日本情報クリエイトは、「人と未来とデジタル技術を結ぶ真の価値を創造し、社会に貢献する」を経営理念に掲げ、不動産業界に対し、一気通貫のITソリューションとして複数のクラウドサービスを提供しております。これにより、顧客の生産性および収益性の向上に寄与しております。
中期ビジョンとして「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を掲げており、家賃保証会社や金融機関、修繕業者などの関連事業者を含む多くのパートナー企業と連携し、個別企業の支援にとどまらず、不動産業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する事業活動を展開しております。
日本情報クリエイトの主な顧客は不動産管理会社(注1)および不動産仲介会社(注2)(以下、併せて「不動産会社」という。)であります。加えて、価値ある情報と情報技術の提供を通じて、不動産会社のみならず、その先にいる消費者の支援も事業領域として位置付けております。
(注1)不動産管理会社とは、不動産の貸主に代わり賃貸物件の管理・維持を行うことを主な役割とする会社であります。管理・維持のためには、集金管理、入居者管理、更新・解約・精算、建物管理等の業務を行います。
(注2)不動産仲介会社とは、家主と入居希望者の間に入り、不動産物件の仲介をすることを主な役割とする会社であります。不動産仲介会社は、家主や不動産管理会社からの依頼を受けて、空室の入居者を募集し、入居者を決め、賃貸借契約の締結等の業務を行います。不動産仲介業務を行うためには、宅地建物取引業の免許が必要であり、当免許を取得して不動産の取引業を営む業者を宅地建物取引業者(宅建業者)といいます。
日本情報クリエイトは、不動産業界DX化促進に向けた業務支援クラウドサービスの提供を中心に事業を展開しております。提供するサービスは不動産仲介業務の支援となる「仲介ソリューション」と賃貸管理業務の支援となる「管理ソリューション」の2つに分類されます。
「仲介ソリューション」とは、物件情報の仕入れから、集客、申込み、重要事項説明(重説)、契約に至るまでの不動産仲介業務全体を支援するクラウドサービス群であり、顧客の業務効率化、収益性向上に貢献することを目的としております。
商品ラインナップとして、業務の入り口となる物件情報の仕入れ業務を支援するソリューションとして、業者間物件流通サービス「リアプロBB」を提供しております。また、同様のラインナップとして、「リアプロ」もございます。日本情報クリエイトは、この2つのサービスで顧客基盤を拡大し、他有償サービスのクロスセルを実施しております。なお、2025年5月28日に「不動産BB(旧サービス)」と「リアプロ」の統合を実施し、新たに「リアプロBB」となりましたが、統合時に、システム障害やデータ欠損など複数の不具合が発生いたしました。そのため「リアプロ」については統合前の状態に切り戻しており、現在は「リアプロBB」と「リアプロ」2つのサービスが稼働している状況です。また、統合に関わる一連の事象による顧客への負担に対して、謝意として1ヶ月分(2025年6月分)のサービス利用料の請求を停止し、既に入金いただいている方には返金の対応を実施いたしました。
切り戻し以降は2つのサービスともに安定的に稼働しており、これまで同様、エリア別の顧客獲得を進めております。
その他の有償サービスとしましては、不動産ポータルサイトでの集客支援となる「物件データ連動」、自社ホームページ制作支援ツール「WebManagerPro」、非対面でオンライン上での入居申込み、重要事項説明、不動産契約に対応した「電子入居申込サービス」「IT重説」「電子契約サービス」があります。これらのサービス群を通じて、仲介業務における幅広いプロセスに対応することが可能となり、業務全体の最適化と顧客の業務効率・利便性の向上に貢献しております。
「管理ソリューション」とは、賃貸管理業務全体に対応するクラウド型の業務支援サービス群であり、「仲介ソリューション」と同様に、顧客の業務効率化および収益性向上に貢献することを目的としております。主な商品ラインナップとしては、賃貸管理業務を幅広く網羅した管理システムである「賃貸革命」を提供しております。「賃貸革命」は、契約情報、請求・入金の管理、オーナーへの送金業務など、煩雑な業務をシステム上で自動化、データ管理することにより、業務の大幅な効率化を実現します。その他の有償サービスとしましては、不動産会社の経営を支援する「経営分析オプション」、入居者とのコミュニケーションツールである「くらさぽコネクト 入居者アプリ」、家主(オーナー)とのコミュニケーションツールである「くらさぽコネクト オーナーアプリ」を提供しております。また、日本情報クリエイトが持つ不動産データを活用したサービスとして、オーナー向けの提案レポートを自動生成する「オーナー提案AIロボⅡ」を提供しております。同サービスにはAI査定も搭載しており、より高度な提案活動を支援しております。
日本情報クリエイトはこの「仲介ソリューション」「管理ソリューション」を提供することによって不動産会社に対して広範囲での業務効率化を実現し、不動産業界全体のDX化を推進しております。
日本情報クリエイトの事業セグメント、サービス分類、主要な製品・サービスの体系を図示すると以下のとおりであります。
<日本情報クリエイトの事業セグメント、サービス分類、主要な製品・サービスの体系>
販売経路は、直接販売(直販)、販売店経由があります。
(直販)
日本情報クリエイトが顧客である不動産会社に対して直接販売し、日本情報クリエイトと不動産会社の間でソリューションサービスの提供および保守サービス等の契約を締結します。
(販売店経由)
販売店とは、日本情報クリエイトの製品を利用する不動産会社を紹介する者であり、日本情報クリエイトと販売店契約を締結しております。販売店から不動産会社を紹介いただいた後、日本情報クリエイトは販売店に対してソリューションサービスを提供し、販売店から対価を受領します。なお、保守サービス等については、日本情報クリエイトと不動産会社の間で契約を締結します。
また、上記の販売店の他、保守サービスも日本情報クリエイトの代理で不動産会社に提供する形態(代理店)も一部あります。
日本情報クリエイトの不動産業務支援事業における特徴は以下のとおりです。
(1) 不動産業務支援サービスをワンストップで提供
日本情報クリエイトは、不動産会社に対して、不動産会社が行う物件在庫管理、入居者募集業務、契約管理、家賃・入送金管理、入居者・建物保全管理等の業務を支援するサービスをワンストップで提供しております。
不動産業務支援サービスをワンストップで提供することにより、顧客ニーズに網羅的に対応できるのみならず、顧客にとっては、日本情報クリエイトの製品・サービスを業務全体でご利用いただくことでデータの連携により商品間のシナジーが生まれ、更に利便性を高めることが可能となります。それにより、製品・サービスの解約率に関しても、安定した低い数値を維持することができております。
① 仲介ソリューション
a.業者間物件流通サービス
業者間物件流通サービスの主要な製品・サービスは「リアプロBB」および「リアプロ」であります。
「リアプロBB・リアプロ」
当サービスは、仲介を行う不動産会社の業務の中核(他社への共有、物件仕入れ)を担うサービスであり、これまで紙面・FAX・電話でのやりとりが主流であった物件情報の共有をインターネット上で行うことができ、24時間いつでも情報の更新・確認ができることから、双方が効率的に仲介を行える業者間物件流通のプラットフォームとなっております。日本情報クリエイトはこの2つのサービスで日本全国の物件情報のデジタル化を図りつつ、事業成長に向けた顧客基盤拡大を推進しております。
※「リアプロ」は2022年にM&Aによってラインナップに追加となったサービスであります。
b.仲介業務支援サービス
仲介業務支援サービスは「リアプロBB」「リアプロ」によって業者間で共有されている物件情報を二次活用できるサービスであります。二次活用のサービスとしては、不動産会社の集客方法である自社ホームページを作成するためのシステム「WebManagerPro」とポータルサイト連携システム「物件データ連動」、賃貸借契約における電子取引を支援する「非対面仲介サービス」「電子入居申込サービス」「電子契約サービス」があります。
「WebManagerPro」
当サービスは、複数の標準テンプレートとCMS機能により、パーツを組み合わせていくことで不動産ホームページが作成できるレスポンシブ対応のホームページ制作ツールであります。掲載する物件情報は「リアプロBB」と連携することができ、掲載情報もリアルタイムに更新可能となっております。
※CMSとは、Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の頭文字をとった略称であり、専門知識が無くとも、Webサイトの作成・更新等が行えるシステムのことを言います。
「物件データ連動」
当サービスは、不動産ポータルサイトへの掲載を効率的に行えるシステムであります。不動産ポータルサイトへの掲載を希望する不動産会社は「リアプロBB」上で掲載したい物件を選択し、掲載の指示を行うことで掲載が可能となります。また、「物件データ連動」を利用することにより複数の不動産ポータルサイトへの一括掲載も可能となり、効率的に集客業務を行うことが可能であります。なお、掲載する場合、事前に不動産ポータルサイトとの事前契約が必要となります。
「非対面仲介サービス」、「電子入居申込サービス」
当サービスは、従来は対面で行うことが常識とされていた物件探しから入居申込み、重要事項説明までの一連の手続きをすべて非対面で実現可能とするソリューションです。具体的には、Web上で内見ができる「Web内見」、入居申込みに関するやり取りを非対面で行う「電子入居申込」、重要事項説明書の説明が非対面で対応できる「IT重説」を提供しております。これらのサービスを通じて、入居希望者と不動産会社との間に新たなコミュニケーションの在り方を提案しており、物件紹介から入居申込み、重要事項説明に至るまでの業務をすべてデジタル上で一元的に管理・運用することが可能となります。その結果、不動産会社の業務効率化と入居希望者の利便性向上の両立を実現しています。
「電子契約サービス」
当サービスは、これまで書面への押印が必要であった不動産契約をオンライン上で実現するサービスであります。2022年5月に施行された宅地建物取引業法改正により不動産契約における書面への押印義務が撤廃され、電子サインによる契約が正式に認められるようになりました。日本情報クリエイトではこの法改正に先立ち、2021年11月より「電子契約サービス」の提供を開始。これにより、顧客は従来の契約書ひな型をそのまま活用しながら、オンライン上での契約締結が可能となり、業務のデジタル化・ペーパーレス化による経費削減を実現することができます。
② 管理ソリューション
a.管理業務支援サービス
「賃貸革命」
当サービスは、不動産管理会社がオーナー(家主)に代わって実施する一連の業務を支援するサービスであります。具体的には、入居者との契約締結、家賃の入金管理、入金集計後のオーナー送金、契約更新や解約手続きなど、煩雑な業務を効率的かつ網羅的に支援する基幹業務システムであり、また、業務で頻繁に使用される200種類以上の帳票(書類)があらかじめ用意されており、導入後すぐに利用可能であります。業務で発生する契約情報や入金情報などは、すべてシステム内のデータベースに蓄積されていくため、契約更新時の情報参照や過去データの管理にも優れており、長期運用に適したシステムとなっております。
提供方法としては、オンプレミス版(注1)とクラウド版(注2)の2パターンがあり、顧客のニーズに応じて選択していただいております。クラウド版では、外出先や自宅からのアクセスにも対応しており、テレワークや在宅勤務といった多様な働き方に柔軟に対応できます。また、自社サーバーの設置やインストール作業が不要なため、導入コストの抑制やスピーディな運用開始にもつながります。
(注1)オンプレミス版とは、顧客ごとにサーバーを設置したうえで、顧客のパソコンに日本情報クリエイトの管理業務支援サービスをインストールしていただき、顧客自身がサーバーやシステムを運用するものになります。
(注2)クラウド版とは、顧客のパソコンに日本情報クリエイトの管理業務支援サービスをインストールせず、インターネット上に仮想サーバーを設置してサービスをネットワーク経由で提供するものになります。
「オーナー提案AIロボⅡ」
当サービスは、日本情報クリエイトが持つ不動産ビッグデータとAIを駆使することで、賃貸住宅ごとに異なる高度な「満室戦略レポート」をWeb上で作成できる不動産管理会社の営業支援DXサービスです。空室に困るオーナーへの提案、信頼獲得により、不動産管理会社は管理戸数拡大につなげることが可能です。
b.消費者支援サービス
「くらさぽコネクト」
当サービスは、入居者アプリとオーナーアプリの2種類を提供しており、スマートフォンやタブレットなどの端末でご利用いただけるコミュニケーション支援アプリであります。
入居者アプリは、不動産会社と入居者との間のやり取りを非対面・リアルタイムで実現するコミュニケーションツールであります。具体的には、契約更新や物件メンテナンスのお知らせ、請求のご案内等を入居者に通知することが可能です。また、入居者からもチャット形式で問い合わせを行うことができ、手続きの簡略化に繋がります。
オーナーアプリは不動産会社と不動産オーナーとをつなぐコミュニケーションアプリであり、オーナーへの月次報告書の送付、年間収支報告、物件巡回の結果連絡、問い合わせ対応等、オーナーへの報告をオンライン上で行うことができるサービス内容となっております。
(2) 自社一貫体制による迅速かつ本質的な製品開発の推進
日本情報クリエイトは、製品の企画、開発、販売、サポートに至るまでを一貫して自社内で実施する体制を整備しております。この一貫体制により、製品開発における社内連携が円滑に進むとともに、顧客からの改善要望に対しても、迅速かつ的確な対応が可能となっております。また、単に顧客のニーズを反映するのではなく、その背景や真の目的を把握した上で本質的な価値を見極め、製品開発に反映することを基本方針としております。これにより、日本情報クリエイトは常に高付加価値なシステムを顧客に提供する体制を構築しております。
(3) 多様かつ複雑な不動産業務に対応する製品力の確立
日本情報クリエイトの製品は、不動産業務支援の豊富なノウハウを集約しており、テクノロジーの進化や法改正に対応して継続的な改善・強化を行っております。顧客視点を重視した開発を推進し、顧客からの改善要望はバージョンアップに反映させることで、製品力の向上に努めております。これにより、全国の不動産会社で幅広く活用される、高い対応力を持つ製品として評価をいただいております。
(4) 営業による地域密着型コンサルティングおよびサポート体制
日本情報クリエイトは、顧客満足度の向上を目的として、営業による地域密着型のコンサルティングおよびサポート体制を重視しております。営業活動においてはオンラインも活用しますが、最終的な提案は営業コンサルタントが現地訪問のうえ実施いたします。不動産業務は複雑であり、顧客と共に課題を整理し解決策を導き出すプロセスが重要であります。このプロセスを通じて顧客は最適なソリューションを獲得し、結果として満足度向上に寄与しております。また、日本情報クリエイトは全国に拠点を展開し、地域特有の慣習や運用に即した適切なアドバイスを提供するとともに、緊急時には迅速な訪問サポートを可能としております。これにより、顧客の安心と満足の向上に繋げております。
■拠点一覧(日本情報クリエイト株式会社):2025年6月30日現在
(5) 専門知識を有する自社社員によるサポート体制
日本情報クリエイトは、顧客が製品を最大限に活用できるよう、初期導入支援、コールセンターでの操作案内、及び現地のシステムアドバイザーによる定期的なフォローを実施しております。サポート体制は主に専門知識を有する自社社員で構成されており、業界動向や製品知識の継続的な更新に努めております。加えて、これまで蓄積した顧客からの問い合わせデータを活用し、よくある質問に対応するAIチャットボットを導入することで、迅速な対応とサポートスタッフの生産性向上を図っております。
(6) 低い解約率とストック型ビジネスによる安定した財務基盤
日本情報クリエイトの不動産業務支援事業で提供する製品・サービスは、その利便性が高く評価され、継続的にご利用いただいており、2025年6月期末では解約率が0.4%に留まっております。また、2025年6月期における日本情報クリエイト全体収益の約78%がストック型収益で構成されており、イニシャル収益を大きく上回っております。今後も安定した新規顧客の獲得を継続することで、日本情報クリエイトの財務基盤はより一層の安定成長が期待されます。
(注)月次解約率の四半期平均を記載しております。
月次解約率:既存契約の月額課金額に占める、解約に伴い減少した月額課金額の割合
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
[事業系統図]
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本情報クリエイトグループが判断したものであります。
(1)会社の中期ビジョン・経営の基本方針
①中期ビジョン
「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を中期ビジョンとして掲げ、不動産領域で真の価値を創造し、日本情報クリエイトグループに関わる全ての人の幸福実現を目指しております。
②経営の基本方針
イ.不動産業務支援サービスをワンストップで提供する。
ロ.自社開発からアフターサポートまでの一貫したサービスを提供する。
ハ.付加価値の高い商品を開発・提供する。
ニ.お客様と真摯に向き合う営業、サポートを行う。
(2)中長期的な会社の経営戦略
日本情報クリエイトグループが掲げる中期ビジョン「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」の達成に向けて、2024年6月期通期決算発表と同時に、中期経営計画である「新中期経営計画(FY2025-FY2027)」を発表しております仲介ソリューションと管理ソリューション共に成長を掲げるなかで、特に仲介ソリューションの成長を推進し、シェアを拡大することを明記しております。
※詳細は日本情報クリエイトIRサイトで公開している「2024年6月期 通期決算及び新中期経営計画(FY2025-FY2027)について」(2024年8月6日)にてご確認いただけます。
①業績成長計画(FY2025-FY2027)
3カ年の業績成長計画では、売上高の高い成長に加え、利益面でも高い増益率となるよう計画をしております。まず、成長のベースとなるのは、ストック売上の比率であり、2024年6月期時点で全体売上の約73%がストック売上となっております。解約率が低いことから、このストック売上の比率は毎年高まっており、「新中期経営計画(FY2025-FY2027)」の最終年度には約86%まで上昇させることを想定しております。
②ソリューション別成長テーマ
「新中期経営計画(FY2025-FY2027)」において、仲介ソリューションでは「シェア拡大」、管理ソリューションでは「シェア拡大及び深化」のテーマを掲げております。
仲介ソリューションにおいては、今年の秋にリリースされる業者間物件流通サービス「不動産BB」と「リアプロ」の統合版となる「リアプロBB」を中心として、仲介サービスのシェア拡大を図ってまいります。具体的には業者間物件流通サービスによって築いた全国約5万事業者の不動産仲介事業者に、空室データを活かした集客・成約の支援となるクラウドサービスを拡販してまいります。
管理ソリューションにおいては、業界内でシェアの高い「賃貸革命」をベースに、新規顧客を開拓しつつ、既存顧客へのアップセル・クロスセルに注力してまいります。具体的には「賃貸革命」ユーザーの稼働率を高め、顧客の成長状況に応じて適切なオプションの提案を推進してまいります。
データベースを活かした新規事業の推進に向けては、日本情報クリエイトが持つ商品ラインナップ・不動産データを活かした領域での事業拡大を検討しております。日本情報クリエイトが持つ不動産データは一般的な募集データではなく、不動産管理会社が持つリアルなデータです。これらのデータを活用したサービスとして、賃貸住宅の賃料および空室率に関する指標(インデックス)「CRIX」の販売を開始しております。不動産市況の分析にご活用いただける内容であり、すでに、アマゾン ウェブ サービス上でサードパーティーデータを簡単に検索し利用できるサービス「AWS Data Exchange」を通じて有償でのデータ提供を開始しております。また、AIの活用も進んでおり、2023年8月にリリースした「空室対策ロボ」では、不動産データを活用したAI査定機能も搭載しております。
③顧客の細分化とエリア戦略の推進
営業施策としては、顧客の細分化、エリア戦略、一気通貫の商品ラインナップで顧客の囲い込みを推進してまいります。本戦略は全国30拠点、現地コンサルティングの効率的な活動に向けて、営業モデルの開発、顧客セグメントの切り分け、エリア戦略等を推進するものであります。また、インサイドセールス・カスタマーサクセスチームを活用した効率的な反響獲得、顧客支援も強化しており、顧客獲得に向けた盤石な体制を築いております。さらなるシェア拡大に向けて、引き続き体制を強化してまいります。
市場環境として、現在の不動産業界の労働生産性は他の業界に比して低く、その格差は広がりつつあります。したがいまして不動産テック業界自体は拡大傾向にあり、不動産事業者によるIT投資市場は今後飛躍的な拡大が見込まれます。更に、以下外部環境の変化によって不動産業界のDX化は加速していくことが予想されます。
・デジタル改革関連法案成立によりDX化が加速
・不動産業界における就労者の高齢化と慢性的な人材不足
・賃貸住宅管理業適正化法による賃貸管理業務支援市場の活性化
・宅建業者の新規開業は毎年6,000社以上(デジタルネイティブ世代の開業)
今後も、不動産業者と関連性の高い、入居者・オーナー向けサービスの強化や、空室対策におけるサービスの強化、修繕領域でのソリューション、BPOサービスの提供など、日本情報クリエイトがこれまで積上げてきた強みを活かして不動産業界のDX化を推進してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
高品質なサービスを安定的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、売上高の対前年増加額、収益性については経常利益の対前年増加額を重要指標としております。
(4)経営環境
日本情報クリエイトにおける経営環境については、「第2 事業の状況4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の記載をご参照ください。
(5)対処すべき課題
当連結会計年度も、日本情報クリエイトの強みである一気通貫の業務支援クラウドサービスを顧客に提供し、不動産業界全体のDX化を推進してまいりました。このような中、日本情報クリエイトが対処すべき主な課題は、以下のとおりであります。
① 業者間物件流通サービスによるスピーディな顧客基盤の拡大
日本情報クリエイトの成長を加速するためには、業者間物件流通サービスの利用者数を増やし、顧客基盤を拡大させていくことが重要であると認識しております。日本情報クリエイトの業者間物件流通サービスは「不動産BB」とM&Aによってラインナップに加わった「リアプロ」の2つのサービスがあり、サービス統合に向けて現在開発中であります。今年秋にリリースを予定しており、サービスの統合をキーに一弾の成長を図ってまいる所存であります。
② 営業戦略の推進と生産性向上
日本情報クリエイトグループの成長戦略の一つである全国30拠点、地域密着型のコンサルタントを活かしたマーケットシェア拡大を実現するためには、エリアや顧客のセグメントに合わせた営業施策および、既存の営業社員のさらなる戦力強化が重要であると認識しております。また、生産性向上に向けては、インサイドセールス・カスタマーサクセスを活用した顧客からの反響対応の改善や、営業部門全体での蓄積されたナレッジの共有等を行い、改善を図ってまいります。
③ 既存事業の強化
新規顧客および既存顧客へのアップセル・クロスセルによる業績の拡大に向けては、既存事業である仲介ソリューション、管理ソリューションの商品強化が重要であると認識しております。市場の変化、法改正、顧客から得た情報を十分に活かし、商品のリニューアル、またはバージョンアップに向けて商品強化を推進してまいります。
④ AI・ビッグデータを活用した新規事業
日本情報クリエイトグループは、AI・ビッグデータを活用し、新規事業の強化を進めていくことが重要であると認識しております。日本情報クリエイトグループが持つ膨大な物件情報・入居者属性のデータは、不動産市場における消費者の行動分析や購買分析、投資家に向けた資産価値の評価など、分析手法によって多数のアプローチが可能な内容になっております。すでに賃貸住宅の賃料および空室率に関する指標(インデックス)「CRIX」の販売やAI査定を搭載した「空室対策ロボ」でのデータ活用を開始しております。不動産業界への新たなソリューション提供および不動産業界DX化の加速実現に向けて、日本情報クリエイトグループでは引き続き研究開発等、活動を推進してまいります。
⑤ 市場拡大・新規開業企業への対応
国土交通省の報告によれば、宅建業者数は微増で推移しており、法人業者数は増加傾向にあります。また、毎年6,000社以上の事業者が新規開業を行っており、その度に設備投資による商談の機会が創出されております。不動産事業へのソリューションを提供する日本情報クリエイトとしては、新規開業事業者に向けて、販売の強化を行っていくことが重要であると認識しております。営業拠点からの活動だけでなく、Webマーケティングによるプロモーション活動やカスタマーサクセス部隊による活動等、様々な角度から販売を強化し、課題解決に向けて取り組んでまいります。
(出典:不動産適正取引推進機構 令和4年度末 宅建業者と宅地建物取引士の統計について 「宅地建物取引業者数の推移」)
以下については、日本情報クリエイトグループが事業を運営するにあたりリスク要因となる可能性があるものを記載しております。また、投資家および株主に対する積極的な情報開示の観点から、日本情報クリエイトグループとしては必ずしも特に重要なリスクと考えていないものも記載しております。
日本情報クリエイトグループとしては、これらのリスクをあらかじめ十分に把握したうえで、発生の予防並びに対処に万全を期す所存でありますが、投資判断につきましては本項記載以外のものも含めて慎重に検討していただきたいと思っております。また、これらのリスク項目は、当連結会計年度末現在において、日本情報クリエイトグループが判断したものであり、発生の可能性のあるリスクの全てを網羅するものではありません。
(1)業界および顧客の動向に関するリスク
日本情報クリエイトグループは、不動産業界に特化した不動産管理システム等の開発・販売を行っており、日本情報クリエイトグループ製品・サービスの最終ユーザーは不動産業界に集中している状況にあります。不動産業界の中でも不動産取引業、不動産賃貸・管理業等に応じた製品・サービスを提供しておりますが、不動産業界全般の景気や、不動産業界におけるシステム投資の状況によって、日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績は影響を受ける可能性があります。また、今後において、不動産業界に対する規制環境の変化や業界各社の対応に何らかの変化が生じた場合、同様に日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響が生じる可能性があります。
(2)競合他社や技術革新により日本情報クリエイトグループの製品・サービスが陳腐化するリスク
日本情報クリエイトグループが属する業界においては、技術革新のスピードが速く、その急激な変化に対応するために、開発部門では既存製品の改良および研究開発に取り組んでおります。しかしながら、想定以上の技術革新により新技術および新サービスが普及した場合には、日本情報クリエイトグループが提供する製品・サービス等が陳腐化し、日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、日本情報クリエイトグループの競合先との競争激化による製品価格の引下げや競合他社製品の性能強化が進んだ場合、同様に日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制について
現時点において、日本情報クリエイトグループ事業そのものを規制する法的規制はないものと認識しておりますが、情報サービス業界の変革は激しいことから、今後新たな法令等の整備が行われる可能性は否定できず、当該内容によっては、日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、不動産に関わる分野におけるインターネット上の情報流通や表示項目等が規制の対象になる可能性もあり、その場合には日本情報クリエイトグループの事業が制約される可能性があります。
(4)製品・サービスにおける不具合・瑕疵等について
日本情報クリエイトグループは、製品・サービスの開発過程において、ソフトウエアにかかる厳格な試験を実施すること等により不具合・瑕疵等の解消および発生防止に努めておりますが、製品・サービスの投入後において重大な不具合・瑕疵等が発見された場合には、その対応のため多大なコストが発生するほか、日本情報クリエイトグループ製品・サービスに対する信頼性を著しく毀損する可能性があり、日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の確保に関するリスク
日本情報クリエイトグループ事業の継続的な発展および急速な技術革新への対応およびサービスの普及には、優秀な人材の確保および育成が不可欠であることから、技術者および営業人員(カスタマーコンサルタント)を中心とした採用および育成に努めており、今後も積極的に強化を図っていく方針であります。今後において人材採用が困難となる場合、または在籍する人材の流出が生じた場合、日本情報クリエイトグループ事業の円滑な運営および拡大に支障をきたす可能性があります。加えて、優秀な人材を確保・維持しまたは育成するための費用が増加する可能性もあり、これらに起因して、日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)情報セキュリティに関するリスク
日本情報クリエイトグループでは、事業活動を通じて顧客が保有する取引先情報や個人情報等の機密性の高い情報を取得することがあります。このような機密性の高い情報を適切に管理するため、ISMS(ISO27001)認証を取得し、「情報セキュリティ管理規程」や「個人情報保護基本規程」等の社内規程に基づいた情報管理に関する社内ルールの周知徹底をはかり、従業員に対する情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、外部からの不正アクセス、システムの欠陥や障害、機密情報の取り扱いにおける人的過失、従業員の故意等による情報の漏洩、消失、不正利用等が発生した場合、対応次第では、信用の失墜を招き、更には損害賠償の対象となることも考えられます。そのような場合には、日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)システム障害に関するリスク
日本情報クリエイトグループでは、インターネットへの接続環境を有するユーザーを対象に製品・サービス開発を行っており、営業活動・クラウドサービスその他のサービス提供においてもインターネットに依存しております。このため、自然災害、戦争、テロ、事故、その他通信インフラの破壊や故障、コンピューターウイルスやハッカーの犯罪行為等により、日本情報クリエイトグループのシステムあるいは外部に委託しているシステムが正常に稼動しない状態、いわゆるシステム障害が発生した場合に、日本情報クリエイトグループの事業に極めて重大な影響を及ぼす可能性があります。また、日本情報クリエイトグループ製品・サービスの提供等においてインターネット環境に依存する部分は大きく、システム障害が発生した場合に、代替的な営業・サービス提供のルートを完全に確保することは困難な場合もあり、日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産の管理に関するリスク
日本情報クリエイトグループでは、商標権をはじめとして日本情報クリエイトの事業に必要な知的財産権の確保に努めるとともに、具体的な業務の遂行にあたり、第三者の知的財産権その他の権利または利益を侵害しないよう努めており、現状において、かかる知的財産権等に関する紛争はありません。しかしながら、日本情報クリエイトグループが予期せず第三者との間で、知的財産権等の帰属や侵害に関する主張や請求を受ける可能性は完全には否定できず、それに伴い日本情報クリエイトグループが損害賠償請求や差止請求を受ける可能性があり、かかる場合には日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)特定の製品への依存に関するリスク
日本情報クリエイトグループの主力製品は管理ソリューションに含まれる管理業務支援サービス「賃貸革命」であり、現状では、当製品および当製品に附帯するものが当連結会計年度における売上高の過半を占めております。当製品のシェアを高めることは、事業規模拡大において持続的な課題ではありますが、一方で、管理ソリューション以上にマーケットが大きい仲介ソリューション領域での成長を推進することも重要であると考えております。両ソリューション共に成長しつつ、売上高の比率を最適化することが重要であると考えております。
(10)中長期経営計画の達成に関するリスク
日本情報クリエイトグループでは、日本情報クリエイトグループが掲げる中期ビジョンである「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を達成するためには、業者間物件流通サービス「不動産BB」「リアプロ」により顧客基盤(無償ユーザー)を拡大し、構築した基盤に、有償サービスを投下しアップセルしていく戦略を実行しております。しかしながら、想定通りに顧客基盤が拡大しない場合や、構築した基盤に投下する有償サービスの効果が得られない場合には、中期経営計画が達成できない可能性や、日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)顧客の信用リスク
日本情報クリエイトグループの事業における売上債権は、比較的小規模な不動産業者等を対象としたものが多数を占めております。日本情報クリエイトグループでは、顧客毎に与信管理を実施するほか、債権の滞留および回収状況を定期的に把握し、必要に応じ貸倒引当金を計上しております。しかしながら、経済情勢の変化により経営基盤の脆弱な企業などにおいて、急速に経営状況が悪化する場合も考えられます。このような場合には、売上債権の回収が遅延するほか、回収不能になる可能性があり、日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)内部管理体制について
日本情報クリエイトグループは、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る施策を実施しております。また、業務の適正および財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を整備・運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)配当政策について
日本情報クリエイトグループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保を確保しつつ、安定的かつ継続的に業績の成長に見合った成果を配当することを基本方針としております。したがって、各期の財政状態および経営成績を勘案しながら将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、利益還元実施を検討する所存であります。
(14)大規模自然災害に関するリスク
日本情報クリエイトグループ本社(宮崎本社)が属する地域においては、温暖化により近年大型化している台風の直撃、霧島山系火山の噴火、日向灘沖を震源として発生する地震等の自然災害により、本社機能の全部または一部の継続が困難となり、売上の減少およびソフトウエア開発の遅延などが生じ、財政状態および経営成績に影響が及ぶおそれがあります。また、営業拠点の周辺地域において大地震や台風等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合には、日本情報クリエイトグループの事業活動に影響を及ぼし日本情報クリエイトグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)新株予約権行使による株式価値希薄化に関するリスク
日本情報クリエイトは、日本情報クリエイト役員および従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。また、今後におきましても、役員および従業員等に対するインセンティブとして新株予約権を付与する可能性があります。これらの新株予約権が権利行使された場合、日本情報クリエイト株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値および議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末(2024年6月30日)における新株予約権による潜在株式数は176,000株であり、発行済株式総数14,354,440株の1.2%に相当します。新株予約権の詳細は、「第一部 企業情報 第4提出会社の状況 1株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照ください。
(16)大株主に関するリスク
日本情報クリエイトの代表取締役会長である米津健一および同氏の資産管理会社である株式会社NJCが、本書提出日の前月末現在で発行済株式総数の69.80%を所有しており、引続き大株主となる見込みです。
同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。
同氏は、日本情報クリエイトの創業者であるとともに代表取締役会長であるため、日本情報クリエイトといたしましても安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により同氏により日本情報クリエイト株式が売却された場合には、日本情報クリエイト株式の市場価格および流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
(17)のれんの減損や子会社株式の評価減
日本情報クリエイトグループは、成長戦略の一環として積極的なM&Aを行っており、のれんや子会社株式を保有しております。子会社の業績不振により、のれんの減損や子会社株式の評価減を行った場合、業績等に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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