杏林製薬(4569)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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杏林製薬(4569)の株価チャート 杏林製薬(4569)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

杏林製薬グループ(杏林製薬及び杏林製薬の関係会社)は杏林製薬、子会社2社及び関連会社1社の計4社により構成されており、主な事業内容は次のとおりであります。

 

(医薬品事業)

杏林製薬㈱は医薬品の製造販売等を行っております。医薬品原材料の一部については関連会社である日本理化学薬品㈱より仕入を行っております。

キョーリン リメディオ㈱は、医薬品の製造販売等を行っております。

キョーリン製薬グループ工場㈱は、医薬品の製造及び試験等を行っております。

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと下記のとおりであります。

 


 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

杏林製薬グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において杏林製薬グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

杏林製薬グループは、企業理念として「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を遂行します。」を掲げています。その具現に向けて、10年後の創業110周年に向けた長期ビジョン「Vision 110」を策定いたしました。目指す姿は「医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業」とし、その実現を目指します。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題

杏林製薬グループは、社内外ともに事業環境が劇的に変化する中、中核会社である杏林製薬㈱の創業100周年を迎えた2023年を機に長期ビジョン「Vision 110」を策定し、2023年度より、その第1段階である中期経営計画「Vision 110-Stage1-」を開始しました。

 

①長期ビジョン「Vision 110」(2023年度~2032年度)について

医療ニーズに応える価値の高い新薬を継続的に提供する新医薬品事業を中核に据え、健康関連事業を複合的に展開し、人々の健康に幅広く貢献する企業を目指します。

 

②中期経営計画 「Vision 110-Stage1-」(2023年度~2025年度)について

長期ビジョン「Vision 110」は、最終年度までの期間を3つのステージ(Stage1:2023年度~2025年度、Stage2:2026年度~2029年度、Stage3:2030年度~2032年度)に分け、その第1段階である中期経営計画「Vision 110-Stage1-」では、Statementに「Vision 110の実現に向けた事業体制への変革」を掲げ、以下の5つの事業戦略を推進し、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上を目指します。

事業戦略

a.医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出力強化

b.導入による開発パイプラインの拡充

c.新薬比率の最大化

d.新医薬品事業と相乗効果のある健康関連事業の推進

e.持続可能な企業基盤の構築

 

成果目標(2025年度)

a.数値目標(連結ベース)

成長性:「売上高」年平均成長率+2%以上

収益性:「研究開発費控除前営業利益(営業利益+研究開発費)」対売上高16%以上

b.資本政策と株主還元

資本政策においては、健全な財務基盤を維持しつつ、常に資本コスト・資本収益性を意識した上で、成長投資と株主還元を通じて、資本効率の向上を図ることを基本方針とします。株主還元については、DOE(株主資本配当率)を勘案して、安定した配当を継続します。

詳細は、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」をご覧ください。

 

 

[中期経営計画「Vision 110-Stage1-(2023~2025年度)」の進捗と2024年度(2025年3月期)の取り組み]

中期経営計画「Vision 110-Stage1-」の初年度である2023年度は、長期ビジョンの実現に向けた事業体制への変革を行うべく、経営方針に「事業体制の刷新と新たな取り組みによる成長」を掲げ、事業活動として①創薬体制の刷新 ②パイプラインの拡充 ③新薬の普及最大化 ④コスト競争力の向上に積極的に取り組みました。

創薬体制の刷新では、外部の創薬シーズや技術導入を目的としてわたらせ創薬センターに研究企画部及び基盤研究所を新設しました。疾患研究から見出された新規作用機序による創薬に加えて、革新的な技術により新たな価値を創出する創薬に取り組むとともに、これまで注力してきた低分子創薬のみならず、核酸創薬などの革新的な技術の活用を目的として外部機関へ積極的にアプローチしました。さらに研究領域としては、肺線維症、疼痛、自己免疫疾患の3領域に注力して創薬研究に取り組むこととしました。2024年度は、これらの取り組みをさらに進め、価値の高い新薬を生み出す創薬イノベーションに挑戦していきます。

臨床開発プロジェクトの進捗状況としましては、間質性肺疾患治療薬「KRP-R120」の第Ⅲ相臨床試験及び過活動膀胱治療薬「KRP-114VP」の第Ⅰ相臨床試験が着実に進展しました。また耳鳴治療用アプリ「KRP-DT123」について、医療機関による特定臨床研究が2023年9月に開始されました。

パイプラインの拡充では、導入品獲得力の強化を目的とした事業開発本部を新設し、組織改革を行うとともに人的資源を拡大・投入しました。新規導入品の獲得に向け、導入対象とするモダリティ・疾患領域を拡大するだけでなく、導入品の評価・獲得スピードの向上に努めましたが、2023年度は契約には至りませんでした。2024年度は、これまで強化してきた組織機能を発揮して、複数品目の獲得を目指します。

新薬の普及最大化では、薬価改定(中間年改定)が実施されたものの、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に移行したこともあり、患者さんの受診行動が同感染症拡大前の水準に回復し、医療用医薬品市場は一定の成長を見せました。杏林製薬においては、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」、咳嗽治療薬「リフヌア」の早期市場浸透に注力するとともに、喘息治療配合剤「フルティフォーム」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の普及の最大化に努め、新医薬品等(国内)の売り上げは、前期比10.4%増となりました。中期経営計画では新薬比率の最大化を事業戦略の一つとしており、2024年度も新薬5製品の成長加速に最大限、注力することにより新薬の普及最大化を図ります。

コスト競争力の向上としては、本社の移転等を実行するとともにグループ会社全ての部門においてコストを徹底的に削減する取り組みを進めました。また人的資本の充実に向け、新たな人事制度への改定、人材育成、多様な考え方に応える働き方改革などを推進するとともに、環境、コンプライアンス、コーポレート・ガバナンスへの対応にも積極的に取り組みました。引き続き、持続可能な企業基盤の構築を目指し、様々な施策に取り組みます。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

杏林製薬グループにおきましては、薬事行政の下、薬機法をはじめとする医薬品の開発、製造、流通等の諸規制及び海外における各国の各種規制を遵守して事業を推進しております。しかしながら、関係法令の大幅な改定や医療制度改革、市場環境の急激な変化、大規模な自然災害などの要因により、経営成績及び財務状態に重要な影響を与えるリスクがあると認識しております。

当該リスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。杏林製薬グループでは、これらのリスクに関し、組織的・体系的に対処することとしておりますが、影響を及ぼすリスクや不確実性はこれらに限定されるものではありません。

リスク管理体制につきましては、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 a.内部統制システム及びリスク管理体制等の整備状況 ロ」に記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において杏林製薬グループが判断したものであります。

 

<価値創造に関するリスク>

(1)研究開発に関するリスク

医療用医薬品の開発には、多額の研究開発投資と長い期間が必要なうえ、開発候補品が医薬品として上市できる確率も決して高くはありません。開発候補品に安全性の問題が生じたり期待する有効性が確認できない等の理由で、開発遅延や開発中止となった場合、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは、医療ニーズに応える価値の高い新薬の創出力を強化するとともに、導入品獲得力の大幅な強化により、開発パイプラインの拡充に努めております。

 

(2)安定供給に関するリスク

杏林製薬グループの製品及び原材料の一部は、特定の取引先にその供給を依存しており、想定外の事象の発生により製造活動や仕入が遅延又は停止した場合、製品の安定供給に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、医薬品は各種法規制の下で製造しておりますが、取引先等における品質管理等に問題が発生し製品の回収等を行うことになった場合、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは製品の安定供給のため、一定量の製品及び原材料を確保するとともに、製造委託先との生産計画や在庫調整、調達先の複数化や代替先の開拓に努めております。また、高岡に新工場を建設し医薬品生産能力の強化を図ります。品質管理については、信頼性保証を取り巻く環境に迅速かつ確実な対応を推進し、薬事に関する法令遵守体制の強化を図っております。

 

(3)医療制度改革に関するリスク

日本国内におきましては、医療用医薬品の薬価改定を含む医療制度改革が実施されており、予測可能な範囲を超えた薬価改定や医療保険制度の改定が実施された場合、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは、新薬比率の最大化により収益力の向上を図るとともに、医薬品製造原価の低減やグループ全体のコスト適正化によりコスト競争力の向上を図っております。

 

(4)アライアンスに関するリスク

杏林製薬グループでは、外部資源の有効活用を目的としてアライアンス戦略を推進し、国内外の製薬企業等と技術導出入・販売委受託・共同販売・共同研究等の事業提携を行っており、これらの提携関係を解消することになった場合または提携先における事業戦略若しくは事業環境に大幅な変化が生じた場合、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは、提携先の事業戦略や研究開発動向をふまえた関係性の向上を図り、継続的提携関係の維持・発展に努めております。

 

 

(5)他医薬品との競合に関するリスク

医薬品市場の競争環境は厳しく、同領域の他社製品との競合や先発医薬品の特許切れ後のジェネリック医薬品の参入、高い技術力を活かした他業種からの参入等が激化した場合、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループは、FC(フランチャイズカスタマー)戦略をベースとして、ソリューション提供型営業(課題解決策の提案)による新薬の普及最大化を中期経営計画の重点戦略に掲げ、積極的に活動を展開しています。また、後発医薬品事業では、オーソライズド・ジェネリックの製造・販売を中心に、杏林製薬グループの特色を活かした事業展開を図っております。

 

(6)副作用発現に関するリスク

医薬品の開発段階での臨床試験は、限られた被験者を対象に実施されておりますが、市販後に予期せぬ重篤な副作用が発現した場合、使用方法が制限される可能性や場合によって販売を中止する可能性があり、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループは医薬品の市販後に安全性情報を幅広く収集・分析し、適正情報を医療現場に迅速に提供しております。

 

(7)知的財産権に関するリスク

杏林製薬グループの事業活動が他社知的財産権を侵害した場合、また、第三者による杏林製薬知的財産権の侵害により被害を受けた場合に、事業の中止・係争等により、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害にも継続的に注意を払っております。

 

<価値創造を支える基盤に関するリスク>

(1)ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク

杏林製薬グループでは、業務上ITシステムを多数利用しており、機密性の高い情報や個人情報を取り扱っております。システムの不備やコンピューターウイルス、サイバー攻撃等の要因により、オペレーションの停止や情報の流出のリスクがあり、予期せぬ業務の妨害や情報等の外部流出により社会的信用を著しく毀損した場合、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは、ITセキュリティサービスの導入、定期的データバックアップの実施、ならびに各種情報管理規程を制定し従業員の教育をすることでITセキュリティ対策、情報管理体制の構築を図っております。

 

(2)人的資本に関するリスク

杏林製薬グループは、人材の成長こそ事業の強化を支える原動力と考え、事業戦略を遂行し成果を具現化する重要課題としておりますが、人材獲得競争の激化や労働環境の急激な変化等により、優秀な人材や女性を含む人材の多様性を確保できない場合、事業活動の成長の停滞により、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは、社員と会社は相互の利益を実現するパートナーであるという基本的考えのもと、人材マネジメントシステムの適切な運用を図っております。また、「女性活躍の推進」等に取り組み、多様な価値観を尊重した働き方改革の推進を積極的に図っております。

 

(3)訴訟に関するリスク

杏林製薬グループの国内外での事業活動において、特許等の知的財産権、製造物責任(PL法)、環境保全、労務などに関連する訴訟リスクがあり、これらに関連する訴訟が提起された場合、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは事業活動を行う過程において、専門家の助言を踏まえながら適切な対応を行っております。

 

 

(4)環境問題に関するリスク

杏林製薬グループは環境に配慮した事業活動を行っておりますが、事業活動を行う過程において万が一の事故等により関係法令等の違反が生じた場合、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは、環境・安全衛生に関して、関係法令等の遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定してその達成に努めております。また、環境マネジメントシステムと労働安全衛生マネジメントシステムを統合し、杏林製薬グループ全体でEHS活動を推進しております。特に気候変動対策については重大な課題の一つとして捉えており、環境委員会を設置し、グループ一体で環境への影響に配慮した事業活動を行っております。

 

(5)大規模災害等に関するリスク

地震、台風などの大規模な自然災害、火災などの事故及びインフルエンザ、新型コロナウイルス等のパンデミックが発生した場合、杏林製薬生産子会社であるキョーリン製薬グループ工場㈱や調達先等において工場の閉鎖・操業停止が考えられ、工場の閉鎖・操業停止が長期間に及ぶ場合、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは、大規模災害等に備え、各種対応マニュアルを作成し、訓練を実施しております。また、製品の安定供給の観点から一定量の製品在庫を確保しております。

 

(6)金融市場の変動に関するリスク

為替相場の変動により、輸出入取引において杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に影響が生じます。想定を上回る金融市場の変動があった場合、仕入れ価格の高騰、年金資産額、退職給付債務額、保有する株式評価額等の変動等により、杏林製薬グループの経営成績及び財務状態に重要な影響を与える可能性があります。

杏林製薬グループでは、経営計画立案の段階で金融市場動向を確認し、為替・金利水準の見直しを行うことで金融市場の変動に対応しております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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