日本パレットプール(4690)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】日本パレットプールは、1972年、わが国初の一貫パレチゼーションによる、物流近代化を目指したパレットのプール運営会社として設立されて以来、これの推進、普及活動に取り組んでまいりました。日本パレットプールの主たる事業の第一は、木製パレット、プラスチック製パレット及びサポーター、ネステナー、ロールボックス等の荷役・運搬機器のレンタル並びにレンタル方式によるパレットのプール運営であります。レンタル方式によるパレットのプール運営とは、同一規格のパレットを共同利用、循環運営する社会的仕組みともいえるシステムで、パレットのプール運営会社である日本パレットプールが、全国各地に設置した約200カ所のデポ(パレットの保管、入出庫、保全管理拠点)に、それぞれパレットを常備して「何時でも」「何処でも」「必要な数だけ」お客様にレンタル提供し、不要になった空パレットは、全国のどのデポでも返却を受けるシステムであります。また、パレットの修理等の保守管理は、日本パレットプールが行います。主要事業の第二は、一貫パレチゼーションの推進であります。一貫パレチゼーションとは、製品の出荷から着荷まで、パレット上に積み付けた貨物を解荷、積替えすることなく、一貫してフォークリフト等の機械荷役で輸送、保管を行うことであります。手間とコストのかかる自社パレットをレンタルに切替え、この一貫パレチゼーション方式を採用することによって、企業にとって、輸送コストの低減、荷役作業の軽減、作業時間の短縮等のメリットをもたらします。この一貫パレチゼーションは、物流効率化の有効な手段の一つとして評価されております。 [NPPパレットプールシステム]パレットプールシステムとは、同一のパレットを多くのお客様が共同・循環利用していただくことによって、物流の効率化を図るシステムです。
有価証券報告書(2025年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において日本パレットプールが判断したものであります。(1) 新たな企業理念 ・私たちは、果敢な挑戦により、持続的な成長を果たします ・私たちは、環境に優しい物流サービス・物流商品の提供を通じ、持続可能な社会の実現に貢献します 昨今、産業界は少子高齢化による慢性的な人手不足、法改正、働き方の変化への対応等、大きな変革を求められております。日本パレットプールは、既存のビジネスモデルに縛られず、社会の変容を捉えた新たな市場の創造に果敢に挑戦するとともに、環境に配慮した物流サービス・物流商品を提供していくことで、持続的な社会の実現に貢献してまいります。 (2) 長期ビジョン 日本パレットプールは長期ビジョン(ありたい姿)として、7年後の2031年度において、売上高100億円、経常利益10億円の達成を目指しており、この目標達成のための第一歩として、2022年4月1日より「経営3か年計画2024」をスタートさせ、3年間に亘って事業の成長と企業価値の向上に取り組んでまいりました。続いて、2025年4月1日より新たな中期経営計画である「経営3か年計画2027」がスタートしております。新たな企業理念のもとで、輸送、倉庫保管等の物流のサポートによる事業拡大、ネットワークの再構築やオペレーションの効率化による原価低減等、経営全般に亘る改善を進めるとともに、今後成長が見込まれる新規事業に積極的に投資することにより、事業基盤の強化を図ってまいります。 成長イメージ (3) 経営3か年計画2024 A.経営3か年計画2024における3つの重点施策① コア事業の拡大と新規事業の展開お客様ニーズに沿ったサービスの提供や物流機器類の商品ラインナップの拡充を図るとともに、パレット位置情報管理システム「フクLOW」付パレットの導入など新商品・サービスの拡販に取り組んでまいります。また、アライアンスによる新規事業への進出も検討してまいります。 ② 事業運営体制の強化全国約200カ所のデポの適正配置や、輸配送・回収業務の共同化、モーダルシフトの積極的展開などによる効率性向上を図ります。また、「フクLOW」システムの展開やRPAの推進、受発注・回収システムの導入などDXの推進にも取り組んでまいります。③ ESG経営への取り組み内部統制機能の強化とコンプライアンスの徹底に取り組むとともに、環境保全活動や社会貢献活動にも積極的に取り組んでまいります。 B.経営計画における経営数値目標及び実績について ① 経営数値目標経営計画の最終年度である2024年度の目標に対する進捗は以下のとおりとなります。なお、2022年度の終了時点で2024年度計画の営業利益、経常利益、当期純利益を達成したため、2023年度及び2024年度の目標数値は、2023年5月に公表したローリング版のものに変更しております。 2022年度2023年度2024年度 実績目標実績目標実績目標進捗率売上高(百万円)7,3947,1857,5827,5506,9357,65090.7営業利益(百万円)9847007789003681,05035.1経常利益(百万円)1,1178008741,0004711,15041.0当期純利益(百万円)83350052770031085036.5 ② 重点施策の実施状況項目実施状況コア事業の拡大と新規事業の展開 (レンタル事業)・素材系・原材料系メーカーへの拡販 主に化学繊維業界を中心に顧客基盤の形成に成功 ・環境配慮商品・サービスの提供 リサイクル材使用パレットの拡販による収益確保 を実現 (販売事業)・取扱商品の拡充 フォールドデッキ、アシストスーツ、輸出用ワン ウェイパレット、養生資材等を拡充 事業運営体制の強化 ・デポ再編の推進 水島デポをはじめ10デポ新設、小規模デポの見直 し(休/廃止) ・輸配送の効率化(供給/回収) 輸配送ネットワークの強化、支店間輸送の効率化 ・駅パレサービスの拡充 13の貨物駅にて駅パレサービスを開始/拡充 ESG経営への取り組み ・コーポレートガバナンスの水準向上 ・指名・報酬委員会の設置/開催 ・取締役会実効性評価の実施 ・社会貢献活動の推進 ・オレンジリボン運動、ベルマーク運動、小児ワク チン購入支援活動の実施 ・CO2排出量の削減 ・「NPPの森」の育林活動 ・モーダルシフトの積極的推進 ・廃パレットの完全リサイクルの継続 ③ 資本政策 ・ROE(自己資本利益率) 10%以上 ・EPS(1株当たり当期純利益) 300円以上 ・自己資本比率 45%程度 実績の推移 2022年度2023年度2024年度 ROE15.3%8.7%4.8% EPS495.15円313.46円185.26円 自己資本比率48.2%56.6%63.6% (4) 対処すべき課題今後の経済の動向につきましては、世界的なインフレ動向に落ち着きが見られる中、国内においては、物価上昇に対する価格転嫁が徐々に進んでいる等、足元の景況感は緩やかに持ち直しているものの、個人消費の伸び悩みや人手不足の深刻化等の懸念材料もあり、本格的な景気回復が見通しづらい状況にあります。レンタルパレット業界におきましては、物流の効率化やサステナビリティの観点から注目されている一方で、様々な課題に直面しております。近年の業界を取り巻く市場環境につきましては以下のとおりであります。 [業界を取り巻く市場環境] A.物流業界全体の動向 ・人手不足 ドライバーや倉庫作業員の不足が深刻化しており、作業効率の向上が求められている。 ・2024年問題(物流の働き方改革) トラック運転手の労働時間制限により、輸送効率の見直しが急務となっている。 ・サプライチェーンの可視化・効率化 IT導入やトレーサビリティのニーズが高まっており、レンタルパレットの動態管理がよ り重要となっている。 B.サステナビリティ・環境経営の高まり ・プラスチック削減・リサイクル重視 木製パレットや再生プラスチックパレット活用への検討が進むものとみられる。 ・CO2排出削減 リユース可能なレンタルパレットは環境負荷軽減に貢献するものとして、注目されつつあ る。 C.パレット規格の統一化 様々なサイズや形状のパレットが使われることで発生する効率性の低下や、積み替え作業の 負担を減らすために、特定の規格(サイズや仕様)への対応が求められている。 このような市場環境のもとで、日本パレットプールは長期ビジョン(ありたい姿)として定めた、7年後の2031年度における「売上高100億円、経常利益10億円」の実現に向けて、今後3年間の経営指針となる「経営3か年計画2027」を策定し、この達成に向けて取り組むことといたしました。 (5) 経営3か年計画2027 A.経営3か年計画2027の「核となる戦略」 ① 事業基盤強化 ・M&Aや資本施策の検討及び実行 ・設備投資の促進 ・IRやガバナンスの強化 ② 売上拡大 ・主要取引先との連携強化による売上拡大 ・新規取引業界の開拓による売上拡大 ③ 人的資本経営 ・人材の育成や組織力の強化 ・制度の見直しや拡充 ・ダイバーシティの推進 ④ オペレーション体制の強化 ・ネットワークの再構築(スクラップ&ビルド) ・オペレーションの効率化 ・環境親和性の向上 ⑤ 新規事業等による事業拡大 ・新規事業の創出 ・高精度位置情報管理システムの展開 B.経営数値目標 「経営3か年計画2027」(2025年度~2027年度)の経営数値目標は、以下のとおりとなります。 2025年度2026度2027年度 売上高(百万円)7,4007,7008,000 経常利益(百万円)730760800 (2025年度の見通し)日本パレットプールの今後の見通しについては、化学製品の国内外需要減退の影響を受けて、主要な取引先である石油化学樹脂関連企業向けレンタルが厳しく推移するものと予想されるため、レンタル売上の拡大に向けて、自社パレットを利用中の顧客に対して、レンタルへの切替えを提案していくとともに、ロジスティクス企業(利用運送事業者等)との連携の強化や既存顧客の領域拡大(顧客ニーズ・課題に基づく新たなサービスや商品の提案)等に積極的に取り組んでまいります。また、JR貨物駅構内にデポを設置してパレットのレンタル・返却を行う駅パレ事業の拡充や、ネステナー、フォールドデッキ、パワーアシストスーツといった商品の拡販を推進し、売上拡大を目指してまいります。一方、支出面については、既存のデポの統廃合・移設によるパレット等の保管コストの圧縮、洗浄・修理機能を備えたフルスペックデポの拡充によるパレットの供給スピードアップ等、オペレーション体制の見直しと強化によって収益力の向上を図ってまいります。以上の内容を踏まえて、2025年度の業績見通しにつきましては、売上高74億円、経常利益7億30百万円としております。 [資本政策] ROE(自己資本利益率)10%以上 EPS(1株当たり当期純利益)350円以上 自己資本比率50%程度 資本効率を意識した成長投資を行い、優良な資産を積み上げていくことで収益力の強化を図るとともに、有利子負債の活用と株主還元強化による資本構成の最適化でROEを高めていく方針であります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】日本パレットプールの経営成績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において日本パレットプールが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。(1) 経済情勢の動向日本パレットプールの事業の特徴として、パレット等物流機器のレンタル収益の割合が高いため、景況感や企業収益の悪化等が原因によるお客様の物流コスト抑制傾向が、レンタル単価の低下圧力となって、日本パレットプールの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。レンタル以外の収益拡大を図るべく、日本パレットプールと関係の深い日本通運株式会社、日本貨物鉄道株式会社の支援をいただきながら、トラック輸送・JRコンテナ輸送用フォールドデッキなどの物流関連商品の販売強化に努めてまいります。 (2) パレット仕入価格の変動日本パレットプールの貸与資産である木製・プラスチック製パレットを外部業者から定期的に購入しているため、原木不足や原油価格の高騰等が生じた場合、パレットの仕入価格が上昇します。仕入価格の増加分をレンタル単価へ転嫁することが充分に進まない場合、日本パレットプールの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。コントロールが難しい領域ではありますが、仕入先の分散化によって、仕入価格の変動リスクの緩和を図りながら、新造パレットを安定して調達できるよう努めております。 (3) 顧客市場環境の変化日本パレットプールの顧客企業の中で、特に石油化学樹脂関連企業向けのシェアが高いため、同業界の事業環境に左右されやすく、お客様の側において生産調整や在庫削減の動きが顕著となった場合、レンタル需要が低迷し、日本パレットプールの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。日本パレットプールでは、石油化学樹脂関連企業に次ぐ“売上げの柱”の確立を課題として取り組んでおります。具体的には、フォールドデッキやパワーアシストスーツ等の商品のラインナップの拡充や新たな料金プランのレンタル商品である「安心パック」、「長期安心くん」(※)等、お客様のニーズにお応えする価値を提供し、事業領域の拡大を図ってまいります。(※)「安心パック」、「長期安心くん」とは、自社で保有されているパレットのレンタル利用への切り替えの阻害要因として、賠償負担を挙げられるお客様が多いことから、紛失・破損による損失リスクをあらかじめ織り込んだ料金設定としておき、限度内であれば返却時に賠償を不要とする内容のものであります。 (4) 貸与資産の回収不能日本パレットプールの主力事業である一貫パレチゼーションによるレンタル事業において、パレット等の貸与資産の所在を明確化するため、情報システムの活用による運用機能の充実と作業体制の改善による回収強化に取り組んでおります。しかしながら、顧客貨物の流通過程での貸与資産の所在を完全には把握できず、全量の回収は困難であることから、最終的に回収不能となる貸与資産が発生し、日本パレットプールの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。回収不能パレットの発生を最小限に抑えるため、各メーカー様のご協力を得ながら、最終需要家に長期滞留しているパレットの回収強化に積極的に取り組むとともに、「フクLOW」を活用して、紛失や不正利用の縮小を図ってまいります。 (5) 固定資産の減損日本パレットプールでは、固定資産の減損に係る会計基準に従い、定期的に固定資産の減損の兆候を判定し、兆候がある場合は保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定して、減損損失の認識・測定を行っております。経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、対象となる資産に減損損失を計上する必要が生じた場合は、日本パレットプールの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。日本パレットプールでは、各事業の採算性を的確に把握すべく、全国の営業・サービス拠点から情報の早期収集に努めるとともに、必要な措置を講じることで、当該リスクの低減を図っております。 (6) 情報システム及び情報セキュリティ日本パレットプールのIT推進部門においては、「システムリスク管理規程」「情報システムセキュリティ基本方針」「情報システムセキュリティ対策標準」を整備し、適切な利用環境の構築、及びeラーニング等を利用した従業員への教育に努めております。しかしながら、想定を超えた水準の情報システムや通信における障害、近年、規模や頻度が拡大し巧妙化を続けるサイバー攻撃などによる機密情報の破壊、窃盗などは、日本パレットプールの事業活動に深刻な影響を及ぼすだけでなく、経営成績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 人材の確保・育成日本パレットプールの社員構成において、日本通運株式会社及び日本貨物鉄道株式会社からの出向社員の比率が高く、社員の平均年齢も上昇傾向にあることから、今後、若年層・専門的人材が確保できずに事業の継続に支障が出る場合は、日本パレットプールの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。日本パレットプールでは、今後新規・中途採用を積極的に拡大し、人材の確保・育成を進めてまいります。 (8) 自然災害の発生地震、津波、台風等の大規模な自然災害が発生した場合、サプライチェーンが寸断して、お客様に安定してレンタル商品を提供できなくなるなど、日本パレットプールの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。日本パレットプールでは、リスク・危機管理委員会を設置して、災害発生時の対応ルールを策定し、全社で徹底するなど、自然災害に対する被害・損害を最小限にするための危機管理体制の構築に取り組んでおります。 (9) 感染症等の感染拡大日本パレットプールの従業員に新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に事業活動を停止せざるを得ないなど、日本パレットプールの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症に関しては、従業員に対し在宅のテレワークを推進し、ITサポート体制を拡充しております。また、オフィスにおける具体的な取り組み(定期的な室内換気、小まめな手洗い等)で従業員の安全と健康を最優先した対応を徹底することにより、感染リスクの極小化を図っております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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