大阪油化工業グループは、大阪油化工業(大阪油化工業株式会社)及び連結子会社2社(ユカエンジニアリング株式会社、株式会社カイコー)により構成されております。なお、株式会社カイコ-につきましては、2025年10月1日付でユカエンジニアリング株式会社に吸収合併しております。
大阪油化工業は、化学物質のわずかな蒸発温度の差を利用して混合物から目的とする物質を分離・精製する精密蒸留を主な事業として行っております。
精密蒸留の技術は、古くは石油からガソリンを精製すること等から発達したもので、現在では医薬・農薬・電子材料等の分野や航空・宇宙産業における材料の精製にも活用されており、大阪油化工業の加工技術も電子材料、医薬品、化粧品、自動車等の顧客の最終製品の一部や顧客の研究開発分野において、使用されております。
大阪油化工業は過去から素材加工の一環として行われていた「蒸留」を専業で請け負っており、機能性化学品(注)等の製造過程で材料の化学物質から不純物を取り除き純度を高める精密蒸留精製において、顧客の最終製品の価値向上に貢献しております。
大阪油化工業グループにおけるセグメントの内容は以下のとおりであります。
(1) 受託蒸留事業
創業以来培ってきた技術と経験を基に、対象となる原料を大阪油化工業の蒸留装置にて精製し、安定した製品を提供するとともに、原料の選定、最適な蒸留方法、収集したデータの活用方法等、総合的な提案を行っております。
(2) プラント事業
蒸留装置とろ過装置を取り扱っており、蒸留装置に関しては、大阪油化工業独自の技術と経験を活かし、大阪油化工業設備での試験データに基づき、様々な形で設計・販売し、実際の運転を行う際の技術支援、生産体制を確立するための最適条件についての総合的な提案を行っております。ろ過装置に関しては、様々な工場排水の処理及び造水設備の設計、製造、建設の後の保守まで一貫して行っております。
特に、精密蒸留精製に関しては、基礎研究段階から製造規模まで大阪油化工業所有設備で蒸留を行う「受託蒸留事業」から、顧客が自社で蒸留を行うための支援サービスである「プラント事業」まで包括的なサービスの提供ができるため、顧客に最適なソリューションの提案ができる体制であると自負しております。
(注)機能性化学品とは、化学メーカー等が研究開発により培った技術力を基に、顧客の最終製品の用途や機能性等に応じて生み出された新たな化学品を総称しております。
大阪油化工業の事業系統図は、以下のとおりであります。
(事業系統図)
(1) 経営方針
大阪油化工業グループは、「社業を通じ、豊かな価値を創造し、社会の発展に貢献する」という経営方針に基づき、顧客のニーズに機敏に対応し、業績の向上に努めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
大阪油化工業グループは、中長期的な成長力・収益力の強化の観点から、売上高及び営業利益を重視しております。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
足元の経営環境につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。大阪油化工業グループは、更なる持続的な成長を目指して、2025年9月期以降、以下を重要な課題と認識し、取り組んでまいります。
①人材の育成
大阪油化工業グループは、実績に裏付けられた高度な技術力及び研究開発力により、蒸留サービスを提供しております。他社で対応不可能な案件を請け負う等、品質の高いサービスを提供し続け、顧客から安定した信頼を獲得していると自負しております。
このような競争力の源泉となっているのは、ひとえに人材であります。そして、顧客ニーズが多様化あるいは高度化していく中において、人材の重要性はますます高まるばかりであります。そのため、大阪油化工業では、人材の採用及び育成を重要な経営課題と捉えており、専門性を高める技術研修や安全指導、勤務環境の整備等、積極的な投資を行っております。
②受託蒸留事業の堅実な成長
大阪油化工業グループは、創業から70年以上の歴史を有しており、「研究開発支援」、「受託加工」といった既存サービスについては一定の収益基盤を確立しておりますが、持続的な成長を見据えて収益基盤の更なる強化を目指しております。
そのため、設備新設による生産能力増強及び他の精製技術の周辺サービスへの展開により、幅広い顧客ニーズへの対応を強化するとともに、顧客との積極的なコミュニケーションを図る等のきめ細やかで柔軟な顧客対応により、顧客満足度を向上させることで取引先数及び受託件数の拡大に取り組んでまいります。
③プラント事業の実績積上げ
大阪油化工業グループは、持続的な成長を図るためには、収益源を多様化する必要があると考えており、既存サービスに続く新たな事業の開拓に積極的に取り組んでおり、「プラント事業」を更に成長させてまいります。
受託蒸留事業での豊富な実績や知見等を活かし、顧客に提供するプラントの最適な条件設定等の技術支援や生産体制の構築支援を行ってまいります。一気通貫によるサービスの提供が可能であるため、受託蒸留事業で培った技術やノウハウの相互活用をスムーズに行うことができ、柔軟な対応が可能であります。専門紙への広告掲載や展示会等への積極的な出展、会社ホームページの充実等により「プラント事業」の認知度向上に努め、取引の拡大に注力してまいります。
また、納入後のメンテナンス体制も充実させることで、継続的な収益基盤の構築につなげてまいります。
「プラント事業」を強化することにより、「受託蒸留事業」から「プラント事業」まで包括的にソリューションの提案を行うことができ、より一層の顧客満足度の向上につながるものと考えております。
④経営管理体制の強化
大阪油化工業グループは、企業価値の継続的な向上のため、事業の成長や業容の拡大に合わせた経営管理体制の強化が重要であると認識しております。
これまでと同様に、専門性の高い優秀な人材の確保及び在籍する人員の育成に注力するとともに、権限委譲を進めることで意思決定の迅速化及び経営の監督機能強化を図ってまいります。
大阪油化工業グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において大阪油化工業グループが判断したものであります。
(1) 人材の採用及び育成
大阪油化工業グループは、少人数で業務を遂行しております。今後の事業拡大に応じて、積極的な人材の採用及び育成に取り組んでいく方針ではありますが、人材の採用及び技術承継等が順調に進まなかった場合又は既存の人材が社外に流出した場合には、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 災害の発生
大阪油化工業は、枚方工場のみを生産拠点としております。ISO45001の認証を取得するとともに、BCP(事業継続計画)の策定や防災訓練、耐震対策などを行っておりますが、当該拠点にて地震及び火災等の大規模な災害が発生した場合、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、労働災害を予防するため、継続的な改善活動及び定期的な研修等を行っておりますが、不測の事故等が発生した場合、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 環境への責任
大阪油化工業は、環境管理体制を整備し、ISO14001の認証を取得するとともに、環境に関連する諸法規に対応した設備を保有し、また、当該関連諸法規に対応した処理を行っておりますが、人為的ミス等による環境汚染や関連諸法規の変更による追加の設備投資又は費用負担が生じるなどした場合には、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 知的財産権
大阪油化工業グループは、自社開発又は共同開発を通じて獲得した技術等について、日本及び主要各国における特許出願により、知的財産権の保護に努めておりますが、これら知的財産権の侵害が発生した場合、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 情報管理
大阪油化工業グループは、情報セキュリティ管理体制を整備し、ISO27001の認証を取得するとともに、事業活動を通じて、多くの顧客に係る重要情報や秘密情報を有しております。これらの情報に対しては、厳格な管理を行っておりますが、予測し得ない事態によって情報が流出した場合、顧客からの信用や大阪油化工業グループの社会的信用の低下を招き、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 品質管理
大阪油化工業は、品質管理体制を整備し、ISO9001の認証を取得するとともに、品質検査の結果、顧客の規格を満たすもののみ出荷を行っておりますが、予測し得ない品質トラブルや製造物責任に関する事故が発生した場合は、損害賠償保険に加入し不測の事態に備えているものの、大阪油化工業の信用低下のみならず、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 新規事業
大阪油化工業グループは、より一層の成長を志向し、「プラント事業」を育成、成長させていく方針であります。当該新規事業の展開にあたっては、マーケットの分析やサービスの開発等に時間を要することや、必要な資源の獲得に予想以上のコストがかかるなど、必ずしも計画が順調に進行しないことも想定されます。また、既に新規事業はスタートしておりますが、今後も軌道に乗った展開ができるとは限らず、方針の変更やサービスの見直し、サービスからの撤退など何らかの問題が発生する可能性も想定されます。当該新規事業の展開が収益獲得に至らず損失が発生した場合には、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 競合
大阪油化工業グループは、精密蒸留において、長年にわたり獲得してきた信頼や蓄積されてきた技術、市場がニッチであることなどから、一定の参入障壁を確立していると自負しております。しかしながら、今後、他社による当該市場への新規参入や競合他社との競争激化、あるいは代替技術の出現等が生じた場合には、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 法的規制
大阪油化工業グループは、法令の遵守を基本として事業活動を行っておりますが、消防法や毒物及び劇物取締法等に基づく各種許認可や規制等の様々な法令の適用を受けており、今後更にその規制が強化されることも考えられます。そのような場合、事業活動に対する制約の拡大やコストの増加も予想され、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 顧客の事業環境の変化
大阪油化工業グループの顧客は、電子材料、医薬、農薬等の様々な業界に属しており、各種法規制及び経済環境の変化に対応して、事業活動や研究開発活動を行っております。これら各種法規制や経済環境の変化により、顧客の活動にも変化が生じた場合には、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 感染症による影響
大阪油化工業グループは、従業員やステークホルダー各位の安全を優先し、テレワークや時差出勤等の対応を進め感染防止の対策を継続して実施しておりますが、新型コロナウイルスその他の感染症が発生し、今後の感染拡大や事態の長期化などにより、事業活動に支障が生じた場合には、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 特定販売先への依存
大阪油化工業グループの当連結会計年度における販売実績のうち、10%を超える販売先との取引は、以下のとおりであります。
大阪油化工業グループとしましては、これらの主要顧客との取引を維持・継続するために、より一層の品質の向上に努めてまいりますが、主要顧客の方針変更等により主要顧客との取引が終了ないし大幅に縮小した場合には、大阪油化工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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