HOUSEI(5035)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】(1) 事業の概況HOUSEIグループ(HOUSEI及びHOUSEIの関係会社)は、日本国内でITサービスを提供する事業と、中国を中心とした海外でITサービスを提供する事業を展開しております。日本国内でITサービスを提供しているのはHOUSEI、アイード株式会社、SEVEN&EIGHT SYSTEM株式会社及びOmniXuttle株式会社の4社であり、海外でITサービスを提供しているのは璞華国際科技(武漢)有限公司、璞華供給鎖(蘇州)有限公司及び方正環球科技有限公司の3社であります。各々の事業の内容や特徴は以下のとおりであります。HOUSEIグループは、以下の2つのセグメントで事業を展開しております。 (2) 事業の特徴① 国内IT事業HOUSEIグループの国内IT事業では、日本国内の顧客に向けて、システムインテグレーションを主体とした受託システム開発、自社で開発・制作したソフトウエア・クラウドサービス等を販売するプロダクト販売等を行っております。受託システム開発分野においては元請け型で、コンサルティングからシステムの設計、構築、プログラム開発及び運用・保守のアフターフォローまで情報システム構築に係る全工程を自社グループ内で提供するワンストップソリューションの実現を目指しており、数億円から十数億円規模のシステム開発案件を手掛けております。なお、システム開発工程のうち設計、プログラム開発の工程では、璞華国際科技(武漢)有限公司でのオフショア開発も行っております。国内IT事業では、製品・サービス及び顧客業界別に主に以下の事業に取り組んでおります。 1)メディア事業メディア事業は、主に新聞社や出版社といった紙媒体のメディア事業者に対して、紙面構成を決める組版システムをはじめ、紙面管理システム、制作システム、広告管理システム、営業管理システム等の受託開発並びに保守を行っております。これらのシステムは、新聞社向けシステムの場合、新聞の発行計画から紙面レイアウト作成、刷り出しに至るまでの新聞制作の基盤となるシステムであり、かつ新聞が発行時間帯や配布地域により複数の紙面(版)を短時間で顧客ニーズに合わせて仕上げる必要があり、顧客ごとの独自性が強く、また迅速な報道を行う点から高い安定性が求められるシステムであります。HOUSEIグループでは、総合紙、スポーツ紙、専門紙など、特定の分野によらない顧客層を有し、コンテンツの収集・管理・組版・画像処理・配信に至るまでの新聞社の製作ワークフローに関するトータルソリューション、及び広告業務の管理、記事や写真等のデータベース化、その他付帯するハードウエア・ミドルウエア等を提供しております。また、メディア事業者向けのプロダクト・クラウドサービスとして、新聞社向け統合編集システム「NOVO」、写真データをはじめ、動画、音声など様々なメディアコンテンツをクラウド上で管理・検索・販売できるクラウド型デジタルメディアデータベース「Pixtock」、クラウド組版サービスなどを提供しております。 2)プロフェッショナルサービス事業プロフェッショナルサービス事業では、金融業、製造業、小売業等のメディア業界以外の業界向けのシステム開発並びに保守を手掛けております。また、従来のシステムで使われている機能を新しいシステム基盤に移植するマイグレーションによる現行システムの延命だけでなく、システムの課題やユーザーからの機能追加等の要望に応じて、既存のIT資産を有効活用しながらシステムを再構築するほか、クラウド(注1)、ビッグデータ(注2)、AI(注3)を活用した業務システムの構築等にも対応しております。 3)プロダクト推進事業プロダクト推進事業では、自社開発のシステムやソフトウエア及びクラウドサービス並びに保守を提供しております。具体的なプロダクトとして、生成AI(注4)活用アプリケーションを容易に開発することができる生成AIローコード開発プラットフォーム「imprai」、顔認証システム及び顔認証システムを利用した無人店舗ソリューション等のほか、テレビ会議システム、中国語フォント等を取り扱っております。 4)その他事業エンターテイメント業界におけるITサービス、IP斡旋などの事業をSEVEN&EIGHT SYSTEM株式会社が手掛けております。また、英語スピーキング評価AI「CHIVOX(R)」を活用したビジネスデベロップメント事業をアイード株式会社が手掛けております。さらに、物流倉庫の自動化・省人化を推進するスマート倉庫システムを提供する事業を推進するため、2025年11月にOmniXuttle株式会社を設立いたしました。 (注) 1.クラウドとはクラウドコンピューティングの略であり、自社でサーバーやソフトウエアを購入してシステムを構築し、利用するのではなく、インターネットなどのネットワーク上でサービスとして提供されているハードウエアやソフトウエアを用いたコンピューターの利用形態を指します。2.ビッグデータとはさまざまな種類・形式のデータによって構成された巨大なデータ群のことですが、これを活用することにより、様々なビジネスやシステムが生み出されるものとして期待されています。3.AIとはArtificial Intelligenceの略であり、人工知能のことであります。4.生成AI(ジェネレーティブAI)とは、大規模なデータから学習して、新しいコンテンツやアイデアを生み出す人工知能(AI)です。テキストや画像、音声、動画など、さまざまな形式のコンテンツを作成することができます。 ② 海外IT事業璞華国際科技(武漢)有限公司がHOUSEIから発注した情報システムのオフショア開発を行っております。璞華供給鎖(蘇州)有限公司は中国国内の銀行や証券会社などのお客様を対象とした金融業界向け情報システム開発事業を行っております。方正環球科技有限公司は香港のメディア業界向けのITサービスを提供しております。 上記に基づく、HOUSEIグループの事業系統図は、次のとおりです。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてHOUSEIグループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針HOUSEIグループは、「IT partner to achieve DX:DXを実現するITパートナーとして、メディア業界で培った成功経験やノウハウを活かし、世界中から先進技術を取り入れて、日本産業が弱いとされるIT分野の強化に貢献する。」をミッションとして掲げております。HOUSEIグループは、従来、新聞社を中心とした企業顧客に対して、顧客ごとにカスタマイズされた情報システムの構築、運用及び保守を提供する業務を中心に行ってまいりました。しかしながら、近年のITクラウドプラットフォームの急激な進化・拡大により、これを活用して、汎用的に利用できる情報システムを構築し、複数の顧客に提供するITサービスとして展開することが、HOUSEIグループの競争力を維持、強化する上で重要と考えております。また、HOUSEIの顧客においても、従来の大型システム投資から、クラウド化によるシステムの共通運用を図る動きが現出しており、HOUSEIとしてもこうした顧客ニーズへの対応を図っていく方針であります。HOUSEIグループは、メディア業界向けシステムの構築で培った、システム間の連携や画像処理などの知識・経験に強みがあり、また中国・武漢のオフショア開発拠点にて優秀なIT技術者を多数擁し、高品質なシステムを低コストで提供することが可能であります。また、新聞社等のメディア領域の顧客以外に、ヘルスケア領域等の新たな領域の顧客獲得を図ります。さらに、HOUSEIグループのIT技術力を活かした顔認証システム活用事業、生成AI(※1)等を活用した新たな領域におけるクラウドサービス事業等の新規事業の展開も積極的に行っていきます。さらに、中国にオフショア開発拠点を有している点を活用して、中国国内におけるITサービス関連事業も積極的に拡大していく方針であります。※1 生成AI(ジェネレーティブAI)とは、大規模なデータから学習して、新しいコンテンツやアイデアを生み出す人工知能(AI)です。テキストや画像、音声、動画など、さまざまな形式のコンテンツを作成することができます。 (2) 目標とする経営指標HOUSEIグループの経営基本方針により、顧客ごとにカスタマイズされた情報システムの構築サービスから、クラウドを活用した汎用的なITサービス提供事業への転換を図っていきます。その結果として、数年に一度大規模なシステム開発案件を受注していたものが、一定の利用料等を毎月売上計上する形態に変化していくことが予想されます。しかしながら、当該事業は汎用サービスであり、個々のシステムに係る開発費・運用保守費を要しないため、利益率は向上することが見込まれます。したがって、HOUSEIグループとしては、売上総利益率を最も重要視する経営指標として考えております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略① 本邦における新規事業と顧客基盤の拡充HOUSEIグループの主たる顧客基盤は、新聞社を中心とした紙媒体のメディア事業者にあります。近年は、一般事業者にも顧客基盤を拡充しておりますが、更なる事業基盤の拡充と収益源の多様化を推進するため、ヘルスケア領域のシステム開発事業等の新規事業への取り組みを進めていく方針であります。ヘルスケア領域においては画像処理技術が重要であり、HOUSEIが手掛けてきた印刷関連の画像処理技術と親和性があります。その取り組みの一環として、病院のDX(※2)化の推進や、HOUSEIが手掛けてきた印刷処理技術を応用した画像処理技術等を活かし、病院等で扱う各種画像のシステム化の推進等を図っていく方針であります。上記方針を具体化するため、HOUSEIグループは、2018年2月にEPSホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:厳浩)と資本提携を開始し、業務的にも関係を深めていく方針を確認いたしました。同社は医薬品開発支援業務の領域で国内の大手企業であり、かつ本邦における病院等にも広く顧客基盤を有しておりますので、この資本提携を通じてヘルスケア領域の顧客開拓、事業拡大を図ります。また、2022年2月にメディカル・データ・ビジョン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩崎博之)と資本・業務提携を開始しました。同社も医療情報統合システムの開発、製作、販売、保守業務等を営むヘルスケア領域の企業であり、今後同社が進めるシステム開発にHOUSEIグループが持つ画像処理技術を活かして、積極的に協力していく方針であります。また、英語スピーキング評価AI「CHIVOX(R)」を活用したビジネスデベロップメントを事業内容とするアイード株式会社の全株式を2023年4月28日付けで取得し、子会社化いたしました。その他、HOUSEIグループで開発実績のある不動産業務システム、インターネット広告システム等については、機能を汎用化することにより複数の顧客に提供が可能であると思われるため、この領域での新規顧客獲得にも注力してまいります。さらに、物流倉庫の自動化・省人化を推進するため、2025年4月より上海GLOBL智能科技株式会社と協業し、日本市場向けにスマート倉庫システムの提供を開始し、日本市場に特化して新たに開発した 4方向パレットシャトル「OmniXuttle(オムニシャトル)」の提供も開始いたしました。これをさらに強力に推進するため、2025年11月には連結子会社としてOmniXuttle株式会社を設立いたしました。※2 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応して、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確保することであります。 ② 中国国内でのITサービス事業の拡大HOUSEIグループの成長戦略として、中国国内でのITサービス事業の拡大を図っていく方針であります。そのため、中国国内の金融業界向けの情報システム開発事業及び香港のメディア業界向けITサービス提供事業を2024年1月にM&Aにより獲得いたしました。 ③ 技術革新への対応/人材の確保HOUSEIグループが主事業とする情報システム業界においては、顧客ニーズの変化が早く、それに応じた技術革新も日進月歩で進んでおります。HOUSEIグループでは、IT技術が進む中国での技術革新も取り入れつつ、顧客ニーズに応じた技術革新に積極的に対応していく方針であります。こうした方針の具現化に向けては、本邦、並びに中国における優秀な人材の確保が課題でありますが、教育研修制度の充実、技術委員会による技術解決力の向上等人事諸政策の改善等に取り組み、積極的に人員の確保に取り組んでいく方針であります。今後、日中両国において、さらなる人員の拡充に努めながら、開発拠点の拡充を図っていく方針であります。 (4) 経営環境HOUSEIグループは新聞業界を中心とした紙媒体のメディア業界向けに、組版システムなどのITサービスを永年提供している実績があります。一方で、紙媒体メディアの発行部数の減少を背景に、競合であった大手システム開発会社がこの領域に注力しなくなってきている状況にあります。HOUSEIは、組版システム事業から撤退する事業者をHOUSEIグループに組み込むことや、いわゆる残存者利益を享受し、事業の拡充・成長を成し、新聞業界等の紙媒体メディア事業者からは安定的な売上、利益を上げることができています。しかしながら、こうした紙媒体のメディア業界は中長期的に縮小していく傾向にあります。一方で、情報通信産業の市場規模は2023年には57.4兆円(名目国内生産額ベース)(※3)であり、前年比較で3.5%の増加となっております。中長期的にも老朽化した既存システムの更新・刷新、企業のDX化推進に対するコンサルティングニーズの高まりやそれに伴うIT投資の増加、データの利活用の拡大に伴うセキュリティの強化、労働力不足を補う省人化投資への増加といった成長可能性を有する産業であります。HOUSEIグループはこうした市場ニーズをとらえ、紙媒体メディア業界向けの事業につづく新規事業を確立していくことが急務となっております。※3 出典:総務省「情報通信白書令和7年版」 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては以下の事項を認識しております。① 既存顧客の深耕及び主要顧客の拡大安定した持続的な成長を続けるためには、顧客基盤の拡大が必要だと考えております。現在の主要顧客に対しては、これまでの長年の取引によって蓄積したノウハウと信頼関係をもとに、新たな領域の受注等、更なる深耕を図ります。加えて、ヘルスケア、不動産、インターネット広告等の既存優良顧客に近い業界をターゲットに、ノウハウや実績の横展開を図り、新たな柱となる主要顧客の拡大も目指してまいります。② 品質・サービスレベルの向上お客様との信頼関係を構築するためには、常に安定した品質とサービスを提供し、お客様に安心して頂くことが重要になります。品質・サービスレベルの向上に向けて、社員教育、マネジメント向け教育を強化し、中核となるプロジェクトマネージャ(※4)を育成してまいります。加えて、プロジェクト管理の専門部署を通じて、受注前の見積り審査や受注後のプロジェクト進捗確認、および完成後の総括会等を行うことで、品質・サービスレベルの向上を図ってまいります。※4 プロジェクトマネージャとは、システム開発案件における開発側の責任者のことを指します。③ 最新技術の習得HOUSEIグループ事業を取り巻く環境は急速に変化しており、先進性を維持することが肝要と考えております。研究開発を確実に遂行すると共に、2020年に発足させた技術委員会をより充実させ、全社の技術レベルのさらなる向上を目指してまいります。④ プロダクト化・サービス化の推進昨今は、1つのサービスをより多くのお客様にお届けすることが主流となっております。HOUSEIでもオーダーメイド製品からの脱却を図るべく、プロダクト化・サービス化を推進し、展開することが重要と考えております。既存取引先と取り組んでいる「新聞組版システムの共通化」を通じて、お客様のDXを牽引してまいります。また、HOUSEI自身のDXにも取り組み、ノウハウやコア技術を活用したプロダクト・サービスの展開に取り組んでまいります。⑤ 経営管理・内部管理体制の強化経営に対する公平性及び透明性の担保、また、会社経営を脅かす問題・違反を防止し、法令・企業理念が遵守できる組織にするために、経営管理体制・内部管理体制の強化が重要と認識しております。引き続き公平性と透明性、効率性、並びに、健全性を保つことができる組織を維持するために、コーポレート・ガバナンスの体制強化に取り組んでまいります。⑥ 働き方改革の推進働きやすい環境を整え、社員のワーク・ライフ・バランスやモチベーションの向上を図ることは、結果として社員の生産性や帰属性を高め、優秀な人材の確保に繋がると考えているため、働き方改革の推進を重要課題と認識しております。ワーク・ライフ・バランスの観点からは、今まで推進してきた開発環境のクラウド化を引き続き推進し、物理的制約から社員を解放してまいります。モチベーション向上の観点としては、オンライン学習システムの導入や、中国拠点との人材交流を通じて社員のレベルアップを後押しし、達成感を感じられる職場となるよう取り組んでまいります。⑦ M&A、事業提携の推進既存事業の拡充、人材の獲得、関連技術の獲得及び新規事業への進出のため、M&Aや事業提携を推進してまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】HOUSEIグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があるリスク要因として考えられる主な事項には、以下のものがあります。必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。HOUSEIグループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、HOUSEI株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてHOUSEIグループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業及び事業環境に関するリスク① 特定の取引先・業界の市場動向についてHOUSEIグループの連結売上高の40%は新聞社及び通信社から得ております(2025年12月期)。新聞業界はネット専業メディアとの競争により販売部数、広告収入とも減少傾向にあり、新聞社及び新聞社を顧客とする通信社は、中長期的には縮小していく業界であると予想されております。このような状況のもと、同業他社が事実上撤退していく方向にあるため、残ったプレイヤーであるHOUSEIの新聞業界からの売上は増加傾向にありますが、中長期的には業界の縮小の影響を受けて売上が減少するリスクがあります。HOUSEIとしては、新聞業界以外の顧客の開拓を通じて新聞業界からの売上比率を減少させ、新聞業界縮小のリスクを回避する方針でありますが、この他業界顧客開拓が想定通り進行しなかった場合、HOUSEIグループの売上高が減少するリスクがあります。② 経済情勢及び市場動向に係るリスクHOUSEIグループの事業は日本国内を主要市場としており、国内景気の低迷、経済情勢の変化等により、企業のIT投資及びDX投資の動向、競合状況等が変化し、大型案件の受注の成否、個別案件の進捗状況・採算性等が影響を受ける可能性があります。HOUSEIでは新聞業界以外の顧客開拓にあたり、特定の業界に拠らない顧客基盤の開拓に努め、景気動向等による影響を低減させる方針でありますが、景気動向、投資意欲の減退等様々な要因により顧客からの需要がHOUSEIグループの想定するとおりに伸張しない場合、あるいは競合等によりHOUSEIの顧客基盤が弱まる場合には、HOUSEIグループの業績・財政状態に影響が及ぶ可能性があります。③ 中国での事業展開についてHOUSEIグループは中国・武漢にシステム開発子会社を有しており、顧客から受託したシステム開発の重要部分を中国子会社に開発委託しております。中国のシステム開発子会社に開発委託することは、品質、納期、コストの面でHOUSEIグループの競争優位性の源泉でありますが、将来の中国政府の政策変更により開発したシステムの輸出に規制がかかった場合や、日本側の顧客の方針により中国へのオフショア開発委託ができなくなった場合等には、HOUSEIグループの事業運営に支障が出るリスクがあります。仮に開発したシステムの輸出や中国へのオフショア開発委託ができなくなったとしても、開発工程のほとんどを中国の開発拠点に依存しているということはなく、日本国内の開発パートナーで代替は可能であります。また、そのような場合には中国子会社の開発リソースが空いてしまう可能性があるため、それに備えて中国国内でのシステム開発案件の獲得を積極的に行っていく方針であります。連結財務諸表を作成するにあたっては現地通貨を円換算する必要があり、換算時に使用する為替レートによってはHOUSEIグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、為替相場の変動は中長期的には平準化されるものと考え、為替予約等は行っておりません。④ プロジェクトに関する採算性情報システム構築ビジネスは、一般的には請負契約によって受託することが多く、納期までに顧客の要求に沿ったシステムを完成・納品する完成責任を負っております。システムへの要求が一層高度化かつ複雑化すると共に、短納期の完成・納品が求められる中、開発作業の過程において、仕様の変更や何らかのトラブル等が発生し、予め見積もっていた作業時間を超える作業が発生した場合には、その超えた分の費用をHOUSEIグループが負担しなければならない場合があり、また、開発したシステムの検収完了後に不具合が発生した場合においても、その解消をHOUSEIグループの費用負担で行わなければならない場合があります。したがって、これらの事象が発生した場合には、予め見積もった費用を超える費用をHOUSEIグループが負担し、システム開発案件の採算性が悪化することとなります。さらに、顧客からの損害賠償請求、HOUSEIグループの信用失墜等の事態を招き、HOUSEIグループの業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。 HOUSEIグループは、契約上でリスク回避に努めると共に、契約前にプロジェクトのリスク洗い出し、適切な進捗管理を行うことでトラブルや赤字発生の抑止に努めております。また、請負契約においては、原則として一定の期間にわたり充足される履行義務として、進捗度に基づき売上を計上しておりますが、一部の案件については一時点で充足される履行義務として、顧客の検収に基づき売上を計上しております。HOUSEIグループは、プロジェクトごとに進捗管理を行い、計画通りに検収が行われるよう努めております。しかし、プロジェクトの進捗状況により、顧客の検収時期が当初計画と乖離した場合は、HOUSEIグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 競合についてHOUSEIグループでは、新聞業界以外への顧客開拓を進め、また新規事業として、生成AI活用アプリケーションを容易に開発することができる生成AIローコード開発プラットフォーム「imprai」、AI顔認証ソリューションシステム等の製品開発等に注力しております。HOUSEIグループでは、中国国内のグループ会社リソースを活用して、コスト面、納期面、品質面等において差別化を図る方針であります。しかしながら、HOUSEIグループと同様の情報システム構築サービスを提供する事業者の参入や、HOUSEIが企図する業界への大手事業者の参入、競合事業者の価格競争力、サービス開発力、新たな技術やビジネスモデルの参入等により、HOUSEIグループのサービス内容や価格・技術に優位性がなくなった場合、HOUSEIグループの事業や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。また、新聞業界の分野においても、引続き顧客ニーズに応え、サービス展開を図っていく所存ですが、今後他社が参入し、HOUSEIの技術優位性やコスト優位性がなくなる等の事象が生じた場合には、HOUSEIグループの事業や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。⑥ 技術革新についてHOUSEIグループが属する情報システム業界では、技術革新や顧客ニーズの変化の速度が非常に速く、極めて激しい開発技術競争や販売競争が行われております。HOUSEIグループが予期しない技術革新や顧客ニーズの急激な変化への対応が遅れた場合や、想定を上回る速度での技術革新や新技術が現出した場合、あるいはHOUSEIグループが提供する技術力・サービスが陳腐化した場合には、HOUSEIグループの競争力の低下を引き起こし、HOUSEIグループの事業や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。HOUSEIグループは、常に最新の技術動向や市場動向を分析し、新技術や製品の研究開発に努め、製品サービスの競争力向上に取り組むことで、技術や顧客ニーズの変化に対応しております。⑦ 新規事業HOUSEIグループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、ヘルスケア領域のシステム開発事業等の新規事業への取り組みを進めていく方針であります。これにより、人材の確保や情報システムへの投資など追加投資が発生し、損益が悪化する可能性があるほか、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の期間と投資を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。HOUSEIグループでは、新規事業の開始や投資に当たっては、事業性の検証、投資回収方針等を吟味したうえで計画・方針を策定しておりますが、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当初の計画通りに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合、HOUSEIグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 法令諸規則に関するリスク① 許認可事項についてHOUSEIは、本邦での事業活動を行うにあたり、個人情報保護法のほか、労働者派遣法第5条に基づく労働者派遣事業許可を受けて事業展開を行っております。HOUSEIグループでは、社内の管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備しているとともに、規制当局の動向及び既存の法規制の改正動向等を踏まえ、適切に対応していく予定でありますが、かかる動向を全て正確に把握することは困難な場合もあり、HOUSEIグループがこれに適時適切に対応できない場合や、規制等の新たな制定又は改定が行われた場合には、HOUSEIグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。② 知的財産権についてHOUSEIグループは知的財産権の取扱いについて、第三者の知的財産権に抵触しないよう、外部専門家との連携を行う等の細心の注意を払っており、知的財産権の侵害を行っていないと認識しております。しかしながら、第三者の知的財産権の状況を完全に調査することは極めて困難であり、知的財産権侵害とされた場合には、損害賠償の請求、当該知的財産権の使用に対する対価の支払いまたはサービスの停止等が発生する可能性があり、その際にはHOUSEIグループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。HOUSEIグループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう、必要に応じて専門家と連携を取りリスクの軽減を図っております。③ 情報セキュリティ、個人情報保護についてHOUSEIグループでは、社内基準に従い個人情報をはじめとする顧客の重要情報を管理し、その情報の外部漏洩防止に関して、情報資産に対するセキュリティ管理、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約等を行い、HOUSEIグループからの情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じております。こうした情報管理体制構築に際しては、システム管理や個人情報保護に係る社内規程の整備や、内部監査における運用状況の監査を行うほか、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得並びに運用を図り、情報管理体制の強化に努めております。また、コンピュータウイルスの感染による情報の漏洩、人的被害についても、HOUSEIグループでは社内にシステム管理業務を行うセクションを設置し、開発環境面におけるコンピュータウイルス感染防止ソフトウエアの導入をすると同時に、最新ウイルス情報の配信、定期的なウイルスチェック等の対策をとっております。しかしながら、こうした対策にもかかわらず、HOUSEIグループから万一顧客の重要情報が漏洩したり、不正使用されたり、さらにはそれに伴う損害賠償責任が発生した場合には、HOUSEIグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。④ HOUSEI製品・サービスの不具合の発生、及び開発案件に係る瑕疵担保責任についてHOUSEIグループのシステム開発事業における製品及びサービスの提供につきましては、HOUSEIグループが開発したシステムが良好に運用され、機能が維持できることが前提となっております。HOUSEIグループの責に帰すべき事由で、HOUSEIグループが開発したシステムに不具合(誤作動、バグ、納期遅延等)が生じた場合、原則として損害賠償額の上限を開発委託料とする契約を締結しております。しかしながら、かかる損害賠償責任の発生やユーザーのHOUSEIグループに対する信頼喪失により、HOUSEIグループの将来の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。HOUSEIグループはシステム開発において、顧客との間で主に請負契約を締結しております。当該契約には、一般に顧客による受入検査に基づく検収の後にも必要に応じて一定期間無償で不具合(いわゆるバグ)の補修のための役務の提供を実施する旨を約した瑕疵担保条項が含まれております。このような売上計上後の追加費用の最大の発生要因である不具合は完全に解消することは困難であり、HOUSEIグループとしては不具合発生の低減のために、開発の進捗管理体制を強化し、品質維持及び向上に注力しておりますが、実際のプロジェクトで発生した不具合等の補修費用が見積額を超える場合、HOUSEIグループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3) 財政状態に関するリスク① 売上収益の下期偏重についてHOUSEIの情報システム開発業務においては、受注時期や顧客への納期のタイミング等により、売上が下期(特に第4四半期)に偏る傾向があります。また、年間を通じて固定的に発生する費用等は上期にも発生するため、利益についても下期(特に第4四半期)に偏重する傾向があります。当連結会計年度においては、売上の27%を第4四半期連結会計期間に計上しております。また、利益面では第3四半期連結累計期間で赤字だったこともあり、営業利益の144%、経常利益の130%を第4四半期連結会計期間に計上しております。② 固定資産(有形固定資産、のれん)の減損についてHOUSEIグループでは、璞華国際科技(武漢)有限公司の事業所用建物、クラウドサービス基盤の事業用資産等のほか、2018年1月に中国および日本で譲り受けたシステム開発事業に係るのれん、2024年1月に中国で譲り受けた中国国内の金融業界向け情報システム事業に係るのれん及び方正環球科技有限公司の子会社化に係るのれんを保有しております。固定資産については、適切な評価を行っておりますが、固定資産の損傷、事業活動の悪化等が生じた場合には多額の減損処理を必要とする場合があり、その場合にはHOUSEIグループの事業活動や業績、並びに財政状態に影響を与える可能性があります。③ 税務上の繰越欠損金について2025年12月31日現在において、税務上の繰越欠損金が存在しております。将来的に十分な課税所得が確保できない場合に、繰延税金資産の回収可能性が低下し、その取崩しが必要となる場合があり、その場合、HOUSEIグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 会社組織に関するリスク① 特定の人物への依存度についてHOUSEIの代表取締役社長である管祥紅は、HOUSEI設立以来一貫してHOUSEIグループの代表を務めており、HOUSEIグループの経営方針及び経営戦略全般の決定、経営管理及び利益計画の推進等、会社運営の各方面の業務に大きく関与しております。HOUSEIグループでは、特定の人物への依存度を低下させるべく、事業責任者、開発責任者等に30~40代の若手を抜擢し、若手への権限委譲を通じて管祥紅への依存度を低下させるなど組織的な業務体制の整備に努めてはおりますが、近い将来に管祥紅が完全にHOUSEIグループの経営から離れた場合又は業務を遂行できないような事態となり、他の人的資源によって代替できない場合、HOUSEIグループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。② 人材の確保についてシステム開発事業で要求される技術はますます多様化・複雑化することが予想され、優秀な技術者を確保することはHOUSEIグループの事業の成長にとり極めて重要であります。HOUSEIグループの業容拡大には、今後とも高い技術水準を有し経験豊富な技術者を多数確保する必要があります。しかしながら、日中双方において先進的な技術者の獲得を巡る競争は厳しく、かつHOUSEIグループが要求する技術レベルを有する技術者は限られていることから、必要な技術者の確保が困難となる可能性があります。HOUSEIグループといたしましては、報酬、福利厚生等の充実、インセンティブプラン導入や、先進技術の導入による技術者の知的満足の充足等に努め、常に優秀な技術者の確保と定着化を図る方針でありますが、今後HOUSEIグループの人員計画どおり技術者が確保できない場合や、技術者の大量の離職が生じこれに代わる技術者の代替確保ができない場合には、HOUSEIグループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、中国ソフトウエア業界への発注量増加によって中国ソフトウエア技術者の人件費が高騰する傾向も見られ、今後も国内外問わず優良な外注先を安定的また継続的に確保できない場合、あるいは人件費が高騰した場合は、HOUSEIグループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。③ 海外展開についてHOUSEIグループは、当連結会計年度末現在、中国武漢市に子会社1社、中国蘇州市に孫会社1社、香港に孫会社1社を配置しております。中国をはじめとした海外における事業展開にあたっては、現地の法令諸規則を遵守して事業展開を行っておりますが、現地の法令諸規則の制定または改正が行われた場合、政治情勢により事業運営に支障を来す事象が生じた場合、自然災害や伝染病が発生した場合、急激な為替変動が生じた場合には、HOUSEIグループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。HOUSEIグループは、海外展開のリスクに関して、迅速な情報収集と適切な対応を検討するリスク管理体制を構築し、リスクの軽減を図っております。④ 北大方正集団との関係について北京大学系の企業集団として知られる北大方正集団は、HOUSEIの親会社でありましたが、2014年にHOUSEIの代表取締役社長である管祥紅がマネージメント・バイ・アウトを行ってHOUSEIの100%株主となったため、HOUSEIと北大方正集団との資本関係は現在では解消されております。現在では、北大方正集団傘下の会社から中国語フォントの仕入取引を行っているほかは事業上、営業上の取引はなく、人的関係もありません。また、管祥紅は前述のマネージメント・バイ・アウト時に蘇州方正璞華信息技術有限公司(現璞華科技有限公司)を設立し、同社がHOUSEIの親会社でありました。しかし現在では直接の資本関係は解消されております。同社とはソフトウエア製品の仕入取引、AI等の開発外注取引等を行っているほかは、特に重要な事業上または営業上の取引はなく、人的関係もありません。 (5) その他① 新型コロナウイルス等感染拡大に関するリスク新型コロナウイルス等感染症の拡大蔓延が長期化することで、顧客企業への訪問制限による商談機会の喪失、市場の環境悪化を背景とした顧客企業の新規投資抑制等により、受注の減少、売上の減少や利益率の低下、回収サイトの長期化等が発生した場合には、HOUSEIグループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼし、成長スピードが鈍化する可能性があります。また、HOUSEIグループ内での感染拡大が発生した場合は、プロジェクトの遅延等、事業運営の一部に支障をきたす可能性があります。HOUSEIグループでは、在宅勤務等の推奨や、社内でのソーシャルディスタンスの確保といった感染防止に向けた施策を講じることにより、事業継続に支障のない体制を整えております。② 自然災害等についてHOUSEIグループは、主に日本国内、及び中国国内で事業を展開しており、地震・台風等の自然災害の影響や、火災、その他予期せぬ災害や、政変、戦争、テロリズム等による影響を受ける可能性があります。事業展開地域において大規模災害等が発生し、HOUSEIグループが人的及び物的被害を受けた場合には、HOUSEIグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、HOUSEIグループが直接に被災しない場合においても、外部協力事業者への被災や、電力・交通などの社会インフラの喪失・能力低下、並びにそれらによる経済活動の停滞による顧客企業の事業活動低下等により、HOUSEI事業や業績に影響を与える可能性があります。③ 新株予約権行使による株式価値の希薄化についてHOUSEIグループでは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、HOUSEIグループの役員及び従業員等に対して新株予約権(ストック・オプション)を付与しております。また、今後においてもHOUSEIグループ役員及び従業員の士気向上や優秀な人材の確保を図るため、継続的にストック・オプションの発行を実施していく予定であります。2026年2月28日現在において、これらの新株予約権による潜在株式数は185,300株であり、発行済株式総数7,094,200株の2.6%に相当します。今後、これら新株予約権が行使された場合には、将来的に既存株主が保有する株式価値の希薄化や需給関係に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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