで、高い継続率の維持に取り組みます。加えて、顧客企業における効果の最大化のみならず、顧客間のネットワークを形成することにより、外部への広告・宣伝効果を創出し、新規顧客の開拓の効率化を図ります。
④ 技術革新への対応
インターネット業界においては常に技術革新が起こっており、顧客ニーズに対応する技術をいち早く取り込むことが競争優位性を維持していく要因となります。スタメングループは、顧客ニーズに対応すべく、外部サービスとの連携を含め、新たな技術を吟味しながら、サービス機能の拡充に努めてまいります。
⑤ 情報管理体制
スタメングループは、顧客及びその従業員に関する個人情報を多く預かっており、その情報管理を強化していくことが重要な課題であると認識しております。現在も情報管理については細心の注意を払っておりますが、子会社を含めたセキュリティの確保や社内体制の整備を継続してまいります。
⑥ 新規事業による収益基盤の強化
スタメングループのエンゲージメントプラットフォーム事業は、国内の「働き方改革」や「DX」への注目を背景に、サービスを拡大しており、今後もこの傾向は続くものと考えております。
今後の技術革新や急速な景気変動に対して、当該事業内においても企業を中心とするTUNAGとコミュニティを中心とするFANTSで補完関係を形成しておりますが、人事領域やサブスクリプション型にとらわれない事業の創出など、スタメングループ全体で更なる収益基盤の強化を行ってまいります。
⑦ 利益の定常的な創出
スタメングループの収益モデルは、サービスが継続して利用されることで収益が積み上がっていくストック型のビジネスモデルですが、収益を積み上げていくために費用が先行して計上されるという特徴があります。一方で、事業拡大に伴う人件費、採用費、広告宣伝費等の費用については、顧客基盤の拡大に伴い売上高に占める比率を低減させていくことが可能となるため、今後の新規顧客獲得活動や継続率の確保により、収益性の向上に努め、利益を定常的に創出できる体制を目指す方針であります。
⑧ 感染症への対応
新型コロナウイルス感染症による新規感染者数は、当連結会計年度においても一定水準を維持して推移しましたが、スタメングループはウェビナーやWeb商談などオンライン体制の構築により、増収を継続することができました。
今後も感染症や自然災害等の有事の際にも販売活動及びサービス提供を継続できるよう体制の整備や、新規事業による収益源の多様化を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がスタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてスタメングループが判断したものであります。
(1)事業環境に関するリスク
① 経営環境の変化について
スタメングループが運営するエンゲージメントプラットフォーム事業は企業を主要顧客としており、働き方改革やDX推進などのITに関する投資マインドの向上により、顧客企業を増やしてまいりましたが、顧客企業のIT投資マインドが減退するような場合には、新規契約数の減少をはじめ、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
② 技術革新について
スタメングループが事業展開しているインターネット関連市場は、技術革新や新サービスの登場が頻繁に生じる業界であります。スタメングループにおいても、最新の技術動向について、勉強会やセミナーなど外部有識者からの情報収集を行いつつ、新たな技術分野に明るい人材の採用や社内における教育体制の整備に努めております。しかしながら、技術革新の変化に適時に対応できない場合、または、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について
スタメングループが運営するエンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」を提供する人事領域において、クラウドサービスを提供する競合企業が大手・中小問わず増え続けております。その中において、「TUNAG」は、「組織課題の解決」をソリューションとしており、育成、人事、労務管理、採用といった顧客側で導入されている人事領域のサービスとは直接競合せず、かつ連携※する形で導入を推進することができるとスタメンは考えております。
※例えば、他社の組織診断結果を元にした社内制度の導入、趣味嗜好等も盛り込んだ人材データベースの構築、日報・勤怠報告の運用、リファラル採用等の協力を発信等
また、導入企業の増加による運営ノウハウの蓄積も、競合サービスに対する優位性の確保に寄与するものと考えております。しかしながら、他社による類似サービス提供による価格競争の激化や予期しないサービスの登場などにより、新規契約数や既存顧客の解約数が増加する可能性などスタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
④ 感染症や自然災害について
スタメングループが運営するエンゲージメントプラットフォーム事業は、企業の従業員やコミュニティの会員が利用するサービスになるため、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症の拡大や自然災害により、顧客及びスタメングループ従業員における勤務状況の変化や顧客企業・団体の経営状況の悪化により、新規導入の延期や中止などに及ぶ可能性があります。また、展示会の中止や顧客への訪問制限など、営業活動に影響を及ぼす可能性があります。当事業がストック型の収益モデルであることに加え、有事の際にもサービスの提供や営業活動が行うことのできる体制整備、新規事業による収益源の多様化により、リスクの低減をすすめておりますが、想定を超える災害が発生した場合には、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容及びスタメングループサービスに関するリスク
① 解約について
スタメングループサービスの利用企業に対するサブスクリプション型の売上につきまして増加傾向を続けておりますが、顧客企業の利用状況や経営環境の変化などの理由により、毎年一定の解約が発生しております。予算及び事業計画においても一定の解約数を織り込んでおりますが、想定を超える解約が発生した場合には、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
② 特定の製品への依存について
スタメングループの売上高の大部分が、エンゲージメント経営プラットフォーム「TUNAG」により構成されております。コミュニティ運営プラットフォーム「FANTS」を2020年5月に提供を開始するなど、「TUNAG」に依存しない収益基盤の構築を進めてまいりますが、上記(1)のとおり環境変化や技術革新、競合企業の新規参入などにより、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③ システムトラブルについて
スタメングループが顧客に提供しているアプリケーションは、クラウドという特性上、インターネットを経由して行われており、インターネットに接続するための通信ネットワークやインフラストラクチャーに依存しております。安定的なサービスの運営を行うために、サーバー環境の増強、セキュリティの強化、システム管理体制の構築等により、システム障害に対する備えをしております。しかしながら、大規模なプログラム不良や自然災害、事故、不正アクセス、その他何らかの要因によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、社会的信用の失墜等により、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
④ 重大な不具合について
スタメングループの提供するソフトウエアはアップデートを継続的に実施しており、厳しい品質チェックを行った上で顧客への提供を行っておりますが、提供後に重大な不具合(バグ等)が生じ、信用の失墜、損害賠償責任が発生した場合、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報管理体制について
スタメングループでは、業務に付随して顧客企業に関する個人情報を含む多数の情報資産を取り扱うため、役員及び従業員に対して情報セキュリティに関する教育研修を実施しております。また、個人情報に関して、スタメンではプライバシーマークを取得し、個人情報の保護に関するマネジメントシステムを整備・運営しており、その他の情報資産及びグループ各社においてもその運用を準用する等、情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、何らかの理由により重要な情報資産が外部に漏洩するような場合には、スタメンの社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 広告宣伝活動等の投資について
スタメングループの各事業において、新規顧客の獲得は重要な活動であり、認知度の向上及び潜在顧客層の開拓のため広告宣伝活動を実施してまいりました。これまでWEB広告を中心としておりましたが、今後はマスメディアへの展開なども積極的に実施していく方針であります。媒体の選定に際しては、効果予測及び検証を行ったうえで慎重に実施してまいりますが、スタメングループの想定する新規顧客数が獲得できない場合は、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 新規事業について
スタメングループはこれまで主として人事領域に事業展開をしてまいりましたが、事業規模の拡大と収益源の多様化に向けて人事以外の領域において新規事業を行っていく方針であります。ただし、新規事業につきましては、予め成長性やリスクを十分に調査・検討し実行してまいりますが、安定収益を創出するには一定の期間と投資を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、新規事業が想定していた成果を上げることができなかった場合、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(3)組織体制に関するリスク
① 社歴が浅いことについて
スタメングループは2016年1月に設立された社歴の浅い会社であるため、期間業績比較を行うために十分な期間の財務情報を得られず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報として不十分な可能性があります。
② 人材の確保や育成
スタメングループが今後事業を拡大していくためには、人材の確保、育成が重要であると認識しております。しかしながら、スタメングループが求める優秀な人材の採用が滞る、社内の人材の流出が進むといった場合には、新規顧客の営業活動の減少や既存顧客へのサービス水準の低下などにより、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制の構築について
スタメングループは、健全な成長を続けるためには、コーポレートガバナンスと内部管理体制をさらに強化する必要があると認識しております。コーポレートガバナンスに関しては、経営の効率性、健全性を確保すべく、監査等委員会の設置や内部監査及び内部統制システムの整備によりその強化を図っておりますが、事業の拡大ペースに応じた人員増強や育成、体制の構築に遅れが生じた場合、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制及び知的財産権等に関するリスク
① 知的財産権について
スタメングループは、提供するサービスの名称につき商標登録を行っており、将来実施していくサービスについても同様に商標登録を行っていく方針であります。また、他社の知的財産権につきましても、侵害のないよう顧問弁護士等と連携し対応を講じております。しかしながら、スタメングループの知的財産権の侵害やスタメンの他社知的財産権の侵害を把握しきれずに、何らかの法的措置等が発生した場合、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報保護について
スタメングループは、提供するサービスに関連して個人情報を取り扱っているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。スタメングループは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、アクセスできる社員を限定するとともに、「個人情報保護規程」等を制定し、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びにスタメンに適用される関連ガイドラインを遵守しております。
また、スタメンはプライバシーマークを取得しており、グループ各社においてもその運用を準用する等、個人情報の保護に関するマネジメントシステムを整備・運営しておりますが、何らかの理由によりスタメングループが保有する個人情報等に漏洩、改ざん、不正使用等が発生した場合、スタメングループの社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
③ その他訴訟等について
スタメングループは本書提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はございませんが、事業活動の遂行過程において、取引先及び従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しています。これらの手続は結果の予測が困難であり、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの手続においてスタメングループの責任を問うような判断がなされた場合には、社会的信用の毀損や多額の費用の発生により、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
また、スタメングループがプラットフォーム事業を行う中で、サービス利用者による法令や公序良俗に反するコンテンツの設置等の不適切な行為が行われる場合、問題となる行為を行った当事者だけでなく、取引の場を提供する者として責任追及がなされる可能性があります。
(5)その他
①新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
スタメングループでは、役員及び従業員等に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しており、当連結会計年度末現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は2.4%となっております。これらの新株予約権が行使された場合には、スタメンの株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
②税務上の繰越欠損金について
スタメングループは、2023年12月31日時点において税務上の繰越欠損金を有しております。繰越欠損金は、一般的に将来の課税所得から控除することが可能であり、将来の税額を減額することができますが、今後の税制改正の内容によっては、納税負担額を軽減できない可能性もあり、その場合はスタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。また、繰越欠損金が解消された場合、通常の税率に基づく法人税等が発生し、スタメングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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