メドレックス(4586)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


メドレックス(4586)の株価チャート メドレックス(4586)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】

メドレックスグループは、メドレックス独自の経皮吸収*型製剤技術を基に新たな医薬品を生み出す創薬企業グループです。経皮吸収技術をはじめとする製剤技術をもって画期的新薬を開発し、全世界の人々の健康とQOL*の向上に資することを企業理念としています。イオン液体の特徴を利用した独自の経皮吸収型製剤技術ILTS®Ionic Liquid Transdermal System)、薬物のナノコロイド*化技術を利用した独自の経皮吸収型製剤技術NCTS®Nano-sized Colloid Transdermal System)を中心とした医薬品製剤技術により、薬効の極大化、副作用の低減、飲み忘れ防止や経口投与が困難な患者への投与を可能にして、新たな付加価値を有する医薬品を生み出すことを目指しております。

 


 

 

 

 

メドレックスグループは、メドレックス、連結子会社MEDRX USA INC.及びMEDRX AUSTRALIA PTY LTDの3社で構成されています。

 


 

 

メドレックスグループの現在のビジネスモデルは、メドレックス製剤技術により新たに創出(製剤開発*)した医薬品候補製剤を、医薬品としての製造販売承認を取得するために開発(非臨床試験*、臨床試験*)する過程で、製薬会社等との間で開発・販売・製造に関する適切な提携関係を築いて事業を推進していくものです。メドレックスは、提携先の製薬会社等から、「契約一時金、開発の進捗に応じたマイルストンフィー」及び「上市*後の製品売上、ロイヤルティ」の形で収入を得ます。

 


 

医薬品候補製剤(開発パイプライン)の特性(市場性、開発費用)や、提携候補先製薬会社の当該パイプラインに対する取組姿勢を考慮した上で、開発パイプライン毎にメドレックスの収益モデルを設計し、メドレックス全体としてのリスクとリターンのバランスを取るためのポートフォリオを構築しながら成長していくことを目指しています。

 


 

当連結会計年度において、メドレックスグループでは独自の経皮製剤技術であるILTS®(Ionic Liquid Transdermal System)を中心とした医薬品製剤技術を用いて、低分子から高分子に至る様々な有効成分の経皮吸収性を飛躍的に向上させることにより新しい付加価値を持った医薬品を開発することを事業の中核に据え、製品化に向けた開発を推し進めるとともに提携候補先との契約交渉を行うなど事業の拡大を図ってきました。

開発が最も進んでいる「Bondlido (MRX-5LBT:リドカインテープ剤)」について、2025年9月に米国規制当局であるアメリカ食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)から成人の帯状疱疹後の神経疼痛を適応として販売承認を取得しました。現在、販売パートナー候補と提携交渉中であり、2026年下半期の上市を計画しています。

続いて「MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)」「MRX-9FLT:中枢性鎮痛貼付剤(フェンタニルテープ剤)」の2つのパイプラインが臨床開発ステージにあります。また、米国の創薬ベンチャーAlto Neuroscience, Inc.(米国カリフォルニア州マウンテンビュー、以下「Alto」)との提携下で開発が進められている「Alto-101:統合失調症治療薬(PDE4阻害貼付剤)」について、統合失調症患者に対する臨床第2相試験が進行中です。

メドレックスグループではこれらの貼付剤パイプラインとは別に、無痛での自己接種が可能で従来の接種方法と比べて高い免疫応答が期待できる、ワクチン等の投与デバイスであるマイクロニードルの研究開発に取り組んでいます。世界でまだ数ヶ所しかない医療用医薬品/ワクチン用途のマイクロニードル治験薬工場を稼働させており、モデル動物を用いたフィージビリティスタディ(実現可能性を検討する研究)を実施しながら、事業提携を模索しています。

 

 

メドレックスグループの主要パイプラインの開発進捗状況は、以下のとおりです。

 

 


 

<開発コード MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)>

ILTS®を用いて中枢性筋弛緩薬であるチザニジンのテープ型貼付剤を製剤開発したものです。米国における筋弛緩薬市場は、2024年において約2,300億円(1,546 million USドル)と推計されています(出所:IQVIA)。筋弛緩薬の経皮製剤が存在しない中、チザニジンを経皮製剤化することにより経口剤と比較して、有効血中濃度の持続性、眠気や口渇等の副作用の低減等の利点が期待されます。

2025年12月に臨床第2相/POC試験を開始しました。この試験では、多発性硬化症による痙縮患者を対象に高用量域におけるMRX-4TZTの安全性・忍容性および有効性をチザニジン経口剤と比較することにより、MRX-4TZTProof of Concept「薬効を維持したまま、経口薬と比較して安全性・忍容性が向上することにより、患者負担が軽減される」を確立することを目的としており、2026年第4四半期に結果速報を得ることを見込んでいます。

試験デザイン詳細については、以下のメドレックスウェブサイトをご参照下さい。

https://www.medrx.co.jp/business/iltspipeline/mrx-4tzt/index.html

患者さんを対象としたこのPOC試験で、MRX-4TZTのコンセプト、即ち「薬効を維持したまま、経口薬と比較して安全性・忍容性が向上することにより、患者負担が軽減される」を示すことができれば、MRX-4TZTのアセットとしての価値が格段に向上し、ライセンスアウトによる収益化も見えてきます。MRX-4TZTはブロックバスターになり得るポテンシャルを持ったパイプラインであり、開発の要所である臨床第2相/POC試験結果は、メドレックスの企業価値に大きなインパクトを与えると期待しています。

 

Bondlido (MRX-5LBT):帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)>

ILTS®を用いた新規のリドカインテープ剤であり、帯状疱疹後の神経疼痛を適応症としているリドカインパップ剤Lidodermの市場をターゲットとして、第一に米国で開発を進めてきた製品です。米国におけるリドカイン貼付剤市場は、2024年において約240億円(162 million USドル)と推計されています(出所:IQVIA)。2020年4月に株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(愛知県名古屋市、D. Western Therapeutics Institute、以下「DWTI」)と米国における共同開発契約を締結して以降、DWTIと共同で開発を進めてきました。Bondlidoは、これまでの臨床試験結果より、先行指標品であるLidodermより「皮膚刺激性が少なく」「貼付力に優れ」「運動時においても貼付力を保持できる」より良い製品として市場浸透することが期待されます。

2024年1月に新薬承認申請しましたが、2024年7月にFDAより審査完了報告通知(CRL)を受領しました。2025年3月にCRLにおいて求められていたデータを追加して再申請し、2025年9月に成人の帯状疱疹後の神経疼痛を適応として販売承認を取得しました。現在、販売パートナー候補と提携交渉中であり、2026年下半期の上市を計画しています。先行競合品ZTlidoのnet salesは2024年において約80億円(52 million USドル)です(出所:Scilex Holding Company, FORM 10-K)。この数字を一つの目安として、ZTlidoに追い付け追い越せとの期待を持って、販売提携候補先との交渉を行っています。

 

<開発コード MRX-9FLT:中枢性鎮痛薬(フェンタニルテープ剤)>

フェンタニルは、オピオイドの一種で、医療用麻薬に指定されており、米国においては重度の急性疼痛、慢性疼痛及び癌性疼痛に貼付剤としても広く使用されています。フェンタニル貼付剤においては、患者の使用後の貼付剤を幼児・小児が誤って噛んだり貼付したりすることで死亡する誤用事故が報告されており、米国で社会的な問題となっています。

メドレックスグループでは、オピオイド貼付剤における誤用事故の抑制・防止を目的とした独自技術を開発しており、その技術を適用したフェンタニルテープ剤についてFDAと面談会議を実施し、幼児・小児に対する誤用事故防止機能を持った貼付剤は重要で価値のあるゴールであることを確認した上で、本格的な開発に取り掛かりました。予備的な臨床薬物動態(pilot PK:Pharmacokinetics)試験により、MRX-9FLTが参照製品と同様の血中濃度推移を示すことが確認できました。また、in vitro(実験室レベル)や動物実験で確認してきた誤用事故防止機能についても、ヒトでの有用性を予備的に確認することができました。2021年7月には、MRX-9FLTが持つ誤用事故防止機能が評価され、FDAからファスト・トラック指定されました。新薬承認取得に向けて、参照製品との生物学的同等性を示すための検証的な比較臨床試験、及び、誤用事故防止機能を検証するための試験を計画しています。

 米国におけるフェンタニル貼付剤市場は、2024年において約240億円(158 million USドル)と推計されており(出所:IQVIA)、誤用事故防止という高付加価値化により、現市場の置き換えと更なる市場拡大を企図しています。

 

<開発コード MRX-7MLL:アルツハイマー治療薬(メマンチン貼付剤)>

メドレックスでは、ILTS®とは別に、薬物をナノコロイド化することにより経皮吸収性を飛躍的に向上させる独自の経皮製剤技術NCTS®を用いた経皮吸収型医薬品の研究開発にも取り組んでいます。MRX-7MLLは、NCTS®を用いてアルツハイマー治療薬であるメマンチンを含有した貼付剤を製剤開発したものです。

2025年5月にP1a試験(臨床第1相単回PK試験)結果が判明しました。P1a試験においてMRX-7MLLが示した経皮浸透量は、臨床上有用と考えられるパッチサイズで経口剤と同等の血中濃度を実現できる水準に達しませんでした。その後、経皮浸透性に関して製剤改良を多面的に試みましたが、経皮浸透性と皮膚安全性を両立させる目途が立たず、開発を断念することとしました。

 

<開発コード MRX-6LDT:慢性疼痛治療薬(ジクロフェナック・リドカインテープ剤)>

米国における疼痛管理薬市場は2024年において約6,400億円(4,251 million USドル)であり、その50%超をジェネリック医薬品が占めています(出所:IQVIA)。慢性疼痛市場にはジェネリック医薬品を含め多数の薬剤が存在し、新たなブランド薬が確固たる地位を築くことは容易ではありませんが、一方で、米国での慢性疼痛治療の基盤ともいえるオピオイド鎮痛薬の乱用リスクに対して米国社会全体から厳しい視線が集まっており、乱用リスクがなく有効性と安全性・忍容性に優れた慢性疼痛治療薬には大きな事業機会/潜在市場があると考えています。

MRX-6LDTは、メドレックス独自の経皮製剤技術ILTS®を用いて、消炎鎮痛作用を有するジクロフェナックと局所麻酔作用を有するリドカインの両薬物ともに高い経皮浸透を実現させるべく製剤開発したテープ型貼付剤であり、両薬物の相加的或いは相乗的な疼痛治療効果を最大限に発揮させることを企図しています。米国における大きな事業機会/潜在市場に向けて、まずは非臨床試験とそれに続く臨床第1相試験を実施して、MRX-6LDTの高い経皮浸透性及び製品ポテンシャルをヒトでのデータをもって確認することを計画しています。
 

 <開発コード Alto-101:統合失調症治療薬(PDE4阻害貼付剤)>

2023年9月に、Alto Neuroscience, Inc.(米国カリフォルニア州マウンテンビュー、以下「Alto」)と、メドレックス独自の経皮吸収技術を適用した中枢神経領域の新規医薬品候補(Alto-101, PDE4阻害剤)に関する提携契約を締結しました。Altoは、個別化された高効果の治療選択肢を開発するために神経生物学を活用して精神医学を再定義することをミッションとした、ニューヨーク証券市場に上場している臨床開発ステージの創薬ベンチャーです。AltoPrecision Psychiatry PlatformTMは、脳波記録、神経認知評価、ウェアラブルデータなどを解析することにより脳のバイオマーカーを計測して、それぞれの患者に合うAltoの薬を提供することを目指しています。

新規のPDE4阻害剤であるAlto-101の経口剤を用いて健常人に対して実施された臨床第1相試験(P1a)において、認識機能向上効果と認識機能に関連した脳波(electroencephalography: EEG)マーカーが示されています。また、メドレックスとAltoとの提携下で製剤開発された新規のAlto-101経皮製剤を用いて健常人に対して実施されたもう一つの臨床第1相試験(P1b)において、Alto-101経皮製剤の好ましい薬物動態と忍容性、即ち、Alto-101経皮製剤は十分な量の薬物を体内に到達させた上でPDE4阻害剤を経口投与した際によく見られる副作用を低減させることが示されています。

2024年6月にAltoが統合失調症患者に対する臨床第2相試験を開始しており、2026年第1四半期に結果速報を得ることが計画されています。また、2025年10月には、FDAからファスト・トラック指定されました。進行中の臨床第2相試験は、Alto-101経皮製剤を用いたプラセボ対照交差二重盲検の用量増加試験であり、21~55歳の統合失調症患者約70名への投与が計画されています。本試験における最も重要な評価項目は、各投与期間終了時にEEGを用いて測定されるシータ帯域(脳波はalpha, beta, delta, thetaの4種類に分類される。そのうち4~7ヘルツの周波数帯域)活性へのAlto-101経皮製剤の影響です。Altoでは、EEGを用いて測定されるシータ帯域活性が統合失調症患者の認識機能とよく相関することを見出しており、本試験においてAlto-101経皮製剤の統合失調症治療薬としての堅固なPOC(Proof of Concept)を実証するのに適した指標であると考えています。

 

<マイクロニードルアレイ>

マイクロニードルアレイ(Micro Needle array、以下「MN」という)とは、生体分解性樹脂等から成る数百μmの微小針の集合体で、メドレックス開発品は生け花に用いる剣山を数百μmレベルに縮小したような形状です。MNは、注射しか投与手段のないワクチンや核酸医薬・タンパク医薬等の「無痛経皮自己投与」を可能にし、またワクチンや免疫性疾患においては「従来の注射剤と比べて高い免疫効果」が期待される、有望な投与デバイスとして注目されています。メドレックスのMN技術は、鋭い針先と工夫された応力制御機構を持つアプリケータ(挿入器具)による「簡便で確実な投与」を特徴としています。

臨床試験等においてヒトに投与できるGMP(Good Manufacturing Practice)規格品を製造するMN治験薬工場が、ワクチンに用いられる病原性のある細菌やウイルス、遺伝子組み換え生物等の取り扱いを可能にするためのバイオセーフティ対策を整備した上で稼働しています。現在、量産化に向けた技術開発と並行して、モデル動物を用いたフィージビリティスタディ(実現可能性を検討する研究)を実施しながら事業提携を模索しています。

メドレックスグループでは、自己投与可能なワクチンMN製剤が、パンデミック発生時の医療体制堅持や医療インフラ未整備地域での公衆衛生向上に貢献できるものと確信しており、実用化に向けた研究開発に取り組んでいます。

 

上述した開発候補品以外にも、製薬会社等と共同で、あるいはメドレックスグループ独自で医薬品等の製剤開発を進めています。

 

 

メドレックスの経皮製剤技術について

 

経皮吸収型医薬品には、嚥下障害等で経口投与が困難な患者にも投与可能、ファーストパスエフェクトを受けない、薬物の血液中の濃度を一定に保ち効果を持続させ易い、注射剤と異なり投与時に痛みを感じない等の様々な利点があります。疾患別に見ると、昨今の潮流として、疼痛治療用薬剤に加え、アルツハイマー病やうつ病のような精神疾患系薬剤においても、QOL及び服薬アドヒアランスの向上(飲み忘れ等の防止)に寄与する経皮吸収型製剤が、アンメット・メディカルニーズに応える形で開発及び市場投入されています。

一方、皮膚は人体にとって外界からの異物の侵入に対する第一バリアであり、分子量が小さい、脂溶性が高い、融点が低い等の、皮膚から浸透し易い特定の物理化学的性質を持つ薬物以外の薬物を経皮吸収させることは極めて困難です。

メドレックスでは、イオン液体の特徴を利用した独自の経皮製剤技術ILTS®や薬物のナノコロイド化技術を利用した独自の経皮製剤技術NCTS®により、従来の技術では経皮吸収させることが困難であった難溶性薬物や核酸・ペプチドといった高分子に至る様々な薬物の経皮浸透性を飛躍的に向上させることに成功しています。さらに、ILTS®やNCTS®をもってしても経皮吸収させることが困難な高分子のワクチン等については、マイクロニードルアレイによる投与方法の研究開発を行っております。

 

ILTS®(Ionic Liquid Transdermal System)

 

 

イオン液体とは、融点が100℃以下の塩(えん)のことで、常温溶融塩とも呼ばれています。低融点、高イオン伝導性、高極性、不揮発性、不燃性等の特徴を有しており、太陽電池や環境に優しい反応溶媒等、多方面における応用が検討されています。メドレックスでは、薬物をイオン液体化する、或いは、イオン液体に薬物を溶解することにより、当該薬物の経皮浸透性を飛躍的に向上させることができることを世界に先駆けて見出しました。現在までに、①人体への使用実績がある化合物の組み合わせによる安全性が高いと考えられるイオン液体ライブラリー、②対象薬物の経皮浸透性向上に適したイオン液体の選択に関するノウハウ、③薬物を含有するイオン液体をその特性を保持したまま使い勝手のよい形(貼り薬、塗り薬等)に製剤化するノウハウ等を蓄積しています。これらのノウハウ等も含めた独自の経皮吸収型製剤作製技術を総称して、ILTS®(Ionic Liquid Transdermal System)と呼んでいます。

 

NCTS®(Nano-sized Colloid Transdermal System)

 

 

メドレックスは、薬物をナノサイズのコロイドにすることで経皮吸収性が高まることを発見し、それによる製剤化技術をNCTS®(Nano-sized Colloid Transdermal System)と名付けました。アルツハイマー治療薬等をターゲットとした製剤開発を進めております。

 

 

*用語解説

CRO

(Contract Research Organization)

医薬品開発業務受託機関。

経皮吸収

皮膚から(薬物を)体内に吸収・浸透させること。

チザニジン

 

 

中枢性筋弛緩剤(脳や脊髄にある中枢神経に作用して筋肉の緊張を緩和する薬)の一種で、痛みを伴う肩こりや腰痛、五十肩、緊張性頭痛等の治療及び痙性麻痺等の筋肉がこわばる症状の治療に使用されている。

リドカイン

神経末端において痛みの信号を遮断して痛みを軽減させる、局所麻酔薬の一種。

フェンタニル

オピオイドの一種で、医療用麻薬に指定されており、米国においては重度の急性疼痛、慢性疼痛及び癌性疼痛に主に貼付剤として使用されている。

ファスト・トラック指定

重篤または生命を脅かす恐れのある疾患やアンメット・メディカルニーズの高い疾患に対して治療効果が期待される新薬を優先的に審査する制度。開発から審査までの迅速化を目的としている。ファスト・トラック指定により、臨床試験に関する相談などFDAと協議する機会がより多く与えられる。

メマンチン

 

脳内での過剰なグルタミン酸作用を抑えて神経細胞を保護するNMDA受容体拮抗薬で、中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行を抑制する薬。

製剤開発

 

飲み薬を貼り薬に、錠剤をゼリー剤にする等して、医薬品の剤型/投与方法を変えることにより、医薬品の有用性や安全性を高めるための研究開発。

臨床試験

 

 

 

薬剤候補について、有効性と安全性を実証するために、ヒトを対象として実施する試験の総称。少数健常人を対象として安全性及び薬物動態を確認する第I相試験、少数患者を対象として有効性及び安全性を探索的に確認する第Ⅱ相試験、多数患者を対象として有効性及び安全性を検証する第Ⅲ相試験に区分される。

オピオイド

 

 

 

 

ケシから採取されるアルカロイドやその関連の合成化合物及び内因性物質のうち麻薬性作用を持つ物質の総称。モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなどに代表されるオピオイド鎮痛薬は、強い鎮痛効果を有する一方で、薬物依存性が高く中毒症を引き起こしやすく、過剰容量摂取した場合には呼吸抑制や昏睡を引き起こして死に至る恐れがあることが知られている。

コロイド

 

コロイドとは、液体、固体あるいは気体にある粒子が均一に分散している状態をいい、ナノコロイドは、粒子がナノサイズのコロイド。

非臨床試験

 

薬剤候補について、ヒトにおける試験を実施する上で十分な安全性と有効性があることの確認を目的として、主に動物を用いて行われる試験。

上市

各国の規制当局により新薬が承認され、実際に市場に出る(市販される)こと。

PDE4阻害剤

 

 

ホスホジエステラーゼ4という酵素の働きを阻害する物質の総称。様々な炎症性疾患において、免疫細胞にPDE4が過剰に存在することにより、免疫バランスの異常が生じて炎症が起こっていると考えられている。

ファーストパスエフェクト

 

初回通過効果ともいう。経口摂取した薬物は、腸管から吸収され肝臓に入る。多くの薬物は、その一部が肝臓で代謝されてしまうので、飲んだ薬の効果全てが全身(または患部)に届くわけではない。この肝臓通過による薬効減退効果のこと。

QOL(Quality of Life)

不快に感じることを最大限に軽減し、できるだけ当人(患者)がこれでいいと思えるような生活が送れるようにすることを目指した、医療上の概念。

アンメット・メディカルニーズ

まだ満たされていない医療上の必要性、未充足の医療ニーズ。

イオン液体

 

 

融点が100℃以下の塩(えん)のことで、常温溶融塩とも呼ばれる。低融点、高イオン伝導性、高極性、不揮発性、不燃性等の特徴を有しており、太陽電池や環境に優しい反応溶媒等、多方面における応用が検討されている。

難溶性薬物

水やその他の各種溶媒に対して溶けにくい性質を持つ薬物。

核酸

 

遺伝子の構成成分である生体高分子。核酸には、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)がある。

ペプチド

 

数個~数百個のアミノ酸がつながってできた物質の総称。医薬品としては、GLP-1等の糖尿病治療薬や抗肥満薬として使用されているものや、PTH等の骨粗鬆治療薬として使用されているものなどがある。

生体分解性樹脂

ヒトの体内で分解され得るプラスチック素材。手術時の縫合糸等に使われている。

 

 

 


有価証券報告書(2023年12月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、メドレックスグループが判断したものであります。

(1) 創薬パイプラインの開発推進

 

創薬パイプライン型ベンチャーであるメドレックスグループにおいては、創薬パイプラインの開発を一歩一歩進めて開発アセットの価値を高めていくことが、メドレックス企業価値を最大化する唯一の道筋と考えています。メドレックスグループにとって2023年は、既存のパイプラインについては足踏み状態が続きましたが、新たにAltoとの提携契約を締結して、臨床ステージのパイプラインが加わりました。

 

<MRX-5LBT:帯状疱疹後の神経疼痛治療薬(リドカインテープ剤)”Lyodolyte”>

2023年9月にFDAから受領した審査完了報告通知(CRL: Complete Response Letter)において、非臨床の一部のデータをFDAの指示に従って再提出するよう求められていました。データの再解析を進めて2024年1月に新薬承認申請書 (NDA: New Drug Application)を再提出し、同月に申請受理されました。審査終了目標日は2024年7月11日に設定されており、承認取得後2024年内の上市を計画しています。

メドレックスグループにとって初の米国向け医薬品の承認取得~上市まで、あと一歩のところに来ています。

 

<MRX-4TZT:痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)>

開発・販売提携先であったCiplaの全社戦略変更(中枢神経関連の開発候補品については、資金投入を抑制してアウトライセンスする方針)を受けて協議を続けた結果、1日でも早く開発再開することで本パイプラインの価値向上を図りたいメドレックスグループとして、2023年4月に「ライセンス終了合意契約」を締結し、MRX-4TZTに関する全ての権利がメドレックスに返還されました。

臨床第Ⅰ相反復PK(Pharmacokinetics)試験(P1b)は成功裡に完了しており、臨床第Ⅱ相試験(痙性麻痺患者を対象とした最長4週間の用量増加試験)の準備を進めています。

 

<MRX-7MLL:アルツハイマー治療薬(メマンチン貼付剤)>

製剤改良は完了し、一部の非臨床試験を追加実施中です。2024年第2四半期にP1a(臨床第Ⅰ相単回PK(Pharmacokinetics))試験を開始することを計画しています。

 

<MRX-9FLT:中枢性鎮痛薬(フェンタニルテープ剤)>

MRX-9FLTが持つ誤用事故防止機能が評価され、FDAからファスト・トラック指定(重篤または生命を脅かす恐れのある疾患やアンメットメディカルニーズの高い疾患に対して治療効果が期待される新薬を優先的に審査する制度。開発から審査までの迅速化を目的としている。ファスト・トラック指定により、臨床試験に関する相談などFDAと協議する機会がより多く与えられる)を受けています。早期の承認取得を目指して開発を進めてまいります。

 

<Alto-101:中枢神経疾患治療薬(PDE4阻害剤)>

2023年9月に米国の創薬ベンチャーである Alto Neuroscience, Inc.と、メドレックス独自の経皮吸収技術を適用した中枢神経領域の新規医薬品候補(Alto-101)に関する提携契約を締結しました。Alto-101について、現在臨床第Ⅰ相試験を実施中であり、2024年に様々な精神疾患を対象とした臨床第Ⅱ相試験の開始が計画されています。

 

<マイクロニードルアレイ(MN)>

国内外の複数の製薬会社・ワクチンベンチャー等とフィージビリティスタディ(実現可能性を検討する研究)を実施しながら、事業提携を模索しています。その一つとして、株式会社ファンペップと抗体誘導ペプチドMN製剤についての共同研究を、コロンビア大学と免疫賦活剤および抗がんペプチドとMNを組み合わせた乳がん治療のための共同研究を実施中です。

 

「MRX-5LBT “Lydolyte”」の新薬承認取得、「MRX-4TZT」のP2試験成功、その他のパイプライン・基盤技術についての開発進展が、引き続き重要な経営課題であります。

 

(2) 製薬会社等とのパートナーシップの構築

メドレックスグループは研究開発投資が先行する創薬パイプライン型ベンチャーであることから、製薬会社等との事業提携も重要課題であると認識しています。各開発パイプラインや基盤技術の一部について、開発権や販売権のライセンスアウトを通じて、win-winの関係を構築できるパートナーから収益を得て、財務基盤の強化、持続的な企業成長を図っていく方針です。

「MRX-5LBT “Lydolyte”」の新薬承認取得に続く販売パートナーとの提携、「MRX-4TZT」のP2試験成功に続く事業提携が、引き続き重要な経営課題であります。

 

(3) 開発資金の確保

メドレックスグループは研究開発投資が先行する創薬パイプライン型ベンチャーであることから、中長期的成長に向けて、創薬パイプラインの開発アセットとしての価値を高めていくための開発資金の確保も重要課題であると認識しています。当連結会計年度においては、第24回新株予約権(行使価額修正条項付)の行使による新株発行、第25回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行及び行使による新株発行により、開発資金を確保することができました。今後も、適時適切な財務活動による資金調達を実施して開発資金を確保し、開発アセットの価値向上を通じて企業価値向上を図っていく方針です。

 

(4) 人材の採用・育成、企業風土の醸成

メドレックスグループの事業活動は、医薬品業界における豊富な経験を有する経営陣及び研究開発人員により運営されているものの、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。メドレックスが持続的な成長を果たすためには、人的陣容強化が欠かせないと認識しており、常に優秀な人材の確保と育成に努めています。また、研究開発推進の背骨となる多様性とチャレンジ精神を尊重する企業風土を培い続けていく所存です。

 

(5) 内部統制の強化

メドレックスグループでは、企業規模・業容に応じた内部管理体制を整備し機能させることが重要であると考えています。業務執行の妥当性や効率性のチェック機能を有効に働かせ、取締役6名(社外取締役1名を含む)、監査役3名(社外監査役2名を含む)及び従業員22名の小規模組織(2023年12月末現在)に応じた内部管理体制を敷いています。

2024年3月28日開催の第22期定時株主総会での承認可決を前提として、取締役会の監督機能を強化して経営の健全性・透明性を一層向上させるため、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行することを計画しています。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

メドレックスグループはこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、メドレックス株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、更にこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意頂く必要があると考えます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてメドレックスグループが判断したものであります。

 

Ⅰ. 医薬品の研究開発、医薬品業界に関するリスクについて

(1) 新薬開発の不確実性

医療用医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要しますが、臨床試験で有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断を行うことは稀ではありません。また、日本国内はもとより、海外市場への展開においては、各国の薬事関連法規等の法的規制の適用を受けており、新薬の製造及び販売には各国別に厳格な審査に基づく承認を取得しなければならないため、有効性、安全性、及び品質等に関する十分なデータが得られず、予定していた時期に上市ができず延期になる、または上市を断念する可能性があります。これはメドレックスグループのパイプラインを他社にライセンスアウトした場合も同様であり、メドレックスグループが研究開発を行った医療用医薬品候補及び他社にライセンスアウトした医療用医薬品候補の上市が延期または中止された場合、メドレックスグループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応策として、メドレックスグループでは、自社グループの研究開発機能を進化発展させるとともに、他の製薬企業、バイオベンチャー企業、大学等の研究機関との提携、共同研究・共同開発により、パイプラインの拡充及び複線化に努めています。経営資源の制約(資金、社員数等)によってパイプライン数の上限はありますが、「メドレックスグループのリスク・リターン(9ページ)」に記載しておりますように、複数の開発パイプラインで、成功確率の大小、成功時収益の大小を評価の主軸とした開発パイプライン・ポートフォリオを構成することにより、メドレックスグループ全体としてのリスクを一定程度低減させつつ、大きな成功を目指しています。

(2) 薬事関連法規等の規制

メドレックスは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」という)」等の薬事関連法規の厳格な規制を受けており、事業活動の遂行に際して以下のとおり許認可等を受けています。

許認可等の
名称及び所管官庁

許認可等の内容
及び有効期限

主な許認可取消
又は業務停止事由

第二種医薬品製造販売業許可証
所管官庁:厚生労働省、香川県
 

医薬品医療機器等法第12条第1項の規定により許可された第二種医薬品製造販売業者であること。
有効期限:2029年2月8日
(5年毎の更新)

医薬品医療機器等法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は役員等が欠格条項に該当したとき(医薬品医療機器等法第75条第1項)

 

 

これらの許認可等を受けるための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生していません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合には、規制の対象となる製品を回収し、またはその販売を中止することが求められる可能性及び対象事業を継続できない可能性があり、メドレックスグループの運営に支障をきたし事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、将来において各国薬事法等の諸規制に大きな変化が生じた場合にも、同様に、メドレックスグループの運営に支障をきたし事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 副作用発現、製造物責任

医薬品には、臨床試験段階から更には上市後以降において、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。メドレックスグループは、こうした事態に備えて、製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入しておりますが、最終的にメドレックスグループが負担する賠償額の全てに相当する保険金が支払われる保証はありません。また、メドレックスに対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、製造物責任請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、メドレックスグループ及びメドレックスグループの製品に対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。これら予期せぬ副作用が発現した場合、メドレックスグループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があるとともに、社会的信頼の失墜を通じてメドレックスグループの事業展開にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。

(4) 競合

医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの企業や研究機関等による激しい競争状態にあり、その技術革新は急速に進んでいる状況です。これら競合相手との競争において必ずしもメドレックスが優位性をもって継続できるとは限らず、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果により、メドレックスグループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応策として、自社グループの研究開発機能を進化発展させるとともに、他の製薬企業、バイオベンチャー企業、大学等の研究機関との提携、共同研究・共同開発により、最新の技術革新の取り込み及び協働による競争優位性の確保に努めてまいります。

(5) 医療費抑制策

メドレックスグループの最重要ターゲットである米国において、医療保険改革法案等による先発医薬品への価格引下げ圧力のほか、低価格のジェネリック医薬品の使用促進も進んでいます。また、我が国においても、政府は増え続ける医療費に歯止めをかけるため、医療費の伸びを抑制していく方針を示しており、定期的な薬価引き下げをはじめ、ジェネリック医薬品の使用促進等が進んでいます。今後の医療費政策の動向がメドレックスグループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ.事業遂行上のリスクについて

(1) パイプライン・製品に関する収益の不確実性

メドレックスグループでは、メドレックス製剤技術により製剤開発した複数の医薬品候補製剤(開発パイプライン)を製品化(医薬品としての製造販売承認取得)に向け臨床開発等を行っておりますが、製品上市前の収益として、各開発パイプラインのライセンスアウトによる契約一時金や開発の進捗に応じた所定の成果達成に基づくマイルストン収益を見込んでいます。この発生時期はライセンス交渉や開発の進捗に依存した不安定で予測困難なものであり、ライセンス交渉や開発に遅延が生じた場合、あるいは臨床試験等において期待される結果が確認できなかった場合には、メドレックスグループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応策として、経営資源の制約(資金、社員数等)によってパイプライン数の上限はありますが、「メドレックスグループのリスク・リターン(9ページ)」に記載しておりますように、複数の開発パイプラインで、成功確率の大小、成功時収益の大小を評価の主軸とした開発パイプライン・ポートフォリオを構成して収益源(候補)を複線化することにより、メドレックスグループ全体としてのリスクを一定程度低減させつつ、大きな成功を目指しています。

(2) 小規模組織、少数の事業推進者への依存、業務委託及び提携先への依存

メドレックスグループは、取締役6名(社外取締役1名を含む)、監査役3名(社外監査役2名を含む)及び従業員22名の小規模組織(2023年12月末現在)であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっています。今後、業容拡大に応じて内部管理体制の拡充を図る方針です。

また、メドレックスグループの事業活動は、現経営陣、各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、メドレックスグループの事業活動に支障が生じ、メドレックスグループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

加えて、メドレックスグループでは、研究開発、製造及び販売に関して、業務委託及び業務提携することにより、比較的少人数による事業推進を可能にしています。しかしながら、何らかの理由により、業務受託又は業務提携先との関係が解消された場合には、事業活動に支障をきたし、メドレックスグループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 知的財産権

メドレックスグループでは研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を使用しており、これらはメドレックス所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しています。

しかし、メドレックスが保有している現在出願中の特許が全て成立する保証はありません。また、特許が成立した場合でも、メドレックスの研究開発を超える優れた研究開発により、メドレックスの特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常在しています。メドレックスの特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、メドレックスグループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、メドレックスグループでは他社の特許権の侵害を未然に防止するため特許調査を実施しており、これまでに、メドレックスグループの開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。しかし、メドレックスグループのような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、メドレックスグループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応策として、メドレックスグループでは知的財産権に関する豊富な知識、経験を有する専門人材を雇用してその任に当たらせ、特許権を含む知的財産権を適切に管理しております。また、取締役会において毎月、特許権の申請・取得状況について知財担当の専門人材の詳細な説明による継続的なモニタリングを行うことで、リスクの回避と影響の低減を図っております。

 

Ⅲ.業績等に関するリスクについて

(1) 社歴の浅さ

メドレックスは2002年1月に設立された社歴の浅い企業であり、医薬品業界における豊富な経験を有する経営陣及び研究開発人員により運営されているものの、今後、未だ経験していない事業上のトラブルが発生する可能性は否定できず、将来の不確実要因も多いと考えられます。

(2) マイナスの繰越利益剰余金の計上

メドレックスグループは、医薬品の研究開発を主軸とするベンチャー企業です。医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、ベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。メドレックスグループも創業以来継続的に営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。

メドレックスグループは、複数のパイプラインの開発を推し進めることにより、将来の利益拡大を目指しています。しかしながら、設立以来親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、将来において計画通りに親会社株主に帰属する当期純利益を計上できない可能性もあります。また、メドレックス事業が計画通りに進展せず親会社株主に帰属する当期純利益を獲得できない場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。

(3) 収益計上が大きく変動する傾向

メドレックスグループは、上市済み製品による売上を計上しているもののその額は微々たるものであり、メドレックスグループの売上高は、現在開発中のパイプラインのライセンスアウト時の契約一時金及び開発進捗に伴うマイルストン収入に大きく影響されるため、過年度の売上高、親会社株主に帰属する当期純利益(損失)は不安定に推移しています。この傾向は、現在開発中のパイプラインが上市され安定的な収益基盤となるまで続くと見込まれます。

(4) 資金繰り

メドレックスグループは、研究開発型企業として多額の研究開発資金を必要とし、また研究開発費用の負担により長期に亘って先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。メドレックスも営業キャッシュ・フローのマイナスが続いており、かつ現状では安定的な収益源を十分には有しておりません。

このため、先行投資期間においては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針です。当期においては、2022年9月に発行した第三者割当による第24回新株予約権の行使により、新規パイプライン創出に向けた製剤開発及びCPN-101(MRX-4TZT):痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)の臨床第2相試験(治験薬試製造等の準備費用を含む。)に要する費用等としての資金を獲得しました。また、2023年3月に発行した第三者割当による第25回新株予約権の行使により、新規パイプライン創出に向けた製剤開発及びCPN-101(MRX-4TZT):痙性麻痺治療薬(チザニジンテープ剤)の臨床第2相試験(治験薬試製造等の準備費用を含む。)に要する費用等としての資金を獲得しました。

メドレックスグループでは、こうした方針を今後も継続していく予定ですが、将来的に必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、メドレックス事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。

(5) 為替変動リスク

メドレックスグループの収入及び支出(計画を含む)には米国ドル建決済が含まれていますが、特段の為替リスクヘッジは行っておりません。大幅な為替変動が生じた場合には、メドレックスグループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(6) 調達資金使途

上場時の公募増資及びその後現在に至るまでの新株予約権の権利行使により調達した資金は、医薬品の研究開発を中心とした事業費用に充当する計画です。但し、新薬開発に関わる研究開発活動の成果が収益に結びつくには長期間を要する一方で、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はなく、その結果、調達した資金が期待される利益に結びつかない可能性があります。

 

(7) 新株発行による資金調達

メドレックスグループは際限ない成長意欲を有しており、将来の急速な事業規模の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、メドレックスの発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

(8) ストック・オプション

メドレックスは、メドレックス取締役、監査役、従業員、メドレックス子会社従業員及び社外協力者の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を採用しています。メドレックス取締役、監査役、従業員、メドレックス子会社従業員及び社外協力者に対して新株予約権の発行と付与を行っています。

2023年12月31日現在におけるメドレックスの発行済株式総数は38,365,100株であり、これら新株予約権の権利が行使された場合は、新たに166,000株の新株式が発行され、メドレックスの1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、所定の業績達成基準が満たされた場合に行使可能な有償ストック・オプションが57,200個(5,720,000株)存在しております。

今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。従って、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、メドレックスの1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

(9) 配当政策

医薬品の研究開発には多額の初期投資を要し、その投資回収も長期に及ぶ傾向にあり、メドレックスも創業以来継続的に営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。このような状況下においては、積極的な開発推進によって企業価値を高めることこそが、株主利益の最大化に繋がると考えています。

2023年12月期末においては、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありません。

株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって親会社株主に帰属する当期純利益が計上される時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、配当による利益還元の実施を検討したいと考えております。

(10) 継続企業の前提に関する重要事象等

メドレックスグループは創薬ベンチャー企業です。

医薬品の研究開発には長期に及ぶ先行投資が必要であり、ベンチャー企業として医薬品の開発に取り組んでいるため、期間損益のマイナスが先行する結果となっております。
 当連結会計年度においても営業赤字が継続しているため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況となっておりますが、2013年2月13日の東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う資金調達及び上場以降適時に実施してまいりました資金調達により、翌連結会計年度の研究開発活動を展開するための資金は確保できており、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識しております。 

「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおり、提携済みパイプラインからのマイルストン収入や新たな事業提携による契約一時金収入等の事業収益と、適時適切な財務活動による資金調達を組み合わせて、事業基盤並びに財務基盤の強化を図り、当該状況の解消、改善に努めてまいります。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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