かっこは「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」という経営ビジョンを掲げ、かっこの有するデータサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズム及びソフトウエアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援する「SaaS型アルゴリズム提供事業」を展開しております。
特に、EC分野において、近年急増するオンライン決済での不正対策として、代金未払いとなり得る注文をリアルタイムに検知するSaaS型サービス「O-PLUX(オープラックス)」を主力製品とする「不正検知サービス」を展開しており、かっこ事業の中核サービスと位置づけております。
また、「不正検知サービス」とシナジー効果を発揮するサービスとして、クレジットカード等を用いずに、商品の受け取り後に支払いができるBNPLを提供するBNPL事業者に向けて、システム提供及びコンサルティングを行う「決済コンサルティングサービス」を展開しており、BNPLの審査エンジンとして「O-PLUX」をご利用いただくことで、ワンストップのサービスを提供しております。
加えて、「SaaS型アルゴリズム提供事業」をEC分野のみならず、小売・流通業や製造業をはじめとした様々な分野において展開するべく、マーケティングや生産効率向上等に資するアルゴリズムを開発・提供する「データサイエンスサービス」を展開しております。
かっこが、SaaS型アルゴリズム提供事業において提供している各サービスの具体的な内容は、以下のとおりです。
なお、かっこは、SaaS型アルゴリズム提供事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
(具体的なサービスの内容)
(1) 不正検知サービス
かっこは、かっこの有するデータサイエンス及びセキュリティの技術・ノウハウをもとに、以下のとおり不正検知サービスを展開しております。
a.不正検知サービス「O-PLUX」
「O-PLUX」は、ECにおける注文データを分析することで、代金未回収となり得る注文をリアルタイムに検知するSaaS型の不正検知サービスです。かっこの有するAI・統計学・数理最適化といったデータサイエンスの技術で独自の検知モデルを構築し、日本語独特の表記ゆれを名寄せする正規化機能(注1)や、注文のあった端末を特定するデバイス特定機能(注2)などの機能により、単純なブラックリスト照合や担当者の目視による審査ではなしえなかった検知精度を実現いたしました。また、購入時にパスワード入力等を求める本人認証サービスと違い、画面遷移なく審査可能なため、購入者の操作性・利便性を損ねることなく不正対策が可能です。「O-PLUX」は、これらの機能・性能をご評価いただき、日本国内のECサイトにおける有償の不正検知サービスの累計導入件数№1を獲得しております。(株式会社東京商工リサーチが実施した「ECサイト不正検知サービスに関する累計導入数調査」による。調査対象時点は2025年3月末日時点。)
<EC事業者の不正対策>
近年、クレジットカード番号等の情報を盗まれ不正に使われる「番号盗用被害」が急増し、被害額は500億円以上(注4)、うち番号盗用が9割超を占めております。ECにおいて番号盗用等によるクレジットカードの不正利用が発生した場合、カード保有者からの取引取消申請(チャージバック)により売上が取り消され、発送済みの商品も回収が困難なため、EC事業者は売上と商品の二重損失を被ります。さらに、不正利用が継続する加盟店では決済承認率が低下し、正当な取引まで通りにくくなるリスクもあります。一方、本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)の導入だけでは、認証時の離脱(かご落ち)による売上機会の損失に加え、代金引換注文での受取拒否や後払い決済での未払い、アフィリエイト報酬を狙ったなりすまし注文等、クレジットカード不正以外の不正手口には対応が困難です。「O-PLUX」は、これらEC取引における様々な不正注文をリアルタイムに検知する不正対策ツールとして、EC事業者への導入が進んでおります。
b.不正ログイン検知サービス「O-MOTION」
「O-MOTION」は、会員サイト等において、本人になりすました不正なアクセスをリアルタイムに検知するSaaS型の不正ログイン検知サービスです。独自のデバイス情報・操作情報を駆使した不正判定により、User Agent(注3)、Cookie等を用いた従来型の検知では判別しきれなかった不正も判定・検知が可能です。その性能をご評価いただき、インターネットバンキングにおける不正送金や、2019年6月から施行されたいわゆる「チケット不正転売防止法」によって規制の対象となった不当なチケット買い占めによる高値転売の対策として、金融機関、大手チケットサイト等にご導入いただいております。
(2) 決済コンサルティングサービス
かっこの決済コンサルティングサービスは、主にBNPLを提供するBNPL事業者に向けて、かっこのBNPLに関するノウハウをもとに、決済システムの提供及びBNPL事業の立上げ・運用のコンサルティングを行っています。
BNPLは、購入者にとって利便性が高い一方、それを提供するBNPL事業者にとっては、代金未払い等の回収リスクが高く、高精度な審査が不可欠となるため、かっこは、「決済コンサルティングサービス」の提供とともに、BNPLの審査エンジンとして「O-PLUX」をご利用いただくことで、BNPLの構築をワンストップで支援しております。
(3) データサイエンスサービス
かっこのデータサイエンスサービスは、マーケティングや業務生産性などの課題に対し、企業が保有するビッグデータを、AI、統計学、数理最適化等データサイエンスにおける最適な技法を用いて分析し、アルゴリズムを開発・提供するサービスです。基礎集計フェーズ、解析フェーズ、システム構築フェーズなど、フェーズごとに料金を設定することにより、透明性の高いサービスを提供しております。本サービスの主な事例は以下のとおりとなります。
(a) アパレルメーカーの実店舗とECすべてを対象とした購買データをもとに、買い方別に顧客の特徴をクラスタリング(データを機能やカテゴリごとに分けて集めること)。月次での購買期待値順会員リスト生成と、クラスタ別の施策やコミュニケーション立案材料の提供。
(b) コールセンターの翌月の日・時間帯単位での需要を予測。現状の対応能力から、経営指標に応えられる応答率と、従業員の勤務希望、労働条件といった複数の制約を満たす人員配置計画を計算し、自動提供。
(かっこのビジネスモデルについて)
かっこの不正検知サービスにおける収益構造は、定額課金である月額料金及び審査件数に応じた従量課金である審査料金からなるストック収益と、初期導入料金等のスポット収益で構成されており、2025年12月期において、売上高全体に占めるストック収益の割合は、79.7%となります。
ストック収益の成長を実現するために、かっこのデータサイエンスの技術による更なる精度向上に加え、国内製品・自社製品ならではのモニタリング・サポート体制を提供することで顧客価値向上を実現し、利用企業及び審査件数の増加、並びに高い継続率の維持の実現を目指してまいります。
(注)1.表記の異なる同一情報(例えば、「赤坂一丁目5番31号」と「赤坂1-5-31」)を一定のルールに基づいて変形し、表記を揃える機能のこと。
2.IPアドレス、cookie、言語設定等の端末に関する様々な情報や設定をもとに、注文のあった端末を特定する機能のこと。
3.ブラウザがWebサーバーに対して自動的に通知しているブラウザやOSの種類、バージョンなどの情報を組み合わせた識別子のこと。
4.一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」
(事業系統図)
かっこの事業系統図は下図のとおりであります。
かっこの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてかっこが判断したものであります。
(1) 経営方針
かっこは、「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」という経営ビジョンを掲げ、かっこの有するAI・統計学・数理最適化といったデータサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズム及びソフトウエアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援することを目指しております。
特に、EC分野における不正検知サービスを中核サービスとして位置づけ、決済コンサルティングサービス及びデータサイエンスサービスとのシナジー効果を発揮することで持続的な成長を図り、セキュリティ・ペイメント・データサイエンスの技術で新しい価値を作り上げる会社として、企業価値の最大化を図ってまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための指標
かっこは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、かっこの主力製品である「O-PLUX」のストック収益の金額を重要指標としております。
(3) 経営環境及び中長期的な経営戦略
消費者向け電子商取引(BtoC-EC)市場は、経済産業省による調査「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、2022年は前年比9.91%増の22.7兆円となり、依然として高い成長率を維持しております。また、EC化率(全ての商取引市場規模に対する電子商取引市場規模の割合)が前年比0.35ポイント増の9.13%となるなど、BtoC-EC市場は依然として着実な成長を続けております。
一方、クレジットカード番号等の情報を盗まれ不正に使われる「番号盗用被害」が急増している近年の状況を受け、改正割賦販売法において、クレジットカード番号等の不正な利用を防止するために必要な措置を講じることが義務化され、また、その実務上の指針となる、「クレジットカード・セキュリティガイドライン5.0版(クレジット取引セキュリティ協議会)」においては、EC加盟店におけるEMV3-Dセキュアの導入に加え、カード情報保護対策及び不正利用対策が求められるなど、不正対策に対する社会的要請はますます高まっております。
こうした経営環境下において、かっこは、以下の事項を中長期的な経営戦略として、事業推進してまいります。
① EC不正検知領域の拡大
EC市場の継続的成長及びオンライン決済における不正被害の急増、並びに法規制等の不正対策に対する社会的要請の高まりといった事業環境にあって、かっこの主力製品である「O-PLUX」をはじめとした不正検知サービスのニーズはますます高まるものと考えており、今後の更なる成長に向けて以下施策を実行してまいります。
(a) 導入障壁の解消
ECパッケージ・ショッピングカートベンダー(注1)とのシステム連携をより一層拡大することで導入企業のシステム開発負荷を低減するとともに、月額4,000円から利用可能な不正注文検知サービス「不正チェッカー」等、小規模又は不正被害潜在層に向けたラインアップを提供すること等により、EC事業者の導入障壁を解消し、更なる新規利用企業の獲得に努めてまいります。
(b) プロダクトの付加価値向上
不正アクセス検知サービス「O-MOTION」の端末特定技術に関する特許取得等技術開発に取り組むとともに、外部データベースとの連携拡大、SMS(注2)認証機能の追加、上限額なしでクレジットカードの不正利用被害を補償する「O-PLUX Premium Plus(出荷判断代行サービス)」の提供開始等新機能及びサービスの開発・提供にも積極的に取り組んでまいりました。引き続き、かっこの有するあらゆる技術・ノウハウを活用し、更なる機能・サービスの拡張を図ることでプロダクトの付加価値向上を推進してまいります。
(c) 販路拡大・市場開拓
決済代行会社(注3)、カード会社等とのアライアンスにより販路拡大を図るとともに、SaaS型BNPLシステムの提供準備を進め、近年拡大を続けるBNPL市場において、決済コンサルティングサービスとのシナジー効果を発揮することで、「O-PLUX」の利用拡大を図ってまいります。
② サイバーセキュリティ領域への拡張
株式会社東京商工リサーチ発表によると、2023年の上場企業とその子会社における個人情報の漏えい・紛失は4,090万8,718人分に及び、また、「ウイルス感染・不正アクセス」起因の事故件数は最多の93件発生し、事故件数、社数ともに2019年以降、5年連続で最多を更新しました。かっこは、かっこの有するセキュリティ・ペイメント・データサイエンスの技術・ノウハウをもとに、現在展開している不正検知サービスを中心としてサイバーセキュリティ領域に関する技術開発に取り組むとともに、アライアンス・M&Aの活用を視野に入れ、事業領域の拡大に取り組んでまいります。
③ 海外展開
かっこが現在日本国内で提供している、不正注文検知サービス「O-PLUX」、不正アクセス検知サービス「O-MOTION」、BNPL構築を中心とした決済コンサルティングサービス、AI・統計学・数理最適化等の技術を活用したデータサイエンスサービス等を東南アジアに向けて提供することで、同地域におけるECの健全な発展及び決済手段の多様化等による利便性の向上、並びに金融分野のDX推進に貢献できるものと考えております。引き続き、東南アジアへの展開に関して実現可能性の検証を具体的に進め、今後も海外市場の開拓に積極的に取り組んでまいります。
④ 新規領域のSaaS型サービスの構築
かっこのデータサイエンスサービスは、かっこのAI・統計学・数理最適化といったデータサイエンスの技術・ノウハウをもとに、マーケティングや生産効率向上等に資するアルゴリズムを企業に開発・提供しておりますが、かっこの「SaaS型アルゴリズム提供事業」を、既に不正検知サービスとして展開しているEC分野のみならず、小売・流通業や製造業をはじめとした様々な分野において展開する足掛かりを作ることを企図しております。今後も、データサイエンスサービスの提供を促進する中で、新たなSaaS型サービスを企画・開発するとともに、アライアンス・M&Aの活用も視野に入れ、事業領域の拡大及び新たな収益機会の獲得に努めてまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 収益構造の改善
かっこは、中核サービスである不正注文検知サービス「O-PLUX」について、特定の大口顧客への依存性が高い状態にあったため、当事業年度に生じた当該顧客との取引終了により経営基盤に影響を受けております。
かっこは、従前より「EC不正検知領域の拡大戦略」を通じて多角的な顧客基盤の獲得に向けて取り組んでまいりました。今後は、これに加え、中核サービスである「O-PLUX」以外のサービスについても、収益貢献の早期化を推進し、ビジネスドメインを拡大することで、収益構造を改善し経営基盤の強化に努めてまいります。
② サービス開発投資の促進
かっこは、EC市場、セキュリティ市場及びデータサイエンス市場を主たる事業領域としておりますが、近年の技術革新や市場ニーズの変化等により、国内外における競合サービスとの競争が一段と激化してきております。こうした状況の中で、かっこは、不正注文検知サービス「O-PLUX」をはじめとするかっこサービスについて、機能の拡充及び強化を図るべく積極的にサービス開発投資を推進し、今後の成長性及び競争優位性の維持・向上に努めてまいります。
③ アライアンス・M&Aの推進
かっこは、既存事業の拡充、関連技術の獲得及び新規事業領域への進出を図るためには、アライアンス・M&Aの活用が有効であると考えております。かっこは、かっことのシナジー効果並びに投資の効果及びリスクを見極めながら、アライアンス・M&Aを推進することによって、既存事業の更なる成長を図るとともに、事業領域の拡大及び新たな収益機会の獲得に努めてまいります。
④ 優秀な人材の確保及び更なる社員の能力向上
かっこの業容拡大に伴い、優秀な人材の確保及び更なる社員の能力向上が不可欠であると考えております。かっこは、即戦力の人材確保を目的とした中途採用と将来を担う人材の確保及び組織の活性化を目的とした新卒採用を積極的に行い、加えて、更なる社員の能力向上を目的とした人材育成・人材開発を強化することで、持続的な成長を支える組織の構築に取り組んでまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
かっこは、更なる事業拡大及び持続的な成長を遂げるためには、コンプライアンス体制の強化とともに、確固たる内部管理体制の構築を通じた業務の標準化・効率化を図ることが重要であると考えております。かっこは、内部統制の環境を適正に整備し、コーポレート・ガバナンスを充実させることによって、内部管理体制の強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。
(注)1.Short Message Serviceの略。携帯電話やスマートフォンの電話番号を宛て先にして、テキストメッセージを送信するサービスのこと。
2.ECサイトの運営に必要な商品管理、在庫管理、売上管理等の機能が統合的に実装されたシステムを提供する事業者のこと。
3.EC事業者と各決済機関の間に立ち、多様な決済を一括の契約及び管理システムで利用できるサービスを提供する会社のこと。
かっこの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてかっこが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 市場の動向について
かっこの主たる事業領域であるEC市場、セキュリティ市場及びデータサイエンスの市場は、インターネット環境の整備、インターネットの利用拡大等を背景に市場規模の拡大を続けておりますが、当該市場を取り巻く新たな規制の導入や、その他予期せぬトラブル等により、市場の成長が鈍化した場合には、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 技術革新への対応について
かっこは、提供する各サービスの価値向上のために有効であると思われる新たな技術やノウハウを積極的に取り入れ、サービス機能の拡充及び強化を進めていく方針ですが、技術革新等への対応が遅れた場合や、予想外に開発費等の費用が発生した場合には、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 競合について
かっこは、EC市場、セキュリティ市場及びデータサイエンス市場を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては、まだ発展途上の市場ではあるものの、今後多くの企業の参入が見込まれ、競合サービスが増加する可能性があります。そのため、十分な差別化や機能向上等が行えなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) プロジェクトの検収時期の変動あるいは収支の悪化について
かっこ事業の一部において、顧客の検収に基づき売上高を計上しております。そのため、かっこはプロジェクトごとの進捗を管理し、計画どおりに売上高及び利益が計上できるように努めております。しかしながら、プロジェクトの進捗によって納期が変更され、検収時期が遅延し、計画どおりに売上を計上することができない場合があります。
特に、各四半期、年度末に予定されていた検収が翌四半期末や翌事業年度に遅れると、当該期間でのかっこの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) システム障害について
かっこでは情報セキュリティマネジメントシステム認証を取得し、リスクマネジメントに努めておりますが、サービスの基盤をインターネットに依存しているため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、サーバー設備の強化や稼働状況の監視等により未然防止策を実施しております。
このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に支障をきたし、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) AWSサーバー障害時について
かっこの提供するサービスは、外部クラウドサーバー(Amazon Web Services、以下「AWS」という。)にてサービスを提供しており、AWSの安定的な稼働がかっこの業務遂行上必要不可欠な事項となっております。AWSは、世界中に点在する複数の地理的リージョン(注1)及びアベイラビリティゾーン(注2)で運用されており、FISC安全対策基準(注3)を満たす安全性を備えておりますが、AWSの不備や人為的な破壊行為、自然災害等、かっこの想定していない事象の発生によるサービスの停止により収益機会の逸失等を招く恐れがあります。このような事態が発生した場合にはかっこが社会的信用を失うこと等が想定され、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 個人情報保護法による規制について
不正検知サービスにおいて、利用企業から受領している審査データは、利用企業におけるハッシュ化(注4)等の処理の結果、特定の個人が識別されることのない態様により受領しておりますが、かっこは、当該データについて、個人情報保護法に定める個人情報と同等に取り扱うべく、規程や業務フローを制定し、情報管理体制を整備しております。併せて、役員及び従業員を対象とした社内教育を通じて、関連ルールの周知徹底及びルール遵守に対する意識向上を図るとともに、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が発行するプライバシーマークを取得しております。
しかしながら、個人情報がかっこの関係者や業務提携先の故意又は過失により、外部へ流出もしくは悪用される事態が発生した場合には、かっこが損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、かっこ並びに運営サービスの信頼性やブランドが毀損し、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制について
かっこは企業活動に関わる各種法令の規制を受けておりますが、かっこの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす特有の法的規制は、本書提出日時点において存在しないと考えております。かっこは、各種法令の規制を遵守するべく社内体制を整備・強化しておりますが、今後、既存法令等の改正や新たにかっこの行う事業を規制する法的規制が適用されることとなった場合、また、不測の事態により、万が一、法的規制等に抵触しているとして何らかの行政処分等を受けた場合、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 特定の市場への依存について
2023年12月期におけるかっこの売上高に占める不正注文検知サービス「O-PLUX」の売上高の割合は72.7%であり、また、それら取引先は主にEC事業者であることから、特定の市場への依存度が高い状況にあります。本書提出日現在において、EC市場は、将来の成長が見込まれておりますが、今後、予期しない環境の変化により、当該市場の成長に何らかの問題が生じた場合には、かっこの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 外注先の確保について
かっこの事業においては、必要に応じて、システムの設計、構築等について協力会社に外注しております。
現状では、有力な協力会社と長期的かつ安定的な取引関係を保っておりますが、協力会社において技術力及び技術者数が確保できない場合及び外注コストが高騰した場合には、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 特定人物への依存について
かっこ創業者である岩井裕之は、かっこの大株主かつ代表取締役であり、かっこの経営方針や事業戦略の立案及び決定における中核として重要な役割を果たし、新たな事業モデルの創出においても中心的な役割を担っております。かっこは権限移譲等を行うことで同氏に依存しない経営体制の整備に努めておりますが、現状、何らかの理由により同氏がかっこの業務を継続することが困難になった場合、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 新規事業について
かっこは今後も、積極的に新サービスもしくは新規事業に取り組んでまいりますが、これによりシステムへの先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、展開した新領域での新規事業の拡大及び成長が当初の予定どおりに進まない場合、投資を回収できず、かっこの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 配当政策について
かっこは、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題の一つとして位置づ
けております。しかしながら、現状では、かっこは成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても将来の事業展開と経営体質の強化を目的に必要な内部留保を確保していくことを基本方針としております。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討してまいる方針ですが、本書提出日現在において配当実施の可能性及び、その実施時期につきましては未定であります。
(14) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク
かっこは、役職員等の意欲や士気を高め、一層の収益拡大と体質強化を図ることを目的として、ストックオプション(新株予約権)を発行しております。本書提出日現在、新株予約権(権利行使期間の初日が到来していないものを除く。)による潜在株式数は187,743株であり、発行済株式総数2,669,584株の7.0%に相当します。今後これらの新株予約権が行使された場合には、かっこの1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。
(15) 税務上の繰越欠損金について
かっこは、2023年12月期末時点において、税務上の繰越欠損金を有しております。今後、かっこの業績が事業計画に比して順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(16) 人材の確保・育成について
かっこは、経営に不可欠な資源は「ヒト」であり、優秀な人材を確保し従業員満足度を上げることで、社員が最大限の力を発揮できると考えており、適材適所の配置、市場環境に対応できる能力を獲得させるための教育、社内コミュニケーションの円滑化などに努めております。しかしながら、かっこが人材の確保、活用、育成強化に十分対応できない事象が発生した場合、経営判断、成長力や競争力が影響を受ける可能性があります。
(17) 知的財産権に関するリスク
かっこは、第三者の特許権及び商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査する等、その権利を侵害しないよう留意するとともに、必要に応じてかっこの知的財産権の登録等について申請することで、当該リスクの回避を検討しております。しかしながら、かっこの認識していない知的財産権が既に成立している可能性やかっこの事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があることから、かっこによる第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、かっこが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、又はロイヤリティの支払い要求などが発生する可能性があり、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 小規模組織について
かっこは、2023年12月31日現在において、取締役7名、従業員39名と小規模な組織となっており、内部管理体制もこれに応じたものとなっております。かっこは、今後の事業規模の拡大に応じて、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、かっこの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)1.地理的に独立したサーバーの設置エリアのこと。各リージョン同士は完全に独立しているため、1つのリージョンで障害が発生しても他のリージョンには影響が出ない設計となっている。
2.リージョンの中の個々の独立したデータセンターの名称のこと。
3.金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準のこと。
4.元のデータから一定の計算手順に従ってハッシュ値と呼ばれる規則性のない固定長の値を求め、その値によって元のデータを置き換えること。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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