ワンキャリア(4377)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】ワンキャリアグループは、「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに掲げ、個人・企業が仕事選びに関するあらゆるデータを利用できるプラットフォームとして、主に以下2つのサービスを展開しております。 - 就活支援/新卒採用サービス「ワンキャリア」 - 転職支援/中途採用サービス「ワンキャリア転職」 多くの人にとって仕事は人生で最も時間を投資する対象であるにも関わらず、仕事選びに関しては意思決定の基準となるようなデータが少なく、いまだに就職してから後悔する人が後を絶たない状況です。私たちは、すべての個人のキャリアに向き合い、キャリアデータ(注1)を集め、多様化する世の中において仕事選びと採用活動をアップデートしていきます。 (注1)キャリアデータ:個人の就職・転職活動における活動履歴(どの企業にエントリーしたのか、どの企業から内定を獲得したのかなど)やキャリアパス(どの企業からどの企業へ転職したのか、その過程でどの企業を就職先の候補として検討したのかなど)の情報。または企業の採用活動(包括的な採用のプロセス、詳細な面接内容、内定者や入社者の属性の傾向など)の情報。仕事選びに関する個人と企業が必要とするあらゆるデータの総称。 ・キャリアデータプラットフォーム日本ではインターネットの普及に伴い、WEB上での求人広告が一般的となっています。しかし、求職者は就職の意思決定に必要な情報を手に入れるために、オンラインの求人サイトや企業の採用ページ、オフラインの在職者との面談(OB・OG訪問)や企業の会社説明会など、異なる複数のチャネルにアクセスしなければなりませんでした。ワンキャリアグループが構築する「キャリアデータプラットフォーム」は、これまで求職者が複数のチャネルを横断して手に入れる必要があった就職の意思決定に必要な情報を、まとめて1箇所で得ることができるプラットフォームであり、求職者からの就職活動の体験情報を中心とする、これまで公開されていなかったキャリアデータを蓄積し、就職・採用の意思決定に必要な情報として、求職者と企業の双方に提供するものです。ワンキャリアグループはキャリアデータプラットフォームにキャリアデータを求めて集まる求職者と企業の多様な雇用機会を創出するとともに、それぞれの意思決定に必要な情報を合わせて提供することで、「知っていれば避けられた」採用のミスマッチを防ぎ、仕事選びにおける意思決定を支援しております。このキャリアデータプラットフォームにおいて、就活支援/新卒採用サービス「ワンキャリア」と転職支援/中途採用サービス「ワンキャリア転職」によって、求職者・企業双方へ求人メディアや採用ソリューションを提供しております。 「キャリアデータプラットフォームのイメージ」 ワンキャリアグループが収集・保有するキャリアデータは、どのような求職者がどのような企業に興味を持ち、選考を受け、評価されているのかを浮き彫りにする「求職者に関するキャリアデータ」と、企業が開示している求人情報や、求職者による就職活動の体験情報から、どのような企業がどのような選考方法や採用基準で採用活動を行っているのか、その結果どのような求職者を採用しているのかを浮き彫りにする「企業に関するキャリアデータ」に大別されます。ワンキャリアグループが収集・保有するキャリアデータの具体的な内容は以下のとおりであります。求職者に関するキャリアデータ·求職者がどのような企業について、閲覧/お気に入り登録/エントリー/内定したかなどの個人が特定できない形で処理した匿名の行動情報·求職者がどの企業からどの企業にどういった動機で転職したかという転職履歴情報(中途採用領域)企業に関するキャリアデータ·エントリーシートや面接の質問事項や実施時期、インターンシップの内容や実施概要など、企業の採用活動・選考の内容に関する情報·企業の説明会や選考活動に対する感想や評判などの、求職者からの評価 ・業界を取り巻く環境変化と課題ワンキャリアグループの属するHR(Human Resource:人的資材)マーケットでは、日本国内においては、少子高齢化により労働人口の減少は今後避けられず、更に労働生産性は主要先進7カ国において最下位を記録するなど、国全体で限られた労働資源を有効活用し生産性を高めていくことが急務となっていると考えております(出所:公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2025」)。同時に企業においても、人々の働き方が多様化し人材の流動化が加速する中で、「労働生産性の向上」と「働く人々の満足度の向上」を両立させることが強く求められています。そのような中、近年あらゆる領域においてデジタル化の波が急激に訪れており、これらの社会課題がDXにより解決されることが期待されています。しかし、人材採用領域においては、労働集約型の旧態依然としたビジネスモデルが主流であり、必ずしもDXが積極的に推進されているという状況ではありません。また、これまでの日本のHRマーケットにおいては、終身雇用が前提となっていたため、一企業に個人のキャリアデータが蓄積されてきたほか、仲介業者においても情報を囲い込むことで価値を生み出すような、閉鎖的なビジネスモデルが主流となっており、キャリアデータを有効に活用した就職・採用活動を行うことは困難な環境でした。近年、HRマーケットにおいては、HR Techといったテクノロジーやデータを活用した新しいサービス分野が拡大しつつありますが、マーケット全体を見渡すとまだまだキャリアデータの活用は十分とは言えません。仕事を選ぶ個人にとっても、新卒一括採用、終身雇用、年功序列型賃金などが特徴的である日本の雇用制度は転換期を迎えているため、一人ひとりが自らの責任においてキャリアプランを考え、能動的に就職の意思決定に必要な情報(キャリアデータ)を収集し、ミスマッチを減らすための効率的な就職活動を進めていくことが強く求められます。 ワンキャリアグループは、これらの国、企業、個人それぞれが抱える課題を、キャリアデータプラットフォームを活用して、解決してまいります。企業はワンキャリアのサービス(新卒採用サービス「ワンキャリア」及び中途採用サービス「ワンキャリア転職」)を活用することで、キャリアデータに基づいた定量的な採用活動を行うことができます。その結果、今や国家施策となっているDX推進の取り組みを、人材採用領域において推進することに繋がり、これまでアナログな人海戦術で対応していた企業の採用業務に掛かる大幅な手間の削減と、これまでの採用活動では難しかったデジタルを活用した新たな採用手法の選択肢を拡大することが可能となります。更にワンキャリアグループが提供するキャリアデータに基づく仕事選びの意思決定は、国全体の最適な人材配置や多様な雇用機会の創出を促し、国家や企業の課題であった労働生産性の向上と働く人々の満足度の向上につながると考えており、今後その実現に向けて取り組んでまいります。また、求職者はワンキャリアのサービス(就活支援サービス「ワンキャリア」及び転職支援サービス「ワンキャリア転職」)を活用することで、就職の意思決定に必要な情報に容易にアクセスすることができるため、求職者自身にとって最適な「仕事(職)」と巡り合える機会が拡大し、ミスマッチを減らす効率的な就職活動を行うことができます。今後、企業の経営環境や雇用市場はより流動的になることが予想され、HRマーケットを取り巻く課題への対応が急務となるため、キャリアデータの価値が益々高まっていくものとワンキャリアグループは考えております。 ・ビジネスモデルワンキャリアグループは「キャリアデータプラットフォーム」事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、主たるサービスの特徴を分類すると、(1)採用DX支援サービス、(2)その他のサービスになります。 (1)採用DX支援サービス・求人メディアワンキャリアは学生向け就活支援サービス「ワンキャリア」を運営しております。「ワンキャリア」は新卒入社までの最初のキャリア選択をサポートするサービスで、求職者の声を中心とした就職活動の体験情報を集めたコンテンツと、プロの編集チームが作成したコンテンツを融合したハイブリッドメディアです。就職活動の体験情報などのコンテンツをパソコンやスマートフォンで簡単に閲覧できる仕組みを作ることで、就職活動をおこなう求職者が企業に関するキャリアデータにいつでもどこでもアクセスすることができるサービスを展開しております。「ワンキャリア」は、スマートフォンを中心としたインターネットを通じて、求職者には就職活動に必要なあらゆる情報を、企業には求人情報を発信することで母集団形成を行うことができる採用支援サービスをそれぞれ提供しております。求職者から投稿される就職活動の体験情報はキャリアデータとして「ワンキャリア」上で公開され、求職者は「ワンキャリア」の会員となることで、企業に関するキャリアデータを無料で閲覧することができます。求職者は、企業が過去に行った会社説明会や選考の内容、採用スケジュール、面接の際の雰囲気や質問内容などといった、就職活動において本当に知りたい情報を得ることが可能です。また、ワンキャリアは独自の審査部門を持ち、投稿された就職活動の体験情報の信頼性を審査(注2)することで品質を担保しております。そのため、就職活動において必要かつ信頼できる情報を得られる手段としてニーズが高まっています。「ワンキャリア」を利用する求職者は、2025年12月期末時点には、232万人を突破し、年々増加しております。(注2)審査:投稿された就職活動の体験情報の内容を全件審査しております。 これまでの新卒サービス会員数(注3)の推移と新卒サービス会員利用率(注4)は下図のとおりであります。 (注3)新卒サービス会員数:各期間末日時点で就活支援サービス「ワンキャリア」に会員登録をしていた人数(退会者を除く)の累計で、全ての卒業年度の会員を含みます。(注4)新卒サービス会員利用率:各年に大学もしくは大学院を卒業するユーザーの、卒業年度別学生の総数に対するシェア率です。但し、2026年入社予定のユーザーのシェアは、2025年12月期末までにワンキャリアサービスを利用したユーザー数により算出しています。また、2025年入社者までは文部科学省発表「令和7年度学校基本調査(確定値)の公表について」における各年度の就職者数の合計値からシェア率を算出しています。 他方、企業に対しては、「キャリアデータプラットフォーム」を活用して採用活動を支援するワンキャリア(企業向け)を提供しております。求人メディアサービスとしては、新卒採用サービス「ワンキャリア」に会社情報や求人広告を掲載することができる求人掲載機能を利用することで、企業は自社の企業イメージや魅力を求職者に伝えることが可能です。掲載できる情報は、テキストや画像データによる企業説明情報に加えて、インターンシップや会社説明会などの募集情報、タイアップ記事広告など多岐にわたり、これらの掲載情報を通じて多くの求職者にアプローチすることができるほか、自社の採用イメージを向上させるためのブランディングが可能となります。 また、ワンキャリアは採用したい学生に直接アプローチできるスカウトサービスを提供しております。スカウトサービスでは、生成AIを活用し、会員登録時のプロフィール情報入力を自動化するなど、プロダクト機能の向上を図ることで、学生・企業双方の利便性を向上させています。 また、ワンキャリアは企業の採用説明会を動画で配信する、オンライン企業説明会サービスを提供しております。地理的な制限や会場の収容人数の制限を受けることなく、求職者と企業双方にとって効率的な就職活動を行うことができるため、オンライン企業説明会サービスへのニーズは堅調に推移しています。 ワンキャリアは、「ワンキャリア」を利用する求職者会員数の拡大とともに、大企業からスタートアップまで法人の顧客基盤を拡大し続け、2025年12月期末時点には、法人取引累計社数(注5)は6,290社となっております。「ワンキャリア」は、求人広告や採用説明会をオンラインで提供するプラットフォームとして、企業の採用活動のDXを推進いたします。 これまでの法人取引累計社数の推移と、年間取引社数(注6)は、それぞれ以下のとおりであります。 (注5)法人取引累計社数:各期間末日時点でワンキャリアと有償取引を行ったことのある法人顧客数(注7)の累計です。(注6)年間取引社数:各事業年度においてワンキャリアと有償取引を行った法人顧客数です。(注7)法人顧客数:2021年度まで契約社数で集計しておりましたが、取引実態をより明確に示すことを目的として、2022年度よりサービス提供社数で集計しております。 ・採用ソリューション採用ソリューションは、ワンキャリアに蓄積された膨大なキャリアデータを活用し、企業の人事担当者が行う新卒採用業務の支援を行うソリューションサービスです。企業向けの採用コンサルティングや、2020年6月より開始した採用計画機能によって、採用ターゲットとなる求職者がいつどの程度活動しているのか、採用競合となる他社がいつどのような採用活動を行っているのかといった、採用活動計画を立案する際に必要なマーケティングデータを提供し、採用業務に役立つソリューションの提供を行っております(なお、2025年12月期末時点では、ワンキャリアの採用計画機能は全ての法人顧客に無償で利用いただけるサービスとなっております。今後は機能の拡張により一部有償化することを予定しております。)。これまでの採用サービスでは、求職者は企業の募集情報を探し応募するときだけにサービスを利用することが一般的でした。これに対して「ワンキャリア」では、求職者は募集情報を探し応募するときだけでなく、就職活動期間を通じて「ワンキャリア」に蓄積した膨大なキャリアデータを閲覧することで、就職活動開始時の基礎知識の学習や、求人応募後の企業研究や採用選考の対策を行っており、数か月から長ければ1年以上とサービス利用期間が長いことが特徴的です。そのためワンキャリアには、求職者の就職活動期間を通じた行動履歴データが蓄積されております。行動履歴データとは、求職者がWEBサイトを訪問し、いつどの企業の求人へ応募をしたのか、どのページを閲覧したのかなどの履歴情報であり、それらを蓄積することによって求職者の興味・関心を分析することが可能です(全ての行動履歴データは特定の個人を識別できないよう加工を施して利用しております。)。求職者から投稿される就職活動の体験情報とあわせて、ワンキャリア独自のデータベースを構築しております。企業は、本サービスを通じて企業と求職者に関するキャリアデータを得て、競合他社の採用活動の実態や、自社の採用活動の評判などを知ることができるため、自社の採用手法を改善し、求職者を獲得するための取り組みを進めることや、自社の採用計画をワンキャリア上で作成し、履歴を保存することが可能です。企業の人事担当者が変更になった際にも、本サービスを情報の引継ぎなどに活用することで、採用活動の負担を削減することにも役立ちます。本サービスについては今後、採用計画の立案から求職者の募集、応募者の管理(注8)に至るまで、企業の採用活動を一気通貫して支えるデジタルツールとして提供することで、企業の採用活動のDXを推進することを目指します。(注8)応募者管理システムとして採用管理機能を一部顧客にβ版として提供を開始しております。顧客ごとに、求職者の評価に関するデータを収集し、より顧客ニーズにあわせた採用戦略を提案することが可能になります。 また、実際に働いている社員や会社の雰囲気を知りたい学生のニーズに応える商品として、オフラインイベントを定期的に開催しております。また、2024年2月よりキャリアアドバイザーによる人材紹介サービスである「ワンキャリア新卒紹介」(注9)の提供を開始しております。 (注9)入社合意に至った時点で費用が発生する成功報酬型のサービスです。導入費用なしで利用を開始でき、入社までに学生が内定を辞退した場合は成功報酬費用を返金する契約とすることで、企業側の負担を軽減しております。 (2)その他のサービスその他のサービスとして、「マーケティングアライアンス」、「中途採用事業」のサービスを提供しております。なお「中途採用事業」は2021年6月より開始し、現時点では業績に与える影響は小さいものの、新卒採用サービスで獲得した会員基盤、顧客基盤を中途採用事業に繋げ、今後の事業拡大を目指します。 ワンキャリアグループの「キャリアデータプラットフォーム」事業で提供している各サービスの概要は以下のとおりであります。採用DX支援サービス・求人メディア企業の魅力を伝え、母集団形成を行うことが可能なサービス。就活支援/新卒採用サービス「ワンキャリア」への求人広告を掲載する求人掲載と企業の採用に関する会社説明を動画で配信するサービスの他、採用したい学生に直接アプローチできるスカウトサービスなどのオプションサービスを提供。・採用ソリューションワンキャリア保有のデータを活用したサービス。学生や競合他社の動向を企業の採用活動に反映させることが可能。加えて、学生及び企業のニーズに合わせたオフラインイベントや、キャリアアドバイザーによる人材紹介サービスを実施。その他のサービス・マーケティングアライアンス「ワンキャリア」の求職者会員を他のHRサービスなどのアライアンスパートナーに送客し、成果発生件数に応じて収益を得る成果報酬制サービス。・中途採用事業転職支援/中途採用サービス「ワンキャリア転職」へ求人広告の掲載や、企業への人材紹介を提供するサービス。 [事業系統図]
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】ワンキャリアグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてワンキャリアグループが判断したものであります。 (1)経営方針 ワンキャリアグループは、「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションの下、キャリアに関するデータを公開することで誰もが自由に働き方を選択できる社会を目指す「キャリアデータプラットフォーム」事業を運営しております。これまでHRマーケットにおいて、仕事選びに関するデータ(キャリアデータ)が集積していなかった課題に対し、ワンキャリアは就活支援/新卒採用サービス「ワンキャリア」を運用することで、求職者の声を中心とした就職活動の体験情報や求職者の行動履歴等のキャリアデータの蓄積に注力してまいりました。国内最大級の質と量を持つ「キャリアデータプラットフォーム」を通じて、最適な「仕事(職)」と巡り合える機会を創出することで、求職者の人生をより豊かなものにしていきたいと考えております。また、企業に対しては、企業が発展する上で必要不可欠な採用活動・人事業務のDXを推進するサービスを提供しております。企業の採用活動においてもキャリアデータを有効活用することで、効率よく自社にあった人材を獲得する採用活動を支援しております。 (2)経営戦略等 ワンキャリアグループは「キャリアデータプラットフォーム」を、キャリアに関するデータを公開し、仕事選びにおける不透明さを解消するプラットフォームであると定義し、これまで事業を推進してまいりました。その上で、企業に対して、会社情報や求人広告を掲載できるメディアや、採用計画をクラウド上で簡単に作成できるツール、場所や時間にとらわれず候補者に自社の魅力を伝えることができるオンライン企業説明会サービスなどを展開してまいりました。企業は、ワンキャリアサービスを活用することで採用活動や人事業務において、キャリアデータを用いた採用活動のDXを推進し、データに基づく意思決定と大幅な業務効率化、そして新たな採用活動手法の選択肢を増やすことが可能になります。 今後もキャリアデータの更なる拡充を目指すとともに、蓄積したキャリアデータを活用して、求職者の採用支援、企業の採用活動・人事業務のDXを推進するサービスの開発を行ってまいります。幅広い企業に利用されるために、適性検査や研修などの商品ラインナップの拡充、営業戦略を通じた顧客基盤の拡大に経営資源を投下することにより事業拡大を目指します。これら既存事業の強化と新領域拡大を図り、収益基盤を強化していく方針であります。 また、現在ワンキャリアグループの強みとなっている、新卒採用を中心とする若年層採用マーケットを軸足として、今後更に対象となる採用マーケットを拡大することで、求職者の仕事選びの機会により長く寄り添うことを目指し、収益機会の長期化を図る方針であります。 更に、キャリアデータを拡充することで、人々のライフスタイルに関わる情報へのアクセスが可能になるため、教育や金融、販促などの採用マーケット以外の領域でキャリアデータの利活用を見据えて、事業領域の拡大を目指します。特に日本では学生がキャリアに向き合う機会が乏しく、若年層に向けたキャリア教育が不十分であることも課題となっており、ワンキャリアグループのキャリアデータプラットフォームを通じて多様なキャリアのロールモデルや、HRマーケットに関する統計情報などをキャリア教育に活用することも考えております。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標ワンキャリアグループは、継続的な売上高増加を実現するために、顧客基盤の拡大を図る経営に努めてまいります。その上で主要な経営指標として、売上高の対前期増加率と法人取引累計社数を重要指標としております。新卒採用領域においては企業の採用活動が季節性や年度ごとの採用方針により流動的であり、取引窓口を有している企業については常に営業活動を行うことで売上拡大の機会があるため、法人取引社数についてはその累計数を重要指標としております。なお、ワンキャリアグループは、次期中期目標として、2030年12月期に売上高350億円、EBITDA100億円を設定いたしました。資本効率を意識し、売上高と利益のバランスの取れた成長の継続を目指します。 (4)経営環境ワンキャリアグループが属する人材ビジネス業界は、およそ10兆円の市場規模があると想定しております。しかし、その大半は労働集約型の旧態依然としたビジネスモデルによって成り立っています。近年、少子高齢化による「労働力人口の減少」、働き方改革の影響による「働き方の多様化」、終身雇用崩壊による「雇用の流動化」といった急速に変化する社会の流れを受けて、顧客のニーズや課題感にも変化が生まれつつあります。また、人的資本開示が義務化される等、企業の「人への投資」に注目が集まっています。「労働生産性の向上」や「働く人々の満足度の向上」といった新しい課題に順応するため、HR(Human Resource:人的資材)マーケットにおいてもDX推進が求められ、特にHRTech領域に注目が集まっています。労働生産性の向上が求められることにより、今後の企業の採用戦略が大きく変容していくと認識しております。ワンキャリアグループの「キャリアデータプラットフォーム」で実現しているキャリアデータの透明化に加え、ワンキャリアの各サービスは採用DXを促進し、企業の採用活動・人事業務の負担削減に役立つため、企業側の限られた採用予算で効率的に求職者の採用を行うことが可能なサービスであると考えております。また、地理的な制限や会場の収容人数の制限を受けることなく、求職者と企業双方にとって効率的な就職活動を行うことができるため、オンライン企業説明会サービスへのニーズも堅調に推移しております。実際に働いている社員や会社の雰囲気を知りたい学生のニーズに応える商品として、オフラインイベントへのニーズも堅調に推移しております。このようにワンキャリアグループは、市場の拡大・変化及び競合企業の増加等の経営環境の変化に対応すべく、様々なサービスを創出し、社会的需要に合致した事業戦略で持続的な成長の実現に取り組んでまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題ワンキャリアグループが優先的に対処すべき課題は以下のとおりです。①新規ビジネスの創出と顧客基盤の拡大ワンキャリアは、創業以来、HRマーケットにおいて様々な新規サービスを開発し、新たな収益機会を創造してまいりました。ワンキャリアグループが今後も競争優位性を確保し長期的に成長し続ける組織であるためには、既存サービスの新規機能追加やUI/UXの改善に加え、企業のニーズを的確に捉え、新たなビジネスやサービスを創出することが極めて重要であると考えております。具体的には、「キャリアデータプラットフォーム」におけるキャリアデータの拡充と、保有するキャリアデータを活用することで採用活動を効率化できる「採用DX支援サービス」の新規機能開発に注力していくことで、新規顧客基盤の拡大を目指す方針であります。 ②優秀な人材の確保と育成ワンキャリアグループは、今後の更なる事業拡大を目指すうえで、システムの開発部門及び営業部門等における優秀な人材の確保並びにその人材の育成が重要な課題であると認識しております。人材の確保については、新卒・中途の両方において、積極的な採用活動を実施し、ワンキャリアグループのミッションに共感を持つ人材の採用を行ってまいります。人材の育成に関しては、採用した人材のオンボーディング施策(入社後の定着施策)を強化し、定着率を向上させるとともに、一人ひとりが強みを活かして活躍ができるように、研修・教育の強化、組織体制の強化及び最適な人員配置を実施してまいります。 ③認知度の向上ワンキャリアグループは、これまで求職者会員の獲得及び法人顧客の獲得を目的としてWEBマーケティング等を活用した広告宣伝活動を行ってきました。求職者会員の認知は得られている一方で、新聞、テレビ等の大規模なマスメディア向け広告を打ち出しておらず、法人顧客からのワンキャリアグループの認知度は大手の同業他社と比較してまだ高くありません。既存事業の更なる拡大及び競合企業との差別化を図るに当たり、ワンキャリアグループブランドのより一層の認知度向上とブランド力強化が重要であると認識しております。こうした背景から、広告宣伝への投資や積極的なPR活動を実施し、キャリアデータのプラットフォーマーとして確立したワンキャリアグループブランドの、認知度の向上を図ってまいります。 ④内部管理体制の強化ワンキャリアグループが今後更なる業容拡大、持続的な成長をするためには、リスク管理体制の強化と、確固たる内部管理体制構築を通じた業務の標準化及び効率化の徹底が重要であると考えております。ワンキャリアグループは、更なる内部管理体制の強化によって、より一層のコーポレート・ガバナンス機能の充実を図り、経営の公正性・透明性の確保及び企業価値の最大化に努めてまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 ワンキャリアグループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてワンキャリアグループが判断したものであります。 (1)事業環境に由来するリスクについて①インターネット関連市場について ワンキャリアグループは、インターネットメディア事業を主たる事業対象としているため、インターネットの活用シーンの多様化、利用可能な端末の増加等のインターネットの更なる普及が成長のための基本的な条件と考えております。インターネットの利用は日常生活の中でごく当たり前のことにはなってきましたが、今後どのように進展していくかについては不透明な部分もあります。 インターネットに関する何らかの弊害の発生や利用等に関する新たな規制の導入、その他予想しなかった要因によって、今後の普及に大きな変化が生じた場合、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②技術革新について ワンキャリアグループが事業を展開するインターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それに基づく新サービスの導入を行ってまいりました。ワンキャリアグループはこれらの変化に対応するため、技術者の確保や必要な研修活動を行っておりますが、これらが想定通りに進まない場合等、変化に対する適切な対応に支障が生じた場合、ワンキャリアグループの業界における競争力が低下し、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、インターネットユーザーの多くは、検索エンジンを利用して必要な情報を入手しております。ワンキャリアグループのサービスにおきましても、集客の一定割合は検索エンジンを経由しております。検索エンジンからの集客は、表示結果に左右される側面があり、その表示順位に関しては各検索エンジンの運営者側の仕様によって異なります。ワンキャリアグループにおきましても、検索エンジンに適切な順位で表示されるように必要な対策を講じておりますが、各検索エンジンの運営者側の仕様変更などにより、集客に大きな影響を与える場合、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、近年では生成AIの台頭を背景に、ユーザー体験の向上や業務効率の改善を目的としたAI技術の活用が広がっております。しかし、生成AIを含むAI技術には、誤情報の生成や不適切な出力、著作権・プライバシーの侵害、機密情報・個人情報の入力による情報漏洩の懸念等、利用方法を誤るとワンキャリアグループの信頼性を毀損する可能性があります。ワンキャリアグループは「AIサービス利用ガイドライン」を定め、これに基づくAIの効果的な利用を推進しております。また、最新のAIの普及状況や技術の進展を注視し、競争優位性の確保に努めております。 ③四半期毎の業績変動について ワンキャリアグループのキャリアデータプラットフォーム事業は、登録会員・募集企業等のトラフィックの変動に連動してワンキャリアグループの収益も大きく増減します。具体的には、インターンの募集や新卒学生の就職活動が本格化し本選考の集客が行われる第2四半期連結会計期間及び第4四半期連結会計期間の時期においてワンキャリアグループの収益が大きく増加する傾向にあります。一方で企業の集客需要が少ない第1四半期連結会計期間及び第3四半期連結会計期間は収益が上がりにくい傾向にあります。そのため、ワンキャリアグループの売上高の成長は、年間を通じて標準化されずに、四半期連結決算の業績が著しく変動する可能性があります。 なお、当連結会計年度における売上高は以下のとおりであります。 (当連結会計年度)(単位:千円) 第1四半期連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年3月31日)第2四半期連結会計期間(自 2025年4月1日 至 2025年6月30日)第3四半期連結会計期間(自 2025年7月1日 至 2025年9月30日)第4四半期連結会計期間(自 2025年10月1日 至 2025年12月31日)売上高1,498,3552,514,1151,577,8631,986,496 ④少子化の影響について 我が国においては少子化が進展しておりますが、ワンキャリアグループが提供するサービスの利用が想定される学生等の若年層の数は安定的に推移しており、今後5年~10年程度の中期的なスパンでの少子化の進行による影響は少ないものと考えております。しかし、少子化が更に進行し、ワンキャリアグループの認識とは相違して対象ユーザーである学生等の人口が急激に減少した場合には、ワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤景気変動と雇用情勢について ワンキャリアグループが運営する採用DX支援サービスは、景気変動や雇用情勢等の動向に影響を受けやすい特性があります。ワンキャリアグループは、幅広い採用領域においてサービスを提供することや顧客基盤の拡大によって環境変化に影響を受けにくい収益構造を目指しておりますが、何らかの要因により、企業の人材採用需要が減退した場合や経済情勢の変化等がワンキャリアサービスの需要低下や収益性の低下等を招いた場合には、ワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 また、昨今の生成AIの普及等の技術革新により、ホワイトカラー職種の業務代替が進み、人材採用需要に影響を及ぼすとの懸念があります。しかしながら、国内の生産年齢人口の減少に伴う構造的な労働需給の逼迫に加え、日本企業における新卒採用は「将来の経営幹部候補の育成」や「組織の活性化・文化継承」を目的とした戦略的投資という側面が強く、短期的な業務効率化の影響は限定的であると考えております。したがって、新卒採用市場全体への影響は軽微であり、中長期的な需要は引き続き堅調に推移するものと認識しております。 ⑥その他法的規制について ワンキャリアグループが運営する就活支援/新卒採用サービス「ワンキャリア」や転職支援/中途採用サービス「ワンキャリア転職」等の採用に関するプラットフォームは、「職業安定法」が定める募集情報等提供事業および職業紹介事業として個人情報の適切な管理等の義務が課され、関連法令を順守し、継続的な健全な運営を確保できる仕組みが求められております。 また、職業紹介事業は「職業安定法」が定める有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受け事業を行っております。有料職業紹介事業の許可について、取得後の初回については3年、それ以後は5年ごとの更新が義務付けられており、本書提出日現在の許可の有効期限は2030年8月31日であります。 ワンキャリアグループは、規制に準拠したサービス運営を実施しており、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施等を行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われた場合、又は既存法令等の解釈変更等がなされワンキャリアグループが運営するサービスが新たな法規制の対象となり事業構造や業務オペレーションの変更が求められる場合、許可の追加取得が必要となる場合、許可の取消し、業務停止命令若しくは業務改善命令の対象となる場合等には、ワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業内容に由来するリスクについて①他社との競合について ワンキャリアグループは「ワンキャリア」の管理運営を通じたキャリアデータプラットフォーム事業を主たる事業領域としておりますが、当事業領域においては大手企業を始めとして多くの事業者が事業の展開をしております。ワンキャリアグループは、キャリアデータの質と量を有したメディアの構築と当該データを活用した企業の採用活動・人事業務のDX推進等に取り組み、これら多くの事業者が提供するサービスとの差別化を図っております。 しかしながら、ワンキャリアグループと同様のサービスを展開する事業者との競合激化や、競合事業者が提供するサービスに対し十分な差別化が図れなかった場合、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②機能の充実について ワンキャリアグループは利用者のニーズに対応するため、就活支援/新卒採用サービス「ワンキャリア」及び転職支援/中途採用サービス「ワンキャリア転職」における機能の拡充を進めております。ワンキャリアグループは機能の拡充や有料機能の導入については利用者のニーズの分析により的確な把握を行った上で実行をしてまいりますが、今後において、利用者のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、利用者への訴求力の低下等により、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③継続的なシステムコストについて ワンキャリアグループは、今後の利用者数及びアクセス数の拡大に備え、継続的かつ柔軟にシステム上の対応措置を講じる方針を取っておりますが、ワンキャリアグループの計画を上回る急激な利用者数及びアクセス数の増加等があった場合、クラウドサーバーの処理量に一定の負荷をかける機能開発の実装を行う場合もあります。このような事態が生じた場合には、サーバー利用料が大幅に変動することにより、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④知的財産権について ワンキャリアグループは、運営サイト及びサービス名称等について積極的に商標権を取得しています。独自に開発したシステムまたはビジネスモデルに関しても、特許権等の対象となる可能性があるものについては積極的に出願に努めてまいります。また、第三者の特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っております。また、ワンキャリアグループが提供するサービスにおいて、ワンキャリアグループが所有する知的財産権を第三者に使用許諾する場合や、第三者の所有する知的財産権の使用許諾を受ける場合があり、その場合は使用許諾契約の締結等により適切な管理を行っております。 しかしながら、知的財産権の範囲や契約条件の解釈の齟齬等により、認識外で第三者の知的財産権を侵害した場合、ワンキャリアグループは第三者から知的財産権侵害の訴訟、使用差止請求等を受ける可能性があります。その結果、解決に多額の費用と時間がかかり、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤特定のサービスへの依存について ワンキャリアグループのキャリアデータプラットフォーム事業は、現在、就活支援/新卒採用サービス「ワンキャリア」から派生する特定のサービスに大きく依存した事業となっております。ワンキャリアグループは今後も「ワンキャリア」のコンテンツ価値向上に努めるとともに、ワンキャリア転職やワンキャリア for エンジニアなどの他サービス・派生サービスを積極的に展開し、競合企業のサービスとの差別化を図ってまいりますが、競合企業との競争激化等が、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥新規事業等について ワンキャリアグループは、業容拡大に向けて、ワンキャリアの各サービスに続く新たなサービスの創出を目指しております。新規サービスにつきましては、予め回収可能性を十分に調査・検討し実行してまいりますが、安定収益を創出するにはある程度の期間を要する場合があり、その期間において人件費等の先行投資により一時的に利益率が低下し、ワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、想定していた成果を上げることができない場合、撤退コストが発生することがあり、結果としてワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦グループイン(M&A)、資本業務提携について ワンキャリアグループは事業基盤の拡大のため、グループイン(M&A)及び資本業務提携を推進事項としております。グループイン(M&A)及び資本業務提携により想定した収益性やシナジー効果が得られない場合、また当初想定し得ない債務等が発生した場合はワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクに対処するために、社内で収益性やシナジー効果の分析を十分に検討し、社外の税務・財務・法務等の専門家と十分協議し、リスクの低減に努めます。 ⑧広告宣伝の効果について ワンキャリアグループは、既存事業の更なる拡大及び競合企業との差別化を図るために、広告宣伝活動を効率的に実施し、会員数及び法人顧客数の増加を図っております。 広告宣伝活動に関しては、ワンキャリアグループが想定する会員及び顧客の属性に可能な限りアプローチできるよう最適な施策を実施しておりますが、会員数及び法人顧客数の増加が、必ずしもワンキャリアグループの想定通りに進捗しない可能性があります。この場合、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨風評について ワンキャリアグループ及びワンキャリアグループが提供するサービスに対する否定的な書き込みがインターネット上等で発生し、その書き込みを要因としたSNS等での拡散やマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散された場合には、それが事実に基づくものであるかどうかに関わらず、ワンキャリアグループの社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ワンキャリアグループは、定期的にインターネット上の風評を調査し、これらの風評の早期発見及び影響の極小化に努めておりますが、外的要因・予測不可能な要因により発生するものも多く、本リスクの顕在化する可能性、程度及び時期を具体的に予測することは困難であります。 (3)ワンキャリアグループの事業体制について①人材の確保・育成について ワンキャリアグループの事業が継続的に成長していくためには、優秀な人材の確保、育成及び定着は経営上の重要な課題であります。ワンキャリアグループは、必要な人材を確保するため十分な採用予算を確保し、また入社社員に対する研修の実施を通じ、ワンキャリアグループの将来を担う優秀な人材の確保・育成に努め、社内研修やレクリエーション等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。 しかしながら、必要な人材の採用が想定通り進捗しない場合、採用し育成した役職員がワンキャリアグループの事業に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が退職した場合には、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②内部管理体制について ワンキャリアグループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応すべく、内部管理体制について一層の充実を図る方針であります。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅延が生じた場合、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③個人情報保護について ワンキャリアグループは、利用者の登録情報等の個人情報を取得し、利用しているため、個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。ワンキャリアグループは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報保護規程を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びにワンキャリアグループに適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。しかしながら、悪意のある第三者による外部からワンキャリアシステムへの不正アクセスや、内部における情報の不適切な取扱い等によって、ワンキャリアグループが保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。従って、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、ワンキャリアグループへの損害賠償請求、ワンキャリアグループの信用の低下等によって、ワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④サイトの健全性及び適切性について 「ワンキャリア」及び「ワンキャリア転職」では信頼性の低い情報の投稿や、人を傷つける投稿、採用とは関係のない内容を理由とした評価・感想の投稿によって、求職者に誤解を招く情報を与える危険性が存在しております。このため、禁止事項を利用規約に明記するとともに、利用規約に基づいた利用がされていることを確認するためにユーザーサポート体制を整備しております。投稿されたクチコミ情報に関しては全件審査を実施しており、明らかに不適切な投稿を発見した場合には、当該情報を公開中止した上で、利用規約に違反した利用者に対してはユーザーサポートから改善要請を行っているため、一定の健全性は維持されているものと認識しております。 しかしながら、急速な利用者の増加による規模拡大に対して、サービス内における不適切行為の有無等を完全に把握することは困難であり、サービス内においてトラブルが発生した場合には、規約の内容に関わらず、ワンキャリアグループが法的責任を問われる可能性があります。一方、ワンキャリアグループの法的責任が問われない場合においても、トラブルの発生自体がサイトのイメージ悪化を招き、ワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、ワンキャリアは、就職活動に役立つ記事を「ワンキャリア」上に掲載しております。記事制作にあたっては、マニュアルを整備し、当該マニュアルに沿って適切に運用することにより記事の正確性を担保しておりますが、万一事実と異なる記事が掲載されることや、誤解を招く表現が掲載された場合、社会的信用が毀損され、ワンキャリアグループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、ワンキャリアグループは、今後想定される業容拡大への対応も含めて、監視機能強化のためのユーザーサポートにかかる人員増強等、サービスの健全性や適切性の維持のために必要な対策を講じていく方針でありますが、これに伴うシステム対応や体制強化の遅延等が生じた場合や、対応のために想定以上に費用が増加した場合には、ワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤システム障害について ワンキャリアグループのサービスは、インターネットを介して提供されておりますが、大規模なプログラム不良や自然災害、事故の発生、不正アクセス、その他システム障害やネットワークの切断等が発生する可能性があります。ワンキャリアグループは、定期的なバックアップや稼働状況の監視、システム運用・更改手続きの整備により事前防止及び回避に努めておりますが、こうした対応にも関わらず、システム障害が発生し、サービス提供に障害が生じた場合、ワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥情報セキュリティについて ワンキャリアグループは、利用者の個人情報をはじめとする各種情報の管理・保管等に関して、規程の策定、業務従事者に対する教育、役職員からの誓約書の提出、業務委託先企業に対する管理監督、その他情報セキュリティの確保に関して可能な限りの取り組みを継続的に行っております。また、ワンキャリアは2020年3月にプライバシーマークの認証を、2025年3月にはISMSの認証を受けております。しかし、このような情報セキュリティ対策の実施にも関わらず、悪意のある第三者による外部からワンキャリアシステムへの不正アクセスや、内部における情報の不適切な取扱い等によって情報漏洩等が発生した場合、ワンキャリアグループの信用毀損につながり、ワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑦コンダクトリスクについて ワンキャリアグループあるいはワンキャリアグループ役職員が、法令違反ではないものの社会規範や商習慣に反する、またはユーザー視点の欠如した行為を行うことにより財務的・社会的影響を被るリスクがあります。ワンキャリアグループは、こうしたミスコンダクトを防ぐため、リーガルチェック体制の整備、各種研修を通じた従業員教育の徹底、内部通報制度の整備などに取り組んでおります。しかしながら、ミスコンダクトが生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。従って、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、ワンキャリアグループへの損害賠償請求、ワンキャリアグループの信用の低下等によって、ワンキャリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他のリスクについて①大株主について ワンキャリアの代表取締役社長である宮下尚之は、ワンキャリアの大株主であり、同氏の資産管理会社である株式会社MTMの所有株式数を含めると当連結会計年度末日現在で発行済株式総数の56.1%を所有しております。 同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。ワンキャリアといたしましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式の多くが減少した場合には、ワンキャリア株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。 ②株式価値の希薄化について ワンキャリアは、役職員に対するインセンティブを目的とした譲渡制限付株式制度及びストック・オプション制度を採用しております。また、今後においても譲渡制限付株式制度及びストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、譲渡制限付株式の付与又は現在付与している新株予約権等及び今後付与される新株予約権等についての行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。 また、ワンキャリアは、中長期的なワンキャリアの業績拡大及び企業価値の増大を目指すにあたり、ワンキャリアの役職員の意欲及び士気をより一層向上させ、ワンキャリアの結束力をさらに高めることを目的として、ワンキャリアの取締役及び従業員に対して、2026年2月24日開催の取締役会において、新株予約権(有償ストック・オプション)の発行を決議しております。これらの新株予約権の行使がなされた場合は、ワンキャリアの1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。しかしながら、本新株予約権は、あらかじめ定める業績目標の達成が行使条件とされており、その目標が達成されることは、ワンキャリアの企業価値・株主価値の向上に資するものと認識しております。 なお、当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は256,590株であり、発行済株式総数18,351,510株の1.4%に相当しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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