ANYCOLOR(5032)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


ANYCOLOR(5032)の株価チャート ANYCOLOR(5032)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

(1)コーポレート・ミッション

 ANYCOLORは「魔法のような、新体験を。」というコーポレート・ミッションを掲げており、今までにない新しいエンターテイメントの体験を世の中に提供することを目的に、サービス展開を行っております。

 テレビ・ラジオをはじめとした従来のメディアにおいては、コンテンツを制作するクリエイターが、視聴するユーザーにコンテンツを提供するという一方通行の形式が主体となっていました。しかし、インターネットを通じて、誰もがコンテンツを発信するクリエイターになることが可能となることで、クリエイターとユーザーの垣根がなくなり、より多くのコンテンツが発信されるようになり、Google LLCが提供する動画配信プラットフォームであるYouTube等を用いたライブストリーミング(注)によって、ユーザーがリアルタイムで反応ができる双方向性のメディアが新しいメディアの形態として出現してきました。

 ANYCOLORは、テクノロジーを活用して新しい体験を提供することで、エンターテイメントの更なる可能性を追求し、世の中の人々に楽しみを与えることを目指してまいります。

(注)インターネット上で、音声や動画をリアルタイムで配信すること。

 

(2)サービス概要

 ANYCOLORが運営するVTuberグループ「にじさんじ」は、本書提出日現在で約180名の多種多様なVTuberが所属するVTuberグループであり、ライブストリーミングによる双方向性のコミュニケーションを通じて、ファンコミュニティの構築を図っております。更に、グッズ・デジタル商品の販売やイベントの開催等を通じて、VTuberコミュニティの盛り上がりを高めることができると考えております。

 VTuberとはVirtual YouTuberの略称であり、ライバーと呼ばれる現実の人間を、モーションキャプチャー技術(注)を利用してバーチャルキャラクター(アニメキャラクター)に置き換えることで、従来のアニメキャラクターでは表現できなかった詳細な表情や仕草を表現して、動画配信を行うことが可能になりました。また、ユーザーはライブ配信のチャット機能を通じて、VTuberとコミュニケーションをとることが可能です。

 また、ANYCOLORは国内だけではなく、英語圏及び中国を中心に海外でもVTuberビジネスを展開しており、各国のネットワークを活かし、VTuberコンテンツを世界へ配信しております。

 

(注)モーションキャプチャーとは、現実の人物や物体の動きをデジタル的に記録する技術であります。

 

(3)ANYCOLORの事業分野別の内容

 ANYCOLORは動画コンテンツ関連事業の単一セグメントであり、主な事業はVTuberグループ「にじさんじ」の運営であり、YouTubeにおいて動画配信を行うライブストリーミング領域を中心としながら、動画配信以外の接点を提供してVTuberの活動の幅を拡大する「コマース領域」及び「イベント領域」、ANYCOLORが保有するANYCOLOR所属VTuberに関するIP(Intellectual Property:知的財産)を用いて、顧客企業の商品やサービスのプロモーションを行う「プロモーション領域」でビジネスを展開しております。

 

 

① ライブストリーミング領域

 ライブストリーミング領域においては、VTuberグループ「にじさんじ」の運営を中心に、VTuberとの双方向のコミュニケーションを通じてファンコミュニティの創出を図っております。

 新規VTuberのデビューにあたっては、VTuberの容姿を含む、キャラクター設定をANYCOLORでデザイン・設計し、ANYCOLORが開催するオーディションへの応募者の中からライバーを選考しております。その後、オーディションで選ばれたライバーとの間で業務委託契約を締結したうえで、ANYCOLORが作成したVTuber活動に必要なアバター、VTuberの名称、ANYCOLORが開発した自宅から自分一人で2D及び3Dでの配信を可能にするツール、YouTube等の配信アカウントやソーシャルネットワークサービス(以下「SNS」という。)アカウントをライバーに貸与しています。

 以上のプロセスを経て活動を行うVTuberは、SNSや配信等を通じてファン等と相互のコミュニケーションが可能であり、各VTuberはバーチャル世界におけるタレントとして、テレビ番組に出演する等様々な活動領域に進出しております。

 ANYCOLORに所属するVTuberは、YouTubeにおいて主にライブ配信動画を中心とした動画配信活動に従事しています。ユーザーはVTuberによるライブ配信を視聴する中で、YouTubeに搭載されているチャット機能を通じて、VTuberと交流することが可能です。また、ライブ配信動画は、リアルタイムでのライブ配信を視聴できなかったユーザーも、各VTuberのYouTubeチャンネルに過去動画が蓄積されており、ユーザーは当該動画を視聴することが可能です。

 ANYCOLORは、収益の拡大に向けてVTuberに対してYouTubeにおける動画配信活動のサポートその他の各種サポートを行うとともに、「にじさんじ」グループとしての動画番組制作のサポート、自宅から配信可能な機材の貸与や配信スタジオの提供、動画内で使用される社外の著作物に関する権利確認や各種ガイドラインに沿った研修の実施等によるコンテンツの健全化対応、インターネット上での炎上事案を発生させないためのVTuberへのコンプライアンス研修、VTuberに対する誹謗中傷が発生した場合は、誹謗中傷に該当する発信の削除請求や警察への被害相談等を行っております。

 ライブストリーミング領域における収益は主にSuper Chat、YouTubeメンバーシップ、Google AdSense収益の3つで構成されています。Super Chatとは、YouTubeが提供するサービスであり、YouTubeのライブ配信におけるチャット機能のうち、ユーザーが有料課金を行うことで当該ユーザーのコメントが目立つように固定表示される機能です。ユーザーはその課金額に応じて、自分自身のチャットの色と固定表示される時間の長さが変わり、ユーザーは自分自身のコメントを色付けして強調させることで、VTuberにコメントを認識してもらう機会が増え、VTuberとユーザー間、ファン同士のコミュニケーションが促進されることに加え、ファンコミュニティにおけるユーザーの認知度を高めることにもつながります。

 YouTubeメンバーシップについても、YouTube上でのサービスの一つであり、ユーザーが一定の月額料金を支払うことによってYouTubeチャンネルのメンバーとなり、メンバーシップに加入したユーザー向けの限定動画、その他のアイテム等のメンバーシップ限定の特典を得られる制度です。Google AdSense収益は、ANYCOLOR所属VTuberのYouTube上の動画を閲覧しているユーザーが、YouTube上に流れる広告を閲覧することにより、収益の一部をGoogle LLCから受領することによる収益です。

 ライブストリーミング領域における3つの収益のうち、Super Chat収益とYouTubeメンバーシップ収益については、Google LLCへの手数料を控除したネット金額を受領しておりますが、財務諸表上の収益にはSuper Chat収益とYouTubeメンバーシップ収益の総額を計上し、費用にGoogle LLCへの手数料を計上しております。Google AdSense収益については、Google LLCからの受領額(ネット金額)を収益に計上しております。また、ライバーに対しては、各VTuberのYouTubeチャンネルから稼得された収益のうち一部を支払います。

 

② コマース領域

 ANYCOLORはライブ配信で培ったファンコミュニティに向けて、ライブ配信以外でのVTuberと接する機会を増加させる観点から、様々なANYCOLORオリジナルのグッズやVTuberの音声を録音したデジタル商品(以下グッズとデジタル商品を総称して「コンテンツ」という。)を販売しております。コンテンツには、常時販売されている常設コンテンツの他、季節限定コンテンツや受注生産コンテンツ、イベント限定コンテンツ等の様々な形態があります。加えて、VTuberの活動の幅の拡がりに応じて、歌手デビューを行うVTuberも増えており、それに応じて楽曲の販売等、新しいコンテンツ販売も増加しております。

 販売チャネルについては、「にじさんじ」公式のオンライン販売ウェブサイトである「にじさんじオフィシャルストア」を中心としながら、ANYCOLORが主催するイベント会場における販売等と多岐にわたっております。また、コンテンツの販売に加えて、2020年10月より、「にじさんじ」の公式ファンクラブである「にじさんじ FAN CLUB」の提供を開始しており、ファン同士やファンとVTuberとの間でのチャット機能等の有料サービスを提供しております。ANYCOLORでは、販売するコンテンツの企画立案、コンテンツデザイン、コンテンツ制作の発注等を行っており、コンテンツを継続的に提供できるよう努めております。コンテンツ収益には、コンテンツ販売による売上を計上しております。また、ライバーに対しては、各VTuberに直接的に紐づくコンテンツの収益のうち一部を支払います。

 

③ イベント領域

 コンテンツ販売に加え、ANYCOLORはVTuberの魅力をイベント会場で体感してもらうことを目的に、ANYCOLOR所属のVTuberが出演する、音楽をはじめとしたイベントを主催しております。当事業年度に実施した主要な施策として、2025年5月10日から2026年4月11日の約1年間にわたり開催された「にじさんじ WORLD TOUR 2025 Singin’ in the Rainbow!」では、「にじさんじ」7周年を記念し海外を含む複数の主要都市にて公演を行いました。

 ANYCOLORでは、イベントの企画立案及び外部のイベント制作企業と協業しながらイベントの制作等を行っており、VTuberファンの方々にさらにファンになっていただけるよう努めております。また、音楽レーベルとの関係を構築し、過去に複数の音楽レーベルからANYCOLOR所属のVTuberが制作した楽曲の販売を行っております。イベント収益には、イベント開催に伴うチケット収入等(共催の場合には、共催比率を乗じた金額)を計上しております。

 

④ プロモーション領域

 プロモーション領域における収益は主にタイアップ広告、IPライセンス、メディア出演の3つ(以下「企業案件」という。)で構成されています。タイアップ広告とは、顧客企業の商品やサービスを動画等によりVTuberがプロモーションを行うもので、ANYCOLORは顧客企業よりプロモーションの対価を受領します。IPライセンスとは、ANYCOLORが保有するANYCOLOR所属VTuberに関するIP(Intellectual Property:知的財産)を顧客企業の商品やサービスに使用許諾を行うというもので、ANYCOLORは顧客企業よりIPの使用料を受領します。メディア出演とは、ANYCOLORに所属するVTuberがテレビ、ラジオ、雑誌、インターネット配信その他の顧客企業のメディアに出演するもので、ANYCOLORは所属VTuberの出演料を顧客企業より受領します。ANYCOLORでは、顧客企業に対してVTuberのIP利用を提案し、企業案件受注後は実施に向けて顧客企業とVTuberの間に入ってサポートを行っています。

 VTuberの活動領域が拡がっていくことで、VTuberの認知度が高まり、IPとしての価値は次第に高まっていき、メディアでの活動の幅・出演機会は今後も増えていくものと考えています。

 また、ANYCOLORはステルスマーケティング(注)を防止すること及び優良誤認を防止することを目的に提供表示に関するガイドラインを策定しており、顧客企業やファンからの信頼獲得に努めております。企業案件収益には、顧客企業から受領した報酬を売上高として計上しております。また、企業案件に従事したライバーに対して一定の報酬を支払います。

 

(注)何らかの宣伝・広報であることを消費者に隠して行う活動のこと。

 

 

[事業系統図]

 以上に述べたANYCOLORの事業を、事業系統図によって示すと以下のとおりとなります。

 

 

 

 


有価証券報告書(2024年4月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 ANYCOLORの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてANYCOLORが判断したものになります。

(1)経営方針

 ANYCOLORは、「魔法のような、新体験を。」というコーポレート・ミッションを掲げており、今までにない新しいエンターテイメントの体験を世の中に提供することを目的に、VTuberグループ「にじさんじ」の運営等のサービス展開を行っております。

 

(2)経営環境

① VTuberグループとしての特徴

 ANYCOLORの強みはVTuberによるライブ配信におけるVTuberとユーザーとの双方向のコミュニケーションを通じて培うVTuberとユーザーとのファンコミュニティであると考えています。ANYCOLORのVTuberビジネスにはその特性上、以下に掲げる3つの強みがあると考えております。

1.ANYCOLORではVTuberのイラスト、キャラクターを会社がデザイン・設定し、VTuberのIPを会社が保有しております。会社がIPを保有することで、IPを活用したコマース領域やプロモーション領域への展開のしやすさや、ライバーの高い活動継続率などといった安定的な事業体制につながっております。

2.バーチャル世界においては現実世界における知名度を活かすことができず、バーチャル世界における知名度が重要となるとANYCOLORでは考えております。有名キャラクターや芸能人が一時的にVTuberビジネスを開始することは予想されるものの、グループとして成功する上では、ライブストリーミングを通じて獲得したファンとライバーとの間の関係性は他社の参入障壁となると考えております。

3.VTuberはバーチャルキャラクターであるため、ライバーの現実世界における制約(性別、職業、国籍等)を受けることなく配信が可能です。また、定期的なコンプライアンス研修の実施や動画内容のパトロールを行うことでコンテンツの健全性を確保し、炎上の発生を抑えることに繋がると考えております。

 

② ANYCOLORの業績について

 ANYCOLORは、VTuberグループ「にじさんじ」の運営を起点として、ライブストリーミング領域、コマース領域、イベント領域、プロモーション領域を展開しており、VTuberをライブストリーミングにとどめることなく活動領域の拡大に取り組んで参りました。

 所属VTuber数の増加とサポート体制の拡充を両立することで、「にじさんじ」のファン数が着実に増加し、それによりコマース領域が大きく伸長しております。また、VTuberの活動の幅の拡がりと共に認知度も高まることで、「にじさんじ」に企業案件を依頼いただける顧客企業が増加し、プロモーション領域も大きく伸長しております。このようにコマース領域とプロモーション領域が中心となって、売上高の成長を牽引しております。

 また、ANYCOLORの営業利益率についても改善傾向にありますが、ANYCOLORが計上している売上原価のうちには、デザイナー、エンジニア、映像制作等の原価的な性質を持つ人件費や外注費の一部や配信スタジオの賃料等といった、必ずしも売上高の成長に比例して増加するとは限らないコストも含まれております。また、販売費及び一般管理費に含まれるコストも、営業、事業開発、経営管理等の原価項目以外の人件費、地代家賃等をはじめとして売上高の成長に比例して増加するとは限らないものが大半となります。

 

③ ANYCOLOR所属VTuberとファンコミュニティについて

 約150名のVTuberで構成されるVTuberグループ「にじさんじ」では、各VTuberの動画配信を視聴したユーザーとの間で、他の「にじさんじ」所属VTuberの動画配信の視聴やコマース領域、イベント領域及びプロモーション領域を通じた接点を持つこと等により、当該ユーザーの「にじさんじ」のファンとしての定着を図っております。また、ANYCOLORの新人VTuberは「にじさんじ」グループの一員としてデビューすることで、「にじさんじ」の既存ファンコミュニティを活用して、ファンを獲得することが可能となっております。

 

VTuberはキャラクターとしての魅力に加えて、ライバーと配信を通じたコミュニケーションを通じて各VTuberそれぞれがファンとの関係を築いていくという特徴があると考えております。また、ANYCOLORは特定のVTuberへの依存が低いと認識しており、幅広いVTuberの活動に支えられて運営を行っております。それは収益分散状況に表れていると考えており、2024年4月期売上高のうち、約30%はTOP10のVTuberにより獲得された収益であり、約50%はTOP30のVTuberにより獲得された収益となっております。こうした収益の分散状況から、仮に特定のVTuberが卒業をすることになったとしても収益基盤への影響が限定的であり、ANYCOLOR事業の継続性・安定性は高いと考えております。

 

④ VTuber市場の更なる成長可能性

 VTuber市場は、誕生から間もない市場であり、VTuberの活動の幅の拡大に合わせて、アクセス可能な市場規模は今後も拡大していくとANYCOLORは考えております。VTuberは、2016年12月頃より、バーチャルな存在として活動するYouTuberを呼称する用語として用いられるようになった言葉であり、2017年には主に個人で活動するVTuberが多く生まれました。ANYCOLORがVTuberグループ「にじさんじ」の活動を開始したのは2018年2月で、2018年以降はANYCOLORのように個人ではなくグループとして活動するVTuberが増加した時期であり、また、既存キャラクターのVTuber化や企業の広報宣伝を目的としたVTuberが誕生する等、VTuberはその活動を多様化していきました。こうした発展を背景に、日本国内のVTuber市場の規模は2023年度に800億円と見込まれており、2020年度からの年平均成長率は77%となっております(注1)。

より長期的なビジョンでは、VTuberの活動を拡げることでアニメ業界を中心としたエンターテインメント業界の広大な市場を開拓していくことを目指してまいります。ライブストリーミング領域においては、既存のYouTube配信やアニメの配信市場(1,652億円(注2))が類似した市場であると考えており、その一部を置き換えうると考えております。同様に、コンテンツ販売においては国内アニメ市場のグッズ販売市場(6,693億円(注2))を、イベントは国内アニメ市場のライブ市場(972億円(注2))の一部を置き換えうると考えております。また、プロモーション領域においては、日本の動画広告市場(6,253億円(注3))の一部を置き換えうると考えております。加えて、今後VTuberが活動領域を拡げることで、更にアクセス可能な市場は拡がっていくと考えております。例えば足元ではVTuberが歌手デビューを通じて、国内の音楽市場にアクセス可能となっているほか、VTuberがTVに出演する機会も増えていることから、今後リアルとバーチャルにおける芸能人/タレントの垣根がなくなっていくことで、VTuber市場が更に拡大する可能性があるものと考えております。

 

(注)1.株式会社矢野経済研究所「2023年 VTuber市場の徹底研究 ~市場調査編~」

2.一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2023」

3.株式会社サイバーエージェント「サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表」

 

 

(3)中長期的な経営戦略等

 ANYCOLORは中長期的な経営戦略として、引き続きVTuberの育成・デビューに取り組むとともに、エコシステムの強化を通してVTuber1人あたりの収益を拡大することを基本戦略としており、以下のような取組みを通じて①事業基盤の強化、②継続的なVTuberの輩出、③VTuber当たり収益の拡大を目指してまいります。

 

① 事業基盤の強化

 ANYCOLORでは新規VTuberのデビューに加えて、既存VTuberの強化やユニットプロデュースの促進に合わせ各領域での人的リソースを強化してまいります。ANYCOLOR事業に必要な人材例としては、VTuberの活動をサポートし、出演するリアルライブをVTuberと一緒に作り上げるタレントマネージャー、デザイン力×自社IPによって、ファンの方々へ質の高いコンテンツをデザインするイラストレーター、ライバーの3D配信や、社内外含む大型イベントに使用する3Dのキャラクターモデル、もしくは小物・背景を制作する3Dモデルデザイナー、スタジオにて配信/収録業務の映像、音声オペレーションを担当するスタジオエンジニアなどが挙げられます。ANYCOLORでは採用広報の強化など組織的に採用戦略を展開することで、VTuberを支える会社基盤を強化してまいります。

 また、ANYCOLORでは2024年秋に配信スタジオへの設備投資を行うことを計画しており、新スタジオは面積規模をこれまでの3倍の規模に拡張し、VTuberの人数増加や、多様なコンテンツ制作ニーズに対応してまいります。新スタジオでは、様々な用途で活用可能な2D/3Dスタジオ、レコーティングスタジオ、個人配信ブースといった各種のスタジオ機能をこれまで以上の規模・クオリティに拡充し、配信コンテンツ、音楽、イベントなどの領域で魅力的なコンテンツの提供を実現いたします。

② 継続的なVTuberの輩出

 ANYCOLORでは所属VTuberの活躍を通じて「にじさんじ」のファンコミュニティが拡大することで、「にじさんじ」というプラットフォームで活動を希望するライバー候補者の人数が増加し、それがより魅力的な才能に出会える可能性の最大化に繋がると考えております。

 ANYCOLORは、2021年6月にバーチャル・タレント・アカデミーと呼ばれるVTuberの養成所を開設しております。ライバー候補の方々をVTuberとしてデビューさせる前段階において、配信トレーニング、ボイス・歌唱トレーニング、ダンス・モーショントレーニング、ファンとの向き合い方、動画編集・スタジオ活用能力の強化等、個々人が希望する活動の方向性等を加味しながら、能力の育成に努めております。バーチャル・タレント・アカデミーでは継続的なVTuberの輩出に向けた幅広い才能を集めるオーディションを定期的に開催しており、年間で50人から60人程度の候補生を選抜しております。また、よりユニークな才能を持ったVTuberの輩出に向けた通常とは異なるオーディションも開催しており、長期的な視点から、現在所属するVTuberとは異なるファン層の開拓に繋がり得る人材を発掘することも目指しております。

 

③ VTuber当たり収益の拡大

 ANYCOLORではユニットプロデュースの展開と成長を通じて、業界を牽引するようなTop VTuberへの投資と育成を行っております。ユニットプロデュースとは複数人のVTuberでVTuberユニットを組成し、VTuber個人としての活動に加えて、当該ユニットでの音楽コンテンツ、グッズ、ライブイベント、YouTubeでの番組コンテンツなどを提供するものです。多様なVTuberが所属するANYCOLORの強みを活かしたユニット展開を加速し、既存ユニットの成長と新規ユニットの輩出を通してファンコミュニティのさらなる拡大を目指してまいります。ユニット活動では、VTuber同士の掛け合いなどから新たな方向性や特徴が生まれることで従来とは違うファン層の開拓に繋がると考えております。

 またANYCOLORでは、コマース領域での企画充実による各VTuberのファンコミュニティ拡大、スケジュール管理による機会損失の回避と販売機会の拡大を図るため、ファンコミュニティが求めるアイテムをより幅広く企画・供給出来る体制を整備しております。具体的には、①製品の企画・製造ラインを拡大し、ニーズのある製品を毎月安定的に供給できる体制を構築すること、②適切な販売スケジュールの管理を行い、製品リリースのタイミング等を適切に管理し機会損失を低減すること、③時流に合わせた商品企画を行い、ファンがより求める新製品や高品質な製品の企画・提供することを通じて、コマースのポテンシャルを最大化し、VTuber当たりの売上を拡大してまいります。

 

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

ANYCOLORのコーポレート・ミッションの実現及び持続的な成長と企業価値向上を表す指標として、売上高、各領域別売上高、営業利益、営業利益率を経営上重要な指標として位置付けております。また、売上高の拡大には、にじさんじVTuber数、ANYCOLOR ID数の拡大が必要であると考えております。以下では、ANYCOLORのサービス別の売上高推移と営業利益を掲載しており、これらは多様な収益基盤を軸とした成長性と収益性の拡大を示しているとANYCOLORでは考えております。

 

領域別業績と営業利益の推移

(単位:千円)

 

 

2021年4月期

2022年4月期

2023年4月期

2024年4月期

売上高

7,636,041

14,164,140

25,341,711

31,995,554

ライブストリーミング領域

2,464,063

3,710,255

5,074,234

4,993,539

コマース領域

3,363,513

7,162,421

14,247,400

18,937,365

イベント領域

602,302

785,559

1,600,210

1,906,571

プロモーション領域

1,037,759

2,304,140

4,048,748

5,884,578

その他領域(注1)

168,400

201,762

371,117

273,499

営業利益

(営業利益率)

1,452,015

(19.0%)

4,191,075

(29.6%)

9,410,018

(37.1%)

12,361,867

(38.6%)

 (注)1.その他領域には中国でのVTuberビジネス等を含んでおります。

2.ANYCOLORが2024年6月12日に公表した「中期的な成長に向けた経営方針」に基づき、当期において各事業領域への集約を行っており、各領域には国内、英語圏、韓国、インドネシアにおける売上高を含めて表示しております。

 

KPIの推移

 

 

2021年4月期

2022年4月期

2023年4月期

2024年4月期

VTuber数(日本・英語圏)

(名)

103

129

156

158

ANYCOLOR ID数

(万アカウント)

22

53

93

126

 

(5)優先的に対処すべき事業上の課題

 ANYCOLORの優先的に対処すべき主な課題は以下のとおりであります。なお、優先的に対処すべき財務上の課題はございません。

① サービスの健全性の確保

 ANYCOLORでは、健全なコンテンツを発信していくことが、中長期的にはファンや顧客企業の獲得・蓄積に資すると考えており、ANYCOLORに所属するライバーに対するコンプライアンス研修やコンテンツ管理に注力しております。また、SNS等の普及により、インターネット上でのクリエイターに対する誹謗中傷等が社会的に問題となっております。ANYCOLORでは、所属するライバー等をそうした脅威から保護するための体制の強化を進めてまいります。

 

② サービスの認知度向上

 ANYCOLORが今後も高い成長率を持続していくためには、VTuber及び「にじさんじ」の認知度を向上させ、継続的に新規ファンを獲得していくことが必要不可欠であると考えております。これまでの活動を通じて、10代後半から20代前半の方々を中心に主には若年層の方々の間で一定の認知が広がってきているものの、更に幅広い層のファンを獲得するために、SNSを中心としたマーケティングや広報活動の拡充を推進してまいります。

 

③ ライバーの発掘と育成

 ANYCOLORにとって、所属するライバーの育成と、新規でのライバーの発掘は事業上の根幹をなすものとなっております。ANYCOLORは現在所属しているライバーに向けて、動画やコンテンツの制作に係る支援や企業案件の獲得、視聴者やファンの増加のための各種サポートを引き続き一層強化するとともに、VTuberの世界観やキャラクターデザインの改善等、様々な取り組みを継続してまいります。また、未来のライバーの発掘や育成のために、これまでに実施しているオーディションの形に捉われず、様々な可能性を追求してまいります。

 

④ 新技術への対応

 ANYCOLORは、技術の発達によりエンターテイメントにおける新たな方法による表現が可能になり、ファンの方々に提供できる体験を進化させることができるという認識のもと、新技術への対応を適時に行うことが重要な課題であると考えております。したがって、ANYCOLORでは、VRやAR等を含む、近年において次々と登場する新技術に対応すべく、必要な対応や投資を積極的に行ってまいります。

 

⑤ 優秀な人材の採用と育成

 ANYCOLORの継続的な成長には、事業拡大に応じた優秀な人材を採用するとともに、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。ANYCOLORのコーポレート・ミッションに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が働きやすい環境の整備や人事制度の構築を行ってまいります。また、採用後も、ANYCOLORで存分に力を発揮することを後押しするために、業務を通じたトレーニングの他、研修制度等の充実にも努めてまいります。

 

⑥ 海外市場の開拓

 ANYCOLORでは現在、英語圏及び中国を中心に海外でもVTuberビジネスを展開しておりますが、これらの地域におけるVTuberの普及は発展途上の段階であり、積極的に事業拡大を図っていく中で、海外におけるVTuberの浸透に努めてまいります。また、現在進出していない国・地域におけるVTuberビジネスの可能性についても、継続的に検討してまいります。

 

⑦ 情報管理体制の強化

 ANYCOLORでは、所属ライバーや顧客に関する個人情報を保有しており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。今後も社内規程の厳格な運用や、役職員に対する定期的な社内教育の実施、情報セキュリティシステムの整備等に取り組み、一層の情報管理体制の強化、徹底を図ってまいります。

 

⑧ 内部管理体制の更なる強化

 ANYCOLORの更なる成長のためには、業務の効率化や、事業の規模やリスクに応じた内部管理体制の更なる強化が重要な課題であると認識しております。今後も、事業上のリスクを適切に把握・分析したうえで、リスク管理規程やコンプライアンス規程等の改定、社内教育の充実等を通じて、適正な内部管理体制の整備に取り組んでまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。

 ANYCOLORでは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、ANYCOLOR株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてANYCOLORが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。

(特に重要なリスク)

① 他社が運営している動画配信プラットフォームへの依存について

 ANYCOLORのライブストリーミング領域はYouTube等の他社が運営する動画配信プラットフォーム上において、サービスを提供しております。しかしながら、ANYCOLORが動画配信プラットフォームの運営会社の利用規約等に違反すること等に起因して先方との契約関係が終了し、ANYCOLORのサービスが当該動画配信プラットフォーム上で展開できなくなった場合、または当該動画配信プラットフォームが利用者の減少により、動画配信媒体としての価値が低下した場合には、ANYCOLOR事業にも影響が生じ、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。

 ANYCOLORでは、動画配信ビジネス以外にも、コンテンツ販売やイベント等を通じて、動画配信プラットフォームのみに依存することなく、ファンの蓄積や収益の確保に努めており、ANYCOLORの収益全体に占める動画配信ビジネスの比率は過度に高い状況にはないと認識しております。また、単一のプラットフォームのみに依存することなく、ファンをSNS等の様々な箇所に蓄積しており、動画配信プラットフォームを移行する等の対応も可能な体制となっております。

 

② 人気VTuberへの依存について

 ANYCOLORが運営するVTuberグループ「にじさんじ」はグループとしてのデビューに加え、ライブ配信においてVTuberとのコミュニケーションを通じたユーザーとの絆を深めることで、特定のVTuberへの依存が低いと認識しており、幅広いVTuberが多くのファンによって支えられています。一方でコンテンツ・IPサービスを展開しているうえで、人気VTuberへの依存、新規人気VTuberを生み出せないリスク等は常にリスクとして認識しており、ANYCOLORの強みを生かして安定的にVTuberを増加させるとともに、ファンコミュニティの熱量を維持しつつ拡大していくことを目指します。

 人気VTuberのライバーが活動を休止・停止した場合や、スキャンダルや炎上によりVTuber活動に影響が生じた場合、ANYCOLORがマネジメント戦略上の理由でVTuber活動を抑制した場合、ライバーとの間での業務委託契約はその期間が限定されており、毎回更新できる保証はなく、上記のような人気ライバーとの業務委託契約が更新に至らなかった場合、新規の人気VTuberを生み出すことができなかった場合等には、ANYCOLOR又は「にじさんじ」のレピュテーションや、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。

 ANYCOLORでは、VTuberの活動を幅広くサポートしており、ライバーの方々に安心して活動していただける体制の構築に努めております。また、ライバーは「にじさんじ」所属VTuberとしての活動をANYCOLORから独立して行うということは困難であり、現在までの「にじさんじ」VTuberの引退は少数となっております。

 

③ 動画内容に不適切な内容が入ることによるレピュテーションリスク

 ANYCOLORでは所属するライバーに対して公序良俗の違反や知的財産権の侵害につながるような動画配信や活動をしないよう指導に努めております。また、第三者からの指摘等により所属ライバーが不適切な活動を行っていることを認識した場合はすみやかに対処するように努めております。しかしながら、ANYCOLORの対応が不十分だった場合には、ANYCOLORや所属ライバーのレピュテーション低下や訴訟、訴訟に至らないまでも紛争につながることで、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。

 ANYCOLORでは、健全なコンテンツを発信していくことが、中長期的にはファンや顧客企業の獲得・蓄積に資すると考えており、ANYCOLORに所属するライバーに対するコンプライアンス研修やコンテンツ管理に注力しております。ANYCOLORでは引き続き、ANYCOLORや所属するライバーを不適切な内容の動画を配信することによるレピュテーション低下から保護するための体制の強化を進めてまいります。

 

 

(重要なリスク)

(1)事業環境に関するリスク

① インターネット環境等について

 ANYCOLOR事業は、主としてインターネットを通じてサービスを提供しております。近年におけるスマートフォンやタブレット型端末機器の普及等を背景として、一般ユーザーのインターネット利用環境は継続的に整備が図られ、インターネット上で提供されるサービス及びその利用は拡大傾向にあります。

 しかしながら、将来において、インターネット利用にかかる規制強化、利用料改定等を含む通信事業者の動向の変化、急速な技術革新が生じた場合、一般ユーザーのインターネット利用動向やその在り方に重大な変化が生じた場合、またANYCOLORにおいてこれらの外部環境変化への対応に支障が生じた場合は、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② VTuber業界の成長性について

 ANYCOLORの主軸であるVTuberビジネスは、コンテンツ市場の一端を成すものであり、特に事業の特性やファン層の類似性等の観点から、アニメ市場と密接に関連する市場であると考えており、これら市場の動向に影響を受ける可能性があると認識しております。

 ANYCOLORでは、インターネットの普及を通じて、コンテンツを制作するクリエイターと、それを体験するユーザーの垣根がなくなってきていること、SNS等を通じてクリエイターとユーザーでの間やユーザー相互のコミュニケーションの文化が醸成されてきていること等といった背景から、VTuber市場に潜在的に大きな成長可能性があると考えております。

 一方で、ANYCOLORの事業領域については、比較的新しい市場であることや市場自体が成長途上にあると考えられること等から、現時点においては当該市場の定義が確立されたものにまで至っておらず、今後も定義や形を変えながら進化していくものと考えております。昨今では、未成年者による高額課金が問題となっておりますが、ANYCOLORは配信動画概要欄・弊社ホームページにおいて未成年者に向けて注意喚起文を掲載し、国民生活センターとも連携しながら当該問題へ対応しております。

ANYCOLORは、市場の変化に応じた事業展開を推進していく方針ではありますが、今後において規制導入やその強化、業界におけるトラブル等による信頼性の毀損、その他の要因により当該市場の成長に支障が生じた場合、ANYCOLOR事業にも影響が生じ、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、製品・サービス分野における消費動向は、経済環境や社会情勢等に強く影響を受ける可能性があり、景気動向や雇用情勢、税制、災害その他により個人消費や企業の広告出稿等に著しい影響を及ぼす事象が生じた場合、ANYCOLOR事業にも影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合他社の動向について

 ANYCOLORが事業展開するVTuber市場においては、現在までにVTuber専業企業に加えて、ゲーム会社等のエンターテイメント企業、動画配信プラットフォーム企業、タレントマネジメント企業等の多くの企業が事業を展開しており、市場の競争環境は厳しさを増しております。

 ANYCOLORはこれまでに培ってきたライバーへの各種活動のサポートやVTuber市場における「にじさんじ」ブランドの継続的な拡大を行ってきております。また、既存キャラクターやタレントの活用ではなく、ライバーをプロデュースすることにより、事業を拡大してきており、動画配信に限らずコンテンツ販売やイベント開催、企業案件の獲得等、多岐に渡るサービスを展開している点はANYCOLORの強みであり、ゲーム会社等のエンターテイメント企業、動画配信プラットフォーム企業、タレントマネジメント企業等の潜在的な競合企業やアニメ等の他の動画コンテンツとの差別化に繋がると考えております。

 しかしながら、ANYCOLORのこうした取り組みが予想通りの成果をあげられない場合や、より魅力的・画期的な特徴を持つサービスを展開する競合他社の出現により、ANYCOLORが展開するサービスからのファンの離反等が生じる場合には、ANYCOLOR事業にも影響が生じ、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)事業内容に関するリスク

① Google LLCとの契約について

 ANYCOLORはGoogle LLCとの契約に基づき、ANYCOLORが同社に対し、ANYCOLORが管理する動画コンテンツの利用許諾を行う一方で、ANYCOLORは、同社から提供されるツールを使用して、YouTube上において当該コンテンツを管理し、当該コンテンツから生じる収益の一定料率分を受領しております。

 当該契約は1年間の契約期間で、30日前の終了通知がない限り、さらに1年間自動更新されることになっております。現時点で当該契約が解除になる事由は発生しておりませんが、当該契約が終了する契機は、ANYCOLORの破産等の債務超過、事業の譲渡等による事由、当該契約条項で秘密保持や保証違反等の重要な条項違反があり、また、両当事者ともに30日前に通知することで中途解約することができるとされております。

 当該契約が解除された場合には、ANYCOLOR事業にも影響が生じ、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 海外展開について

 ANYCOLORでは現在、英語圏及び中国を中心に海外でもVTuberビジネスを展開しておりますが、これらの地域におけるVTuberの普及は発展途上の段階であり、積極的に事業拡大を図っていく中で、海外におけるVTuberの浸透に努めております。また、現在進出していない国・地域におけるVTuberビジネスの可能性についても、継続的に検討しております。

 しかしながら、こうした国及び地域におけるVTuberの普及は不確実性を伴うものであり、また言語、地理的要因、法制度・税制度を含む各種規制、経済的及び政治的不安、文化・ユーザーの嗜好や商慣習の違い、為替変動等の様々な潜在的リスク、事業展開に必要な人材及びライバーの確保の困難性、及びそれぞれの国・地域において競争力を有する競合他社との競争リスクが存在します。ANYCOLORがこのようなリスクに対処できない場合、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新規ビジネス開発について

 ANYCOLORではVTuberビジネスに次ぐエンターテイメントビジネスとしてVTuberに限らず、「魔法のような、新体験を。」顧客に提供すべく、事業活動を行っております。今後もエンターテイメントの新たな可能性を信じて、積極的にまだ世の中にないようなエンターテイメントを創造し、そうしたサービスを事業上の軸となるよう、成長させていくことに努めております。

 しかしながら、新規ビジネスの立ち上げと拡大については、既存ビジネスよりもリスクが高いことを認識しております。入念な市場分析や事業計画構築にも関わらず、予測とは異なる状況が発生し、計画通りに進捗しない場合には、投資資金を回収できず、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 技術革新について

 ANYCOLORは、技術の発達によりエンターテイメントの新たな表現が可能になり、ファンの方々に提供できる体験を進化させることができるという認識のもと、新技術への対応を適時に行うことが重要な課題であると考えております。したがって、ANYCOLORでは、VRやAR等を含む、近年において次々と登場する新技術に対応すべく、必要な対応や投資を積極的に行ってまいります。しかしながら、ANYCOLORが展開する事業領域の技術が革新的に変化し、ANYCOLORがその潮流についていくことができなかった場合や対応に想定以上のコストを要するような場合には、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ システムトラブルについて

 ANYCOLORの事業は主としてインターネットを介して提供されており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存をしております。ANYCOLORでは、安定的なサービス運営を行うために、サーバー設備等の強化や社内体制の構築を行っております。しかしながら、システムへの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウエアの不具合、コンピュータウィルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、自然災害、事故等、ANYCOLORの予測不可能な要因によってシステムがダウンした場合や、ANYCOLORのシステム外でユーザーのアクセス環境に悪影響を及ぼす事象が発生した場合には、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法的規制等に関するリスク

① 個人情報管理について

 ANYCOLORでは、所属するライバーや顧客に関する個人情報を保有しており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。今後も社内規程の厳格な運用や、役職員に対する定期的な社内教育の実施、情報セキュリティシステムの整備等に取り組み、一層の情報管理体制の強化、徹底を図ってまいります。しかしながら、万が一に情報が漏洩した場合には、損害賠償費用の発生、社会的信用の失墜等により、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産権の侵害・公序良俗違反について

 ANYCOLORでは、ANYCOLORが運営する事業に関する知的財産権の取得に努め、ANYCOLORが保有する商標、コンテンツ等についての保護を図るとともに、所属するライバーに対して公序良俗の違反や知的財産権の侵害につながるような動画配信や活動をしないように所属VTuberへのコンプライアンス研修の実施、配信動画のモニタリングを行っております。しかしながら、ANYCOLORの知的財産権が第三者から保護されない場合や、第三者から知的財産権の侵害を主張される場合において、ANYCOLOR主張に対する防御または紛争の解決のために費用や損失が発生し、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ インターネット、アプリ等についての法令の解釈適用に関するリスク

 ANYCOLORの主な事業領域であるインターネット上での動画配信やライバーを活用した各種の事業は、新しい業態の事業であるため、ANYCOLORの事業遂行に関連して、著作権法のほか、肖像権・プライバシー権、特定商取引法に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、個人情報の保護に関する法律、動画配信にかかる租税法等に関して、現行の法令及び権利内容の解釈適用上で論点が生じる可能性があり、その結果としてANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)会社組織に関するリスク

① 代表取締役CEO 田角陸への依存について

 代表取締役CEOである田角陸は、ANYCOLORの創業者であり、創業以来代表を務めております。同氏は、VTuber事業の展開に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。ANYCOLORでは、取締役会等における役員及び幹部社員への情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を行っておりますが、何らかの理由により同氏がANYCOLORの業務を継続することが困難となった場合には、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材に関するリスク

 ANYCOLORの継続的な成長には、事業拡大に応じた優秀な人材を採用するとともに、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。ANYCOLORのコーポレート・ミッションに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が働きやすい環境の整備や人事制度の構築を行っております。また、採用後も、ANYCOLORで存分に力を発揮することを後押しするために、業務を通じたトレーニングのほか、研修制度等の充実にも努めております。

 しかしながら、人材獲得競争の激化や市場のニーズの変化等により、想定通りの採用が進まない等といった優秀な人材の獲得が困難となる場合や、現在在職する人材の社外への流出が生じた場合には、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 事業体制及び内部管理体制の強化について

 ANYCOLORのさらなる成長のためには、業務の効率化や、事業の規模やリスクに応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。今後も、事業上のリスクを適切に把握・分析したうえで、社内規程や各種マニュアルの整備、社内教育の充実等を通じて、適正な内部管理体制の整備に取り組んでまいります。また、ANYCOLORは法令に基づき財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し、運用しております。

 しかしながら、今後の急速な事業規模の拡大等により、十分な内部管理体制の構築に支障が生じた場合には、ANYCOLORの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ANYCOLORの財務報告にかかる内部統制システムが有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制システムに重大な不備が発生した場合には、ANYCOLORの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。

 

(5)経営成績及び財政状態等について

  配当政策について

 ANYCOLORは、企業価値の継続的向上を図るとともに、株主の皆様に対する利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置付けております。このような観点から、ANYCOLORは、将来における安定的な企業成長と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保資金を確保しつつ、経営成績に応じた株主への利益還元を継続的に行うことを基本方針としております。具体的には、事業から生み出される利益については、事業費用や設備投資を通じたVTuber事業の成長、株主への還元、将来の投資を見据えた内部留保のバランスを考慮しながら活用していく方針です。株主還元は主として自己株式の取得で対応することを考えており、現時点において配当実施の可能性及び実施時期等については未定であります。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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