リンカーズ(5131)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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リンカーズ(5131)の株価チャート リンカーズ(5131)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

リンカーズグループは、リンカーズ及びリンカーズの連結子会社である株式会社リンカーズOI研究所の2社で構成されております。

リンカーズグループでは、「マッチングで世界を変える」というミッションのもと、企業と企業の出会いのあり方を見直し、従来の産業構造では成し得なかった最適な出会いを提供することで、多くのイノベーションを生み出す産業のしくみを国内外に築き、産業全体の生産性を最大化するための連携のハブとなる企業を目指すために、ものづくり企業のあらゆる探索等の課題に対して、マッチングプラットフォームの運営を中心に課題解決のサービスを提供しております。

リンカーズにおいては、中核事業であるビジネスマッチング事業として、開発段階におけるニーズ起点のマッチングを手掛ける技術探索サービス「Linkers Sourcing」、シーズ起点のマッチングを手掛ける用途開拓サービス「Linkers Marketing」を中心とした自社運営マッチングサービスと、金融機関向けのビジネスマッチングシステム「Linkers for BANK」、同じく事業会社向けのビジネスマッチングシステム「Linkers for Business」を運営するSaaS型マッチングサービスを提供することで、多様なマッチング機会を創出しております。

また、連結子会社である株式会社リンカーズOI研究所は、研究段階における技術ニーズ・シーズの調査を手掛け、その企業が取り組むべき技術テーマや技術課題の顕在化を行う「Linkers Research」をリサーチ事業として提供しております。

これら一連のサービス提供を通じて、ものづくり企業の研究から開発に至るまでの各プロセスにおける課題解決をワンストップで支援することで、ものづくり企業のイノベーションを促進する価値創出を行っております。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

 

ビジネスマッチング事業

(1) 自社運営マッチングサービス

a.「Linkers Sourcing」

イ.サービスの内容

「Linkers Sourcing」は、大手企業を中心とした技術課題を抱えた発注企業と、ものづくりに特化した全国の中堅・中小企業等を引き合わせる技術探索サービス(注1)であります。新たなイノベーションや技術を産み出すことで他産業へも波及効果を持つ、日本のGDPの2割前後を占める製造業(注2)を中心としたものづくり企業の活性化を目的としております。

リンカーズが提供するマッチングプラットフォームは、リンカーズが蓄積してきたビジネスマッチングデータを活用したAI(注3)マッチング、受注候補企業の自薦、及び地元企業に密着・支援している産業コーディネーター(注4)からの推薦による、現場の暗黙知情報(注5)を含めた網羅的な受注候補企業の抽出と選定を実現し、ニッチな案件も含めてマッチングを可能(成約率約53.1%(注6) 2022年8月~2024年7月までの平均値)とした、ものづくり系マッチングサービスとなります。

また、「Linkers Sourcing」は、サービスを利用する発注企業との間でのみ、案件探索時に①基本利用料が、面談ないしは成約に至った場合に②成果報酬(面談)、③成果報酬(成約)がそれぞれ収益として発生いたします。

 

ロ.サービスの特徴

 「Linkers Sourcing」の具体的な特徴としては、以下が挙げられます。

1. 各地域の企業や研究機関をよく知る産業コーディネーターの紹介による受注候補企業

全国の地方自治体、地域金融機関、中堅・中小企業支援機関、商工会議所、大学などに所属する産業コーディネーターが登録されております。これまでものづくりに知見を有する産業コーディネーターを介して、多数の有力な受注候補企業の獲得がなされており、受注候補企業が保有する独自技術やその特徴等をリンカーズデータベースとして活用することで、新商品、新規事業開発などにおける大手企業(発注企業)のニーズを満たすものづくりに特化した有力企業等(受注候補企業)を、網羅的に複数探索することが可能となります。

2. 多様なマッチング手段の提供

リンカーズグループのマッチングプラットフォームには、過去に手掛けた「Linkers Sourcing」の探索によりアカウント登録された受注候補企業の法人情報と、過去のマッチング情報がデータベース化されております。現在もリンカーズが案件探索を行う都度、案件の受注候補となる企業を探し、登録を促すなどしてデータベースの拡充を図っております。

これにより、リンカーズから配信する探索案件情報に対して、自らエントリーする自薦制度以外にも、リンカーズがこれまでの探索プロセスにてネットワーク化したものづくりの企業を中心とした法人データベースを活用し、AIマッチングにより抽出した受注候補企業や、リンカーズの事務局自らが探索した受注候補企業にエントリーを促すことが可能になります。

「Linkers Sourcing」の探索を通じてリンカーズに蓄積された知見を掛け合わせることで、複数の探索プロセスを提供することが可能となり、更にはマッチング機会の最大化を図ることが期待できます。

 

「Linkers Sourcing」における候補企業アカウント数の累計の推移は、以下のとおりであります。

(単位:社数)

 

区分

2024年7月期

2025年7月期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

候補企業

アカウント数(※)

登録数

192

126

136

150

102

101

136

83

累計

19,738

19,864

20,000

20,150

20,252

20,353

20,489

20,572

※ 「Linkers Sourcing」でのマッチング候補先の企業数を指します。

 

b.「Linkers Marketing」

イ.サービスの内容

「Linkers Marketing」は、リンカーズ独自の企業ネットワークを活用して、リンカーズが提供するマッチングプラットフォームにて、発注企業が保有する技術・製品を必要とする会社との面談機会創出の支援を行う技術・製品の用途開拓サービスとなります。

また、「Linkers Marketing」は、サービスを利用する発注企業との間でのみ、案件探索時に①基本利用料が、面談に至った場合に②成果報酬(面談、最大6社分)がそれぞれ収益として発生いたします。

 

ロ.サービスの特徴

「Linkers Marketing」の具体的な特徴としては、以下が挙げられます。

1. 技術課題を抱えた大手企業との商談機会の創出

「Linkers Marketing」は、「Linkers Sourcing」と同一のマッチングプラットフォームにて提供するサービスとなります。リンカーズは、「Linkers Sourcing」を通じて、これまでに約2,000案件(2025年7月末日現在)の技術パートナー探索を手掛けていることから、「Linkers Sourcing」のマッチングプロセスを通じて培ってきた企業ネットワークは、大手企業から中堅中小企業まで幅広い接点を有しております。

特にものづくりに特化したサービスという背景もあり、リンカーズグループの企業ネットワークは各社の技術部門と接点を有しております。そのため、「Linkers Sourcing」とは対照的に、「Linkers Marketing」を利用する発注企業は、ものづくり分野の大手・中堅企業の技術部門との面談に繋がることが多く、新技術のマーケティングを実現することが可能となります。

2. 顧客との商談を創出

リンカーズグループは、主に「Linkers Sourcing」のサービス利用があり、大手企業の新技術への関心が高い技術者に向けて、継続的にリンカーズから技術シーズ情報配信の案内を行っております。

これにより、情報配信先への登録を促してそのネットワーク化を図ってきており、これまでにその登録企業は600社以上(2025年7月末日現在)に及んでおります。

これらの登録企業に向けて技術シーズ情報を配信することで、受信した技術者を通じて大手企業内での技術情報の共有がなされるケースが多いことから、商談機会の創出が期待できます。

 

「Linkers Sourcing」及び「Linkers Marketing」における探索案件数の推移は、以下のとおりであります。

(単位:件)

 

区分

2024年7月期

2025年7月期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

探索件数

(※)

件数

63

46

43

31

22

26

31

21

年間合計

183

100

 

※ 「Linkers Sourcing」及び「Linkers Marketing」での案件探索の合計となります。

 

 また、「Linkers Sourcing」及び「Linkers Marketing」における取引社数の推移は、以下のとおりであります。

(単位:社数)

 

区分

2024年7月期

2025年7月期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

取引社数

(※1)

登録数

26

11

14

6

9

6

9

4

累計(※2)

670

681

695

701

710

716

725

729

 

※1 「Linkers Sourcing」及び「Linkers Marketing」での発注実績のある企業数を指します。

※2 取引社数の累計数は、「Linkers Marketing」のマッチング候補先としての規模感を表す参考値として記載しております。

 

(2) SaaS型マッチングシステム

「LFB(Linkers for BANK/Linkers for Business)」

イ.サービスの内容

「LFB」は、「Linkers Sourcing」のマッチングプラットフォームをベースに開発したSaaS型ビジネスマッチングシステム(注7)となります。地域金融機関、及び事業会社が取り扱うビジネスマッチングの案件登録・進捗管理・情報共有を一元管理することで、ビジネスマッチングの効率化を図るとともに、案件情報の全体での共有とマッチングのノウハウ等のナレッジ共有を実現することによるマッチングの成約率向上に特化したサービスであります。金融機関向けには「Linkers for BANK」を、事業会社向けには「Linkers for Business」を提供しております。

また、「LFB」は、導入機関との間でシステムの導入時に①導入支援料が収益として発生するとともに、サービス利用開始から②月額利用料が契約期間に従って継続的に収益として発生いたします。

 

ロ.サービスの特徴

「LFB」の具体的な特徴としては、以下が挙げられます。

1. システムによる業務効率化とコンサルティング支援を組み合わせたハイブリッド型マッチングプラットフォーム

従来、地域金融機関等では行職員にて案件情報が属人的に管理されているなど、情報の非対称性が課題となっておりました。「LFB」を導入することで情報の一元管理が可能となり、より多くの行職員間での情報共有が適切になされます。

行職員間で過去のマッチング事例やノウハウが共有されることから、地域金融機関等の顧客が持つ、売りたい(又は買いたい)商材やサービスを、より多くマッチングする機会を創出することが期待できます。

また、案件や顧客情報を一元管理し、同意書や請求書の処理をオンライン化することで、管理工数の大幅な削減が可能となり、削減分の時間を営業活動に充てられるため、より多くの商談創出が可能になります。

さらに、営業フロー構築、データ分析、ビジネスマッチングセミナー、業種別ソリューション分析など、導入後も成果を出し続けるための多彩な支援メニューを実装していることから、営業担当者のスキル底上げや提案力向上を通じ、機関全体での成果最大化の実現が期待できます。

 

「LFB」導入機関にて創出された商談数(※1)の推移は、以下のとおりであります。

(単位:件)

 

2024年7月期

2025年7月期

 

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

発生商談数

(※2)

20,194

22,592

21,929

26,449

24,740

30,225

28,828

32,586

※1 「Linkers for BANK」導入機関内で発生したビジネスマッチングの商談数であり、「Linkers for BANK」導入により創出されたマッチング案件の推移を示したものであります。

※2 「Linkers for BANK」全導入機関の商談数

 

2. 様々なマッチング手段を用いて多くの商談を創出

「LFB」は、「Linkers Sourcing」及び「Linkers Marketing」を提供しているリンカーズのマッチングプラットフォームとシステム連携することが可能であり、全国規模のデータベースを活用したマッチングの実現及び販路開拓案件への対応が可能となります。

また、「Linkers for BANK」を導入している金融機関は、従来、財務データや担保・保証による定量評価での融資が中心でありましたが、本システム導入に伴いビジネスマッチングのノウハウを蓄積することで、取引先企業の事業内容や成長可能性などを適切に評価して行う融資、すなわち「事業性評価」を行うことが期待できます。

 

「LFB」の導入機関数累計の推移は、以下のとおりであります。

(単位:機関)

 

2024年7月期

2025年7月期

 

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

導入数(※)

△3

2

1

8

△1

2

2

導入累計(※)

36

38

39

47

47

46

48

50

※ 「Linkers for BANK」及び「Linkers for Business」の導入数

 

3. 広域連携と成果創出の加速

「LFB」は、単一機関内のマッチングを超えて、他の「LFB」利用機関との広域連携により全国規模での案件共有・商談創出を可能にします。これにより、地域内で解決できない課題にも対応可能となり、取引先の販路を全国に拡大することが期待できます。

広域連携を開始した機関では、紹介依頼数や商談数、成約数が増加するなど、着実に成果が拡大しているとともに、利用機関同士による事例共有やユーザー会を通じた情報共有により、継続的な成長が可能となります。

 

(3) その他サービス

a.「TechMesse Academy」

イ.サービスの内容

先端技術の動向や、オープンイノベーション(注8)に関心がある聴講者に向けて、企業が手掛ける知識やノウハウなどを「伝える」「学ぶ」をコンセプトに、企業が保有する技術やサービス、自治体並びに外郭団体等が支援している企業が保有する技術やサービスのプロモーション活動等を支援する集客型のイベント運営サービスとなります。

「TechMesse Academy」は、セミナー等のイベント支援の完了時に、イベント支援内容に応じて発注企業と契約を締結した契約額に基づいて収益が発生いたします。

 

ロ.サービスの特徴

「Linkers Sourcing」や「Linkers Marketing」の探索等でネットワーク化した、リンカーズが保有するものづくりに知見や興味を有する技術者をデータベースとして活用し、技術やサービスに関するセミナー等のイベントの案内をすることで、広告出稿や展示会出展ではなかなかリーチできない企業のキーマンや、オープンイノベーション又は先端技術に関心のある技術者の集客が可能となります。

 

b.「Linkers Trend Map」

イ.サービスの内容

「Linkers Trend Map」は、数万件に及ぶ論文や特許情報をAIとリサーチャーの知見を活用して分析・可視化することで、研究開発や事業企画に役立つ技術インサイトを提供するサービスとなります。

EV・カーボンニュートラルなどのトレンド把握、競合ベンチマーク、加工技術の調査、新素材の用途探索など、幅広いテーマに対応し、目的に沿った検索式でデータ抽出を行って、独自のカテゴライズ手法で技術動向を明確化します。得られた分析結果は、戦略立案や製品開発の意思決定に活用することが期待できます。

「Linkers Trend Map」は、成果物の検収時に契約額に基づき収益が発生いたします。

 

ロ.サービスの特徴

「Linkers Trend Map」の最大の特徴は、「AIによる大規模分析」と「リサーチャーによるファクト精査・示唆出し」を組み合わせるハイブリッド型手法となります。

AIが見落としがちな関連性や技術トレンドを網羅的に検出し、リサーチャーが目的に即した観点で品質を担保、分析視点は用途・技術・素材など自由に設計でき、数万件に及ぶ文献に対応が可能です。

ステップごとの詳細分析やカスタム調査にも対応し、「Linkers Research」との連携により深掘りも可能となります。

 

リサーチ事業

リサーチサービス

a.「Linkers Research」

イ.サービスの内容

「Linkers Research」は、企業が新規事業やマーケティングを行うにあたって直面する研究パートナーや技術パートナーの探索、新規事業検討、R&D(注9)のテーマ検討のための技術ベンチマーク調査、及び出資先や提携先検討のための有力企業発掘など、企業が抱える様々な課題、情報の取得困難性に対して、技術専門性のあるリサーチャーが調査結果をまとめたレポート等を提供するサービスとなります。

「Linkers Research」は、成果物の検収時にそれぞれの契約額に基づき収益が発生いたします。

 

ロ.サービスの特徴

「Linkers Research」は、企業の新規事業検討やR&Dのためのテーマ検討の技術ベンチマーク調査など、研究・技術パートナー探索に対するニーズやフォーカスに応じて、以下のようなサービスを提供しております。「Linkers Research」を通じて創出した新規事業のテーマに対して、リンカーズが提供する「Linkers Sourcing」や「Linkers Marketing」を活用することで、更なる深耕が期待できます。

「Linkers Research」においては、各専門分野に精通したリサーチャーと契約を締結してネットワーク化することで、企業からの様々なテーマ設定に対して対応することが可能となります。

また、実際の調査受注時には、リサーチャーネットワークに属する外部のリサーチャーに、単品テーマやフォーカスを絞った企画等の情報収集を委託します。その成果物は、リンカーズ内のリサーチャーが専門家視点で重要な技術情報の目利きを行い、統一化された粒度で技術情報を整理する分業体制を構築することで、調査成果物の品質管理と納期等のプロジェクト管理の両立が可能となっております。

 

1. 一般リサーチ

企業が関心のある技術領域に関して、それぞれの調査テーマ・フェーズに適合した情報ソース、調査範囲、対象及び調査項目等の要件を定義して、調査を行っております。

2. マルチクライアントリサーチ

リンカーズグループが独自の視点で選択した特定の時節テーマや先端技術等の調査テーマにおいて、複数の企業に参加を募り、その調査結果を参加企業に限定して提供しております。複数企業に参加いただくことで費用負担を軽減しつつ、多くの調査結果を得ることが可能となります。

3. カスタマイズリサーチ

顧客の課題に合わせて個社別にカスタマイズした調査アウトプットを提供しております。例えば、技術を活用した新規事業を立ち上げる際の市場動向調査、法規制動向調査、技術の競争力の考察など、幅広いテーマに対応しております。

 

「Linkers Research」における調査案件数の推移は、以下のとおりであります。

(単位:件)

 

区分

2024年7月期

2025年7月期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

調査件数

(※)

件数

59

80

117

42

44

63

83

38

年間合計

298

228

※ 一般リサーチ、マルチクライアントリサーチ、及びカスタマイズリサーチにおける受注件数の合計となります。

 

b.「Linkers Research Clip」

イ.サービスの内容

「Linkers Research Clip」は、「Linkers Research」にて作成したレポート等を、簡単に社内共有できるサービスであり、調査横断のテキスト検索や、社内の技術情報への興味の可視化など、調査結果を活用することが可能なWebアプリとなります。

2025年7月期より、「Linkers Research Clip」は、「Linkers Research」の付随サービスと位置付け、マーケティングツールに用途を転じたことから、無償での提供に変更しております。

 

ロ.サービスの特徴

「Linkers Research Clip」は、これまでExcelやPDF等のファイルとして提供してきた「Linkers Research」のレポート等を閲覧するためのWebアプリとなります。アプリ内のデータベースに蓄積した技術情報を、複数の条件やフィルタで検索した検索結果をカード形式で表示することで、効率的に各技術情報を把握することが期待でき、また、調査結果の共有を行うことで、調査結果の活用や可視化、調査結果に対する個々人の興味情報のトレンド分析が可能となります。

 

(注)1.発注企業の技術課題を解決できる技術を保有する企業を探索して、マッチングを行うサービスを指しております。

2.令和5年12月25日 内閣府経済社会総合研究所 国民経済計算部『2022年度(令和4年度)国民経済計算年次推計』

3.Artificial Intelligenceの略で、人工的に作られた知能を持つコンピュータシステムやソフトウエアを指しております。

4.リンカーズが提供する探索・マッチングサービスにおいて、受注候補企業等の推薦を行う情報提供者を指しております。

5.個人的な経験や勘などに基づく他人に説明することが難しい知識のことで、経験やノウハウを指しております。

6.発注企業と受注候補企業との間で個別契約等が締結されるなどの成果が発生し、発注企業によりマッチングプラットフォーム上でマッチング成立とされた率を指しております。

7.「Software as a Service」の略であり、クラウドサーバーにあるリンカーズが開発したビジネスマッチングシステムを、インターネットを経由して利用できるサービスを指しております。

8.2006年に米国研究者のヘンリー・チェスブロウ氏の著書『Open Innovation:The New Imperative for Creating And Profiting from Technology』にて提唱された概念を指しております。

9.Research and Developmentの略で、自社の事業領域に関する研究や新技術の開発力を高めるために必要な活動を行うことを指しております。

 

[事業系統図]

 

 

 


有価証券報告書(2024年7月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 リンカーズの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてリンカーズが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 リンカーズは、「マッチングで世界を変える」というミッションを掲げ、従来の企業同士の出会いのあり方を見直し、最適な出会いを提供することにより、多くのイノベーションを生み出す「別次元の産業構造」を築いていくため、リンカーズ独自のビジネスマッチングプラットフォームを提供することで国内産業の生産性の改善、更には国力の発展に寄与することを経営方針としております。

 また、リンカーズは、ものづくり産業におけるニーズ(発注企業)とシーズ(受注候補企業)を結びつけることを活動の中心としており、これまで「ものづくり」に強みを活かしたビジネスマッチングサービスとして、企業間のマッチングプロセスの課題解決のためのサービスを提供し、収益を得ることを事業の根幹としております。

 今後は、経営方針・理念の実現に向けて、産業横断でより広範囲にマッチングプラットフォームをSaaS型として提供し、商流構築までサービスに取り込むことで、新しい企業間の組合せによる商流発生を促進し、生産性の高い新しい産業構造の創出に取り組んでまいります。具体的には下図の①から④の4つの戦略指標をバランス良く制御しながらマッチングプラットフォームの拡大を目指してまいります。

 また、上記ミッションのもと、リンカーズの役員及び従業員全員の共通価値観として「Linkers Quality」を定めて、以下5つの指針を基に日々の活動を行っております。

①三方良し ―業界を変えるプラットフォーマーであり続けたい

②悩んだらブレスト ―組織として最高のアウトプットを更新し続ける

③強固な信頼インフラ ―摩擦を恐れずにオープンで本質的な議論を

④ボトルネックとキードライバー ―費用対効果の最大化

⑤トライ&エラーの高速回転 ―スピード感をもって課題解決と組織学習を実現する

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための指標

 リンカーズは、持続的な事業拡大と企業価値の向上を図っていくために、売上高、営業利益及び経常利益の中長期的な成長を重要指標としております。また、リンカーズの主力サービスである「Linkers Sourcing」及び「Linkers Marketing」における探索案件数、「Linkers Research」における調査案件数、及び「LFB」における導入機関数等については、各サービスの先行指標として今後のシステム投資や営業施策の決定における判断材料となるため、重要な指標として経営判断に利用しております。各サービスの指標の推移については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」の各サービスの説明に記載しております。

 

 

(3)経営環境及び中長期的な経営戦略

 リンカーズが提供する「Linkers Sourcing」を中心としたビジネスマッチング事業は、企業の新規取引先探索を支援する事業であります。従来は、商社、銀行、コンサルティング会社及び展示会支援業者等が、自社のサービスの一部として実施してきたサービスでしたが、2000年代以降、EC(注1)をはじめとするWebサービスの発展に伴い、Webを介した企業間でのマッチングサービスが、それらを代替してきております。

 特に、製造業においては消費者ニーズが多様化し、製品ライフサイクルが短縮化する中で、自社内部のリソースだけでなく、自社のネットワーク外にある人材、技術を活用した新しい製品、サービス及びビジネスを素早く開発し、市場に出していく「オープンイノベーション」が企業経営戦略のひとつとして、2010年代後半にかけて、日本国内においても普及し始め(注2)、Webを介した企業間マッチングサービスの需要拡大を後押ししていると考えております。更に、IoT(注3)の普及に伴い製造業だけでなく、今後は、あらゆる業種においてインターネットを介した企業間連携の増加が見込まれるため、新規取引先探索サービスの需要は拡大していくとリンカーズは想定しております。

 我が国の科学技術等に関する研究活動における科学技術研究費の総額は、2022年度は20兆7,040億円に達しており、その内訳は、企業が15兆1,306億円、大学等が3兆8,421億円、非営利団体・公的機関が1兆7,312億円となっております。(注4)

 そして、企業の科学技術研究費を産業別にみると、「製造業」が12兆8,083億円と最も多く、中でも「輸送用機械器具製造業」の占める割合は26.5%(4兆118億円)、次いで「医薬品製造業」の占める割合が9.5%(1兆4,304億円)となっており、引き続き製造業における新たな技術の創出や、他社との差別化に向けた科学技術研究費の投資は継続しております。よって、製品ライフサイクルの短縮化、業界を超えた有業領域の拡大、新興国の技術的な追い上げなどの諸要因による産業構造や社会構造の変化などに対応するため、今後もオープンイノベーションに対する投資がなされると推測しております。

 また、『2023年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)』(注5)では、ウクライナ情勢に伴う調達先や生産拠点の変更・拡充、企業の枠を超えたサプライチェーン構築への取り組みが必要であると示されており、『2024年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)』(注6)においては、「CXによる組織経営の仕組み化」×「DXによる製造機能の全体最適化、ビジネスモデルの変革」におけるプラットフォームビジネスの展開等についても言及がなされるなど、ものづくりにおける変革が期待されております。

 リンカーズは、技術的な目利きのできる産業コーディネーターや、リンカーズが独自に開拓したものづくりの技術を保有する中堅・中小企業のネットワークを活用し、技術探索のプロセスを効率化した独自のマッチングプラットフォームを介して製造業を中心に国内の最適な技術やリソースを紹介することによって、主に製造業における技術課題を解消するマッチングサービスを提供しており、サプライチェーンの強靭化やプラットフォームビジネスの活用という観点でも、リンカーズのビジネスマッチングサービスの需要は高まっていると判断しております。

 

 このような経営環境のもと、リンカーズは以下の施策を中心に事業展開を進めてまいります。

① ビジネスマッチング業務をワンストップで支援する体制の構築と業務ノウハウの蓄積

「Linkers Research」は、研究段階における技術ニーズ・シーズの調査を手掛け、その企業が取り組むべき技術テーマや技術課題の顕在化を行います。「Linkers Sourcing」にて開発段階におけるニーズ起点のマッチングを手掛ける技術探索サービスを提供し、「Linkers Marketing」にてシーズ起点のマッチングを手掛ける用途開拓サービスを提供することで多様なマッチング機会を創出いたします。

「Linkers Trading」は、量産段階におけるサプライヤー探索等の調達支援サービスを通じて発注企業及び受注企業の新たな商流構築を行っております。

これら一連のサービス提供を通じて、ものづくり企業の研究から開発、そして量産に至るまでの各プロセスにおける課題解決をワンストップで支援することで、ものづくり企業のイノベーションを促進する価値創出を行います。

さらに、マッチングプラットフォームを活用した新たなマッチング領域の拡大を図り、ニーズ、シーズのマッチングプラットフォームへの流入量を確保するとともに、案件運用によるマッチング業務のノウハウを蓄積し、SaaS型ビジネスマッチングシステム「LFB」と連携することで収益の最大化を図ってまいります。

 

② SaaS型サービスの拡大並びに水平展開とマッチング収益の機会拡大

現在、地域金融機関を中心にサービスを提供している「Linkers for BANK」においては、導入機関数の拡大はもとより、導入機関の取引先企業のニーズを吸い上げ、リンカーズで探索したシーズとマッチングさせる機能を実装することで、ビジネスマッチングの機会を創出し収益化機会のより一層の拡大を目指します。

さらに、収益の多様化を目的にマッチングビジネスへの参入を企図している地域金融機関以外の事業会社向けに提供を行っている「Linkers for Business」においても、導入機関の拡大とともに、地域金融機関との情報共有や協業スキームの構築が出来つつあることから、「LFB」の最大のメリットである他機関及び業種間の垣根を越えた広域連携の促進を進めてまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 収益基盤の拡充

 リンカーズの事業拡大のためには、サービスポートフォリオの拡充も課題の一つであると考えております。既存サービスにおいては、新たな機能の追加や利用企業層の開拓、提供エリアの拡大により収益機会の増加を図るとともに、構築したマッチングプラットフォームを活用した新たな周辺サービスを開発していくことが必要であると考えております。

 

② 技術力の拡充

 リンカーズは、ウェブサイトによるサービス運営を中心に事業展開しており、そのシステム開発を自社で内製化しているため、常に外部環境におけるITの進化に注視しながら技術力の進歩に努めてまいります。

 また、優秀なエンジニアの確保など技術部門の強化を推進し、持続可能な付加価値の高いサービスの実現を図ってまいります。

 

③ 優秀な人材の確保

 リンカーズは、今後の事業拡大に伴い、リンカーズのミッションに共感し高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用していく必要があると考えております。労働市場における知名度の向上を図り採用力の向上に努めるとともに、業務環境や福利厚生の改善により採用した人材の離職率の低減も図ってまいります。

 

④ 内部管理体制の強化

 リンカーズが継続的な成長を続けるために、拡大する事業規模及び組織規模に合わせた組織的な管理体制を構築するとともに、経営の公正性や透明性を確保するために、リンカーズ事業に精通した事業部門と、会計や法令に知見のあるコーポレート部門が協働して内部統制システムの整備・強化を図り、レピュテーションリスクの排除やコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。

 

⑤ リンカーズサービスの認知度向上

 リンカーズが今後も高い成長率を維持していくためには、提供するサービスのユーザビリティ、品質の向上等に加えて各サービスの認知度向上による新規顧客の拡大が不可欠であると考えております。リンカーズでは、これまで新聞・テレビ・雑誌等のマスメディア広告等には注力しておらず、ものづくり系の展示会やセミナー活動等を通じて顧客開拓を行ってまいりました。しかしながら、各種サービスのさらなる拡大を図るにあたり、今後は費用対効果を十分に見極めながら広告宣伝活動、及び企業認知度向上のためのブランディングにも取り組んでまいります。

 

⑥ マッチング精度の向上

 リンカーズのビジネスマッチング事業は、精度の高いマッチング技術の構築が必要不可欠となります。連携する産業コーディネーターの確保と、有力な技術を保有する受注候補企業のさらなる獲得を進めるとともに、これまで培ったマッチングノウハウをベースにAIを活用したマッチングシステムの機能向上等を図り、より精度の高いマッチングを提供できるよう努めてまいります。

 

⑦ システムの安定性の確保

 リンカーズの主要事業においては、インターネット上にてサービスを提供しており、安定した事業運営を行うにあたっては、ウェブサイトに係るシステムのセキュリティ、開発・運営保守体制の構築が極めて重要であると認識しております。今後も、システムの安定性確保に取り組み、市場環境の変化に対応した運用体制整備を継続的に行ってまいります。

 

⑧ 情報管理体制の強化

 リンカーズは、公開前の事業戦略や製品企画など多くの機密情報や個人情報等を保有しており、その重要性については十分に認識しております。それらの保護体制構築に向けて、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、情報セキュリティマネジメントシステムの構築・維持向上に努めることで、今後も引き続き情報管理体制の強化を図ってまいります。

 

(注)1.Electronic Commerceの略であり、電子商取引、インターネット上で商品やサービスの売買を行うことを指しております。

2.2016年 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構『オープンイノベーション白書(初版)』

3.Internet of Thingsの略であり、あらゆる「モノ(物)」がインターネットに接続され、モノ同士が相互に通信することにより実現するサービスや仕組みのことを指しております。

4.総務省統計局『2023年(令和5年)科学技術研究調査結果』

5.令和5年6月2日 経済産業省、厚生労働省、文部科学省

6.令和6年5月31日 経済産業省、厚生労働省、文部科学省

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

リンカーズのリスク管理体制につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 ロ.リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてリンカーズが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 競合について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 ビジネスマッチング事業は、発注者の要望に応じることのできる多数の受注候補者を囲い込みできるか否かを除いては、参入障壁が比較的低いビジネスモデルであります。また、将来の成長が期待される市場であり、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。これまで、先行して事業を推進することで、連携する産業コーディネーターを通じてこれまで有力な受注候補企業を増加させてきたことや、マッチングプラットフォームの法人データベースの構築、及び運用に取り組んできたことが優位性につながっており、実際に競合する状況も限定的となってきております。

 しかしながら、今後において十分な差別化や機能向上等が図られなかった場合や、新規参入により競争が激化した場合には、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 自然災害について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 大規模な地震等の自然災害や事故など、リンカーズによる予測が不可能かつ突発的事由によって、事業所等が壊滅的な損害を被る可能性があります。このような自然災害に備え、従業員安否確認手段の整備、オフィスでの備蓄食料・生活物資の確保、無停電電源装置の確保等に努めておりますが、想定を超える自然災害が発生する場合は、リンカーズの事業活動が制限され、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。リンカーズが直接被災しない場合であっても、外注先等の被災により、間接的に損害を被る場合もあります。また、災害等の発生によって、電力等の使用制限による社会インフラ能力の低下、個人消費意欲の低下といった副次的な影響により、発注者や受注者の事業活動の抑制につながる可能性があり、そのような場合は、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 新型コロナウイルス感染症やその他の疫病について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 新型コロナウイルス感染症に対しては、取引先、関係者及び従業員の安全を第一に考え、テレワーク勤務体制の構築、Web会議システム等のツール活用の促進等の感染予防に努めております。

 しかしながら、今後新たな感染症・疫病等が発生した場合は、事業遂行上様々な制約を受ける可能性が否めず、その受ける制約は予測が困難であります。また、リンカーズ顧客の新規投資への意欲減退等によりリンカーズへの発注が停滞等するなど、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業内容に関するリスク

① 技術革新への対応について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 リンカーズは、競争力の強化のために探索及びマッチング手法の技術の開発・導入に注力する必要があります。そのため、海外を含めたビジネスマッチングに関する情報収集を行うとともに、「LFB」を導入している地域金融機関と共同で新たなビジネスマッチング手法の試行や、ビジネスマッチングに関するセミナーを開催して情報収集を行うなどの取り組みを行っております。

 しかしながら、これらの技術への対応が遅れる可能性もあり、その場合にはリンカーズの競争力が低下することで、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② システムトラブルについて

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 リンカーズは、「Linkers Sourcing」、「Linkers Marketing」及び「LFB」等の主力サービスを、インターネットを介したマッチングプラットフォームとして提供しております。

 安定的なサービス運営を行うために、自社でサーバーを保有せず拡張性や可用性に優れた外部提供のクラウドサーバーを利用し、更にはロケーションの異なる2拠点におけるクラウドサーバーを利用してシステムの冗長化を行うことで、災害時のデータ消失に対する備えを行うとともに、データのバックアップ体制の整備や、稼働状況の監視による障害発生時の迅速な復旧対応体制も構築しております。

 しかしながら、クラウドサーバー提供元における事故、不正アクセス、その他システム障害やネットワークの切断等予測不能なシステムトラブルが発生し、復旧に時間を要した場合には、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 業績の偏重について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:3月、影響度:中)

 リンカーズの顧客企業の多くは、決算期が3月であることから、リサーチサービスを中心にリンカーズの主たるサービスの売上高が他の月と比較すると3月に集中する傾向があります。

 リンカーズとしては業績の平準化を企図し、新規顧客の開拓や納期コントロールに努める方針ではありますが、今後においても3月に偏重した傾向が継続する可能性があります。

 

(2024年7月期の売上高並びに営業損失)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(千円)

363,168

296,341

444,497

360,534

1,464,541

営業損失(△)(千円)

△90,370

△69,705

△4,729

△58,627

△223,432

 

④ 海外取引について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)

 リンカーズは、「Linkers Trading」における調達支援サービスや「Linkers Sourcing」の海外企業探索等において、海外企業との取引を行う場合があります。海外においては、予測しえない法制の改正や金融情勢に伴う為替変動、政治的混乱などのカントリーリスクが存在することから、サービス開始時には取り扱う商材・サービス単位で法的論点の検証やリスク調査を行うとともに、現地事情に精通した協業パートナーと連携してリスクの最小化を図っております。

 しかしながら、こうしたリスクが顕在化した場合には、リンカーズの海外での調達に支障が生じ、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)事業体制に関するリスク

① 特定人物への依存について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 リンカーズの代表取締役社長である前田佳宏は、リンカーズの創業者であり、設立以来リンカーズの経営方針や事業戦略の立案やその遂行において重要な役割を担っております。リンカーズは特定の人物に依存しない体制を構築するべく、幹部社員の情報共有や権限の委譲によって同氏に過度に依存しない組織体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏によるリンカーズの業務遂行が困難になった場合、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 人材の確保・育成等について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 リンカーズは小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっておりますが、今後の継続的な事業拡大や事業領域の拡大のためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最も重要であると認識しております。そのため、多様な採用媒体の確保等による採用体制の強化や、OJT等を通じた育成、人事制度設計・運用等を通じて人材の採用、育成及び定着に努めております。

 しかしながら、将来的な事業拡大を踏まえた人員増強の計画に対し、リンカーズが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や、人材流出が進んだ場合には、業務運営及び事業領域の拡大等に支障が生じ、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 内部管理体制について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 リンカーズは、今後の事業運営及び業容拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しており、今後、事業規模の拡大に合わせて内部管理体制も充実・強化させていく方針であります。

 しかしながら、事業規模の拡大に必要な内部管理体制の充実・強化に遅れが生じた場合は、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)法的規制に関するリスク

① 法的規制等について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 リンカーズの事業は、「電気通信事業法」、「下請代金支払遅延等防止法」、「個人情報の保護に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」及び「情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)」などの法規制の対象となっており、これらの法規制を遵守した事業運営を行っております。また、今後も法令遵守体制の強化や社内教育などを行っていく方針であります。

 しかしながら、今後これらの法令の改正や、リンカーズの行う事業が規制の対象となった場合、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 知的財産権について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 リンカーズは、事業運営の際に第三者の知的財産権侵害などが起こらないための管理体制を構築しており、社内の弁理士を中心としてその権利を侵害しないように留意するとともに、必要に応じて知的財産権を登録することにより、リンカーズ権利の保護にも留意しておりますが、第三者の知的財産権に抵触しているか否かを完全に調査することは極めて困難であります。

 このため、知的財産権侵害とされた場合には、損害賠償又は当該知的財産権の使用に対する対価の支払い等が発生する可能性があります。その際に、加入している保険が適用されない、または損失を担保しきれない場合には、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 情報セキュリティ及び個人情報等の漏えいについて

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 リンカーズでは、業務上、個人情報その他機密情報を顧客より受領する場合があります。リンカーズにおきましては、2018年3月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)、同年12月にはプライバシーマーク(PMS)の認証規格に適合する証明を取得しており、個人情報を含む情報管理の重要性を周知徹底するべく役職員に対し研修等を行い、情報管理の強化を図っております。また、情報セキュリティについては外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入防止について、社内の情報システム部を中心にシステム的な対策を講じております。

 しかしながら、リンカーズが取り扱う機密情報及び個人情報について、漏えい、改ざん、又は不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえず、何らかの要因からこれらの問題が発生した場合には、顧客からの損害賠償請求や信用失墜等により、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5)その他

① 税務上の繰越欠損金について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:1年から2年、影響度:中)

 2024年7月期末には、リンカーズに税務上の繰越欠損金が存在しており、将来における法人税等の税負担が軽減されることが予想されます。ただし、将来において当該繰越欠損金が解消又は失効した場合は、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 訴訟、係争について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)

 リンカーズでは、当事業年度末現在において訴訟、係争は生じておりません。

 しかしながら、今後何らかの事情によってリンカーズに関連する訴訟、係争が行われる可能性は否定できず、訴訟や係争が発生した場合、その経過又は結果によっては、リンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:2年から3年以内、影響度:中)

 リンカーズは、業績向上に対する意欲向上を目的として、ストック・オプション制度を導入しており、会社法の規定に基づく新株予約権をリンカーズの役員及び従業員に付与しております。2024年7月期末時点で新株予約権の株数は380,100株であり、リンカーズ発行済株式数の13,747,000株に対する潜在株式比率は2.76%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合には、リンカーズの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

④ 配当政策について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 リンカーズは、株主に対する利益還元を経営課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元政策を決定していく所存であります。

 しかしながら、リンカーズは、成長過程にあり内部留保が充実しているとはいえず、創業以来配当を行っておりません。また、現時点では事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。

 将来的には、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元を行うことを検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

⑤ 資金使途について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 リンカーズ株式上場時の公募増資による調達資金の使途については、主にサービス拡大に備えたシステム開発への投資、業容拡大のための人材の採用費用に充当する予定であります。

 しかしながら、急速に変化する経営環境へ柔軟に対応していくため、現時点での資金使途計画以外へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用したとしても、期待どおりの効果を得られない可能性があります。

 

⑥ 固定資産の減損について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)

 リンカーズはマッチングプラットフォームの提供にあたって、主に自社開発によるソフトウエアを固定資産計上しておりますが、収益性の低下等により当該資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローが投資額を下回る場合には、当該資産の回収可能性を慎重に検証し、必要に応じて適切に減損処理を行うこととしております。

 今後、リンカーズの事業領域の拡大、利便性の向上等を目的とした積極的な投資を実行する可能性がありますが、将来の環境変化等により投資の回収が見込めない場合、減損損失を計上することによりリンカーズの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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