TAC(4319)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】(1) TACグループの事業内容TACグループは、以下のとおり、TAC、連結子会社7社、持分法適用関連会社1社より構成されております。 会社区分セグメント会 社 名連結子会社個人教育事業㈱TAC総合管理太科信息技術(大連)有限公司(大連オペレーションセンター)㈱オンラインスクール法人研修事業㈱LUAC出版事業㈱早稲田経営出版人材事業㈱TACプロフェッションバンク㈱医療事務スタッフ関西持分法適用関連会社―㈱プロフェッションネットワーク TACは、「プロフェッションの養成」を経営理念として社会人、大学生を対象に資格教育、実務教育を核とした人材育成事業を展開しております。個人教育事業に属する㈱TAC総合管理は、TACが賃借する教室用ビルの契約・メンテナンス業務等を一括管理することにより効率的な運営管理を行います。大連オペレーションセンターは、TACの個人教育事業に係る事務・教材視聴チェックやホームページ作成更新作業等を行います。㈱オンラインスクールは、スマートフォン・タブレット等を用いて資格の学習ができる新しいWeb講座を提供するとともにTACグループにおいて使用するシステムの内部開発業務を行っております。法人研修事業に属する㈱LUACは、保険関係の企業研修事業に特化して展開するために設立されました。㈱早稲田経営出版は、2009年9月に㈱KSS(旧早稲田経営出版)から「Wセミナー」ブランドの資格取得支援事業及び出版事業を譲り受けるに際して、「Wセミナー」ブランドの出版事業を行うために吸収分割によって設立されました。㈱TACプロフェッションバンクは、主に会計系人材の人材紹介・派遣・求人広告事業を行っております。㈱医療事務スタッフ関西は、2014年6月に買収した関西に本社を置く子会社であり、主に医療系人材の人材紹介・派遣・求人広告事業を行っております。また、持分法適用会社である㈱プロフェッションネットワークは、㈱清文社と合弁で設立しており、TAC資格講座の合格者・学習経験者等の実務家向けに実務情報誌を発行する事業を行っております。TACグループの事業内容を種類別セグメントで示すと「個人教育事業」、「法人研修事業」、「出版事業」及び「人材事業」となっております。TACグループの事業内容及びTACと子会社の当該事業に係わる位置付けは次のとおりであります。 ① 個人教育事業TACは、公認会計士、税理士をはじめとして不動産鑑定士、社会保険労務士、証券アナリスト、情報処理技術者、米国公認会計士等の資格試験に対する受験指導を行っており、数多くの試験合格者を世に輩出してまいりました。そして、上記各資格講座の合格実績を背景に、「資格の学校TAC」として個人教育事業を行っております。資格講座は「教室・ビデオブース講座」、「Web通信講座」、「オンラインライブ通信講座」、「DVD通信講座」及び「資料通信講座」にて実施しており、講師が作成する独自のテキストを使用しております。そして、長年の受験指導により蓄積された社会科学の分野を網羅する教育コンテンツは、TACの貴重な財産となっております。また、TACの販売ネットワークの構築にも力を入れており、全国の大学・書店と販売提携をしております(2025年3月末現在提携大学生協302大学455店舗、提携書店38書店113店舗)。② 法人研修事業TACは、法人研修事業として、企業、大学、専門学校、会計事務所等に対して資格取得研修や実務研修等の社員研修の実施や自己啓発講座の提供、専門学校等への教材提供とコンサルティング、提携校の展開、ビジネススクールや大学内セミナー、国・自治体等からの委託訓練を実施しております。また、情報処理・IT関連の資格試験の取得指導(マイクロソフトオフィス スペシャリスト試験、オラクル認定Java等)及びIT関連の国際資格の導入と普及に努めております。現在、米国CompTIA(コンピューティング技術産業協会)主催のA+(エープラス)試験、Network+(ネットワークプラス)試験、Server+(サーバープラス)試験及びSecurity+(セキュリティプラス)試験等の普及に努め、日米の情報技術格差の溝を埋める役割を果たしております。 ③ 出版事業TAC及びW出版は、個人教育事業及び法人研修事業で展開している資格講座・実務研修の教育コンテンツを活かし、「啓蒙書」、「入門書」、「受験用書籍」、「実務書」等のさまざまなラインナップを取り揃えて出版事業を行っております。具体的には、合格の秘訣シリーズ、過去試験問題シリーズ等のシリーズ物として、出版物を通してその指導ノウハウを広く普及することを目的としております。2025年3月末現在の稼働点数は「TAC出版」ブランドで1,047点、「Wセミナー」ブランドで189点、合わせて1,236点にのぼります。④ 人材事業TACの100%子会社である㈱TACプロフェッションバンクにおいて、人材紹介・派遣事業及びインターネットによる求職・求人Webサイトの運営を展開しており、TACでスキルアップした優秀な人材に対して多くのキャリアアップの機会を提供し、より有利な就職環境の支援を行っております。TACの人材ビジネスの強みは、資格取得を目指す約20万人の受講者が存在することであります。また、㈱医療事務スタッフ関西では、医療系人材の人材紹介・人材派遣事業等を行っております。 (2) TACグループの事業分野TACグループの事業内容は社会科学全般に及んでおり、これを分野別に分類すると次のとおりであります。分野主な講座等①財務・会計分野公認会計士講座、簿記検定講座、建設業経理士講座、ビジネス会計検定講座②経営・税務分野税理士講座、中小企業診断士講座、IPO実務検定講座、財務報告実務検定講座③金融・不動産分野建築士講座、不動産鑑定士講座、宅地建物取引士講座、マンション管理士/管理業務主任者講座、賃貸不動産経営管理士講座、FP(ファイナンシャル・プランナー)講座、証券アナリスト講座、DCプランナー講座、貸金業務取扱主任者講座、ビジネススクール、相続検定講座、企業経営アドバイザー講座④法律分野司法試験講座、司法書士講座、弁理士講座、行政書士講座、ビジネス実務法務検定講座、通関士講座、知的財産管理技能検定講座、法律関連講座⑤公務員・労務分野公務員講座(国家総合職・一般職、地方上級、外務専門職、警察官・消防官、理系技術職)、教員採用試験対策講座、マスコミ・就職対策講座、社会保険労務士講座⑥情報・国際分野情報処理講座(ITパスポート、情報処理安全確保支援士等)、米国公認会計士講座、米国公認管理会計士・米国税理士講座、CompTIA講座、IT関連講座、CIA(公認内部監査人)講座、TOEIC(R)L&R TEST講座⑦医療・福祉分野医療系人材の紹介及び派遣事業等⑧その他電気主任技術者講座、会計系人材等の紹介及び派遣事業等、受付雑収入他
有価証券報告書(2025年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針我が国は製造業を中心として飛躍的な経済発展を遂げ、現代においては、高度な知識・情報技術を組み合わせてイノベーションを起こし分野ごとに最適化した商品・サービスを創出し複雑化・多様化したニーズに応えていくことで更なる経済発展を遂げようとしています。そのような経済発展の過程において、どの時代においても必ず社会から必要とされるのが“プロフェッション”と呼ばれる各分野において専門的な知識を有する方々です。必要とされる専門的な知識の内容はもちろん時代の変化に応じて変わってきますが、専門的な知識を有する“プロフェッション”の存在は過去も現在もそして将来においても必要不可欠なものです。TACは1980年の設立以来、その時々において世の中に必要とされる多くの“プロフェッション”を養成し世に輩出してまいりました。会計・税務分野からスタートし、今では法律分野、不動産分野、金融分野、公務員・労務分野、情報分野、医療分野、理系分野にまでその幅を拡げております。これからも時代の変化を見極めながら今の時代に必要とされる多様な“プロフェッション”を養成していくことで、社会の発展に貢献してまいりたいと考えています。 (2) 目標とする経営指標TACグループの経営指標は、安定的な売上成長と現金ベース売上高営業利益率の極大化を目標としております。当連結会計年度は、学生を主な受講生層とする講座において、人材不足による良好な就職環境等の影響もあり低調に推移した一方で、社会人を主な受講生層とする講座が年間を通じて好調に推移したことで個人教育事業の業績も前年に比べ改善し、グループ全体の現金ベース売上高は前年を上回りました。コスト面においても拠点床面積の適正化や講座運営体制の見直しなどによるコスト削減努力を継続した結果、個人教育事業における現金ベースの営業損益が大きく改善したこと等もあり、グループ全体での現金ベースの営業利益を前年の営業赤字から営業黒字に転換することができました。今後も個人教育事業における収益力の強化はもとより、グループ全体の収益力強化やそのための人的資本の有効活用等の改善を重ね、現金ベース売上高営業利益率の向上を目指してまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略TACグループは、「プロフェッションの養成」を経営理念として社会人、大学生を対象に資格教育、実務教育を核とした人材育成事業を展開しております。また、TACグループで学ぶ方々は、自己投資の結果として希望の業種・職種への就職・転職を望む方も少なくなく、TACグループの提供する人材派遣・紹介サービスも個人及び企業へ浸透しつつあります。したがって、TACグループの中長期的な経営戦略は、教育ビジネスと人材ビジネスを強固に結びつけながら、双方のビジネスを拡大させていくことであります。これにより、毎期安定的な売上成長と売上高営業利益率の向上を実現し、株主価値を高める努力を継続してまいります。 (4) 経営環境及び対処すべき課題(経営環境)TACが行っている資格関連教育サービスは、日本経済の健全な発展を支えていくために必要不可欠なプロフェッショナル人材の育成であり毎年一定の需要が見込める比較的安定したものであります。また、教材の開発や合格実績の蓄積などには相当の年数が必要となるほか講師の手配や受講生を収容するための教室の確保などには財務的な基盤も必要となることから、競合他社が比較的生まれにくい業界であると考えております。一方、近年はIT環境が飛躍的に進歩したことで様々な手段によって教育を提供する環境が整備され、それに伴い受講生・消費者側のニーズも多様化してきております。そのような経営環境の中においてTACグループは、これまでに蓄積してきた合格するための教育ノウハウや合格実績に裏打ちされたTACブランドを生かし、個人教育事業、法人研修事業、出版事業及び人材事業の各事業においてビジネスを拡大させていくとともに、各事業ごとのシナジーを最大限発揮できるよう事業間の連携を図ってまいります。また、TACの主要な顧客層は大学生から社会人までと幅広いことにくわえ、資格や教育・研修の内容等によって合格や学習目的を達成するために必要となる提供すべきサービスも異なるため、常に最も適切なサービス提供が行えるよう努めてまいります。 (対処すべき課題)① 個人教育事業の収益力強化TACの個人教育事業を取り巻く外部環境は常に変化しており、その変化のスピードはこれまでと比較にならないくらい早まっております。また、TACが展開している資格講座は、目指す資格ごとに競合相手や市場環境が異なっていることにくわえ、受講生の属性も異なることから、多様な受講生ニーズを素早く察知しそれに適時適切に対応していく必要があります。インフラとしての拠点展開、カリキュラム開発やWEB環境の整備には一定程度の時間と資源を必要とするものの、物事の判断のスピード感を高めて事業運営を行い、個人教育事業の収益力の一層の強化を図ってまいりたいと考えております。② 人的資本への取り組み日本国内における少子高齢化や人口減少などにより、従前に比べ人材の確保が困難な状況となっております。TACの持続的な成長のためには、優秀な人材の確保と育成に一層注力する必要があることから、重要な経営資源である人材への投資を積極的に行い、人材力の強化を推進してまいります。③ 株価純資産倍率の改善TACの直近事業年度末における株価純資産倍率(連結)は0.59倍であり、一般的に割安な株価水準とされる1倍を割っております。株価の変動要因は景気や金利などの外部要因及び業績や配当などの内部要因に大別されますが、TACが直接的にコントロール可能な内的要因に関して、個人教育事業の早期回復や新商品の開発などを通じた業績面での結果を残すことで、株価純資産倍率の早期改善に努めてまいりたいと考えております。 以上のような施策を継続して実施することにより、早期に結果を出していくことがTACに求められている課題であると認識しております。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】TACグループに関する事業等のリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在においてTACグループが判断したものであります。 (1) 教育訓練給付制度の動向教育訓練給付制度は、労働者の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とした雇用保険の給付制度であり、厚生労働省が主管しております。一定条件を満たす雇用保険の一般被保険者等がいったん全額受講料を支払い、講座修了後、出席率等一定条件を満たしている場合に、入会金・受講料の一定割合に相当する額が雇用保険からハローワーク(公共職業安定所)を通じて支給されるものであります。給付基準は数年に一度変更されることがあり、一般教育訓練における現在の給付水準は被保険者期間が3年以上(初回利用に限り1年以上)の方は一律20%、10万円が限度とされています。給付基準の変更により、講座申込みに駆け込み需要が生じることがあり、その後反動減が発生する等、短期的に業績が影響を受けますが、その影響額を想定することは非常に困難であります。 (2) 前受金についてTACの行う資格取得支援事業は、受講申込者に全額受講料をお支払いいただき(現金ベースの売上)、TACはこれをいったん前受金として貸借対照表・負債の部に計上しておきます。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金を月ごとに売上に振り替えます(発生ベースの売上)。一般的に、現金ベースの売上が拡大していく局面では前受金残高が増大していき、当該会計期間以降、前受金戻入が多額になることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が強まりますが、現金ベースの売上が減少していく局面では前受金残高が減少していき、当該会計期間以降、前受金戻入が少なくなることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が弱まる傾向があります。さらに、現金ベースの売上が減少局面から増加局面に変わる期においては、発生ベースの売上に対する減少効果が増幅される場合があり、発生ベースで計算されるTACの業績に影響を与えることになります。 (3) 特定商取引法・消費者契約法と行政の動向2007年中に特定商取引法の規制を受ける大手英会話スクールが破綻する事件があったほか、解約・返金に関する訴訟で最高裁の判決が出ております。TACの属する資格取得スクール業界は、TOEIC(R)L&R TESTなど一部の講座等を除き、直接、特定商取引法で定められた特定継続的役務提供の規制を受けるわけではありません。一方、消費者契約法については広い範囲の事業者が対象となっており、消費者庁主導のもと消費者保護政策が強化される傾向にあります。TACとしても、業界他社と足並みを揃えつつ無理由での解約・返金等に応じております。今後の法令改正等、消費者行政の動向等によっては、TACのビジネス・モデルに大きな影響を与える可能性があります。 (4) 個人情報保護法への対応2005年4月に「個人情報の保護に関する法律」が全面施行され、TACグループの個人顧客のみならず、法人顧客の関心も極めて高いため、TACグループとしてコンプライアンス体制の維持の観点から積極的に対応してまいりました。その結果、TAC及び子会社の㈱TACプロフェッションバンクともに、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)よりプライバシーマークを取得いたしました。2016年1月からはマイナンバー制度も運用がスタートし、社会の個人情報保護への関心はますます高まっております。TACは、今後も引き続き、個人情報管理責任者のもと、情報流出等を防止する厳重なセキュリティ対策を維持するとともに、従業員への教育を継続することによって、個人情報の保護に努めてまいります。万一、流出事故が発生した場合は、TACグループへの社会的信用を失うこととなり、業績へ深刻な影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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