デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(4576)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所及び連結子会社日本革新創薬株式会社(以下、「JIT」)の2社で構成されており、プロテインキナーゼ(*)阻害剤(*)を中心とした医薬品の研究開発を行い、開発品を製薬会社等にライセンスアウトすることによって収益を獲得する創薬事業を展開しております。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループ事業の系統図は以下のとおりです。 (1)創薬事業について① 新薬開発の流れ 一般的に新薬の開発に際しては、基礎研究、非臨床試験、臨床試験、厚生労働省(あるいはアメリカ食品医薬品局(FDA)等の各国の医薬品許認可審査機関)への製造(輸入)承認申請、医薬品としての承認取得、薬価申請・収載を経て販売が開始され、患者様へ提供することが可能となります。このうち基礎研究活動は、新薬候補化合物の合成、スクリーニング(*)、スクリーニング毒性(*)の手続により実施されます。前述の基礎研究活動が終了した後、人に対する臨床試験の前に医薬品として満たすべき条件を、実験動物を用いて副作用及び安全性、安定性の検証を行う非臨床試験によって検証します。その後の臨床試験は、第Ⅰ相臨床試験、第Ⅱ相臨床試験、第Ⅲ相臨床試験の段階をもって実施されます。(下図参照) ② 創薬事業の概要 通常、新薬の研究開発過程において、非臨床試験から臨床試験へと開発が進捗するにしたがって、開発コストは大幅に増加し、また一定規模以上の自社臨床開発体制が必要となります。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、研究開発活動の結果として、比較的早期の開発段階において開発品を製薬会社等へライセンスアウトしておりますが、これにより、臨床開発の推進に強みを持つ製薬会社等が開発を行うこととなり、自社での開発を継続する場合に比べて、低コストでの開発体制を維持できます。 このように、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの創薬事業の特徴は、一般的な医薬候補品を開発するベンチャー企業に比べ、比較的早期の研究開発段階においてライセンスアウトが達成される点にありますが、これは、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループが基礎研究推進における独自の技術力を有していることと、その技術を基礎研究段階において十分に活用することにより効率的な研究開発が行われていることが要因と考えております。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの売上高は、主にライセンスアウト時に受領するフロントマネー収入、臨床開発進行に伴いその節目毎に受領するマイルストーン収入、製品上市(*)後販売額の一定比率を受領するロイヤリティ収入等によるものです。既に保有する開発パイプラインの多くは製薬会社にライセンスアウト済みであり、複数の製品が上市されております。これらのフロントマネー収入、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入等を新規開発プロジェクトに投入することによって、次なる新規開発品の開発を進めております。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの主な売上高は、以下のもので構成されております。売上高内容フロントマネー収入ライセンスアウト時に受領する収入。契約締結時に発生するため、契約一時金とも言う。マイルストーン収入臨床開発進行に伴いその節目毎に受領する収入。ロイヤリティ収入製品上市後販売額の一定比率を受領する収入。特許を実施する際に得られる収入のため実施料、ライセンス料とも言う。 ③ 開発パイプラインについて 現在、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループが保有する開発パイプラインは以下のとおりです。(イ)上市品製品名等対象疾患地域ライセンスアウト先ILM-BlueⓇ、TissueBlue™(注)ブリリアントブルーG内境界膜染色欧州・米国等DORCMembraneBlue-DualⓇ(注)ブリリアントブルーG/トリパンブルー内境界膜、網膜上膜及び増殖硝子体網膜症における増殖膜染色欧州等グラアルファⓇ配合点眼液リパスジル塩酸塩水和物/ブリモニジン酒石酸塩緑内障・高眼圧症(*)日本・アジア興和(注)12月に米国以外の特許が満了し、該当国のロイヤリティは終了いたしました。 (ロ)開発パイプライン開発コード等対象疾患開発段階地域ライセンスアウト先K-321リパスジル塩酸塩水和物フックス角膜内皮変性症(*)第Ⅲ相臨床試験米国、欧州等興和DW-1002ブリリアントブルーG内境界膜染色第Ⅲ相臨床試験日本わかもと製薬水晶体前嚢染色第Ⅲ相臨床試験日本ブリリアントブルーG/トリパンブルー内境界膜及び網膜上膜染色申請準備中米国DORCDW-1001眼科用治療剤(非開示)第Ⅰ相臨床試験日本ロート製薬H-1337緑内障・高眼圧症後期第Ⅱ相臨床試験米国自社開発H-1129免疫異常を基盤とする角結膜疾患治療薬(非開示)臨床準備中日本自社開発DW-5LBT(商標名:Bondlido)帯状疱疹後の神経疼痛承認米国メドレックスと共同開発DWR-2206水疱性角膜症(*)第Ⅱ相臨床試験日本アクチュアライズと共同開発 各開発パイプラインの詳細は以下のとおりです。(イ)ILM-BlueⓇ、TissueBlue™、MembraneBlue-DualⓇ、DW-1002(ILM-BlueⓇ、TissueBlue™、DW-1002(単剤)の対象疾患:内境界膜染色、水晶体前嚢染色、MembraneBlue-DualⓇ、DW-1002(配合剤)の対象疾患:内境界膜、網膜上膜及び増殖硝子体網膜症における増殖膜染色) 本開発品は、国立大学法人九州大学の研究グループが発見したBBG250(Brilliant Blue G-250)という染色性の高い色素を主成分とした眼科手術補助剤について、独占的ライセンスに基づき開発している開発品で、眼内にある内境界膜又は水晶体を保護するカプセルを一時的に安全に染色し、硝子体・白内障(*)の手術を行いやすくするものです。デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、2017年に本事業を譲受いたしました。 日本以外の全世界向けの独占的なサブライセンスをDutch Ophthalmic Research Center International B.V.(以下、DORC)に付与しており、DORCは2010年から欧州等において、ILM-BlueⓇ、MembraneBlue-DualⓇの製品名で製造・販売しております。2020年には米国においても単剤であるTissueBlue™の販売を開始し、配合剤については、内境界膜及び網膜上膜染色を対象に米国でオーファンドラッグ指定を受け、現在承認申請に向けて準備を進めております。なお、2025年12月の特許満了に伴い、米国以外のロイヤリティは終了いたしました。 国内については、わかもと製薬株式会社(以下、わかもと製薬)に独占的ノウハウライセンス条項付製品供給契約を付与しており、わかもと製薬は硝子体手術時の内境界膜染色、白内障手術時の水晶体前嚢染色を対象として、製造販売承認の取得に向けて開発を進めております。なお、2025年12月に日本の特許は満了しております。 (ロ)グラアルファⓇ配合点眼液、K-321(a)グラアルファⓇ配合点眼液(対象疾患:緑内障・高眼圧症) 本剤は、リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩を含有する世界で初めての組み合わせの配合点眼剤です。リパスジル塩酸塩水和物はプロテインキナーゼの一種であるRhoキナーゼ(*)を選択的に阻害するデ・ウエスタン・セラピテクス研究所が創製したイソキノリンスルホンアミド化合物(*)です。2020年より、興和にて緑内障・高眼圧症を適応症として国内第Ⅲ相臨床試験が行われ、2022年に国内上市されました。さらに、海外展開も進められ、アジア一部地域において上市されております。(b)K-321(対象疾患:フックス角膜内皮変性症) デ・ウエスタン・セラピテクス研究所が発明したリパスジル塩酸塩水和物は、眼内にあるキナーゼに作用する可能性があることが示唆されており、適応拡大に向けた取り組みとして、フックス角膜内皮変性症を適応症とした米国第Ⅱ相臨床試験が2019年から開始されました。その後、2022年に米国第Ⅲ相臨床試験を開始、2023年に米国を含めたグローバル第Ⅲ相臨床試験が開始されました。被験者への投与は完了しており、経過観察が行われております。フックス角膜内皮変性症は病態の進行に伴い角膜内皮障害に至ります。重度の視覚障害を有する角膜内皮疾患のこれまでの治療法は角膜移植であり、有効な治療薬の開発が望まれています。 (ハ)DW-1001(対象疾患:非開示) 本開発品は、2015年に英国企業から導入した眼科用治療剤です。 他の疾患を適応症として既に市販されている化合物を眼科適応への適応拡大を目指す、いわゆるリポジショニングの手法での開発を目指しており、開発のコスト並びにリスクは相対的に低くなることが期待されます。 2019年に日本における独占的実施権をロート製薬株式会社(以下、「ロート製薬」)にライセンスアウトいたしました。ロート製薬では、非臨床試験を進め、2022年に国内第Ⅰ相臨床試験が良好な結果で終了いたしました。 (ニ)H-1337(対象疾患:緑内障・高眼圧症) 本開発品は、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とするデ・ウエスタン・セラピテクス研究所化合物ライブラリー(*)のシード化合物を基にして最適化された、緑内障・高眼圧症を対象疾患とする開発品です。デ・ウエスタン・セラピテクス研究所初となる自社臨床開発を行っており、2018年に米国第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験を良好な結果で終了いたしました。その後、2024年8月に米国後期第Ⅱ相臨床試験を終了いたしました。試験結果は良好で、本開発品の有効性が確認され、安全性に関して重篤な有害事象は認められませんでしたので、第Ⅲ相臨床試験に向けた準備並びにライセンスアウト活動を進めております。 また、適応拡大の研究を進めており、滲出型加齢黄斑変性に対する治療効果、並びに肺高血圧に対する治療効果も動物試験において確認されております。 (ホ)H-1129(対象疾患:免疫異常を基盤とする角結膜疾患治療薬(非開示)) 本開発品は、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とするデ・ウエスタン・セラピテクス研究所化合物ライブラリーのシード化合物を基にして最適化された開発品です。2019年まで緑内障治療剤として開発を行っていましたが、国内第Ⅲ相臨床試験にて開発中止となりました。その後、知的財産の有効活用及びキナーゼ阻害剤のポテンシャル発揮の観点から、他疾患への適用を検討し、新たに免疫異常を基盤とする角結膜疾患治療薬として開発を決定いたしました。現在、臨床試験に向けた準備を進めております。 (ヘ)DW-5LBT(対象疾患:帯状疱疹後の神経疼痛) 本開発品は、イオン液体を利用した株式会社メドレックス(以下、「メドレックス」)の独自技術ILTS(Ionic Liquid Transdermal System)を用いた新規のリドカイン(*)テープ剤であり、リドカインパップ剤Lidodermの市場をターゲットとし、更なる新規市場への拡大も目指して開発した製品です。メドレックスが帯状疱疹後の神経疼痛治療薬として開発を進め、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は2020年に共同開発を開始いたしました。その後、2025年9月に承認取得し、現在、販売提携先の選定等の上市準備を進めております。 (ト)DWR-2206(対象疾患:水疱性角膜症) 本開発品は、水疱性角膜症を適応症とした再生医療用細胞製品で、培養ヒト角膜内皮細胞とROCK阻害剤を含有した懸濁液を前房内に注入し、角膜内皮の再生の治療に用いられます。アクチュアライズ株式会社が開発を進めており、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は2022年に共同開発を開始いたしました。デ・ウエスタン・セラピテクス研究所初となる再生医療品であり、2024年3月に国内第Ⅱ相臨床試験を開始し、2025年11月に被験者の観察期間が終了いたしました。現時点において、安全性については、重要な有害事象及び被験製品との因果関係が否定できない重篤な有害事象は発現しておらず、有効性については、視力改善が示唆されています。現在、データ解析を進めると共に、第Ⅲ相臨床試験の準備を進めております。 ④ 研究プロジェクトについて デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の創出を行っております。プロテインキナーゼを対象とする疾患は様々ですが、特に眼科関連疾患に注力した研究を推進しております。また、自社の創薬基盤技術を活かし、他社との提携を積極的に推進しております。主なプロジェクトとしては、眼科関連疾患や免疫・炎症系、呼吸器系疾患等を対象としたシグナル伝達阻害剤開発プロジェクトをデ・ウエスタン・セラピテクス研究所開発研究所(国立大学法人三重大学の研究施設)において行っております。また、大学等との共同研究においては、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所開発品の適応拡大や主に眼科関連疾患を対象に複数のプロジェクトを積極的に進めております。 ⑤ 創薬事業におけるデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループ技術と研究開発の特徴について 創薬事業におけるデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループ技術と研究開発の特徴は以下のとおりです。 (イ)プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の創製 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは主にプロテインキナーゼ阻害剤を中心とした研究開発を進めております。 プロテインキナーゼは、細胞の分化、増殖等の細胞内情報伝達(*)機能を担っている重要な酵素であるとされており、そのプロテインキナーゼに対し、有望な新薬候補品である阻害剤を投与することによって治療効果を高めるのがデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの開発の特徴であります。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、有望な新薬候補品を創製するために、独自に開発した化合物ライブラリーを保有しており、これらの開発過程で蓄積したデータやノウハウを活用して、新薬候補化合物を合成しておりますが、これらの技術力が高いことから有効な新薬候補化合物が見つかる可能性が高いと考えております。 (ロ)デ・ウエスタン・セラピテクス研究所独自の標的タンパク質(*)の同定(*)方法であるドラッグ・ウエスタン法(*)の活用 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、ドラッグ・ウエスタン法という独自に開発した方法を使って、新薬候補化合物の標的タンパク質を同定しております。生物学の分野では、標的タンパク質を同定するために様々な方法が利用されてきましたが、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、それらを踏まえて医薬品開発への応用を図り、ドラッグ・ウエスタン法を完成させました。 この方法の活用により、他の手法を活用した際に困難である新薬候補化合物の標的タンパク質の特定が容易になるほか、1回のスクリーニングで多数の標的タンパク質を同定することが可能です。既存の方法に対して、生物材料や化合物の消費量が少ないこと、スクリーニングの操作が単純であり短時間で完了すること等の長所を持ちます。 ドラッグ・ウエスタン法を活用した際の効果は、以下のとおりと考えられます。 a. 有効性:高い有効性を持つ新薬候補化合物の開発の可能性が高まります。新薬候補化合物の標的タンパク質を早期に同定することによって、その新薬候補化合物の作用機序(*)が明らかになり、その結果から、有効な新薬候補化合物の開発へとつなげていくことが可能になると考えております。 b. 安全性:副作用や他の医薬品との相互作用の予測により、高い安全性を持つ新薬候補化合物の開発の可能性が高まります。早期に標的タンパク質を同定することによって、副作用が起こるメカニズムの推測もしやすくなり、それにより、安全性の高い新薬候補化合物の開発が可能となります。また、作用メカニズムが明らかになることにより、他の薬剤との併用の可能性の分析がしやすくなり、薬としての利用機会の拡大とリスクの低減につながりやすいと考えます。 (ハ)細胞内情報伝達研究に由来する分子薬理学(*)に関する経験及びノウハウの活用 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの創業者は、長年にわたって細胞内情報伝達の研究活動及び創薬活動に従事してきており、その研究・創薬活動の中で、これまでに製薬会社と共同で2つの上市薬の誕生に貢献しております。デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、こうした活動において獲得した経験とノウハウを基盤に、研究開発活動を行い、2014年にはデ・ウエスタン・セラピテクス研究所設立以来初の上市薬が誕生いたしました。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの新薬の開発は、この分子薬理学に関する経験及びノウハウを駆使し、新薬候補化合物を設計し、合成することによって開始されております。ここで合成された新薬候補化合物の薬理学的傾向は、過去の分子薬理学に関する経験及びノウハウからある程度予測することが可能であるため、その予測を基に効率的な研究開発が可能になると考えております。 (ニ)提携関係を活用した研究開発体制 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、国立大学法人三重大学との産学官連携講座(後述「第一部 企業情報 第2 事業の状況 5 重要な契約等」参照)による共同研究等の提携関係を構築し、技術の取り込みを図り研究活動を進めております。また、研究開発の推進に向けては、業務受託企業等外部の企業を積極的に活用しております。こうした企業外部との提携関係を活用することによって、効率的な研究開発体制を構築することが可能となっております。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループと外部機関との関係図(研究開発体制) <用語解説>(アルファベット、あいうえお順) * Rhoキナーゼ タンパク質リン酸化(*)酵素(プロテインキナーゼ)の一つであり、Rho-ROCK経路を介する多彩な細胞応答の制御機構に関与する酵素です。 * イソキノリンスルホンアミド化合物 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所が開発している化合物の有する骨格(形)の名称です。 * 化合物ライブラリー デ・ウエスタン・セラピテクス研究所が長年にわたり蓄積してきた新薬候補化合物のタネとなる化合物群です。これらの化合物の一つ一つが特徴的な性質を有しており、基礎研究や新薬候補化合物発見に利用されます。 * 細胞内情報伝達 神経刺激やホルモン等の細胞外からのシグナル(信号)を細胞内の必要な箇所へ伝えるシステムのことを言います。細胞内シグナル伝達とも言います。 * 作用機序 薬物が作用する仕組みのことを言います。近年では薬物作用の明確化の重要性が高まっており、この作用機序の解明が新薬開発において注目されております。 * 上市(じょうし) 新薬が承認され、実際に市場に出る(市販される)ことを言います。 * 水疱性角膜症 角膜内皮細胞が障害を受け、角膜浮腫が起こり、角膜が白く濁って視力が著しく低下する病気。フックス角膜内皮ジストロフィ、白内障や緑内障等の眼科手術により角膜内皮細胞が減少することが原因にあげられます。治療法は角膜移植手術になります。 * スクリーニング 新薬を開発するには、多数の候補化合物の中から、効果があり安全性が高いものを選び出すことが必要となります。このような多数の化合物から新薬の候補を探す一連の流れをスクリーニングと言います。 * スクリーニング毒性 細菌を用いる復帰突然変異試験(化学物質による、発癌性を含めた遺伝子に与える変化である変異原性を、細菌を用いてテストする試験)、ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験(明確な染色体構造を持たない細菌においては、染色体異常を検出できないため、人為的に生体外で培養したほ乳動物の細胞を用いて、染色体に対する遺伝毒性がないかをテストする試験)及びほ乳類を用いる28日間の反復毒性試験(ラット等の動物に一定期間毎日反復投与したときに現れる生体機能及び形態の変化を観察する試験)によって検出される毒性を指します。 * 阻害剤 生体内の様々な酵素分子に結合して、その酵素の活性を低下もしくは消失させる物質を指します。化学物質が特定の酵素の活性を低下もしくは消失させることにより、病気の治療薬として利用されることがあります。 * タンパク質リン酸化 タンパク質にリン酸基を移転する化学反応であり、タンパク質の働きを調節すると考えられております。 * 同定 単離した化学物質等の標的が何であるかを決定することを指します。 * ドラッグ・ウエスタン法 薬物の標的タンパク質の同定に用いられる手法で、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所がバイオテクノロジーを応用して発明し、特許を有しておりました。煩雑なタンパク質精製プロセスを介さずに、薬物が結合する少量のタンパク質を検出し、その遺伝子を特定することにより標的タンパク質を同定することができる方法です。 * 白内障 水晶体が白く濁り、視力障害を引き起こす病気です。主な原因は加齢によるもので、症状が進行している場合には、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術が行われます。日本では年間およそ120万件の手術が行われています。 * 標的タンパク質 薬物が作用する対象となるタンパク質を標的タンパク質と呼びます。生体においては多くのタンパク質が相互に作用することによって様々な機能を果たしており、多くの病気が特定のタンパク質の異常な働きによって引き起こされております。これらの病気には、これらのタンパク質を標的タンパク質として、その異常な動きを抑制する薬剤が有効となりうると考えられております。 * フックス角膜内皮変性症 角膜内皮細胞に障害がおき、角膜浮腫・混濁が生じ、視力が低下していく疾患です。欧米で多くみられ、日本では患者数が少ないとされています。これまでの治療法は角膜移植であり、有効な治療薬の開発が望まれています。 * プロテインキナーゼ ATP(アデノシン三リン酸と言われ、体内で作られる高エネルギー化合物)等、生体においてエネルギーの元となる低分子物質等のリン酸基を、タンパク質分子に転移する(リン酸化)酵素です。一般にリン酸化を触媒する酵素をキナーゼと呼び、特にタンパク質をリン酸化するキナーゼをプロテインキナーゼと言います。 * 分子薬理学 薬理学とは、薬物が生体に対してどのような作用により、影響・効果を発揮しているかを調べたり、薬物を用いて生体の機能を明らかにしたりする学問のことです。分子薬理学とは、その薬理学の調査の対象を生物の化学的性質を失わない最小の構成単位、つまり遺伝子のレベルで調べる学問です。 * リドカイン 神経末端において痛みの信号を遮断することにより痛みを軽減させる、局所麻酔薬の一種です。 * 緑内障・高眼圧症 緑内障とは、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患です。適切に治療されずに放置すると視野狭窄から失明に至る疾患であり、日本の中途失明原因の第一位(2005年)となっております。また、高眼圧症とは、視野狭窄が無いものの、眼圧が正常値を超えている病態です。 現在、緑内障のエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は、「眼圧を下降すること」とされており、原発開放隅角緑内障(広義)に対する治療では、薬物治療が第1選択とされております。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループが判断したものであります。 (1)経営方針 「日本発の画期的な新薬を世界へ」というビジョンのもとに設立されたデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、設立以降プロテインキナーゼ阻害剤研究の知見から得た独自の科学技術を基に医薬品の研究開発を行っております。また、近年は他社からの開発パイプラインの導入を行い、従来に比してより有用な医薬品を早期に患者の皆様に提供することを目的に事業を推進しております。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、新薬開発の上流である基礎研究から臨床開発までに経営資源を集中させ、創薬バイオベンチャーの先導企業を目指します。 (2)経営戦略 一般的に新薬が開発されて最終的に患者の皆様に届くまでには、10年以上の期間と多額の開発費用を要し、成功する確率も高くはありません。 このような中、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、自社技術を基とした研究型の事業を行うとともに、これらの研究の成果の価値を高めるため、研究のみではなく開発も行う研究・開発型へとシフトしております。また、自社新薬の継続的な研究開発以外にも他社からのインライセンスを積極的に進めることによる開発パイプラインの拡充にも取り組むことにより、ライセンスアウトによる収入(すなわち、フロントマネー収入、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入)の最大化を目指してまいります。 (3)経営環境 近年の新薬開発は、従来の低分子医薬品だけではなく、抗体医薬品や核酸医薬品、再生医療等を用いた新しいアプローチ方法によるバイオ医薬品の研究開発などが行われており、技術革新が進んでいます。その結果、各社は新しい技術の特徴(治療の効果、副作用、費用対効果等)を把握し、最適な医薬品の開発を行うため、パイプライン拡充や他社との協業等、競争力強化に取り組んでおります。 このような状況の下、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは新薬の継続的な創出と開発パイプラインの拡充を目指し、研究開発活動を推進しております。 (4)目標とする経営指標 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの事業である医薬品の開発は、基礎研究から上市に至るまでの期間が長期間にわたり、また、先行投資型のビジネスモデルであるため、財務諸表などの一般的な経営指標の設定は適さないと考えております。 そのため、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループでは、開発パイプラインの進捗状況を経営指標として設定しております。収益力の高い新薬候補化合物の創製やインライセンス、臨床開発の推進に取り組むことで、今後もこれら開発パイプラインの拡充を目指し、研究開発活動に経営資源を投下する方針です。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と施策は以下のように考えております。 ① 開発パイプラインの拡充と推進 新薬開発の成功確率は年々低下しており、保有する開発パイプラインが様々な理由で開発の遅延や中断、中止等になるリスクがあります。そのリスクに対応するためには、開発パイプラインの拡充と推進を進めることが必要であると考えております。基礎研究による新薬候補化合物の発見を一層推進するとともに、様々な開発ステージで構成された複数の開発パイプラインを保有するため、大学や企業等からのインライセンス活動を積極的に検討してまいります。また、既存開発パイプラインの順調な臨床試験の推進もしくは推進を支援し、着実な開発を進めてまいります。 ② 事業領域の拡大 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、自社の財務状況を踏まえて、比較的早期のライセンスアウトを目指しておりますが、ライセンスアウト時の収益性の向上が重要であると考え、非臨床試験以降の自社開発の取り組みを進めております。今後も、この事業領域の拡大に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。 ③ 基盤技術の応用 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、新薬候補品を創製できることが大きな強みであるバイオベンチャーです。自社の強みを最大限に発揮するために、独自の基盤技術であるプロテインキナーゼ阻害剤の創製に注力するとともに、その技術を活かしつつ、他社との提携を積極的に進めております。また、新薬候補品のポテンシャルを最大限活かすためにプロテインキナーゼ阻害剤が応用される領域での適応拡大の検討を進めてまいります。 ④ 財務基盤の充実 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、今後も付加価値の高い収益構造を生み出すことを目指し、保有する開発パイプラインのステージアップや開発パイプラインの拡充を図る予定であります。そのために必要に応じて、金融・資本市場からの資金調達を実施することにより、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財務基盤の充実を図ってまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。 なお、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項記載以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。対応策については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」も併せてご参照ください。 また、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在においてデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループが判断したものであります。 (1)事業の内容について① デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの医薬品の研究開発に関する事項(イ)研究開発の不確実性に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは医薬品開発を主業務としております。一般的に、医薬品の研究開発期間は、基礎研究段階から承認取得に至るまで長期間を要し、相当規模の研究開発投資が必要と考えられております。さらに、その成功の可能性は、他産業に比して極めて低いものとされております。従って、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループのライセンスアウト済パイプライン及び新規開発品にも、かかるリスクは付随しており、医薬品としての安全性・有効性が確認され上市に至るかどうかは不確定であり、新規開発品についても想定通りに開発が進められるとは限りません。これらのライセンスアウト済パイプライン及び新規開発品の不確実性は、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ロ)医薬品業界の競合関係に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループが参画する医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による競争が激しい状態にあります。また、その技術革新は急速に進んでいる状態にあります。従って、これら競合相手との、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ハ)副作用に関する事項 医薬品は、臨床試験段階から上市後に至るまで、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、信用力の失墜、訴訟の提起等により、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ニ)医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「薬機法」)その他の規制に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループが参画する医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬機法及び薬事行政指導、その他関係法令等により、様々な規制を受けております。 医薬品は基礎研究から製造販売承認等を取得するに至るまでには、多大な開発コストと長い年月を必要としますが、品質、有効性及び安全性に関する十分なデータが得られず、医薬品としての有用性を示すことができない場合には、承認が計画通り取得できず、上市が困難になる可能性があります。これは新規開発品を他社にライセンスアウトする場合も同様であり、薬機法その他の規制により、当初計画した条件でのライセンスアウトもしくはライセンスアウトそのものが困難になる可能性があります。 このような事象が生じた場合、また、将来各国の薬機法等の諸規制に大きな変化が生じた場合、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ホ)製造物責任に関する事項 医薬品事業においては、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において製造物責任を負う可能性があり、製造物責任にかかる多額の負担金の支払い等により、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ② デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの事業活動に関する事項(イ)提携関係に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは研究開発の各段階において広範な提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ専門性の高い技術の取込みを図っております。デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは自社の研究開発人員とこれらの提携関係により、戦略的かつ柔軟な研究開発体制を構築しており、さらにその他の事業活動においても様々な提携関係等を構築しております。これらの提携関係に変化が生じた場合、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループでは、今後も事業基盤の強化、効率的な新薬開発の実現に向けて、広範な提携関係の構築を検討してまいります。しかしながら、期待通りに提携関係が構築できない可能性があります。 (ロ)大学との共同研究実施に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、国立大学法人三重大学(以下、「三重大学」)との間で産学官連携講座共同研究契約に基づく共同研究を実施しております。 当該共同研究にかかるデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの費用負担については、三重大学との協議により、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループが共同研究に派遣する民間等共同研究員の人数に応じた研究料及び当該共同研究において必要と見込まれる直接経費について、共同研究費として三重大学に支払っております。当該費用については、契約期間内に支払うことになっており、契約期間に対応して費用計上しております。なお、共同研究における活動状況に応じて生じる追加費用等については、相互協議による契約変更の手続きにより追加支払いを行う場合もあります。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、今後においてもデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの事業基盤である共同研究を継続していく方針であり、相応の共同研究費を負担することになりますが、医薬品の研究開発活動は既述の通り不確実性が高い性質を有しており、現時点では収益基盤も不安定であるため、当該研究費を吸収するだけの収益が継続的に発生しなかった場合、もしくは予期せぬ研究開発活動中の事故、外的要因や自然災害による事故が発生し、当該共同研究実施が困難になった場合、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ハ)ライセンスアウトに関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、開発計画に基づき、開発品のライセンスアウトに伴うフロントマネー収入及びライセンスアウトした薬剤の開発工程で計上するマイルストーン収入、製品上市後販売額の一定比率を受領するロイヤリティ収入を収益基盤としております。(a)ライセンスアウトに伴う収益計上時期にかかわるリスク ライセンスアウト後に当該開発品の開発スケジュールが変更となる等により、ライセンスアウトによる収入を受領する事業年度がデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループ予想と異なる場合、又は、ライセンスアウトを予定している開発品に関して、ライセンスアウトを達成する時期が変更となったり、ライセンスアウトそのものが困難になった場合には、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。(b)開発品の開発中断及び中止にかかわるリスク ライセンスアウト後に当該開発品の開発が中断及び中止等になり、それ以降のライセンスアウトによる収入が得られなくなる場合には、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。(c)開発品の販売開始後の売上変動リスク 製造販売承認後の販売計画はライセンスアウト先に依存しており、ライセンスアウト先において、販売計画の変更や経営環境の悪化等により販売計画を達成できない等が生じた場合には、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ニ)特定の契約先からの収入への依存に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループのライセンス契約に基づく収入は、ライセンスアウト先への依存度が高いビジネスモデルとなっております。 ライセンスアウト先との契約は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載した契約期間において有効であります。しかしながら、今後、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループがライセンスアウトした開発品をライセンスアウト先が当初計画通りに開発推進する保証はありません。従いまして、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループがライセンスアウトした開発品について、ライセンスアウト先の研究開発活動に計画変更や停止が生じた場合、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ホ)契約に基づく支払義務の負担に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは開発パイプラインに関する提携企業等との契約において、販売に至る前の開発段階及び販売開始後に提携先等に対する支払義務を負っている場合があります。これらの対価の支払形態は、創薬バイオベンチャー企業の事業の性質上当然のものと認識しておりますが、この結果として、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。(ヘ)子会社に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は、2015年より子会社を有しておりますが、子会社における事業活動が計画通りに進展しない場合、また事業展開に伴う開発費用の増加等が発生する場合には、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 また、子会社に関して提携企業等と共同出資等の資本関係を有していることがありますが、提携企業等との関係に変化が生じた場合、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ト)小規模組織であることについての事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、当連結会計年度末において、従業員19名の小規模な組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっております。今後においては、組織規模に応じた適切な水準を維持、強化するとともに、内部管理体制の一層の充実を図る方針であります。 (チ)人材の確保及び育成に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの事業活動は、経営陣、事業を推進する各部門の責任者や構成員等に強く依存しております。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、このような人材確保又は育成が順調に進展しない場合、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (リ)資金調達に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、医薬品開発のための継続した研究開発活動の実施に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく方針であります。その場合には、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、資金調達の機動的な実施が困難な場合、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの資金繰りや事業活動等に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ヌ)配当政策に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は創業以来配当を実施しておらず、また、当事業年度末においては、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。当面は内部留保に努め、研究開発活動の継続的実施に備えることを優先していく方針ですが、株主への利益還元を重要な経営課題として、その時点における経営成績及び財政状態を勘案しつつ利益配当を検討する所存であります。しかしながら、今後も利益を安定的に計上できない場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。 (ル)為替変動リスクに関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、事業活動をグローバルに展開しており、海外での研究開発活動や海外企業とのライセンス等において外貨建取引が存在しますが、特段の為替リスクヘッジは行っておりません。そのため、大幅な為替変動が生じた場合には、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ヲ)医療費抑制について 日本では医療費抑制策として、医療用医薬品の薬価引き下げや、ジェネリック医薬品の使用促進等の施策が行われております。海外においても、先進国を中心として薬剤費の引き下げの圧力が高まっています。今後の医療費政策の動向がデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (ワ)重要な契約に関する事項 「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載しております契約のうち、特にデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの研究開発体制の維持のためには三重大学との契約が重要であり、現パイプラインについては各ライセンスアウト先との契約が重要でありますが、三重大学及び各ライセンスアウト先とは契約の継続性に支障がない関係にあるものの、将来、契約内容の変更、期間満了、解除その他何らかの理由により契約の終了が生じた場合、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (カ)知的財産権に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは研究開発活動等において様々な知的財産権を使用しており、これらはデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループ所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しております。なお、当連結会計年度末においてデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループが保有している特許権及び特許出願は全部で11種類あります。しかしながら、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループが保有している出願中の特許が全て成立する保証はありません。また、特許が成立した場合でも、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの研究開発を超える優れた研究開発により、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しております。デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループ事業の継続、財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 また、当連結会計年度末において、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの開発に関する特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生した事実はありません。デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、他者の特許権の侵害を未然に防止するため特許調査を実施しておりますが、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループのような研究開発型企業にとって知的財産権の問題を完全に回避するのは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループ事業の継続、財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (ヨ)訴訟等に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは当連結会計年度末において訴訟は提起されておりませんが、将来何らかの事由の発生により、訴訟等による請求を受ける可能性を完全に回避することは困難であり、この結果、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 (タ)情報管理に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また一定の個人情報を有しています。これらの情報の流出リスクを低減するために、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、役職員、取引先等との間で、守秘義務等を定めた契約を締結する等、厳重な情報管理に努めております。しかしながら、万一これらの情報が外部に漏えいした場合は、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (レ)災害・感染症等に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの各事業所又はデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの取引先、関係する医療機関並びにその地域等について、地震や台風等の自然災害や火災等の事故の発生、感染症の蔓延等により、事業活動の停止・制約等が生じた場合、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2)業績等に関する事項① 経営成績について デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの売上高は、ライセンスアウト時に受領するフロントマネー収入、ライセンスアウトされた開発品の一定の進捗により受領するマイルストーン収入、上市によってもたらされるロイヤリティ収入等により得られます。デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは複数の上市品を保有しているため、毎期継続的な収入が計上されると見込んでおりますが、ロイヤリティ収入はライセンスアウト先の売上高に依存するため、将来に期待していた収入が見込めない可能性があります。また、フロントマネー収入、マイルストーン収入は、ライセンスアウト及び開発品の一定の進捗の有無により、毎期経常的に計上されているものではなく、不安定に推移しております。従いまして、過年度の経営指標及び今後開示される業績は、期間業績比較を行うための材料として、さらに今後のデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループ業績を予測する材料としては不十分な面があります。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、医薬品の研究開発とライセンスアウトを推進することによって、将来の継続的な黒字化を目指しておりますが、保有する開発パイプラインの価値を向上させるため積極的な先行投資を実施することにより、業績は赤字の傾向があります。従いまして、2019年12月期を除き、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスであり、将来において親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フローがプラスにならない可能性もあります。 ② マイナスの利益剰余金が計上されていることについて デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは創薬バイオベンチャー企業であり、ライセンスアウト済パイプラインが上市し、ロイヤリティ収入等の安定的な収入を確保し、その収入が研究開発費等の費用の合計を上回るまでは、連続して親会社株主に帰属する当期純損失を計上することになります。 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは開発パイプラインの拡充、ライセンスアウトの実施、ライセンスアウトが完了した開発品の上市に向けた臨床開発支援活動を行うことにより、早期の利益確保を目指しておりますが、将来において計画通りに親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの事業が計画通りに進展せず、親会社株主に帰属する当期純利益を獲得できない場合には、マイナスの利益剰余金がプラスとなる時期が遅れる可能性があります。 ③ 業績予想に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、連結会計年度毎に業績予想を公表しています。しかし、事業や経済環境の変化及び不確実性等の予測不可能な要因により、これら業績予想や目標を期限内に達成することや、目標を維持することが困難になる可能性があります。 ④ 資金繰りについて デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの事業計画が計画通りに進展しない等の理由から、想定したタイミングで資金を確保できなかった場合には資金不足となり、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの資金繰りの状況によっては、事業存続に影響が及ぶ可能性があります。 ⑤ 有利子負債について デ・ウエスタン・セラピテクス研究所の借入金には、財務制限条項及びその他の遵守事項が設定されております。当該条項に抵触した場合には、期限の利益の喪失により、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。また、今後、金融情勢の変化や金利上昇等により資金調達コストが増加した場合には、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。 ⑥ 税務上の繰越欠損金について 当連結会計年度末において、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは税務上の繰越欠損金を有しております。そのため、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの業績が順調に推移する等、繰越欠損金による課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることになり、親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。 (3)その他① 調達資金の使途に関する事項 増資を中心とした調達資金の使途については、開発パイプラインの拡充をしていくための研究開発資金及び事業運転資金に充当する予定です。 但し、新薬開発に関わる研究開発活動の成果がデ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループの収益に結び付くには長期間を要する一方で、研究開発にかかる成果が得られない場合もあるため、調達した資金が投資家の期待している収益に結び付かない可能性があります。 ② 新株予約権に関する事項 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は2025年7月31日付で、株式会社SBI証券を割当先とする第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権の発行を行いました。当該新株予約権の目的となる株式数は当連結会計年度末において合計1,489,800株となり、発行済株式総数の2.7%に相当します。当該新株予約権の行使が行われた場合には、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。 また、新株予約権の行使は、原則として新株予約権者の判断によるため、市場におけるデ・ウエスタン・セラピテクス研究所株価の動向によりましては、当該新株予約権の全部又は一部が行使されない可能性があります。そのため、予定された資金が調達されるまでに一定の時間を要する可能性や、予定された資金が調達できない可能性があります。当該新株予約権の行使が進まず、当該新株予約権による資金調達が困難になった場合は、事業計画の見直しを行うとともに、別途資金調達方法の検討を進める可能性があります。 ③ 継続企業の前提に関する重要事象等 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは、創薬研究及び臨床開発費用が収益に先行して発生する等の事業特性上の理由から継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。 このような状況の解消を図るべく、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所グループは保有する開発パイプラインの順調な開発進捗による早期上市、開発パイプラインの拡充による更なる収益機会の獲得を進め、さらに、現在実施している資金調達を進めることにより研究開発に必要な資金を確保するとともに、必要に応じて新たな資金調達等を実施することも検討してまいります。 資金面においては、継続的なロイヤリティ収入及び開発費用のコントロール並びに主力金融機関からの借入れ、第三者割当による新株予約権の発行及び割当先による行使等、適時に実施している資金調達により、当連結会計年度末において1,709百万円の現金及び預金残高を有し、当面の事業活動を展開するための資金は確保できております。 以上のことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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