日本オーエー研究所(5241)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】(1) 開発システムの特徴日本オーエー研究所は、独立系(資本依存、ベンダー依存がない)システム開発会社として、創業以来、官公庁に向けシステム開発を行う「公共系事業」を展開してまいりました。2007年より、銀行、生命保険会社、証券会社に向けシステム開発を行う「金融・法人系事業」を新たに開始し、現在はこの2事業が日本オーエー研究所の主力事業となっております。「公共系事業」、「金融・法人系事業」のいずれにおいても、国家機構や社会インフラを支える重要システムであることから、安定したシステム稼働が必須であり、システム開発後も継続的な保守、サポート及びシステム改修、アップデートが必要となります。また、ITシステムとしても個々に固有なシステムであることから、その開発はスクラッチ開発が基本となります。そのため、1プロジェクト案件ごとに、開発だけでなく、その後の保守やアップデートも含めて、長期の継続的な案件となることが日本オーエー研究所事業の特徴の1つとして挙げられます。 (2) システム受注の特徴日本オーエー研究所の主たる事業である「公共系事業」、「金融・法人系事業」の案件受注は、日本オーエー研究所が直接クライアントより受注するのではなく、発注者である官公庁や金融機関から、資本力や実績を有するメーカーやシステムインテグレーターに発注されます。メーカーやシステムインテグレーターが案件を受注するにあたっては、単体(1社)で受注するケースはほとんどなく、システム開発や運用、保守、サポートを行う複数のパートナー企業と共同で提案内容を構築し、受注している状況です。日本オーエー研究所などのパートナー企業は、メーカーやシステムインテグレーターが官公庁や金融機関より案件を一括受注後、担当領域について個別発注する形となります。 官公庁、金融機関からの発注は、基本的には入札制度に基づき決定されております。入札にあたって提案内容のうち、参画するパートナー企業(履行体制)も評価の対象となることから、パートナー企業においても過去の開発実績や信用力が重要となります。また、メーカーやシステムインテグレーターに選ばれる技術力を有していることが必須となります。日本オーエー研究所は、創業以来、40年近くの官公庁システムの開発実績を有しており、日本オーエー研究所自らが官公庁の入札に直接に参加するための入札資格を有していることから、システムインテグレーターやメーカーからも実績等含め厚い信頼(※)を得ております。加えて、首都圏に取引実績のある78社(2025年12月期実績:39社)を持ち、日本オーエー研究所では対応できない特殊案件、スポット開発など短期の契約への対応を図っております。案件選定については、システムインテグレーター各社によって、プロジェクトのマネジメント手法が多岐にわたり、またその中でも事業部門別によっても特徴があります。そのため、不採算案件になるリスクが高い業態でもあります。しかしながら日本オーエー研究所では、案件選定の段階からシステムインテグレーターから要求されるQCD(品質・コスト・納期)と日本オーエー研究所の強みやエンジニアの強みを総合的に判断し選定しているため、不採算案件に繋がるリスクを低減することが出来ております。 ※日本オーエー研究所は、2025年に株式会社NTTデータのビジネスパートナーに認定されております。また、株式会社NSD及び株式会社CIJのコアパートナーに認定されております。 (3) 「公共系事業」の特徴「公共系事業」の特徴といたしましては、日本オーエー研究所が創業当時より注力している分野であり、大きく分けて「システム開発業務」と「官公庁業務」の2つの業務があります。「システム開発業務」では、官公庁、自治体、教育分野におけるシステムの開発をシステムインテグレーターと共に行っており、官公庁向け基幹業務の大規模なシステム更改を着実に受注し、システムのライフサイクル全般にわたり、継続的に事業を展開することを事業の柱としております。主なシステムの関与実績は以下のとおりです。① 国税電子申告・納税システム(e-Tax)国税庁が運営する、国税に係る申告・申請・納税に係るオンラインサービスで、所得税、消費税、贈与税、印紙税、酒税などの申告や法定調書の提出、届出や申請などの各種手続を、インターネットを通じて行うことができるものです。また、税金の納付も、ダイレクト納付やインターネットバンキング、ペイジー(Pay-easy)対応のATMを利用して行うことができます。e-Taxを利用することで、自宅や事務所などから申告や納税などの手続を行うことが可能です。また、e-Taxに対応した税務・会計ソフトを利用すれば、会計処理や申告などのデータ作成から提出までの一連の作業を電子的に行うことができ、事務の省力化やペーパーレス化につながります。 (e-Tax連携イメージ) ② 輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)NACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)は、入出港する船舶・航空機及び輸出入される貨物について、税関その他の関係行政機関に対する手続及び関連する民間業務をオンラインで処理するシステムであります。システムでは、船舶・航空機の入港、輸入貨物の到着から国内引取するまで、輸出貨物の運送引受けから船舶・航空機搭載までの一連の税関手続及び関連民間業務を一元的に処理しております。 ③ 社会保険関連システム厚生労働省及び日本年金機構では、「提供するサービスの質の向上」、「業務運営の効率化」、「業務運営における公正性の確保」を基本理念として、公的年金に係る業務・システムの抜本的な見直しによる最適化の取り組みを進めており、日本オーエー研究所では、この取り組みにおいて、株式会社NTTデータのパートナー企業として、当該システム構築に関与しております。公的年金業務として、国民年金及び厚生年金保険等の被保険者の適用、各種保険料の徴収、年金給付等の各種給付及びこれに関する相談対応を行っており、この業務に使用する社会保険オンラインシステムとして、記録管理システム、基礎年金番号管理システム、年金給付システムが存在します。今回の取り組みでは、年金記録問題や社会保障・税番号制度などを踏まえながら、3つのシステムのうち、記録管理システム及び基礎年金番号管理システムを刷新し「年金業務システム」として再構築を図っております。 出典:日本年金機構HP 業務・システムの刷新の概要より「システム刷新イメージ」 ④ 航空交通管制情報処理システム航空交通管制情報処理システムは、航空機の安全運航及び定時運航を図り、かつ管制業務等の円滑な実施を支援するためのシステムであり、各空港・航空交通管制部に設置されているもので、日本オーエー研究所では、空路設計システム、航空交通管理システムに携わるほか、シミュレータ開発などにも関与しております。 (航空交通管理業務)ア)飛行計画経路の管理 秩序ある交通流を形成するための飛行計画経路を設定し、混雑や悪天を回避するための経路変更等の調整を実施。イ)管制承認の発出 管制区管制所の空域(セクター)や空港の管制能力(管制処理容量)と交通量を監視して、航空機の計器と管制の指示を頼りに飛行すること(IFR)の承認(管制承認)を管制機関を経由して発出する。ウ)交通流制御の実施 管制処理容量を超える交通量が予測される場合には、次の方法により交通流制御を実施し、空港や空域に航空機が集中しすぎないように、最大かつ適正な飛行機の流れ(交通流)を維持する。ⅰ.出発予定の航空機に対し適切な出発時刻(出発制御時刻/EDCT)、出発間隔等を指定する。ⅱ.飛行中の航空機について、混雑空域へ入域させる間隔や時期等の管制上の取扱を指定する。 出典:国土交通省ホームページ 航空交通流管理(https://www.mlit.go.jp/koku/content/001358783.pdf)より その他、下表表-1のシステムの関与実績を有しております。表-1システム事例税制関連電子申告納税システム税務、財務会計、レガシーマイグレーション貿易関連物流情報処理システム通関業務、ODA(ベトナム、ミャンマー)、開発自動化対応、オフショアコントロールレセプト電算システム請求支払業務従量課金制物流パッケージ国際物流パッケージ開発政府共通プラットフォーム環境設計・構築、運用・保守作業航空機交通運行関連システム空路設計、航空交通管理、シミュレータ開発教育政策関連就学支援システム奨学金事務処理業務開発、マイナンバー対応有価証券報告書電子開示システム有価証券、XBRLタクソノミ特許庁基幹システム審査業務、N/W運用図書館システムデジタルアーカイブ、パッケージ、運用貿易情報連携基盤システムビジネス運用やルール検討、クラウド基盤維持管理ツール、外部インタフェース構築、実証実験指揮管制支援システム情勢把握支援、ブリーフィング支援、レガシーマイグレーション 「官公庁業務」では、一般競争落札に付された業務に対し積極的に取り組み、官公庁業務のスペシャリストによるサービスを提供しております。具体的な実績といたしましては、2010年より国土交通省航空局の事業である、「航空管制官訓練教官派遣業務」を受託し、羽田、成田、仙台、新潟、函館の各空港、航空保安大学校等数多くの拠点に教官派遣事業を行っておりました。また、2013年カナダのモントリオールで開催された第38回ICAO総会に関して、国土交通省航空局より開催支援業務を受託した実績もあります。 (4) 「金融・法人系事業」の特徴「金融・法人系事業」の特徴といたしましては、金融系のシステム開発に必要な深い業務知識・理解をもつ経験豊富な技術者が主に業務を担当しており、メガバンク、地銀、信託などの銀行業務、生命保険、損害保険などの保険業務、証券会社の基幹システム及び周辺システムの開発を行っております。Fintech分野における個人財務管理システムの開発実績を保有し、時代変化に合わせた市場深耕を実施しております。代表的な開発事例といたしましては、下表表-2の実績を有しております。また、国内地域開発にも対応しており、国内地域の協力会社のコントロール等を実施しております。① 銀行勘定系システムでは、流動性預金、固定性預金、内国・外国為替など銀行業務の基幹となる機能についての開発実績があります。情報系システムでは、データウェアハウス、データマート、与信審査、顧客管理、収益管理、不動産、リテール分析についての開発実績があります。その他、合併対応、外接系では全銀システム・日銀ネット、SWIFTなど、店頭取引デリバティブの分析・評価、インターネットバンキング、営業店端末などチャネル系システム等の実績もあります。メガバンクをはじめとした業態変更に合わせ、オムニチャネルやバックオフィス系業務のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)についての開発及び導入支援を実施しております。また、昨今では、マネーロンダリングといった銀行の不正利用を防ぐためのシステムや、インターネットバンキングにおいて、SoE(System of Engagement)とSoR(System of Records)とを組み合わせて成り立つSoI(System of Insight)の概念の元、利用者の取引状況に合わせたキャンペーン告知を行う仕組みの構築など、時代の潮流に合わせた開発を行っています。 ② クレジットカード会社 世界的にキャッシュレス化が進む中、キャッシュレス化は世界の潮流であります。経済産業省が提唱するキャッシュレスビジョンなどの政策的な後押しもあり、今後より一層拡大していく流れであります。一次元バーコード、QRコード含めた複数のコード決済事業者との共同接続サービスなど決済業務のペイメントサービス、BCP(ビジネス・コンティニュイティ・プラン)、営業支援、関連請求、与信管理、顧客管理システム、カードブランドの統合等の開発実績があります。 ③ 生命/損害保険会社 生命保険各社向けには新契約管理・保全、収納・請求、代理店管理、成績/業績管理、データウェアハウス・分析などのシステムや営業職員向けの顧客管理、営業支援、設計書・申込書作成などのシステム、定額年金・変額年金、保険数理(保険料計算・責任準備金)についての実績を有しております。損害保険各社向けには契約管理、請求、満期管理など、また、保険商品や業務解析力を活かした損害調査についての開発実績があります。 ④ 証券会社証券会社のフロントシステムにおける顧客情報やファンド情報等各種照会、コンプライアンス関連、口座開設、注文約定管理、銘柄管理などの営業店販売支援などの開発実績を保有しております。バックオフィスシステムにおいては、各種属性管理、残高管理、注文や約定計算、決算処理、帳票管理などの開発実績を保有しております。外部接続系では証券保管振替機構や日本銀行との照合や決済機能、また、デリバティブ取引におけるリスク管理や外国為替証拠金取引におけるレート生成、カバーロジックなどついても開発支援を行っております。証券業務に長けたエンジニアが豊富な経験とノウハウを駆使し、お客様のニーズに的確にお応えしております。 表-2システム事例銀行(メガバンク、信託銀行など)システム 勘定系システム、情報系システム、合併統合開発、Webフロント系業務、RPAなどクレジットカード会社(銀行系、信販系、流通系など)システム基幹系システム、情報系システム、合併統合開発、ペイメント系業務など生命/損害保険会社システム基幹系システム、情報系システム、合併統合開発、Webフロント系業務など証券会社システム基幹系システム、情報系システム、外部接続系業務など 以上の説明を事業系統図によって示すと次のようになります。 (5) エンジニアの特徴日本オーエー研究所のエンジニアの特徴として、永年IT開発の現場に携わってきた熟練エンジニアと、高いポテンシャルを持つ若手のエンジニアの両方が多く在籍していることが挙げられます。熟練エンジニアは、ITに関する専門的な知識だけでなく、公共系、金融系のシステム開発に必要な深い業務知識も有しており、専門領域において豊富な実績を積み重ねています。彼らはOJTを通じて、若い世代に技術や業務知識を継承しております。若手エンジニアは、熟練エンジニアから従来の技術や業務知識を継承しながら、ポテンシャルを十分に活かし、クラウドやDX、生成AIなど、新しい技術領域の関連知識についても積極的にキャッチアップをしています。熟練エンジニアの持つ経験知と若手エンジニアの持つ新技術を互いに掛け合わせることで、時代の潮流の変化に対応可能なエンジニアが多数在籍していることが特徴です。また、生産性向上、品質向上を実現しております。顧客提唱の開発用特殊ツールセットを使用できる人員を増やす社内施策を実施するほか、若手エンジニアと熟練エンジニアでの相互補完体制でコストを抑え、生産性向上を実現し、さらに熟練エンジニアが経験に基づいたPDCAサイクルを回していくことで、顧客満足度の向上と品質向上を図っております。 ① 人事評価制度について日本オーエー研究所ではエンジニアの成長を支援し、長く活躍してもらうべく、採用・配置、能力開発、評価、報酬が連動した人事制度の充実に力を入れております。評価では、年に複数回上長との面談を行い常に会社や部門と社員ひとりひとりの目指すベクトルをあわせ「やる気」を高めております。報酬は、職能等級をベースに自己研鑽には資格報奨制度、プロジェクト業績には優秀システム褒賞制度などを設け多角的な観点で決定しております。 ② 人材育成について能力開発では、高いビジネスマインドを基本にヒューマンスキルと、テクニカルスキルを兼ね備えた人材の育成を目指しております。社員ひとりひとりに長期的なキャリアプランを作成し、「最終目標のために何が必要か」という発想で、段階的なスキルアップを養成し、理想的なキャリアパス形成を支援しております。具体的には、階層別教育の一環として、全社員を対象に外部研修を実施し、必要に応じ目的別教育や選抜教育を積極的に実施しております。新卒採用においては、入社前のトレーニングとして、入社後の実践的な集合研修の前に、コンピュータの基礎、プログラミングの基礎、データベース、ネットワーク等のIT技術者としての基礎的な知識をe-ラーニングにより行っております。入社後は、3ヶ月間新入社員研修として、開発に多く用いられるJavaのフレームワークを利用した実践的な開発トレーニングを行っております。同時に、社会人としてのマナー研修や、挨拶、名刺交換等の基本動作研修も行います。中途未経験者採用においては、採用時に独自方法で能力を数値化することにより採用ミスマッチを防いでおります。また、3ヶ月間の入社後研修においても、プログラミングだけでなく開発工程全般の基礎知識を教育しています。また、理解度についても独自方法で数値化し、現場配属後にも負担とならないレベルに引き上げる工夫を施しています。加えて、ユニークな「資格報奨制度」として、資格認定取得者への受験費用負担、手当支給制度を設けております。手当支給については、恒久的ではなく、給付期間を設けることで、エンジニアが資格を取得したことに満足せず、より上位の資格を目指すよう促すものとなっております。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】日本オーエー研究所の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において日本オーエー研究所が判断したものであります。 (1) 経営方針日本オーエー研究所は、「高度な信頼性を求められる国内外の社会基盤(パブリック&フィナンシャル)サービスの領域において、専門性の高いIT技能集団による最新テクノロジーがお客様に新たな価値を提供し、未来を創造していく」を経営理念として掲げ、社会に貢献して参ります。また、政府が推進する世界最先端の「デジタル国家」創造により、IT関連予算は1兆円超の規模で推移しており、デジタル社会形成に向けた法整備も進展しています。IT業界はデジタルトランスフォーメーションによる変革期にある一方、従来のシステムインテグレーション事業も安定した需要が見込まれます。日本オーエー研究所は新領域への挑戦と既存事業の強化により、持続的な成長を実現して参ります。今後3年間の経営ビジョン① 公共分野におけるシステム開発事業での安定的成長② 金融分野における市場動向に合わせた提案型営業の推進③ 法人分野における事業領域拡大とプライムコンダクター化の推進による事業基盤強化 さらに、上記経営ビジョンのもと、以下の経営方針を推進して参ります。①「公共システム開発事業」の展開a.開発人材の流動化を推進し、事業領域の拡大を行うことにより安定経営を実現します。b.大手システムインテグレーターとの連携を強化することにより新規開発領域の開拓を行います。c.重点監視案件の管理体制を構築し、客観的指標により進捗と品質を管理し、収益最適化を図ります。②「金融・法人系システム開発事業」の拡大a.金融分野で依然として需要のあるレガシー・モダナイゼーション領域での提案営業を展開します。b.パートナー企業との連携強化により、通信系事業者のDX支援領域を開拓します。c.顧客満足度向上を通じた継続的な取引先拡大を目指します。 (2) 経営環境日本オーエー研究所の主たる事業は、創業以来、官公庁に向けシステム開発を行う「公共系事業」及び銀行、保険会社、証券会社に向けシステム開発を行う「金融・法人系事業」であります。業務形態としては、大手システムインテグレーターなどから発注される受託ソフトウェア開発業となります。そのため、「システムインテグレーション(SI)業」の市場動向と、「公共系システム」「金融系システム」「法人系システム」の投資動向に注視しながら、事業を展開しております。経済産業省が発表した「特定サービス産業動態統計調査」によれば、情報サービス業の2024年度の売上高は17兆9,202億円の前年度比5.5%増、システムインテグレーション(SI)業の売上高は7兆3,162億円の前年度比9.5%増となっております。いずれも直近においては、2018年度以降、情報サービス業、システムインテグレーション業のいずれにおいても、一段と市場規模が拡大し、維持しております。 出典:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/)に基づく 一方、公共系のシステムのIT投資動向をみると、公共システムに関するシステム投資は、2025年度の国の予算編成では、デジタル庁の概算要求が初めて6,000億円を超えるなど、4年連続で1兆円を超える規模で推移しております。特に昨今のサイバー攻撃の激化により、サイバーセキュリティへの需要が高まっており、ITへの投資が加速しています。2017年以降、政府が世界最先端の「デジタル国家」の創造を推進し、2021年には、「デジタル社会形成基本法」が施行され、2023年には、「デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律」も施行されております。これらの法律の中で、国の経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現に寄与するため、デジタル社会の形成に関しての基本理念や方針が定められています。また、政府は、2023年6月9日に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を閣議決定しました。この計画の中で、デジタル社会で目指す6つの姿が示されています。 (出典)デジタル庁 2023年6月9日 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/5ecac8cc-50f1-4168-b989-2bcaabffe870/c0444537/20230609_policies_priority_outline_22.pdf) また、同計画において、重点的な取り組みとして、10項目を挙げています。 (出典)デジタル庁 2023年6月9日 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/5ecac8cc-50f1-4168-b989-2bcaabffe870/c0444537/20230609_policies_priority_outline_22.pdf) デジタル庁が示す本計画において、マイナンバーの普及により便利な生活をもたらすことや、地域の活性化などが示されています。日本オーエー研究所の業務においては、すでにマイナンバーと連携している公共系システムの開発に携わっており、また、地方自治体のシステム構築も手掛けていることから、十分なノウハウを備えていると言え、今後も公共系分野での安定した業績が推移していくものと考えられます。 次に、金融システムに関するシステム投資は、IT専門調査会社IDC Japan株式会社が2025年1月に発表した、国内金融IT市場の2025年~2026年の市場予測によると、2025年の国内金融IT市場では、2024年からのメガバンク、地方銀行、損害保険、大手証券会社などで業務系システム刷新や、大手金融機関を中心にデジタルビジネス推進、データ基盤構築/統合を目的としたIT支出が拡大していることから、2025年においても国内金融IT市場の各業態でプラス成長を予測しています。一方、IDCは、既存システム関連の案件が終息した後は、新たな成長戦略に向けたデジタル化、生成AI導入プロジェクトが始まるとしております。2025年12月時点において、生成AI時代においてもシステム構築には一定の技術力が求められること、2025年4月に発覚したスタートアップ企業の粉飾決算により、スタートアップ企業におけるガバナンスの弱さが露呈したことから、生成AI時代においても、旧来からの技術を保持しつつガバナンスの整備された上場企業に追い風が吹いている状況です。また日本オーエー研究所においては、大手システムインテグレーターにおける技術的な実証実験を通して、AIへの対応力を備えた体制を構築しているため、十分に需要を満たすことが可能と考えます。 このように、大手金融機関などを中心に激変する経営環境の中で生き残りを図るためのDXの取り組みが継続しており、公共システム投資と同様に引き続き堅調に推移していくと予想されます。 (出典)IDC Japan株式会社 2025年1月16日「国内金融IT市場最新予測を発表 ~2025年はモダナイゼーションが市場を牽引。なお、モダナイゼーション後の市場変化に注意を~」より引用 最後に、一般法人のIT投資においては、国の政策方針やIT業界の変革の流れを受け、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連での投資が顕著であります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表している「DX白書2025」において、2024年時点では、国内企業の77.8%が何かしらの形でDXに取り組んでいるという統計結果が示されており、もはや一過性のブームではなく、DXは企業活動の根幹を担う存在になりつつあります。 (出典)独立行政法人情報処理推進機構 2025年6月「DX白書2025」より 一方で、DXを通じて「成果が出ている」と捉えている企業は、未だに57.8%程度にとどまり、約半数の企業においては、DXにおける成果が出せていない状況にあります。また、中小企業におけるDXの取組状況は、あまり芳しい状況とは言えず、従業員規模が100人以下の企業においては約48%、300人以下の企業においても15.2%の中小企業では、DXに取り組めていないという調査結果も上っています。つまり、一般法人におけるDXにおいて、推進しているが結果に結びついていない大企業や、未だ、DXに取り組めていない中小企業に対し、顧客の課題感をヒアリングしながら市場を戦略的に深耕し、日本オーエー研究所が公共系事業を通じて培ってきたコンサルティング型のシステム開発により、顧客と一体感を醸成しながら課題解決を目指して参ります。 (3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標日本オーエー研究所は持続的な成長を遂げるためには、ITエンジニアの量と質が重要であると認識しております。そのため、エンジニア数(量)と資格取得者数(質)をKPI(重要業績評価指標)と定めております。① エンジニア数日本オーエー研究所の全従業員数から、スタッフ(人事、総務、経理など)の数を差し引いて算出された人数を「エンジニア数」と定義いたします。② 資格取得者数日本オーエー研究所が資格手当の支給対象として定めている国家資格・ベンダー系資格の保有者と、日本オーエー研究所重点施策の関連資格を集計した数を示します。一定期間を経過し、資格手当の受給対象から外れている社員についても、資格を保有していると判断し、集計数に含むものといたします。また、数値は「延べ人数」となります。 2025年度実績値2026年度目標値2027年度目標値2028年度目標値エンジニア数(人)221235249268資格取得者数(人)242262292332 (注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題国内IT市場は、生成AI、クラウド及びデータ分析を軸に持続的な成長を遂げており、また、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は実証段階から本格導入へ移行し、基幹業務へのAI組み込みや業務自動化、データ利活用サービスの需要が拡大しており、より生産性の高い新たな事業モデルへシフトしていくことが急務となっております。しかしながら、既存システムの問題を解決し、時に業務自体の見直しも求められる中、いかにこれを実行するかが課題となって参ります。既存システムの維持・保守業務から、最先端のデジタル技術分野に資金をシフトさせ、デジタル技術を担う人材の確保をして参ります。また、ユーザーにおける開発サポートにおいては、プロフィットシェアできるパートナーの関係に安定的な事業収益を確保し、真に情報サービス産業の一翼を担うことができる企業規模及び収益性を具備する体制を構築することが最優先課題であると認識しており、以下の課題に対処して参ります。① 営業力の強化受託型での受注と共に、AI、アジャイル、マイクロサービス等の最先端技術を駆使したクラウドベースのアプリケーション提供型ビジネスにも適応することにより、事業規模の拡大を可能とするハイブリッドな受注体制を構築して参ります。営業機能を戦略的、人材的に充実させ、「知見を生かしたコンサルティング」と「クラウド環境とソリューション製品、Web-APIなどのインフラ構築」を通じてワンストップサービスの提供により「既存顧客の深耕」と「エンドユーザーの新規提案営業」を実施し、安定的な受注規模を確保しつつ業容の拡大と生産性の向上を図って参ります。 ② 優秀人材の確保と育成ビジネス・エコシステムの変化に対し、スピード感を持ち、かつ、柔軟に対応するためには、過去の価値基準に理解を示しながら、急速な環境変化を受容することのできる人材を社内に多数擁していかなければなりません。残業減少、有給休暇取得率向上について、IT業界が向いているとされるテレワークなど、多様な働き方に合わせて従業員満足度の向上を実施して参ります。採用力の強化については、デジタルネイティブ世代の活用促進を実施する上で、教育施策を充実させて参ります。また、プロフィットシェアできるパートナーとの関係維持に注力して参ります。 ③ プロジェクト管理と品質・生産性向上主契約者ごと、システム要求事項で異なり、また、プロジェクトマネージャーごとに方向性が変化してしまうプロジェクトマネジメントに対して、知識体系を理解しているだけでは到底無事に顧客要望を満たすことはできません。日本オーエー研究所ではこのリスクを事前に評価し、リスクを軽減する仕組みが機能しています。日本オーエー研究所のナレッジベースに蓄積された豊富なデータをもとに単なるエンジニアのキャリアと経験だけに依存するだけではなく、どのようなチーム体制、役割、作業品質、許容される事項などが整理され、マネジメントリスクをコントロールしながら開発作業に着手することになります。このようなプロセスを更に強固なものとするため、同業他社に対するコスト競争力を高め、継続的に不採算案件ゼロを維持していくことにより、売上総利益率を向上することが課題であります。 ④ 技術革新への対応経済界全体において情報革命が叫ばれる中、当業界における技術革新のスピードは速く、かつ、その変化は著しい状況にあります。デジタルトランスフォーメーション(DX)の到来に合わせ、高度なITリテラシーを保有するエンジニアが公共・金融インフラ市場においてもデジタル化ビジネスへの対応を適時に行うことが重要な課題と認識しております。これらの変化に対応するため、最新の技術動向や環境変化を常に把握し、新規技術の導入を迅速に実行に移せる意思決定の仕組みなどの体制構築に努めて参ります。 ⑤ 財務基盤の安定日本オーエー研究所は本書提出日現在において、銀行借入により十分な手元現預金を有していることから、優先的に対処すべき課題はないと考えております。今後も財務上の課題が発生する可能性は低いと考えておりますが、継続的かつ安定的な事業の拡大を図る上で、手許資金の流動性確保や金融機関との良好な取引関係の構築に努めて参ります。 ⑥ 内部管理体制の強化 内部統制の整備、見える化、仕組化を更に推進し、継続的な企業成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、常に内部管理体制の強化に努めることが重要であると認識しております。形式的な要件ではなく、本質的にコンプライアンス体制、リスク管理体制並びに情報管理体制が機能することにより、株主価値、資本生産性を向上できる経営を目指しコーポレート・ガバナンスの体制強化に取り組んで参ります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において日本オーエー研究所が判断したものであります。 (1) 市場環境に関するリスクについて① 経済・市場環境による顧客の投資意欲等の影響について発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中日本オーエー研究所では、公共系及び金融系のシステム保守・開発を主要な事業として展開しているため、政府及び自治体の関係機関及び国内外の金融関連のプレーヤーによるIT投資動向に一定の影響を受けます。日本オーエー研究所は、市場の動向について専門的な機関を通じて的確に情報を把握し、「直接的な対応策」と「予備的対応策」、事態が生じた場合の影響を「最小限に留めるための対応策」といった「三位一体」でのリスク対応を講じるよう努めておりますが、経済情勢の急激な変化及び国内外の著しい景気低迷等により、顧客企業のIT投資意欲が減退した場合は、新規顧客開拓の低迷や既存顧客からの受注減少等により、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競合他社による影響について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中日本オーエー研究所では、ユーザー及びシステムインテグレーターの技術要望を捉え、高品質なソフトウェアやサービスの提供に努めておりますが、経済産業省「情報通信業基本調査」では、日本オーエー研究所が属する受託開発ソフトウェア業の企業数は、情報サービス業に属する企業の約5割を占めております。大小多数の事業者が存在しており、また、システム開発の下流工程においては、労働集約的になりやすく、参入障壁も相対的に低くなることで市場において当該事業者との競合が生じております。国内企業のIT化推進等に伴い、業界全体における開発需要は堅調であるものの、オフショア開発等による価格競争、また、開発需要の減少や新規参入増加等による競争が激化した場合、あるいは競合他社の技術力やサービス力の向上により日本オーエー研究所のサービス力が相対的に低下した場合には、受注減少、保守・運用契約の解約等により、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新による影響について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中日本オーエー研究所が属する情報サービス産業は、技術革新のスピードが速くかつその変化は著しい状況にあります。デジタルトランスフォーメーション(DX)の到来に合わせ、公共・金融インフラ市場においても新技術、新サービスが次々と生み出されております。日本オーエー研究所においては、最新の技術動向や環境変化を常に把握し、経営レベルで新規技術の導入を迅速に実行に移せる意思決定が行えるよう体制構築に努めておりますが、日本オーエー研究所の想定を超える技術革新や新サービスの急速な普及等による著しい環境変化等が生じた場合、当該変化に日本オーエー研究所が対応することができず、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業に関するリスクについて① 人材の確保について発生可能性:大、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大日本オーエー研究所は高度な専門性と技術力によるサービスの提供を行う管理者及びエンジニアを安定的に確保し、常に実務能力の向上を目的として人材育成を行うことは非常に重要であります。これに対して人事担当者を増強し、精力的な採用活動を展開しております。人材不足を生じさせないよう魅力的な職場環境と雇用待遇の整備、新卒及び即戦力であるキャリア採用を促進するための対応策を講じ、教育機関と連携し社内研修制度、社外研修制度、資格奨励金制度等を設け、戦力の維持・向上を図っておりますが、労働生産人口減少に対する対策の不備や著しい人材の流動化に伴う人員流出、技術・知識の属人化によるノウハウの流出により日本オーエー研究所が必要とする十分な人材を確保することができない場合、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 協力会社の確保について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大日本オーエー研究所におけるシステム開発業務等については、開発業務の効率化、顧客要請への迅速な対応、外部企業の持つ専門性の高いノウハウ活用等を目的として、業務の一部について日本オーエー研究所社員の管理統括のもと、パートナーと位置づける協力会社への外部委託を活用しております。現時点では優秀な協力会社との良好な連携体制を維持しており、今後も協力会社の確保及びその連携体制の強化を積極的に推進していく方針ではありますが、協力会社から十分な人材を確保できない場合には、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 協力会社との取引について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小日本オーエー研究所は、外部の技術力やノウハウ等を活用するため、システム開発業務の一部を日本オーエー研究所外の企業に委託するなど外部発注を行っております。しかしながら、IT需要の高まりによる発注コストの増大、外部発注先に起因する納期遅延や品質低下に加え、ヒューマンエラー等による情報漏えい事故の発生、同業他社との競合により優秀な外部発注先が確保できない場合、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。それに対し、「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」の法令遵守はもちろんのこと、外部発注先の技術力やコスト、財務状況等の信頼性などを総合的に勘案した選定等協力会社との取引に関するリスクの低減に努めております。 ④ 品質管理に関するリスク発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中日本オーエー研究所が開発し、納品したシステムに予期せぬ欠陥が発生した場合には、社会的信用の低下やその後の受注減少等に繋がり、更に訴訟が提起される事態に発展することも想定されます。このような場合には、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 納期遅延によるリスク発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中日本オーエー研究所のシステム開発に関しては、納期内にシステムを完成する責任を負っており、開発工程管理や品質管理を徹底しております。しかしながら想定外の仕様取り込み、問題発生により納期遅延等の損害賠償や想定を超える原価発生により、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。一方、顧客の計画変更により、当初予定していた契約が翌期以降に延期されることによる期ずれにより、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 不採算プロジェクトの発生について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小日本オーエー研究所ではプロジェクトが不採算に陥る可能性について、リスクを事前に評価し、軽減する仕組みが機能しております。日本オーエー研究所のナレッジベースに蓄積された豊富なデータをもとに単なるエンジニアのキャリアと経験だけに依存するだけではなく、どのようなチーム体制、役割、作業品質、許容される事項などが整理され、マネジメントリスクをコントロールしながら開発作業に着手することになります。このようなプロセスを更に強固なものとするために専門の品質保証担当を創設し、同業他社に対するコスト競争力を高め、継続的に不採算案件ゼロを維持して参りますが、予測できない要因により開発工程での品質問題や工期問題の発生及び納品後のシステム運用段階での不具合等が発見される場合があります。このような状況により不採算プロジェクトが発生した場合は、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 大口顧客への依存度について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大日本オーエー研究所の当事業年度の売上高は、85.8%が株式会社NTTデータ・アイを中心とするNTTデータグループであり、公共系事業の売上のほとんどがNTTデータグループからの受注によるものであります。この傾向は日本オーエー研究所の創業時から変わっておらず、日本電信電話公社が民営化されました1985年に、株式会社NTTデータの前身であります日本電信電話株式会社データ通信事業本部の業務委託を受けた日本電気株式会社からの再委託により、旧大蔵省(現財務省)の輸出入・港湾関連情報処理システムの開発業務を受注して以降、現在に至るまで、官公庁、政府機関のほか、一般法人等のシステム開発業務の委託を継続して受注して参りました。こうした特定業種、取引先との強い関係は日本オーエー研究所の強みである反面、経済情勢の変化によりNTTデータグループの事業運営が影響を受け、方針、開発計画等が変更を余儀なくされた場合、当該取引先への売上依存は、日本オーエー研究所の経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。日本オーエー研究所としては、現在の公共系事業のシステム開発の基盤をより一層強化していく方針です。具体的には、各省庁や地方自治体の入札情報を細かく収集して可能な限り応札することで、受託実績のない官公庁、政府機関、地方自治体のシステム開発を開拓していき、公共系事業のすそ野を広げて参ります。また、金融・法人系事業においても、NTTデータグループ以外の取引先との取引拡大、強化を図って参ります。 2024年12月期2025年12月期売上高(千円)売上高合計に占める割合売上高(千円)売上高合計に占める割合㈱NTTデータ116,7434.0150,1485.0㈱NTTデータ・アイ2,357,50079.92,345,99478.4㈱エヌ・ティ・ティ・データ関西59,3362.069,0132.3㈱NTTデータグループ1,8480.19240.0NTTデータグループ合計2,535,42985.92,566,08085.8 ⑧ 顧客情報等漏洩のリスクについて発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大日本オーエー研究所では、業務に関連して顧客や取引先等の個人情報及び機密情報を取り扱う場合があります。日本オーエー研究所では、情報管理に関する全社的な取り組みを講じております。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)やプライバシーマークの認定取得を行い、各部門担当者と管理者で構成される情報セキュリティ委員会を設置し、従業員教育、各種ソフトウェアの監視、情報資産へのアクセス証跡の記録等各種の情報セキュリティ対策を講じ、個人情報を含む重要な情報資産の管理を実施し、情報漏洩のリスクの回避を図っております。しかしながら、日本オーエー研究所又は協力会社より情報の漏洩が発生した場合は、顧客からの損害賠償請求や日本オーエー研究所の信用失墜等により、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 情報システムのトラブルについて発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大日本オーエー研究所では、事業の特性上、多数のコンピュータ機器を利用しており、専門業者であるデータセンターの利用等により、データの保全、電源確保、対不正アクセス等の対策を講じております。しかしながら、大規模な災害・停電、システムやネットワーク障害、不正アクセスやコンピュータ・ウイルス等による被害が発生した場合、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 長時間労働の発生について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大システム開発プロジェクトにおいては、当初計画にない想定外の事象が発生し、品質や納期を厳守するために長時間労働が発生することがあります。特に、日本オーエー研究所が推進している一括請負の案件は、品質確保や納期の責任を負担することから、こうした事象が発生するリスクが高まります。日本オーエー研究所では、日頃より適切な労務管理に努めるとともに、このような事象の発生を撲滅すべくプロジェクト監視をしております。しかしながら、やむを得ない要因によりこのような事象が発生した場合は、従業員の健康問題や労務問題に発展し、システム開発での労働生産性が低下する等により日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) その他のリスクについて① 内部管理体制について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中日本オーエー研究所では、企業価値の持続的な増大を図るためにコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、日本オーエー研究所の業績及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。日本オーエー研究所では、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、組織規模や環境に応じた管理部門の人数増員を図り、業務の自動化、効率化、各種研修などの教育により、管理体制の充実に努めております。 ② 経営者依存リスクについて発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小日本オーエー研究所の代表取締役である奥山宏昭は、日本オーエー研究所の創業メンバーであり、設立以来日本オーエー研究所の経営方針、経営戦略、資本政策等、事業活動の推進にあたり重要な役割を担ってまいりました。日本オーエー研究所は、2022年12月21日付で東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場するにあたり、監査役会の設置、社外取締役1名、社外監査役2名の配置等ガバナンス体制を強化、役員の職務執行責任の強化や職務権限の明確化、権限移譲を進め、創業者に過度に依存しない経営体制の整備に努め、後継者の育成に努めて参りましたが、2026年3月26日開催予定の定時株主総会と、その後の取締役会において、代表取締役の交代を予定しております。新しい経営体制の発足に伴い、当該リスクの日本オーエー研究所の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性は軽減される予定であります。 ③ 法的規制について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中日本オーエー研究所では「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)」を遵守し、労働者派遣事業者として監督官庁への必要な届出を行っております。法令順守を徹底し、当該法的規制等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により派遣元事業主としての欠格事由及び当該許可の取消事由に該当し、業務の全部もしくは一部の停止処分を受けた場合、もしくは新たな許可を取得することができなくなった場合、又は法的な規制が変更になった場合等には、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 知的財産権について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中日本オーエー研究所が行うシステム開発等において、他社の所有する著作権及び特許権を侵害しないように十分に啓蒙活動を行い、常に注意を払って事業展開しておりますが、日本オーエー研究所の認識の範囲外で他社の所有する著作権及び特許権を侵害する可能性があります。このように、第三者の知的財産権を侵害してしまった場合、日本オーエー研究所への損害賠償請求、信用の低下により、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 自然災害等による影響について発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中~大地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、各種感染症の拡大等が発生した場合、日本オーエー研究所の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、日本オーエー研究所の主要な事業拠点である首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、日本オーエー研究所の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。日本オーエー研究所では、自然災害等が発生した場合に備え、体制を整備しておりますが、自然災害等による人的、物的損害が甚大である場合は、事業の継続そのものが不可能になる可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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