オリオンビールグループは、オリオンビール、連結子会社(オリオンホテル株式会社、株式会社石川酒造場、オリオン沖映合同会社)、関連会社(アサヒオリオン飲料株式会社)の計5社で構成されており、主な事業内容と、主要会社の当該事業における位置づけは次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
(オリオンビールグループのミッション、目指していること)
オリオンビールグループは、日本にある沖縄県でビジネスを営むグループです。「沖縄から、人を、場を、世界を、笑顔に。」をミッションとして、「沖縄発のブランド」として、沖縄県、日本、そして世界にオリオンビール商品・サービスと沖縄の価値を提供することを目指しています。
オリオンビールは、第二次世界大戦後の復興の最中、実業家の具志堅宗精が「郷土の若者に勇気と希望を与えたい」との思いから1957年に「沖縄ビール株式会社」として立ち上げた会社です。「オリオンビール」という社名は、沖縄県民に募集して選ばれた名称です。「オリオン座は南の星であり沖縄のイメージにマッチしていること、また星は人々の夢や憧れを象徴する」ことを選定理由として、採用されました。その後、1966年に初の海外展開となる台湾へのビール輸出、1975年のホテルロイヤルオリオン開業、2014年のホテルオリオンモトブリゾート&スパの開業、と沖縄の発展と共にオリオンビールグループは事業を拡大して参りました。また2002年のアサヒビール株式会社との資本業務提携により、沖縄県内への同社商品の提供と併せて、沖縄県外へのオリオンビール製品の販売を開始し、現在に至るまで酒類飲料の重要なパートナーとして良好な関係を築いております。
オリオンビールグループは、「魅力ある商品・体験を県民や観光客にお届けし、沖縄と共に持続的な成長を実現するビジネスモデル」を構築しています。主力商品である「オリオン・ザ・ドラフト」を中心とした多様なラインナップを、オリオンビールブランドを愛する沖縄県民の皆様や観光客の皆様に提供していることに加え、オリオンビールブランドが体感できるホテルへの宿泊、オリオンビールが主催するビアフェストの参加、オリオンビールのライセンス商品の購入・着用を通じて、沖縄での観光体験を楽しんで頂き、ファン層を拡大する循環成長型のビジネスモデルを目指しています。
(事業概要)
オリオンビールグループでは、「オリオン」ブランドを掲げて、酒類清涼飲料事業と観光・ホテル事業(観光客向けのホテルビジネス)を展開しています。酒類清涼飲料事業は、沖縄県民及び観光客の需要回復によりコロナ禍を乗り越え着実に業績を拡大し、また沖縄県外、海外も高成長を実現しています。観光・ホテル事業は、好ロケーションに位置するホテルを有し、今後の観光客の更なる増加を見据えてリニューアル工事を実施、需要増加に備えています。
(1)酒類清涼飲料事業
オリオンビールが手掛ける「オリオン」は、沖縄に根差し共に成長を遂げたビールブランドであり、その主力商品は「オリオン・ザ・ドラフト」です。1960年に誕生した「オリオン・ザ・ドラフト」は、沖縄の大麦、水を使用し製造しており、温暖な気候に合わせたすっきりとした味わいが特徴です。2024年1月に県民により愛されるブランドを目指しブランドリニューアルを実施し、沖縄県内での拡販に努めている他、県外、海外にもブランドの浸透をはかり、業容の拡大をはかっています。
オリオンビールは、沖縄県を拠点に酒類清涼飲料の製造・販売を行っております。商品としては、ビール・発泡酒・新ジャンル(総称して、ビール類)、RTD(Ready to Drink:缶チューハイなどすぐに飲めるアルコール飲料)、洋酒、清涼飲料を扱っており、主力製品のオリオンブランドのビールは沖縄県内において高いシェアを誇っております。販売エリアとしては、沖縄県内、沖縄県外、海外(台湾、オーストラリア、韓国、米国、香港、中国など)です。
連結子会社である株式会社石川酒造場は、泡盛、もろみ酢、リキュール、スピリッツなどの製造・販売を行っております。
オリオンビールは、国内外のサプライヤーから原材料の調達を行いオリオンビール名護工場(沖縄県名護市)にてビール類の製造を行っております。また、RTDについては製造委託先からの仕入販売を行っております。
販売チャネルとしては、樽や瓶を主体としてビール類を販売する業務用市場(業務チャネル)、缶を主体としてビール類、RTD類を販売する家庭用市場(量販チャネル)が主な市場であります。それぞれの市場で、主力商品を中心にニーズに合わせたブランド展開を行っており、国内(県内・県外)代理店制度を採っております。また、2020年3月期に立ち上げたECチャネルでは、オリオンビールのビール類やRTDの定番品及び限定品、定期便、ギフトセット、オリジナルグッズ、沖縄県産の食品や雑貨などを展開しております。
また、ブランドライセンスビジネスは、オリオンビールのロゴや商品パッケージを使用する権利をライセンシーに提供しております。ライセンシーとの間でライセンス契約を締結し、オリオンビールのロゴ等が記載された商品を展開しております。
酒類清涼飲料事業について、オリオンビールグループにおける研究開発、調達、製造、販売などの分野ごとの概要は以下のとおりであります。
a.研究開発
オリオンビール及び株式会社石川酒造場において、新製品の考案、試作、試験、製品の改良を行っております。名護工場(沖縄県名護市)、糸満市観光農園内酒造施設(沖縄県糸満市)、石川酒造場工場(沖縄県中頭郡西原町)を拠点として研究開発を行っております。
b.調達
オリオンビールにおいて、原材料・資材等のサプライヤーの選定、発注、検収、取引先管理に至る一連の業務を行っております。
c.製造・保管・品質保証
オリオンビールにおいて、生産計画の策定や調整、製造、原料・製品の品質確認、製造委託先の管理、工場の管理を行っております。名護工場(沖縄県名護市)において、ビール類の生産を行っております。名護工場及び沖縄県浦添市に位置する倉庫及び県外委託先の倉庫に製品を保管しております。連結子会社である石川酒造場は自社工場(沖縄県中頭郡西原町)において、泡盛やもろみ酢等の生産を行っております。
d.マーケティング
オリオンビールにおいて、消費者ニーズの把握、ブランド戦略の立案、マーケティング活動プランの立案と広告・主要イベント・販促の企画、メディア計画の立案とメディアの購買等を行っております。県内・国内のマーケティング活動に加えて、海外の販売地域でのマーケティングプラン策定も行っております。
e.販売(流通)
オリオンビールにおいて、量販店及び業務店に対する販促活動を行っております。沖縄県内においてオリオンブランドのビール類を販売しております。また、2002年にはアサヒビール株式会社と包括的業務提携関係を構築し、沖縄県内においては、同社から製造ライセンスを受けてオリオンビールの名護工場で「アサヒ スーパードライ」を製造、同社から仕入をするビール類及び総合酒類の販売を開始するとともに、沖縄県外(奄美群島除く)のオリオンブランドの量販店向けビール類は、同社を通じて販売を拡大してまいりました。なお、沖縄県外向けのオリオンブランドの業務店向けビール類及びRTD類は、自社で販売しております。
さらに近年は、台湾、オーストラリア、韓国、米国、香港、中国などの海外市場においてもオリオンブランドのビール類及びRTD製品を販売しております。
酒類清涼飲料事業の主な商品は以下のとおりであります。
(2)観光・ホテル事業
オリオンビールは、本書提出日現在、オリオンホテルモトブリゾート&スパ(沖縄県国頭郡本部町)、ホテルルートイン名護(沖縄県名護市)及び商業施設である豊崎ライフスタイルセンターTOMITON(沖縄県豊見城市)などを所有しております。連結子会社であるオリオンホテル株式会社は、オリオンホテルモトブリゾート&スパ(沖縄県国頭郡本部町)及びオリオンホテル那覇(沖縄県那覇市)の運営をしておりますが、オリオンホテル那覇については、2025年5月に土地・建物を譲渡しており、2025年10月以降に事業譲渡を完了予定です。また、連結子会社であるオリオン沖映合同会社は、JR九州ホテルブラッサム那覇(沖縄県那覇市)を所有しておりましたが、2025年3月に当該資産を譲渡しました。オリオン沖映合同会社は、2025年7月に解散・10月に清算を予定しております。
オリオンビールは、地域に根差し、地域と共に発展する観光・ホテル事業の持続可能性をさらに強化することが、沖縄との共存共栄の実現に必要不可欠と考え、最適な事業の進め方を検討する中で、沖縄での40年以上ものホテル経営を通じて多くの地域雇用や消費を生み出してきた実績を有する近鉄グループホールディングス株式会社と、2024年6月10日に資本業務提携を結びました。
観光・ホテル事業に関するオリオンビールグループのホテル事業や不動産事業などの分野ごとの概要は以下のとおりであります。
a.ホテル事業
オリオンビールにおいて、提出日現在、オリオンビールグループが直接運営している2ホテル(オリオンホテルモトブリゾート&スパ、オリオンホテル那覇)の事業戦略立案、中期及び単年度経営計画の立案、経営管理等を行っております。
ホテル運営の強化に向けて、近鉄グループホールディングス株式会社が有するホテル運営ノウハウを、近鉄グループからの専門人材の派遣、ホテル予約システム等の活用の検討、近鉄グループが展開している様々な会員プログラムの導入の検討を行っております。
b.不動産事業
オリオンビールにおいて、不動産の投資戦略の立案、不動産の売買、賃貸借契約の締結及び管理、運営委託先の管理等を行っております。
オリオンビールグループは、2025年7月に開業したテーマパーク「ジャングリア沖縄」(沖縄県国頭郡今帰仁村呉我山)へ土地を賃貸しております。オリオンビールは、テーマパーク事業を行う株式会社ジャパンエンターテイメントホールディングスへ出資並びに同社及び同社子会社の株式会社ジャパンエンターテイメントへの取締役派遣を行っております。
また、近鉄グループホールディングス株式会社との資本業務提携を通して、同社及びオリオンビールが沖縄で保有するアセットの活用についての協働検討も行っております。
c.酒類清涼飲料事業とのコラボレーション
2023年11月、オリオンホテル那覇においてビアダイニングを開設し、オリオンビールの名護工場で製造した本格クラフトビールやビールに合う料理の提供、各種イベントを実施しております。2024年4月には、オリオンホテルモトブリゾート&スパにビアバーを開設しました。
オリオンビールグループ会社のオリオンホテル株式会社は、ホテルでの接客や料飲部門の運営管理、スタッフのマネジメント等の経験を豊富に有するマネジャークラスの社員を、オリオンビールのビール工場見学施設「オリオンハッピーパーク」へ派遣(出向)しております。
観光・ホテル事業における施設の概要は以下のとおりであります。
事業の系統図は、次のとおりであります。
※1 連結子会社
※2 持分法適用関連会社
※4 2025年7月に解散・10月に清算予定の会社
文中の将来に関する事項は、提出日現在においてオリオンビールグループが判断したものであります。
オリオンビールグループは「沖縄から、人を、場を、世界を、笑顔に。」というMission実現のため、Core Valuesの実践を通して企業文化の醸成を図り、Visionとしているそれぞれの具体的な価値を各ステークホルダーに提供いたします。
(2)経営環境及び経営の基本方針、経営戦略
オリオンビールグループでは、「オリオン」ブランドを掲げて沖縄に根差したビジネスを展開しており、マザーマーケットである沖縄県は、豊富な観光資源と地理的な優位性により、人口146.9万人(2023年)に対して、2024年の入域観光客数は995万人とハワイ(969万人)に匹敵する観光客が訪れるマーケットとなっています。沖縄への入域観光客数及び沖縄県の観光収入は、2011年より堅調に推移し2018年度のピーク後にコロナ禍の影響を受け大幅に減少しましたが、2020年度を底に回復基調にあり、今後も増加していくことが想定されています(出所:沖縄県「入域観光客統計概況」、「観光収入・経済効果波及」、南西地域産業活性化センター「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し:過去投影ケース」(2025年4月25日))。また、2025年7月には沖縄県北部にテーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業し、2026年度には火災により焼失した首里城正殿の復元等が予定されていることなど観光コンテンツの充実によりインバウンドの増加が見込まれることから、観光客一人当たりの消費金額や平均滞在日数は増加基調で推移することが想定されます(出所:沖縄県「令和5年版観光要覧」)。こうしたなか、オリオンビールグループは沖縄での強固なブランド力を強みに、インバウンドを含む観光需要を享受しつつ、沖縄県外及び海外市場開拓による高成長を実現する経営戦略として、2025年4月より5ヵ年の中期経営計画を推進しています。
中期経営計画では「沖縄と共に循環成長するビジネスモデルの強化」を目標として、a. 沖縄の魅力の詰まった商品・サービスの提供、b. 強固なグループ収益構造の構築、c. サステナビリティ経営基盤の整備とインパクトの創出を推進してまいります。
<オリオンビール全社基本方針>
a.沖縄の魅力の詰まった製品、サービスの提供
「ブランド」「観光客」「地域とのつながり」という酒類清涼飲料事業と観光・ホテル事業の両事業に共通な資産を基盤として事業展開を行い、その基盤の増強と両事業のシナジーを強化することで持続可能な企業価値向上を実現し、沖縄の魅力向上に貢献してまいります。
b.強固な事業基盤の構築
収益性の改善を柱にROE15%以上を目標として、グループ・事業セグメントでの取組に注力してまいります。
c.サステナビリティ経営基盤の整備とインパクトの創出
オリオンビールグループは、沖縄と共に循環成長するビジネスモデルの土台を形成する優先取組事項として、サステナビリティ経営基盤の整備とインパクトの創出に取組み、具体的なアクションをとってまいります。詳細は、2.「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
<両事業共通課題の全体像>
オリオンビールグループのマザーマーケットである沖縄県は、米国のハワイ州に匹敵する年間約1,000万人*1の観光客が訪れる日本の南国リゾートであり、今後も観光需要の増加による成長が見込まれています。
オリオンブランドは、沖縄と共に育ち、沖縄県民そして観光客に強く認知されているブランドであり、沖縄の観光成長を取り込むことができる事業基盤を有しています。沖縄県内に所在する飲食店約7,400店*2のうちオリオンビールは5,800店にビールサーバーを設置しており、密度の高い消費者とのタッチポイントを有しています。沖縄県内でのビールの販売シェアはアサヒビール株式会社のライセンス商品の販売も含めると、83.8%*3と高水準となっています。観光客の認知度では、96.9%*4と多くの観光客がオリオンブランドを認知しているとのデータが出ています。また、オリオンブランドは、国内ビール5社を含む11業界の82ブランドにおいて「顧客幸福度」*5最上位のビールブランドとの調査結果もあり、結果として、オリオンビールの沖縄県内売上高は、既にコロナ禍前を上回る水準まで回復しており、堅調に推移しています。
沖縄県内市場における酒類清涼飲料事業は、コロナ禍以降の観光客の「戻り」に合わせて成長軌道に入り、堅調に推移しています。沖縄の風味を届けるRTD等の様々な酒類は沖縄県民や観光客の多様化するニーズを捉えております。今後も、沖縄県内で培ったブランド力を糧に沖縄県外にも積極的に展開していきます。
また、酒類清涼飲料事業における海外事業について、オリオンブランドは沖縄観光体験を通じて世界に広がりつつあり、成長を遂げています。従前から一定程度の認知度があったアジア圏と米国、豪州を中心に2021年3月期から2024年3月期にかけて、年率30%超の売上高成長を実現しており、今後の成長ドライバーとして推進して参ります。
2024年6月には近鉄グループホールディングス株式会社と資本業務提携契約を締結し、今後、同社グループとの連携による送客や、専門人材の派遣をはじめとした観光ノウハウの活用等、観光・ホテル事業の強化を図って参ります。また、2025年7月開業のテーマパーク(ジャングリア沖縄)との連携も進めており、更なる観光需要の拡大に備え準備をしております。
出所:沖縄県「入域観光客統計概況」、「観光収入・経済効果波及」、「観光収入・人泊数の概況
(速報)」、南西地域産業活性化センター「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し(過去投影
ケース)」(2025年4月25日)
注:2023年度以前は「入域観光客統計概況」および「観光収入・経済効果波及」の数値を使用。
2024年度は、「入域観光客統計概況」および「観光収入・人泊数の概況(速報)」の数値を使用。
予測値は「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し」の数値を使用。
出所:沖縄県「令和5年版観光要覧」
出所:沖縄県「令和5年版観光要覧」
*1 沖縄県「入域観光客統計概況」、「観光収入・経済効果波及」、「観光収入・人泊数の概況(速報)」、南西地域産業活性化センター「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し(過去投影ケース)」(2025年4月25日)
*2 総務省統計局「令和3年経済センサス活動調査結果」における沖縄県の産業別民営事業所数(飲食店)から、「喫茶店」、「管理、補助的経済活動を行う事業所」及び「その他の飲食店」を除外した数
*3 国税庁「令和5年度間接税(酒税) - 酒類の販売(消費)数量」記載の沖縄県におけるビール販売数量(単位:kl)を分母、オリオンビールの「同年度のオリオンビールビール販売数量(単位:kl)」を分子として算出。なお、オリオンビールビール販売数量には、アサヒビールからのライセンスによって製造した商品、及び、仕入れした商品の販売も含む
*4 「観光客のオリオンビールの認知度」とは、沖縄観光市場におけるオリオンビールの実態を確認し今後のプレスリリース活動に活用する目的で、株式会社おきぎん経済研究所による「沖縄観光における県産酒類の価格需要に関する調査」(調査期間:2024年3月19日~2024年3月20日、調査対象:20歳以上の国内在住者で直近およそ5年以内の沖縄旅行経験者(帰省、仕事及び修学旅行目的を除く。)、調査対象人数:1,030名、調査手法:Webアンケート調査)において、(オリオンビールについて)「ご存知ですか。また、飲食したことがありますか。」との質問に対し、「飲食したことがある」又は「飲食したことはないが、知っている」と回答した割合
*5 「顧客幸福度」とは、「自己の幸せ」「周囲の幸せ」「ブランドの存在への感謝」の3点に関して、(1.まったくそう思わない)(2.そう思わない)(3.あまりそう思わない)(4.まあまあそう思う)(5.そう思う)(6.とてもそう思う)(×わからない・判断できない)の7件法で得点付けを実施。各設問の合計得点を100に換算し、ランキング化。国内ビール5社を含む11業界の82ブランドについて調査。
出所:日経クロストレンド「顧客幸福度」調査2024 調査時期:2023年12月、調査方法:インターネット調査(楽天インサイト)、回答者属性:全国・20~69歳・男女、有効回答数:延べ10,005,800件
<酒類清涼飲料事業>
酒類市場では、人口減少や少子高齢化、若年層の飲酒離れ、酒類を提供する飲食店の減少によりコロナ収束後も国内需要の縮小が続くものとみられ、企業間での販売競争が激化することが予想されます。更に原材料コストや人件費の上昇に加え、エネルギーコストの大幅な上昇は製品原価の増大要因となっております。
また、2026年10月の酒税改正に伴う酒税軽減措置廃止は沖縄県内の酒類清涼飲料事業の収益に影響を与える可能性があります。
このような環境下及び見通しのもと、オリオンビールグループでは、ビールのみならず、沖縄の風味を活かした多様な商品ラインナップを提供しています。近年特に注力しているのが、RTDです。商品開発による差別化を図り、RTDの売上高過去6年CAGR(Compound Annual Growth Rate、年平均成長率)は36.8%と急速に成長しています。また、沖縄の伝統酒である泡盛やもろみ酢を製造する連結子会社である株式会社石川酒造場は26.6%(2025年3月期)と高い営業利益率となりますが足元は泡盛をベースとしたクラフトジンの提供を始めています。2024年3月にオリオンビール初のワインである沖縄県産のパッションフルーツを使用したフルーツワインSouthern Cross Wineryを販売開始しました。Southern Cross Wineryは、想定を上回るペースで販売となり、急遽増産対応するほど好調な販売となっています。また、近年需要が拡大するノンアルコールは「クリアフリー」というブランドを提供、消費者の多様なニーズを捉えるプロダクトを展開しています。
酒類清涼飲料事業では下記に記載のマーケティング戦略をベースに、a.「収益基盤の拡大」b.「収益性の向上」c.「新たな成長ドライバーの開発」を主要戦略として中長期的な収益構造の強化と持続的な事業価値の向上を図ってまいります。
マーケティング戦略
·ブランドスローガン「しぜんと、しぜんに」:沖縄ならではの魅力が詰まった製品やサービス、そこから得られる、自然体に戻れる心地よい時間と空間、そんなブランド体験を通じてお客様の日々を笑顔で満たしていく事がオリオンビールの目指すゴールです。
·ターゲット顧客:大前提として沖縄好きであること。また、生活の中で様々なストレスと闘う毎日を送り、そんな中でも自然体の自分で自分らしく人生を楽しみたいという思いを持った人たち。
·基幹商品:フラッグシップの「オリオン・ザ・ドラフト」をNo.1ブランドとして確立。
·カテゴリー成長:ビール市場において、オリオンビールとしてカテゴリー成長を促進するため、ビールの概念を覆すような話題性のある新商品開発、新カテゴリーへの挑戦、コミュニケーションを通じて、ビール離れが進んでいる「若年層」を取り込む。
成長分野のRTD市場については、競合との差別化を図りながら、売上と利益を成長させていく。
· 沖縄県をタッチポイントとして活用 :沖縄の価値を観光客や消費者にお届けし、沖縄ファン=オリオンファンを持続的に創出するビジネスモデルを構築。
a.収益基盤の拡大
過去5年間の実績推移にもありますように、沖縄県以外の国内及び海外の事業を拡大することで収益基盤の拡大を図り、収益構造の安定化を図ってまいります。
(酒類事業主要チャネル売上推移 ※1)
※1:売上は新収益認識基準適用前の数値
※2:CAGRは2021年3月期から2025年3月期が対象
(県外)
沖縄県内で培ったブランド力を活かし、沖縄県外への販売にも注力しています。沖縄観光体験を想起するマーケティングによって、全国のトレンドよりも高い数量成長を遂げて、着実に拡大しています。具体的なマーケティングの取り組みとしては、SNSマーケティングの強化や渋谷に期間限定で設置した沖縄旅行体験が味わえるイマーシブ型バーがあります。RTD販売については、代理店とのパートナーシップ強化を行い地域の有力なスーパーマーケットを最重要顧客と設定し一層の販売拡大を図り、沖縄料理店以外への販売を強化し、採用アイテムの拡大を図ってまいります。これらの活動によって、消費者による経験価値の共有・拡散がされるモデルを構築し、更なる県外売上拡大を目指していきます。
(EC)
EC事業においては、新たな販売チャネルとして開発を進めます。具体的には、定期会員の獲得、CRM(Customer Relation Management 顧客との関係構築)の強化、MD(Merchandising 商品の品ぞろえ・管理)の拡充等を進め、沖縄ブランド商品の販売拡大を図ります。
(海外)
海外事業は今後の成長ドライバーになると考えています。2021年に新たに海外事業担当者を選任して、本格的な海外展開拡大を開始しました。オリオンビール独自の強みを活かして競争優位を発揮できる市場を選定し、日本国内の同業他社とは異なる「リゾート×ジャパンクオリティ」ブランドであることを訴求することによって、オリオンの認知を高めてきました。また、各国のディストリビューターとの関係を強化し、有力な小売企業へのアクセスが可能になったほか、価格戦略も見直してきたことが奏功し、2023年3月期には営業黒字化(管理会計ベース)を達成しました。また、海外市場向けの「Orion The Dark」や「SHOKUNIN」の投入により、主力ブランドである「オリオン・ザ・ドラフト」だけでなく、複数のブランドポートフォリオで市場への訴求が可能になりました。今後は、各国で培った成功体験と実績を活かし、更なるブランド価値の訴求を行うことに加え、海外でのライセンス製造ビジネスも展開していくことにより、海外売上高の比率を更に拡大することを目指しています。
海外事業における展開エリアについての取り組みは以下のとおりです。
b.収益性の向上
事業の競争力強化、高付加価値商品の拡大販売を図り、収益構造の強化を図ってまいります。
沖縄県内事業については、主要チェーンとの取組強化、観光需要取込に向けたチェーン以外市場の対策強化、2026年10月の酒税改正に伴う酒税軽減措置廃止の影響を受けないウイスキー、ジン、テキーラといった仕入品の販売強化、店頭活動強化のためのマーケットスタッフの増強等、沖縄県内営業リソース強化による競争力強化を進めるとともに、高付加価値で収益性の高い製品群の拡大販売を進めます。また、収益性の高い石川酒造場事業の拡大を図ります。
生産、購買、物流、バックオフィス部門においては、オペレーションの効率化、環境マネジメントシステム強化、原価低減活動やバックオフィス業務のプラットフォーム化等による機能強化と効率化を進めます。
c.新たな成長ドライバーの開発
新たな成長ドライバーを開発することで事業ポートフォリオの選択肢を増やし、持続的な成長を図ってまいります。具体的には、フルーツワイン事業の成長、クラフトビール製造の強化、洋酒の開発、ブランドライセンスビジネス強化等を行います。
ライセンスビジネスの強化に向け、2024年3月期には専任のライセンスマネージャーを採用、ライセンス契約先及び展開商品数の拡大を図ると共に、ショップの拡充や海外展開を推進し、更なる事業の拡大を目指しております。
<観光・ホテル事業>
(ホテル事業)
2024年度の沖縄県入域観光客数は995万2,400人と前年度比16.6%増となり、これまで最多を記録した2018年度の99.5%と同水準にまで回復し、過去2番目の入域観光客数となりました。国内客については、台風等の大きな影響もなく、航空会社による増便・臨時便・季節運航等の実績が好調に推移したことから前年度比で増加となり、過去最高を更新しました。また、外国客については、航空路線の再開・新規就航やクルーズ船の寄港回数の増加等により、前年度比81.4%増となりました。
このような環境下及び見通しのもと、オリオンビールグループでは、沖縄の価値を観光客や消費者に届けるため、ホテルを通じた体験機会を提供しています。「オリオンホテルモトブリゾート&スパ」は年間約350万人の集客力を誇る美ら海水族館に隣接するほか、2025年7月開業のテーマパーク「ジャングリア沖縄」に近接し、そのオフィシャルホテルに認定されるなど、観光需要を取り込む好条件に恵まれております。2024年3月期にリニューアル工事の効果を最大化すべく、レベニューマネジメントを強化し、一層の観光客の取り込みを図ります。
これらの課題に対処するためホテル事業では、オリオンビールグループのリソースを有効活用し、保有アセットに「オリオン」ブランドを付加し、魅力的な沖縄体験の提供を通じてバリューアップを図ることでグループシナジーを創出してまいります。具体的には、a.「単価向上」、b.「客数向上」、c.「生産性向上」を主要戦略として事業価値の向上を図ってまいります。
a.単価向上
沖縄観光需要の増加による機会を獲得するべく、季節性・顧客属性・地域イベントや市場価格動向等の精緻な分析によるレベニューマネジメントの高度化に取り組むとともに、沖縄に訪れる観光客の多様な価値観を踏まえたファミリー向けコンテンツの拡充と沖縄コンテンツの深化を通じて、平均客室人数および館内滞在時間を拡大してまいります。
b.客数向上
ファミリー向けのルームタイプを拡充して宿泊者数の増加を図るとともに、ジャングリア沖縄等の新たな観光スポットへの需要を取り込んだ宿泊日数の増加も図ります。
c.生産性向上
顧客動線の整流化・効率化及び顧客接点のDX化を図り、生産性を向上してまいります。
(観光事業)
既存アセットの有効活用による収益性の向上を図り、テーマパーク「ジャングリア沖縄」との連携推進により、利益を伴う持続可能な成長を進めてまいります。
文中の将来に関する事項は、提出日現在においてオリオンビールグループが判断したものであります。
オリオンビールグループは「沖縄から、人を、場を、世界を、笑顔に。」というMission実現のため、Core Valuesの実践を通して企業文化の醸成を図り、Visionとしているそれぞれの具体的な価値を各ステークホルダーに提供いたします。
(2)経営環境及び経営の基本方針、経営戦略
オリオンビールグループでは、「オリオン」ブランドを掲げて沖縄に根差したビジネスを展開しており、マザーマーケットである沖縄県は、豊富な観光資源と地理的な優位性により、人口146.9万人(2023年)に対して、2024年の入域観光客数は995万人とハワイ(969万人)に匹敵する観光客が訪れるマーケットとなっています。沖縄への入域観光客数及び沖縄県の観光収入は、2011年より堅調に推移し2018年度のピーク後にコロナ禍の影響を受け大幅に減少しましたが、2020年度を底に回復基調にあり、今後も増加していくことが想定されています(出所:沖縄県「入域観光客統計概況」、「観光収入・経済効果波及」、南西地域産業活性化センター「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し:過去投影ケース」(2025年4月25日))。また、2025年7月には沖縄県北部にテーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業し、2026年度には火災により焼失した首里城正殿の復元等が予定されていることなど観光コンテンツの充実によりインバウンドの増加が見込まれることから、観光客一人当たりの消費金額や平均滞在日数は増加基調で推移することが想定されます(出所:沖縄県「令和5年版観光要覧」)。こうしたなか、オリオンビールグループは沖縄での強固なブランド力を強みに、インバウンドを含む観光需要を享受しつつ、沖縄県外及び海外市場開拓による高成長を実現する経営戦略として、2025年4月より5ヵ年の中期経営計画を推進しています。
中期経営計画では「沖縄と共に循環成長するビジネスモデルの強化」を目標として、a. 沖縄の魅力の詰まった商品・サービスの提供、b. 強固なグループ収益構造の構築、c. サステナビリティ経営基盤の整備とインパクトの創出を推進してまいります。
<オリオンビール全社基本方針>
a.沖縄の魅力の詰まった製品、サービスの提供
「ブランド」「観光客」「地域とのつながり」という酒類清涼飲料事業と観光・ホテル事業の両事業に共通な資産を基盤として事業展開を行い、その基盤の増強と両事業のシナジーを強化することで持続可能な企業価値向上を実現し、沖縄の魅力向上に貢献してまいります。
b.強固な事業基盤の構築
収益性の改善を柱にROE15%以上を目標として、グループ・事業セグメントでの取組に注力してまいります。
c.サステナビリティ経営基盤の整備とインパクトの創出
オリオンビールグループは、沖縄と共に循環成長するビジネスモデルの土台を形成する優先取組事項として、サステナビリティ経営基盤の整備とインパクトの創出に取組み、具体的なアクションをとってまいります。詳細は、2.「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
<両事業共通課題の全体像>
オリオンビールグループのマザーマーケットである沖縄県は、米国のハワイ州に匹敵する年間約1,000万人*1の観光客が訪れる日本の南国リゾートであり、今後も観光需要の増加による成長が見込まれています。
オリオンブランドは、沖縄と共に育ち、沖縄県民そして観光客に強く認知されているブランドであり、沖縄の観光成長を取り込むことができる事業基盤を有しています。沖縄県内に所在する飲食店約7,400店*2のうちオリオンビールは5,800店にビールサーバーを設置しており、密度の高い消費者とのタッチポイントを有しています。沖縄県内でのビールの販売シェアはアサヒビール株式会社のライセンス商品の販売も含めると、83.8%*3と高水準となっています。観光客の認知度では、96.9%*4と多くの観光客がオリオンブランドを認知しているとのデータが出ています。また、オリオンブランドは、国内ビール5社を含む11業界の82ブランドにおいて「顧客幸福度」*5最上位のビールブランドとの調査結果もあり、結果として、オリオンビールの沖縄県内売上高は、既にコロナ禍前を上回る水準まで回復しており、堅調に推移しています。
沖縄県内市場における酒類清涼飲料事業は、コロナ禍以降の観光客の「戻り」に合わせて成長軌道に入り、堅調に推移しています。沖縄の風味を届けるRTD等の様々な酒類は沖縄県民や観光客の多様化するニーズを捉えております。今後も、沖縄県内で培ったブランド力を糧に沖縄県外にも積極的に展開していきます。
また、酒類清涼飲料事業における海外事業について、オリオンブランドは沖縄観光体験を通じて世界に広がりつつあり、成長を遂げています。従前から一定程度の認知度があったアジア圏と米国、豪州を中心に2021年3月期から2024年3月期にかけて、年率30%超の売上高成長を実現しており、今後の成長ドライバーとして推進して参ります。
2024年6月には近鉄グループホールディングス株式会社と資本業務提携契約を締結し、今後、同社グループとの連携による送客や、専門人材の派遣をはじめとした観光ノウハウの活用等、観光・ホテル事業の強化を図って参ります。また、2025年7月開業のテーマパーク(ジャングリア沖縄)との連携も進めており、更なる観光需要の拡大に備え準備をしております。
出所:沖縄県「入域観光客統計概況」、「観光収入・経済効果波及」、「観光収入・人泊数の概況
(速報)」、南西地域産業活性化センター「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し(過去投影
ケース)」(2025年4月25日)
注:2023年度以前は「入域観光客統計概況」および「観光収入・経済効果波及」の数値を使用。
2024年度は、「入域観光客統計概況」および「観光収入・人泊数の概況(速報)」の数値を使用。
予測値は「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し」の数値を使用。
出所:沖縄県「令和5年版観光要覧」
出所:沖縄県「令和5年版観光要覧」
*1 沖縄県「入域観光客統計概況」、「観光収入・経済効果波及」、「観光収入・人泊数の概況(速報)」、南西地域産業活性化センター「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し(過去投影ケース)」(2025年4月25日)
*2 総務省統計局「令和3年経済センサス活動調査結果」における沖縄県の産業別民営事業所数(飲食店)から、「喫茶店」、「管理、補助的経済活動を行う事業所」及び「その他の飲食店」を除外した数
*3 国税庁「令和5年度間接税(酒税) - 酒類の販売(消費)数量」記載の沖縄県におけるビール販売数量(単位:kl)を分母、オリオンビールの「同年度のオリオンビールビール販売数量(単位:kl)」を分子として算出。なお、オリオンビールビール販売数量には、アサヒビールからのライセンスによって製造した商品、及び、仕入れした商品の販売も含む
*4 「観光客のオリオンビールの認知度」とは、沖縄観光市場におけるオリオンビールの実態を確認し今後のプレスリリース活動に活用する目的で、株式会社おきぎん経済研究所による「沖縄観光における県産酒類の価格需要に関する調査」(調査期間:2024年3月19日~2024年3月20日、調査対象:20歳以上の国内在住者で直近およそ5年以内の沖縄旅行経験者(帰省、仕事及び修学旅行目的を除く。)、調査対象人数:1,030名、調査手法:Webアンケート調査)において、(オリオンビールについて)「ご存知ですか。また、飲食したことがありますか。」との質問に対し、「飲食したことがある」又は「飲食したことはないが、知っている」と回答した割合
*5 「顧客幸福度」とは、「自己の幸せ」「周囲の幸せ」「ブランドの存在への感謝」の3点に関して、(1.まったくそう思わない)(2.そう思わない)(3.あまりそう思わない)(4.まあまあそう思う)(5.そう思う)(6.とてもそう思う)(×わからない・判断できない)の7件法で得点付けを実施。各設問の合計得点を100に換算し、ランキング化。国内ビール5社を含む11業界の82ブランドについて調査。
出所:日経クロストレンド「顧客幸福度」調査2024 調査時期:2023年12月、調査方法:インターネット調査(楽天インサイト)、回答者属性:全国・20~69歳・男女、有効回答数:延べ10,005,800件
<酒類清涼飲料事業>
酒類市場では、人口減少や少子高齢化、若年層の飲酒離れ、酒類を提供する飲食店の減少によりコロナ収束後も国内需要の縮小が続くものとみられ、企業間での販売競争が激化することが予想されます。更に原材料コストや人件費の上昇に加え、エネルギーコストの大幅な上昇は製品原価の増大要因となっております。
また、2026年10月の酒税改正に伴う酒税軽減措置廃止は沖縄県内の酒類清涼飲料事業の収益に影響を与える可能性があります。
このような環境下及び見通しのもと、オリオンビールグループでは、ビールのみならず、沖縄の風味を活かした多様な商品ラインナップを提供しています。近年特に注力しているのが、RTDです。商品開発による差別化を図り、RTDの売上高過去6年CAGR(Compound Annual Growth Rate、年平均成長率)は36.8%と急速に成長しています。また、沖縄の伝統酒である泡盛やもろみ酢を製造する連結子会社である株式会社石川酒造場は26.6%(2025年3月期)と高い営業利益率となりますが足元は泡盛をベースとしたクラフトジンの提供を始めています。2024年3月にオリオンビール初のワインである沖縄県産のパッションフルーツを使用したフルーツワインSouthern Cross Wineryを販売開始しました。Southern Cross Wineryは、想定を上回るペースで販売となり、急遽増産対応するほど好調な販売となっています。また、近年需要が拡大するノンアルコールは「クリアフリー」というブランドを提供、消費者の多様なニーズを捉えるプロダクトを展開しています。
酒類清涼飲料事業では下記に記載のマーケティング戦略をベースに、a.「収益基盤の拡大」b.「収益性の向上」c.「新たな成長ドライバーの開発」を主要戦略として中長期的な収益構造の強化と持続的な事業価値の向上を図ってまいります。
マーケティング戦略
·ブランドスローガン「しぜんと、しぜんに」:沖縄ならではの魅力が詰まった製品やサービス、そこから得られる、自然体に戻れる心地よい時間と空間、そんなブランド体験を通じてお客様の日々を笑顔で満たしていく事がオリオンビールの目指すゴールです。
·ターゲット顧客:大前提として沖縄好きであること。また、生活の中で様々なストレスと闘う毎日を送り、そんな中でも自然体の自分で自分らしく人生を楽しみたいという思いを持った人たち。
·基幹商品:フラッグシップの「オリオン・ザ・ドラフト」をNo.1ブランドとして確立。
·カテゴリー成長:ビール市場において、オリオンビールとしてカテゴリー成長を促進するため、ビールの概念を覆すような話題性のある新商品開発、新カテゴリーへの挑戦、コミュニケーションを通じて、ビール離れが進んでいる「若年層」を取り込む。
成長分野のRTD市場については、競合との差別化を図りながら、売上と利益を成長させていく。
· 沖縄県をタッチポイントとして活用 :沖縄の価値を観光客や消費者にお届けし、沖縄ファン=オリオンファンを持続的に創出するビジネスモデルを構築。
a.収益基盤の拡大
過去5年間の実績推移にもありますように、沖縄県以外の国内及び海外の事業を拡大することで収益基盤の拡大を図り、収益構造の安定化を図ってまいります。
(酒類事業主要チャネル売上推移 ※1)
※1:売上は新収益認識基準適用前の数値
※2:CAGRは2021年3月期から2025年3月期が対象
(県外)
沖縄県内で培ったブランド力を活かし、沖縄県外への販売にも注力しています。沖縄観光体験を想起するマーケティングによって、全国のトレンドよりも高い数量成長を遂げて、着実に拡大しています。具体的なマーケティングの取り組みとしては、SNSマーケティングの強化や渋谷に期間限定で設置した沖縄旅行体験が味わえるイマーシブ型バーがあります。RTD販売については、代理店とのパートナーシップ強化を行い地域の有力なスーパーマーケットを最重要顧客と設定し一層の販売拡大を図り、沖縄料理店以外への販売を強化し、採用アイテムの拡大を図ってまいります。これらの活動によって、消費者による経験価値の共有・拡散がされるモデルを構築し、更なる県外売上拡大を目指していきます。
(EC)
EC事業においては、新たな販売チャネルとして開発を進めます。具体的には、定期会員の獲得、CRM(Customer Relation Management 顧客との関係構築)の強化、MD(Merchandising 商品の品ぞろえ・管理)の拡充等を進め、沖縄ブランド商品の販売拡大を図ります。
(海外)
海外事業は今後の成長ドライバーになると考えています。2021年に新たに海外事業担当者を選任して、本格的な海外展開拡大を開始しました。オリオンビール独自の強みを活かして競争優位を発揮できる市場を選定し、日本国内の同業他社とは異なる「リゾート×ジャパンクオリティ」ブランドであることを訴求することによって、オリオンの認知を高めてきました。また、各国のディストリビューターとの関係を強化し、有力な小売企業へのアクセスが可能になったほか、価格戦略も見直してきたことが奏功し、2023年3月期には営業黒字化(管理会計ベース)を達成しました。また、海外市場向けの「Orion The Dark」や「SHOKUNIN」の投入により、主力ブランドである「オリオン・ザ・ドラフト」だけでなく、複数のブランドポートフォリオで市場への訴求が可能になりました。今後は、各国で培った成功体験と実績を活かし、更なるブランド価値の訴求を行うことに加え、海外でのライセンス製造ビジネスも展開していくことにより、海外売上高の比率を更に拡大することを目指しています。
海外事業における展開エリアについての取り組みは以下のとおりです。
b.収益性の向上
事業の競争力強化、高付加価値商品の拡大販売を図り、収益構造の強化を図ってまいります。
沖縄県内事業については、主要チェーンとの取組強化、観光需要取込に向けたチェーン以外市場の対策強化、2026年10月の酒税改正に伴う酒税軽減措置廃止の影響を受けないウイスキー、ジン、テキーラといった仕入品の販売強化、店頭活動強化のためのマーケットスタッフの増強等、沖縄県内営業リソース強化による競争力強化を進めるとともに、高付加価値で収益性の高い製品群の拡大販売を進めます。また、収益性の高い石川酒造場事業の拡大を図ります。
生産、購買、物流、バックオフィス部門においては、オペレーションの効率化、環境マネジメントシステム強化、原価低減活動やバックオフィス業務のプラットフォーム化等による機能強化と効率化を進めます。
c.新たな成長ドライバーの開発
新たな成長ドライバーを開発することで事業ポートフォリオの選択肢を増やし、持続的な成長を図ってまいります。具体的には、フルーツワイン事業の成長、クラフトビール製造の強化、洋酒の開発、ブランドライセンスビジネス強化等を行います。
ライセンスビジネスの強化に向け、2024年3月期には専任のライセンスマネージャーを採用、ライセンス契約先及び展開商品数の拡大を図ると共に、ショップの拡充や海外展開を推進し、更なる事業の拡大を目指しております。
<観光・ホテル事業>
(ホテル事業)
2024年度の沖縄県入域観光客数は995万2,400人と前年度比16.6%増となり、これまで最多を記録した2018年度の99.5%と同水準にまで回復し、過去2番目の入域観光客数となりました。国内客については、台風等の大きな影響もなく、航空会社による増便・臨時便・季節運航等の実績が好調に推移したことから前年度比で増加となり、過去最高を更新しました。また、外国客については、航空路線の再開・新規就航やクルーズ船の寄港回数の増加等により、前年度比81.4%増となりました。
このような環境下及び見通しのもと、オリオンビールグループでは、沖縄の価値を観光客や消費者に届けるため、ホテルを通じた体験機会を提供しています。「オリオンホテルモトブリゾート&スパ」は年間約350万人の集客力を誇る美ら海水族館に隣接するほか、2025年7月開業のテーマパーク「ジャングリア沖縄」に近接し、そのオフィシャルホテルに認定されるなど、観光需要を取り込む好条件に恵まれております。2024年3月期にリニューアル工事の効果を最大化すべく、レベニューマネジメントを強化し、一層の観光客の取り込みを図ります。
これらの課題に対処するためホテル事業では、オリオンビールグループのリソースを有効活用し、保有アセットに「オリオン」ブランドを付加し、魅力的な沖縄体験の提供を通じてバリューアップを図ることでグループシナジーを創出してまいります。具体的には、a.「単価向上」、b.「客数向上」、c.「生産性向上」を主要戦略として事業価値の向上を図ってまいります。
a.単価向上
沖縄観光需要の増加による機会を獲得するべく、季節性・顧客属性・地域イベントや市場価格動向等の精緻な分析によるレベニューマネジメントの高度化に取り組むとともに、沖縄に訪れる観光客の多様な価値観を踏まえたファミリー向けコンテンツの拡充と沖縄コンテンツの深化を通じて、平均客室人数および館内滞在時間を拡大してまいります。
b.客数向上
ファミリー向けのルームタイプを拡充して宿泊者数の増加を図るとともに、ジャングリア沖縄等の新たな観光スポットへの需要を取り込んだ宿泊日数の増加も図ります。
c.生産性向上
顧客動線の整流化・効率化及び顧客接点のDX化を図り、生産性を向上してまいります。
(観光事業)
既存アセットの有効活用による収益性の向上を図り、テーマパーク「ジャングリア沖縄」との連携推進により、利益を伴う持続可能な成長を進めてまいります。
文中の将来に関する事項は、提出日現在においてオリオンビールグループが判断したものであります。
オリオンビールグループは「沖縄から、人を、場を、世界を、笑顔に。」というMission実現のため、Core Valuesの実践を通して企業文化の醸成を図り、Visionとしているそれぞれの具体的な価値を各ステークホルダーに提供いたします。
(2)経営環境及び経営の基本方針、経営戦略
オリオンビールグループでは、「オリオン」ブランドを掲げて沖縄に根差したビジネスを展開しており、マザーマーケットである沖縄県は、豊富な観光資源と地理的な優位性により、人口146.9万人(2023年)に対して、2024年の入域観光客数は995万人とハワイ(969万人)に匹敵する観光客が訪れるマーケットとなっています。沖縄への入域観光客数及び沖縄県の観光収入は、2011年より堅調に推移し2018年度のピーク後にコロナ禍の影響を受け大幅に減少しましたが、2020年度を底に回復基調にあり、今後も増加していくことが想定されています(出所:沖縄県「入域観光客統計概況」、「観光収入・経済効果波及」、南西地域産業活性化センター「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し:過去投影ケース」(2025年4月25日))。また、2025年7月には沖縄県北部にテーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業し、2026年度には火災により焼失した首里城正殿の復元等が予定されていることなど観光コンテンツの充実によりインバウンドの増加が見込まれることから、観光客一人当たりの消費金額や平均滞在日数は増加基調で推移することが想定されます(出所:沖縄県「令和5年版観光要覧」)。こうしたなか、オリオンビールグループは沖縄での強固なブランド力を強みに、インバウンドを含む観光需要を享受しつつ、沖縄県外及び海外市場開拓による高成長を実現する経営戦略として、2025年4月より5ヵ年の中期経営計画を推進しています。
中期経営計画では「沖縄と共に循環成長するビジネスモデルの強化」を目標として、a. 沖縄の魅力の詰まった商品・サービスの提供、b. 強固なグループ収益構造の構築、c. サステナビリティ経営基盤の整備とインパクトの創出を推進してまいります。
<オリオンビール全社基本方針>
a.沖縄の魅力の詰まった製品、サービスの提供
「ブランド」「観光客」「地域とのつながり」という酒類清涼飲料事業と観光・ホテル事業の両事業に共通な資産を基盤として事業展開を行い、その基盤の増強と両事業のシナジーを強化することで持続可能な企業価値向上を実現し、沖縄の魅力向上に貢献してまいります。
b.強固な事業基盤の構築
収益性の改善を柱にROE15%以上を目標として、グループ・事業セグメントでの取組に注力してまいります。
c.サステナビリティ経営基盤の整備とインパクトの創出
オリオンビールグループは、沖縄と共に循環成長するビジネスモデルの土台を形成する優先取組事項として、サステナビリティ経営基盤の整備とインパクトの創出に取組み、具体的なアクションをとってまいります。詳細は、2.「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
<両事業共通課題の全体像>
オリオンビールグループのマザーマーケットである沖縄県は、米国のハワイ州に匹敵する年間約1,000万人*1の観光客が訪れる日本の南国リゾートであり、今後も観光需要の増加による成長が見込まれています。
オリオンブランドは、沖縄と共に育ち、沖縄県民そして観光客に強く認知されているブランドであり、沖縄の観光成長を取り込むことができる事業基盤を有しています。沖縄県内に所在する飲食店約7,400店*2のうちオリオンビールは5,800店にビールサーバーを設置しており、密度の高い消費者とのタッチポイントを有しています。沖縄県内でのビールの販売シェアはアサヒビール株式会社のライセンス商品の販売も含めると、83.8%*3と高水準となっています。観光客の認知度では、96.9%*4と多くの観光客がオリオンブランドを認知しているとのデータが出ています。また、オリオンブランドは、国内ビール5社を含む11業界の82ブランドにおいて「顧客幸福度」*5最上位のビールブランドとの調査結果もあり、結果として、オリオンビールの沖縄県内売上高は、既にコロナ禍前を上回る水準まで回復しており、堅調に推移しています。
沖縄県内市場における酒類清涼飲料事業は、コロナ禍以降の観光客の「戻り」に合わせて成長軌道に入り、堅調に推移しています。沖縄の風味を届けるRTD等の様々な酒類は沖縄県民や観光客の多様化するニーズを捉えております。今後も、沖縄県内で培ったブランド力を糧に沖縄県外にも積極的に展開していきます。
また、酒類清涼飲料事業における海外事業について、オリオンブランドは沖縄観光体験を通じて世界に広がりつつあり、成長を遂げています。従前から一定程度の認知度があったアジア圏と米国、豪州を中心に2021年3月期から2024年3月期にかけて、年率30%超の売上高成長を実現しており、今後の成長ドライバーとして推進して参ります。
2024年6月には近鉄グループホールディングス株式会社と資本業務提携契約を締結し、今後、同社グループとの連携による送客や、専門人材の派遣をはじめとした観光ノウハウの活用等、観光・ホテル事業の強化を図って参ります。また、2025年7月開業のテーマパーク(ジャングリア沖縄)との連携も進めており、更なる観光需要の拡大に備え準備をしております。
出所:沖縄県「入域観光客統計概況」、「観光収入・経済効果波及」、「観光収入・人泊数の概況
(速報)」、南西地域産業活性化センター「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し(過去投影
ケース)」(2025年4月25日)
注:2023年度以前は「入域観光客統計概況」および「観光収入・経済効果波及」の数値を使用。
2024年度は、「入域観光客統計概況」および「観光収入・人泊数の概況(速報)」の数値を使用。
予測値は「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し」の数値を使用。
出所:沖縄県「令和5年版観光要覧」
出所:沖縄県「令和5年版観光要覧」
*1 沖縄県「入域観光客統計概況」、「観光収入・経済効果波及」、「観光収入・人泊数の概況(速報)」、南西地域産業活性化センター「沖縄県経済の2035年度までの長期見通し(過去投影ケース)」(2025年4月25日)
*2 総務省統計局「令和3年経済センサス活動調査結果」における沖縄県の産業別民営事業所数(飲食店)から、「喫茶店」、「管理、補助的経済活動を行う事業所」及び「その他の飲食店」を除外した数
*3 国税庁「令和5年度間接税(酒税) - 酒類の販売(消費)数量」記載の沖縄県におけるビール販売数量(単位:kl)を分母、オリオンビールの「同年度のオリオンビールビール販売数量(単位:kl)」を分子として算出。なお、オリオンビールビール販売数量には、アサヒビールからのライセンスによって製造した商品、及び、仕入れした商品の販売も含む
*4 「観光客のオリオンビールの認知度」とは、沖縄観光市場におけるオリオンビールの実態を確認し今後のプレスリリース活動に活用する目的で、株式会社おきぎん経済研究所による「沖縄観光における県産酒類の価格需要に関する調査」(調査期間:2024年3月19日~2024年3月20日、調査対象:20歳以上の国内在住者で直近およそ5年以内の沖縄旅行経験者(帰省、仕事及び修学旅行目的を除く。)、調査対象人数:1,030名、調査手法:Webアンケート調査)において、(オリオンビールについて)「ご存知ですか。また、飲食したことがありますか。」との質問に対し、「飲食したことがある」又は「飲食したことはないが、知っている」と回答した割合
*5 「顧客幸福度」とは、「自己の幸せ」「周囲の幸せ」「ブランドの存在への感謝」の3点に関して、(1.まったくそう思わない)(2.そう思わない)(3.あまりそう思わない)(4.まあまあそう思う)(5.そう思う)(6.とてもそう思う)(×わからない・判断できない)の7件法で得点付けを実施。各設問の合計得点を100に換算し、ランキング化。国内ビール5社を含む11業界の82ブランドについて調査。
出所:日経クロストレンド「顧客幸福度」調査2024 調査時期:2023年12月、調査方法:インターネット調査(楽天インサイト)、回答者属性:全国・20~69歳・男女、有効回答数:延べ10,005,800件
<酒類清涼飲料事業>
酒類市場では、人口減少や少子高齢化、若年層の飲酒離れ、酒類を提供する飲食店の減少によりコロナ収束後も国内需要の縮小が続くものとみられ、企業間での販売競争が激化することが予想されます。更に原材料コストや人件費の上昇に加え、エネルギーコストの大幅な上昇は製品原価の増大要因となっております。
また、2026年10月の酒税改正に伴う酒税軽減措置廃止は沖縄県内の酒類清涼飲料事業の収益に影響を与える可能性があります。
このような環境下及び見通しのもと、オリオンビールグループでは、ビールのみならず、沖縄の風味を活かした多様な商品ラインナップを提供しています。近年特に注力しているのが、RTDです。商品開発による差別化を図り、RTDの売上高過去6年CAGR(Compound Annual Growth Rate、年平均成長率)は36.8%と急速に成長しています。また、沖縄の伝統酒である泡盛やもろみ酢を製造する連結子会社である株式会社石川酒造場は26.6%(2025年3月期)と高い営業利益率となりますが足元は泡盛をベースとしたクラフトジンの提供を始めています。2024年3月にオリオンビール初のワインである沖縄県産のパッションフルーツを使用したフルーツワインSouthern Cross Wineryを販売開始しました。Southern Cross Wineryは、想定を上回るペースで販売となり、急遽増産対応するほど好調な販売となっています。また、近年需要が拡大するノンアルコールは「クリアフリー」というブランドを提供、消費者の多様なニーズを捉えるプロダクトを展開しています。
酒類清涼飲料事業では下記に記載のマーケティング戦略をベースに、a.「収益基盤の拡大」b.「収益性の向上」c.「新たな成長ドライバーの開発」を主要戦略として中長期的な収益構造の強化と持続的な事業価値の向上を図ってまいります。
マーケティング戦略
·ブランドスローガン「しぜんと、しぜんに」:沖縄ならではの魅力が詰まった製品やサービス、そこから得られる、自然体に戻れる心地よい時間と空間、そんなブランド体験を通じてお客様の日々を笑顔で満たしていく事がオリオンビールの目指すゴールです。
·ターゲット顧客:大前提として沖縄好きであること。また、生活の中で様々なストレスと闘う毎日を送り、そんな中でも自然体の自分で自分らしく人生を楽しみたいという思いを持った人たち。
·基幹商品:フラッグシップの「オリオン・ザ・ドラフト」をNo.1ブランドとして確立。
·カテゴリー成長:ビール市場において、オリオンビールとしてカテゴリー成長を促進するため、ビールの概念を覆すような話題性のある新商品開発、新カテゴリーへの挑戦、コミュニケーションを通じて、ビール離れが進んでいる「若年層」を取り込む。
成長分野のRTD市場については、競合との差別化を図りながら、売上と利益を成長させていく。
· 沖縄県をタッチポイントとして活用 :沖縄の価値を観光客や消費者にお届けし、沖縄ファン=オリオンファンを持続的に創出するビジネスモデルを構築。
a.収益基盤の拡大
過去5年間の実績推移にもありますように、沖縄県以外の国内及び海外の事業を拡大することで収益基盤の拡大を図り、収益構造の安定化を図ってまいります。
(酒類事業主要チャネル売上推移 ※1)
※1:売上は新収益認識基準適用前の数値
※2:CAGRは2021年3月期から2025年3月期が対象
(県外)
沖縄県内で培ったブランド力を活かし、沖縄県外への販売にも注力しています。沖縄観光体験を想起するマーケティングによって、全国のトレンドよりも高い数量成長を遂げて、着実に拡大しています。具体的なマーケティングの取り組みとしては、SNSマーケティングの強化や渋谷に期間限定で設置した沖縄旅行体験が味わえるイマーシブ型バーがあります。RTD販売については、代理店とのパートナーシップ強化を行い地域の有力なスーパーマーケットを最重要顧客と設定し一層の販売拡大を図り、沖縄料理店以外への販売を強化し、採用アイテムの拡大を図ってまいります。これらの活動によって、消費者による経験価値の共有・拡散がされるモデルを構築し、更なる県外売上拡大を目指していきます。
(EC)
EC事業においては、新たな販売チャネルとして開発を進めます。具体的には、定期会員の獲得、CRM(Customer Relation Management 顧客との関係構築)の強化、MD(Merchandising 商品の品ぞろえ・管理)の拡充等を進め、沖縄ブランド商品の販売拡大を図ります。
(海外)
海外事業は今後の成長ドライバーになると考えています。2021年に新たに海外事業担当者を選任して、本格的な海外展開拡大を開始しました。オリオンビール独自の強みを活かして競争優位を発揮できる市場を選定し、日本国内の同業他社とは異なる「リゾート×ジャパンクオリティ」ブランドであることを訴求することによって、オリオンの認知を高めてきました。また、各国のディストリビューターとの関係を強化し、有力な小売企業へのアクセスが可能になったほか、価格戦略も見直してきたことが奏功し、2023年3月期には営業黒字化(管理会計ベース)を達成しました。また、海外市場向けの「Orion The Dark」や「SHOKUNIN」の投入により、主力ブランドである「オリオン・ザ・ドラフト」だけでなく、複数のブランドポートフォリオで市場への訴求が可能になりました。今後は、各国で培った成功体験と実績を活かし、更なるブランド価値の訴求を行うことに加え、海外でのライセンス製造ビジネスも展開していくことにより、海外売上高の比率を更に拡大することを目指しています。
海外事業における展開エリアについての取り組みは以下のとおりです。
b.収益性の向上
事業の競争力強化、高付加価値商品の拡大販売を図り、収益構造の強化を図ってまいります。
沖縄県内事業については、主要チェーンとの取組強化、観光需要取込に向けたチェーン以外市場の対策強化、2026年10月の酒税改正に伴う酒税軽減措置廃止の影響を受けないウイスキー、ジン、テキーラといった仕入品の販売強化、店頭活動強化のためのマーケットスタッフの増強等、沖縄県内営業リソース強化による競争力強化を進めるとともに、高付加価値で収益性の高い製品群の拡大販売を進めます。また、収益性の高い石川酒造場事業の拡大を図ります。
生産、購買、物流、バックオフィス部門においては、オペレーションの効率化、環境マネジメントシステム強化、原価低減活動やバックオフィス業務のプラットフォーム化等による機能強化と効率化を進めます。
c.新たな成長ドライバーの開発
新たな成長ドライバーを開発することで事業ポートフォリオの選択肢を増やし、持続的な成長を図ってまいります。具体的には、フルーツワイン事業の成長、クラフトビール製造の強化、洋酒の開発、ブランドライセンスビジネス強化等を行います。
ライセンスビジネスの強化に向け、2024年3月期には専任のライセンスマネージャーを採用、ライセンス契約先及び展開商品数の拡大を図ると共に、ショップの拡充や海外展開を推進し、更なる事業の拡大を目指しております。
<観光・ホテル事業>
(ホテル事業)
2024年度の沖縄県入域観光客数は995万2,400人と前年度比16.6%増となり、これまで最多を記録した2018年度の99.5%と同水準にまで回復し、過去2番目の入域観光客数となりました。国内客については、台風等の大きな影響もなく、航空会社による増便・臨時便・季節運航等の実績が好調に推移したことから前年度比で増加となり、過去最高を更新しました。また、外国客については、航空路線の再開・新規就航やクルーズ船の寄港回数の増加等により、前年度比81.4%増となりました。
このような環境下及び見通しのもと、オリオンビールグループでは、沖縄の価値を観光客や消費者に届けるため、ホテルを通じた体験機会を提供しています。「オリオンホテルモトブリゾート&スパ」は年間約350万人の集客力を誇る美ら海水族館に隣接するほか、2025年7月開業のテーマパーク「ジャングリア沖縄」に近接し、そのオフィシャルホテルに認定されるなど、観光需要を取り込む好条件に恵まれております。2024年3月期にリニューアル工事の効果を最大化すべく、レベニューマネジメントを強化し、一層の観光客の取り込みを図ります。
これらの課題に対処するためホテル事業では、オリオンビールグループのリソースを有効活用し、保有アセットに「オリオン」ブランドを付加し、魅力的な沖縄体験の提供を通じてバリューアップを図ることでグループシナジーを創出してまいります。具体的には、a.「単価向上」、b.「客数向上」、c.「生産性向上」を主要戦略として事業価値の向上を図ってまいります。
a.単価向上
沖縄観光需要の増加による機会を獲得するべく、季節性・顧客属性・地域イベントや市場価格動向等の精緻な分析によるレベニューマネジメントの高度化に取り組むとともに、沖縄に訪れる観光客の多様な価値観を踏まえたファミリー向けコンテンツの拡充と沖縄コンテンツの深化を通じて、平均客室人数および館内滞在時間を拡大してまいります。
b.客数向上
ファミリー向けのルームタイプを拡充して宿泊者数の増加を図るとともに、ジャングリア沖縄等の新たな観光スポットへの需要を取り込んだ宿泊日数の増加も図ります。
c.生産性向上
顧客動線の整流化・効率化及び顧客接点のDX化を図り、生産性を向上してまいります。
(観光事業)
既存アセットの有効活用による収益性の向上を図り、テーマパーク「ジャングリア沖縄」との連携推進により、利益を伴う持続可能な成長を進めてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてオリオンビールグループが判断したものであります。
オリオンビールグループにおいては「リスク管理・コンプライアンス規程」を制定しております。オリオンビールグループにおいて、「リスク」とは、オリオンビールグループに物理的、経済的又は信用上の損失(機会損失を含む)若しくは不利益を生じさせる全ての可能性を指すものとし、「具体的リスク」とは、リスクが具現化した以下に掲げる事象などを指します。
a.信用の危機…不全な事業活動や欠陥のある情報の提供などによるイメージの低下
b.財政上の危機…収入の減少や資金の運用の失敗などによる財務の悪化
c.人的危機…労使関係の悪化や役員間の内紛や代表者の継承など
d.外部からの危機…自然災害や事故及び外部からの不法な攻撃
e.その他…前各号に準ずる危機
上記のうち、「重要なリスク」として以下の事象を想定し、経営会議において管理するとともに内部通報制度の対象とし迅速な対応を行っております。
a.信用の危機
・会社の法令遵守義務違反
・顧客・取引先情報の漏洩
・製造物責任・リコール
b.財政上の危機
・新規事業、設備投資・製品開発の失敗
・与信管理の失敗
・取引先の被災・事故・倒産
c.人的危機
・役職員の過労死、過労による自殺
・重大な労働災害、悪質なハラスメント
・役職員による不正行為・背任行為
d.外部からの危機
・台風や地震などの自然災害
・火災や環境汚染などの人的災害
・役職員などに係る重大な人身事故
・サイバー攻撃、ウィルス感染など外部からの不法な攻撃
e.その他、前各号に準ずる経営上のリスク
オリオンビールグループは、業務執行上の重要な意思決定ないし事業遂行などに内在するリスクは経営会議において管理し、経営会議における審議、報告事項などに対して、各部門が想定されるリスクを分析し、必要な報告を行う体制を構築しております。
内部通報事案、そのほかコンプライアンスに関連する事項は、リスク管理・コンプライアンス委員会で審議を行っております。委員会の職務は、次のとおりであります。
・年度計画策定におけるリスクの識別、分析評価及びその予防と対応策検討
・不祥事、トラブルに対する迅速な対応及び状況の総括的把握
・リスク回避への啓発、教育
・リスクの顕在化に対する再発防止策検討と実施指示
・オリオンビールの取締役会への報告又は提案
・コンプライアンスの状況の確認
・コンプライアンス研修など
・コンプライアンス・マニュアル、コンプライアンス・プログラムなどの作成
・そのほかリスク管理に関する一切の事項
a.経済情勢及び人口動態の変化について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
オリオンビールグループの売上高は主に国内の景気動向による影響を受けるため、経済情勢の変化による景気悪化、実質賃金の下落、日本国内の少子高齢化の進行による市場全体の縮小に伴い、主要製品の出荷変動、主要製品の単価下落の可能性や保有資産の価値の低下につながるリスクがあります。また、オリオンビールのビール類売上の76%(2025年3月期)は沖縄県内向けであり、沖縄県内の景気動向により、主要製品の出荷変動、主要製品の単価下落の可能性や保有資産の価値の低下につながるリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループは、中期経営計画において「酒類清涼飲料事業における収益基盤拡大」を掲げ沖縄県外チャネルの強化及び海外展開の拡大を行うことにより、特定地域に依存しない収益構造の確立を図ってまいります。
b.酒税の変更により業績が影響を受けるリスク(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:短期(2026年、2032年)、影響度:中
オリオンビールグループが沖縄県内に出荷するビールについては「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」により酒税の軽減措置が有りますが、軽減措置の段階的廃止が行われることとなりました。2023年10月1日からビール等は20%から15%へと軽減率を変更、2026年10月1日にビール等の軽減措置は廃止されます。また、泡盛については事業規模に応じて段階的に軽減が行われ、2032年5月15日に軽減が廃止されます。また、酒税の増税が行われた場合、販売価格の上昇によって酒類清涼飲料事業における酒類消費量が減少し、オリオンビールの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
酒類清涼飲料事業は中期経営計画において中長期的な収益構造強化のために「収益基盤の拡大」「収益性の向上」「新たな成長ドライバーの開発」を主要戦略としております。
「収益基盤の拡大」については軽減措置の段階的廃止影響を低減させるべく、2020年3月期において約12%を占めていた軽減措置が及ばない県外、海外の売上構成比率を2025年3月期においては約23%まで拡大させてまいりました。この県外、海外の売上構成比拡大は両事業の成長をベースに今後も継続する計画となっております。
「収益性の向上」につきましては、原材料費の高騰やその他コストの上昇という環境下においても、価格の改定や高付加価値商品の導入とその拡販、製造を含めた事業オペレーションの効率化を図ることで2020年3月期に10.9%であった酒類清涼飲料事業の売上高営業利益率を2025年3月期には14.0%まで向上させてまいりました。今後も利益を最大化するために、価格感応度分析を踏まえた価格設定の見直しや高付加価値商品の拡販、オペレーション効率化等を継続的に実行して行きながら更なる収益性の向上を図ってまいります。
「新たな成長ドライバーの開発」につきましては、2024年春に上市し好評を得ているフルーツワイン事業への更なる投資や今後も高収益かつ高成長性が見込まれるライセンスビジネスの拡大、また観光・ホテル事業とのシナジー効果が期待出来るクラフトビール事業の拡大を行ってまいります。
これらの主要戦略を引き続きしっかりと実行していくことで一層の収益構造の強化を図り、今後想定される軽減措置廃止の影響を最小限に留めていく所存であります。
c.特定事業分野への依存度について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
売上高のうち、ビール類(ビール・発泡酒・新ジャンル)は2025年3月期において7割を超えております。特に売上高のうち、沖縄県内のビール類の売上高は2025年3月期には61%となります。消費者の嗜好性の変化、世代交代などにより、お客様の支持を失ってしまうと、本商品群の売上高が減少し、オリオンビールグループの業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
中期経営計画において「収益基盤の拡大」並びに「新たな成長ドライバーの開発」を主要な戦略としており、ビール類以外の商品ラインナップを充実させバランスの取れた事業拡大を図ってまいります。
d.アサヒビール株式会社との取引関係に係るリスク(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:大
オリオンビールは2002年よりアサヒビール株式会社と包括的業務提携を行っております。当該業務提携に関する重要な契約は以下のとおりです。
①沖縄県及び鹿児島県奄美大島群島を除く日本におけるアサヒビール株式会社による「アサヒオリオン ザ・ドラフト」等の販売契約
②沖縄県におけるオリオンビール株式会社への「アサヒスーパードライ」等の製造販売ライセンス供与契約
契約①が失効した場合、沖縄県外での「アサヒオリオン」ブランドのビール類販売が減少することで、オリオンビールの利益が減少するリスクがあります。
契約②が失効した場合、アサヒビール株式会社が自社で製造販売するため、沖縄県内での「アサヒスーパードライ」の製造販売は減少しないが、オリオンビールの利益が減少するリスクがあります。
競争力のある商品開発を促進し県外展開を図ること、また沖縄県内での「アサヒスーパードライ」のシェアを更に高めることにより相互利益の一層の拡大を図ってまいります。
また、マネジメント層から担当者層まで階層ごとに対話の場を定期的に設定し、二社間の良好な関係の維持に努めてまいります。
e.沖縄県内の入域観光客数の変動について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:不明、影響度:大
観光・ホテル事業のうちホテル事業は、沖縄県内の入域観光客数に大きく左右され、政治情勢によりインバウンド需要が減少する等の急激な変動が発生した場合は、ホテル事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、酒類清涼飲料事業における沖縄県内の売上高も、入域観光客数の変動の影響を受けます。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
ホテル事業の収益安定化のためホテル施設内のテナント誘致を推し進めるとともに、料飲部門の充実を図り沖縄県内のお客様の飲食・宴会利用促進を進めてまいります。
f.食の安全性について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:大
製品及び原材料に係る品質及び表示の問題などが発生した場合、製品回収、出荷不良品発生、製造物責任を追及される可能性があります。
ホテル事業においては、食中毒が発生した場合、一定期間の営業停止などを命ぜられ、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールでは、グループの行動規範であるORION WAYにおいて、「私たちは、高水準・高品質の商品やサービスを提供し、現状に満足することなく、全ての活動を向上させなければならない」としております。原材料の調達から製造、製品までの品質、安全・安心を確保するため、名護工場においては、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000を取得しました。ホテルにおいては、厚生労働省より発令されたHACCPに沿った衛生管理の義務化に則り、取引先の衛生状態のチェック、配送温度管理方法の確認、調理場内でのチェックポイント17項目を設定し、取り組んでおります。
オリオンビールグループでは、製品の品質モニタリングや品質保証の仕組みの監査を実施するなど、品質保証の強化に最大限努めております。経営トップが品質の重要性をグループ全体にメッセージとして発信することに加えて、教育研修を実施することで品質を大切にする組織風土の醸成に取り組んでおります。
g.製造委託品及び仕入商品の安全性について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:中
オリオンビールグループは一部の商品について外部に製造委託を行っております。また、仕入商品も取り扱っております。製造委託品について品質などの問題が発生した場合、販売休止、製品回収などの可能性があり、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
新規に製造委託先で製造する商品に関しては、毎ロットの製造に対して1ケースをオリオンビールの品質管理課に直接送らせて、品質評価を実施しております。最低でも3回分のロットを継続して評価しております。また、オリオンビールのRTD商品開発課及び品質管理課は、不定期で製造委託先のQA(Quality Assurance:品質保証)点検を実施しております。
h.新型コロナウイルス感染症などの新型感染症について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:短期、影響度:大
新型コロナウイルス感染症の流行は、オリオンビールグループでは特に業務用の酒類清涼飲料事業及び観光・ホテル事業のホテル事業に大きな影響を及ぼしました。
新型コロナウイルス感染症については、今後、日本国内においてもウィズ・アフターコロナのフェーズに入っていくものと考えられますが、新たな変異種の感染拡大や新たな感染症の流行発生とそれに伴うロックダウンや緊急事態宣言などが新たに生じた場合には、業務用ビール類を中心とした主要製品の売上高減少の可能性及びホテル事業の売上高減少のリスクがあります。また、従業員への罹患が広がり事業活動に必要な要員確保に影響が生じるリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、消費者の意識や動向に変化が起きました。節約志向、健康志向の高まり、オンラインチャネル(ECなど)の利用のさらなる増加、リモートワークの定着による消費行動の変化といった消費者、市場、社会などの変化には不可逆的な部分があるとの認識の下、酒類飲料事業における収益基盤拡大と収益性向上、新たな成長ドライバー開発、観光・ホテル事業におけるブランド力向上と競争力強化に取り組んでまいります。
従業員の罹患リスクに対しては、各種の感染予防策を実施・徹底しており、また罹患が疑われる場合の報告体制や対応フローなども取り決めております。
i.環境に係るリスク:地球温暖化に伴う温室効果ガス排出削減への対応について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:中
地球温暖化への対応として、2021年に日本政府より「2050年温室効果ガス実質ゼロ」、「2030年度温室効果ガスを2013年度比46%削減、さらに50%の高みを目指す」との方向性が出されました。これを受け、各企業での自主的な温室効果ガス排出量削減、カーボンニュートラルに向けた具体的施策策定、目標設定、これら目標の進捗情報の開示義務の拡大要求が高まるとともに、炭素税(或いは類似税)の施行や省エネ法の厳格化など、環境対策強化のための規制強化が進むと考えられます。地球温暖化対策のための施策及び環境情報開示の遅れは、消費者の環境配慮意識の高まりに伴い、企業ブランドイメージの毀損・低減による売上高減とともに、ステークホルダー全体からの懸念増加につながるリスクがあります。
オリオンビールグループは、中期経営計画において、中長期的目標、施策を設定し、温室効果ガス排出削減を図っています。具体的には、名護工場において、2016年に燃料をそれまでの重油から液化天然ガスに切り替えたのをはじめ、高効率エネルギー機器導入など省エネルギー化による温室効果ガス削減を進めてきました。また、ホテルにおいても、太陽光発電システムや高効率冷暖房設備の導入を進め、CO2排出量削減に努めております。さらに2022年以降は沖縄電力から購入する電力の50%を、県産の資源を活用した実質再生可能エネルギー100%電力に切り替えたことなどにより、2023年度には2019年度比22.7%のCO2排出量削減を実現しました。また、これと並行してグループ全体での温室効果ガス排出量把握に向けたシステムの導入も進めています。今後も、温室効果ガス削減のための新技術の導入、再生エネルギーの積極的活用などにより、2050年の温室効果ガス実質ゼロ実現に努めるとともに、その進捗状況について積極的に情報開示してまいります。
j.環境に係るリスク:気候変動によるリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:短期・中長期、影響度:中
気候変動がオリオンビールグループの事業活動に影響を与える可能性があります。
オリオンビールビール類の工場(沖縄県名護市)の水源地において干ばつが発生し必要な水資源が確保出来ない場合には操業停止による機会損失や工場移転費用が発生するリスクがあります。台風の強力化や異常気象による風水害及び土砂災害が発生することで生産ラインや物流が停止し、設備被害や機会損失、製品廃棄による損失が発生するリスクがあります。原料の供給地域における生育環境の変化、自然災害により、需給バランスや品質に影響し、主要な原料価格が変動するリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループは、中期経営計画において「ESG経営の推進」を掲げております。オリオンビールのESGの取組に対する外部評価を行い、気候変動がオリオンビールグループの事業に及ぼすリスクと機会の分析と対応の検討を行ってまいります。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が推奨する4つの開示項目(「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」)について、気候関連情報を開示してまいります。GHG排出量の削減に関してScope1、2について、グループ全体で2030年までに対2019年比「50%減」を、また、2050年までに「ネットゼロ」を目指します。
k.多様で有能な人材の確保について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:大
多様で有能な経営幹部並びに一般社員を、必要数確保、育成及び定着させることができず、中期経営計画の実行に支障が生じる可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループでは、多様で有能な人材の確保につながる4つの施策を行っております。まず、採用時にはジョブ・ディスクリプションを作成し、確保すべき人材の職務内容、求められる成果水準、望ましい経験、必要スキルを明確にして的確な採用を行います。次に、入社時にはオンボーディング研修を実施し、早期の組織定着を実現しており、対象者が若年層の場合はメンターを配備しております。3点目に、目標達成度評価における面接及びキャリア面談などの機会を通じて、常に上司と部下の緊密なコミュニケーションを図っております。最後に、年に数回「人材開発会議(タレントディスカッション)」を行い、人材マッピングのアップデート、次期昇格者などハイポテンシャルな人材の特定と個別育成計画を策定し、実行しております。
l.人件費の上昇リスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:短期・中長期、影響度:大
近年の物価上昇及び政府主導による賃金引上げ施策の環境下にあり中途採用の募集賃金・新卒初任給の賃金引き上げも視野に入ってまいります。これら各種賃金の上昇は直接的に経営数値に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
良質人材の確保・定着のためには人件費の上昇は避けられないという認識に立脚し、その上昇幅を経営数値の許される範囲で合理的にコントロールしていくことが必須となります。具体的には一度に大幅な賃金上昇を実現するのではなく、中期経営計画などと連動し、複数年にわたる中長期的な賃金水準の改善計画を策定しております。また、賃金改定にあたり労働組合との綿密な意思疎通が必要となるため、賃金改定に関する各種指標及びその解釈の共有化など、緊密な関係性を構築しております。
m.国内物流需給ギャップの拡大について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:短期・中長期、影響度:小
国内の物流環境は、少子高齢化による労働人口の減少に加え、ECによる取引量等の増加により物流量が増加し運送ドライバーや荷役作業員の人手不足の拡大が予想される上に、働き方改革関連法を受け、ドライバーの労働時間に上限が設定されることで生じる諸問題「2024年問題」に直面しております。このような環境下において、サプライチェーン全体でコスト上昇や機会損失により、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールの生産拠点は、ビール類については沖縄県にある名護工場、RTD類については沖縄県内及び県外の委託先です。県内-県外の物流では海上輸送を的確にプランすること、県内の物流では代理店との間で発注ロットと在庫を最適化するための協同取組を行うことによりムダとムラを排除します。更に、県外の物流では外部倉庫の選定や変更を機動的に行うこと、公式ECでは専門業者への委託などを行うことでコストの最適化と機会ロスの極小化を目指します。
n.サプライチェーンに係るリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:中
地震・集中豪雨などの大規模自然災害、感染症、そのほかの災害・事故などによりサプライチェーンが分断するリスクがあります。
災害・事故などへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。また、工場における需給予測精度の向上と適正在庫水準の確保に取り組んでおります。
o.原料・資材価格について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:大
オリオンビールグループの使用する主要な原料・資材には、その価格が商品相場や為替市場などの状況により変動するものがあります。それらの原料・資材の価格が高騰することにより、売上原価が上昇し、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
原料・資材価格に影響する市況の最新情報収集強化、調達先の分散・多様化、適正在庫の水準の維持、為替予約などの様々な対策を進めております。コストサイドの取組に加え、セールスサイドでは適正な利益を確保するための価格改定を検討・実施してまいります。
p.光熱費の上昇リスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
地政学的要因及び為替変動に伴うエネルギー価格上昇により、光熱費が上昇するリスクがあります。特に、オリオンビールグループにおいては、事業が沖縄県内中心であることから、現状、複数のエネルギー供給元の活用による価格抑制が難しい状況にあります。
オリオンビールグループは、施設や製造機器のエネルギー効率を向上させるため、高効率な照明や冷凍機システムの導入などの改修や投資を行っております。また、ホテルではすでに太陽光パネルの導入により、電力の一部を自家発電による電力に切り替えております。さらに、名護工場においても、太陽光パネルやコージェネレーションシステムの導入を検討しており、価格上昇の影響の軽減を進めてまいります。加えて、沖縄県内においても、新電力事業者の再進出の情報もあることから、複数のエネルギー供給元の活用による価格抑制についても検討してまいります。
q.法的規制などの影響について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:不明、影響度:中
オリオンビールグループは、酒税法や食品衛生法、環境・リサイクル関連法規、景品表示法などの様々な法的規制の適用を受けるなか、ビール製造免許や酒類販売免許などの許認可を受け、事業活動を行っています。各免許の期限の定めはありませんが、法令違反(酒類販売免許を受けていない者や20歳未満の者に酒類の販売をした場合など)が発生した場合は免許取り消しのリスクがあります。また、事業を展開する各国の法的規制の適用も受けております。酒税や消費税の増税などが実施されることによる需要の減少、酒類の広告に対する規制や酒販店店頭での販売時間、酒類販売場所に対する規制が広がっていく場合など、需要の減少や新たな規制に対応するための費用などが発生する可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループでは、事業を行う上で適用される法令等の一覧表を整備し、総務課法務グループを中心に担当部門を決めて、法規制の新設や変更を定期的にモニタリングし法令違反のリスクの未然防止に努めています。オリオンビールの事業に重大な影響を与え得る法規制が新設される、或いは変更されるという情報を得た場合、担当部門は法務グループと連携し、顧問弁護士へも相談して対策案を講じ、経営会議等で対策をディスカッションしております。
r.アルコールの負の影響について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
アルコールの負の影響に関して、WHOは世界的な規模での酒類販売に関する将来的な規制に向けた議論をしており、酒類販売に関する規制が行われるリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても相応にあるものと認識しております。
観光・ホテル事業にも適切に経営資源を配分し酒類への集中度軽減を図っております。WEBやポスターなどを活用しながら20歳未満の飲酒防止啓発や適正飲酒啓発活動を行っております。
s.事業・資本提携について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:中長期、影響度:大
オリオンビールグループでは、成長に向けた競争力強化の一環として国内外他社との事業・資本提携を実施する可能性があります。事業・資本提携により獲得いたしました経営資源について期待したシナジー効果が創出出来ない場合には、オリオンビールグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても相応にあるものと認識しております。
事業・資本提携に当たっては、慎重に検討を行い、対象会社の財務内容や契約関係などについて、詳細なデューデリジェンスを行い、将来の損失を最大限回避するように努めております。
t.情報セキュリティについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:随時、影響度:大
顧客情報の漏洩や第三者からのサイバー攻撃などの情報セキュリティ事故により、オリオンビールの信用の失墜や損害賠償などが発生するリスクがあります。また、システム障害が発生して、業務の遅延や停止など業務に支障が出る可能性があります。
オリオンビールグループでは、情報セキュリティに関する規定を制定し、情報セキュリティ推進を担当する役員を中心にしたセキュリティ委員会を組織し、情報セキュリティ体制を強化しております。社員に対しては、社内教育を継続的に実施し、情報が漏洩した際のリスクと個人情報の重要性の理解、事故発生時に取るべき対応の周知を図っております。重要な情報資産に対するアクセス権限などのシステム上の対策と、書類保管庫の施錠、オフィスの入退室管理などの物理的な対策の両面を進めております。
u.自然災害の発生によるリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:随時、影響度:大
オリオンビールグループの事業拠点において大規模な自然災害が発生した場合には、オリオンビールグループの所有する設備に損害を受ける可能性があり一時的に事業停止に陥るリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても相応にあるものと認識しております。
起こりうる災害の種類や規模、想定されるリスク、オリオンビールグループへの影響と対策について、リスク管理・コンプライアンス委員会で定期的にモニタリングしております。災害などへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。
v.生産拠点が限定されていることによる事業継続リスク(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
オリオンビールグループの酒類清涼飲料事業における収益源はビール類、RTD、清涼飲料(ビールテイスト飲料及びソフトドリンク)です。ビール類の生産は名護工場1か所で行っていることから、自然災害(地震、洪水、台風など)や事故(火災、爆発など)の発生が生産活動に大きな影響を与える可能性があり、生産設備の損壊や復旧の長期化のリスクがあります。また、これら災害により、サプライチェーンが中断された場合、原材料や製造設備の部品の供給に遅延が生じ、生産ラインの長期停止のリスクがあります。
RTD、清涼飲料の製造は、県内・県外の複数メーカーに生産を委託するなど、複数の生産拠点を確保し、地理的なリスク分散を図っています。原材料、製造設備部品の調達先については、地域の異なる複数の調達先を確保することで、災害による供給網の中断、遅延の長期化の防止を図っています。名護工場単一拠点におけるビール類の製造を含め、事業継続におけるリスク発生時の対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。
w.財務・税務リスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:随時、影響度:小
LBOに端を発するタームローンに関するリスク、金利上昇により資金調達コストが増加するリスク、為替レートにより原材料の調達コストが上昇するリスク、税務当局との見解の相違などにより、追加で税負担が生じたり社会的信用が低下するリスクがあります。
タームローンの借入残高は、2025年3月現在で160億円であり、資本合計に占める割合は84.4%です。本借入に対して、利益維持条項(経常利益を2期連続で赤字にしないこと)や純資産維持条項が設定されております。これまでコベナンツに抵触したことはなく、返済も約定通りに行い借入金残高を減少させております。
資金調達コストの上昇リスクについては、借入条件の見直し、一部債務の繰上返済の検討等により、企業としての資金繰り能力に見合った資金調達を行っております。
為替リスクについては、原材料の供給先との間で、年間の調達価格を円建てで合意することにより、年間の為替変動リスク低減を図っております。
税務リスクについては、顧問税理士等の助言並びに専門書の購読、税制改正研修への参加等による知識の習得を継続的に実施することにより、税務リスクの軽減を図っております。
x.減損リスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:中長期、影響度:中
オリオンビールグループでは、減損会計を適用しております。将来、オリオンビールグループが保有する有形固定資産及び企業結合により取得したのれん等について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生するリスクがあります。
事業投資にあたっては、投資リスクについて慎重な検討を行っております。
y.コンプライアンスに関するリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:随時、影響度:大
従業員の不適切な飲酒や贈収賄など法令などに違反したり、社会の要請に反した行動が行われ、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受け、お客様からの信頼を失うリスクがあります。
オリオンビールグループでは、「リスク管理・コンプライアンス規程」に基づき、コンプライアンス状況の確認、コンプライアンス研修を実施し、従業員の法令違反や社会規範に反した行為などの発生可能性を低減するように努めております。また、不当な金銭・贈答・接待及びその他の利益の提供又は受領を禁じております。リスク事案の早期発見につなげるべく内部通報窓口を内部及び外部に設置しております。さらに、毎年、従業員コンプライアンス意識調査を行い潜在的なリスクを洗い出すとともに、回答内容の事実関係の確認や対処など初期段階でのリスクの低減を図り、同調査結果はリスク管理・コンプライアンス委員会に報告しております。
z.新株予約権の行使による株式の希薄化に関するリスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、 影響度:小
オリオンビールは、オリオンビールの取締役、執行役員及び従業員、並びにオリオンビールの子会社の取締役、執行役員及び従業員に対して、企業価値増大への意欲を高めるためのインセンティブとして、ストック・オプション制度を導入し、これらの者に新株予約権を付与しております。付与した新株予約権が行使された場合には発行済株式が希薄化し、オリオンビール株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在での新株予約権の付与数は、19,442個、その目的となる株式の種類と数は、オリオンビールの普通株式3,888,400株であり、オリオンビールの発行済株式総数40,813,400株を基準として全ての新株予約権が行使された場合でも希薄化率は9.53%にとどまり、希薄化の影響度は低いものと考えております。
aa.主要株主についてのリスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:直近1~3年、影響度:大
本書提出日現在において、オリオンビールグループの大部分は野村キャピタル・パートナーズ株式会社によって運営・管理されている野村キャピタル・パートナーズ第一号投資事業有限責任組合及びカーライルの関連投資ファンドが保有するCJP MC Holdings, L.P.により保有されています。かかる大株主がオリオンビール株式の上場後においても相当数のオリオンビール株式を保有した場合、大株主と少数株主との間で潜在的な利益相反関係が生じる可能性があります。また 大株主が保有株式を売却する際には株価への影響、すなわち、株式売買の需給関係に伴う株価形成への影響あるいは特定の株主への売却に伴う事業運営上の影響が生じる可能性があります。なお、オリオンビールは野村キャピタル・パートナーズ株式会社及びカーライルに属するカーライル・ジャパン・エルエルシーとの間でコンサルティング契約を締結し、オリオンビール上場に向けたガバナンス体制整備や成長戦略等、経営に係るコンサルティングを受け、その対価としてコンサルティング料を支払っておりましたが、当該契約は上場日をもって当然に終了することが契約で合意されております。また、オリオンビールの取締役会の諮問機関として設置している任意の指名・報酬委員会の構成員は、独立社外取締役が過半数を占めており、一般株主の利益の確保に向けた体制を強化しております。
ab.ライセンスビジネス・知的財産権についてのリスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、 影響度:小
オリオンビールグループのライセンスビジネスは、ブランドロゴなどの知的財産権に基づいて展開しています。当該事業を推進するに際し、オリオンビールグループではライセンスビジネスに関する専門部署を設置し、法務部門との協働により適切なライセンシーの管理を行っております。また海外で事業を展開する際は、商標やロゴなどの知的財産に関する現地での使用可否の調査を行っております。これらの取り組みにも関わらず、第三者による商標権や著作権等の侵害、不正流用、模倣品の流通が発生した場合、訴訟や契約の解除等によりオリオンビールグループのブランド価値の毀損、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてオリオンビールグループが判断したものであります。
オリオンビールグループにおいては「リスク管理・コンプライアンス規程」を制定しております。オリオンビールグループにおいて、「リスク」とは、オリオンビールグループに物理的、経済的又は信用上の損失(機会損失を含む)若しくは不利益を生じさせる全ての可能性を指すものとし、「具体的リスク」とは、リスクが具現化した以下に掲げる事象などを指します。
a.信用の危機…不全な事業活動や欠陥のある情報の提供などによるイメージの低下
b.財政上の危機…収入の減少や資金の運用の失敗などによる財務の悪化
c.人的危機…労使関係の悪化や役員間の内紛や代表者の継承など
d.外部からの危機…自然災害や事故及び外部からの不法な攻撃
e.その他…前各号に準ずる危機
上記のうち、「重要なリスク」として以下の事象を想定し、経営会議において管理するとともに内部通報制度の対象とし迅速な対応を行っております。
a.信用の危機
・会社の法令遵守義務違反
・顧客・取引先情報の漏洩
・製造物責任・リコール
b.財政上の危機
・新規事業、設備投資・製品開発の失敗
・与信管理の失敗
・取引先の被災・事故・倒産
c.人的危機
・役職員の過労死、過労による自殺
・重大な労働災害、悪質なハラスメント
・役職員による不正行為・背任行為
d.外部からの危機
・台風や地震などの自然災害
・火災や環境汚染などの人的災害
・役職員などに係る重大な人身事故
・サイバー攻撃、ウィルス感染など外部からの不法な攻撃
e.その他、前各号に準ずる経営上のリスク
オリオンビールグループは、業務執行上の重要な意思決定ないし事業遂行などに内在するリスクは経営会議において管理し、経営会議における審議、報告事項などに対して、各部門が想定されるリスクを分析し、必要な報告を行う体制を構築しております。
内部通報事案、そのほかコンプライアンスに関連する事項は、リスク管理・コンプライアンス委員会で審議を行っております。委員会の職務は、次のとおりであります。
・年度計画策定におけるリスクの識別、分析評価及びその予防と対応策検討
・不祥事、トラブルに対する迅速な対応及び状況の総括的把握
・リスク回避への啓発、教育
・リスクの顕在化に対する再発防止策検討と実施指示
・オリオンビールの取締役会への報告又は提案
・コンプライアンスの状況の確認
・コンプライアンス研修など
・コンプライアンス・マニュアル、コンプライアンス・プログラムなどの作成
・そのほかリスク管理に関する一切の事項
a.経済情勢及び人口動態の変化について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
オリオンビールグループの売上高は主に国内の景気動向による影響を受けるため、経済情勢の変化による景気悪化、実質賃金の下落、日本国内の少子高齢化の進行による市場全体の縮小に伴い、主要製品の出荷変動、主要製品の単価下落の可能性や保有資産の価値の低下につながるリスクがあります。また、オリオンビールのビール類売上の76%(2025年3月期)は沖縄県内向けであり、沖縄県内の景気動向により、主要製品の出荷変動、主要製品の単価下落の可能性や保有資産の価値の低下につながるリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループは、中期経営計画において「酒類清涼飲料事業における収益基盤拡大」を掲げ沖縄県外チャネルの強化及び海外展開の拡大を行うことにより、特定地域に依存しない収益構造の確立を図ってまいります。
b.酒税の変更により業績が影響を受けるリスク(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:短期(2026年、2032年)、影響度:中
オリオンビールグループが沖縄県内に出荷するビールについては「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」により酒税の軽減措置が有りますが、軽減措置の段階的廃止が行われることとなりました。2023年10月1日からビール等は20%から15%へと軽減率を変更、2026年10月1日にビール等の軽減措置は廃止されます。また、泡盛については事業規模に応じて段階的に軽減が行われ、2032年5月15日に軽減が廃止されます。また、酒税の増税が行われた場合、販売価格の上昇によって酒類清涼飲料事業における酒類消費量が減少し、オリオンビールの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
酒類清涼飲料事業は中期経営計画において中長期的な収益構造強化のために「収益基盤の拡大」「収益性の向上」「新たな成長ドライバーの開発」を主要戦略としております。
「収益基盤の拡大」については軽減措置の段階的廃止影響を低減させるべく、2020年3月期において約12%を占めていた軽減措置が及ばない県外、海外の売上構成比率を2025年3月期においては約23%まで拡大させてまいりました。この県外、海外の売上構成比拡大は両事業の成長をベースに今後も継続する計画となっております。
「収益性の向上」につきましては、原材料費の高騰やその他コストの上昇という環境下においても、価格の改定や高付加価値商品の導入とその拡販、製造を含めた事業オペレーションの効率化を図ることで2020年3月期に10.9%であった酒類清涼飲料事業の売上高営業利益率を2025年3月期には14.0%まで向上させてまいりました。今後も利益を最大化するために、価格感応度分析を踏まえた価格設定の見直しや高付加価値商品の拡販、オペレーション効率化等を継続的に実行して行きながら更なる収益性の向上を図ってまいります。
「新たな成長ドライバーの開発」につきましては、2024年春に上市し好評を得ているフルーツワイン事業への更なる投資や今後も高収益かつ高成長性が見込まれるライセンスビジネスの拡大、また観光・ホテル事業とのシナジー効果が期待出来るクラフトビール事業の拡大を行ってまいります。
これらの主要戦略を引き続きしっかりと実行していくことで一層の収益構造の強化を図り、今後想定される軽減措置廃止の影響を最小限に留めていく所存であります。
c.特定事業分野への依存度について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
売上高のうち、ビール類(ビール・発泡酒・新ジャンル)は2025年3月期において7割を超えております。特に売上高のうち、沖縄県内のビール類の売上高は2025年3月期には61%となります。消費者の嗜好性の変化、世代交代などにより、お客様の支持を失ってしまうと、本商品群の売上高が減少し、オリオンビールグループの業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
中期経営計画において「収益基盤の拡大」並びに「新たな成長ドライバーの開発」を主要な戦略としており、ビール類以外の商品ラインナップを充実させバランスの取れた事業拡大を図ってまいります。
d.アサヒビール株式会社との取引関係に係るリスク(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:大
オリオンビールは2002年よりアサヒビール株式会社と包括的業務提携を行っております。当該業務提携に関する重要な契約は以下のとおりです。
①沖縄県及び鹿児島県奄美大島群島を除く日本におけるアサヒビール株式会社による「アサヒオリオン ザ・ドラフト」等の販売契約
②沖縄県におけるオリオンビール株式会社への「アサヒスーパードライ」等の製造販売ライセンス供与契約
契約①が失効した場合、沖縄県外での「アサヒオリオン」ブランドのビール類販売が減少することで、オリオンビールの利益が減少するリスクがあります。
契約②が失効した場合、アサヒビール株式会社が自社で製造販売するため、沖縄県内での「アサヒスーパードライ」の製造販売は減少しないが、オリオンビールの利益が減少するリスクがあります。
競争力のある商品開発を促進し県外展開を図ること、また沖縄県内での「アサヒスーパードライ」のシェアを更に高めることにより相互利益の一層の拡大を図ってまいります。
また、マネジメント層から担当者層まで階層ごとに対話の場を定期的に設定し、二社間の良好な関係の維持に努めてまいります。
e.沖縄県内の入域観光客数の変動について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:不明、影響度:大
観光・ホテル事業のうちホテル事業は、沖縄県内の入域観光客数に大きく左右され、政治情勢によりインバウンド需要が減少する等の急激な変動が発生した場合は、ホテル事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、酒類清涼飲料事業における沖縄県内の売上高も、入域観光客数の変動の影響を受けます。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
ホテル事業の収益安定化のためホテル施設内のテナント誘致を推し進めるとともに、料飲部門の充実を図り沖縄県内のお客様の飲食・宴会利用促進を進めてまいります。
f.食の安全性について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:大
製品及び原材料に係る品質及び表示の問題などが発生した場合、製品回収、出荷不良品発生、製造物責任を追及される可能性があります。
ホテル事業においては、食中毒が発生した場合、一定期間の営業停止などを命ぜられ、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールでは、グループの行動規範であるORION WAYにおいて、「私たちは、高水準・高品質の商品やサービスを提供し、現状に満足することなく、全ての活動を向上させなければならない」としております。原材料の調達から製造、製品までの品質、安全・安心を確保するため、名護工場においては、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000を取得しました。ホテルにおいては、厚生労働省より発令されたHACCPに沿った衛生管理の義務化に則り、取引先の衛生状態のチェック、配送温度管理方法の確認、調理場内でのチェックポイント17項目を設定し、取り組んでおります。
オリオンビールグループでは、製品の品質モニタリングや品質保証の仕組みの監査を実施するなど、品質保証の強化に最大限努めております。経営トップが品質の重要性をグループ全体にメッセージとして発信することに加えて、教育研修を実施することで品質を大切にする組織風土の醸成に取り組んでおります。
g.製造委託品及び仕入商品の安全性について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:中
オリオンビールグループは一部の商品について外部に製造委託を行っております。また、仕入商品も取り扱っております。製造委託品について品質などの問題が発生した場合、販売休止、製品回収などの可能性があり、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
新規に製造委託先で製造する商品に関しては、毎ロットの製造に対して1ケースをオリオンビールの品質管理課に直接送らせて、品質評価を実施しております。最低でも3回分のロットを継続して評価しております。また、オリオンビールのRTD商品開発課及び品質管理課は、不定期で製造委託先のQA(Quality Assurance:品質保証)点検を実施しております。
h.新型コロナウイルス感染症などの新型感染症について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:短期、影響度:大
新型コロナウイルス感染症の流行は、オリオンビールグループでは特に業務用の酒類清涼飲料事業及び観光・ホテル事業のホテル事業に大きな影響を及ぼしました。
新型コロナウイルス感染症については、今後、日本国内においてもウィズ・アフターコロナのフェーズに入っていくものと考えられますが、新たな変異種の感染拡大や新たな感染症の流行発生とそれに伴うロックダウンや緊急事態宣言などが新たに生じた場合には、業務用ビール類を中心とした主要製品の売上高減少の可能性及びホテル事業の売上高減少のリスクがあります。また、従業員への罹患が広がり事業活動に必要な要員確保に影響が生じるリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、消費者の意識や動向に変化が起きました。節約志向、健康志向の高まり、オンラインチャネル(ECなど)の利用のさらなる増加、リモートワークの定着による消費行動の変化といった消費者、市場、社会などの変化には不可逆的な部分があるとの認識の下、酒類飲料事業における収益基盤拡大と収益性向上、新たな成長ドライバー開発、観光・ホテル事業におけるブランド力向上と競争力強化に取り組んでまいります。
従業員の罹患リスクに対しては、各種の感染予防策を実施・徹底しており、また罹患が疑われる場合の報告体制や対応フローなども取り決めております。
i.環境に係るリスク:地球温暖化に伴う温室効果ガス排出削減への対応について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:中
地球温暖化への対応として、2021年に日本政府より「2050年温室効果ガス実質ゼロ」、「2030年度温室効果ガスを2013年度比46%削減、さらに50%の高みを目指す」との方向性が出されました。これを受け、各企業での自主的な温室効果ガス排出量削減、カーボンニュートラルに向けた具体的施策策定、目標設定、これら目標の進捗情報の開示義務の拡大要求が高まるとともに、炭素税(或いは類似税)の施行や省エネ法の厳格化など、環境対策強化のための規制強化が進むと考えられます。地球温暖化対策のための施策及び環境情報開示の遅れは、消費者の環境配慮意識の高まりに伴い、企業ブランドイメージの毀損・低減による売上高減とともに、ステークホルダー全体からの懸念増加につながるリスクがあります。
オリオンビールグループは、中期経営計画において、中長期的目標、施策を設定し、温室効果ガス排出削減を図っています。具体的には、名護工場において、2016年に燃料をそれまでの重油から液化天然ガスに切り替えたのをはじめ、高効率エネルギー機器導入など省エネルギー化による温室効果ガス削減を進めてきました。また、ホテルにおいても、太陽光発電システムや高効率冷暖房設備の導入を進め、CO2排出量削減に努めております。さらに2022年以降は沖縄電力から購入する電力の50%を、県産の資源を活用した実質再生可能エネルギー100%電力に切り替えたことなどにより、2023年度には2019年度比22.7%のCO2排出量削減を実現しました。また、これと並行してグループ全体での温室効果ガス排出量把握に向けたシステムの導入も進めています。今後も、温室効果ガス削減のための新技術の導入、再生エネルギーの積極的活用などにより、2050年の温室効果ガス実質ゼロ実現に努めるとともに、その進捗状況について積極的に情報開示してまいります。
j.環境に係るリスク:気候変動によるリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:短期・中長期、影響度:中
気候変動がオリオンビールグループの事業活動に影響を与える可能性があります。
オリオンビールビール類の工場(沖縄県名護市)の水源地において干ばつが発生し必要な水資源が確保出来ない場合には操業停止による機会損失や工場移転費用が発生するリスクがあります。台風の強力化や異常気象による風水害及び土砂災害が発生することで生産ラインや物流が停止し、設備被害や機会損失、製品廃棄による損失が発生するリスクがあります。原料の供給地域における生育環境の変化、自然災害により、需給バランスや品質に影響し、主要な原料価格が変動するリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループは、中期経営計画において「ESG経営の推進」を掲げております。オリオンビールのESGの取組に対する外部評価を行い、気候変動がオリオンビールグループの事業に及ぼすリスクと機会の分析と対応の検討を行ってまいります。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が推奨する4つの開示項目(「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」)について、気候関連情報を開示してまいります。GHG排出量の削減に関してScope1、2について、グループ全体で2030年までに対2019年比「50%減」を、また、2050年までに「ネットゼロ」を目指します。
k.多様で有能な人材の確保について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:大
多様で有能な経営幹部並びに一般社員を、必要数確保、育成及び定着させることができず、中期経営計画の実行に支障が生じる可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループでは、多様で有能な人材の確保につながる4つの施策を行っております。まず、採用時にはジョブ・ディスクリプションを作成し、確保すべき人材の職務内容、求められる成果水準、望ましい経験、必要スキルを明確にして的確な採用を行います。次に、入社時にはオンボーディング研修を実施し、早期の組織定着を実現しており、対象者が若年層の場合はメンターを配備しております。3点目に、目標達成度評価における面接及びキャリア面談などの機会を通じて、常に上司と部下の緊密なコミュニケーションを図っております。最後に、年に数回「人材開発会議(タレントディスカッション)」を行い、人材マッピングのアップデート、次期昇格者などハイポテンシャルな人材の特定と個別育成計画を策定し、実行しております。
l.人件費の上昇リスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:短期・中長期、影響度:大
近年の物価上昇及び政府主導による賃金引上げ施策の環境下にあり中途採用の募集賃金・新卒初任給の賃金引き上げも視野に入ってまいります。これら各種賃金の上昇は直接的に経営数値に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
良質人材の確保・定着のためには人件費の上昇は避けられないという認識に立脚し、その上昇幅を経営数値の許される範囲で合理的にコントロールしていくことが必須となります。具体的には一度に大幅な賃金上昇を実現するのではなく、中期経営計画などと連動し、複数年にわたる中長期的な賃金水準の改善計画を策定しております。また、賃金改定にあたり労働組合との綿密な意思疎通が必要となるため、賃金改定に関する各種指標及びその解釈の共有化など、緊密な関係性を構築しております。
m.国内物流需給ギャップの拡大について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:短期・中長期、影響度:小
国内の物流環境は、少子高齢化による労働人口の減少に加え、ECによる取引量等の増加により物流量が増加し運送ドライバーや荷役作業員の人手不足の拡大が予想される上に、働き方改革関連法を受け、ドライバーの労働時間に上限が設定されることで生じる諸問題「2024年問題」に直面しております。このような環境下において、サプライチェーン全体でコスト上昇や機会損失により、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールの生産拠点は、ビール類については沖縄県にある名護工場、RTD類については沖縄県内及び県外の委託先です。県内-県外の物流では海上輸送を的確にプランすること、県内の物流では代理店との間で発注ロットと在庫を最適化するための協同取組を行うことによりムダとムラを排除します。更に、県外の物流では外部倉庫の選定や変更を機動的に行うこと、公式ECでは専門業者への委託などを行うことでコストの最適化と機会ロスの極小化を目指します。
n.サプライチェーンに係るリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:中
地震・集中豪雨などの大規模自然災害、感染症、そのほかの災害・事故などによりサプライチェーンが分断するリスクがあります。
災害・事故などへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。また、工場における需給予測精度の向上と適正在庫水準の確保に取り組んでおります。
o.原料・資材価格について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:大
オリオンビールグループの使用する主要な原料・資材には、その価格が商品相場や為替市場などの状況により変動するものがあります。それらの原料・資材の価格が高騰することにより、売上原価が上昇し、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
原料・資材価格に影響する市況の最新情報収集強化、調達先の分散・多様化、適正在庫の水準の維持、為替予約などの様々な対策を進めております。コストサイドの取組に加え、セールスサイドでは適正な利益を確保するための価格改定を検討・実施してまいります。
p.光熱費の上昇リスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
地政学的要因及び為替変動に伴うエネルギー価格上昇により、光熱費が上昇するリスクがあります。特に、オリオンビールグループにおいては、事業が沖縄県内中心であることから、現状、複数のエネルギー供給元の活用による価格抑制が難しい状況にあります。
オリオンビールグループは、施設や製造機器のエネルギー効率を向上させるため、高効率な照明や冷凍機システムの導入などの改修や投資を行っております。また、ホテルではすでに太陽光パネルの導入により、電力の一部を自家発電による電力に切り替えております。さらに、名護工場においても、太陽光パネルやコージェネレーションシステムの導入を検討しており、価格上昇の影響の軽減を進めてまいります。加えて、沖縄県内においても、新電力事業者の再進出の情報もあることから、複数のエネルギー供給元の活用による価格抑制についても検討してまいります。
q.法的規制などの影響について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:不明、影響度:中
オリオンビールグループは、酒税法や食品衛生法、環境・リサイクル関連法規、景品表示法などの様々な法的規制の適用を受けるなか、ビール製造免許や酒類販売免許などの許認可を受け、事業活動を行っています。各免許の期限の定めはありませんが、法令違反(酒類販売免許を受けていない者や20歳未満の者に酒類の販売をした場合など)が発生した場合は免許取り消しのリスクがあります。また、事業を展開する各国の法的規制の適用も受けております。酒税や消費税の増税などが実施されることによる需要の減少、酒類の広告に対する規制や酒販店店頭での販売時間、酒類販売場所に対する規制が広がっていく場合など、需要の減少や新たな規制に対応するための費用などが発生する可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループでは、事業を行う上で適用される法令等の一覧表を整備し、総務課法務グループを中心に担当部門を決めて、法規制の新設や変更を定期的にモニタリングし法令違反のリスクの未然防止に努めています。オリオンビールの事業に重大な影響を与え得る法規制が新設される、或いは変更されるという情報を得た場合、担当部門は法務グループと連携し、顧問弁護士へも相談して対策案を講じ、経営会議等で対策をディスカッションしております。
r.アルコールの負の影響について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
アルコールの負の影響に関して、WHOは世界的な規模での酒類販売に関する将来的な規制に向けた議論をしており、酒類販売に関する規制が行われるリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても相応にあるものと認識しております。
観光・ホテル事業にも適切に経営資源を配分し酒類への集中度軽減を図っております。WEBやポスターなどを活用しながら20歳未満の飲酒防止啓発や適正飲酒啓発活動を行っております。
s.事業・資本提携について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:中長期、影響度:大
オリオンビールグループでは、成長に向けた競争力強化の一環として国内外他社との事業・資本提携を実施する可能性があります。事業・資本提携により獲得いたしました経営資源について期待したシナジー効果が創出出来ない場合には、オリオンビールグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても相応にあるものと認識しております。
事業・資本提携に当たっては、慎重に検討を行い、対象会社の財務内容や契約関係などについて、詳細なデューデリジェンスを行い、将来の損失を最大限回避するように努めております。
t.情報セキュリティについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:随時、影響度:大
顧客情報の漏洩や第三者からのサイバー攻撃などの情報セキュリティ事故により、オリオンビールの信用の失墜や損害賠償などが発生するリスクがあります。また、システム障害が発生して、業務の遅延や停止など業務に支障が出る可能性があります。
オリオンビールグループでは、情報セキュリティに関する規定を制定し、情報セキュリティ推進を担当する役員を中心にしたセキュリティ委員会を組織し、情報セキュリティ体制を強化しております。社員に対しては、社内教育を継続的に実施し、情報が漏洩した際のリスクと個人情報の重要性の理解、事故発生時に取るべき対応の周知を図っております。重要な情報資産に対するアクセス権限などのシステム上の対策と、書類保管庫の施錠、オフィスの入退室管理などの物理的な対策の両面を進めております。
u.自然災害の発生によるリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:随時、影響度:大
オリオンビールグループの事業拠点において大規模な自然災害が発生した場合には、オリオンビールグループの所有する設備に損害を受ける可能性があり一時的に事業停止に陥るリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても相応にあるものと認識しております。
起こりうる災害の種類や規模、想定されるリスク、オリオンビールグループへの影響と対策について、リスク管理・コンプライアンス委員会で定期的にモニタリングしております。災害などへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。
v.生産拠点が限定されていることによる事業継続リスク(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
オリオンビールグループの酒類清涼飲料事業における収益源はビール類、RTD、清涼飲料(ビールテイスト飲料及びソフトドリンク)です。ビール類の生産は名護工場1か所で行っていることから、自然災害(地震、洪水、台風など)や事故(火災、爆発など)の発生が生産活動に大きな影響を与える可能性があり、生産設備の損壊や復旧の長期化のリスクがあります。また、これら災害により、サプライチェーンが中断された場合、原材料や製造設備の部品の供給に遅延が生じ、生産ラインの長期停止のリスクがあります。
RTD、清涼飲料の製造は、県内・県外の複数メーカーに生産を委託するなど、複数の生産拠点を確保し、地理的なリスク分散を図っています。原材料、製造設備部品の調達先については、地域の異なる複数の調達先を確保することで、災害による供給網の中断、遅延の長期化の防止を図っています。名護工場単一拠点におけるビール類の製造を含め、事業継続におけるリスク発生時の対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。
w.財務・税務リスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:随時、影響度:小
LBOに端を発するタームローンに関するリスク、金利上昇により資金調達コストが増加するリスク、為替レートにより原材料の調達コストが上昇するリスク、税務当局との見解の相違などにより、追加で税負担が生じたり社会的信用が低下するリスクがあります。
タームローンの借入残高は、2025年3月現在で160億円であり、資本合計に占める割合は84.4%です。本借入に対して、利益維持条項(経常利益を2期連続で赤字にしないこと)や純資産維持条項が設定されております。これまでコベナンツに抵触したことはなく、返済も約定通りに行い借入金残高を減少させております。
資金調達コストの上昇リスクについては、借入条件の見直し、一部債務の繰上返済の検討等により、企業としての資金繰り能力に見合った資金調達を行っております。
為替リスクについては、原材料の供給先との間で、年間の調達価格を円建てで合意することにより、年間の為替変動リスク低減を図っております。
税務リスクについては、顧問税理士等の助言並びに専門書の購読、税制改正研修への参加等による知識の習得を継続的に実施することにより、税務リスクの軽減を図っております。
x.減損リスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:中長期、影響度:中
オリオンビールグループでは、減損会計を適用しております。将来、オリオンビールグループが保有する有形固定資産及び企業結合により取得したのれん等について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生するリスクがあります。
事業投資にあたっては、投資リスクについて慎重な検討を行っております。
y.コンプライアンスに関するリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:随時、影響度:大
従業員の不適切な飲酒や贈収賄など法令などに違反したり、社会の要請に反した行動が行われ、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受け、お客様からの信頼を失うリスクがあります。
オリオンビールグループでは、「リスク管理・コンプライアンス規程」に基づき、コンプライアンス状況の確認、コンプライアンス研修を実施し、従業員の法令違反や社会規範に反した行為などの発生可能性を低減するように努めております。また、不当な金銭・贈答・接待及びその他の利益の提供又は受領を禁じております。リスク事案の早期発見につなげるべく内部通報窓口を内部及び外部に設置しております。さらに、毎年、従業員コンプライアンス意識調査を行い潜在的なリスクを洗い出すとともに、回答内容の事実関係の確認や対処など初期段階でのリスクの低減を図り、同調査結果はリスク管理・コンプライアンス委員会に報告しております。
z.新株予約権の行使による株式の希薄化に関するリスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、 影響度:小
オリオンビールは、オリオンビールの取締役、執行役員及び従業員、並びにオリオンビールの子会社の取締役、執行役員及び従業員に対して、企業価値増大への意欲を高めるためのインセンティブとして、ストック・オプション制度を導入し、これらの者に新株予約権を付与しております。付与した新株予約権が行使された場合には発行済株式が希薄化し、オリオンビール株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在での新株予約権の付与数は、19,442個、その目的となる株式の種類と数は、オリオンビールの普通株式3,888,400株であり、オリオンビールの発行済株式総数40,813,400株を基準として全ての新株予約権が行使された場合でも希薄化率は9.53%にとどまり、希薄化の影響度は低いものと考えております。
aa.主要株主についてのリスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:直近1~3年、影響度:大
本書提出日現在において、オリオンビールグループの大部分は野村キャピタル・パートナーズ株式会社によって運営・管理されている野村キャピタル・パートナーズ第一号投資事業有限責任組合及びカーライルの関連投資ファンドが保有するCJP MC Holdings, L.P.により保有されています。かかる大株主がオリオンビール株式の上場後においても相当数のオリオンビール株式を保有した場合、大株主と少数株主との間で潜在的な利益相反関係が生じる可能性があります。また 大株主が保有株式を売却する際には株価への影響、すなわち、株式売買の需給関係に伴う株価形成への影響あるいは特定の株主への売却に伴う事業運営上の影響が生じる可能性があります。なお、オリオンビールは野村キャピタル・パートナーズ株式会社及びカーライルに属するカーライル・ジャパン・エルエルシーとの間でコンサルティング契約を締結し、オリオンビール上場に向けたガバナンス体制整備や成長戦略等、経営に係るコンサルティングを受け、その対価としてコンサルティング料を支払っておりましたが、当該契約は上場日をもって当然に終了することが契約で合意されております。また、オリオンビールの取締役会の諮問機関として設置している任意の指名・報酬委員会の構成員は、独立社外取締役が過半数を占めており、一般株主の利益の確保に向けた体制を強化しております。
ab.ライセンスビジネス・知的財産権についてのリスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、 影響度:小
オリオンビールグループのライセンスビジネスは、ブランドロゴなどの知的財産権に基づいて展開しています。当該事業を推進するに際し、オリオンビールグループではライセンスビジネスに関する専門部署を設置し、法務部門との協働により適切なライセンシーの管理を行っております。また海外で事業を展開する際は、商標やロゴなどの知的財産に関する現地での使用可否の調査を行っております。これらの取り組みにも関わらず、第三者による商標権や著作権等の侵害、不正流用、模倣品の流通が発生した場合、訴訟や契約の解除等によりオリオンビールグループのブランド価値の毀損、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてオリオンビールグループが判断したものであります。
オリオンビールグループにおいては「リスク管理・コンプライアンス規程」を制定しております。オリオンビールグループにおいて、「リスク」とは、オリオンビールグループに物理的、経済的又は信用上の損失(機会損失を含む)若しくは不利益を生じさせる全ての可能性を指すものとし、「具体的リスク」とは、リスクが具現化した以下に掲げる事象などを指します。
a.信用の危機…不全な事業活動や欠陥のある情報の提供などによるイメージの低下
b.財政上の危機…収入の減少や資金の運用の失敗などによる財務の悪化
c.人的危機…労使関係の悪化や役員間の内紛や代表者の継承など
d.外部からの危機…自然災害や事故及び外部からの不法な攻撃
e.その他…前各号に準ずる危機
上記のうち、「重要なリスク」として以下の事象を想定し、経営会議において管理するとともに内部通報制度の対象とし迅速な対応を行っております。
a.信用の危機
・会社の法令遵守義務違反
・顧客・取引先情報の漏洩
・製造物責任・リコール
b.財政上の危機
・新規事業、設備投資・製品開発の失敗
・与信管理の失敗
・取引先の被災・事故・倒産
c.人的危機
・役職員の過労死、過労による自殺
・重大な労働災害、悪質なハラスメント
・役職員による不正行為・背任行為
d.外部からの危機
・台風や地震などの自然災害
・火災や環境汚染などの人的災害
・役職員などに係る重大な人身事故
・サイバー攻撃、ウィルス感染など外部からの不法な攻撃
e.その他、前各号に準ずる経営上のリスク
オリオンビールグループは、業務執行上の重要な意思決定ないし事業遂行などに内在するリスクは経営会議において管理し、経営会議における審議、報告事項などに対して、各部門が想定されるリスクを分析し、必要な報告を行う体制を構築しております。
内部通報事案、そのほかコンプライアンスに関連する事項は、リスク管理・コンプライアンス委員会で審議を行っております。委員会の職務は、次のとおりであります。
・年度計画策定におけるリスクの識別、分析評価及びその予防と対応策検討
・不祥事、トラブルに対する迅速な対応及び状況の総括的把握
・リスク回避への啓発、教育
・リスクの顕在化に対する再発防止策検討と実施指示
・オリオンビールの取締役会への報告又は提案
・コンプライアンスの状況の確認
・コンプライアンス研修など
・コンプライアンス・マニュアル、コンプライアンス・プログラムなどの作成
・そのほかリスク管理に関する一切の事項
a.経済情勢及び人口動態の変化について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
オリオンビールグループの売上高は主に国内の景気動向による影響を受けるため、経済情勢の変化による景気悪化、実質賃金の下落、日本国内の少子高齢化の進行による市場全体の縮小に伴い、主要製品の出荷変動、主要製品の単価下落の可能性や保有資産の価値の低下につながるリスクがあります。また、オリオンビールのビール類売上の76%(2025年3月期)は沖縄県内向けであり、沖縄県内の景気動向により、主要製品の出荷変動、主要製品の単価下落の可能性や保有資産の価値の低下につながるリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループは、中期経営計画において「酒類清涼飲料事業における収益基盤拡大」を掲げ沖縄県外チャネルの強化及び海外展開の拡大を行うことにより、特定地域に依存しない収益構造の確立を図ってまいります。
b.酒税の変更により業績が影響を受けるリスク(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:短期(2026年、2032年)、影響度:中
オリオンビールグループが沖縄県内に出荷するビールについては「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」により酒税の軽減措置が有りますが、軽減措置の段階的廃止が行われることとなりました。2023年10月1日からビール等は20%から15%へと軽減率を変更、2026年10月1日にビール等の軽減措置は廃止されます。また、泡盛については事業規模に応じて段階的に軽減が行われ、2032年5月15日に軽減が廃止されます。また、酒税の増税が行われた場合、販売価格の上昇によって酒類清涼飲料事業における酒類消費量が減少し、オリオンビールの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
酒類清涼飲料事業は中期経営計画において中長期的な収益構造強化のために「収益基盤の拡大」「収益性の向上」「新たな成長ドライバーの開発」を主要戦略としております。
「収益基盤の拡大」については軽減措置の段階的廃止影響を低減させるべく、2020年3月期において約12%を占めていた軽減措置が及ばない県外、海外の売上構成比率を2025年3月期においては約23%まで拡大させてまいりました。この県外、海外の売上構成比拡大は両事業の成長をベースに今後も継続する計画となっております。
「収益性の向上」につきましては、原材料費の高騰やその他コストの上昇という環境下においても、価格の改定や高付加価値商品の導入とその拡販、製造を含めた事業オペレーションの効率化を図ることで2020年3月期に10.9%であった酒類清涼飲料事業の売上高営業利益率を2025年3月期には14.0%まで向上させてまいりました。今後も利益を最大化するために、価格感応度分析を踏まえた価格設定の見直しや高付加価値商品の拡販、オペレーション効率化等を継続的に実行して行きながら更なる収益性の向上を図ってまいります。
「新たな成長ドライバーの開発」につきましては、2024年春に上市し好評を得ているフルーツワイン事業への更なる投資や今後も高収益かつ高成長性が見込まれるライセンスビジネスの拡大、また観光・ホテル事業とのシナジー効果が期待出来るクラフトビール事業の拡大を行ってまいります。
これらの主要戦略を引き続きしっかりと実行していくことで一層の収益構造の強化を図り、今後想定される軽減措置廃止の影響を最小限に留めていく所存であります。
c.特定事業分野への依存度について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
売上高のうち、ビール類(ビール・発泡酒・新ジャンル)は2025年3月期において7割を超えております。特に売上高のうち、沖縄県内のビール類の売上高は2025年3月期には61%となります。消費者の嗜好性の変化、世代交代などにより、お客様の支持を失ってしまうと、本商品群の売上高が減少し、オリオンビールグループの業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
中期経営計画において「収益基盤の拡大」並びに「新たな成長ドライバーの開発」を主要な戦略としており、ビール類以外の商品ラインナップを充実させバランスの取れた事業拡大を図ってまいります。
d.アサヒビール株式会社との取引関係に係るリスク(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:大
オリオンビールは2002年よりアサヒビール株式会社と包括的業務提携を行っております。当該業務提携に関する重要な契約は以下のとおりです。
①沖縄県及び鹿児島県奄美大島群島を除く日本におけるアサヒビール株式会社による「アサヒオリオン ザ・ドラフト」等の販売契約
②沖縄県におけるオリオンビール株式会社への「アサヒスーパードライ」等の製造販売ライセンス供与契約
契約①が失効した場合、沖縄県外での「アサヒオリオン」ブランドのビール類販売が減少することで、オリオンビールの利益が減少するリスクがあります。
契約②が失効した場合、アサヒビール株式会社が自社で製造販売するため、沖縄県内での「アサヒスーパードライ」の製造販売は減少しないが、オリオンビールの利益が減少するリスクがあります。
競争力のある商品開発を促進し県外展開を図ること、また沖縄県内での「アサヒスーパードライ」のシェアを更に高めることにより相互利益の一層の拡大を図ってまいります。
また、マネジメント層から担当者層まで階層ごとに対話の場を定期的に設定し、二社間の良好な関係の維持に努めてまいります。
e.沖縄県内の入域観光客数の変動について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:不明、影響度:大
観光・ホテル事業のうちホテル事業は、沖縄県内の入域観光客数に大きく左右され、政治情勢によりインバウンド需要が減少する等の急激な変動が発生した場合は、ホテル事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、酒類清涼飲料事業における沖縄県内の売上高も、入域観光客数の変動の影響を受けます。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
ホテル事業の収益安定化のためホテル施設内のテナント誘致を推し進めるとともに、料飲部門の充実を図り沖縄県内のお客様の飲食・宴会利用促進を進めてまいります。
f.食の安全性について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:大
製品及び原材料に係る品質及び表示の問題などが発生した場合、製品回収、出荷不良品発生、製造物責任を追及される可能性があります。
ホテル事業においては、食中毒が発生した場合、一定期間の営業停止などを命ぜられ、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールでは、グループの行動規範であるORION WAYにおいて、「私たちは、高水準・高品質の商品やサービスを提供し、現状に満足することなく、全ての活動を向上させなければならない」としております。原材料の調達から製造、製品までの品質、安全・安心を確保するため、名護工場においては、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000を取得しました。ホテルにおいては、厚生労働省より発令されたHACCPに沿った衛生管理の義務化に則り、取引先の衛生状態のチェック、配送温度管理方法の確認、調理場内でのチェックポイント17項目を設定し、取り組んでおります。
オリオンビールグループでは、製品の品質モニタリングや品質保証の仕組みの監査を実施するなど、品質保証の強化に最大限努めております。経営トップが品質の重要性をグループ全体にメッセージとして発信することに加えて、教育研修を実施することで品質を大切にする組織風土の醸成に取り組んでおります。
g.製造委託品及び仕入商品の安全性について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:中
オリオンビールグループは一部の商品について外部に製造委託を行っております。また、仕入商品も取り扱っております。製造委託品について品質などの問題が発生した場合、販売休止、製品回収などの可能性があり、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
新規に製造委託先で製造する商品に関しては、毎ロットの製造に対して1ケースをオリオンビールの品質管理課に直接送らせて、品質評価を実施しております。最低でも3回分のロットを継続して評価しております。また、オリオンビールのRTD商品開発課及び品質管理課は、不定期で製造委託先のQA(Quality Assurance:品質保証)点検を実施しております。
h.新型コロナウイルス感染症などの新型感染症について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:短期、影響度:大
新型コロナウイルス感染症の流行は、オリオンビールグループでは特に業務用の酒類清涼飲料事業及び観光・ホテル事業のホテル事業に大きな影響を及ぼしました。
新型コロナウイルス感染症については、今後、日本国内においてもウィズ・アフターコロナのフェーズに入っていくものと考えられますが、新たな変異種の感染拡大や新たな感染症の流行発生とそれに伴うロックダウンや緊急事態宣言などが新たに生じた場合には、業務用ビール類を中心とした主要製品の売上高減少の可能性及びホテル事業の売上高減少のリスクがあります。また、従業員への罹患が広がり事業活動に必要な要員確保に影響が生じるリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、消費者の意識や動向に変化が起きました。節約志向、健康志向の高まり、オンラインチャネル(ECなど)の利用のさらなる増加、リモートワークの定着による消費行動の変化といった消費者、市場、社会などの変化には不可逆的な部分があるとの認識の下、酒類飲料事業における収益基盤拡大と収益性向上、新たな成長ドライバー開発、観光・ホテル事業におけるブランド力向上と競争力強化に取り組んでまいります。
従業員の罹患リスクに対しては、各種の感染予防策を実施・徹底しており、また罹患が疑われる場合の報告体制や対応フローなども取り決めております。
i.環境に係るリスク:地球温暖化に伴う温室効果ガス排出削減への対応について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:中
地球温暖化への対応として、2021年に日本政府より「2050年温室効果ガス実質ゼロ」、「2030年度温室効果ガスを2013年度比46%削減、さらに50%の高みを目指す」との方向性が出されました。これを受け、各企業での自主的な温室効果ガス排出量削減、カーボンニュートラルに向けた具体的施策策定、目標設定、これら目標の進捗情報の開示義務の拡大要求が高まるとともに、炭素税(或いは類似税)の施行や省エネ法の厳格化など、環境対策強化のための規制強化が進むと考えられます。地球温暖化対策のための施策及び環境情報開示の遅れは、消費者の環境配慮意識の高まりに伴い、企業ブランドイメージの毀損・低減による売上高減とともに、ステークホルダー全体からの懸念増加につながるリスクがあります。
オリオンビールグループは、中期経営計画において、中長期的目標、施策を設定し、温室効果ガス排出削減を図っています。具体的には、名護工場において、2016年に燃料をそれまでの重油から液化天然ガスに切り替えたのをはじめ、高効率エネルギー機器導入など省エネルギー化による温室効果ガス削減を進めてきました。また、ホテルにおいても、太陽光発電システムや高効率冷暖房設備の導入を進め、CO2排出量削減に努めております。さらに2022年以降は沖縄電力から購入する電力の50%を、県産の資源を活用した実質再生可能エネルギー100%電力に切り替えたことなどにより、2023年度には2019年度比22.7%のCO2排出量削減を実現しました。また、これと並行してグループ全体での温室効果ガス排出量把握に向けたシステムの導入も進めています。今後も、温室効果ガス削減のための新技術の導入、再生エネルギーの積極的活用などにより、2050年の温室効果ガス実質ゼロ実現に努めるとともに、その進捗状況について積極的に情報開示してまいります。
j.環境に係るリスク:気候変動によるリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:短期・中長期、影響度:中
気候変動がオリオンビールグループの事業活動に影響を与える可能性があります。
オリオンビールビール類の工場(沖縄県名護市)の水源地において干ばつが発生し必要な水資源が確保出来ない場合には操業停止による機会損失や工場移転費用が発生するリスクがあります。台風の強力化や異常気象による風水害及び土砂災害が発生することで生産ラインや物流が停止し、設備被害や機会損失、製品廃棄による損失が発生するリスクがあります。原料の供給地域における生育環境の変化、自然災害により、需給バランスや品質に影響し、主要な原料価格が変動するリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループは、中期経営計画において「ESG経営の推進」を掲げております。オリオンビールのESGの取組に対する外部評価を行い、気候変動がオリオンビールグループの事業に及ぼすリスクと機会の分析と対応の検討を行ってまいります。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が推奨する4つの開示項目(「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」)について、気候関連情報を開示してまいります。GHG排出量の削減に関してScope1、2について、グループ全体で2030年までに対2019年比「50%減」を、また、2050年までに「ネットゼロ」を目指します。
k.多様で有能な人材の確保について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:大
多様で有能な経営幹部並びに一般社員を、必要数確保、育成及び定着させることができず、中期経営計画の実行に支障が生じる可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループでは、多様で有能な人材の確保につながる4つの施策を行っております。まず、採用時にはジョブ・ディスクリプションを作成し、確保すべき人材の職務内容、求められる成果水準、望ましい経験、必要スキルを明確にして的確な採用を行います。次に、入社時にはオンボーディング研修を実施し、早期の組織定着を実現しており、対象者が若年層の場合はメンターを配備しております。3点目に、目標達成度評価における面接及びキャリア面談などの機会を通じて、常に上司と部下の緊密なコミュニケーションを図っております。最後に、年に数回「人材開発会議(タレントディスカッション)」を行い、人材マッピングのアップデート、次期昇格者などハイポテンシャルな人材の特定と個別育成計画を策定し、実行しております。
l.人件費の上昇リスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:短期・中長期、影響度:大
近年の物価上昇及び政府主導による賃金引上げ施策の環境下にあり中途採用の募集賃金・新卒初任給の賃金引き上げも視野に入ってまいります。これら各種賃金の上昇は直接的に経営数値に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
良質人材の確保・定着のためには人件費の上昇は避けられないという認識に立脚し、その上昇幅を経営数値の許される範囲で合理的にコントロールしていくことが必須となります。具体的には一度に大幅な賃金上昇を実現するのではなく、中期経営計画などと連動し、複数年にわたる中長期的な賃金水準の改善計画を策定しております。また、賃金改定にあたり労働組合との綿密な意思疎通が必要となるため、賃金改定に関する各種指標及びその解釈の共有化など、緊密な関係性を構築しております。
m.国内物流需給ギャップの拡大について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:短期・中長期、影響度:小
国内の物流環境は、少子高齢化による労働人口の減少に加え、ECによる取引量等の増加により物流量が増加し運送ドライバーや荷役作業員の人手不足の拡大が予想される上に、働き方改革関連法を受け、ドライバーの労働時間に上限が設定されることで生じる諸問題「2024年問題」に直面しております。このような環境下において、サプライチェーン全体でコスト上昇や機会損失により、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールの生産拠点は、ビール類については沖縄県にある名護工場、RTD類については沖縄県内及び県外の委託先です。県内-県外の物流では海上輸送を的確にプランすること、県内の物流では代理店との間で発注ロットと在庫を最適化するための協同取組を行うことによりムダとムラを排除します。更に、県外の物流では外部倉庫の選定や変更を機動的に行うこと、公式ECでは専門業者への委託などを行うことでコストの最適化と機会ロスの極小化を目指します。
n.サプライチェーンに係るリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:不明、影響度:中
地震・集中豪雨などの大規模自然災害、感染症、そのほかの災害・事故などによりサプライチェーンが分断するリスクがあります。
災害・事故などへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。また、工場における需給予測精度の向上と適正在庫水準の確保に取り組んでおります。
o.原料・資材価格について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:大
オリオンビールグループの使用する主要な原料・資材には、その価格が商品相場や為替市場などの状況により変動するものがあります。それらの原料・資材の価格が高騰することにより、売上原価が上昇し、オリオンビールグループの業績や財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
原料・資材価格に影響する市況の最新情報収集強化、調達先の分散・多様化、適正在庫の水準の維持、為替予約などの様々な対策を進めております。コストサイドの取組に加え、セールスサイドでは適正な利益を確保するための価格改定を検討・実施してまいります。
p.光熱費の上昇リスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
地政学的要因及び為替変動に伴うエネルギー価格上昇により、光熱費が上昇するリスクがあります。特に、オリオンビールグループにおいては、事業が沖縄県内中心であることから、現状、複数のエネルギー供給元の活用による価格抑制が難しい状況にあります。
オリオンビールグループは、施設や製造機器のエネルギー効率を向上させるため、高効率な照明や冷凍機システムの導入などの改修や投資を行っております。また、ホテルではすでに太陽光パネルの導入により、電力の一部を自家発電による電力に切り替えております。さらに、名護工場においても、太陽光パネルやコージェネレーションシステムの導入を検討しており、価格上昇の影響の軽減を進めてまいります。加えて、沖縄県内においても、新電力事業者の再進出の情報もあることから、複数のエネルギー供給元の活用による価格抑制についても検討してまいります。
q.法的規制などの影響について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:不明、影響度:中
オリオンビールグループは、酒税法や食品衛生法、環境・リサイクル関連法規、景品表示法などの様々な法的規制の適用を受けるなか、ビール製造免許や酒類販売免許などの許認可を受け、事業活動を行っています。各免許の期限の定めはありませんが、法令違反(酒類販売免許を受けていない者や20歳未満の者に酒類の販売をした場合など)が発生した場合は免許取り消しのリスクがあります。また、事業を展開する各国の法的規制の適用も受けております。酒税や消費税の増税などが実施されることによる需要の減少、酒類の広告に対する規制や酒販店店頭での販売時間、酒類販売場所に対する規制が広がっていく場合など、需要の減少や新たな規制に対応するための費用などが発生する可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
オリオンビールグループでは、事業を行う上で適用される法令等の一覧表を整備し、総務課法務グループを中心に担当部門を決めて、法規制の新設や変更を定期的にモニタリングし法令違反のリスクの未然防止に努めています。オリオンビールの事業に重大な影響を与え得る法規制が新設される、或いは変更されるという情報を得た場合、担当部門は法務グループと連携し、顧問弁護士へも相談して対策案を講じ、経営会議等で対策をディスカッションしております。
r.アルコールの負の影響について(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
アルコールの負の影響に関して、WHOは世界的な規模での酒類販売に関する将来的な規制に向けた議論をしており、酒類販売に関する規制が行われるリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても相応にあるものと認識しております。
観光・ホテル事業にも適切に経営資源を配分し酒類への集中度軽減を図っております。WEBやポスターなどを活用しながら20歳未満の飲酒防止啓発や適正飲酒啓発活動を行っております。
s.事業・資本提携について(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:中長期、影響度:大
オリオンビールグループでは、成長に向けた競争力強化の一環として国内外他社との事業・資本提携を実施する可能性があります。事業・資本提携により獲得いたしました経営資源について期待したシナジー効果が創出出来ない場合には、オリオンビールグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても相応にあるものと認識しております。
事業・資本提携に当たっては、慎重に検討を行い、対象会社の財務内容や契約関係などについて、詳細なデューデリジェンスを行い、将来の損失を最大限回避するように努めております。
t.情報セキュリティについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:随時、影響度:大
顧客情報の漏洩や第三者からのサイバー攻撃などの情報セキュリティ事故により、オリオンビールの信用の失墜や損害賠償などが発生するリスクがあります。また、システム障害が発生して、業務の遅延や停止など業務に支障が出る可能性があります。
オリオンビールグループでは、情報セキュリティに関する規定を制定し、情報セキュリティ推進を担当する役員を中心にしたセキュリティ委員会を組織し、情報セキュリティ体制を強化しております。社員に対しては、社内教育を継続的に実施し、情報が漏洩した際のリスクと個人情報の重要性の理解、事故発生時に取るべき対応の周知を図っております。重要な情報資産に対するアクセス権限などのシステム上の対策と、書類保管庫の施錠、オフィスの入退室管理などの物理的な対策の両面を進めております。
u.自然災害の発生によるリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:随時、影響度:大
オリオンビールグループの事業拠点において大規模な自然災害が発生した場合には、オリオンビールグループの所有する設備に損害を受ける可能性があり一時的に事業停止に陥るリスクがあります。当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても相応にあるものと認識しております。
起こりうる災害の種類や規模、想定されるリスク、オリオンビールグループへの影響と対策について、リスク管理・コンプライアンス委員会で定期的にモニタリングしております。災害などへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。
v.生産拠点が限定されていることによる事業継続リスク(酒類清涼飲料事業)、発生可能性:高、発生時期:中長期、影響度:大
オリオンビールグループの酒類清涼飲料事業における収益源はビール類、RTD、清涼飲料(ビールテイスト飲料及びソフトドリンク)です。ビール類の生産は名護工場1か所で行っていることから、自然災害(地震、洪水、台風など)や事故(火災、爆発など)の発生が生産活動に大きな影響を与える可能性があり、生産設備の損壊や復旧の長期化のリスクがあります。また、これら災害により、サプライチェーンが中断された場合、原材料や製造設備の部品の供給に遅延が生じ、生産ラインの長期停止のリスクがあります。
RTD、清涼飲料の製造は、県内・県外の複数メーカーに生産を委託するなど、複数の生産拠点を確保し、地理的なリスク分散を図っています。原材料、製造設備部品の調達先については、地域の異なる複数の調達先を確保することで、災害による供給網の中断、遅延の長期化の防止を図っています。名護工場単一拠点におけるビール類の製造を含め、事業継続におけるリスク発生時の対応としてBCP(事業継続計画)を策定しております。
w.財務・税務リスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:随時、影響度:小
LBOに端を発するタームローンに関するリスク、金利上昇により資金調達コストが増加するリスク、為替レートにより原材料の調達コストが上昇するリスク、税務当局との見解の相違などにより、追加で税負担が生じたり社会的信用が低下するリスクがあります。
タームローンの借入残高は、2025年3月現在で160億円であり、資本合計に占める割合は84.4%です。本借入に対して、利益維持条項(経常利益を2期連続で赤字にしないこと)や純資産維持条項が設定されております。これまでコベナンツに抵触したことはなく、返済も約定通りに行い借入金残高を減少させております。
資金調達コストの上昇リスクについては、借入条件の見直し、一部債務の繰上返済の検討等により、企業としての資金繰り能力に見合った資金調達を行っております。
為替リスクについては、原材料の供給先との間で、年間の調達価格を円建てで合意することにより、年間の為替変動リスク低減を図っております。
税務リスクについては、顧問税理士等の助言並びに専門書の購読、税制改正研修への参加等による知識の習得を継続的に実施することにより、税務リスクの軽減を図っております。
x.減損リスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:中、発生時期:中長期、影響度:中
オリオンビールグループでは、減損会計を適用しております。将来、オリオンビールグループが保有する有形固定資産及び企業結合により取得したのれん等について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生するリスクがあります。
事業投資にあたっては、投資リスクについて慎重な検討を行っております。
y.コンプライアンスに関するリスクについて(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:随時、影響度:大
従業員の不適切な飲酒や贈収賄など法令などに違反したり、社会の要請に反した行動が行われ、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受け、お客様からの信頼を失うリスクがあります。
オリオンビールグループでは、「リスク管理・コンプライアンス規程」に基づき、コンプライアンス状況の確認、コンプライアンス研修を実施し、従業員の法令違反や社会規範に反した行為などの発生可能性を低減するように努めております。また、不当な金銭・贈答・接待及びその他の利益の提供又は受領を禁じております。リスク事案の早期発見につなげるべく内部通報窓口を内部及び外部に設置しております。さらに、毎年、従業員コンプライアンス意識調査を行い潜在的なリスクを洗い出すとともに、回答内容の事実関係の確認や対処など初期段階でのリスクの低減を図り、同調査結果はリスク管理・コンプライアンス委員会に報告しております。
z.新株予約権の行使による株式の希薄化に関するリスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、 影響度:小
オリオンビールは、オリオンビールの取締役、執行役員及び従業員、並びにオリオンビールの子会社の取締役、執行役員及び従業員に対して、企業価値増大への意欲を高めるためのインセンティブとして、ストック・オプション制度を導入し、これらの者に新株予約権を付与しております。付与した新株予約権が行使された場合には発行済株式が希薄化し、オリオンビール株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。なお、本書提出日現在での新株予約権の付与数は、19,442個、その目的となる株式の種類と数は、オリオンビールの普通株式3,888,400株であり、オリオンビールの発行済株式総数40,813,400株を基準として全ての新株予約権が行使された場合でも希薄化率は9.53%にとどまり、希薄化の影響度は低いものと考えております。
aa.主要株主についてのリスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:高、発生時期:直近1~3年、影響度:大
本書提出日現在において、オリオンビールグループの大部分は野村キャピタル・パートナーズ株式会社によって運営・管理されている野村キャピタル・パートナーズ第一号投資事業有限責任組合及びカーライルの関連投資ファンドが保有するCJP MC Holdings, L.P.により保有されています。かかる大株主がオリオンビール株式の上場後においても相当数のオリオンビール株式を保有した場合、大株主と少数株主との間で潜在的な利益相反関係が生じる可能性があります。また 大株主が保有株式を売却する際には株価への影響、すなわち、株式売買の需給関係に伴う株価形成への影響あるいは特定の株主への売却に伴う事業運営上の影響が生じる可能性があります。なお、オリオンビールは野村キャピタル・パートナーズ株式会社及びカーライルに属するカーライル・ジャパン・エルエルシーとの間でコンサルティング契約を締結し、オリオンビール上場に向けたガバナンス体制整備や成長戦略等、経営に係るコンサルティングを受け、その対価としてコンサルティング料を支払っておりましたが、当該契約は上場日をもって当然に終了することが契約で合意されております。また、オリオンビールの取締役会の諮問機関として設置している任意の指名・報酬委員会の構成員は、独立社外取締役が過半数を占めており、一般株主の利益の確保に向けた体制を強化しております。
ab.ライセンスビジネス・知的財産権についてのリスク(酒類清涼飲料事業/観光・ホテル事業)、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、 影響度:小
オリオンビールグループのライセンスビジネスは、ブランドロゴなどの知的財産権に基づいて展開しています。当該事業を推進するに際し、オリオンビールグループではライセンスビジネスに関する専門部署を設置し、法務部門との協働により適切なライセンシーの管理を行っております。また海外で事業を展開する際は、商標やロゴなどの知的財産に関する現地での使用可否の調査を行っております。これらの取り組みにも関わらず、第三者による商標権や著作権等の侵害、不正流用、模倣品の流通が発生した場合、訴訟や契約の解除等によりオリオンビールグループのブランド価値の毀損、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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