オープンワーク(5139)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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オープンワーク(5139)の株価チャート オープンワーク(5139)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 オープンワークは「ひとりひとりが輝く、ジョブマーケットを創る。」というミッションのもと、個人が投稿した社員クチコミを基盤とするワーキングデータプラットフォーム事業を運営しています。社会の多様化が進む今日、個人の躍動感に溢れる人間社会を実現するためには、個人が自立して自由にキャリアを構築していけるような社会が望ましく、そのための雇用構造の変化や社会の意識改革が必要であるとオープンワークは強く認識しています。個人が自立してキャリアを築ける社会を目指すミッション達成への第一歩として、雇用市場の透明性を高め、個人と企業が対等な立場になるために情報の非対称性を解消するべきであると考え、社員クチコミを中心とした転職・就職のための情報サイト「OpenWork」を運営しています。

 創業より、働く個人の声を蓄積、公開することで、ジョブマーケットの透明性向上を目指してきましたが、現在は社員クチコミだけに留まらず、求人情報や選考履歴など「働く」に関するあらゆる情報を網羅した、ワーキングデータプラットフォームの確立に注力しています。

 オープンワークはワーキングデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしていませんが、オープンワークの提供するサービスの内容及びその特徴は以下のとおりです。

 

(1)「OpenWork」

①概要

 「OpenWork」は社員クチコミデータを基盤とした転職・就職のための会社情報サイトです。他のユーザーによって投稿された「ワーク・ライフ・バランス」など8個のカテゴリーで整理されている社員クチコミ、「20代成長環境」など8個の項目ごとにレーダーチャートで表示されている評価スコア、「月間残業時間」などの数値データから会社の評判を調べることができます。また、有価証券報告書などで報告されている売上高などのデータも掲載されています。ユーザーは、様々な角度から会社の実態を知り、転職・就職等に役立てることができます。

 2007年よりサービスを開始し、2024年12月末時点で、約76,000社、約1,840万件の社員クチコミデータが掲載され(注1)、登録ユーザー数は約695万人となりました(注2)。また、累計Web履歴書登録数(社会人・学生)は約134万件となりました(注3)。

(注1)社員クチコミ数は「OpenWork」サイトに掲載された社員クチコミ数と評価スコア数の合計です。

(注2)登録ユーザー数は退会済みユーザーを除いたユーザー数です。

(注3)2024年12月31日時点

 

 

 

②特徴

 「OpenWork」では、会社に関する社員クチコミ、評価スコア、数値データを以下の分類でカテゴライズし掲載しています。

 

 

 ユーザーは、様々な観点のデータから会社の実態を調査し、転職や就職等に役立てることができます。これらのデータは、投稿したユーザーの属性(職種・入社形態・性別・在籍状況)ごとに確認できるだけでなく、評価スコア・数値データの推移分析や競合・業界平均との比較も可能です。

 このような定性情報・定量情報による企業の評判・実態に関する情報を提供していることが「OpenWork」の大きな特徴の一つです。

 また、これらのデータの質・信頼性の高さも「OpenWork」の特徴です。データの質・信頼性の高さを維持するために、以下のような機能・審査体制を構築し、健全なプラットフォームを運営しています。

 

・社員クチコミの投稿は500文字以上が必須

・コピーアンドペーストを制限

・在籍期間1年以上の正社員、契約社員のみが回答できる旨をサイト上に明記

・すべての投稿内容に対してAIを活用した機械審査と専任のスタッフによる目視審査の両方を実施

 

 特に投稿に対するAIと専任スタッフによる目視審査は「OpenWork」の情報健全性を維持するためには非常に大切なプロセスの一つです。投稿するユーザーに公開しているガイドラインのほかに社内のガイドラインに沿って審査を行い、逸脱する内容が「OpenWork」に掲載されないよう細心の注意を払っています。

 さらに、「OpenWork」に掲載されている社員クチコミ等のデータから働きがいを調査・分析して公表するオウンドメディア「働きがい研究所」や、働くうえでの自分の特性、価値観、働き方タイプを知ることができる適性診断ツール「OpenFinder」など、ユーザーが自分自身にとっての働きがいとは何かを考えるきっかけとなるコンテンツも提供しています。

 上記のように、定性・定量的な企業の情報を提供していること、データの質・信頼性を高めるための運営を継続してきたことが、「OpenWork」の持続的な成長の源泉となっていると考えています。

 

③収益モデル

 「OpenWork」は「ユーザーによる有料会員登録」と「提携しているサービス運営企業からの紹介料」の2つを収益源としています。

 ユーザーは、社員クチコミを投稿する、またはWeb履歴書を登録することで、「OpenWork」に掲載されている社員クチコミが閲覧可能になりますが、有料会員に登録することでも閲覧可能となります。

 また、ユーザーは、オープンワークと提携している企業が運営するサービスに、「OpenWork」経由で登録することでも社員クチコミが閲覧可能になります。オープンワークは、この登録の対価として提携企業から紹介料を受け取ります。

 

(2)「OpenWorkリクルーティング」

①概要

 「OpenWorkリクルーティング」は自社の働きがいを採用力に変えることができる企業向け採用支援サービスです。

 サービス利用企業は、自社の求人を「OpenWork」上に掲載し、「OpenWork」を利用している求職者に対して応募勧誘のためのスカウトメールを送信することができます。なお、サービスの利用は求人企業だけでなく、採用代行会社及び人材紹介エージェントにも拡大しています。

 求職者は「OpenWork」に掲載されている社員クチコミや評価スコア、「月間残業時間」などの数値データを確認し、求人に応募することができます。会社のことをよく理解したうえで求人に応募することができるシステムになっているため、求人企業と求職者の双方のミスマッチ低減や入社後定着率の向上を図ることができます。

 2024年12月末時点で、契約社数(登録エージェント企業数含む)は約3,730社、求人掲載数は約8.5万件、累計Web履歴書登録数(社会人・学生)は約134万件となりました。

 

②特徴

 オープンワークは、キャッチコピーや広告予算が企業の採用力を左右するのではなく、その企業で働く社員が実際に感じた働きがいこそが企業の採用力を決めるべきであるという理念を掲げています。

 この理念を実現するために、「OpenWorkリクルーティング」では、「OpenWork」上の評価スコアに応じて求人掲載順位や、企業の送信可能なスカウトメール数が変動する設計としています。

 また、企業の担当者が、「OpenWork」に投稿された自社の社員クチコミを性別、入社形態、職種等、様々な角度から分析し、他社との比較もできる社員クチコミ分析機能も提供しています。

 「OpenWork」は本格的な転職活動開始前のユーザーから企業チェック等に利用されることが多いため、転職活動中のユーザーだけでなく、本格的に転職活動を開始していないユーザーも登録しています。また、学生時代から継続的に利用するユーザーが多く、情報感度の高い優秀な人材が多く揃っていると考えています。

 このように、情報感度の高い優秀な人材が社員クチコミ等を参考にすることで、広告に左右されない健全でミスマッチの少ない求職者と企業にとって最適なマッチングを追求しています。

 今後は、「OpenWork」に蓄積されたデータを活用し、個人に適した求人を案内することができるよう求職者と求人企業のマッチングの最適化を図り、「OpenWorkリクルーティング」の付加価値の向上を目指してまいります。

 

③収益モデル

 「OpenWorkリクルーティング」は、求人企業及び人材紹介エージェント企業からの成功報酬、並びに一定期間の求人掲載費用を主な収益源としています。

 

(3)その他

①概要

 その他のサービスとして、オープンワークに蓄積された社員クチコミを活用したビジネスを開始しています。

 その一つとして、現在、社員クチコミデータを投資判断のためのオルタナティブデータ(注)として提供するサービス「FIS(Financial Indicator Service)」を展開しています。

 自然言語処理や機械学習技術が普及したこと、金融業界内でアルゴリズム取引の導入が進んだことにより、海外のヘッジファンドを中心にオルタナティブデータの活用が進んでいます。

 国内でも、活用推進に向けて一般社団法人オルタナティブデータ推進協議会が2021年2月に設立され、オープンワークも会員として参画しています。

 また、2024年4月からは、社員クチコミデータをAIを用いて分析し、当該企業の働き方に関する特徴や強み、弱みを可視化した「従業員クチコミレポート」を企業へ提供する、DAP(Data Analytics Platform)サービスを開始しています。当該サービスは人的資本経営の支援ツールとして、組織の課題発見と改善、採用ブランディング等に活用されています。

 

(注)オルタナティブデータとは、機関投資家によって投資判断のために使われるデータのうち、伝統的に用いられてきた決算開示等、一般的な公開情報以外のデータ群の総称です。

 

②特徴

 「(1)「OpenWork」②特徴」に記載の「OpenWork」データの量と質に加え、上場企業の90%以上(注1)の社員クチコミ及び評価スコアが掲載されていることもオープンワークが提供するデータの特徴の一つです。

 オープンワークの社員クチコミデータと企業業績との関連性は論文(注2)にもまとめられ、2018年度の証券アナリストジャーナル賞(注3)を受賞しています。

(注1)東京証券取引所(プライム・スタンダード・グロースの3市場)に上場している会社のうち、「OpenWork」に社員クチコミが掲載されている会社の割合(2024年12月末時点)

(注2)西家宏典・津田博史「従業員口コミを用いた企業の組織文化と業績パフォーマンスとの関係」2018年

(注3)公益社団法人日本証券アナリスト協会の「証券アナリストジャーナル」に掲載された論文の中から、同誌編集委員会によって毎年選定される賞。

 

③収益モデル

 オープンワークが顧客に社員クチコミデータを提供した際のデータ提供料を主な収益源としています。

 

オープンワークの事業系統図は以下のとおりです。

 


有価証券報告書(2023年12月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 オープンワークの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてオープンワークが判断したものです。

 

(1)経営方針

 オープンワークは、「さあ、自由に生きよう。働きがいをすべての人へ」というコーポレートスローガンのもと、「ひとりひとりが輝く、ジョブマーケットを創る。」ことをミッションとして掲げ、創業より、働く個人の声を蓄積、公開することで、ジョブマーケットの透明性向上を目指してまいりました。

 社名・サービス名である「OpenWork」には、「より透明性(Open)の高い、仕事(Work)選びを提供する」という想いを込めています。働きがいがある「良い会社」の基準を社員クチコミや評価スコアなどのワーキングデータで提示し、良い会社に人が集まる健全なジョブマーケットの発展に貢献するため、ワーキングデータプラットフォームを展開していく方針です。

 

(2)経営戦略等

 ワーキングデータプラットフォームの拡充を基軸とし、「OpenWork」の安定運用と「OpenWorkリクルーティング」の成長を加速させることを経営戦略の基本方針としています。具体的なオープンワークの経営戦略の現状と見通しは以下のとおりです。

 

①ワーキングデータプラットフォームの拡充

 オープンワークでは、投稿されたすべての社員クチコミに対して、AIを活用した機械審査と専任のスタッフによる目視審査を実施し、法令違反や誹謗中傷に該当する投稿をサービスに掲載しないための運用、審査体制を構築しており、データの「量」だけでなく、掲載する社員クチコミ等の「質」の向上にも努めています。

 今後は社員クチコミの量と質の維持と、ワーキングデータを活かした求職者と求人企業のマッチングの最適化の推進、さらには新規サービス展開に向けて、年収、残業時間、企業業績、選考データ、求人、履歴書、個人の性格特性や価値観など、転職・就職に関わる様々な情報を網羅的に蓄積し、ワーキングデータプラットフォームとしてのデータ基盤を強化してまいります。

 

②採用市場のリストラクチャリング

 従来の採用市場では、企業が投じる広告予算の規模に比例して企業の認知度や人気が変動し、大きな広告予算を投じた企業が採用に成功していましたが、企業の実態を知る方法が限られていたことから、入社後の求職者と企業のミスマッチが多く発生することに繋がっていたと考えています。

 このような従来の採用市場のリストラクチャリングを実現するため、「OpenWorkリクルーティング」は「OpenWork」の強みの一つである情報の透明性を活かし、求職者には自身の働きがいにマッチした企業を見つけることができる場を、採用を考える求人企業には自社の働きがいにマッチした求職者との接点を提供することで、入社後の求職者と企業のミスマッチの発生を抑制し、求職者と企業双方の満足度向上を目指してまいります。

 

③ワーキングデータプラットフォームを基盤とした新規サービスの展開

 オープンワークは、ワーキングデータプラットフォームとして蓄積したデータを活用し、新規サービスの展開及び収益の多角化を目指しています。

 「FIS(Financial Indicator Service)」サービスはその一例で、「OpenWork」の強みである社員クチコミを投資判断のためのオルタナティブデータとして、国内外のヘッジファンド等に販売しています。

 「FIS」の利用企業が増えることで社員クチコミデータの信頼性を訴求でき、「OpenWork」「OpenWorkリクルーティング」サービスのブランディング向上にもつながると考えています。

 

 

(3)経営環境

 オープンワークの主力サービスである「OpenWork」「OpenWorkリクルーティング」が対象とする市場は、職業紹介事業などの人材ビジネス市場です。2021年度の職業紹介事業における手数料収入は約6,315億円となりました(注1)。

 転職者数は、2023年7~9月の転職者数は前年同期比103%に(注2)、転職希望者は新型コロナウイルス感染症の流行前である2019年の水準を超えています。また、個人のキャリア観の変化や終身雇用の構造的限界により、今後雇用の流動化は一層加速し、働き方改革やリモートワークの普及により、多様な働き方が広がる中で、求職者の会社選びの基準も多様化していくと考えています。

(注1)厚生労働省「令和3年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」

(注2)総務省「労働力調査 年齢階級別転職者数及び転職者比率」調査によると、7~9月期の転職者数は2019年

364万人、2020年325万人、2021年285万人、2022年313万人、2023年325万人

 

 このような経営環境の中で、オープンワークのワーキングデータプラットフォームを基盤としたサービス「OpenWork」は、会社に関する社員クチコミと評価スコアなどのデータを用いて社員の働きがいを視覚化し、企業と求職者との採用時における情報の非対称性の解消を進めています。2023年12月末には、累計登録ユーザー数が2022年12月末から約80万人増の約605万人、ワーキングデータである社員クチコミと評価スコアが2022年12月末から約210万件増の約1,620万件となり、コロナ禍で大きく変化した働き方や価値観が反映されたワーキングデータの蓄積が進んでいます。今後もオープンワークの強みであるワーキングデータを充実させ、求職者が、多様化する働き方や自分の働きがいにあった会社を見つけられるようサービスを運営していくことで、一層のシェア拡大を実現できると考えています。

 加えて企業が「OpenWork」上で採用活動を行える「OpenWorkリクルーティング」では、ユーザーの求職活動を促す仕組みと、企業の求人掲載を促す活動を通して、求職者と求人企業のマッチングの活性化を進めています。

 また、「OpenWorkリクルーティング」では社員クチコミだけでなく、企業からの情報発信も支援しています。求職者が、社員クチコミと企業からの情報により、企業のことをよく理解したうえで求職活動を行うことができる環境を提供し、求職者と企業のミスマッチの少ない健全な労働市場を作ることを目指しています。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①安定したユーザー集客とワーキングデータプラットフォームの成長

 オープンワークは2007年の創業以来長い時間をかけて社員クチコミサイトを運営してきた優位性と、質の高い多くの社員クチコミデータがサービス上に掲載されている特徴があり、検索サイトからの自然検索経由で順調にユーザー数と社員クチコミと評価スコアの件数を増加させてきました。今後もさらにワーキングデータを蓄積し、事業を拡大させ、新規事業の早期展開を図るためには、基盤となるユーザー数と社員クチコミと評価スコアの件数の安定的な増加を推進する必要があると考えています。

 自然検索に加え、Webマーケティング強化により安定的なユーザー流入を確保し、さらに転職・就職サービスとしての認知度向上のための広告宣伝等のプロモーション活動を強化することで、ワーキングデータプラットフォームの成長を図ってまいります。

 

②「OpenWorkリクルーティング」の価値向上

 成長過程にある「OpenWorkリクルーティング」の拡大は、今後のオープンワークの成長に不可欠です。そのためには、Web履歴書登録数、求人数、契約社数を増加させていく必要があると考えています。また、社員クチコミデータや企業情報などの蓄積データを解析し、求職者と求人企業のマッチングの最適化を推進させることも重要だと考えています。

 サービス上での求職活動を活性化させること、マッチングの最適化を進めること、入社後の求職者と企業のミスマッチの発生を抑制し、企業・求職者双方の満足度を向上させることで「OpenWorkリクルーティング」の価値を向上させてまいります。

 

③事業の多角化

 長期的な企業成長を維持するには、複数のサービスを発展・拡大させると共に早期の収益化を実現し、特定サービスに依存しない事業基盤を構築することが重要だと考えています。

 ワーキングデータプラットフォームをベースにした新規サービスを軌道に乗せ、事業の多角化を進めてまいります。

 

 

④情報管理体制の強化

 オープンワークの事業はユーザーが投稿した社員クチコミを基盤としており、多くのユーザーの個人情報を保持しています。

 個人情報の保護と適正管理はオープンワークにおける最も重要な課題の一つと認識しており、個人情報保護に関する社内規程の整備と運用、定期的な社内教育の実施やセキュリティシステムの構築を行っています。

 個人情報の保護と適正管理を更に強化するため、2021年1月に一般財団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマークを取得しました。今後も個人情報の保護と適正管理を最も重要な課題として捉え、「JIS Q 15001:2017 個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に基づく個人情報保護マネジメントシステムの運用を徹底してまいります。

 

⑤財務上の課題

 「OpenWork」については、安定的に営業収益を上げられており、財務基盤は安定していると考えています。また、「OpenWorkリクルーティング」については、2023年12月期の営業収益成長率が前期比103%となり、サービス別営業収益構成比率が63.9%となりました。今後も継続して成長するためには、「OpenWorkリクルーティング」の価値向上が必要であると考えています。今後も、「OpenWorkリクルーティング」などの新たな事業価値創出に必要な投資と財務基盤の安定性との適切なバランスを維持することを、財務上の課題として認識しています。このため、今後も事業計画と財務状況の継続的なモニタリングを徹底し、投資の意思決定を適切に行ってまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 オープンワークは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (2)オープンワーク事業内容及びサービスに係るリスク①サービス別営業収益構成比率の変化について」に記載のとおり、「OpenWorkリクルーティング」の収益拡大と、事業拡大のための採用費及び人件費、オープンワークの認知度向上及び収益拡大のためのマーケティング費用等「OpenWorkリクルーティング」の拡大に必要な投資を行いながらも、経営を効率化することで一定の利益率を保持することを重視しています。

 「OpenWorkリクルーティング」の収益拡大については、「OpenWorkリクルーティング」の営業収益を重要な経営指標と位置付けています。重要な指標は、「OpenWorkリクルーティング」において求職者が積極的に求職活動を行っている目安となるWeb履歴書登録数としています。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 オープンワークの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項についても、投資判断上重要であると考えられる事項は、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、開示しています。

 なお、文中の将来に関する事項は当事業年度末現在においてオープンワークが判断したものであり、将来において発生可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)外部要因に関するリスク

①ユーザー獲得数の動向について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:大)

 インターネットにおいては、ユーザーは検索エンジンを利用することが一般的であり、「OpenWork」においてもユーザー獲得は検索エンジンサイトからの自然検索流入が主たる経路になっています。

 検索エンジンサイトからオープンワークサービスへの流入は、検索結果の表示内容によって左右されますが、検索結果の表示に関する仕様は各検索エンジンの運営者によって異なります。

 オープンワークでも、検索エンジンの検索結果の表示内容が適切になるよう必要な対策を講じていますが、各検索エンジンの運営者側の仕様変更によるサイト訪問者数の減少や競合他社の認知度向上により、ユーザー獲得数の増加ペースに影響が発生した場合、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 また、オープンワークが事業を展開する人材サービス業界は多数の競合他社が存在し、競合他社の中には、資金力、価格競争力、認知度、顧客との関係性、人材の確保、営業力、マーケティング力、技術力等の点において、オープンワークより優位に立つ企業も存在します。

 加えて、ユーザーがサービスを切り替えることが容易で、新規参入障壁が低いという特徴があるため、競争は激しい状況にあります。

 「OpenWork」は、2007年12月より社員クチコミサイトを運営しており、2023年12月末時点で約605万人の登録ユーザーと約1,620万件の社員クチコミと評価スコアデータを有していますが、認知度が高く資金力のある総合人材サービス企業が大規模なプロモーションを展開した場合や、オープンワークより低い価格で同水準のサービスを提供した場合は、新規ユーザー、顧客の獲得効率の低下や、既存ユーザー、顧客の離脱を招く可能性があり、オープンワークの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②技術革新について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:中)

 インターネット業界は技術革新や顧客ニーズの変化のサイクルが極めて早いことから、オープンワークが競争力を維持するためには、急速な技術革新に適時に対応していく必要があります。オープンワークでもAIによるクチコミ審査機能の実装などの新規技術の開発を積極的に進めていますが、

・オープンワークが採用又は開発する新技術等が、想定した効果を発揮しない、使用可能となった時点では陳腐化、競争力低下等が生じる

・高度の専門性を有する技術者を確保又は育成できない、係る技術者の確保又は育成に多額の費用が発生する

・端末や業界標準技術の多様化及び進化に対応した改良が行えない、既存のシステム又は設備等の改良や新たな開発等により多額の費用が発生する

・新技術を適用したサービスに、想定していない障害、欠陥又は不備がある

・新技術をいち早く導入した企業や、新技術をより効果的に利用する企業との間で新たな競争が生じる

等のリスクが顕在化し、オープンワークが技術革新に適切かつ迅速に対応することが困難となる場合、オープンワークの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)オープンワーク事業内容及びサービスに係るリスク

①サービス別営業収益構成比率の変化について(発生可能性:小、時期:長期、影響度:小)

 2023年12月期におけるサービス別営業収益構成比率は、「OpenWork」が34.8%、「OpenWorkリクルーティング」が63.9%、「その他」が1.2%です。

 今後の経営戦略においては、「OpenWork」サービスの収益を安定的に維持しながら、より成長可能性が高い「OpenWorkリクルーティング」の収益拡大に注力するため、サービス別営業収益構成比率の変化が想定されます。

 オープンワークは、投資家の投資判断において重要であると考えられる事項については、財務情報だけでなく経営方針などの非財務情報もIR情報として積極的に開示していく方針ですが、過去の業績トレンドを活用してオープンワークの将来の業績を予想することは、その有用性が限定的となる可能性があります。

 なお、2022年12月期及び2023年12月期の営業収益は以下のとおりです。

 

(2022年12月期)

(単位:千円)

サービスの名称

第1四半期会計期間

(自2022年1月1日

至2022年3月31日)

第2四半期会計期間

(自2022年4月1日

至2022年6月30日)

第3四半期会計期間

(自2022年7月1日

至2022年9月30日)

第4四半期会計期間

(自2022年10月1日

至2022年12月31日)

OpenWork

272,676

293,144

280,414

255,706

OpenWorkリクルーティング

172,970

189,302

243,897

312,600

その他

1,350

1,844

4,831

8,348

合計

446,997

484,291

529,143

576,654

 

 

(2023年12月期)

(単位:千円)

サービスの名称

第1四半期会計期間

(自2023年1月1日

至2023年3月31日)

第2四半期会計期間

(自2023年4月1日

至2023年6月30日)

第3四半期会計期間

(自2023年7月1日

至2023年9月30日)

第4四半期会計期間

(自2023年10月1日

至2023年12月31日)

OpenWork

272,958

270,889

247,583

226,900

OpenWorkリクルーティング

396,013

491,302

494,490

485,807

その他

5,259

12,533

7,044

11,644

合計

674,231

774,726

749,118

724,352

 

 

②特定の取引先への依存について(発生可能性:小、時期:長期、影響度:小)

 「OpenWork」では、ユーザーを送客している特定の提携顧客(送客先サービスサイトの運営会社)との取引金額が高い割合を占めています。2023年12月期においては、株式会社リクルートとの取引金額がオープンワーク営業収益の9.26%を占めており、特定の取引先への依存度が高い状態にあります。特定の取引先への依存を解消するため、「OpenWorkリクルーティング」の事業規模の拡大を進めています。

 しかしながら、「OpenWorkリクルーティング」の収益拡大が達成できなかった場合、高い割合を占める特定の取引先との関係がオープンワークの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③「OpenWorkリクルーティング」の市場動向による業績推移について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:大)

 「OpenWorkリクルーティング」では、雇用環境の変化や求人企業の人員計画の変更により、大きく業績が変動する可能性があり、不確実性の高い市場環境において、将来の業績や市場環境の正確な予測及び有効な戦略の策定は困難な状態にあります。

 オープンワークでは、雇用環境や市場環境の変化に対応するため、「OpenWorkリクルーティング」の顧客企業・販路の拡大を進めていますが、予測とは異なる状況が発生した場合や各種施策の効果が想定を下回った場合、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④新規事業の開発について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:小)

 ワーキングデータプラットフォームの拡充を基軸とし、主力サービスである「OpenWorkリクルーティング」の成長の加速と、新規サービスの拡大を経営戦略の基本方針として、新規サービス、事業の拡大に取り組んでいます。

 これらを推進するための広告宣伝費、人件費などの先行投資は、回収可能性を検討したうえで実施していますが、安定的な事業基盤の構築と収益化にはある程度の期間を要することが見込まれるため、この期間においては、先行投資によって一時的に利益率が低下する可能性があります。

 事業基盤の構築と収益化までの期間が長期化した場合や、想定していた成果を上げることができず撤退コストが発生した場合には、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤「OpenWork」サイトにおける社員クチコミ投稿について(発生可能性:小、時期:長期、影響度:小)

 「OpenWork」サイトにおいて、ユーザーによって投稿された社員クチコミが、第三者の名誉、プライバシー、その他の権利の侵害行為や法律違反行為など、不適切な投稿が生じる可能性があります。

 社員クチコミはユーザーが自らの体験に基づいて会社に対する主観的な意見として投稿されたものです。オープンワークが掲載内容の正確性、最新性、有益性など、あらゆる点に関して内容を保証できるものではありません。

 オープンワークとしては、ユーザー向けの利用規約に第三者を誹謗中傷する内容の投稿を行うこと等を禁止行為として規定し、投稿時の画面に注意事項として明示のうえ、レポート回答ガイドラインに明示する等の対応を行うことで、ユーザーへの注意喚起に取り組んでいます。加えて、すべての投稿内容に対してAIを活用した機械審査と専任スタッフによる目視審査を行い、法令違反や誹謗中傷に該当する投稿を発見した場合は、速やかに当該投稿を非公開とする措置を取っています。

 しかしながら、ユーザーの投稿に起因するトラブルが生じた場合は、オープンワークが法的責任を問われる可能性がある他、サイトに対するレピュテーションが低下し、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥「OpenWorkリクルーティング」における採用決定報告に関する不正行為について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:小)

 「OpenWorkリクルーティング」は、ダイレクトリクルーティングサービスであり、オープンワークは選考活動に直接関与しないため、採用決定事実は利用企業からの報告によって把握していますが、採用決定の事実を報告せず採用決定時報酬の支払いを回避しようとする不正行為が発生する可能性があります。

 オープンワークは、利用企業に対する進捗確認の徹底や、利用規約に不正行為が発生した場合の違約金の設定、入社後アンケートを活用したユーザーからの入社報告の促進等の不正行為の発生を防止するための対策を講じていますが、悪質な利用企業の不正行為が発生した場合には、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)システムに関するリスク(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:中)

 オープンワークのサービスはインターネットを介して提供しているため、自然災害、事故等による通信ネットワークの障害、ハードウエアやソフトウエアの欠陥や事故によるシステム障害、第三者による不正アクセス等が生じる可能性があります。

 オープンワークは、定期的なバックアップや稼働状況の監視、システム開発・運用に関する各種規程、マニュアルの整備や不正アクセス対策を講じていますが、これらの対策を講じているにも関わらず、システム障害等が発生し、サービス提供に障害が生じた場合、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制に関するリスク

①オープンワークの事業及びサービスに関連する法的規制について(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:中)

 オープンワークの事業及びサービスに関連する法律として「個人情報の保護に関する法律」、「職業安定法」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」といいます)」、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等があります。

 オープンワークでは、これらの法律で要求される事項を遵守し、適法な事業及びサービス運営を行うため、顧問弁護士等とも連携のうえ、最新の法規則に関する情報の取得及びモニタリングを行い、その結果を「リスクマネジメント委員会」で検証し対応を実施する等の管理体制を構築しています。

 また、コンプライアンス研修等を通じて、社内のコンプライアンス意識向上を図ると共に、「内部監査規程」に基づき内部監査で法令遵守状況の監査も実施し、継続的な法令遵守体制の強化に努めています。

 しかしながら、今後新たな法令等が成立することで追加の規制を受ける可能性があります。また、今後の法律改正又は規制の動向によっては、オープンワークの事業活動に支障をきたすとともに、事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性がありますが、当事業年度末現在においてオープンワークの事業活動に支障を来す要因は発生していません。

 

 オープンワークの事業における許認可の状況は以下のとおりです。

取得年月

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2016年5月

有料職業紹介事業

厚生労働省

13-ユ-307725

2024年4月30日

利用者の均等待遇に反し、差別的な取り扱いを行った場合や労働条件の明示義務に違反した場合などが法令違反となる。

主な許認可取消事由としては禁固以上の刑に処せられること、健康保険法等の規定により罰金の刑に処せられること等が挙げられる。

 

②個人情報の取り扱いについて(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:中)

 オープンワークでは、「OpenWork」サービス会員の氏名や職務経歴書、応募情報等の個人情報を保持し、利用しているため「個人情報の保護に関する法律」に定められた個人情報の漏洩、改ざん等を防止するための措置を講じ、管理を徹底することを事業及びサービス運営上の重要課題の一つとして捉えています。

 適正な個人情報管理を実現するための「個人情報保護方針」を定め、「個人情報保護基本マニュアル」や「情報システム管理規程」、「秘密情報管理規程」等の社内規程及びマニュアルを整備すると共に、日本工業規格「JIS Q 15001:個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を認定するプライバシーマークを取得しており、高いレベルの個人情報保護マネジメントシステムを確立及び運用しています。

 また、社内の個人情報の取り扱いに関する研修を通じて、社内の個人情報管理意識の向上を図っています。

 しかしながら、不正アクセス等により個人情報が流出するなどの問題が発生した場合には、損害賠償請求や信用の低下等により、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③「OpenWorkリクルーティング」サービスについて(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:大)

 オープンワークが運営する「OpenWorkリクルーティング」サービスは、「職業安定法」が定める有料職業紹介事業に該当するため、厚生労働大臣の許可を受け事業を行っています。

 オープンワークでは、法律で要求される事項を遵守し、顧問弁護士等との連携や、最新の法規則に関する情報の取得及びモニタリング等を行うことで、有料職業紹介事業においても適法な事業及びサービス運営を行うための体制を構築し、体制の強化を図ってまいります。

 しかしながら、新たな法規制の制定や改正が行われ、又は既存法令等の解釈変更等がなされ、オープンワークの事業及びサービスが新たな法規制の対象となる場合、許可の追加取得が必要となる場合、又は許可の取消し、業務停止命令若しくは業務改善命令の対象となる場合等には、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④「OpenWork」サービスについて(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:小)

 オープンワークは「プロバイダ責任制限法」に定める「特定電気通信役務提供者」に該当し、オープンワークが企業又は個人から請求された発信者情報の開示請求に応じなかったことで、当該企業又は個人から損害賠償を請求される可能性があります。

 また、企業又は個人から「OpenWork」に投稿された社員クチコミ等により権利が侵害されたとして、オープンワークに対して損害賠償が請求される可能性があります。

 「(2)オープンワーク事業内容及びサービスに係るリスク⑤「OpenWork」サイトにおける社員クチコミ投稿について」に記載のとおり、オープンワークでは会員への注意喚起を行うと共に、すべての投稿内容に対して審査を行い、法令違反や誹謗中傷に該当する投稿を発見した場合は速やかに当該投稿を非公開とする措置を取り、トラブルの未然防止に努めています。

 しかしながら、仮処分や訴訟等でプロバイダ責任制限法に定める損害賠償責任の制限要件を満たしていないとされた場合には損害賠償義務が発生し、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤秘密情報の取り扱いについて(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:中)

 オープンワークは「電気通信事業法」に定める「電気通信事業者」に該当するため、同法で定められた「検閲の禁止」、「秘密の保護」、「利用の公平」の義務が課せられており、総務省に対して同法に基づく届出を行っています。

 オープンワークでは、前述のとおり法律で要求される事項を遵守し、顧問弁護士等との連携や、最新の法規則に関する情報の取得及びモニタリング等を行うことに加え、「情報システム管理規程」、「秘密情報管理規程」等の社内規程及びマニュアルを整備し、社内研修を実施することで社内の秘密情報管理意識の向上を図り、電気通信事業法においても適法な事業及びサービス運営を行うための体制を構築しています。

 しかしながら、新たな法規制の制定や改正が行われ、又は既存法令等の解釈変更等がなされ、オープンワークの事業及びサービスが新たな法規制の対象となる場合、許可の追加取得が必要となる場合、又は業務停止命令若しくは業務改善命令の対象となる場合等には、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥不正アクセスについて(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:中)

 オープンワークは「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」に定める「アクセス管理者」に該当するため、「識別符号等の適正な管理」、「アクセス制御機能の検証」、「不正アクセス行為から防御するための措置を講じること」等の努力が課せられています。

 オープンワークでは、「情報システム管理規程」、「秘密情報管理規程」等の社内規程及びマニュアルを制定し、外部からの不正アクセスを防止するためのファイアウォールやセキュリティソフトの導入等といった対策をとっており、また定期的なバックアップや稼働状況の監視を行うことで、不正アクセスの事前防止又は回避に努めています。

 しかしながら、こうした対応にもかかわらず、不正アクセスが発生し、サービス提供に障害が生じた場合や復旧遅延が生じた場合、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦日本国外の法規制について(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:小)

 オープンワークが行う「FIS」サービスは国内外のヘッジファンド等向けのサービスであり、EU諸国にて施行された「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:以下「GDPR」といいます)」など、取引先の国で適用される法律により規制が行われる可能性があります。

 日本国外の顧客との契約においては、準拠法を日本法にするなど顧問弁護士と連携のうえ契約書を作成し、契約交渉も顧問弁護士関与のもと、慎重な対応を行っています。

 しかしながら、取引先の国の法制度が変わり、「FIS」を含めた事業の展開に支障をきたした場合にはオープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)訴訟等によるリスク(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:小)

 オープンワークは当事業年度末現在において、重大な訴訟を提起されている事実はなく、前述の法令遵守体制を構築するとともに、サービスの適正な運営や情報管理に努めています。

 しかしながら、オープンワーク並びに役職員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、その他第三者との予期せぬトラブル、訴訟等が発生する可能性があり、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起された場合、オープンワークの社会的信用が毀損され、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)知的財産権に関するリスク(発生可能性:小、時期:特定時期無し、影響度:小)

 オープンワークは当事業年度末現在において、他社の知的財産権を侵害している事実は認識しておりません。しかしながら、オープンワークの認識していない知的財産権がすでに成立していることにより、オープンワークの事業運営が制約を受ける場合や第三者の知的財産権侵害が発覚した場合などにおいては、信用失墜や損害賠償請求等が発生し、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)広告宣伝活動に関するリスク(発生可能性:中、時期:中期、影響度:中)

 オープンワーク及びオープンワークサービスの認知度向上及び集客力強化を今後の事業拡大における重要課題の一つとして捉え、インターネット広告やテレビCMの出稿をはじめとした広告宣伝活動を実施しています。

 出稿媒体や実施タイミング及びその内容について費用対効果を検討したうえで、広告宣伝活動を行っていますが、広告宣伝効果が十分に得られない場合、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)組織運営に関するリスク(発生可能性:中、時期:中期、影響度:小)

 オープンワークが競争上の優位性を確保し、事業環境の変化へ対応し継続的に成長していくためには、優秀な人材の確保、育成が重要課題の一つであると考えています。

 優秀な人材を確保し育成するため、採用予算の確保や各種研修の充実等の対応を実施していますが、採用活動が想定どおりに進捗せず人材を十分に確保、育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)親会社に関するリスク

①オープンワーク株式の流動性について(発生可能性:小、時期:長期、影響度:中)

 オープンワークの株主構成は株式会社リンクアンドモチベーション、オープンワーク役員及び元役員等であり、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は2023年12月31日現在において33.4%にとどまっています。

 今後は、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により流動性が低下する場合には、オープンワーク株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりオープンワーク株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②親会社が株主総会の決議事項に関する支配権又は重大な影響力を有することについて(発生可能性:小、時期:長期、影響度:中)

 2023年12月31日現在において、オープンワーク発行済株式総数のうち51.44%は株式会社リンクアンドモチベーションが保有しており、同社は当事業年度末現在において東京証券取引所に上場しています。現時点では、今後も引き続きオープンワークの株式の過半数を所有する方針であると聴取しています。その結果、オープンワーク取締役の選任・解任、合併その他組織再編の承認、重要な事業の譲渡、オープンワーク定款の変更及び剰余金の配当等の基本的事項決定権又は拒否権に関して、他株主の意向にかかわらず同社が影響を与える可能性があります。なお、オープンワークが同社に対し事前承認を必要とする事項はなく、オープンワークは独自に経営の意思決定を行っています。

 

③役員の兼任について(発生可能性:小、時期:長期、影響度:小)

 オープンワークの役員(取締役4名、監査役3名)のうち、監査役大野俊一は株式会社リンクアンドモチベーション及びその複数子会社の取締役を兼任しています。兼任状況は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(2)役員の状況」に記載のとおりです。これは、オープンワークの主力サービスである「OpenWork」「OpenWorkリクルーティング」は、人材ビジネスであり、長年人材ビジネスを営んできた株式会社リンクアンドモチベーション等における経営に係る知見をオープンワークの経営体制強化に活かすことを目的としていることによります。

 

④親会社グループとの取引関係について(発生可能性:中、時期:中期、影響度:小)

 2023年12月期におけるオープンワークと親会社グループとの主要な取引は以下のとおりです。

 

取引先

取引内容

取引金額(千円)

取引条件等の決定方法

株式会社リンクアンドモチベーション

システムの利用

1,800

他の取引先に設定している条件と同条件であり、特に有利な条件は設定されていません。

OpenWorkリクルーティングの販売

2,000

株式会社リンクエージェント(現:株式会社リンク・アイ)

OpenWorkリクルーティングの販売

4,717

他の取引先に設定している条件と同条件であり、特に有利な条件は設定していません。

出向社員の給与

4,253

出向契約に基づき全額オープンワーク負担としています。

株式会社リンク・アイ

OpenWorkリクルーティングの販売

1,020

他の取引先に設定している条件と同条件であり、特に有利な条件は設定していません。

人材の紹介

2,500

株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズ

業務の委託

1,600

他の取引先に設定している条件と同条件であり、特に有利な条件は設定されていません。

株式会社リンク・インタラック

OpenWorkリクルーティングの販売

400

他の取引先に設定している条件と同条件であり、特に有利な条件は設定されていません。

 オープンワークの独立性の観点を踏まえ、親会社グループ会社との取引については、当該取引の経済合理性について社内規程に定められた承認を得ることとし、取引の健全性及び適正性を確保する体制を構築しています。

⑤人材ビジネスにおけるグループ会社内の関係について(発生可能性:小、時期:長期、影響度:小)

 親会社グループでは、「組織と個人に変革の機会を提供し意味のあふれる社会を実現する」ことをミッションに掲げ、3つのセグメントにて事業を展開しており、オープンワークはその中で成長セグメントであるマッチングディビジョンに属しています。マッチングディビジョンでは、求人ニーズのある組織とキャリアアップをしたい個人のマッチングを目的とした人材サービスを展開しています。オープンワークはマッチングディビジョンの2023年12月期の売上収益の15%以上を占めています。

 オープンワークと同じくマッチングディビジョンに所属する株式会社リンク・アイ、株式会社リンク・インタラックとオープンワークは、人材ビジネスという広義のビジネス領域では共通しますが、それぞれ異なる事業を展開しています。

 

社名

事業内容

競合関係が生じない又は軽微である理由

株式会社リンクエージェント(現:株式会社リンク・アイ)

人材紹介事業

企業の要望に沿った求職者のあっせんや、求職者に対するキャリアアドバイスまで行う人材紹介事業者であり、ダイレクトリクルーティングサービスを展開するオープンワークとはビジネスモデルが異なります。

株式会社リンク・アイ

新卒採用を主とした人材紹介事業

企業の要望に沿った求職者のあっせんや、求職者に対するキャリアアドバイスまで行う人材紹介事業者であり、ダイレクトリクルーティングサービスを展開するオープンワークとはビジネスモデルが異なります。

また、特定分野に特化した人材紹介事業者である点もオープンワークビジネスとの相違点であり、重大な競合関係は生じていません。

株式会社リンクジャパンキャリア(現:株式会社リンク・インタラック)

外国籍人材の中途採用を主とした人材紹介事業

同上

 上記のとおり、マッチングディビジョンに属する親会社グループ会社とは重大な競合関係は生じていませんが、今後、オープンワークが経営方針及び事業内容を変更した場合、又はグループ会社が経営方針及び事業内容を変更した場合には、将来的に競合する可能性があり、オープンワークの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)その他

①新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:大、時期:短期、影響度:小)

 オープンワークでは、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権を付与しています。これらの新株予約権が権利行使された場合、オープンワーク株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。2023年12月31日現在における新株予約権による潜在株式数は440,560株であり、発行済株式総数の2.1%に相当しています。

 

②配当政策について(発生可能性:小、時期:長期、影響度:小)

 オープンワークは、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めています。これは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものです。

 オープンワークは、財務基盤の強化と成長過程にある事業の持続的な拡充を目指していくために、内部留保資金の充実と事業推進に必要な投資活動を積極的に行っていくことが重要と考えています。

 利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のため必要な内部留保を確保しつつ、経営成績に応じた株主への利益還元を継続して実施していくことを基本方針としています。

 現時点では、財務体質の強化及び事業拡大のための内部留保の充実を図り、事業拡大のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えており、今後の経営成績及び財政状態を鑑みつつ、事業・投資計画、事業環境等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりつつ配当について検討していく方針です。このことから、当面の間、財務体質の強化及び事業拡大のための財源として利用していく予定です。

 将来的には、経営成績・財政状態を勘案しながら、配当による株主への利益還元を行うことを検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定です。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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