NE(441a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】NEは世界的にも成長が続いているEC市場において、市場の変化に対応しつつ進化成長し続けてきたHamee株式会社から、同社のプラットフォーム事業を会社吸収分割の方法により承継し2022年8月に実質的な事業を開始いたしました。クラウド(SaaS)型ECバックエンドシステム「ネクストエンジン」をメインサービスとして、EC事業者の受注・在庫・出荷の一元管理を行うOMS(Order Management System)というニッチな分野で、年間1兆3,500億円の流通総額を築くまでに成長し、顧客基盤(契約社数)においてトップクラスの実績を築いてまいりましたが、2026年4月にNEは新たにVision「Commerce OS for the Agent Era」を定め、ニッチな分野から市場を広げるべく、「Commerce OS」となることを目指して事業を展開しております。 (1) 事業の概要(ⅰ)ネクストエンジン事業NEのメインとなるサービスで、主に自社サイトやECショッピングモール等でインターネット通販を展開するEC事業者向けに、ネットショップ運営に係る受注処理や在庫管理等の業務を可能な限り自動化すると同時に、管理システムの異なる複数のECモールのデータを自動で取り込むことで複数店舗の受注処理や在庫状況を一元管理できるクラウド(SaaS)型ECバックエンドシステム「ネクストエンジン」を開発・提供しております。ネクストエンジンは、EC事業者に対して、メール自動対応、受注伝票一括管理、在庫自動連携(各店舗の在庫数を一致させる機能)、商品ページ一括アップロード等の機能を提供し、ネットショップ運営の業務プロセスの自動化を進め、EC事業者の経営効率向上を支援するクラウド(SaaS)型システムであります。異なるインターネットショッピングモールに出店した複数のネットショップの管理を一元化したり、複数のネットショップの在庫数表示を同期させたりする機能を持つことから、特に複数のネットショップを運営するEC事業者には利点があります。ネクストエンジンには、メイン機能(標準仕様)とアプリケーション(拡張機能、以下「アプリ」といいます。)があり、ユーザーはニーズに合わせて機能を使い分けることが可能となっております。メイン機能はEC事業者の利便性に資する標準的な機能がワンパッケージで搭載されており、アプリはそれ以上の、企業ごとに異なる店舗管理や店舗運営の方法に合致させるためのオプションと位置付けられています。また、受託開発サービス、ネクストエンジンオーダーメイドにより個別企業向けの業務アプリを開発、提供しております。なお、ネクストエンジンのユーザーに対するサポート業務(問い合わせ対応等)については、コムテック株式会社に業務委託しており、NEの顧客対応チームであるカスタマーエクスペリエンス部は、顧客であるEC事業者の効率的な業務運営に資する提案等を実施することで、事業的な成功を支援するというカスタマーサクセスの思想を追求しております。ネクストエンジン事業の事業系統図は下記のとおりです。 (ⅱ)コンサルティング事業EC事業者の成長に伴走するために、ネクストエンジンで受注管理、在庫管理といったバックオフィス業務の自動化、効率化を支援する一方で、コンサルティング事業では、6,700社を超えるネクストエンジンのユーザーの日々の受注処理や在庫管理を通じて得られる多くのデータ及び店舗運営に係るノウハウに基づくECコンサルティング、EC運営代行サービスを提供することで、クライアントであるEC事業者の売上支援を行っております。具体的には、自社に所属しているコンサルタントのほか、パートナー企業やフリーランス等の外注先を活用しながら、顧客企業に対して主に下記のサービスを提供しております。なお、顧客企業については、ネクストエンジン契約企業以外も多く存在しており、コンサルティングサービスによる多店舗展開支援から、ネクストエンジン導入へとつながるケースもあります。・ECコンサルティング・EC出店・サイト構築コンサルティング・EC運営代行サービス・広告運営代行サービスまた、労働集約型のビジネスモデルからの脱却を企図し、顧客企業の自律自走による成長という新たな顧客体験を創出するための教育コンテンツ商材として、生成AIオンライン動画講座の販売を行っております。コンサルティング事業の事業系統図は下記のとおりです。 (ⅲ)ロカルコ事業当事業は地方創生の観点から、地方自治体向けふるさと納税支援サービス及び伝統工芸品のEC販売事業を展開しております。① ふるさと納税支援サービスふるさと納税事業における地方自治体の寄附受付から返礼品発送までのオペレーションが、EC事業者によるネットショップの運営とほぼ同様であることに着目し、ネクストエンジンを一部カスタマイズしたうえで業務自動化、効率化のツールとして活用が可能というNEの強みを発揮しながら、地方自治体のふるさと納税運営をサポートするサービスを提供しております。自社で保有するECコンサルティングのナレッジを活用したSEO(検索エンジン最適化)対策、メールマガジン運用、広告プロモーション等、寄附額の拡大につながるような各種の支援施策を提供するなど、業務の効率化に留まらない付加価値の創出に努めております。 なお、返礼品の発送手配、ふるさと納税ページの更新、コールセンター業務(納税者からの問い合わせ対応等)については、パートナー企業を活用しております。ふるさと納税支援サービスの事業系統図は下記のとおりです。 ② 伝統工芸品のEC販売事業NEは、2024年4月に事業譲受によって日本国内における伝統工芸品のEC事業を取得いたしました。実店舗を運営する中でEC運営に必要なノウハウを蓄積し、ネクストエンジンサービスの機能改善に活用すること、コンサルタントの経験値引き上げのために実店舗を運営する機会を社内に保持すること、ふるさと納税返礼品事業者の商品をNEが運営するEC店舗で取り扱うことで、販売機会の拡大につなげること等を目的としており、地方創生を支援するという共通の理念があることから、当該セグメントに含めております。この事業では、日本全国の伝統工芸品を製作する職人等から様々な商品を仕入れ、自社(本店)サイト、Amazon、楽天市場等のEC店舗で販売しております。 なお、ふるさと納税支援サービスについては、2026年6月12日開催の取締役会において事業譲渡を決議しており、2026年8月以降はNEの業績への寄与は無くなる見込みであります。これに伴い2027年4月期よりロカルコ事業はコマーステック事業へ名称変更いたしました。 (2) 事業の特徴(ⅰ)ネクストエンジン事業① ネクストエンジンの契約実績について2026年4月期末時点におけるネクストエンジンの契約社数は6,764社(前事業年度末比194社増)で、利用店舗数は56,891店(同3,289店増)、利用店舗の取引総額は1兆3,515億円(同1,636億円増、いずれも自社調べ)となっております。② サービス価格・営業活動についてネクストエンジンの基本料金は、ユーザーであるEC事業者の受注件数に応じた従量課金制をとっており、ユーザーの事業規模に応じた料金体系となっております。ネクストエンジン上の各種アプリにつきましては、アプリごとの定額料金制(一部従量課金制)としております。 営業活動につきましては、EC事業者向けのイベント・セミナー等へ出展・参加し、当サービスを紹介して、興味を持っていただいたEC事業者に詳細を提案するという営業スタイルを主体に、契約見込み先に対する積極的な営業(コンサルテーション)を展開し、契約の獲得に繋げております。加えて、無料体験からの成約率を高めるための組織(アカウントマネジメント部)も編成しており、組織の役割を明確にすることで少人数でも効率的に契約件数を獲得することが可能な体制となっております。また、協力事業者(ユーザー及び代理店として「パートナー制度に関する利用規約」を締結している事業者等)に代理で営業活動を行っていただき、当サービスを紹介していただく「パートナー制度」も設けております。③ サポート体制についてネクストエンジンのユーザーへのサポート業務は自社にログやノウハウが蓄積できる体制を構築したうえで顧客からの問い合わせ対応等の定型業務をアウトソーシングしております。また、従前はコールセンター業務を担っていた社員が、顧客のEC運営上の課題を把握し改善提案を行うことによって、顧客の事業成長を支援し、結果として事業撤退を理由に解約するケースを回避するなど解約率抑制に取り組むことで、継続的に顧客の事業的な成功を支援するというカスタマーサクセスの追求を行っております。④ 開発についてネクストエンジンの開発は全て自社の開発部で行っております。ユーザーと同じ目線で、ユーザーの利便性を重視したシステムにしていくため、6,700社超のユーザーからのリクエストについては、要望の多いもの、利便性向上への効果が期待できるものから優先的に機能開発に取り組むほか、ECショッピングモール側のシステム変更等に対して、事前にモール側と連携を取りながら改修をすすめ、システム変更が実施されるタイミングでNEの対応も完了できるような開発体制を構築しております。なお、受託開発サービスであるネクストエンジンオーダーメイドについては、外部の開発パートナーを活用することで開発原価を変動費化するなど、コストコントロールを徹底しております。⑤ プラットフォーム化についてネクストエンジンのAPI(注)を公開したことにより、ネクストエンジン上で自社及び外部ディベロッパーが開発した各種アプリの展開が可能となるなど、いわゆるプラットフォーム化が実現いたしました。これにより、顧客のニーズに合わせたネクストエンジンのカスタマイズが容易となり、小規模EC事業者から、大規模EC事業者まで、広範なユーザーのニーズに対応したサービス提供が可能となっております。また、ユーザーが利用している外注先の倉庫事業者に対して、自動で出荷指示データを送るといった既存のアプリとネクストエンジンを連携させることにより、ユーザーの環境に合わせた効率的なシステム運用も可能となります。加えて、ユーザーが独自に開発したアプリを、ネクストエンジン上で販売することも可能になります。(注)API(Application Programming Interface)とは、あるコンピュータプログラム(ソフトウエア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから簡単に呼び出して利用できるようにするインターフェース(窓口)のこと。ここでいうインターフェースとは、機能の呼び出し手順や記述方法などを定めた仕様を指す。APIが提供されている機能は独自にゼロから開発する必要がないため、プログラムの開発を効率的に行うことが可能になる。 (ⅱ)コンサルティング事業① コンサルティングサービスについてネクストエンジンの事業領域を受注処理や在庫管理といったバックオフィスから、商品ページの管理や広告の運営といったフロントオフィスに拡張することで、EC事業者の最強のパートナーとなることを目指し、ネットショップ運営に関する総合的なECコンサルティングサービスを提供しております。ネットショップ店長経験者、メディア運営経験者、マーケター経験者など各分野においてスペシャリティーを発揮する自社所属のコンサルタントがチームで顧客のEC事業者を総合支援し、楽天市場、Yahoo!ショッピング、AmazonなどのECモールから自社サイトまで幅広く対応することが可能となっているほか、ネクストエンジンを使った効率的な受注運営代行も強みとなっております。② サービス価格・営業活動についてWEB広告等の媒体から流入する見込み顧客に対して、戦略策定、施策提案、やるべき事とその優先度が分かるレポートを無料で提供する1か月間のお試し期間を経て、担当コンサルタントによるフォローアップによって正式契約へと繋げるよう営業活動を展開しております。 なお、サービス価格(コンサルティング料金)は月額60,000円からとなっており、規模の小さいEC事業者でも導入しやすい価格設定となっております。また、生成AIオンライン動画講座の販売については、自社営業担当による取引先開拓のほか、パートナーの活用により顧客の獲得に努めております。 (ⅲ)ロカルコ事業① ふるさと納税支援サービスについて地方自治体向け、ふるさと納税運営の業務受託サービスとして、「寄附拡大」と「業務効率化」の二つの側面で全国の自治体に対して付加価値を提供しております。寄附拡大については、ふるさと納税サイトのトップページ編集、バナー設置、返礼品画像編集等の掲載情報の充実化や、SEO(検索エンジン最適化)対策、メールマガジン運用、広告プロモーション等のECコンサルテーション、返礼品の開発等、外部の業務委託先とも連携した幅広いサポートが可能となっております。業務効率化については、ネクストエンジンを活用した受注管理業務の自動化、カスタマーサポート業務の受託、寄附者への郵送書類の作成と発送等、地方自治体の業務負荷の低減に資するサービスを、外部の業務委託先とも連携して提供しております。② サービス価格・営業活動についてサービス価格は契約自治体への寄附額に対して一定の料率を乗じる料金体系を基本としております。また、寄附者への郵送書類の作成については、作業数量に応じた従量課金制も一部採用しております。営業活動につきましては、NE営業担当者による訪問といった営業活動が中心となっており、合わせて各自治体において実施される、ふるさと納税支援事業者を選定するプロポーザル(自治体が発注先企業を選ぶための方法の1つで、複数の企業の中から最も優れた提案をした企業を契約の候補者として選定する方式)実施情報を入手し、プロポーザルに参加するという方法で契約の獲得に努めております。③ サポート体制についてふるさと納税支援サービス契約自治体へのサポート業務は、自社及びノウハウを有するパートナー企業等へのアウトソーシングにより提供しております。ふるさと納税の特性上、年末に業務が集中する傾向にあるため、閑散期の業務量をベースに自社リソースを確保し、繁忙期にアウトソーシングを活用することで、固定費の圧縮に努めております。④ 伝統工芸品のEC販売事業について「ロカルコストア」の名称で、日本全国の伝統工芸品を仕入れ、自社(本店)サイト、Amazon、楽天市場等のEC店舗で販売する一般的なEC事業であります。既存の伝統工芸品のほか、自社企画によりアレンジした工芸品を製作、OEM供給いただくなど、商品開発にも注力しております。なお、店舗運営には自社のクラウド(SaaS)型ECバックエンドシステム「ネクストエンジン」を使用して、効率的な店舗運営を行っております。
有価証券報告書(2026年4月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、NEが判断したものであります。 (1) 経営方針NEは、「EC事業者のデータがAIに正しく読まれなければ、どれほど優れた商品も選ばれない」という課題認識のもと、自社の役割を再定義し、新たなVision「Commerce OS for the Agent Era」およびMission「Build the Invisible Engine」を策定いたしました。Vision「Commerce OS for the Agent Era」に従い、あらゆるEC事業者が消費者に向けて磨いてきた「商品への想い」や「細部へのこだわり」等の定性的な価値をAIエージェントが正しく評価できる「信頼できるデータ」へと翻訳する、エージェント時代の「Commerce OS」となることで、EC事業者の受注・在庫・出荷の一元管理を行うOMS(Order Management System)というニッチな分野から脱却し、市場の拡大を図ってまいります。NEはAIそのものを開発するのではなく、AIエージェントによる購買行動という新しい標準を支える基盤、業務データ・API・実行プロセスを「Commerce OS」として提供してまいります。また、Mission「Build the Invisible Engine」によって、顧客がシステムを使っていることを意識させず、EC事業者が「作る・選ぶ・届ける」という本来の喜びに集中できるよう、すべての業務インフラを見えない形で支える土台を築くことを目指しております。さらに、上記VisionとMission追求の土台となるNECultureを「コマースに熱狂を。Love Commerce.」とし、全社共通の価値観として、以下の3つの行動指針を定めております。① IGNITION「いいね。」“好奇心”と“向上心”をエネルギーに走り出します。② SPRINT「たのしもうね。」挑戦と学びを繰り返します。③ HIGH FIVE「ありがとね。」互いに手を取り合うことで大きな目標を達成します。 (2) 経営環境2025年8月に経済産業省が公表した「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2024年における物販系分野のBtoC-EC市場(注)1規模は、前年の14兆6,760億円から5,434億円増加し、15兆2,194億円となりました。前年比増加率は3.70%と、エネルギー価格の高騰、物価高、円安等のネガティブ要因を背景にして、2020年、2021年の新型コロナウイルス感染症の影響を受けた拡大と比べると伸び率は緩やかになりましたが、引き続き底堅く推移しております。EC化率(注)2は前年比0.40ポイント上昇の9.78%と、コロナ禍で一気に高まった2020年に比べても1.70ポイント伸長しており、EC市場は引き続き拡大しております。 (注)1.BtoC-EC市場:一般消費者向けのインターネット通信販売市場を指します。 2.すべての商取引金額(商取引市場規模)に対するEC取引金額(EC市場規模)の割合を示す指標です。 物販系分野のBtoC-EC市場規模は、NEのネクストエンジン事業におけるユーザーの社数といったストック指標及び受注処理件数といったトランザクションのボリュームを通じて、また、コンサルティング事業における受注獲得の観点からも、業績に直接的な影響を及ぼすため、市場規模の拡大はNEの事業成長にとって非常に重要となります。BtoC-EC市場について、今後も堅調な成長が見込まれていることから、NEにとって事業規模拡大の機会が当面続くものと考えております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略NEは、主要なKPIをネクストエンジンの「総契約社数」と「ARPU(注)1」と設定し、自社でコントロールが可能な「総契約社数」を重要指標として追求してまいりましたが、ネクストエンジンの基本利用料を2023年6月に引き下げたことに伴い、顧客構成として、ネクストエンジンを通じたEC流通額が小規模な事業者も増加傾向にあると認識しております。ネクストエンジン事業の持続的な成長を実現するため、より重要な指標をARPUと位置づけ、今後ARPUの向上を意識した施策を実施してまいります。具体的には、顧客企業の独自の事業運営に合わせたネクストエンジンアプリの受託開発「ネクストエンジンオーダーメイド (注)2」を、より広範囲の顧客に対して提供するための取り組みである「NE STUDIO」の拡販、コンサルティング機能を活用したTier(取引先における月間受注処理件数の規模別階層)別の伴走での顧客EC事業者の売上拡大支援によるネクストエンジンを通じた受注処理件数の拡大、韓国のECプラットフォームを運営するCafe24 Corp.との協業による、越境EC支援でのGMV連動課金の拡大、等でARPUの向上を目指します。また、EC事業者のコミュニティー組成等に取り組み、顧客同士が成功体験を共有し合うなど相互に有用な情報交換を促すことで、自律的な事業成長につながる場を提供するという、間接的な成長支援にも注力してまいります。結果としてコンサルティングサービスによって顧客であるEC事業者のフロントエンド(売上拡大)を支援し、ネクストエンジンでバックエンド(業務効率化)を支援するという、NEの保有する企業アセットを活用して持続的な成長を実現してまいります。また、2024年4月に事業譲受により取得した伝統工芸品のEC販売事業は、今後日本の伝統工芸品や食品等、日本文化の発信基盤となることを目指しておりますが、将来的には、新規事業として機能開発に取り組んだBtoB卸売マーケットプレイスを包含した「グローカル・コマースプラットフォーム (注)3」を確立し、ネクストエンジンとコンサルティング機能でEC事業者を含む全てのコマース事業者を支援するという企業アセットを活用しながら、NE事業領域(事業ドメイン)をグローバルへと拡張する方針としております。(注) 1.ネクストエンジンのARPUは、ネクストエンジンに紐づく月次の総売上(メイン機能、アプリ売上、ネクストエンジンオーダーメイド売上等)を月末時点のネクストエンジン総契約社数で除して求めます。2.顧客企業の独自の運営に合わせたネクストエンジンアプリを受託開発するサービスです。3.NE事業が目指す方向性「グローバル(世界的な)とローカル(地方的な)を結びつけるプラットフォーム」を体現する造語です。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の事業展開において更なる事業拡大・成長を目指すに当たり、以下の課題を認識しております。NEは、これらの課題に迅速に対処してまいります。 ① 優秀な人材の確保と働きやすい環境の整備継続的な成長の原資である人材は、NEにとって最も重要な経営資源と認識しております。NEのサービス開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。NEにおいては、デザイナー、開発エンジニア等のクリエイティブ人材を継続的に採用し、サービスクオリティの向上、開発スピードの向上等によって、ユーザーのニーズに対応していくことが重要であります。 コロナ禍を経てテレワーク等多様な働き方に対するニーズは一定存在するものの、NEはリアルでのコミュニケーションの重要性について再認識したことから、週4日の出社と週1日のテレワークを原則とする方針を採用いたしました。なお、2025年1月に移転した新オフィス(現本社)における社員の働きやすさ、生産性の維持向上、快適性の向上等を果たすため、2026年5月より増床を実施いたしました。引き続き優秀な人材確保のための環境の整備に取り組んでまいります。 ② コーポレートガバナンスの高度化 NEは2024年8月16日開催の臨時株主総会決議により、監査役会設置会社となりましたが、一層のコーポレートガバナンスの高度化を実現するため、社外取締役及び監査役会による監督機能の強化や、取締役会の活性化に努めるなど、より高度なガバナンス体制の構築を目指し、コーポレートガバナンスの透明性及び客観性を維持向上できるよう対応してまいります。 ③ コンプライアンス体制の維持向上 近年、企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。NEでは、コンプライアンスマニュアルの制定、コンプライアンス担当役員の選任、法務部門の設置等、コンプライアンスを徹底する体制の強化を実施しておりますが、お客様からの信頼性向上のため、今後も社内教育を通してコンプライアンス体制の維持向上を図っていく方針であります。 ④ ESGの推進 NEは、NEのメインサービスであるネクストエンジンの拡大により、消費者に多様なEC消費の機会をもたらし、ECに関わる事業者に「あそび」のある時間をもたらす、SDGsの目標8『働きがいも経済成長も』及び同9『産業と技術革新の基盤をつくろう』に繋がる取り組みを行っています。しかしながら、ESGに関するマテリアリティ(重要課題)の特定や、アクションプランの公表等の取り組みについては不十分な側面もあると認識しているため、今後ESGの推進を強化してまいります。 ⑤ ネクストエンジン契約拡大のための継続的な取り組み ネクストエンジンは主として併売(多店舗展開)をするEC事業者から支持されているサービスであり、6,700社を超える顧客にご利用いただいています。 今後も引き続き、以下の取り組みを推進し、顧客におけるEC事業の成長支援を通じて、総契約社数の拡大を目指します。・無料インバウンド強化のためのプロモーション活動・コールセンター業務をアウトソースするパートナーとの連携強化と、自社サポート体制の充実化によるオンボーディング強化及びそれに伴う解約率の低減・スムーズなデータ連携とEC事業者の作業時間短縮化・豊富なAPIの開発による他社サービスとの連携幅の更なる拡大・AI機能の実装によるEC事業者の更なる利便性の向上 ⑥ D to A(Direct to Agent)へのビジネスモデルの転換AIの利用拡大に伴い、消費者がECモールで商品を探して買う従来型のEC商流に加え、AIエージェントが消費者に代わって商品を探し、比較し、推奨し、購入を支援するという、エージェンティック・コマースが世界的に拡大しています。ECの在り方が大きく変わろうとする中、EC事業者の成長を支援するうえで、エージェンティック・コマースへの対応はNEとして重要な課題であると認識しております。従来は、SEO(検索エンジン最適化)、広告、レビュー等、いかに消費者に商品を見つけてもらうかが重要でしたが、エージェンティック・コマースにおいては、商品の価値をAIが正しく理解できるデータを提供することが重要となります。 ネクストエンジンは、顧客であるEC事業者とその商品が本来的に有する価値を、AIが読み取れるデータに変換すると同時に、18年間の運営で培ったECバックオフィス業務の実行能力によって、顧客のビジネスが回り続けるように支える「Commerce OS」になることを目指してまいります。これにより、AIエージェント経由の取引額に連動する「GMV(流通総額)連動収益」の獲得というD to A(Direct to Agent)へのビジネスモデルの転換を実現してまいります。 ⑦ 市場環境に左右されない強固な顧客基盤の構築 前事業年度と同様に下記の経営環境の変化が続いていると認識しております。(a)EC市場における構造変化 コロナ禍でEC業界へ進出する事業者が増加したものの、プレーヤー増加による競争環境の激化によって、ブランド力や財務的に余力のあるEC事業者と、そうでない事業者との間の格差が広がり、業界として二極化が進んでいる。(b)地政学リスクの高まりを背景にした消費行動の停滞 コロナ禍で進んだ消費行動のデジタルシフトに始まり、自粛期間終息後のモノ消費からコト消費(旅行やイベントなど)へのシフトなど、様々な要因の影響により消費行動が変容する中、直近においては地政学リスクの高まりに起因するエネルギー価格や物価の高騰に伴い、EC市場における消費者の購買力が低下している。(c)EC事業者の喫緊の経営課題のシフト 上記を背景に、EC事業者の経営上の優先課題がバックオフィス業務の効率化から、売上極大化及び利益の確保へシフトしており、機能が充実した各種の業務効率化サービスの導入よりも、コスト重視の特定機能に特化したライトな仕組みを選択する事業者が一定数存在している。 これらの状況を踏まえ、ネクストエンジンが更なる成長加速を目指すために、従前の併売(多店舗展開)をするEC事業者に対する強みを発揮するだけではなく、小規模事業者を含む全てのコマース事業者に伴走し成長を支援するようなサービスを拡張・充実させることで、顧客基盤を強化し、総契約社数の更なる拡大を目指します。 ⑧ 好循環なビジネス構造の実現 また先述の強固な顧客基盤の構築においてアプローチする小規模事業者へ、その興味関心である「売上拡大」という課題に対し、また中規模事業者であっても同様の課題を持っている事業者に対して、コンサルティング事業による制作、ECコンサルティング等を提供、またネクストエンジンの初期設定代行をコンサル事業が行う等シナジーを更に追求し、フロントと管理両面に対して、一体化されたサービス体制を構築し、ロングタームで顧客成長を伴走できるプラットフォームへ成長するべく、「好循環なビジネス構造」の実現を目指していきます。 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等NEの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、EBITDA(利払前、税引前、減価償却前利益)であります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】以下において、NEの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも特に重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断のうえで、あるいは事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。NEは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針ですが、NEの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、以下の記載における将来に関する事項については、本書提出日現在においてNEで想定される範囲で記載したものであります。また、以下の記載はNE株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。 (1) ビジネスモデルについて(発生可能性:中 / 発生時期:特定時期なし / 影響度:大)NEにおける事業は、主としてECに関連する事業であるため、EC関連市場が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。AI利用の拡大に伴うエージェンティックコマースの一般化等、チャネルの多角化を含め、今後もEC関連市場は拡大するものと見込んでおりますが、仮に新たな法的規制の導入、通信環境やセキュリティ対策等の技術進歩が市場のニーズに追いつかなくなるなど技術革新の遅れ、利用料金の改訂を含む通信事業者の動向、想定どおりにエージェンティックコマースが拡大しないなど、予期せぬ要因によりEC関連市場の発展が阻害される場合には、NEの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(2) インターネットモールにかかる影響について(発生可能性:中 / 発生時期:特定時期なし / 影響度:大)NEの事業においては、日本の代表的なECモールである楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、ECインフラともいうべき企業の運営方針の影響を受けます。NEネクストエンジンのユーザーであるEC事業者は、複数のECモールへの出店や、自社ドメインサイトの運営などにより、多店舗展開することで販売機会の最大化に努めており、運営する全ての店舗を効率的に一元管理するためにネクストエンジンを活用しています。今後、ECモールが同一企業による複数店舗の出店を禁止するなどした場合や、特定のモールが独占的な地位を占め、当該モールへの出店が集中するなど、EC事業者にとって多店舗展開の効果が減退した場合、ネクストエンジンを利用する顧客が減少するなど、NEの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。(3) システムトラブル等について(発生可能性:中 / 発生時期:特定時期なし / 影響度:大)NEの事業は、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワーク及びNEが提供しているシステムに依存しております。このため、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合、またはサイトへのアクセスの急激な増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムにトラブルが生じた場合、NEの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、NEのコンピュータシステムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、それらの手段で対応できないコンピュータウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害等が生じた場合、NEの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。(4) ネクストエンジンの不具合について(発生可能性:中 / 発生時期:短期 / 影響度:大)NEが運用しているネクストエンジンは、NE売上高の7割以上を占める主要サービスであるとともに、コマーステック事業(ふるさと納税支援事業の事業譲渡に伴いロカルコ事業から名称変更)やコンサルティング事業においても顧客に対するサービス用のツールとして活用しております。NEは、ネクストエンジンの運用に支障が生じないよう、システムの保守や管理に努めておりますが、何らかの理由によりネクストエンジンに不具合が生じた場合、NEにおける主要なサービスの提供が困難になると同時に、他の事業の運営が滞るなど、NEの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。(5) 法的規制について(発生可能性:低 / 発生時期:特定時期なし / 影響度:中)NEは「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「不正競争防止法」、「消費者契約法」、「個人情報の保護に関する法律」、「商標法」、「著作権法」等による法的規制を受けております。NEでは、管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しておりますが、これらの法令に違反する行為が行われた場合、法令の改正または新たな法令の制定が行われた場合には、NEの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 人材の採用・育成について(発生可能性:高 / 発生時期:短期 / 影響度:中)NEは、企業規模の拡大に伴い、継続的に優秀な人材の維持と拡充が必須であると認識しております。NEの競争力向上に当たっては、新卒採用に比重を置いたうえで、一定以上の水準を満たす成長ポテンシャルの高い人材を適切に採用するとともに、人材の育成に積極的に努めていく方針であります。しかしながら、NEの採用基準を満たす優秀な人材の確保が計画どおりに進まなかった場合や、人材育成が計画どおりに進まなかった場合、また既存の主要な人材が社外に流出した場合には、NEの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(7) 訴訟などに関するリスク(発生可能性:低 / 発生時期:特定時期なし / 影響度:中)NEは、現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、NEの過失によるネクストエンジンのシステム障害などで顧客の業務が滞り、顧客に機会損失が発生した場合には訴訟を受ける可能性があります。NEは、ネクストエンジンの運用に支障が生じないよう、システムの保守や管理に努めておりますが、完全にそのリスクを排除できる保証はなく、発生した訴訟の内容及び結果、損害賠償の金額等によってはNEの事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。(8) 特定のサービスへの依存について(発生可能性:高 / 発生時期:短期 / 影響度:大)NEの主力サービスは、EC事業者向けのクラウド(SaaS)型ECバックエンドシステム、ネクストエンジンであります。EC業界におけるネットショップ管理システムのニーズは底堅いため、継続した機能強化に努めておりますが、ECモールの寡占化が進んだ場合や、EC業界においてネットショップ管理システムの需要が減退した場合、NEシステムが陳腐化した場合、また、価格やサポート体制等の総合的なサービス内容が他社と比して著しく劣るような状況となった場合、他社システムへの乗り換えに伴う解約の増加により売上が減少するなど、NEの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。(9) 顧客情報の保護について(発生可能性:低 / 発生時期:特定時期なし / 影響度:大)NEは、ネクストエンジンのサービス運用をはじめ、コンサルティング事業、コマーステック事業(ふるさと納税支援事業の事業譲渡に伴いロカルコ事業から名称変更)の各事業を運営するに当たって、顧客が保有する取引先情報・機密情報を預かる、又は直接的に顧客情報を取得することがあります。NEが保有する場合はもちろん、顧客の保有する情報を預かる際には各サービスの利用規約に基づき適切な管理を行っておりますが、顧客データの取り扱いにおける人的過失、従業員の故意等による顧客情報の漏洩、消失、不正利用等が発生した場合、信用の失墜を招き、さらには損害賠償による経済的損失が発生するなど、NEの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。(10) 配当政策について(発生可能性:低 / 発生時期:特定時期なし / 影響度:小)NEは、株主に対する利益還元と同時に、健全な財務体質及び競争力の強化を経営上の重要課題として位置付けておりますが、健全な財務基盤を活かし、更なる事業成長のための投資(人材に対する投資、ネクストエンジンの重要KPIであるARPU向上に向けた事業開発のための投資、顧客基盤拡大のためのマーケティング投資、キャッシュフロー創出力を活かしたM&A投資等)を実行することが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えることから、当面の間は無配とし、事業拡大のための投資を積極的に行う方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。(11) ストックオプションの行使による希薄化について(発生可能性:低 / 発生時期:中期 / 影響度:小)NEでは、役員及び従業員に対するモチベーション向上等を目的として新株予約権を付与しており、本書提出日現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は2.19%となっております。また今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。これらの新株予約権が行使された場合、発行済株式総数が増加し1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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