HEROZ(ヒーローズ)(4382)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


HEROZ(ヒーローズ)(4382)の株価チャート HEROZ(ヒーローズ)(4382)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

HEROZ(ヒーローズ)は「驚きを心に」をコンセプトとして、人々の生活が便利に楽しくなるように、AIを活用したサービスをBtoCおよびBtoB領域で展開しております。第17期(2025年4月期)は、各領域におけるオーガニックでの成長を目指した取り組みに加え、2024年5月に新規SaaS「HEROZ ASK」を正式リリースしました。また、グループ全体では、第15期(2023年4月期)にグループ会社化したバリオセキュア株式会社(以下、「バリオセキュア」という。)および株式会社ストラテジット(以下、「ストラテジット」という。)との連携強化・シナジー増大に取り組みました。さらに、第16期(2024年4月期)には、2023年11月に株式会社エーアイスクエア(以下、「エーアイスクエア」という。)を、2024年3月には株式会社ティファナ・ドットコム(以下、「ティファナ・ドットコム」という。)をグループ会社化しました。加えて、第17期(2025年4月期)には、2024年8月に新たにVOIQ株式会社(以下、「VOIQ」という。)をグループ会社化し、AI・SaaS関連領域での事業基盤をさらに強化しました。これらの取り組みにより、HEROZ(ヒーローズ)グループはAI技術を活用した新規事業の展開と成長を加速させています。

AI市場においては、OpenAI社による「ChatGPT」のリリースに端を発した、各産業におけるAIトランスフォーメーション(以下、「AIX」という。)に関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、HEROZ(ヒーローズ)グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、ととらえております。近年、LLMを含むAI技術が社会全体に浸透しつつある中で、AIを単なる業務ツールとして断片的に利用するのではなく、根本的な価値創造を目指す人とAIの共創が重要なテーマとなっています。さらに、AIが社員のように自律的にタスクや業務を遂行する「AIエージェント」に対する期待が高まっており、AIエージェントの実現とその拡充を通じて、新たな価値提供や業務プロセスの変革が求められる時代に突入しています。

また、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。

このように、国内外では、AIXを含むIT関連投資、特にAIエージェントに関する技術革新が急速に進展しています。HEROZ(ヒーローズ)は、今後のAIエージェントの技術革新の方向性を示すものとして「AI Agent2.0」を独自に定義しました。「AI Agent2.0」では、課題分解、ゴール設定、解決策探索・実行を完全自律的に遂行し、業務全体を再構築する「Meta Agent」の実現を目指しています。また、HEROZ(ヒーローズ)グループは、「HEROZ3.0」としてグループ戦略「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツール提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化する「Agentic Work」というかたちで価値を提供することを目指しています。これにより、社会全体への価値提供と事業成長をさらに加速していきます。

 

図:HEROZ(ヒーローズ)が考えるAI革命とは

 

 

図:HEROZ(ヒーローズ)が将棋界で起こしたAI革命

 

図:HEROZ3.0のグループ戦略「AI BPaaS」

図:AIエージェントにより進化する「AI BPaaS」

 

図:HEROZ(ヒーローズ)が考えるAI Agent2.0

 

具体的な事業内容としては、「AI/DX事業」「AI Security事業」の各セグメントにおいて、各企業・業界のAIX推進やグループシナジーの強化に努めています。また、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むSaaS・AIエージェント・セキュリティ関連分野での積極的な研究開発を通じ、グループ全体の事業拡大を目指しています。その取り組みの一環として、2024年5月には生成AIを活用したAIアシスタントSaaS「HEROZ ASK」を正式リリースし、ストラテジットではSaaS連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」を展開しました。これらの製品は、業種や用途ごとに特化したソリューションを提供し、ユーザ企業の業務効率化や顧客体験の向上に大きく貢献しています。これらのSaaSに加え、エーアイスクエアが提供する「QuickSummary2.0」や、ティファナ・ドットコムの「AIさくらさん」シリーズなど、各種AIエージェントがHEROZ(ヒーローズ)グループの事業成長を支えるドライビングフォースとなっています。それぞれの製品が、AI技術を活用した革新的なソリューションとして、グループ全体のシナジー拡大とAIX推進を牽引しています。さらに、2024年8月にはVOIQ株式会社を新たにグループ会社化し、インサイドセールス支援事業を通じてAIXを推進しています。これらの取り組みを通じ、HEROZ3.0として掲げる「AI BPaaS」を実現するため、今後も機能の拡充・強化や新製品の研究・開発に注力してまいります。

 

図: HEROZ(ヒーローズ)グループの事業セグメント

 

(1)AI/DX事業

AI/DX事業は、HEROZ(ヒーローズ)グループに蓄積されたAI・SaaS関連技術・ノウハウ・データ等を活用し、AI関連ソリューションの提供やSaaS導入支援・SaaS間連携開発等を提供することにより各企業・業界のAI/DX化推進を目指すセグメントとなります。当セグメントは、「BtoCサービス」と「BtoBサービス」に分類されます。

 

① BtoCサービス

BtoCサービスは、主にHEROZ(ヒーローズ)の将棋アプリ「将棋ウォーズ」を個人ユーザに提供するサービスとなります。

HEROZ(ヒーローズ)のAI技術は、将棋のような頭脳ゲームAIの開発過程で蓄積されました。具体的には、ビッグデータと呼ばれる、従来のデータ処理技術では処理することが困難であると考えられる膨大なデータ群から、機械学習等の技術に基づいて重要な示唆を導き出す技法になります。例えば、将棋AIの開発においては、過去のプロ棋士の棋譜を活用した機械学習の導入以降、評価関数と呼ばれる局面の優劣を判断する関数の精度が大幅に向上し、コンピューター将棋の棋力の向上が見られました。

 

図:将棋AI開発について

 

上図のとおり、機械学習導入以前の将棋AI開発においては、エンジニアによる手作業、つまり最善と考えられる指し手を規定するためのプログラムを一行ずつ記述することによって、AIを開発することが一般的でした。しかしながら、手作業によるプログラミングでは将棋AIの棋力向上には限界がありました。そこで、より精度が高い将棋AIを高効率に開発するために機械学習が導入されることになりました。機械学習を用いることにより、コンピューターが過去のプロ棋士の棋譜データを自ら反復学習し、パラメーター調整等を自動で行いながら、手作業では記述しきれない精緻なプログラムを構築することが可能となりました。その結果、HEROZ(ヒーローズ)エンジニアが開発した将棋AIが2013年に現役プロ棋士に勝利するなど、AIが日進月歩で進化していることが示されております。また、2015年10月には、情報処理学会から「コンピューター将棋プロジェクトの終了宣言」が出されております。

 

図:将棋AI分野での機械学習の適用とその進歩

 

現在は、このような手法に加えて、深層学習(ディープラーニング)(注1)や強化学習(注2)といった手法を実施しながら、日々AIの精度を向上させております。

HEROZ(ヒーローズ)ではこのAIを活用したアプリケーションを、主に、Google Inc.が運営するGoogle PlayやApple Inc.が提供するApp Store等世界標準のプラットフォーム(注3)を通じてBtoCサービスとして展開しており、主な収益はそれらの有料課金収入となります。またアプリケーションの運営効率化のためにもAIを活用しております。現在提供しているアプリケーションの特徴としては、HEROZ(ヒーローズ)の戦略的な重点分野であるAIの活用に加えて、リアルタイムオンライン対戦技術を活用したサービスとしていることが挙げられます。HEROZ(ヒーローズ)では、同時対戦型アプリケーションの豊富な開発経験をもとに、高品質なリアルタイムオンライン対戦をユーザに提供することが可能となっております。主力アプリケーションである将棋ウォーズは、会員数600万人以上を誇る世界最大のスマートフォン将棋ゲームアプリ(日本将棋連盟公認)で、現代特有のAIとグラフィックや音楽により、ユーザは新しい将棋の世界観の中で全世界のプレイヤーとオンライン同時対戦が可能です。本アプリにおいては、ユニークな課金を行っております。これは、ユーザがオンライン対戦しているときに、アプリ内で「棋神」と呼ばれる、HEROZ(ヒーローズ)エンジニアが開発したAIが、ユーザに代わって指し手を進めてくれる機能であり、5手160円でユーザに販売されております。また、終局後にはAIが算出する評価関数に基づいてプレイ中の分析結果を振り返ることもでき、棋力向上に役立てることができます。日本将棋連盟公認の免状・認定状(六段~5級)申請も可能となっており、将棋の全国大会の予選において使われることもあるほか、民放キー局のAIをテーマにしたテレビドラマで使用される等、各種メディアとの連携を強化しています。なお、将棋ウォーズは2025年4月期に通算対局数が10億局を突破するなど、利用拡大が続いているほか、将棋人口最大化の達成に寄与すべく、日本将棋連盟創立100周年を記念した「羽生九段アバター」の配布など各種キャンペーンにも力を入れております。

また、BtoCサービスにおいては、2022年5月より、HEROZ(ヒーローズ)の将棋AIを活用したプロ仕様の将棋AI研究をサポートするプラットフォーム「棋神アナリティクス」の提供を開始し、2022年12月には同サービスのライト版もリリースいたしました。「棋神アナリティクス」は、ブラウザで手軽に最新の将棋AI解析が出来るサービスであり、高額な初期投資をせずに、誰でも簡単に操作できるUI/UX環境を用意したところに特徴があります。そして、2024年春には、将棋の第82期名人戦七番勝負に関して、毎日新聞社が運営するユーチューブチャンネル「囲碁将棋チャンネル 毎日新聞」での将棋対局中継に、棋神アナリティクスが活用されました。歴史も深く、将棋界の最高峰ともいえる名人戦において、局面の評価値・解析において棋神アナリティクスが用いられ、ライブ配信を通じて「観る将」を含む多くの将棋ファンにお楽しみいただきました。現状、棋神アナリティクスは主にプロ棋士・アマチュア強豪を対象にサービス提供を拡大しておりますが、将来的に将棋人口の最大化に寄与できるよう、より多くの将棋ファンに利用されるサービスとなるべくサービス充実に努めてまいります。

そのほか、2023年10月には、将棋初段昇段を目指すeラーニングサービス「棋神ラーニング」をリリースいたしました。「棋神ラーニング」は、将棋初心者~級位者を対象にした、将棋アマ初段昇格を目指すe-ラーニングサービスであり、「将棋ウォーズ」ならではのカリキュラムを、メディアで活躍中の人気棋士の動画解説と共に楽しめる内容となっております。通常、将棋初心者が初段になるまでは数年かかると言われるところを、将棋初心者が1年で初段になれるサービスとして設計しており、楽しく、短期間で確実に強くなれるコンテンツを多数ご用意しております。

当連結会計年度は、「僕とロボコ」のコラボ企画や、棋神戦ヨーロッパ大会の実施、棋神のアップデート等を実施したほか、2025年2月には累計対局数が10億局を突破しました。この記念として、新サービス「スプリント」をリリースしました。本サービスは、10億局の棋譜データを活用し、中終盤の互角に近い形勢の局面を抽出することで、対局開始直後からクライマックスのような緊張感を楽しめる全力勝負モードを提供します。「スプリント」は、AIによる棋譜解析技術を活用し、スピーディかつ戦略的な新しい将棋体験を提案するものであり、将棋の新たな楽しみ方を広げる試みとして提供しております。スプリントリリースの効果等もあり、将棋ウォーズのMAU(Monthly Active User)や対局数は引き続き増加しており、今後も、新規サービスのリリース・機能アップデートなどを通じ、ユーザの皆様の満足度向上・将棋人口最大化を追求してまいります。

 

図:棋神アナリティクスによる棋譜解析画面(実際の名人戦の配信画面とは異なります)

図:棋神ラーニング

 

図:新対局モード「スプリント」

 

 

 (注)1.深層学習(ディープラーニング)とは、入力に対して出力を決める処理の層を深く(ディープ

に)したニューラルネットワーク(人間の脳機能を模すことで効率の良い学習を施すことができ

る数学モデル)を用いることで、教師データが持つ特徴を手作業ではなくコンピュータープログ

ラムが抽出し、精度向上を目指す機械学習の一手法のことを指します。

 (注)2.強化学習とは、明確な教師データが与えられない環境において、コンピュータープログラムが試

行錯誤によってその価値を最大化するように振る舞う、機械学習の一手法を指します。

 (注)3.プラットフォームとは、ソフトウエアやハードウエアを動作させるために必要な、基盤となるハ

ードウエアやOS、ミドルウエア等のことをいいます。また、それらの組み合わせや設定、環境のことで、Google Inc.が運営するGoogle Play及びApple Inc.が提供するApp Store等が含まれます。

 

② BtoBサービス

BtoBサービスは、HEROZがBtoB向けに提供するAIソリューション関連サービスのほかに、グループ会社である「ストラテジット」「エーアイスクエア」「ティファナ・ドットコム」「VOIQ」が展開する各種ビジネスが分類されます。各産業においてAIX・AI革命を巻き起こすべく、個別のソリューション提供とAI SaaSの両軸からビジネスを展開し、成長に向けた取り組みを行っております。

 

(ⅰ)HEROZ

HEROZ(ヒーローズ)は、BtoBサービスとして各産業へ様々なAIソリューションを展開しているほか、2024年5月には生成AIを活用したアシスタントSaaS「HEROZ ASK」も正式リリースし、今後ストック型ビジネスとしての事業成長も目指していきたいと考えております。

HEROZ(ヒーローズ)が提供するBtoB向けのAI関連ソリューションビジネスにおいては、金融、建設、エンターテインメント等の各業界にHEROZ(ヒーローズ)のAI技術を活用してBtoB向けAIを提供しておりますが、精度の高いAIサービスを提供するためには、各業界に蓄積されたデータを継続的に機械学習する必要があります。そのため、HEROZ(ヒーローズ)では積極的にパートナーシップ戦略を実行しております。すなわち、各産業を代表する事業会社と資本を含む提携を実施することで、長期的な視点に立ち、継続的にデータを活用した学習を行うことが可能となっております。

HEROZ(ヒーローズ)では、下記表に掲げた「金融」「建設」「エンターテインメント」を重点領域として設定し、AIシステムの初期設定構築から運用・継続フェーズにおいてAIサービスを提供しております。

 

領域

提供しているAIの内容

金融

株価等の市場予測を行うAIや、ユーザの投資行動を分析し投資パフォーマンス向上に資するフィードバックを行うAI等

建設

物件の構造や類似物件の設計情報等を活用して最適な構造設計を行うAI等

エンターテインメント

機械学習により頭脳ゲームにおいてユーザの対戦相手となるAI、ユーザの行動分析を行いその精度やユーザの継続率を向上させるAI等

 

収益構造については、AIシステムの構築時に、顧客から初期設定フィーを受領し、その後、AIシステムを運用して継続利用する顧客から月次で継続フィーを受領する収益構造を基本としております。すなわち、HEROZ(ヒーローズ)のビジネスモデルはフロー収入となる初期設定フィーに加えて継続フィーを受領しているストック型ビジネスとなります。また、AIの性質上、機械学習を継続するほどその精度が向上することから、顧客にとってはHEROZ(ヒーローズ)のAIサービスを継続使用するインセンティブが働くため、HEROZ(ヒーローズ)は安定した収益基盤を確保することが可能となります。

 

図:HEROZ(ヒーローズ)のAIソリューションの仕組み

 

図:AI SaaSの収益性

 

また、OpenAI社によるChatGPTのリリースを受けた大規模言語モデルに関する機運の高まりを受け、HEROZ(ヒーローズ)のBtoBサービスにおいても、ChatGPTを含む生成AIに関する取り組みを強化しております。その一環として、先述したとおり、2024年5月に生成AIを活用したAIアシスタントサービス「HEROZ ASK」を正式リリースいたしました。

HEROZ ASKは、ChatGPTを活用したエンタープライズ向けAI アシスタントSaaSであり、リリース後も機能追加・拡充を継続しており、2025年1月には新機能「議事録AI」を、4月にはAPI連携機能をリリースしました。5月には累計契約顧客数が250社を突破し、なおも売上・顧客数ともに増加しており、「AI BPaaS」の基幹となるSaaSとしてAIXを推進するドライビングフォースとして、今後も機能アップデート・事業拡大に取り組んでまいります。

 

    図:HEROZ ASKの特長

 

(ⅱ)ストラテジット

ストラテジットは、「戦略(Strategy)」と「IT」を統合し経営改善に貢献するというVisionと、SaaSのチ

カラを全ての企業にというMissionを掲げ、SaaSの活用・価値向上を進めるうえで課題となる穴を埋める存在と

して、SaaS事業者向けシステムの開発や、SaaS連携アプリストアの運営、および、SaaS導入コンサルティング

事業を展開しております。また、2024年5月には、より簡単でシームレスなSaaS間連携の実現と、ストック型ビジネスへの転換を目指し、SaaSベンダー向け連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」を正式リリースいたしました。

 ストラテジットが提供するSaaS導入支援サービスでは、Oracle社が提供するクラウドERP「NetSuite」等の導入に関して、様々な企業に支援を行っております。ERPとは、「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略で、統合基幹業務システム、基幹システムと言われております。ERPは、企業の「会計業務」「人事業務」「生産業務」「物流業務」「販売業務」などの基幹となる業務を統合し、効率化、情報の一元化を図るためのシステムであり、企業全体の業務を効率化し、迅速に適切な経営判断をくだすために重要な基幹となるシステムです。従前はオンプレミス型ERPの導入が主流でしたが、近年ではクラウド環境で使用できる「クラウドERP」の普及が進んでおり、オンプレミス型よりも短期間かつ低コストで導入でき、メンテナンスが不要であるなどメリットが多く、大企業のみならず中小企業の需要も急速に拡大しております。

 

図:SaaS市場の外観とHEROZ(ヒーローズ)グループが考える大きなトレンド

 

また、同様にストラテジットが提供するAPI連携開発サービスに関しては、近年大企業のみならず中小企業においても、急速に、会計・人事だけでなく様々なSaaSプロダクトを活用する状況となっております。一方で、企業においては会計・人事等の各SaaSプロダクトを単独で利用する場合は、各SaaSでのデータ管理が必要となり、重複したデータ登録等が発生し、業務効率の向上が困難となる事象が発生しており、SaaS間のデータ連携が重要になってきております。ストラテジットにおいては、これらのSaaS間のデータ連携において、API(Application Programming Interface)を活用したAPI連携開発サービスを提供しております。APIを活用することで、互いのSaaSのデータ連携を行うことが可能となり、各SaaSプロダクトが保有する機能を拡張させ、双方のSaaSプロダクトを更に便利に利用することが可能となります。

特にストラテジットにおいては、SaaS連携開発に必要なノウハウを結集した開発プラットフォームに関する特許を保有しており、一般的な受託開発に比べ、高品質なシステム連携を低コストで提供し、安定的に運用することが可能となっております。

そして、2024年5月には、SaaSベンダー向けの連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」(以下、「JOINT」という。)を正式リリースいたしました。複数のSaaSを利用している場合、各種SaaSが連携されていないことによる手作業の発生や業務効率・利用満足度の低下等が起こりやすく、かつ連携を実現するに際しても主に技術的な面でハードルを抱えがちですが、JOINTは、国内外50以上の主要なSaaSとの連携を実装してきた実績を活かし、各種SaaSの連携開発・管理・運用までを、効率的に、簡単に対応できるプラットフォームとなっております。JOINTの活用により、「①連携アプリの構築」「②アプリストアの構築」「③アプリ提供後の管理の標準化」等を簡単に実現可能となっているほか、ChatGPTなどのLLM外部連携についても、本来数カ月かかる連携アプリ開発を最短1週間で実装できるなど、実装期間の大幅な削減が可能となっております。

2025年4月には、HEROZ(ヒーローズ)のデータ連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS/for Biz」にHEROZ株式会社が提供する生成AIプラットフォーム「HEROZ ASK」を組み込んだ新機能を本格展開します。この新機能により、AIが最適なデータ連携ワークフローを提案・自動構築し、業務プロセスの効率化と自動化を実現しました。今後はさらに、ローコード補助機能を通じて開発者の負担軽減を図り、幅広い業種で生産性向上を支援してまいります。

SaaS市場は今後も拡大を続けると見込まれており、生成AI等も急激に広まっていく中で、各種SaaS間のシー

ムレスな連携は今後も重要なニーズ・トレンドとなるものと想定しております。今後、JOINTの拡販・機能拡充・新製品の開発等を通じて、ストック型ビジネスとしての更なる事業成長・ARR拡大を目指してまいり

ます。

 

 

図:JOINT iPaaS for SaaS

 

 

(ⅲ)エーアイスクエア

 エーアイスクエアは、「最先端の自然言語処理AIによる業務の高度化の実現」を掲げ、機械学習やディープラーニングを自然言語処理へ応用し、コンタクトセンター領域において、自動応答システムや自動要約・分類システムをはじめとする業務自動化ソリューションを展開しております。同社が展開するコンタクトセンター向けの生成AIを活用したソリューションとして、各種AIツールの提供を行っております。

 また、コンタクトセンター領域における周辺サービスとして、高度なAI開発力やサービス実装のノウハウを活かし、AIモデルの作成や、業務の高度化に向けたコンサルティング等のサービスも展開しております。

コンタクトセンター領域、その中でも特にコールセンター領域においては、今後も市場規模は引き続き成長す

ることが想定されている一方で、継続的な採用の難しさと高い離職率により慢性的な人手不足が大きな課題と

なっています。

 

 

図:コンタクトセンターが抱える課題

 

 昨今、ChatGPTをはじめとする生成AIの進化は著しいものがありますが、コールセンター白書の調査におい

ても、現時点においてはコールセンターでの生成AIの活用は依然として非常に低い状況となっております。

 

図:生成AIのコールセンターでの活用について

 

 コールセンター領域においてはより一層の生成AI活用が進むものと考えられることから、今後、HEROZ(ヒーローズ)とエ

ーアイスクエアにおいては、コールセンター領域へ継続的なソリューションを提供してきたエーアイスクエアの知見を活かしながら、HEROZ(ヒーローズ)の「HEROZ ASK」を組み合わせた、コールセンター領域における統合的な生成AI活用に向けたサービスの提供を進めていく予定です。

 

 

図:HEROZ(ヒーローズ)とエーアイスクエアによる統合的な生成AI活用のサービス提供図

 

(ⅳ)ティファナ・ドットコム

 ティファナ・ドットコムは、「WebとAIの力で、世の中を笑顔にしたい」という思いのもと、主に、法人

向けAIを用いてDXソリューションの開発・販売事業を行うAI事業を展開しております。

 具体的には、現在多数の駅・商業施設や官公庁等で導入され、案内・接客対応で活躍中のDXソリューショ

ン「AIさくらさん」シリーズを提供しております。AIさくらさんは、駅や空港などにおいてアバターを通じ

た接客や受付として活躍しているほか、社内ヘルプデスクや窓口等でのお客様対応、企業の業務改善、メン

タルヘルスのモニタリング等、企業のニーズに合った様々なシリーズを展開し、各社に適したサービスを通

じて顧客の業務自動化を実現しております。

 

図:AIさくらさん

 

図:AIさくらさんシリーズ(一部)

  

 

図:AIさくらさんの導入実績(国土交通省運輸支局)

 

 LLMを含む先端AI技術が更に社会に浸透・実装されることが推進される一方で、現在の日本のビジネスの現

場では、情報の精度の低さや情報統制の観点からLLMを信頼しきれないという声や、LLMの活用方法のイメー

ジが湧きづらく、難しく取り組みにくい・検索ツールとしての使い方しかできていないという声が上がって

おります。このような状況を踏まえ、LLMのポテンシャルをビジネスの現場でフルに活用していくには、LLM

の情報の精度やセキュリティ面を整備する事はもちろん、業務における活用イメージの解像度を上げる分か

りやすさや、日本の企業に特化した使用感の改善が急務であると考えられます。

 このような環境の中で、ティファナ・ドットコムは、AIさくらさんシリーズの展開を通じて、生成AIを誰

にでもわかりやすく、親しみやすいかたちで社会実装し、人とAIが当たり前のように共存・共創する社会の

実現を目指しております。報告書提出現在も駅や商業施設・空港での接客や、民間企業・教育委員会でのメ
 ンタルケア等、領域・分野を問わずAIさくらさんが活躍しており、今後も様々なAIさくらさんシリーズの
 開発・展開を通じて事業拡大に努めるとともに、グループ内の各種SaaSとのシナジー創出・増大にも取り組
 み、AIの社会実装・AIXを推進してまいります。

 

(ⅴ)VOIQ

 VOIQは、「AIを活用した営業支援ソリューションの提供」を掲げ、アウトバウンドコールを中心としたインサイドセールス支援事業を展開しております。同社は、AIを活用した営業効率化や商談創出の支援を通じて、企業の営業活動における課題解決を目指しております。

 具体的には、AIを活用したアウトバウンドコール業務を中心に、ターゲットリストの最適化や営業トークスクリプトの作成、商談後のフィードバックおよび改善提案を提供しています。また、生成AI技術を活用したセールス支援ツールの導入により、人手に依存しない効率的な営業モデルを構築し、クライアント企業の営業成果の最大化を支援しております。

 同社が提供するサービスは、インサイドセールス業務を担う企業にとって不可欠な「安定的な商談創出力」を実現するものであり、これによりクライアント企業は営業活動のボトルネックを特定し、改善を図ることが可能となります。特に、生成AIを活用したリスト最適化や音声解析を通じたトーク改善など、最新技術を取り入れた支援内容が特徴です。

VOIQは、HEROZ(ヒーローズ)グループのAI BPaaS事業(Business Process as a Service)の一環として、bizy株式会社よりセールス支援事業を事業譲渡により譲受し、当該事業のさらなる拡大を目指しております。本事業譲渡により、bizy株式会社が提供してきたアウトバウンド営業支援のノウハウやリソースを継承し、これをAI技術により進化させることで、利益率の向上や事業規模の拡大を図っております。営業活動の効率化と成果創出に向けた統合的なソリューションを提供し、HEROZ(ヒーローズ)グループのインサイドセールス力向上に寄与しております。

 

図:生成AIを活用したインサイドセールス支援

 

 

[事業系統図]

AI/DX事業の事業系統図は、以下のとおりです。

 

 

(2)AI Security事業

AI Security事業は、バリオセキュアが提供するインターネットセキュリティ関連の事業となります。同社は、"Your NET Guardian, alongside your invaluable Future."(企業のネットセキュリティに伴走し、安心・安全なビジネスを支えます)をミッションとし、セキュリティ対策の「24/365 WORK」を請け負う Security BPaaS「Vario Ultimate ZERO」を提供しています。

"Justice for your NET"(企業のネットインフラに正義の味方を常駐派遣する)をバリューとし、自社開発の国産製品をベースとしたネットワークセキュリティ導入・運用管理サービスを提供しております。

 

(1)事業の特徴

 a.独自のビジネスモデル

 バリオセキュアは、セキュリティサービスで利用する機器の調達、機器にインストールする基幹ソフトウエ

アの開発、機器の設置/設定、機器設置後の監視/運用までをワンストップで行っております。

 エンドユーザは、機器の選定や運用サービスを個別に検討する必要がなく、手間がかからずにサービスを

利用することが可能となります。また、バリオセキュアがワンストップでサービスを提供しているため、問題

が発生した際に原因の究明と対応が行い易く、エンドユーザは、問い合わせやトラブルに対するサポートを迅

速に受けることができます。

 

 b.リカーリングレベニューの構造

 バリオセキュアは、監視/運用サービスを基本に各種セキュリティサービスを月額費用により提供しており

ます。導入企業が増加すれば、年々収益が積み上がる「リカーリングビジネス」と呼ばれるモデルであり、収

益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しております。2025年2月末で、全国47都道府県に7,670拠点(VSR設

置場所数)のマネージドセキュリティサービスを提供しており、継続的な収益の安定化を実現しております。

第10期事業年度の「リカーリングビジネス」であるマネージドセキュリティサービスによる売上収益の売上収

益全体に占める比率は87.9%です。

 

[リカーリングレベニューモデル]

 

 c.ビジネスパートナー(販売代理店)モデル

 バリオセキュアの販売モデルは、販売代理店を介した間接販売及びバリオセキュアによる直接販売に分類で

きますが、間接販売が中心となっております。通信事業者やインターネットサービス事業者、データセンター

事業者など、バリオセキュアのサービスを付帯することでお客様へ付加価値を提供することを期待する販売代

理店と契約しております。これら販売代理店と日本全国をカバーする販売網を構築し、継続的な営業案件の創

出が可能となっております。

 販売代理店は、「相手先ブランド提供パートナー(以下、「OEMパートナー」という。)」及び「再販売

パートナー」に大別されます。「OEMパートナー」とは、販売代理店自らのブランドでセキュリティサービ

スを提供し、顧客(エンドユーザ)と直接、契約を締結するパートナーを指します。「再販売パートナー」

とは、バリオセキュアの代理店として顧客(エンドユーザ)の開拓、営業活動を行い、顧客(エンドユーザ)

との契約主体はバリオセキュアとなるパートナーを指します。

 バリオセキュアでは、さらに営業活動を推進するためにセキュリティの専門家であるバリオセキュアが、販

売代理店の代わりにお客様に対して直接技術面の説明をする営業同行や、サービスの導入から設置までワンス

トップで支援することも実施しております。

 

(2)サービスの概要

 バリオセキュアは、インターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであることから、セグメント別の記載は省略しており、サービス毎に記載しております。バリオセキュアが提供しているサービスは次のとおりであります。

 

a.マネージドセキュリティサービス

 マネージドセキュリティサービスで提供している商品は、VSRを利用した統合型インターネットセキュリテ

ィサービス、データのバックアップサービス(VDaP)、エンドポイントセキュリティサービス(Vario EDR)

及びVarioマネージドLAN/Wi-Fiサービスなどがあります。

 

(i)VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービス

 インターネットからの攻撃や内部ネットワークへの侵入行為、またウイルスの感染やデータの盗用とい

った各種の脅威から企業のネットワークを守り、安全にインターネットの利用を行えるようにする総合的

なネットワークセキュリティを提供するものです。

 バリオセキュアの統合型インターネットセキュリティサービスでは、ファイアウォール、IDS(不正侵入

検知システム)、ADS(自動防御システム)などの多様なセキュリティ機能を1台に統合した自社開発のネ

ットワークセキュリティ機器VSRをインターネットとユーザの社内ネットワークとの間に設置し、攻撃や侵

入行為、ウイルスといった脅威を取り除くいわばフィルタとして作動します。VSRは、バリオセキュアデー

タセンターで稼働する独自の運用監視システムにより自動的に管理・監視され、運用情報の統計情報や各

種アラートが人手を介することなくリアルタイムに処理されます。統計情報やアラートはコントロールパ

ネルと呼ぶレポーティング機能により、インターネットを介してユーザ企業の管理者にリアルタイムに提

供されます。また、バリオセキュアでは24時間365日のサポートセンターを構築しており、国内全都道府県

に対応した保守網並びに機器の設定変更等の運用支援体制を構築しております。

 従来は、前述のようなセキュリティシステムを導入するには、各種のセキュリティ機器を購入し、これ

らを自社で導入、メンテナンスする必要がありました。そのためには高度な技術を有する技術者や、高額

な投資を要求されることから多くの企業では十分なネットワークセキュリティ対策を導入することが困難

な状況でした。また、セキュリティシステム導入後も監視やアラートへの迅速な対応、ソフトウエアのア

ップデートなどの運用面での負担は非常に大きい状況でした。

 バリオセキュアのサービスではVSRが1台で多様なセキュリティ機能を提供します。機器の購入は不要で

レンタル機器にてセキュリティシステムを導入することができます。また、セキュリティ機能ごとに月額

費用が設定されており、ユーザ企業は多様なセキュリティ機能の中から必要なオプションを選択すること

ができ、VSRは様々なニーズに対応可能です。ユーザは、契約の開始時点のみ発生する初期費用及び月額費

用を払うだけで、コントロールパネルの利用や設定変更、ソフトウエアのアップデート、監視や出張対応

による現地での保守など、ネットワークセキュリティの運用に際して必要となる殆どの工数をバリオセキ

ュアに委託することができ、業務負担を低減することができます。

 このように、バリオセキュアの統合型インターネットセキュリティサービスは、ネットワークセキュリ

ティの導入から管理、運用・保守までをサービスとしてワンストップで提供し、ユーザから初期費用及び

定額の月額費用を徴収する積み上げ型のビジネスモデルとなっております。

 ユーザは、自社で専門技術を持つIT責任者を設置することが困難な中堅、中小企業がメインです。

2025年2月末で7,670拠点(VSR設置場所数)の日本全国で稼働しております。

 

 

 バリオセキュアのVSRは自社開発品です。自社の技術者やシステムインテグレーター(SIer)(*1)を

通じてセキュリティ機器を導入・運用する企業は、海外の仕様書を見ながら初期設定やカスタマイズを施

し、自社で定期的なソフトウエアのアップデートを行い、トラブル発生の際には海外メーカーに数日間か

けて問い合わせるなど、一般的には多大な労力と時間を必要とします。バリオセキュアは自社開発品を初

期導入から運用・保守までワンストップで提供しているため、迅速な対応が可能となっております。不具

合やトラブルは、顧客(エンドユーザ)からバリオセキュア又は販売代理店への問い合わせのほか、バリ

オセキュアがリモート監視により能動的に検知してサポートを行っております。運用・保守は、バリオセ

キュアのエンジニアが可能な限り、遠隔操作により対処します。ハードウエア等の故障については、業務

委託先の倉庫等全国に在庫を配備し、4時間以内の駆け付け目標により機器交換に迅速に対応しておりま

す。

(*1)システムインテグレーター(SIer)とは、情報システムの設計、構築、運用等の業務を顧客より

請け負う情報通信企業を言います。

 

(ii)データのバックアップサービス(VDaP)

 一般的に企業の大切なデジタルデータが、インターネットの脅威から隔離され、障害が発生した場合で

もそれまでの事業の継続性を担保することが、企業の大きな課題となっております。

 バリオセキュアのバックアップサービスは、ハードウエアの機器にバックアップデータが保存される

VDaPとデータセンターへの保存を組み合わせたバックアップサービスとなっております。一時的に企業の

デジタルデータをVDaPにバックアップした後に、自動的にデータセンターへもデータを転送することで、

より一層の耐障害性を高めております。バックアップデータの保持は、最新及び過去のデータがバージョ

ン管理されたデータとして保持されております。データの復旧を行う際にも、お客様が利用しやすいイン

ターフェースを提供することで、必要なデジタルデータを簡単に選択して、復旧することができます。

 VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスの監視/運用サービスにおける経験を活か

し、機器の設置、障害時の対応に関しても、その仕組みを活かすことで効率的に全国をカバーしたサービ

ス提供を実施しております。

 

(iii)エンドポイントセキュリティサービス(Vario EDR)

 サイバー攻撃が巧妙になり、従来のウイルス対策ソフトでは検知できないウイルスやマルウェアによる

企業のセキュリティ被害の拡大が懸念されます。

 バリオセキュアのマネージド型EDRサービス「Vario EDR」では、社内やテレワーク利用PCのセキュリテ

ィリスクを検知し安全な業務環境を実現します。EDR(Endpoint Detection & Response)は、ウイルス対策

ソフトが検知できずに侵入したウイルスやマルウェアの行動を監視し、サイバー攻撃の実行を阻止する仕

組みです。サイバー攻撃対策に有効なEDRですが、リスク判定や判断後の対応が難しいことから運用負担が

大きくなる傾向にありますがVario EDRサービスでは、リスクレベルのスコア化と、サイバー攻撃の発見と

対応を支援する仕組みにより、セキュリティ対策を少ない運用負担で実現します。

 

(iv)VarioマネージドLAN/Wi-Fiサービス

 企業のDX化に伴い情報システム担当者への業務負担は増加傾向にあります。

 バリオセキュアのVarioマネージドLAN/Wi-Fiサービスでは、オフィスLAN/Wi-Fi環境の管理負担やセキュ

リティ強化をマネージドサービスとして機器の管理や脆弱性対応を行うことで、オフィス内のネットワー

ク環境の安全性を維持します。オフィスのネットワークは、構成するネットワークスイッチやWi-Fiアクセ

スポイントの安定稼働が前提に成り立っています。現在のネットワーク環境をより安定的に運用するため

に必要不可欠な脆弱性対応をはじめとするセキュリティリスクの軽減や、不測の事態に備えた迅速な障害

特定に対応する仕組みをマネージドサービスとして提供することで、安心のビジネスインフラを最小限の

管理負担で実現します。

 

b.インテグレーションサービス

 バリオセキュアのインテグレーションサービスには、中小企業向け統合セキュリティ機器(UTM)である

VCR(Vario Communicate Router)の販売とネットワーク機器の調達や構築を行うネットワークインテグレー

ションサービス(以下、IS)があります。

 

(i)VCR

 サイバーセキュリティ基本法の改定といった法規制の影響もあり、より小規模(従業員数50名未満)の

事業者やクリニックなどでセキュリティ意識が高まっていることを受け、セキュリティアプライアンス機

器であるVCRの販売も行っております。VCRは、マネージドセキュリティサービスと異なり、UTM製造の世界

有数の企業であるSOPHOS Ltd.の製品を自社ブランドとして輸入し、中小企業を専門とする販売代理店を通

じてエンドユーザに販売する事業として実施しております。なお、販売した機器、ハードウエア障害など

については、バリオセキュア又は販売代理店のサポート窓口経由で、メーカーが保証期間に亘りサポート

しております。

 

(ii)ネットワークインテグレーションサービス(IS)

 統合型インターネットセキュリティサービスでは、外部へのアクセスを可能にするインターネットと社

内のネットワークの境界を監視するゲートウェイとしてバリオセキュア機器を設置することから、企業よ

りゲートウェイ周辺で利用するネットワーク機器の調達や設定、インターネットへの接続全般の設計や構

築のニーズがあります。そのため、通信ネットワーク及び機器等の導入のための設計、調達、構築を専門

に行う人員を配置し、ネットワークの設計/調達/構築全般を実施し、企業ネットワーク領域全般への業容

拡大を図っております。なお、販売した機器、ハードウエア障害などについては、バリオセキュア又は販

売代理店のサポート窓口経由で、メーカーが保証期間に亘りサポートしております。

 

[事業系統図]

 AI Security事業(バリオセキュア)の事業系統図は以下のとおりです。

 

注:販売代理店との間の契約では、一部、顧客(エンドユーザ)とバリオセキュアが直接代金の授受及びサポートを行う契約があります。また、Vario EDRについては定額の月額利用料のみ発生いたします。


有価証券報告書(2024年4月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 HEROZ(ヒーローズ)グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目と認識しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、HEROZ(ヒーローズ)グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 「世界を驚かすサービスを創出する」という理念のもと、将棋等の頭脳ゲームAIを開発する過程で培った技術力を活用し、またグループ会社で蓄積されたSaaS関連技術・セキュリティ関連技術等もフルに活かして、AI革命を起こし、未来を創っていく集団であり続けることをHEROZ(ヒーローズ)グループの基本方針としております。

 

(2)経営環境・経営戦略

 当連結会計年度における我が国の経済状況は、所得・雇用環境が改善される中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されているものの、世界的な金融引締めや急激な為替変動、中東地域をめぐる情勢及び物価の上昇などによる景気の下振れリスクが懸念されています。

 その一方で、情報サービス業界においては、従来なかったスピード感での技術革新や、少子高齢化・生産年齢人口の減少等を受け、デジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する投資が引き続き拡大を続けています。特に、AI市場においては、OpenAI社による「ChatGPT-3.5」「ChatGPT-4.0」のリリースに端を発した、各産業におけるAIトランスフォーメーション(以下、「AIX」という。)に関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、HEROZ(ヒーローズ)グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、ととらえております。

 また、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、近年ではランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。2023年3月には「Emotet」の活動再開が確認され、国民の誰もがサイバー攻撃の懸念に直面しております。

 このような環境の中で、HEROZ(ヒーローズ)グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツール提供会社にとどまらず、生成AI等を駆使し大幅に自動化されたWorkというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。

 また、当連結会計年度は、2023年11月に、コンタクトセンター領域において各種ソリューションを提供している株式会社エーアイスクエア、2024年3月にAI事業を行っている株式会社ティファナ・ドットコムの株式を取得し、子会社化を行いました。HEROZグループでは、グループ各社が持つ強みとHEROZ(ヒーローズ)が持つAI技術力でシナジーを創出・拡大し、社会やビジネスにおけるAIXをさらに推進させるべく、今後も「オーガニックな成長」「企業価値向上のためのM&A」の両方に積極的に取り組んでまいります。

 

 セグメント別の事業戦略は、以下となります。

・AI/DX事業

 HEROZ(ヒーローズ)グループに蓄積されたAI技術・ノウハウ・データを活用し、個別のAIソリューション開発とAI SaaSの両軸から、企業のAIXを支援する事業となります。具体的には、HEROZ株式会社の提供するBtoCサービス、BtoBサービスに加えて、株式会社ストラテジット、株式会社エーアイスクエア及び株式会社ティファナ・ドットコムが運営する事業が含まれています。

 

・AI Security事業

 マネージドセキュリティサービス・インテグレーションサービスを中心に、AI技術を利用して高度なインターネットセキュリティの実現を目指す事業が対象となります。具体的には、バリオセキュア株式会社が提供するAI Security事業になります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 HEROZ(ヒーローズ)グループでは、継続的な事業拡大のため、以下の課題について対応が必要であると考えております。

① AI・SaaS関連の新技術への対応

 HEROZ(ヒーローズ)グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツール提供会社にとどまらず、生成AI等を駆使し大幅に自動化されたWorkというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しておりますが、その根幹となるAI関連・SaaS関連の技術は、将来的な利用可能性の高さやニーズの多様化等から、国内外で研究開発が活発に行われております。このような事業環境の下でHEROZ(ヒーローズ)グループが事業を継続的に拡大していくには、様々な新技術にスピード感をもって対応していくことが必要であると認識しております。特に、先述のとおり、OpenAIによる大規模言語モデル「ChatGPT」をはじめとして生成AIに関する技術革新・技術競争は激しさを増しており、各企業が同モデルを含むAIXに関する投資を拡大するなど、新技術への対応は急激なスピードで重要性を増しております。

  HEROZ(ヒーローズ)では、現在所属している一般社団法人「人工知能学会」の賛助会員や一般社団法人「日本ディープラーニング協会」の正会員として最先端の情報収集に努めており、また2024年3月には一般社団法人「Generative AI Japan」にも参画し、最先端の生成AI関連の情報収集を行いながら技術力向上に取り組んでおります。

  また、2024年5月にHEROZ(ヒーローズ)で生成AIを用いたAIアシスタントSaaS「HEROZ ASK」を、グループ会社の株式会社ストラテジットでSaaS連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」を正式リリースしており、同サービスの事業拡大・各種連携を進めることで社会全体のAI実装・AIXをさらに加速していきたいと考えております。それに加えて、今後、各種SaaSサービスのアップデート・機能拡充のみならず、大規模言語モデルを含むAI・SaaS・セキュリティ分野における積極的な研究開発も引き続き進めてまいります。

 

② セキュリティサービス関連の新技術への対応

  HEROZ(ヒーローズ)のグループ会社であるバリオセキュア株式会社はインターネットセキュリティ関連事業を営んでおりますが、インターネットセキュリティ関連分野においては、クラウドサービスの利用拡大やワークスタイルの変化、そして、巧妙化するサイバー攻撃により、セキュリティの脅威は社外、社内という境界を越えて存在するようになりました。

  このような環境の下、同社では、外部からのリスクを防御するマネージドセキュリティサービスに加え、セキュリティリスクを検知し、脅威を除去する端末側のセキュリティサービスやデータの保護・復旧を行うバックアップサービスなど、事業領域を拡大してまいりました。中期経営計画では、セキュリティサービスを包括的に提供する統合セキュリティベンダーとして、各種サービスの提供を行っていく予定です。今後も新たなセキュリティ課題に対する需要が拡大する中、市場の変化に対応したサービスを提供してまいります。

 

③ 人材の確保

 HEROZ(ヒーローズ)グループは、AI市場をはじめとする情報サービス業界全体の拡大、新規参入企業の増加、顧客・ユーザのニーズの多様化、急激な技術革新等に迅速に対応していくため、最先端の技術を有する人材の確保、育成が必要と考えております。しかし、優秀な技能を持つ人材獲得は、他社とも競合し、安定した人材確保が容易ではない状況が今後も継続すると考えております。

 HEROZ(ヒーローズ)グループとしましては、技術力の高さを通じて市場でのプレゼンスを高めることや、広報活動・マーケティング活動の強化、及び優秀な人材が興味や関心を持つ分野での各種取り組みを強化すること等により、会社の魅力を訴求していくことが重要であると考えております。また、社内研修の強化等を図っていくことで人材の育成につなげるほか、人事制度の整備・運用やエンゲージメントサーベイなどを実施し、従業員の定着率向上に努めてまいりたいと考えております。

 

④ 情報管理体制の強化

 HEROZ(ヒーローズ)グループでは、現在、様々な業界に対してAI SaaS関連サービスの提供を行っております。このようなAI・SaaS関連のソリューション提供のためには、それぞれの業界において蓄積されたデータが必要になるため、データを有する企業とのパートナーシップ戦略を採用しております。その結果、顧客の機密情報を扱うこととなっているため、情報管理規程等に基づいた管理を徹底しており、今後も社内教育を継続して行ってまいります。

 

⑤ SDGsに関する課題への対応

 HEROZ(ヒーローズ)グループは、グループ内に蓄積されたAI・SaaS関連技術、データ等を活用して様々な社会課題を解決し、持続可能な社会を実現するべく、以下の重点方針に従い、SDGs(Sustainable Development Goals)に関する取り組みを進めてまいります。

<重点方針>

・AIXの推進

HEROZ(ヒーローズ)グループは、新たにHEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げております。今後、単なるAIツール提供会社にとどまらず、生成AI等をフル活用し大幅に自動化されたWorkというかたちでの価値提供を通じて、国内における労働人口不足問題の解決に取り組むとともに、人とAIが当たり前に協走・協創する社会の実現を目指し、各産業のAIXを推進してまいります。

 

 

・AIを通じた地域社会や地球環境への貢献

温度や湿度等を快適にする建物制御システムにHEROZ(ヒーローズ)のAIを搭載する等、省エネルギー化につながるAIを提供し、環境負荷を軽減する取り組みに参加いたします。

 

・働きがいのある環境づくり

在宅勤務の導入や休暇取得の促進等、従業員の意向を踏まえた快適な労働環境を提供しております。また、残業時間のモニタリングや産業医面談等、長時間労働や過重労働を防ぐための体制を作り、役職員の健康管理にも配慮しております。

 

・人材育成・価値発揮

社員一人一人が、自己の能力を高めることができる業務体制や人事制度を整えているほか、研修や定期的な勉強会を実施する等自己研鑽の機会を設け、社員が個性を発揮しながら創造力を働かせて挑戦し続けることができる環境を提供しております。また、人事制度に関してはグループ内で適宜見直しを行い、臨機応変に整備を行うことにより人材力の強化に努めております。

 

・最先端技術のリード

「① AI・SaaS関連の新技術への対応」に記載した内容とも関連しますが、最新技術に関する情報収集等をスピード感をもって行い、高品質で最先端なAIを提供するよう努めております。また、後述の「⑦ 知的財産権の確保等について」にも関連した内容となりますが、HEROZ(ヒーローズ)グループが発案した知的財産の権利化を進め、可能な限り、知的財産を活用できる取り組みも進めております。

 

⑥ システム基盤の強化

 HEROZ(ヒーローズ)グループの収益の基盤となるサービスを展開するためには、大量の情報処理やシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、システムを安定的に稼働させるための人員の確保及びサーバの最適化を通じて、安定稼働に努めてまいります。

 

⑦ 知的財産権の確保等について

  HEROZ(ヒーローズ)グループでは、日々のAIソリューション提供やSaaS関連サービスの提供から生じた新規性のある独自技術の保護のために、単独又は共同開発企業等と共同で、それらに関する特許権等の知的財産権の取得を図っております。

  しかしながら、AI・SaaS関連分野においては、国内外大手IT企業等が知的財産権の取得に積極的に取り組んでいるため、HEROZ(ヒーローズ)も特許権等の取得によりHEROZ(ヒーローズ)の活動領域を確保することが課題であると認識しております。今後、様々な業界に対してAIを開発することによって有用な知見が得られることが期待されるため、外部専門家とも協力しながら、独自の技術分野については、他社に先立って戦略的に特許権等を取得していきます。

 

⑧ サービスの安全性及び健全性の確保

 HEROZ(ヒーローズ)グループでは、BtoB領域において「HEROZ ASK」「JOINT」「QuickSummary2.0」「AIさくらさん」等のSaaS関連サービスを提供しておりますが、今後これらのサービスをさらに提供・拡大していくにあたり、サービスの品質や安全性の向上は重要な課題であると考えております。今後、生成AI関連の技術も含め最新技術の収集に努めるとともに、より長期的にご利用いただけるサービスを目指し、妥協のない新機能開発・向上を追求していきたいと考えております。

 また、HEROZ(ヒーローズ)では、BtoCサービスにおいて「将棋ウォーズ」等の個人向けアプリサービスを提供しており、ユーザが安心して同サービスをご利用いただけるように、下記のガイドラインを設け、その安全性・健全性の確保に努めております。

 

HEROZ(ヒーローズ)の安全性・健全性に関するガイドライン

第1条(目的)

 このガイドラインは、HEROZ株式会社(以下「HEROZ(ヒーローズ)」という)が運営・提供するゲーム等のサービスについて、当該サービスを利用する者(以下「利用者」という)が安心・安全に楽しめるサービスの提供を実現するために必要な施策を示すことを目的とする。

 

第2条(施策)

 前条の目的を達するために以下の施策を行う。

(1)法令遵守の徹底

 サービスの開発・提供に際して、景品表示法その他の関連する法令を遵守する。提供するサービスについて将来的に違法と判明した場合は、直ちに停止する。

(2)18歳未満の利用者の保護の徹底

 入会時もしくは課金時に年齢認証を行い、18歳未満の利用者による過度な課金利用を未然に防止する。月間課金上限額(税抜)については、18歳未満利用者の場合、月額20,000円とし、16歳未満の場合は月額5,000円とする。

(3)リアル・マネー・トレード(RMT)の禁止

 RMTは一切禁止とする。利用規約においてRMTを禁止している旨を明記するとともに、RMT利用が判明した利用者には、強制退会も含め、速やかに必要な措置を講じる。

(4)不適切行為に対する措置

 利用規約違反など、サービスにおいて不適切と判断される行為を行った利用者に対しては、強制退会も含め、速やかに必要な措置を講じる。

(5)利用者間コミュニケーションの監視

 利用者間のコミュニケーションが安心・安全に行われるよう、定期的に監視し、利用者間の不適切なコミュニケーションを発見した場合には迅速な対処を行う。

(6)適切な有料アイテム出現確率

 有料ガチャのようにランダムで出現する有料アイテムについては、その出現確率を適切な水準に設定する。

(7)社員研修・教育

 サービスの安全性・健全性を向上させるため、社員の研修・教育を実施する。

第3条(更新)

 サービスの変化、利用者の状況の変化、その他社会状況等の変化に鑑み、当ガイドラインの内容を最適な状態とするべく努力をする。

 

⑨ 内部管理体制の強化

 HEROZ(ヒーローズ)グループにおきましては、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。そのため、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業拡大に応じた内部管理体制の構築を図るとともに、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。

 また、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの成長速度に見合った人材の確保及び育成も重要な課題と認識しており、継続的な採用活動と研修活動を行ってまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。HEROZ(ヒーローズ)グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、HEROZ(ヒーローズ)グループに係る株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、HEROZ(ヒーローズ)グループはリスク管理を実施することで、以下のリスクに対してその発生可能性を一定程度低い水準まで抑えられていると考えております。また、これらのリスクの発生時期及び顕在化した場合にHEROZ(ヒーローズ)の経営成績等の状況に与える定量的な影響の程度につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。

 また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてHEROZ(ヒーローズ)グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業内容・事業環境に関するリスク

① AI・SaaS関連市場について

 HEROZ(ヒーローズ)グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツール提供会社にとどまらず、生成AI等を駆使し大幅に自動化されたWorkというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIトランスフォーメーション(AIX)を起こしていくことを目指しておりますが、その根幹となるAI関連・SaaS関連の技術は、将来的な利用可能性の高さやニーズの多様化等から、国内外で研究開発が活発に行われております。なおHEROZ(ヒーローズ)グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、ととらえております。

 特に、先述のとおり、OpenAIによる大規模言語モデル「ChatGPT」をはじめとして生成AIに関する技術革新・技術競争は激しさを増しており、各企業が同モデルを含むAIXに関する投資を拡大するなど、新技術への対応は急激なスピードで重要性を増しているほか、SaaS市場に関しても、生成AIの広まりとともに市場自体が成長を続ける中で、各種SaaS間のシームレスな連携・ストレスフリーな利活用に関する需要も拡大していくものと考えられます。

 このような環境は、HEROZ(ヒーローズ)グループにとって追い風となる一方で、AI・SaaS関連市場の成長は、AI・SaaS関連技術の開発、利用、普及等を制限するような法規制、政策、景気動向、技術革新、関連する市場の動向等の様々な要因により影響を受けます。これらの要因により、関連市場の成長ペースが大きく鈍化した場合には、HEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。また、市場の拡大が進んだ場合であっても、HEROZ(ヒーローズ)グループが同様のペースで順調に成長しない可能性があり、かかる場合には、HEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② ネットワークセキュリティ市場の動向について

 HEROZ(ヒーローズ)のグループ会社であるバリオセキュア株式会社(以下、「バリオセキュア」という。)は、インターネットセキュリティ関連事業を営んでおりますが、同社の主たる事業領域であるネットワークセキュリティ市場は、急速な技術的革新、ユーザ企業のニーズの多様化、頻繁な新商品やサービスの登場を特徴としております。同社は将来のニーズを予測し、サービスや商品の開発を行っておりますが、それらが的確に行われない場合、または、新規の顧客の要求と合致しない場合、新規需要喚起ができない等の問題が生じ、このような変化にHEROZ(ヒーローズ)が対応することができない場合、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ AI・SaaS関連の技術革新等について

 HEROZ(ヒーローズ)グループは、AI・SaaS関連技術を活用し各産業にWorkという価値提供を行うことを目指しておりますが、AI・SaaS関連市場は国内外で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。特に、先にも述べた通り、AI市場においてはChatGPTのリリースに端を発して大規模言語モデルが急速な広がりを見せており、新技術への対応は急激なスピードで重要性を増しております。

 HEROZ(ヒーローズ)グループは、よりスピード感をもってそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めており、AI・SaaS関連技術を活用したビジネスにより収益の拡大を図っていく所存でありますが、今後において技術革新のスピードやこれに伴う新たなビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化に、HEROZ(ヒーローズ)グループが適時適切に対応出来ない場合、HEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 当該リスクへの対策として、HEROZ(ヒーローズ)グループでは、AI・SaaS関連市場における技術動向を今後も継続的に注視し、また必要に応じて資本提携を含む業務提携等の経営戦略を推進し、AI・SaaS関連市場におけるシェアの維持及び拡大を進めてまいります。具体的には、2024年3月に一般社団法人「Generative AI Japan」に参画し、最先端の生成AI関連の情報収集を行いながら技術力向上に取り組んでいるほか、2024年5月にはHEROZ(ヒーローズ)で生成AIを用いたAIアシスタントSaaS「HEROZ ASK」を、ストラテジットでSaaS連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」を正式リリースしており、同サービスの事業拡大・各種連携を進めることで社会全体のAI実装・AIXをさらに加速していきたいと考えております。

 それに加えて、今後、各種SaaSサービスのアップデート・機能拡充のみならず、大規模言語モデルを含むAI・SaaS・セキュリティ分野における積極的な研究開発も引き続き進めてまいります。

 

④ セキュリティ関連の技術革新等について

 バリオセキュアの主たる事業領域であるネットワークセキュリティ市場は、技術革新の著しい市場であり、競争力維持のために継続した研究開発が要求されます。同社が市場の技術革新に対応できない場合、また、研究開発体制を維持できない場合は、既存製品の陳腐化あるいは技術革新に対応するための開発コストの増大を招く可能性があります。この場合、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 企業の設備投資の動向について

 各企業・産業において、AIXの急速な広がりに伴い、AI・SaaS関連技術への投資や、ネットワークセキュリティの維持向上に対する重要性は日々高まっております。この結果、国内外において上記に関連する設備投資は今後さらに増加するものと考えております。

 しかしながら、景気の動向等により各産業において設備投資が抑制・削減された場合は、HEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 機密情報の管理体制について

 HEROZ(ヒーローズ)グループのAIが学習対象とする情報や、SaaS関連のソリューション提供等の過程で利用する情報の中には、顧客の経営戦略上極めて重要かつ機密性が高い情報が含まれる場合があります。また、HEROZ(ヒーローズ)のBtoCサービスでは、ユーザに関連する情報も扱っております。HEROZ(ヒーローズ)グループでは、これらの情報の管理においては、アクセス制限等を行うことで社内での機密性確保並びに漏洩防止を図っておりますが、万が一社員の故意・過失、事故、災害、悪意を持った第三者の不正アクセスやサイバー攻撃などにより、これらの情報の漏洩が生じた場合、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生し、また、HEROZ(ヒーローズ)への信頼性が揺らぐことにより、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があり、その結果、HEROZ(ヒーローズ)グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、HEROZ(ヒーローズ)のグループ会社であるバリオセキュアはインターネットセキュリティ関連事業を営んでおり、事業の性質上同様のリスクが存在しております。

 同社は、2016年6月20日に、情報セキュリティマネジメントの国際規格である「ISO20000」の認証を取得し、2017年12月1日には「ISO/IEC 27001:2013」「JIS Q 27001:2014」を更に取得し、HEROZ(ヒーローズ)のユーザ、役員及び従業員の個人情報をも含めた社内の情報管理には十分な注意を払っております。具体的には、社内システムは複数のファイアウォール、アンチウィルスシステム、メールチェックシステム等により保護され、セキュリティの信頼性を高めております。また、主要サーバは複数台で稼働させる方式をとっており、厳重に管理された複数のデータセンターに設置され、事故、障害時に迅速に回復できるよう運用しております。

 また、ユーザ保守データは、社内ネットワークへのパスワードのみならず、それぞれのサーバデータへのアクセスも制限されており、社外からのサーバへのアクセスも暗号化されたシステム構成となっております。

 さらに、同社は、プライバシーマークを取得し個人情報の管理体制を強化するとともに、すべての役員、従業員との間において入社時及び退職時に機密保持にかかる「秘密保持契約書」を個別に締結するなど、情報の漏洩の未然防止に努めております。

 しかしながら、意図せざるシステム障害、誤操作、外部からの侵入や攻撃等によるデータの漏洩などが生じ、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、同社が損害賠償請求を受ける可能性があります。また、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの信用が失墜し、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 競合の動向について

 HEROZ(ヒーローズ)は、2024年5月に生成AIを活用したアシスタントサービス「HEROZ ASK」を正式リリースしましたが、AI・SaaS関連事業分野においては、本書提出日現在で競合他社・競合サービスが全世界に存在しているほか、新規参入事業者も非常に多く見受けられ、今後も他業種大手企業から高度に専門化した新興企業に至るまで、様々な事業者が新規に参入する可能性があります。特に、昨今ではChatGPTのリリースに端を発し、各産業において大規模言語モデルを含むAIXに関する投資が急速に進んでおり、ChatGPT等を活用した各種サービスが増加しております。

 これらの競合他社や新規参入事業者は、その資金力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、HEROZ(ヒーローズ)グループよりも優れている場合があり、その優位性を活用してサービスの開発に取り組んだ場合、HEROZ(ヒーローズ)グループが競争で劣勢に立たされ、HEROZ(ヒーローズ)グループの期待通りにサービスを提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。また、AI関連市場はいまだ発展途上であるため、かかる新規参入や競合他社の動向等により、市場シェアの構成が急激に変化する可能性があり、かかる場合には、HEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 HEROZ(ヒーローズ)グループとしましては、これまで培ってきたAI技術を活かし、また「HEROZ ASK」の機能拡充・強化も含めた研究開発投資を加速し、顧客・ユーザのニーズに合致したAI・SaaS関連サービスの提供を継続していく所存であります。しかし、競争環境の更なる激化等、競合の状況によっては、価格低下圧力による利益率の悪化、対策のための追加のコストの負担等の原因により、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 自社プロダクト等の開発・運用について

 HEROZ(ヒーローズ)では、各産業におけるAIX投資加速の動きを受け、大規模言語モデルを含む生成AIに関する研究開発・プロダクト開発を強化しているほか、グループ会社においても、開発計画に基づき自社プロダクト・製品(ソフトウエア)等の開発を行っております。2024年5月に正式リリースした「HEROZ ASK」「JOINT iPaaS for SaaS」を含め、グループ全体で様々なSaaS・プロダクトを提供しており、今後も機能拡充・強化や新製品の開発等に取り組んでいきたいと考えております。

 HEROZ(ヒーローズ)グループでは、自社プロダクトの適切な開発・運用に努めておりますが、開発した自社プロダクト・製品(ソフトウエア)等において不具合が発生した場合、追加コストが発生し、また、その不具合を適切に解決できない場合、HEROZ(ヒーローズ)グループの信頼が損なわれることとなるため、HEROZ(ヒーローズ)グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、開発した自社プロダクト・製品(ソフトウエア)等について、ユーザ企業に提供・販売するのに十分な品質が確保されていないと判断された場合、追加の開発・検証作業等を行うこととなり、当該ソフトウエア等の提供・販売開始時期が遅延し、HEROZ(ヒーローズ)グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、自社プロダクト・製品(ソフトウエア)等の開発期間は長期に及ぶこともあるため、その間のユーザ企業のニーズの動向又はHEROZ(ヒーローズ)グループの売上計画の変化、もしくは当初想定していた規模を上回る技術革新があった場合等に、当該ソフトウエアの提供・販売開始前に開発を中止することもあるほか、当初販売計画どおりの設置・販売ができない場合には想定どおりの収益を獲得できず、当該ソフトウエア等の開発に要したコストを回収することができなくなり、ソフトウエアの減損が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合、HEROZ(ヒーローズ)グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 HEROZ(ヒーローズ)グループとしましては、自社プロダクトのリリース・運用に関する適切な体制の構築や、当該ソフトウエアに関する開発状況の定期的なモニタリング、及び市場動向等の認識に関して定期的にアップデートを実施すること等により、これらのリスクに備えてまいります。

 

⑨ 事業拡大に伴う継続的な設備・システム投資について

 HEROZ(ヒーローズ)は極めて速い技術革新のスピードに対応していくために、必要な研究開発資金を適時適切に投入するとともに、サーバ等の設備に順次投資を行っていく必要があります。しかし、このような研究開発投資や設備投資にもかかわらず、HEROZ(ヒーローズ)の想定を上回る急激な事業環境の変化等により、想定した投資効果を得ることができない可能性があります。その結果、業績の悪化、将来のキャッシュ・フローの見積額の減少等が生じた場合、サーバ等の固定資産に関して減損損失等が発生し、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑩ プラットフォーム運営事業者の動向

 HEROZ(ヒーローズ)のBtoCサービスは、大手プラットフォーム事業者がサービス提供するプラットフォーム上において、各プラットフォーム事業者のサービス規約に従いサービスを提供しており、ユーザへのサービス提供に係るシステムの利用、ユーザ獲得、代金回収等において、かかるプラットフォーム事業者に実質的に依存しております。今後、何らかの理由でプラットフォーム事業者との契約継続が困難となった場合、プラットフォーム事業者による手数料や利用料等の料率変更やサービス内容の変更、事業戦略の転換があった場合には、HEROZ(ヒーローズ)のBtoCサービスの提供が困難になる等、HEROZ(ヒーローズ)のサービス内容の変更や手数料等の負担が増加する可能性があり、その結果、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

 

⑪ モバイルアプリについて

 HEROZ(ヒーローズ)が提供するモバイルアプリにおいては、アプリおよびゲーム内でのアイテム課金や月額プレイ課金による収益が主たる収入となっているため、ユーザの嗜好にあった課金アイテムの提供を行うとともに、イベントの開催、アプリのアップデート等を通じてユーザの利用を活性化しユーザに継続してアプリを利用してもらえるように運営しております。しかし、かかる施策が適時適切に行えなかった場合、または施策が功を奏さなかった場合のほか、競合他社がHEROZ(ヒーローズ)のモバイルアプリよりも魅力あるタイトルを市場に投入するなどして、HEROZ(ヒーローズ)の提供するモバイルアプリの競争力が低下した場合等には、ユーザのアイテム課金や月額プレイ課金が継続して利用されない状況になり、想定していた収益が得られない可能性があります。この結果、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑫ モバイル関連市場について

 我が国のモバイル関連市場は、モバイル端末の普及に伴って継続的な拡大が続いてきたものの、個人のモバイル端末の保有率の更なる上昇の余地には限界があることから、成熟期へと移行しつつあるものと認識しております。

 また、モバイル関連事業は国内外の経済状況の変動、法的規制、政策、技術革新、関連する市場の動向等様々な要因による影響を強く受けるため、今後新たな法的規制の導入や技術革新、通信事業者に関する動向の変化などにより、市場の成長ペースが更に鈍化する可能性があります。HEROZ(ヒーローズ)がこのような市場環境の変化に適切に対応できなかった場合には、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ システム障害について

 HEROZ(ヒーローズ)の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため、自然災害や事故等により通信ネットワークが遮断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。また、アクセスの一時的な増加による負荷増大によって、HEROZ(ヒーローズ)のサーバが停止し、サービス提供に支障が出る場合があるほか、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入等の犯罪やHEROZ(ヒーローズ)担当者の過誤等によって、HEROZ(ヒーローズ)のシステムに重大な影響が出る場合があります。

 また、HEROZ(ヒーローズ)のAIソリューション提供においては、HEROZ(ヒーローズ)技術者が開発したアルゴリズムをもとに、教師データ(学習の元になるデータ)等を活用した機械学習を行うことで、未知の状況においても、学習により構築したモデルに基づいて、AIが精度の高い判断を行うことが可能になっております。そのため、システム障害によりHEROZ(ヒーローズ)のアルゴリズム、または機械学習に利用される教師データ等が消失した場合には、HEROZ(ヒーローズ)でのAI関連サービスの続行が不可能となり、または、機械学習によるAIの精度向上が困難となり、HEROZ(ヒーローズ)の提供するAIサービスの質が低下する可能性があります。また、学習済みのモデルが消失した場合にも、AIサービスの提供に支障が生じる可能性があります。

 HEROZ(ヒーローズ)としましては、定期的なシステムのバックアップを実施するとともに、外部のデータセンターを利用することでセキュリティ強化や安定的なシステム運用ができるような体制の構築に努めておりますが、前述のような状況が発生した場合には、サービスの提供が困難になる可能性があり、その結果、HEROZ(ヒーローズ)の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、HEROZ(ヒーローズ)への損害賠償等によりHEROZ(ヒーローズ)の事業および業績に直接的な影響が生じる可能性があるほか、HEROZ(ヒーローズ)およびHEROZ(ヒーローズ)システムやサービスへの信頼の低下により、間接的にHEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、HEROZ(ヒーローズ)では、サービスの安定稼働および事業成長のために、システムインフラ等への継続的な設備投資や維持・管理費用が必要となります。HEROZ(ヒーローズ)の想定を上回る急激なユーザまたはトラフィックの拡大や、セキュリティその他の要因によるシステム対応強化が必要となった場合、想定外の追加投資や費用の増加等が必要となる可能性があり、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭ 自然災害、事故等について

 HEROZ(ヒーローズ)では、自然災害、事故等に備え、定期的なバックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、HEROZ(ヒーローズ)所在地近辺において大地震等の自然災害やテロ攻撃・システムトラブル等が発生した場合、HEROZ(ヒーローズ)設備の損壊や電力供給の制限等により、事業継続に支障をきたす可能性があります。また、HEROZ(ヒーローズ)設備、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・回収するために多額の費用負担が発生する可能性があり、復旧に相当時間を要した場合、その間の収益機会を喪失するおそれがあるほか、信頼性や企業イメージが低下することにより、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、HEROZ(ヒーローズ)のグループ会社であるバリオセキュアにおいても、事業の性質上同様のリスクが存在しております。

 同社は、多数の製品在庫を販売代理店や多くの業務委託先の倉庫等に預けており、また複数の拠点にデータセンターを設けておりますが、地震や台風等の自然災害、テロ攻撃、システムトラブル又は伝染病といった事象が発生し、同社がそれらの影響を受けた場合、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 同社では複数の拠点にデータセンターを設けたり、システムの一部をクラウドで管理したりするなど、リスクの分散を図っておりますが、同社の拠点・地域において、これら自然災害等が発生した場合には多大な損害を被る可能性があり、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮ 法的規制・法制度の変更について

 HEROZ(ヒーローズ)グループの事業は、「電気通信事業法」「不当景品類及び不当表示防止法」「資金決済に関する法律」「特定商取引に関する法律」等による法的規制を受けており、またグループ会社であるバリオセキュアは、電気通信事業者として総務省へ届出により登録を行っているため、通信の秘密の保護等の義務が課されております。また、HEROZ(ヒーローズ)グループでは、コンテンツ制作等を第三者に外注している場合があり、それらの取引の一部は「下請代金支払遅延等防止法」の適用対象となります。さらに、今後の事業の拡大の中で、当該事業に必要な各種許認可を得る必要が生じ、当該許認可にかかる規制の下におかれる可能性があります。

 HEROZ(ヒーローズ)グループでは、これらの法令を遵守するために、コンプライアンス体制の整備等を含む管理体制充実に取り組んでおります。しかしながら、将来において、HEROZ(ヒーローズ)グループが提供するサービスやコンテンツが法的規制に抵触する可能性を完全に否定することはできず、また、今後インターネットの利用者や関連するサービス及び事業者を規制対象とする新たな法令等の制定や法解釈の変更がなされることにより、HEROZ(ヒーローズ)グループが提供するサービスの事業展開に制約が生じる可能性があります。また、当局から行政処分等を受け、または、取引先から契約の解除や損害賠償の請求を受けること等により、HEROZ(ヒーローズ)グループやHEROZ(ヒーローズ)グループのサービスに対する信頼性の低下、法規制等への対応に要する費用や負担の増加等の事態が発生した場合、HEROZ(ヒーローズ)グループの業績及び企業イメージに影響を及ぼす可能性があります。

 

⑯ 機器の調達リスクについて

 グループ会社であるバリオセキュアは、セキュリティサービスの基幹となる自社開発のセキュリティ機器VSRの製造を台湾のメーカー2社へ委託しております。また、中小規模企業向けに販売しているセキュリティ機器VCRについては、イギリスのメーカー1社から調達しています。これらの製造委託先又は調達先の地政学的リスク、原材料価格の高騰、経営方針の変更や、M&Aによる組織変更等により、当該企業での製造又は調達が困難となった場合、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。また、一部のメーカーとは最低購入保証に関する契約を締結しており、販売数量が計画通り進捗しない場合には、過剰な在庫となり同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑰ 提供サービスの不具合について

 バリオセキュアがユーザ企業に貸与・設置しているセキュリティ機器は、ユーザ企業が所有するネットワークとインターネットとのゲートウェイに位置します。従いまして、当該機器に何らかの不具合が発生した場合、ユーザ企業においてインターネットの利用が不可能となる可能性があります。また、複数台のセキュリティ機器を集中的に管理する目的で当該機器と連動して動作するサーバ機器がHEROZ(ヒーローズ)データセンターに設置されております。これらのサーバにおいて何らかの不具合が発生した場合、サービスの一部若しくは全部の提供が不可能となる可能性があります。

 以上を要因として、結果的にユーザに対し機会損失を与える若しくは利益を逸失させる可能性があります。一般的にはシステム(ソフトウエア及びハードウエア)の不具合(いわゆるバグ)を完全に解消することは不可能とされておりますが、同社の重大な過失による不具合が発生した場合、不具合を修正するための費用が発生することが予想され、また、契約において免責事項を定めてはいるものの、ユーザに機会損失等を与えた場合、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、同社が提供するシステム若しくはサービスに重大な過失による不具合が発生した場合、セキュリティサービスを提供する企業としてのレピュテーションが低下する可能性が高く、今後の事業計画の遂行が予想どおりに進まない可能性があります。

 

⑱ 従業員又は業務委託先の過失によるサービスの不具合について

 バリオセキュアがユーザ企業に設置しているセキュリティ機器は、同社又は業務委託先の技術員により設定や運用が行われております。同社または業務委託先の技術員スキルや習熟度の向上のために定期的な指導を実施しておりますが、これら技術員の過失により設定や運用を誤って行う可能性は否定できません。万が一、設定等の誤りにより、インターネット利用の際に不具合が生じる、または利用不可能となる、若しくは外部の第三者によってユーザ企業のネットワークへ侵入される等の事故が発生した場合、ユーザ企業に機会損失を与える、利益を逸失させる、若しくは信頼を失墜させる可能性があります。

 同社では、販売代理店との間で委託業務内容及び手数料等の取引条件を定めた契約書、並びにユーザ企業向けの約款において免責事項並びに損害賠償額を定めてはいるものの、このような状況が発生した場合、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。また、セキュリティサービスを提供する企業としてのレピュテーションが低下し、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑲ インターネット接続及びデータセンターについて

 バリオセキュアは、ユーザ企業に同社が設置したセキュリティ機器と、データセンターに設置している同社機器との間でインターネットを経由した常時通信を行うことにより、動作の監視や設定変更、統計情報の収集等の運用管理を行っております。また、ユーザに対してはインターネットを通じて各種統計情報等を提供しており、ユーザからの機器の設定変更等の各種依頼やサポートに関するお問い合わせ等もインターネットを通じて行っております。このため、同社が利用するデータセンターやインターネット回線に何らかの問題が発生し、セキュリティ機器の継続的な運用が不可能となる若しくはインターネットへの接続が失われた場合、サービスの一部又は全部の提供が継続できない可能性があります。ユーザ企業向けの約款において免責事項並びに損害賠償額を定めてはいるものの、このような状況が発生した場合は、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑳ 事業基盤の拡充及び新規事業について

 HEROZ(ヒーローズ)グループは、今後、事業規模の拡大と収益の多様化を実現するため、事業基盤の拡充や新規事業に取り組んでいく方針であります。HEROZ(ヒーローズ)グループは、事業基盤の拡充及び新規事業展開に際しては、資本又は業務上の提携やM&Aも有効な手段であるものと認識しております。また、同様の目的で、事業会社への出資などの投資活動も行っています。

 HEROZ(ヒーローズ)グループは、事業基盤の拡充や新規事業については、既存サービスとのシナジーやリスク等について企画及び開発段階において十分な検討を行うことによりリスク低減を図る方針ですが、かかる施策が功を奏する保証はありません。また、提携、M&A、出資等の方法により、事業基盤の拡充及び新規事業展開を実施する場合には、HEROZ(ヒーローズ)グループの想定どおりに提携先等との関係構築・強化が進捗しない、統合又は提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない、デュー・ディリジェンスの限界等から法的若しくは事業上の新たなリスク要因が発生する、または期待した投資のリターンが得られない等の可能性があり、これらに起因してHEROZ(ヒーローズ)グループの事業又は業績に影響を及ぼす可能性があります。また、かかる施策がHEROZ(ヒーローズ)グループの想定どおり進捗せず、または期待した収益を得られなかった場合には、保有する有価証券やのれんの減損損失等が発生する可能性があり、またこれらの取り組みに付随した追加投資が必要となる可能性があります。

 

(2)事業運営・組織体制に関するリスク

① 組織的経営について

 HEROZ(ヒーローズ)グループの持続的な成長及び長期的な企業価値向上を可能にするためには、事業計画等の達成のための計画立案とその実行、進捗管理及び改善実施のPDCAとモニタリングを通して、新規サービス創出を行っていかなければならないと考えております。そのためには、特定の個人に依存した経営を行うのではなく、業務執行を担う責任者が、スピード感をもって意思決定を行うとともに、会社間・事業部間の連携を通して全社的な問題発見・解決を図ることができる次世代マネジメント人材として成長していくことが必要と考えております。

 そのためには、マネジメントスキル向上のための研修や実務経験を有した外部人材の登用等が必要となっておりますが、今後必要な人材の育成・確保ができなかった場合、HEROZ(ヒーローズ)グループの事業計画等の推進に支障をきたし、HEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 知的財産権の管理等について

 HEROZ(ヒーローズ)グループは、運営するコンテンツ・サービス及び保有する業務スキル・ノウハウに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払うとともに、契約書・約款等において知的財産権に関する制限等を明示することにより、グループ内の知的財産権保護に努めております。

 しかしながら、今後HEROZ(ヒーローズ)グループが属する事業分野において第三者の権利侵害が成立した場合は、第三者より損害賠償および使用差止め等の訴えを起こされる可能性および権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があり、またHEROZ(ヒーローズ)グループの知的財産が侵害された場合においても、HEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、AI Security事業において他者からライセンス等を受けている知的財産権については、ライセンス元の倒産といった不測の事態も想定されます。

 特に、HEROZ(ヒーローズ)がサービス提供するAIに関するプログラムコマンドであるソースコードについては、HEROZ(ヒーローズ)のビジネスに不可欠なものであるものの、特許の取得等の方法による権利保護が困難であるため、HEROZ(ヒーローズ)のAIに関するライセンスを第三者に付与する場合等には、ソースコードの流出を防止するために必要な措置を講じております。しかしながら、第三者の故意又は過失その他の事由により、ソースコードが流出、模倣等された場合には、HEROZ(ヒーローズ)がサービス提供するAIの優位性が損なわれ、結果として、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ソースコードの漏洩や模倣等に対する損害賠償等により、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響が生じる可能性があります。

 当該リスクへの対策としては、顧問弁護士や外部専門家と連携することで、知的財産権の管理に対するリスク低減に努めてまいります。

 

③ 人材の採用・育成・定着等について

 HEROZ(ヒーローズ)グループが、今後更なる業容拡大に対応するためには、知見及び専門性が高く優秀な人材を継続的に確保・育成していくことが重要な課題となります。現在も採用による人材の獲得に加え、入社後の社内における研修、各種勉強会の開催、福利厚生の充実等、社員の育成および人材の流出に対応した各種施策を推進しております。しかし、HEROZ(ヒーローズ)グループが注力するAI・SaaS・セキュリティ関連領域におけるエンジニアの数は国内において限定的であり、高度な技術を持つエンジニアその他の人材の確保は非常に競争が激しくなっております。新規の採用や社内における人材の確保・育成が計画通りに進まず、適正な人員配置が困難になった場合には、外部への業務委託も困難であるため、競争力のあるサービスの開発と提供を行うことが困難となり、HEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。また、将来において、人材の獲得、確保、育成にかかる費用がHEROZ(ヒーローズ)グループの想定を超えて増加した場合には、HEROZ(ヒーローズ)グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、HEROZ(ヒーローズ)が注力するAI領域においては、ユーザに提供するサービスの付加価値や優位性が、その基礎となるAIの能力に依存するため、HEROZ(ヒーローズ)の提供するサービスの基幹となるAIの開発に携わる高度かつ専門的な技術を有する特定のエンジニアへの依存度が高くなる傾向にあります。2022年11月以降、「ChatGPT」がリリース・アップデートされるなど大規模言語モデルが大きな注目を集めておりますが、ChatGPT等の活用法についてもエンジニアの力量が問われる部分となります。そのため、このようなエンジニアが何らかの理由により開発に関与することができない事態になった場合には、HEROZ(ヒーローズ)の提供するAIサービスの付加価値や優位性を保つことができず、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、HEROZ(ヒーローズ)グループでは、人材の確保・育成のためには、労働基準法をはじめとする労働関係法令の遵守とそのための適切な労務管理や労働環境の整備が重要であると考えており、各種人事労務規程の整備等を行っておりますが、HEROZ(ヒーローズ)グループが、適用のある労働関連法令を適切に遵守できなかった場合や、適切な労務管理や魅力のある労働環境の整備を実現できなかった場合には、当局からの処分又は指導や労働者からの訴訟の提起等により、これらに対応するための費用が増加し、または必要な人材の確保に支障が生じるなど、HEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 HEROZ(ヒーローズ)グループとしては、下記のような取り組みを行うことにより、上記のリスクに対応してまいりたいと考えております。

(ⅰ)ダイレクトスカウトの活用

(ⅱ)技術力の高さを通じて、市場でのプレゼンスを高めること

(ⅲ)自社プロダクト等における広告宣伝活動・マーケティング活動の強化

(ⅳ)社内研修の強化

(ⅴ)人事制度の整備・運用・エンゲージメントサーベイの実施

 

④ 小規模組織であることについて

 HEROZ(ヒーローズ)グループは、当連結会計年度末現在において、役員22名 、従業員256名という体制となっておりますが、HEROZ(ヒーローズ)及び各グループ会社については事業規模に比してまだ小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。HEROZ(ヒーローズ)グループでは、今後の業容拡大・業務内容の多様化・持続的成長等に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、HEROZ(ヒーローズ)グループが必要とする人材を事業の拡大に合わせて確保するのは容易ではありません。これらの施策が適時適切に進行しなかった場合や、これらの施策の遂行に要する費用等の負担が増大したり、既存社員が社外に流出したりした場合には、HEROZ(ヒーローズ)グループの業績および事業展開に影響を与える可能性があります。

 HEROZ(ヒーローズ)グループとしては、上記③「人材の採用・育成・定着等について」にも記載した通り、人材の確保・育成・定着のための各種取り組みを進め、これらのリスクに対応してまいりたいと考えております。

 

⑤ 内部管理体制について

 HEROZ(ヒーローズ)は、企業価値の持続的な増大を図るために、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、人材、資本、サービス、情報資産の適正かつ効率的な活用をすることが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性および財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。

 そのためにも、HEROZ(ヒーローズ)では内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 資金使途について

 HEROZ(ヒーローズ)が上場時に実施した公募増資による調達資金につきましては、主にサーバ等への設備投資、外部サーバ費用等の通信費、研究開発費、事業拡大に必要な人件費や人材採用費、広告宣伝費等に充当しました。また、2019年12月24日に実施した公募増資による調達資金については、新規人材の採用関連費用、機械学習用サーバ等への設備投資、同サーバ費用等の通信費、オフィス増床の為の敷金及び費用、HEROZ(ヒーローズ)事業に応用可能な周辺技術を有する企業等への投融資、運転資金等に既にその一部を充当しております。その一環として、2022年にストラテジット株式・バリオセキュア株式を、2023年11月には株式会社エーアイスクエア(以下、「エーアイスクエア」という。)の株式を、2024年3月には株式会社ティファナ・ドットコム(以下、「ティファナ・ドットコム」という。)の株式を取得しいずれも連結子会社化いたしました。

 残額については、引き続きHEROZ(ヒーローズ)グループの事業に応用可能な周辺技術を有する企業等への投融資資金に充当する想定であります。しかしながら、当初の計画に沿って調達した資金を使用しても想定した投資効果が得られない場合、HEROZ(ヒーローズ)の経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ HEROZ(ヒーローズ)の配当政策について

 HEROZ(ヒーローズ)は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。

 しかしながら、HEROZ(ヒーローズ)は、本書提出日現在では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性および実施時期については未定であります。内部留保の使途については、AIエンジニア等の人材採用やHEROZ(ヒーローズ)事業に応用可能な周辺技術を有する企業への投融資等、事業の拡大へ振り向ける方向で想定しておりますが、将来的にはこれらとのバランスを見ながら配当についても検討してまいります。

 

⑧ 訴訟等について

 現時点において、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの事業、業績または財政状態に重要な影響を及ぼす係属中の訴訟はありません。しかしながら、将来においてHEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、HEROZ(ヒーローズ)グループについて予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績および事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対策としては、グループ内で顧問弁護士や外部専門家と連携することで、訴訟等のリスク低減に努めてまいります。

 

⑨ 特定の販売代理店への依存について

 バリオセキュアの提供するセキュリティサービス事業は、販売代理店を経由した取引が主であり、2024年2月期において、売上高の67.1%を上位5社の販売代理店に依存しております。同社は、販売代理店各社と委託業務内容及び手数料等の取引条件を定めた契約書において、継続的に同社サービスを提供する旨の契約を締結しております。今後とも各販売代理店とは良好な関係を構築し、安定した売上の計上に努めてまいりますが、各社の販売方針の変更や同社との関係が悪化した場合には、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、M&A等により販売代理店が統合され、取扱商品が変更された場合、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 為替変動リスクについて

 バリオセキュアは、セキュリティサービスの基幹となるセキュリティ機器や一部のライセンスを海外から仕入れております。外貨建てで購入しているため、為替相場の変動により円換算による仕入価格に変動が生じ、原価率が上昇する可能性があり、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)その他のリスク

① HEROZ(ヒーローズ)グループにおけるのれんの減損の可能性について

 HEROZ(ヒーローズ)グループでは、当連結会計年度末時点において、連結貸借対照表において1,963,704千円ののれんを計上しております。これらは、各グループ会社の株式を取得し連結子会社化した際に発生したものであり、いずれも、取得時点での対象会社の将来の事業計画等に基づいて超過収益力を検討し、計上しております。

 当該のれんについては、グループ会社における継続した営業損失の発生、経営環境の著しい悪化、事業計画からの大幅な乖離等の有無をもとに減損の兆候の有無を検討しています。減損の兆候を識別した場合には、のれんの残存償却期間に対応する期間における割引前将来キャッシュ・フローを事業計画に基づいて算定し、帳簿価額と比較して減損損失の認識の要否を判定しています。減損損失の認識が必要と判定された場合、当該のれんについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しています。

 当連結会計年度においては、株式会社ストラテジットに係るのれんについて184,966千円の減損損失を計上しておりますが、その他のグループ会社ののれんについては、減損の兆候はありません。

 減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、グループ会社の事業計画や経営環境の変化等によって影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なる場合、HEROZ(ヒーローズ)グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 HEROZ(ヒーローズ)グループとしては、各グループ会社との情報交換・連携を緊密にするとともに、グループ会社における業績状況・事業環境等を定期的にモニタリングし、これらのリスクに対応してまいります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 HEROZ(ヒーローズ)及びバリオセキュアでは、取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与する新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。また、新株予約権の行使により発行された株式が、一度に大量に市場に流入することになった場合等には、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 当連結会計年度末において、HEROZ(ヒーローズ)における新株予約権による潜在株式数は373,300株であり、HEROZ(ヒーローズ)の発行済株式総数15,045,152株の2.48%に相当しております。

 また、2024年2月29日時点において、バリオセキュアにおける新株予約権による潜在株式数は85,440株であり、発行済株式総数4,520,053株の1.89%に相当しております。

 

③ AI/DX事業のBtoBサービスに関する収益認識について

 HEROZ(ヒーローズ)グループが営む事業のうち、AI/DX事業におけるBtoBサービスの初期設定取引については、取引毎に履行義務の内容が異なっており、HEROZ(ヒーローズ)では内部統制の整備及び運用を通じて、その契約形態や取引実態等に応じて履行義務を識別し収益認識を行っております。しかしながら、各取引の実態を反映した収益認識を行うにあたり、各契約における収益額が、収益認識基準に基づき履行義務の充足とともに適切に計上されているかの判断は複雑な会計上の判断を必要とすることから、何らかの理由により、この判断を適切に実施出来なかった場合には、HEROZ(ヒーローズ)及びHEROZ(ヒーローズ)グループの経営成績及び財政状態を正しく把握出来ない可能性があります。

 

④ 関係会社株式の減損の可能性について

 HEROZ(ヒーローズ)では関係会社株式として、当事業年度末時点で計2,520,722千円を保有しております。このうち、バリオセキュア株式は市場価格のある有価証券に該当するものであるため、株式市場の変動等により市場価格が著しく下落し、かつ回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価損を当事業年度の損失として認識しております。

 また、ストラテジット株式・エーアイスクエア株式・ティファナ・ドットコム株式はいずれも市場価格のない株式等に該当するため、取得価額をもって貸借対照表価額とし、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した時には、回復可能性が十分な論拠によって裏付けられている場合を除いて、相当の減額を行い、評価損を当事業年度の損失として認識しております。

 当事業年度は、バリオセキュア株式会社の株式について1,506,362千円、株式会社ストラテジットの株式について359,594千円の関係会社株式評価損を計上しております。

 HEROZ(ヒーローズ)は、各グループ会社との情報交換・連携を緊密にするとともに、グループ会社における業績状況・事業環境等を定期的にモニタリングし、これらのリスクに対応してまいりたいと考えておりますが、今後の経営環境の変化等により株式の市場価格の著しい下落や業績状況の著しい悪化等が発生し、減損処理が必要となった場合には、HEROZ(ヒーローズ)の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 多額の借入及び金利の変動について

 バリオセキュアは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2024年2月29日時点での同社の日本基準に基づく総資産額に占める有利子負債比率は22.82%(IFRSに基づく総資産額に占める有利子負債比率は18.34%)となっております。当該借入金は、元本が変動金利となっているため、市場金利が上昇する場合、HEROZ(ヒーローズ)の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、同社は、かかる借入れがあることから、機動的な資金調達の妨げとなり、同社より財務基盤の充実した競合他社との競争に不利になり、同社及びHEROZ(ヒーローズ)グループの業績に影響を与える可能性があります。

 同社では、金利上昇に係るリスクに対応するため、主に以下の取組みを実施しております。

1)収益性を重視した経営管理が行われていること

同社は持続的な成長により安定した収益を獲得していくことが重要と考えており、売上収益、営業利益を重要な経営指標として収益性の管理を行っております。週次開催のマネジメント連絡会において、経営陣との間で売上収益、営業利益等の情報共有を図り、課題等に対して迅速な対処を行う体制としております。

2)財務バランスを意識した投資計画、資金計画の立案と実行を行っていること

同社は借入金の返済を計画的に実行するとともに、中長期の事業成長に向けた設備投資は手元流動性資金のバランスを勘案して実施しております。設備投資は、収益性とコスト削減効果を毎期、適切にモニタリングしながら実施しております。

3)金利条件に係る金融機関との交渉を継続して行っていること

同社は金融機関との取引関係は良好でありますが、金利の市場動向やHEROZ(ヒーローズ)の業績及び信用力から妥当な水準の金利条件について継続して交渉を行い、財務リスクの低減に努めております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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