ラクスル(4384)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


ラクスル(4384)の株価チャート ラクスル(4384)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】ラクスルグループは「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの基、デジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを用いて新しい仕組みを創り、既存のビジネス慣習を変えていくことで、ラクスルグループの主な顧客である国内の中小企業・個人事業主の経営をより良くすることを目指し、事業を展開しております。ラクスルグループはラクスル及び関係会社12社で構成され、その主な事業内容とラクスル及び主な関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。なお、以下に示す事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。当連結会計年度より、従来「ラクスル」としていた報告セグメントの名称を「調達プラットフォーム」、従来「ノバセル」としていた報告セグメントの名称を「マーケティングプラットフォーム」に変更しております。また、2024年8月1日付で組織変更を実施し、マネジメント・アプローチの観点から、従来「その他」として開示していたペライチ事業を「マーケティングプラットフォーム」に変更しております。セグメント主な事業内容主な関係会社調達プラットフォーム以下に掲げるプラットフォーム(ECサイト)の開発・運営その他これらに付随するサービス①印刷・集客支援の受発注プラットフォーム「ラクスル」②段ボール・梱包材の受発注プラットフォーム「ダンボールワン」③印鑑・スタンプの受発注プラットフォーム「ハンコヤドットコム」④トートバッグの受発注プラットフォーム「トートバッグ工房」株式会社ラクスルファクトリー株式会社ハンコヤドットコム株式会社エーリンクサービスネットスクウェア株式会社株式会社メーリングジャパンマーケティングプラットフォーム①テレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」の開発・運営その他これらに付随する広告代理店事業とマーケティングDX事業②ホームページ製作Saas「ペライチ」の開発・運営その他これらに付随するサービスノバセル株式会社株式会社Wild Side株式会社ペライチインターネットの普及及び技術革新により、既存産業におけるサプライヤー(ラクスルの場合、印刷事業における提携印刷会社や配布会社)を統合するコストが大幅に低下しました。ラクスルグループは、産業ごとにプラットフォームを創出することで、1社が全ての製造及び販売機能を持つのではなく、サプライヤーと顧客の需給を効率良く結び付ける産業形態の在り方を提示したいと考えております。 (1) 調達プラットフォームセグメント[事業系統図]印刷業界全体の市場規模は4.6兆円(注1)と大きなものでありますが、市場に1.3万社以上(注2)もの中小印刷会社が存在しており、供給過多になっているため、印刷機の実際の稼働率は低い水準にあると考えております。また、印刷機によって印刷できる印刷物が異なるため、自社で刷れないものは他の印刷会社に依頼するという“まわし仕事”が発生するといった非効率が残っているのが現状であります。インターネットを使って全国の顧客から印刷の注文を集め、その注文をネットワークとして築いている印刷会社に発注し、印刷機の非稼働時間を使って印刷をする仕組みを開発、提供しております。具体的には、まず、顧客が「ラクスル」のウェブサイト上で印刷物の部数や納期等を選び、印刷データをアップロードします。その後、印刷データを印刷に適したデータに加工し、提携印刷会社へ印刷を委託します。印刷会社は受領した印刷データを印刷後、直接顧客へ品物をお届けします。取引を通して、提携印刷会社の印刷機の稼働率の向上を図り、印刷会社の経営にも資する形での事業展開を実施しております。また、ネット印刷の事業を基軸に、印刷物のデザインサービスや、印刷したチラシの新聞折込・ポスティングといった、狭商圏内での“集客支援(広告)のワンストップサービス”を提供しております。新聞折込やポスティングは、ウェブサイト上で、オンラインの地図上からチラシを配布したい地域と配布希望日を選択すると、自動的に配布枚数と料金が算出され注文することが可能となっております。既存の広告代理店では数百枚程度の小ロットのチラシの配布の場合、単価が低すぎるために営業のコストを回収できず、対応は難しいとされてきました。ラクスルグループはほとんどのプロセスをEC化することで人件費を中心とした営業費用をなくし、小ロットでも低単価で配布できる体制を築いております。結果として、これまで予算が足りず新聞折込やポスティングを使えなかった中小企業・個人事業主のマーケティング活動を可能にしました。 (受発注形態)商品の仕入販売に関しては、店舗や営業所は保有せず、顧客からの受注機能、受注商品の提携印刷会社への発注機能、及びコールセンターにおける顧客サポート機能のみを保有しており、受発注管理のほぼ全てがインターネットを通じて行われております。商品・仕様・納期に応じて設定した価格で顧客に印刷物や配布サービスを販売し、印刷会社・配布会社へは事前に合意した仕入価格で委託を行っております。仕入価格は随時見直しを行っており、販売価格と仕入価格は直接的な連動はしておりません。また、自社ECサイトを通じて商品を購買する顧客の情報をデータベース化し、顧客ごとの購買特性を販売活動に反映させることを可能にする仕組みを構築しております。顧客に対するアプローチは、電子メールによるダイレクトメールの送信、インターネットを通じた広告の掲載及びテレビ等のマス媒体広告を利用しており、各手法を組み合わせることにより新規獲得、追加販売並びに離脱防止に努めております。 (取扱商品)取扱商品は、チラシや冊子といった商業印刷の各種商品、名刺、封筒、印鑑といった事務用印刷の各種商品を中心に、Tシャツやボールペンといったノベルティ商品、梱包資材まで多岐に亘っております。また、集客支援サービスにおいては、新聞折込、ポスティングやダイレクトメール等を取り扱っております。 「ラクスル」は2013年3月にサービスを開始し、その累計ユーザー数の推移は以下のとおりであります。 累計ユーザー数(ユーザー)(注)32021年7月期第1四半期(10月末)1,280,177 第2四半期(1月末)1,363,265 第3四半期(4月末)1,451,614 第4四半期(7月末)1,532,1722022年7月期第1四半期(10月末)1,604,347 第2四半期(1月末)1,693,002 第3四半期(4月末)1,788,319 第4四半期(7月末)1,879,4422023年7月期第1四半期(10月末)1,979,281 第2四半期(1月末)2,085,619 第3四半期(4月末)2,208,913 第4四半期(7月末)2,317,1652024年7月期第1四半期(10月末)2,422,578 第2四半期(1月末)2,522,497 第3四半期(4月末)2,635,410 第4四半期(7月末)2,744,3342025年7月期第1四半期(10月末)2,849,967 第2四半期(1月末)2,967,276 第3四半期(4月末)3,156,488 第4四半期(7月末)3,317,307(注)1.令和3年経済センサス‐活動調査 製造業(産業別統計表データ)2.上記1.における「印刷・同関連業」の事業所数を記載しております。3.累計ユーザー数は、「ラクスル」に会員登録したユーザーの累計数であります。また、一度も発注を行ったことのない非アクティブなユーザーも含まれております。 (2) マーケティングプラットフォームセグメント[事業系統図]顧客が小ロットかつ低価格でテレビCMの枠や動画を購入できる広告プラットフォーム「ノバセル」を運営しております。テレビCMはわが国でもっともリーチコストが安く多くの人々に情報を届けることが可能である一方、その価格帯の高さから、多く企業にとっては気軽に導入できる広告手段とは言えませんでした。「テレビCMは大手企業だけが使える広告手段」という概念を覆し、より多くの企業が活用できるよう、地方局や広告代理店と連携し、1県、1エリアの放映、あるいは特定番組のテレビ放映枠をピンポイントで1枠から購入可能なサービスを提供しております。放映枠の提供に加えて、費用対効果の高い動画のクリエイティブ制作サービスの提供、さらには、ラクスルグループ自身がこれまでの事業成長で培ってきたテレビCMの広告宣伝投資に係るノウハウを活用し、科学的な分析による「効果の視える化」をサポートしております。具体的には、テレビCMの放映後のサイト訪問数やアプリダウンロード数をクリエイティブや番組毎に測定し、従来「視聴率」という指標でしか計測できなかったテレビCMの放映効果について、WEB広告と同様の検証を可能にするSaaSサービス「ノバセルアナリティクス」や、自社のCM効果だけでなく“他社のCM効果”を“指名検索”という指標で即時に可視化するSaaSサービス「ノバセルトレンド」の提供もしております。これらの広告代理店機能やSaaS/Professional Serviceを通じ、顧客が「ノバセル」のプラットフォームを活用してテレビCMを発注することで、小ロットから購入でき、かつ効率的な効果分析と改善サイクルが実現できるため、コストパフォーマンスの高い広告投資を可能にしております。さらに、中小企業向けの動画広告やホームページ制作SaaSサービス「ペライチ」をサービスラインナップに加え、企業の多様なマーケティング課題を解決するプラットフォームとしての価値を最大化してまいります。(注)SaaSとはSoftware as a Serviceの略であり、インターネットを通じて顧客にソフトウェアを提供することを指します。

有価証券報告書(2025年7月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】ラクスルグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてラクスルグループが判断したものであります。 (1) 経営方針ラクスルグループは、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」をビジョンとし、デジタル化が進んでいない既存の産業をインターネットにより効率化し、最終顧客に対して一層の便益を提供していくことを通して、社会へ貢献してまいります。 (2) 経営戦略等今後の中長期的な方向性としては、ラクスルの主要事業であるBtoB向けEC事業を軸に、既存アセットを活用し、ソフトウェアやファイナンス領域におけるサービスを提供していくことにより、End-to-Endで中小企業の経営課題を解決するテクノロジープラットフォームを運営します。また、成長モメンタムは継続しながらも、より一層利益とキャッシュ・フロー創出を伴った成長モード“Quality Growth”を目指します。具体的な経営戦略は以下のとおりであります。 ラクスルグループの企業ビジョンと事業展開方針(ラクスルグループの経営ビジョンと事業概要)ラクスルグループは、上記のビジョンの下、顧客ニーズと提携会社の余剰キャパシティ(注1)を繋ぐプラットフォームの運営を行っております。併せて、顧客のマーケティングを支援するSaaS事業を運営しております。 (ラクスルグループサービスの意義:産業にもたらす変革)印刷をはじめとする20世紀に築かれた産業は、資本を持つ大企業が莫大な費用を投じて製造設備を購入し、その製造キャパシティを営業が販売し、過剰に販売した部分を繋がりのある下請けに回すといった、大企業を頂点とする多重下請けのピラミッド型の産業構造を作り上げました。しかし、インターネットの普及及び技術革新により、既存産業におけるサプライヤー(注2)を統合するコストが大幅に低下しました。ラクスルグループは、この多重下請け構造下にある中小印刷会社をインターネットで結びつけ、仮想的に巨大な供給キャパシティを持ち、ECサイトを通じて直接発注者と繋げるシェアリングプラットフォームを創出することで、1社が製造から販売まで全ての機能を持つ産業形態ではなく、サプライヤーと顧客の需給を効率良く結び付ける21世紀型の産業形態の在り方を提示したいと考えております。ラクスルグループが産業にもたらす変革の例は以下のとおりであります。・垂直統合から水平統合への変革(例)印刷業界:自社グループ内で、営業部門、印刷工場、研究開発部門等を保有する垂直統合の形態から、プラットフォームにより各社が保有する印刷工場を水平統合する形態への変革・自社グループ1社での設備投資から、水平統合による巨大なキャパシティへの変革・ピラミッド型の多重下請け構造からネットワーク型のプラットフォームへの変革(例)印刷業界:顧客から受注を行う大手印刷会社が中小印刷会社に実際の印刷業務を委託する多重下請け構造からの変革 (BtoBのプラットフォームとしてのユニークなポジショニング)ラクスルグループは、事業者と事業者を繋ぐBtoBのプラットフォームとして既存産業の革新を実現するという、ユニークなポジショニングを目指しております。プラットフォーム価値を拡大するためには、テクノロジー(インターネット関連技術、プラットフォームの構築技術)、マーケティング(顧客の集客力)及びオペレーション(プラットフォームの運営力)の各要素を高い次元で有機的に連携することが必要であり、ラクスルグループは、各要素の高度化と連携に向けた施策に継続的に取り組んでまいります。 ラクスルグループの企業価値の源泉(ラクスルグループの企業価値の源泉:顧客数×ARPU(注3))ラクスルグループは、顧客からの信頼の総和であり、プラットフォームとしての価値でもある売上高と、顧客及びサプライヤーへの付加価値の総和である売上総利益(ラクスルグループは、売上高からサプライヤーに仕入代金を支払った残りを売上総利益として計上)の最大化を重視した経営を行っております。売上高を構成する顧客数×ARPUの最大化と、提供するサービスの高付加価値化及びサプライヤーの生産性向上による売上原価の低減により実現される売上総利益率の最大化を目指す方針であります。 (高い定着性を有する顧客基盤がもたらす安定的な収益基盤)ラクスルグループの顧客の特徴は、1回の利用で終わるのではなく、複数回の注文を行って頂ける点にあると考えております。多様化する顧客ニーズに対応できる商品ラインナップの拡充や新カテゴリーへの拡張により、クロスセルの拡大を推進することで、事業KPIである「年間購入者数」、「年間平均注文回数」、「平均注文単価」の安定的な推移・改善を目指しております。 プラットフォーム「ラクスル」の戦略(需要・供給双方にWin-Winな自律的成長モデル)ラクスルグループは、プラットフォーム「ラクスル」の運営を通じ、ユーザー(顧客)とサプライヤーをエンパワメント(注4)することで、サプライヤーの増加、ラクスルグループプラットフォームのキャパシティの拡大、ユーザーの増加、取引量の増加、さらなるサプライヤーの増加という、自律的な成長モデルの実現を目指しております。 (供給サイド:シェアリングモデルによる柔軟な供給と資本効率の高い生産体制の実現)ラクスルグループのプラットフォームのサプライヤーに対する付加価値は、余剰キャパシティの活用による稼働率、生産性の向上にあると考えております。これにより、ラクスルグループは印刷という装置産業において、シェアリングによる仮想印刷工場を作り、スケール可能な資本効率の高いビジネス展開を実現しております。また、設備投資をかけずに生産キャパシティの拡張をスピーディーに行うことができ、売上の急成長にも耐えられる生産体制を構築しており、規模の拡大に対応可能な印刷キャパシティの確保による、高い資本効率性の実現が可能となります。 (需要サイド:QCD(注5)をはじめとする顧客への付加価値提供)ラクスルグループのプラットフォームのユーザーに対する付加価値は、小ロットから低コストで発注が可能なため、中小企業・個人事業主等の顧客が裾野広く利用できる点にあると考えております。ラクスルグループは一般の印刷会社に比べ、小ロットの印刷を低価格で提供しております。それは、「ギャンギング」(多面付け印刷)を行うことで一般的な印刷会社に比べて大幅なコストダウンを実現しているためです。ラクスルグループはインターネットで全国から毎日数千の注文を受注し、同じ紙質、同じ部数の注文を多く抱えており、1つの印刷用版で複数の顧客の印刷物をまとめて印刷することが可能になることで、製版コストを複数社で按分し、1社あたりのコストを大幅に下げることが可能となっております。特に固定費の比率が高い小ロットの印刷物は既存の印刷会社に比べ競争力の高い価格で提供できるようになり、小ロット・低価格という新しい印刷市場を生み出しております。これが、特定顧客への依存度が低く、高い定着性を有する顧客基盤の獲得に繋がっていると考えております。 (集客支援サービス)ラクスルグループの大きな特長は、印刷に限らず、中小企業・個人事業主が多い「ラクスル」の顧客の集客活動(マーケティング活動)を支援する点にあります。印刷物のデザインから、新聞折込、ポスティング、ダイレクトメール等の配布手配までをオンライン上で手軽に行うことができます。例えば、新聞折込やポスティングは、ラクスルグループのウェブサイト上で、オンラインの地図上からチラシを配布したい地域と配布希望日を選択すると、自動的に配布枚数と料金が算出されるようになっており、パソコンの操作が苦手な人でも直感的な操作で注文することができます。新聞折込は、新聞の銘柄を指定することも可能となっております。既存の広告代理店では数百枚程度の小ロットのチラシの配布の場合、単価が低すぎるために営業のコストを回収できず、対応は難しいとされてきました。ラクスルグループは、ほとんどのプロセスをEC化することで人件費を中心とした営業費用をなくし、小ロットでも低単価で配布できるようにしました。これにより、これまで予算が足りず新聞折込やポスティングを使えなかった、中小企業・個人事業主のマーケティング活動を可能にしました。ラクスルグループは、この集客支援サービスを展開することにより、ARPUの最大化を図っております。当該サービスを展開するメリットは、印刷物の販売だけではなく販売促進目的の配布サービスを提供することによる顧客単価の上昇、注文件数の増加、ユーザーとの関係性強化、リピート率の上昇等であります。(継続的な業務改善を可能にするリアル・オペレーション・ノウハウ)ラクスルグループは、プラットフォームの運営者でありながら、生産オペレーション面での学習と研究開発を目的として、提携印刷会社と顧客の間のサプライチェーンに直接関与することで、売上原価の低減による売上総利益率の継続的な改善を図っております。具体的な施策は下記のとおりであります。・自社保有印刷機の活用、並びに定型印刷会社へのノウハウ展開・資材の共同購買・新資材の積極開発・物流網の最適構築 〔用語説明〕(注)1.キャパシティ 生産能力や処理能力のこと。ラクスルグループの場合、提携印刷会社が保有する印刷機の生産能力を指す。2.サプライヤー 材料や部品等の供給者のこと。ラクスルグループの場合、提携印刷会社や配布業者等を指す。3.ARPU Average Revenue Per Userの略。 1顧客あたりの平均売上金額であり、単価×購入頻度で計算される。4.エンパワメント 自律性を尊重しつつ、支援し力を付けること。5.QCD Quality, Cost, Deliveryの略。品質、費用、納期を指す。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等ラクスルグループは、上記「(2) 経営戦略等」に記載のとおり、“Quality Growth”を目指します。利益及びキャッシュ・フロー創出を把握するためにも、売上総利益及び調整後EBITDA(注)を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。また、営業利益および当期純利益については、外部環境変化に対して経営をコントロールするための指標と位置づけるとともに、中長期的な拡大を目指しております。 〔用語説明〕(注)調整後EBITDA 財務会計上の数値(GAAP、日本基準)から非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したものであり、ラクスルグループの恒常的な経営成績を理解するために有用な情報と判断しております。具体的には、株式報酬費用、減価償却費及びのれん償却費を中心に、ラクスルグループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などを控除もしくは調整しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題ラクスルグループは「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」を企業ビジョンとし、デジタル化が進んでいない既存の産業をインターネットにより効率化し、大企業中心に垂直統合で成立していた産業構造を、プラットフォーム中心の水平分業された産業構造にアップデートするため、以下の課題に取り組んでまいります。 ①国内印刷EC市場の牽引と競争優位性の維持ラクスルグループの主力事業セグメントである調達プラットフォームが属する国内印刷EC市場は、EC化率の継続的な上昇を背景に継続的に拡大しております。国内印刷EC市場において、リーディングカンパニーとして市場を牽引する立場であり続けることがラクスルグループの成長においても重要であると考えており、新サービスの開発、事業領域の拡張、及び商材ラインナップの拡充を通じて、競争優位性を維持すべく努めてまいります。 ②サービスの認知度向上と新規ユーザー獲得・ユーザーエンゲージメント強化を通じた顧客基盤の拡大ラクスルグループが高い成長率を持続していくためには、ラクスルグループのサービス認知度を向上させ、新規ユーザーを継続的に獲得することが不可欠であると考えております。広告宣伝の費用対効果を維持・向上させつつ、マーケティング活動を継続的に推進するとともに、顧客基盤の拡大に伴い多様化する顧客ニーズを的確に捉え、購買頻度の少ないロングテール商品や新規カテゴリーへの参入も含めた取扱商品の拡大をはじめとした顧客体験向上のための各種施策をより一層強化してまいります。 ③事業拡大と収益性向上を両立した事業運営ラクスルグループの主力事業セグメントである調達プラットフォームセグメントの事業モデルの特長は、全国の印刷会社と提携し、各印刷会社における印刷機の非稼働時間を活用することで、効率性の高い生産体制を維持している点にあります。事業基盤が拡大するにつれて、提携印刷会社数及び一会社当たりの発注量も増えていきますが、提携印刷会社との綿密なコミュニケーション及び協業により、事業が拡大していく中でも低価格かつ安定した品質の商品を継続して提供してまいります。また、一部の印刷商材においては、製造サプライ機能の内製化・拡充を進めることで、更なる生産能力強化と収益性向上を両立してまいります。 ④AI技術の積極的活用と開発体制の継続的強化ラクスルグループはAI技術の急速な発展を経営上の重要な課題と捉えており、AI技術を積極的に活用し、業務プロセスの効率化や既存サービスの付加価値向上を図ることが、中長期的な競争優位性を確立する上で不可欠であると考えております。サービスにおいては名刺やホームページのデザイン自動生成等の導入が進んでおりますが、AI技術開発への継続投資を全社的に促進するとともに、専門知識を持つ人材の育成と確保に努め、技術開発体制を一層強化してまいります。 ⑤強固なデータ基盤の構築によるデータドリブンの経営の推進ラクスルグループの事業において、サービス価値を最大化するためには、顧客の行動様式の分析をはじめとする取引データの高度な活用及びデータドリブンな意思決定が不可欠と考えております。ビッグデータとAI技術の連携を強化し、解析精度と速度を向上させることで、顧客ニーズに即応できるサービス提供を実現し、ユーザーロイヤルティの向上と収益性の改善を目指します。そのため、複数のECサイトで分散している顧客IDの統合を推進し、強固なデータ基盤を構築するとともに、独自の解析体制を確立することで取り組みを進めてまいります。 ⑥情報セキュリティ体制の強化ラクスルグループは、ユーザーの個人情報を中心とした情報資産を多く預かっており、そのセキュリティ体制を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報保護方針及び情報セキュリティ関連規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後もグループ全体の教育・研修やシステムの整備を継続的に行ってまいります。 ⑦組織体制の拡充と多様な人材の採用・育成ラクスルグループの継続的な成長には、多様な人材の採用・育成と活躍を推進する組織体制の整備が不可欠と考えております。「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに共感する多様なバックグランドをもつ人材の採用、最適な人材配置、そして継続的な人材育成の仕組みを構築してまいります。また、従業員の能力を最大限に発揮できるよう、人事制度の構築と職場環境の整備にも継続的に取り組んでまいります。 ⑧PMI体制の継続的強化ラクスルグループの中長期的な成長戦略として、連続的なM&Aの実行を掲げております。M&Aの成功と事業シナジーの最大化には、事業基盤やテクノロジー基盤を中心に、高度なPMI(Post MergerIntegration:M&A後の統合プロセス)推進能力が求められます。そのため、専門チームを組成し推進体制を確立するとともに、PMIプロセスの継続的な強化を通じて、事業間のシナジー創出と成長の再現性を高めてまいります。

事業等のリスク

3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてラクスルグループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境に関するリスク①国内印刷EC市場についてラクスルグループの主力事業である印刷事業が属する国内印刷EC市場は、年々拡大しております。今後もEC化率の継続的な上昇を背景に、同市場は成長を続けるものと考えております。しかしながら、上記の予測通りに国内印刷EC市場が拡大しなかった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、印刷事業で築いてきた顧客基盤とシェアリング基盤を活用し、販促サービスの拡張による既存顧客ARPU向上、紙以外の商材を中心としたオリジナル商品の追加による顧客基盤の拡大により対象市場及び収益拡張を推進しております。 ②競合他社の動向についてラクスルグループの主力事業である印刷事業においては、国内で印刷ECサービスを展開する競合企業が複数存在しており、一定の競争環境があるものと認識しております。他に優れたビジネスモデルの競合会社が現れた場合等には、既存事業者や新規参入事業者を含めた競争の激化により、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、多様化する顧客ニーズに対応すべく商品ラインナップの拡充を進めるとともに、積極的なマーケティング活動やカスタマーサポートの充実、提供サービスの拡大及び品質向上に取り組んでおり、今後もユーザー目線に立ってサービスをより充実させていくと同時に、知名度向上に向けた取り組みを積極的に実施してまいります。 ③登録ユーザーの獲得についてラクスルグループの主力事業である印刷事業の売上高は、提供サービスの登録ユーザー数、登録ユーザーの利用率、登録ユーザーの平均購入額により変動し、事業の成長は登録ユーザー数の順調な増加に依存しております。また、マーケティング手法別に効果測定を行いつつ、新規ユーザーの獲得、既存ユーザーへの追加販売、既存ユーザーの離脱防止を図る施策を継続的に実施しております。上記に挙げたような各種事業KPIについては安定的に推移・改善してきておりますが、社会・経済情勢による顧客ニーズの変化、他の事業者との競合の激化、マーケティング手法が非効率になる等の要因によって登録ユーザー数の増加率が下がる場合には、売上高の増加ペースの鈍化、もしくはマーケティング費用の上昇により、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、前年度以前の顧客獲得コストとの比較を常に行い、新規の顧客獲得手法を継続的にトライアルすること等により登録ユーザー数の増加ペースを維持、拡大するための取り組みを推進しております。 ④システムトラブルについてラクスルグループの事業は、インターネットを介して行われており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存をしております。安定的なサービス運営や継続的な事業成長を実現するために、サーバー設備等の強化や社内体制の構築を行っておりますが、アクセスの急激な増加等による負荷の拡大、ソフトウェアの不具合、外部からの不正な手段によるネットワークへの侵入、地震等の自然災害や事故等により予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、監視システムの利用に加えて組織的・人的な対策と多層防御による技術的対策に取り組んでおります。 ⑤印刷事業への依存についてラクスルグループの売上高は、主力事業である印刷事業への依存が大きくなっております。国内印刷EC市場が拡大していることに加え、ユーザー数の増加やサービスの拡充等により、今後も印刷事業は拡大していくものと考えておりますが、運営する「ラクスル」の利用者の減少や市場規模の縮小等の要因により印刷事業の売上高が減少した場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、ダンボール・梱包材や印鑑といったカスタマイズEC領域や、物販領域への拡張、テレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」をはじめとするマーケティング支援事業の他、今後においても中長期的にソフトウェアやファイナンスといった複数の事業領域への展開を推進してまいります。 ⑥シェアリングエコノミー形態による生産体制について主力事業である印刷事業について、印刷会社をはじめとするサプライヤーをネットワーク化する、いわゆるシェアリングエコノミー形態による生産体制を構築しております。各社における原材料等の調達価格高騰や各社の経営状況の変化等によって、提携による業務委託等の継続ができなくなった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、一部の印刷資材については、集中購買により安価に提供する体制を整備し、定期的なコミュニケーション等によるサプライヤーとの良好な関係の構築に努めることで、生産体制の安定化を図っております。また、一部の印刷商材においては、製造の内製化を進めることで、生産能力の強化に努めております。 ⑦在庫について2025年7月期の連結貸借対照表において商品及び製品521百万円を計上しております。在庫として保有する商品について販売状況が想定していたものと大きく異なる結果となった場合には、販売価格の切り下げや棚卸資産の評価減を通じて、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、仕入れの際には慎重な検討を経て実施するとともに、在庫品の状況を注視し、適正な在庫管理を行うなど、過剰在庫等が発生するリスクの軽減を図っております。 (2) 事業体制に関するリスク①優秀な人材の獲得・育成について今後の企業規模の拡大に伴い、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに共感する多様なバックグラウンドをもつ人材を継続的に採用し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えております。今後も引き続き積極的な採用活動を行っていく予定でありますが、求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、社員が働きやすさとやりがいを持って働けるよう、事業の成長を通して本人が挑戦し成長できる環境を作り、魅力的な人事制度の構築を継続的に推進してまいります。また、サービス品質の向上にはソフトウェア開発のためのエンジニアの確保が重要であると認識しており、日本国内での採用活動に加えて、日本国外において開発拠点を設立し、継続的に開発力の強化のための施策を推進してまいります。 ②内部管理体制の構築についてラクスルグループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図る必要があると認識しております。今後、事業が急速に拡大することにより、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営を行うことができず、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規程及び法令遵守を徹底してまいります。 ③情報セキュリティについてラクスルグループは、厳重な情報セキュリティ管理体制において自社内の機密情報を管理するとともに、事業活動に伴い取引先から預託された機密情報や個人情報の収集・保管・運用を行っております。万一従業員や業務の委託会社等が情報を漏洩又は誤用した場合には、企業としての社会的信用を喪失し、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、ラクスルはプライバシーマーク及びISMS(注)を取得し、社内で運用するほか、従業員研修を繰り返し実施する等、これらの情報管理には万全な方策を講じております。 ④自然災害等の影響についてラクスルグループは、提携印刷会社や自社の製造拠点を通じて事業を展開しています。大規模地震、自然災害、火災等の事故、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等により、ラクスルグループまたはその取引先において、生産設備やシステムが損害を受けたり、操業が中断したりする重大な支障が生じる可能性があります。このような事態が発生した場合、商品の安定供給に遅延や困難が生じ、顧客満足度の低下や売上機会の損失を通じて、ラクスルグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、シェアリングエコノミー形態の生産体制を活かし、特定の地域やサプライヤーの機能が停止した場合でも、他の地域やサプライヤーへ発注を振り分けることができる代替可能な体制を構築しています。また、事業への影響を軽減するため、各種損害保険に加入するとともに、自然災害等の緊急事態発生時に事業を早期に復旧させるためのBCP(事業継続計画)を策定・整備しております。 ⑤投融資についてラクスルグループは、今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。投融資については、リスク及び回収可能性を十分に事前評価し決定してまいりますが、投融資先の事業の状況がラクスルグループに与える影響を確実に予想することは困難な場合もあり、投融資額を回収できなかった場合や減損処理が必要となった場合には、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、出資等の案件について、ラクスルグループの目指すビジョンとの整合を確認し、ビジネスモデルを十分に検討した上で判断するとともに、出資後は定期的なモニタリングを継続実施してまいります。 〔用語説明〕(注)ISMS(アイ・エス・エム・エス):Information Security Management Systemの略 情報セキュリティ管理の国際標準に基づき定められた情報セキュリティマネジメントシステムの適合性評価制度。継続的に情報セキュリティリスクを管理しリスク回避や軽減を図り、この認証基準に適合したマネジメントシステムを構築・維持できている企業や団体が第三者機関により認証される。 (3) 法的規制に関するリスク①訴訟等についてラクスルグループは、事業活動を行うなかで、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。かかる訴訟の内容及び結果によっては、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生や社会的信用の毀損によって、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、ラクスルグループでは、訴訟等や社会的信用の棄損に繋がる事象に対し、弁護士事務所と連携し、経営に重大な影響を及ぼし得る事象はリスク管理委員会においてグループ横断で審議する体制を整備しております。 ②コンプライアンスについてラクスルグループが運営する事業は、「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「景品表示法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」といった様々な法規制の対象となっております。事業活動を行う中で、法令違反や第三者の保有する知的財産権の侵害等が生じた場合、信頼の低下や事業活動の制限、関連コストの増加、企業価値の棄損等、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、ラクスルグループはコンプライアンスポリシーを定め、定期的な研修等の啓発活動を通じ、コンプライアンス体制の充実に努めております。 ③個人情報の保護についてラクスルグループは、会員登録情報をはじめとする個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。何らかの理由でこれらの個人情報が外部に流出し、悪用されるといった事態が発生した場合には、財政状態及び経営成績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、個人情報保護方針及び個人情報保護規程を定めており、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。 (4) その他①株式価値の希薄化についてラクスルグループは、新株予約権制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。当該制度は、ラクスルグループの役員、従業員及び社外協力者に対して、経営成績向上に対する意欲の向上及び経営参画意識の向上等に有効な制度と認識しており、今後も当該制度を活用する可能性があります。これらの新株予約権の行使、譲渡制限付株式報酬制度に係る新株式の発行された場合には、既存の株主が保有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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