ヌーラボ(5033)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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ヌーラボ(5033)の株価チャート ヌーラボ(5033)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 ヌーラボグループは、ヌーラボ、Nulab USA,Inc.(米国ニューヨーク州)及びNulab Netherlands B.V.(オランダ王国アムステルダム市)で構成されております。

 ヌーラボグループは、「無の状態から試行錯誤を経て完成したアイデアは、多くのひとを魅了する素晴らしい作品になると考え、無の状態から有を創り出す「研究所」のような会社でありたい」という思いを「Null(ヌル=無)」と「Lab(研究所)」を合わせた造語を社名に冠し、「To make creating simple and enjoyable-創造を易しく楽しくする-」というミッションを掲げ、企業や個人の生産性を向上させるべくクラウドサービス事業を営んでいます。

 ヌーラボグループが掲げるミッションを達成するために、自身や所属するグループの課題(タスク)をプロジェクトとして管理するツール「Backlog」、様々なアイデアを図で描くことにより言葉を超えて共有することができるビジュアルコラボレーションツール「Cacoo」、多くの人と同時に円滑なコミュニケーションを行うことができるビジネスチャットツール「Typetalk」、IDの管理を容易にし、組織の情報セキュリティ・ガバナンスを高めるツール「Nulab Pass」といった4つのサービスを展開しております。ヌーラボグループでは、これらのサービスによって、企業及び個人の生産性が向上されると考え、サービス提供を行っております。

 なお、ヌーラボグループはクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 具体的なサービスの内容は、以下のとおりです。

 

(1) Backlog

①Backlogの概要

 プロジェクト・タスク管理ツールのBacklogは、チームで協力しながら作業を進めるためのコラボレーション型プロジェクト管理ツールであり、主にSaaS(注1)型で提供しています。その用途は大規模なソフトウエア開発から保守運用、デジタルマーケティングキャンペーンの管理、ウェブサイトの制作まで多岐にわたります。さらには、一般的なオフィスワークのタスク管理や、カスタマーサポートの課題管理にも採用されています。どんな分野のビジネスパーソンでも使いこなせるという特徴により非IT分野での利用が拡大しています。

 また、一部のプランを除き定額でユーザー数無制限での利用が可能となるサブスクリプション型の料金体系を採用していることや契約主体以外のメンバーとの共同利用が可能であるため、複数の法人や組織にまたがったプロジェクト推進が容易となります。これにより、自社で未導入であってもBacklogを活用したプロジェクト推進を体験したユーザーが口コミ(リファラル)で自身が属する企業などにBacklogの導入を促すといった循環が生じ、製品主導での成長を可能としております。

 さらに、絵文字の採用や柔らかな色使いのUI(ユーザインターフェース)によって、ITツールへの抵抗感を軽減し、非エンジニアであってもプロジェクト管理がしやすくなる操作性を目指すだけでなく、メンバー間のコミュニケーション機能やチーム間・組織間でのコラボレーションを助ける機能の充実にも注力しています。

 

②プロジェクト管理に必要な基本機能

 Backlogは、下図に記載のような契約スペース内で業務ごとにプロジェクトを作成し、特定の職種に限定されずにプロジェクト管理を行うための基本的な機能を提供しております。また、プログラムのソースコードなどを管理するバージョン管理システムを使用しソースコード等をプロジェクトに紐づけて管理することや、モバイルアプリの提供やAPI(注2)の提供をはじめとする拡張性を備えております。さらに、Backlogは契約主体以外の社外メンバーもひとつの契約スペースでプロジェクト進行が可能であり、適切な権限付与により権限管理や情報管理が容易となります。

図 プロジェクト管理に必要な基本機能

 

③チームコラボレーションを促進するための機能

Backlogは、シンプルでわかりやすいデザインで、開発、デザイン、マーケティング、バックオフィスなど職種を超えたコラボレーションが促進するような様々な機能が付与されております。例えば、プロジェクトや課題に関するメモ、会議の議事録、作業マニュアル、仕様書などチームメンバーに向けた情報を文書で管理できるWiki機能を備えています。その他、プロジェクトメンバーに対する感謝などを伝えることができる絵文字やスター機能、特定のメールアドレスを設定することで自動的にタスクが登録される機能、大容量のファイルの共有、ExcelやCSVによるデータのエクスポート等の機能を備えています。

 

図 コラボレーションを促進するための機能

 

(2) Cacoo

 ビジュアルコラボレーションツールのCacooは、プロジェクトのアイデアやウェブサイトのレイアウト、作業計画などをオンライン上で簡単に作成し、チーム内に共有できるウェブサービスです。ワイヤーフレーム、フローチャート、組織図、マインドマップ、オフィスレイアウトまで、豊富なテンプレートや図形を元にあらゆる図が作成・共有できます。世界中の様々な業種・チームで利用されています。

 

(3) Typetalk

 ビジネスチャットツールTypetalkは、「組織に新しいアイデアを生み出す」をコンセプトに、様々なチームの会話を実現するビジネスチャットツールです。他のチャットツールと異なる特徴として、Typetalk独自の「まとめ機能」、「ライン返信機能」や「いいね機能」を備えており、これらの機能がチームのコミュニケーションをより楽しく、より円滑となるように設計されています。また、プロジェクト管理ツールBacklogとの高い連携性も特徴です。なお、Typetalkは2025年12月1日(予定)をもってサービスを終了する予定です。

 

(4) Nulab Pass

 組織内のIDの一括管理を容易にし、組織の情報セキュリティ・ガバナンスを高めるツールNulab Passは、ヌーラボグループが提供するサービスのアクセス管理を強化したい組織や、利用する社員のアカウントを一元管理したい管理者に向けた、セキュリティとガバナンス強化のためのサービスであり、ユーザー数に応じた料金体系で提供しております。Nulab Passを利用することで、より安心してヌーラボグループのサービスをご利用いただけるようになります。Nulab Passは、不正なアクセスを防ぐために推奨されている「SAML認証方式(注3)によるSSO(シングルサインオン)」(注4)、「監査ログ」(注5)を提供し、システム運用時のセキュリティリスクを軽減します。

 

(注)1.SaaSとは、Software as a Serviceの省略表記で、従来のパッケージソフトウエアの機能をウェブブラウザなどインターネットを通じて提供するクラウドサービスのことを指します。

2.APIとは、Application Programming Interfaceの省略表記であり、一般的にソフトウエアの機能やデータなどを共有するための仕組みを指します。

   3.SAML認証方式とは、クラウドのリソースを含めたSSO(シングルサインオン)実装に使う仕組みです。SAML(Security Assertion Markup Language)とは、異なるインターネットドメイン間でユーザー認証を行うための標準規格です。セキュリティアサーションマークアップ言語により、顧客のセキュリティ基準を満たしたIDプロバイダーを介してアカウントを認証できるため、資格情報の流出や不正アクセスなどのリスクマネジメントが可能となります。

4.SSO(シングルサインオン)とは、1回のユーザー認証により当該認証に紐づいた複数のクラウドサービス等が利用可能になる仕組みです。

 

5.監査ログとは、ヌーラボサービスにおける特定の操作内容やそれら付随するシステム動作、データの遷移等の履歴を記録したものです。

 

[事業系統図]

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

(注)1.サービス提供の内容は次のとおりです。Backlog、Cacoo、Typetalk、Nulab Pass

2.サービスの使用期間及び使用容量、ユーザー数等に応じたサブスクリプションモデルの利用料等

3.Nulab Singapore Pte.Ltd.は2024年9月に清算結了しております。

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 ヌーラボグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、ヌーラボグループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針・経営戦略等

 ヌーラボグループは、プロジェクト管理ツール「Backlog」、ビジュアルコラボレーションツール「Cacoo」、セキュリティとガバナンス強化のためのツール「Nulab Pass」の開発及び改良を継続的に行っております。

 中長期的には企業が開発から製造、それに市場への製品やサービスの投入といった一連のビジネスを行う上で必要となるサービスをフルラインナップで提供できるようなサービス展開を行い、高いシェアを獲得することで収益性を高め、企業価値の増大を目指してまいります。

 後述の通り企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は多くの企業において経営課題として意識されているものの、一般的には企業等のオフィスワークにおけるプロジェクト管理や業務フローは依然として文書作成や表計算ソフト等が中心となっているものと想定されます。企業におけるコミュニケーション面に着目すると、e-mailが一般的なツールとして広く使用されつつも、テレワークの普及にともないビジネスチャットやWeb会議といったコミュニケーションツールの利用が定着しつつあると認識していますが、ヌーラボグループは業務フロー全体の円滑化をサポートするサービスを提供し、コミュニケーションのみならずチームのコラボレーションを促進するサービスを提供する企業としてのポジションを確立することを目指しております。また、サービス開発にあたっては、一般的なオフィスワーカーの方をはじめとしてどんな職種の方でも親しみやすいUI(ユーザインターフェース)や高度なITスキルをもたない方でもシンプルで使いやすい操作性・機能性を追求することにより、エンジニアの方以外の幅広い職種の方々にご使用いただけるサービスの展開を進めて参ります。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 ヌーラボグループが提供する「Backlog」、「Cacoo」、「Typetalk」及び「Nulab Pass」は、料金を顧客の使用期間及び使用容量、ユーザー数等に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益を獲得することができるものであるため、ARR(注1)、有料契約数(注2)及び解約率(注3)を指標として重視しております。

 

(注)1.Annual Recurring Revenueの略語であり、対象月の連結売上高に12(ヶ月)を乗じて算出されます。なお、2024年3月におけるARRは3,970百万円(前年同月比25.3%増)です。

2.2024年3月末時点におけるヌーラボのサービスにおける有料契約数は18,347件です。

3.2024年3月の前月の月額利用料合計に占める解約に伴い減少した月額利用料合計の割合として算出した解約率は0.45%です。

 

(3) 経営環境

 我が国においては依然として表計算ソフトを利用したプロジェクト管理・タスク管理を行う機能やメール・電話や対面のコミュニケーション手段を中心とする企業が存在している一方、オンラインによる非対面コミュニケーションを前提としたプロジェクト管理の効率化やコミュニケーションの円滑化などのニーズは底堅く、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展によるクラウドサービス導入が増加する中、プロジェクト管理ツールの導入機会の広がりが想定され、継続的な事業成長を見込んでおります。

 ヌーラボグループの主要な市場であるSaaS型グループウェアの市場規模は2022年度から年平均6.9%と堅調に

成長しており、2027年には3,600億円となることが見込まれております。さらに、Backlogの主要な市場であるSaaS型プロジェクト管理ツールの市場規模は2022年度から年平均16.6%の成長が推定されております。(株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2023年版」(2023年7月)より)。

 このような市場環境の下、ヌーラボグループが提供するサービスに対する需要も市場の拡大に伴い高まっていくものと考えております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 ヌーラボグループは、今後の更なる成長を実現する上で、以下の事項を経営課題として重視しています。

① 既存サービスの強化による顧客満足度の向上と販売の拡大

 ヌーラボグループは、提供するサービスを市場に投入後も顧客の声を取り入れ、継続的な開発・改良を行うことにより顧客満足度の向上を図ることが重要であると考えております。このため、LTV/CAC(注)とのバランスに留意しながら、今後も継続して広報活動、広告宣伝活動及びユーザーコミュニティの活性化等を通じ、サービスの認知度向上に努めて、販売の拡大を進めてまいります。

 

(注)LTV(Life Time Valueの略語で、顧客生涯価値を指します)とCAC(Customer Acquisition Costの略語で、顧客獲得単価を指します)の比率で、マーケティング活動の投資効率性を示す指標です。なお、2024年3月期におけるLTV/CACは8.7倍(各前月の月額利用料合計に占める解約に伴い減少した月額利用料合計の割合として算出した解約率を使用して算出)です。

 

② 優秀な人材の継続的な採用と育成

 ヌーラボグループが中長期的に成長するにあたり、提供するサービスの付加価値を高め、新規顧客を獲得するとともに、サービスの解約率を低減することが重要であると考えております。そのためには、優秀な技術者を中心とした人材の確保と育成が重要な経営課題であると考えております。現時点においても優秀なエンジニア、管理系の人材が集まる環境は実現できておりますが、引き続き従業員が能力を最大限発揮できる体制を構築し、優秀な人材の採用と併せて、優秀な技術者の育成を進めてまいります。

 

③ 情報管理体制の強化

 ヌーラボグループが提供するサービスでは、顧客の機密情報を含む様々な情報が預託・保存されており、当該情報管理を継続的に強化し続けることが重要であると考えております。そこで外部の監査機関の監査を受け、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得する(JIS Q 27001:2014)といった対策を行っております。また、個人情報管理規程等に基づき管理を徹底するだけでなく、社内教育・社内研修の実施やシステムの整備等を継続して行っております。

 

④ 内部管理体制の強化

 ヌーラボグループは、更なる事業拡大を推進し、企業価値を向上させていくためには、効率的なオペレーション体制を基盤としつつ、内部管理体制を強化していくことが重要であると認識しており、コンプライアンス体制及び内部統制の充実・強化を図ってまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 ヌーラボグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があるリスク要因として考えられる主な事項には、以下のものがあります。必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。ヌーラボグループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、ヌーラボ株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてヌーラボグループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 需要動向について

 企業のDXニーズや労働生産人口の減少に伴う企業や個人の生産性向上に対する社会の期待により、ヌーラボグループが提供するサービスへの需要が日ごとに高まっているものと認識しております。また、業務の効率性を高めるためのコラボレーションツールとして、ヌーラボの提供するプロジェクト管理ツール「Backlog」、ビジュアルコラボレーションツール「Cacoo」、及び組織の情報セキュリティ・ガバナンスを高めるツール「Nulab Pass」が非常に有効であると考えております。

 加えて、我が国において新型コロナウイルス感染症の流行によりリモートワークが浸透する中、ビデオコミュニケーションツールや、チャットツールの導入企業が急速に増加していますが、生産性や効率性向上のためのプロジェクト管理ツールをはじめとするグループウエアの普及のペースは比較的緩やかなものであり、ヌーラボグループが提供するサービスの潜在的な需要は大きなものであると考えております。

 しかしながら、将来、経済情勢や景気動向の悪化等により、企業のITシステム投資等への低迷が生じた場合には、市場の拡大がヌーラボグループの想定を下回る可能性があり、ヌーラボグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合について

 ヌーラボグループが事業を展開するコラボレーションツール市場は、競合企業が複数存在しており、今後SaaS等のクラウド市場の普及に伴い、規模の大小を問わず競合企業が新規に参入する可能性があります。

 ヌーラボグループは、サービス開発力の強化や継続的なサービス改善活動により競争力の維持に努めておりますが、競合企業や新規参入企業との競争激化により、ヌーラボグループが想定している事業展開が図れない場合等には、ヌーラボグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 技術革新への対応について

 ヌーラボグループが属するインターネット業界においては、新技術の開発や新サービス出現のスピードが早く、顧客ニーズも早期に変化する等、変化の激しい業界となっております。ヌーラボグループでは、最新の技術動向や環境変化に関する情報収集、優秀な人材の確保や教育によるノウハウの蓄積等に積極的に取り組み、技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。

 しかしながら、何らかの理由で技術革新や顧客ニーズへの対応が遅れた場合や、新技術への対応のため想定を超える投資が必要となった場合、ヌーラボグループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) システム障害について

 ヌーラボグループが提供するサービスは、その基盤をインターネット通信網に依存しております。このため、大規模な自然災害やテロ、戦争その他予期せぬ原因によりインターネット通信網が使用できない状態が生じた場合は、ヌーラボグループのサービス提供の継続が困難となります。また、想定を超えるアクセス増加その他予期せぬ事象によるサーバーダウンやヌーラボグループが提供するサービスの予期せぬ不具合の発生等により、サービス提供が停止する可能性があります。このような事態を避けるため、システムやサーバーの冗長化や稼働状況の監視、品質管理体制の強化等の対策を講じておりますが、将来においてこれらのような事態が発生した場合には、ヌーラボグループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 特定の事業サービスへの依存について

 ヌーラボグループのサービスは、安全性、安定性、拡張性及び価格等を総合的に勘案し、Amazon Web Services, Inc.が提供しているクラウドコンピューティングサービス「AWS」(Amazon Web Services)を基盤として運営されています。

 AWSのデータセンターの処理能力が、ヌーラボグループの求める処理能力を満たさない場合、AWSに障害が生じた場合には、ヌーラボグループが提供するサービスへのアクセスが中断又は遅延する等、顧客からの信用が損なわれ、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、Amazon Web Services, Inc.による経営戦略の変更、又は、価格改定等が行われた場合には、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 為替の変動について

 ヌーラボグループはAWSをはじめとする海外事業者が提供するサービス利用料等の支払いを外貨建てで行っており、為替リスクヘッジとして為替予約を実施しております。しかしながら、想定以上に為替相場が円安傾向となった場合は、ヌーラボグループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 海外展開について

 ヌーラボグループは、海外に子会社を有しており、海外における商習慣や事業環境の差異等を含め、各国の法規制や貿易政策への対応、為替制限や為替変動、電力・通信を中心とするインフラ障害、各種法律又は税制の不利な変更、移転価格税制による課税、各国特有の政治・社会情勢の変化等のカントリーリスクや訴訟リスク等、国内における事業展開以上に高いリスクが存在しております。それらリスクが顕在化した場合や、国内と比較して市場の開拓や収益化が想定通り進まない場合には、ヌーラボグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) ソフトウエアの減損について

 ヌーラボグループでは、将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められた支出をソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)として資産計上しております。このソフトウエアについて、重大な将来計画、使用状況等の変更やサービスの陳腐化等により、収益獲得又は費用削減効果が大幅に損なわれ、ソフトウエアの減損が必要となる場合、ヌーラボグループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 特定のヌーラボグループサービスへの依存について

 ヌーラボグループの売上高のうち、当連結会計年度において、主力サービスであるBacklogの売上高は3,438,002千円であり、売上高全体の93.8%を占めております。このため、Backlogの売上高が著しく減少した場合、ヌーラボグループの事業及び業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。ヌーラボとしては、Backlogを外部環境の変化に左右されず安定的な収益獲得が継続できるようその競争力の維持・強化に努めるとともに、他のサービスの売上拡大を図り、Backlogへの依存度を逓減させる方針であります。

 

(10) 解約について

 ヌーラボグループが提供するサービスの多くは年間契約となっており、代金については前受にて一括で受領しております。そのため、何らかの要因により多数の顧客より解約の申し出がなされた場合、事故等により多数の顧客に対してサービス提供が不可能となった場合、将来計上される売上が無くなり、一括前受している代金の返金が生じる可能性があります。このような状況となった場合、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 人材の確保や育成について

 ヌーラボグループが継続して事業拡大を進めていくためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が不可欠であると認識しております。そのため、継続的な人材採用や育成に加え、定着率向上に向けた各種施策を行っております。

 しかしながら、優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合等には、経常的な業務運営及び事業拡大等に支障が生じ、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 情報管理体制について

 ヌーラボグループが提供するサービスの新規導入時には、顧客から機密情報及び個人情報に該当する情報を入手することがあります。そのため、ヌーラボグループでは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、各種情報の管理体制を整備しております。また、個人情報の取り扱いについては、個人情報保護法等の国内法令のみならず、EU諸国における「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation)」をはじめとする海外における法規制等が適用される可能性があります。ヌーラボでは法律事務所等の外部専門家との連携を通じて必要な海外法令の動向等に関する情報を収集し、外部専門家の助言を踏まえた適切な対策を講じております。さらに、外部専門業者による脆弱性診断の受診や、情報管理に関する社内規則等の整備、情報セキュリティ研修の実施等の対策を講じております。しかしながら、このような対策にもかかわらず、何らかの理由により顧客から入手した機密情報及び個人情報等の重要な資産を紛失若しくは漏洩した場合、損害賠償及び訴訟費用の発生やヌーラボの社会的信用の失墜等により、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 特定人物への依存について

 ヌーラボの創業者であり、代表取締役である橋本正徳及び取締役の田端辰輔は、ヌーラボ設立以来、経営方針や戦略の立案・実行、システム開発を推進し、リーダーシップをもって牽引してまいりました。ヌーラボグループの事業規模が拡大するとともに、権限委譲を進め、当該取締役2名に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、当該取締役2名がヌーラボグループの事業へ関与できない状況が発生した場合、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 内部管理体制について

 ヌーラボグループの継続的な成長には、倫理観を共有し、適切なコーポレート・ガバナンスを整備し、内部管理体制を整えることが重要であると認識しております。しかしながら、ヌーラボグループの事業成長に比べて内部管理体制の構築が間に合わない場合、適切な経営管理が行えず、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 知的財産権の侵害について

 ヌーラボグループは、既存サービスの改善改良及び新規機能等の開発を継続しております。このような中、ヌーラボグループが開発した知的財産については、必要に応じて適時に知的財産権の登録等を行い、ヌーラボグループの財産の保全を図っております。また、ヌーラボグループのサービスが他社の保有する知的財産権を侵害しないよう、開発段階において採用したビジネスモデルや技術等については、必要に応じて適切な調査を実施しております。

 しかしながら、ヌーラボの事業領域において第三者が有する知的財産権を完全に把握することは困難であり、ヌーラボグループが認識していない知的財産権が国内又は海外において既に成立している可能性、あるいは今後新たに成立する可能性があります。このような場合において、ロイヤリティ支払いや損害賠償請求、事業の全部又は一部の差止により、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 訴訟等について

 ヌーラボグループは、法令等遵守体制の強化を通じて訴訟等が提起されることを防止するべく努めております。しかしながら、将来の法規制等の改正等に適時適切に対応できないことや各種契約等の解釈の齟齬が生じたこと等を原因とする訴訟が提起された場合、内容及び結果によってはヌーラボグループの事業、業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 投融資について

 ヌーラボグループは、現在において投資を行っている事実はありません。しかしながら、今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。投資判断においては、投資先候補企業の事業内容を吟味し、ヌーラボグループとの事業シナジーが得られること、投資先候補企業の事業計画、ヌーラボグループの財務状況や投資先候補企業への影響力等を考慮し、投資先候補企業の評価額が適切な水準であることを慎重に確認し、投資判断を行う予定です。ただし、投資先企業の事業が計画通りに進捗しない場合や投融資額を回収できなかった場合、減損の対象となる事象が生じた場合には、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 ヌーラボは、ヌーラボ役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、ヌーラボ株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日の前月末現在におけるこれらの新株予約権による潜在株式数は491,712株であり、発行済株式総数6,480,743株の7.59%に相当しております。

 

(19) 配当政策について

 ヌーラボグループは設立以降、配当実績がありません。成長投資を優先し、必要な内部留保を確保するための施策であります。ただし、将来においては、成長投資のための内部留保の確保と株主への利益還元のバランスを考慮し、最大限の株主利益を実現するための配当政策を実施することを基本方針としております。

 

(20) 法的規制について

 ヌーラボグループは、国内及び国外において基本的な企業活動に関わる法的規制に加え、クラウドサービスにおけるセキュリティ、個人情報及びプライバシー保護、知的財産権保護等の法的規制を受けております。これらヌーラボグループに適用ある法的規制の整備・強化がなされることにより、ヌーラボグループ業務に制約が生じ、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) 業績に関するリスクについて

 ヌーラボグループは、今後も顧客基盤拡大のためのマーケティング費用やサービス向上等のための人件費を将来にわたって計上する予定としておりますが、想定していた効果を上げられない場合、ヌーラボグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(22) 過年度の経営成績及び税務上の繰越欠損金について

 ヌーラボグループは、過年度において、親会社株主に帰属する当期純損失を計上していたため、当連結会計年度末において税務上の繰越欠損金が存在しております。一般的には、繰越欠損金を課税所得から控除することにより、税額を減額することができます。しかし、今後の税制改正の内容によっては、納税額を減額できない可能性があります。また、繰越欠損金が解消された場合、通常の税率に基づく法人税等が発生し、ヌーラボグループの経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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