神東塗料グループ(神東塗料及び関係会社)は、大日本塗料株式会社を親会社とする企業グループに属し、神東塗料、子会社7社及び関連会社6社で構成され、塗料、化成品の製造販売を主な事業としております。
神東塗料グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
神東塗料グループの主な事業を系統図によって示すと次のとおりとなります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、神東塗料グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
神東塗料グループは、高い技術水準に裏打ちされた高品質、高機能、環境対応型の塗料製品・コーティング材料とサービスを顧客志向の組織を通じて、真心こめて提供していくことを基本方針としております。
また、神東塗料は以下の「企業理念」を経営の基本としております。
「企業理念」
神東塗料は、
1. 塗料事業を通じて社会の発展に貢献します。
2. 堅実と信用を第一に、お客様に信頼される会社であり続けます。
3. 社員が愛着を持ち、より誇りの持てる会社を目指していきます。
(2) 目標とする経営指標
神東塗料グループにおきましては、業績に占める持分法適用会社の重要性を考慮し、売上高、営業利益、経常利益、売上高営業利益率及び売上高経常利益率を重要な指標として認識しておりますが、当面はコアビジネスの収益力の向上を図るため売上高営業利益率を最重要視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
神東塗料グループの事業領域である塗料事業は、国内市場での緩やかな縮小が続くと想定されており、他方で事業環境においては原材料価格の高騰や、少子高齢化による労務費単価の上昇が続いております。また、神東塗料製品の品質については、不適切行為公表とその後の公的規格の認証停止・取消し等でお取引先様の信頼を失っており、現時点ではお取引先様からの信頼回復にはなお時間を要すると言わざるを得ない状況でございます。このため、2023~2025年度の中期経営計画においては、売上高の拡大を目指すのではなく、神東塗料グループ全社員が一丸となって、抜本的な企業風土の改善に着実に取り組み、お取引先様からの信頼回復を最優先としました。具体的には、引き続き、塗料設計・製造技術を事業展開のコアとし、お取引先様に安心・信頼頂ける製品を提供することを最優先とし、データを活用した良品率向上・業務の標準化・組織の簡素化等による生産性向上、同業他社との様々な協業可能性の検討による利益率向上の3つの基本方針で取り組んで参りました。
中期計画の初年度である2023年度は、人員増などによる品質管理体制の拡充を進めたものの、一時停止となった公的認証の解除は完了できませんでした。他方業績は、価格改定が遅れる一方で原材料価格が想定よりも高止まりとなったこと、需要の減少や価格修正の反動などにより販売数量が計画比で減少したことなどから、営業損益は改善したものの当初の目標を大きく下回る結果に終わりました。
このため2年目にあたる2024年度につきましては、生産性の向上施策を1年前倒しする等の合理化を上積みすることで、営業黒字化を何としても達成することとしました。
かかる状況を踏まえ、今次中期経営計画への取り組みは2025年3月期で一旦終了し、新たに2025年度から始まる3ヵ年の中期計画の策定中であり、確定次第、開示する予定です。
(4) 会社の対処すべき課題
神東塗料には、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(その他経営全般に関するリスク)」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在しております。
このような事象を解消するために、神東塗料グループとして塗料設計・製造技術を事業展開のコアとし、お取引先様に安心・信頼頂ける製品を提供することを最優先とします。そのうえでデータを活用した良品率向上・業務の標準化・組織の簡素化等による生産性向上に取り組みます。加えて自動車を含むインダストリアル分野に軸足を置き、お客様の必要とする価値と機能を実現できる製品・技術をお届けすることを通じ、安定した収益を継続的に確保できる体制を目指します。引き続き品質管理体制の信頼性向上をはじめとする神東塗料のコンプライアンス・ガバナンス体制の一層の強化に向け、全社一丸となって取り組み続けることと認識しております。
<不適切行為の再発防止策の進捗状況等>
神東塗料における不適切行為につきまして、株主の皆様にはご迷惑、ご心配をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
神東塗料は、2022年4月28日付「神東塗料製の一部製品に係る不適切行為に関する調査報告書公表のお知らせ」にて、再発防止策等を取りまとめ公表いたしました。その後、2023年5月29日付「弊社一部製品に係る不適切行為公表後の状況について(第二報)」で進捗状況をご報告しております。
2024年4月末時点における神東塗料の再発防止策の各項目及び進捗状況の概要は次のとおりです。
再発防止策が適時適切に行われているかどうかをモニタリングするため、社外役員・外部コンサルタント等から構成された「『明日の神東』推進委員会」にて2022年6月より継続的に進捗状況のレビューと種々の提言を受けてまいりました。
日本産業規格(JIS)に関しましては、3規格の一時停止解除に向けた是正改善を行い、JIS K 5551(構造物用さび止めペイント)は2023年5月18日に、JIS K 5659(鋼構造物用耐候性塗料)は2024年1月31日に、一時停止解除の判断をいただきました。
神東塗料は、一連の不適切行為を受けまして、ルールを知り、ルールを守って仕事をする、お客様との約束を厳格に守って仕事をする会社に生まれ変わっていくために再発防止策を策定し、全社をあげて取り組み実行してまいりました。当初は課題が多岐にわたるため、通常の業務執行体制では十分対処できないことも考えられたため、社外のお力を借りて遅滞なく進めるという意味で上記委員会を設け、多くのご助言やご支援を頂き、現在の状況まで至ることができました。現状、公的認証の回復にも一定の目途が付くところまで改善が進み、各お取引先様との確認や調整も順次進められているところとなっております。こうした状況をふまえ、「明日の神東」推進委員会は、2024年3月28日を以て終了し、再発防止策の進捗は神東塗料経営会議で他の業務課題と同様に定期的にモニタリングしていくこととしました。
経営者が神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において神東塗料グループが判断したものであります。
(市場や供給に係るリスク)
(1) 新製品の研究開発に係るリスク
神東塗料グループにとって、新製品の研究開発や上市は最重要課題の一つと認識し取り組んでおりますが、顧客ニーズの多様化・変化等の不確定要素により、将来の収益源の柱となる新製品の研究開発が期待どおりに進捗しなかった場合には、競争力が低下し、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 製品の品質に係るリスク
神東塗料グループは、世界的に認められている厳格な品質管理基準に従って、各種製品を製造しておりますが、すべての製品について欠陥が無く、将来にわたってリコールが発生しないという保証はありません。大規模な製品事故や予期せぬ品質問題の発生は、多額のコストや神東塗料グループの評価に重大な影響を与え、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 原材料の価格変動及び需給に係るリスク
神東塗料グループの使用する各種原材料は、国内外の需給関係等により仕入価格が変動いたします。仕入価格が上昇した場合、神東塗料グループの製品価格への転嫁が遅れることなどにより、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また神東塗料グループでは、購入先を複数にするなど原材料が購入できないリスクを低減するように努めておりますが、時に原材料の不足が生じないという保証はありません。必要な原材料が確保できない場合、神東塗料グループの生産・販売活動に影響を与え、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 他社との競合や価格競争に係るリスク
神東塗料グループの事業は価格競争に晒されております。また、国内塗料需要がほぼ横這いで推移するなか、競合他社の生産能力増強等、様々な理由により神東塗料グループの製品は今後も厳しい価格競争に晒されるものと予想されます。神東塗料グループはコストの低減に努めておりますが、価格競争を克服できない場合、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 事故・災害に係るリスク
神東塗料グループは、製造設備の停止や製造設備に起因する事故等による潜在的なマイナス要因を最小化するため、すべての製造設備において定期的な点検を実施しております。しかしながら、製造設備で発生する事故、自然災害等による影響を完全に防止・軽減できる保証はありません。また、神東塗料グループの事業活動におけるシステム・ネットワークへの依存度は年々増加しており、セキュリティの高度化等によりシステム及びデータの保護に努めておりますが、停電、自然災害並びにコンピュータウイルス及びハッキング等のシステム犯罪等により、システム・ネットワーク障害が生じる可能性があります。
事故等により、工場周辺に物的・人的被害を及ぼした場合、あるいは、システム・ネットワーク障害が発生した場合、事業活動に支障をきたすほか、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 品質不適切行為に係るリスク
神東塗料において、公益財団法人日本水道協会の認証規格(JWWA K139)とは異なる条件で得られた試験結果により認証を取得した製品、2008年のJWWA K139規格改訂(使用可能な原料を指定)の際、使用されていた原料の報告を怠ったことにより指定外原料を使用する状態となった製品、及び同改訂後に指定外原料を使用して認証登録した製品、その他不適切行為が認められた製品が確認されました。
日本水道協会の認証規格とは異なる試験条件で得られた結果により認証を取得した製品及び指定外原料を使用した製品につきましては、いずれも省令で定める衛生性が確認されております。また、その他不適切行為が認められた製品はいずれも塗料性能への影響はないと考えておりますが、お客様に対しては、謝罪とともに、事案の内容及び当該製品の品質が担保されていることについて順次個別にご説明し、ご指導に従い適切に対応しております。しかし、本不適切行為に関連したお客様等との協議の中で本不適切行為に関連する補償内容について合意がなされない場合、訴訟等を提起される可能性があります。
その結果、今後の進捗次第では、お客様への補償費用の発生により、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、神東塗料は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係) 8 偶発債務」に記載のとおり、訴訟を提起されております。
(資産や負債に係るリスク)
(1) 固定資産の減損に係るリスク
神東塗料グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下又は市場価格の下落等により、減損損失が発生し、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 地価の下落に係るリスク
神東塗料グループが保有する土地について、その多くは土地の再評価に関する法律に基づき再評価を行っております。今後、地価が大幅に下落した場合には、減損会計適用による損失が発生するなど、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 金利変動に係るリスク
神東塗料グループは、運転資金及び設備資金に要する資金を主に金融機関からの借入により調達しております。また、神東塗料においては2022年12月23日付及び2023年9月27日付で株式会社三井住友銀行をアレンジャーとするシンジケートローンにより、多額の資金調達を実施いたしました。そのため、総資産に対する借入金残高の比率は高い水準にあります。金利は安定した状態が続いておりますが、今後金利が上昇した場合には支払利息が増加し、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替レート変動に係るリスク
神東塗料グループは、国内で製造した製品を海外に輸出するとともに海外からの原料品を輸入しておりますが、製品輸出高は原料品輸入高を上回っております。外国通貨に対して円高が進行した場合、海外で生産された製品に対する価格競争力が低下することに加え、輸出手取額が減少します。一方、外国通貨に対して円安が進行した場合、神東塗料グループの使用する各種原材料の仕入価格上昇へと間接的に影響が及ぶことがあります。為替レートの変動によるリスクを完全にヘッジすることはできないため、為替レートの変動は神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の関係会社には外国通貨建の債務を保有している会社があるため、外国通貨に対して自国通貨安が進行した場合、為替差損が発生し、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
海外の関係会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(その他経営全般に係るリスク)
(1) コンプライアンスに係るリスク
神東塗料グループは、コンプライアンス推進体制を構築するとともに、役員・従業員への教育啓発活動を随時実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めています。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、神東塗料グループの評価に重大な影響を与え、発生した損害に対する賠償金の支払等により、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 規制変更に係るリスク
神東塗料グループは、事業展開する各国の規制に従い、業務を遂行しております。将来における法律、規則、政策、実施慣行、解釈及びその他の変更並びにそれらによって発生する事態が、神東塗料グループの業務遂行、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に環境及び化学品の安全等に対する法的規制が強化され、新たな対策コストが発生する可能性があります。
(3) 人材確保に係るリスク
神東塗料グループの成長及び利益は、製造・販売・研究開発・管理における専門性を有する優秀な人材の確保・育成に影響されます。神東塗料グループでは、こうした有能な人材の確保・育成に努めておりますが、労働市場における人材獲得競争は厳しさを増しており、想定どおりに採用・教育が進まない場合、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 知的財産権に係るリスク
神東塗料グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し事業の競争力を強化してきました。神東塗料グループ独自の技術・製品とノウハウの一部は、厳正な管理を行っているものの、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があり、また、特定の地域ではこれらの知的財産の完全な保護が不可能なため、第三者が神東塗料グループの知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また将来、知的財産に係る紛争が生じ、神東塗料グループに不利な判断がなされる可能性があります。
(5) 訴訟に係るリスク
神東塗料グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、係争その他の法律的手続きの対象となるリスクがあり、将来重要な訴訟等が提起された場合には神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、神東塗料は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係) 8 偶発債務」に記載のとおり、訴訟を提起されております。
(6) その他のリスク
疾病、自然災害、産業事故、テロ、戦争等が発生した場合には、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、国内外における企業の一時的な操業停止・減産等、経済に多大な影響を与えており、神東塗料グループにおいても一部生産調整を行うなど影響が及んでおります。新型コロナウイルス感染症の収束時期や今後の展開次第では、神東塗料グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に更に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 継続企業の前提に関する重要事象等
神東塗料グループは、前連結会計年度において原材料価格高騰等の影響の売価是正や生産合理化等が一部にとどまり、大幅な営業損失1,203百万円、経常損失1,146百万円、及び親会社株主に帰属する当期純損失1,806百万円を計上いたしました。当連結会計年度においても、引き続き原材料価格高騰等の影響の売価是正や生産合理化等が一部にとどまり、営業損失479百万円、経常損失460百万円、及び親会社株主に帰属する当期純損失497百万円を計上いたしました。
また、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係) 8 偶発債務」に記載のとおり、神東塗料において本件不適切行為が判明しており、今後の訴訟およびお客様等との協議等の結果によっては、本件不適切行為に係る補償費用が新たに発生する可能性があります。これらにより、神東塗料の連結業績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点でその影響額を合理的に見積ることが困難なものについては、連結財務諸表に反映しておりません。
これらの事象により、神東塗料は継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
このような状況に対し、神東塗料は、原材料価格高騰を受けた損益改善の取り組みとして販売価格等の是正、役員報酬の減額等の固定費の削減を進めております。
また、本件不適切行為に関しては、お客様に対しては、謝罪とともに事案の内容及び当該製品の品質が担保されていることについて順次個別にご説明し、ご指導に従い適切に対応しております。
更に、財務面では、政策保有株式及び社宅等の資産の売却を進め、キャッシュ・フローの改善に向けた施策も進めております。また、当連結会計年度において、シンジケートローン契約の財務制限条項に抵触する見込みが高くなったことから、2024年3月29日付で、財務制限条項の変更契約を締結しており、引き続き金融機関の支援を得られる見通しです。
以上の結果、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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