東邦化学工業グループは、東邦化学工業(東邦化学工業株式会社)及び子会社7社で構成され、化学工業製品事業として、界面活性剤、樹脂、化成品、スペシャリティーケミカル等の製造販売を主たる業務とし、更にその他の事業として環境調査測定・分析業務、市場調査等の業務を展開しています。
セグメントの区分ごとの事業の内容は次のとおりであります。
東邦化学工業グループの事業にかかわる位置付けの概要図は次のとおりであります。
(注) TOHO CHEMICAL (THAILAND) CO.,LTD.及び恵州市東邦化学有限公司は、実質的な支配関係にあるため、子会社とみなしています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において東邦化学工業グループが判断したものであります。
東邦化学工業グループは、取引先に信頼され、株主・社員に報い、社員が誇りと意欲をもって働く企業を目指します。
小粒でも光るファインケミカル中心の中堅優良化学メーカーとして、社会に貢献するとともに、独自性のある技術・製品を擁し、環境志向等時代のニーズへの即応力を備え、CS(顧客満足度)においても高い評価を得られる企業グループとなるよう努めてまいります。
東邦化学工業グループは、2023年3月期を初年度とする「TOHO Step Up Plan 2024」(以下、「中計」という。)に取り組んでおります。中計に掲げた数値目標と課題は、(3) 目標とする経営指標、(5) 対処すべき課題に記載のとおりです。中計においては、多岐にわたる製品群と幅広い技術を有する東邦化学工業グループの特色や強みは生かしながらも、「選択と集中」を一層徹底し、経営資源を成長事業へ集中的に投入することにより、収益力を改善・強化すべく全力で取り組んでおります。
中計では、継続的な事業規模の拡大と収益性の向上、財務の健全性確保、資本の効率的な活用、株主の皆様への還元を重視し、下記の指標を数値目標としております。
数値目標(連結) <最終年度(2025年3月期)>
2024年3月期は、世界的な需要の鈍化、とりわけ中国の景気低迷による需給関係悪化の影響が大きく、化学業界においては厳しい状況が続きました。2025年3月期は、半導体不況の底打ち及び回復が見込まれるなど、需要は徐々に増加に向かうことが期待されますが、一方、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の回復の遅れ、物価上昇による消費者マインドの悪化懸念、中東情勢の緊迫化等、懸念材料も多く、先行きは不透明な状況が続いております。
中計(2023年3月期~2025年3月期)の重要課題と対応状況につきましては以下のとおりです。
(最重要課題)
製品別営業利益を強く意識する姿勢が社員に着実に浸透し、販売面では、低採算品を中心に採算是正のための売価見直しを推進するなど、収益改善に向けた取り組みが進捗しております。また、生産面においても、数々の製品で工程見直しなどの合理化を実施し、コスト削減による採算改善を進めております。低採算品かつ他社との競合があり採算是正が難しい製品については、生産・販売の継続の是非を含め、見直しを進めております。
2023年度は、半導体不況の影響によって同分野の製品の販売量が減少し、2022年度に稼働を開始した新プラントの稼働率向上は計画比で遅れることとなりました。しかしながら、その間に、生産要員の教育、生産工程の自動化、適正在庫の確保、原材料の安定確保を目的とした冷蔵倉庫の新設など、需要回復時のV字回復に向けた準備を着実に進めてまいりました。先端製品の研究開発についても取り組みを強化し、先端製品の量産化等を目的とする既存プラント拡張工事が2024年6月に完工予定です。東邦化学工業製品の供給能力増強に対する取引先からの期待は強く、2022年度に稼働した新プラントの二期増設工事についても、需要動向を見極め、好機を逃さないよう準備を進めてまいります。
2023年度は、中国の景気低迷により需要が振るわなかったことに加え、安全規制対応工事のために生産設備の稼働を一時停止した影響が大きく、同社の営業利益は赤字となりました。しかしながら、中国の景気低迷下、中国と日本との原料調達価格の差が拡大し、原料調達面で同社の優位性はより高まっております。同社は、大型の生産設備を有し生産性が高く、原料調達面の優位性も加わり、その利点を十分に活かすため、国内工場からの生産移管に注力しております。東邦化学工業グループの生産体制の最適化を図り、競争力を高めるためには、同社の更なる活用が必須であり、それに伴って、同社の業績も早期に改善するものと見込んでおります。
(その他重要課題)
2023年11月に東邦化学工業の重要課題(マテリアリティ)を決定し、各重要課題への具体的な取り組み内容や目標を定めて取り組んでおります。2023年度は、エネルギー消費の実態を把握するための計器の増設を概ね完了させるとともに、CO2排出量算定支援システムを新たに導入し、数値目標や長期計画の策定に向けた分析を進めております。生産工程においては、廃水削減や廃熱の回収・再利用、廃水処理場の運転最適化等の取り組みを進めております。2024年3月には労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格であるISO45001を新たに取得いたしました。また、環境負荷低減製品の開発においては、土木建築用薬剤等の製品開発に注力しており、販売実績化などの進捗がありました。
千葉工場における電子情報材料事業のウエイトを高めるための生産移管や、東邦化学(上海)有限公司の活用を拡大するための生産移管など、グループ全体の競争力を高めるための最適生産体制の構築が着実に進捗しております。四日市工場においては、樹脂エマルション製品の生産性向上と増産に向けた設備が完工するなど、生産移管に必要な設備の増設も進んでおります。昨今、中国等と日本との原料調達価格の差が拡大したことから、品質面・技術面で差別化が難しい汎用製品については、競合する中国等からの輸入品との競争が一層激化しております。その対策として、競争力の乏しい汎用製品については生産を縮小し、収益性の高い製品にシフトするなど、生産品の見直しを進めております。一例としては、鹿島工場や千葉工場における香粧分野製品(一般洗浄剤)の生産を大幅に減らし、空いた生産余力を活用すべく、鹿島工場では代替製品の生産に向けた貯槽の増設を行い、千葉工場では人的資源等を電子情報材料事業にシフトするなどの対応を進めております。
東邦化学工業の強みである多分野・多品種にわたる様々な技術の組み合わせによる課題解決に取り組んでおります。その成果としては、ガラス繊維用の新製品の生産技術を確立し生産・販売を開始したことや、塗料用薬剤の開発が進捗したことなどが挙げられます。また、電子情報材料の先端製品の開発についても着実に進捗しているほか、ライフサイエンス領域では複数の製品が新たに販売に結びつきました。
人材教育により一層注力すべく、社員研修用のインターネットサイトを新たに作成し、eラーニング用コンテンツの充実を図るなどの取り組みを進めております。また、インボイス制度の開始や電子帳簿保存法の改正に伴う事務負担の増加に対しては、新たなシステムの導入や事務作業のアウトソーシングにより、間接部門の人員増抑制を図っております。生産面においては、自動運転プログラムの作成技術向上を図り、電子情報材料をはじめとして自動運転化の範囲を拡大させているほか、生産合理化によって各製品の生産時間を短縮するなど、省人化への取り組みを継続しております。
また、中計に掲げた課題に加え、2023年2月の東邦化学工業サーバーに対する不正アクセス発覚以降、二度とこのような事態を起こさぬよう、情報セキュリティの強化に全力で取り組んでまいりました。外部専門家によるコンサルティングを受け、監視の強化とログイン認証の強化、データのバックアップの堅牢化を最重要視し、対策を実施したほか、社内規程類の整備や見直し等の施策を進めております。今後は、情報セキュリティをより一層強化するための取り組みと並行して、業務効率化・利便性向上に向けたITインフラの見直しについても、外部専門家の意見を参考にしつつ、実施してまいります。
2023年6月に発生した四日市工場のC9留分漏えい事故に関しては、再発防止策として、漏えい防止対策工事を行ったほか、作業方法の見直しや作業指示書・チェックリスト等の改訂、緊急時通報体制の見直しや通報訓練実施などの対策を行いました。更に、この事故の反省点を全工場に横展開し、安全総点検を実施いたしました。
東邦化学工業グループでは、不正アクセス及びC9留分漏えい事故を立て続けに発生させたことを厳粛に受け止め、万全の再発防止策を講じ、信頼の回復に全力を挙げて取り組んでまいります。
「新三ヵ年中期経営計画」(2019年度~2021年度)初年度の2019年7月1日時点では、社外取締役を除く取締役8名のうち、50歳台は2名で、6名は60歳以上でした。2024年7月1日時点では、社外取締役を除く取締役8名のうち、1名が40歳台、4名が50歳台、3名が60歳以上となり、世代交代は着実に進捗しております。また、従来3名であった執行役員に、新たに50歳台前半から半ばの3名が加わります。引き続き執行体制の強化を図るとともに、経営人材の層をより厚くし、経営の中核を担うリーダーを育成することに力を注いでまいります。
東邦化学工業を取り巻く事業環境の変化のスピードはますます加速し、グローバルベースでの競争が一段と激化しております。外部環境の変化のスピードに負けないスピード感を持つ人材の登用を積極的に進め、全社一丸となって厳しい環境に立ち向かい、業績の早期改善に向けて全力で取り組んでまいります。
東邦化学工業グループの経営活動において財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
東邦化学工業グループは、このようなリスクに対処する体制等を「リスク管理規程」に定めるとともに、リスクを横断的に管理する組織として、代表取締役社長が委員長を務めるコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に努めております。
なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において東邦化学工業グループが判断したものであります。
東邦化学工業グループが生産する製品の種類は多く、さまざまな分野や用途で使用されており、特定の製品の売上・利益が変動することで業績が左右されるリスクは抑えられております。しかしながら、主要製品分野の業界の需要が低迷した場合、売上高が減少し、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
また、景気の悪化によって取引先の信用リスクが顕在化し、回収不能が発生した場合には、貸倒引当金や貸倒損失の計上等、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループの製品は、石油化学製品、油脂、化成品等を主な原料としており、その仕入価格は特に原油価格の変動の影響を強く受けております。原材料価格が高騰し、製品価格への転嫁が困難な場合や遅れた場合には、売上原価が増加し、利益が減少するなど、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループは、主要な原材料については、リスク管理の観点からも可能な限り複数の取引先から購入を行っております。また、安全在庫の確保や原材料メーカーとの協力体制強化に努め、一部の重要な原材料については自製化の研究も進めております。しかし、原材料メーカーの被災・事故・倒産等による生産活動停止、サプライチェーンや物流の混乱・寸断等により、原材料の入手が困難になる可能性があります。そのような場合には、生産活動の停滞に伴う売上高の減少や、原材料価格の高騰による売上原価の増加により、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループでは、工場の操業停止によるマイナス影響を最小限にするため、安全教育の徹底のほか、すべての設備について日常点検と、シャットダウンしての定期的な点検を行い、耐震補強工事や津波・高潮対策工事も順次実施しております。さらに、汎用設備で生産可能な製品については順次複数工場での生産を可能とし、リスクの分散を図っております。しかし、一部の製品については専用設備でしか生産できず、しかも専用設備が単独の工場にしかないものもあります。これらの製品については、大規模地震等により工場の操業を停止する事象が発生した場合には、生産能力が著しく低下し、顧客への供給に悪影響を及ぼす可能性があります。また、東邦化学工業グループの国内生産能力の大部分は千葉県、神奈川県、茨城県の関東3県に位置しているため、関東広域にわたって甚大な被害を及ぼす災害が起こった場合は、それらの生産機能が同時に停止する可能性もあります。加えて、災害に伴いサプライチェーンや物流の混乱・寸断が発生した場合には、(2)②に記載の原材料の調達への影響のほか、顧客への出荷活動に悪影響を及ぼす可能性があります。それらの結果、売上高の減少等により、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループは、危険物及び化学製品の取り扱いについて、事故発生の未然防止のため、すべての製造設備の定期的な点検の実施、安全教育の徹底、安全装置及び消火設備の充実等、安全操業体制の強化に日々取り組んでおります。しかしながら、万一、東邦化学工業グループの工場において火災・爆発・化学物質の流出等の事故が発生し、東邦化学工業グループの事業活動及び地域社会に大きな影響を及ぼした場合、社会的信用の失墜、補償等を含む事故への対応費用、生産活動の停止による機会損失等により、売上高の減少やコストの増加等、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループは、新型コロナウイルス感染症に対しては、従業員とその家族の安全と健康を最優先にした対策を徹底し、生産・販売・在庫・物流状況の把握などの施策を通じて影響の最小化を図ってまいりました。中国・上海市にある連結子会社2社については、2022年度に上海市のロックダウンによる影響を受けましたが、国内においては、事業活動に大きな影響が及ぶ事態は避けられました。しかしながら、今後新たな感染症が東邦化学工業グループの従業員に発生し、拡大した場合、一時的な操業の停止等の結果、売上高が減少するなど、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
不測の事態によりシステム障害が発生し長期化した場合には、事業活動の停止や対応費用の発生などにより、売上高の減少やコストの増加等、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、情報の漏えい、滅失又は毀損が発生した場合には、社会的信用の失墜、ノウハウの流出又は逸失による競争力の低下、損害賠償責任の発生、対応費用の発生などにより、売上高の減少やコストの増加等、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
そのようなリスクがある中、2023年2月、東邦化学工業のサーバーが第三者による不正アクセスを受けたことを確認し、専門家による調査の結果、東邦化学工業が保有するデータの一部が外部に流出したことが確認されました。現在までに、情報の不正利用等の二次被害に関する報告はありませんが、東邦化学工業としては引き続き、影響を最小限に食い止めるべく、本事案への対応を最優先課題として取り組んでまいります。また、二度とこのような事態を起こさぬよう、情報セキュリティの強化に全力で取り組んでおります。
東邦化学工業グループは、独自性を有する技術力の強化による製品の差別化、生産性の改善による価格競争力の向上、品質管理の厳格化や納期厳守等による顧客からの信頼獲得等、競争優位性の維持・向上に努めております。また、東邦化学工業グループが生産する製品の種類は多く、さまざまな分野や用途で使用されており、特定の製品の売上・利益が変動することで業績が左右されるリスクは抑えられております。しかしながら、海外安価品の流入等による価格競争の激化、新興国企業の台頭、競合他社の急速な技術力アップ、東邦化学工業が製品を販売している化学品メーカーにおける当該製品の自製化等、環境の変化により、東邦化学工業グループの競争力が低下する可能性があります。
また、東邦化学工業グループの新技術・新製品の開発期間が長期化し、顧客のニーズに適時・適切に対応できない場合や、生産性の改善が進まない場合にも、東邦化学工業グループの競争力が相対的に低下する可能性があります。それらの結果、売上高の減少や利益率の低下による利益の減少等、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学(上海)有限公司は、2014年4月に商業生産を開始し、黒字化実現に当初想定以上の時間を要しましたが、2019年度に操業開始以来初の営業損益黒字化を、2020年度には初の経常損益黒字化を達成しました。しかしながら、2021年度はコロナ禍に加え、中国国務院の査察により生産停止指示を受け、約3ヵ月間生産を停止したことから営業損益は赤字となりました。2022年度も上海市のロックダウンや近接する他社の爆発火災事故などの不測のマイナス要因があり、営業損益の黒字回復は果たしたものの、利益は低水準にとどまりました。2023年度は、中国の景気低迷により需要が振るわなかったことに加え、安全規制対応工事のため生産設備の稼働を一時停止した影響が大きく、営業損益は赤字となりました。
現在、中国を中心とした海外市場の開拓、開発案件の早期実績化、国内工場からの製造移管、2020年8月に完工した第2期増設設備の稼働率向上等に注力しておりますが、投資額に見合う業績の拡大を果たせない場合、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、同社の業績の悪化や保有資産時価の著しい下落等が生じた場合、同社の固定資産に減損損失が発生し、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループは製品の一部を中国で生産しており、中国を中心に、アジア、欧米などの海外市場に向けて販売しております。中国において、政治・経済情勢の悪化、予期しない法律・規則の変更、人材の採用・確保の困難、テロ・戦争・労働争議その他の社会的混乱の発生、治安の悪化、感染症の流行等のリスクが顕在化した場合、中国に所在する連結子会社3社の生産活動や販売活動に悪影響を及ぼし、売上高の減少やコストの増加等、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。特に足許の懸念材料としては、中国国内の環境面や安全面での規制強化が進むことや、世界経済のブロック化により貿易が停滞すること、台湾情勢の緊迫化等により日中関係が悪化することなどが、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性のあるものとして挙げられます。
東邦化学工業グループの在外連結子会社の財務諸表は、連結財務諸表作成のため円換算しておりますが、その円換算額は為替相場の動向に左右されます。在外連結子会社3社はすべて中国に所在しているため、日本円と中国元との間の為替相場に大幅な変動が生じた場合は、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループには2024年3月末時点で30,265百万円の借入金・社債・リース債務を含む有利子負債があります。借入金に係る金利変動リスクに対しては金利スワップの活用等によりリスクの低減を図っておりますが、市場金利が上昇した場合、支払金利が増加し、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、東邦化学工業グループと金融機関との取引関係は長期間にわたり安定的に推移しておりますが、金融市場の変動や東邦化学工業の信用状態の変化によって、東邦化学工業グループが必要とする金額の資金調達を金融機関から適時に行うことができない場合、東邦化学工業グループの資金繰りに大きな影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループでは、工場における生産活動に関し、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得し、各種製品の製造及び品質管理を行っております。また製造物責任賠償保険にも加入しております。しかしながら、将来的にすべての製品に欠陥がなく、不良品が発生しない保証はありませんし、この保険が、最終的に負担する賠償額をすべてカバーできるとも限りません。このような保険金額を上回る損害賠償や、大規模なクレームを引き起こす欠陥は、多額のコスト発生による利益の減少や、東邦化学工業グループの評価・信用の悪化に伴う売上減少等により、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループは、研究開発活動で得た東邦化学工業グループ独自の技術・ノウハウについて、特許出願や営業秘密の外部流出防止策徹底により知的財産の保護を行っております。しかしながら、「(4)情報セキュリティに関するリスク」にも記載のとおり、2023年2月、東邦化学工業のサーバーが第三者による不正アクセスを受けたことを確認し、専門家による調査の結果、東邦化学工業が保有するデータの一部が外部に流出したことが確認されました。東邦化学工業から流出した東邦化学工業独自の技術・ノウハウが不正利用され、東邦化学工業グループの競争力が低下した場合、売上高の減少等により、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、新たな技術・製品の開発に当たっては、他社の知的財産権を十分に調査解析した上で、独自の技術・製品を開発しておりますが、東邦化学工業グループが第三者の知的財産権を侵害したとして係争が生じた場合、売上高の減少やコストの増加等により、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループは、「脱炭素化へ向けた取り組み方針」を定め、長期目標として「カーボンニュートラルの実現」を掲げております。CO2排出量の抑制につながる省エネ・省資源対策を中心に取り組んでおりますが、各国政府により温暖化ガス排出量取引が本格的に導入された場合や炭素税が適用された場合には、直接的なコストが増加する可能性があるほか、それらを原因とした原燃料価格や電力価格の上昇も危惧されます。加えて、再生可能エネルギーやバイオマス原料・燃料の使用割合を増やす必要が生じた場合には、それに伴ってコストが増加する可能性があります。また、東邦化学工業グループは、環境負荷低減製品の開発にも注力しておりますが、化石燃料由来品の使用見直し等、顧客ニーズに極端な変化が生じた場合、既存事業に大きなマイナス影響が生じる可能性があります。さらに、気候変動に対する東邦化学工業グループの取り組みが不十分とみなされた場合には、社会的信用が低下し、売上高の減少等により東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループは、各種許認可のほか、商取引、安全、環境、労働、租税などに関する様々な法規制の適用を受けております。東邦化学工業グループでは、すべての法律、規制の遵守にとどまらず、ビジネスを実践する上で遵守すべき行動原則として「東邦化学工業グループ行動規範」を制定し、この行動規範の啓蒙・教育を含め、コンプライアンス体制の構築に努めております。しかし、規制の強化や変更により、事業活動が制限されたり、対応コストが発生した場合、売上高の減少やコストの増加等により東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループは、国内外の事業活動に関連して、訴訟、係争、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあり、将来重要な訴訟等が提起された場合には、東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
東邦化学工業グループは、人材戦略を事業活動における最重要課題の一つとして捉えており、今後の事業展開には適切な人材の確保・育成が必要と認識しております。多様な人材の積極的な採用や育成を通じた最適な人材の確保、生産工程の省人化等による人的資源の有効活用に努めておりますが、適切な人材を十分に確保できなかった場合、東邦化学工業グループの事業遂行に制約を受け、または機会損失が生じるなど、売上高の減少により東邦化学工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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