ヨドコウ(5451)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


ヨドコウ(5451)の株価チャート ヨドコウ(5451)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

  ヨドコウグループ(ヨドコウ及びヨドコウの関係会社、21社)は、主として鉄鋼製品の製造・加工・販売及びこれらに付帯する事業を営んでおり、ヨドコウと主要な関係会社の事業に係る位置付け及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。

 

[鋼板関連事業]

ヨドコウは、冷延鋼板、表面処理鋼板などの鋼板製品の製造・販売及び金属屋根壁材、エクステリア商品などの建材製品の製造・販売を行っております。

関係会社

事業内容

高田鋼材工業㈱※1

鋼板製品の加工・販売

淀鋼商事㈱※1

鋼板製品及び建材製品の販売

福井ヨドコウ㈱※1

建材製品の製造加工

㈱佐渡島※3

鋼板製品及び建材製品の販売

ヨドコウ興産㈱※2

建材製品の加工並びに建材製品の販売

Y.S.PANERIO㈱※4

建築資材の製造・販売、建築工事等の施工・監理・請負

フジデン㈱※4

鋼板製品の販売

東栄ルーフ工業㈱※4

建材製品の加工・販売

盛餘股份有限公司(SYSCO社)※1

鋼板製品の製造・販売

淀川盛餘(合肥)高科技鋼板有限公司(YSS社)※1

鋼板製品の製造・販売

PCM PROCESSING(THAILAND)LTD.(PPT社)※1

鋼板製品の製造・加工・販売

淀鋼國際股份有限公司(YIL社)※2

建材製品の製造・販売・施工

淀鋼建材(杭州)有限公司(YBMH社)※2

建材製品の製造・販売及び鋼板製品の販売

 

[ロール事業]

ヨドコウは、鉄鋼用ロール・非鉄用ロールなどのロール製品の製造・販売を行っております。

関係会社

事業内容

淀鋼商事㈱※1

ロール製品の販売

㈱淀川芙蓉※2

ロール製品の製造・加工・販売

 

[グレーチング事業]

ヨドコウは、グレーチング製品の製造・販売を行っております。

関係会社

事業内容

淀鋼商事㈱※1

グレーチング製品の販売

㈱佐渡島※3

グレーチング製品の販売

 

[不動産事業]

ヨドコウは、所有する土地建物の賃貸または販売を行っております。

関係会社

事業内容

ヨドコウ興発㈱※1

警備、施設管理等のサービス提供

 

[その他]

ヨドコウは、機械プラントの販売、太陽光発電による売電事業などを行っております。

関係会社

事業内容

高田鋼材工業㈱※1

倉庫業及び運送事業

淀鋼商事㈱※1

運送事業及び物資販売事業

京葉鐵鋼埠頭㈱※1

倉庫業及び運送事業

ヨドコウ興発㈱※1

スポーツ施設の経営

㈱淀川芙蓉※2

機械設備等の製造・販売

㈱アルダック※2

ソフトウェア設計・開発業

 

※1…連結子会社

※2…非連結子会社

※3…持分法適用関連会社

※4…持分法非適用関連会社

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてヨドコウグループが判断したものであります。

(1)経営方針

ヨドコウグループは、冷延鋼板、表面処理鋼板、建材商品、エクステリア商品、各種ロール、グレーチング等鉄鋼を素材とした各種製品の製造販売を中心に、また付帯事業として鋼板加工業、倉庫業、スポーツ施設の運営、不動産賃貸業等の事業活動を行っております。ヨドコウグループはこの事業活動を通じて、「新しい個性を持った価値の創造」を基本理念に掲げ、社会から信頼され、必要とされる存在価値のある企業を目指しております。この「新しい個性を持った価値」とは、株主と顧客から信頼され期待される機能の創造(事業価値)、必要とされるベストメーカーとしての持続力(存続価値)、変革挑戦し成長する社員一人ひとりの個性(社員価値)、社会・自然環境と調和し共生する努力(社会価値)であります。これらの経営理念を推進し、ヨドコウグループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資することを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

ヨドコウは独立系の鉄鋼メーカーとして、表面処理鋼板事業とその川下分野としての建材事業からなる鋼板関連事業を中心に、電炉事業を源流とする鉄鋼ロール事業および鋼製グレーチング事業、さらにはエンジニアリング、不動産事業等を擁し、ユニークな存在感を発揮する企業として成長してきました。

今後もヨドコウの基本理念・経営理念・行動原則に基づく機動力を活かした経営を追求するとともに、ヨドコウグループの総合力と企画力を発揮することで、海外では新たな成長に向け事業の積極的な展開を進め、国内では縮小トレンドの需要環境下でさらにシェアアップを図り、事業領域の拡大に取り組みます。この「海外事業展開」と「国内需要捕捉」を成長の基軸とし、「安全」・「安心」・「環境」・「景観」をキーワードとして、商品開発・製造・販売など事業活動のあらゆる側面に展開し、ステークホルダーの皆様にさまざまな価値を提供することで、広く社会から必要とされる企業を目指します。

また、ヨドコウグループをとりまく環境が激しく変化するなか、ヨドコウグループが持続的に成長を果たしていくためには、将来を見据えたビジョンと計画を持ち、その内容をさまざまなステークホルダーと共有することでヨドコウグループの活力を高めていくことが有効であることから、ヨドコウの創立90周年にあたる2025年に向けた長期ビジョン『桜(SAKURA)100』を策定しております。ヨドコウグループはこの『桜(SAKURA)100』のもと、ヨドコウのシンボルマークである桜のように、さまざまな環境の変化に順応するたおやかな姿、新しい事業領域に挑戦し花を咲かせる姿、グローバルに愛され永く花を咲かせる姿を目指し、連結営業利益100億円を安定して計上できる100年企業への発展を実現してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

ヨドコウは、2023年度~2025年度の経営計画として『淀川製鋼グループ中期経営計画2025』(以下、「中期経営計画2025」といいます。)を策定し、2023年5月10日に開示しておりましたが、2024年4月25日に資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の一環として中期経営計画2025の一部見直しを行っております。なお、詳細はヨドコウウェブサイトに掲載しておりますので、下記をご参照下さい。

< https://www.yodoko.co.jp/ir/management/managementplan/ >

当初の中期経営計画2025においては、定量的業績目標を「連結営業利益(中期経営計画2025期間中)100億円以上の安定計上」と掲げておりました。中期経営計画2025の初年度である2024年3月期(2023年度)は、国内事業では国内鉄鋼需要の低迷により販売量は減少しましたが、鉄鋼市況の動向にあわせ機動的に販売価格の改定に努めたことにより計画の水準を達成することができました。一方海外事業でも、主にSYSCO社において台湾国内向けの販売量が回復したことなどから計画値を上回る結果となり、グループ全体では連結営業利益120億円と目標を上回る業績を達成しました。

見直し後の中期経営計画2025においては、目標指標を連結営業利益100億円から、連結営業利益130億円に変更し、収益力のさらなる強化と企業価値の向上に向けて取り組んでまいります。

また、ROE(自己資本当期純利益率)の目標指標につきましても、当初の中期経営計画2025においては5%以上(2025年度)としておりましたが、これを7%(2025年度)に改め、中長期的にさらなる資本効率の改善に向けて取り組みを進めてまいります。

<中期経営計画2025 新経営指標目標>

・連結営業利益:130億円以上(2025年度)

・ROE(自己資本当期純利益率):7%(2025年度)

 

(4)経営環境

世界経済は、米国の堅調な景気動向や世界的なインフレ率の低下などから回復が期待されておりますが、ウクライナ情勢およびパレスチナ情勢の長期化の影響や中国での長引く不動産不況などへの懸念から引き続き不透明な状況が続くものと想定されます。

日本経済においても、賃金水準の上昇による需要の回復への期待もありますが、物価上昇の動きは続くことが予想されるとともに、日銀の金融政策の動向を注視する必要もあり、また前述の世界的リスク要因からの影響を強く受けることも想定されます。

鉄鋼市場においては、日本国内市場・海外市場いずれにおいても、鉄鋼原材料と資源・エネルギーコストの高止まりが続く中、ロシア・ウクライナ情勢や台湾有事への懸念などの地政学リスクも加わり、当面は需給バランスも含め不安定な状況が続くものと予想されます。

ヨドコウグループにとっても、各地域の需要およびコスト環境は予断を許さない不安定な動きが続くものと考えられ、厳しい事業環境が継続するものと予想されます。

このような不透明な事業環境の中、ヨドコウグループとしましては、変化の激しい市況に応じた機動的な営業・生産活動につとめるとともに、このたび改定した「淀川製鋼グループ中期経営計画2025」の着実な実行に取り組むことで、収益力強化を図ってまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

ヨドコウは、中期経営計画2022に続く新たな経営計画として、2023年度から始まる3年間の中期経営計画2025を策定し、取り組みを進めております。また、2024年4月25日に資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の一環としてその一部を見直しております。

その概要は以下のとおりです。

なお、詳細はヨドコウウェブサイトに掲載しておりますので、下記をご参照下さい。

< https://www.yodoko.co.jp/ir/management/managementplan/ >

a.対象会社

淀川製鋼所及び連結子会社8社

b.対象期間

2023年度~2025年度の3年間

c.基本戦略

「収益構造の更なる強靭化」「新しい分野への挑戦」「持続可能な経営基盤の構築」を基軸とする以下の6項目を基本戦略とし、施策を展開してまいります。

A.収益構造の更なる強靭化

  A-1.成長のための既存ビジネスの拡大

  A-2.ものづくり力の底上げ

B.新しい分野への挑戦

  B-1.既存事業を基盤とした新分野の開拓

C.持続可能な経営基盤の構築

  C-1.将来を見据えた積極的投資と資本効率向上

  C-2.次世代を担う人材の育成と組織力強化

  C-3.全てのステークホルダーとの共生

d.資本政策と株主還元

ヨドコウは「株式会社淀川製鋼所 コーポレートガバナンスガイドライン」のなかで、資本政策の基本方針を定めております。

< https://www.yodoko.co.jp/assets/pdf/ir/management/governance/governance.pdf >

中期経営計画2025の期間中については、資本政策の基本方針に加え、以下の考え方に基づき機動的に資金を活用してまいります。

・中期経営計画2025期間においても、長期化するウクライナ紛争、欧米の金融引き締め政策に伴う景気減速懸念、日本における大規模金融緩和の出口の見通し、そしてアジアにおいて高まる地政学リスクなど、ヨドコウグループを取り巻く経営環境は一層厳しさが増し、大きく変動することを想定しておく必要があります。

・このような不透明かつ厳しい環境の中でヨドコウグループが持続的に成長していくためには、ヨドコウグループの強みである機動力を引き続き発揮するとともに、既存事業における競争力強化と新しい事業領域の開拓、持続可能な世界を実現するための環境対応、そして事業活動の全ての基盤となる人的資本の充実などに優先的に資金を充当することが求められ、これらの裏付けとなる強固な財務基盤を維持することが重要です。

・ヨドコウは自社の資本コストを定期的に分析しており、資本コストを上回る資本効率を実現するために、既存事業における投下資本利益率の向上、ならびに積極的投資による非事業資産の事業資産への組み換えにより、資本効率の向上に取り組みます。

・株主の皆様への利益還元としては、配当金のお支払いを重視することとし、設備投資計画ならびに財務状況等を踏まえ、当初の方針を見直し、年間配当金として1株あたり200円以上を維持したうえで、「業績に応じた配当のお支払い」の指標としては、連結配当性向年間75%以上を目途といたします。

e.設備投資計画

①中期経営計画2025期間中の考え方

・生産効率向上やコスト低減、品質向上など競争力強化を目的とした戦略的な投資を優先的に実施し、また、既存事業の継続に必要な老朽設備・施設の更新も計画的に実施いたします。

・CO2排出量削減に寄与するサステナビリティ関連の投資や、レガシーシステムからの脱却を含むDX関連投資についても計画的に進めてまいります。

②設備投資額

・2023年度~2025年度の連結総投資額は、200~250億円規模を計画し、その内訳としては、競争力強化に75~110億円、既存事業基盤の維持に80~100億円、サステナビリティ関連に25~30億円、DX関連に20億円とします。

f.ステークホルダーとの共生

ヨドコウグループの事業活動のキーワードである「安全」「安心」「環境」「景観」をあらゆる事業活動に展開することにより、様々なステークホルダーの期待に応えてまいります。

①株主・投資家

・企業価値の向上

・IR施策の充実、情報発信の強化

②顧客・取引先

・全社的な品質管理体制の強化

・ブランド力の強化

・取引先とのパートナーシップの維持向上

③従業員

・組織・人材の活性化に向けた制度設計、教育システムの構築

・ITツール導入やデジタル化推進による省力化・業務効率向上

④社会・自然環境・その他

・ガバナンス体制のさらなる強化

・サステナビリティ推進(省エネ・創エネによるCO2削減、再生可能エネルギーの段階的な導入)

・全社的なシステム再構築によるIT基盤の強化

g.定量的目標

前述の「(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」を参照ください。

 

以上に示しましたとおり、中期経営計画2025においては、これまでの取り組みを振り返り、成果を定着させるとともに、長期ビジョン「桜(SAKURA)100」の実現に向け、成長・拡大路線へ舵を切ってまいります。

また、「Link to the Future」を本中期経営計画期間のキャッチフレーズとして掲げ、さらにその先の未来へつながる重要な期間と位置づけております。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 ヨドコウ及びヨドコウグループの事業展開上のリスク要因について、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。当該事項は当連結会計年度末現在においてヨドコウグループが判断したものであります。

 なお、ヨドコウグループのリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況  4.コーポレート・ガバナンスの状況等  (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。

1. 事 業 関 連

(1)鉄鋼および建材市況の変動

 ヨドコウグループの購入する主原料(熱延鋼板)、副原料(亜鉛・アルミおよび塗料等)、その他各種資材等の価格は市況に大きく左右されます。主原料である熱延鋼板の価格は、いわゆる鉄鋼原材料である鉄鉱石と原料炭の価格変動の影響を受けますが、これらの価格はときに実需給によらず投機的な商品市況として変動する場合があります。また、熱延鋼板の市況は、海外市場と日本国内市場で乖離が発生する場合もあります。ヨドコウグループは原料の機動的な調達を強みとするとともに、顧客に対しても一定の価格交渉力を有しておりますが、ヨドコウが販売する商品の市況と原料市況が想定を超えて乖離する場合は、ヨドコウグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 世界経済は、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化、米中対立の先鋭化などの地政学リスク、また中国経済の長引く低迷などから不安定な状況が続いております。これらを背景として鐵鋼原材料、鉄鋼製品ともに需給バランスが不安定となり市況に大きな影響を及ぼすリスクがあります。

 これらの状況はヨドコウグループの2025年3月期以降の業績に影響を及ぼす可能性がありますが、その影響の程度については流動的です。

 ヨドコウグループとしましては、原料については、重要な調達先と戦略的に資本関係を結ぶなどして供給の安定を図るとともに、複数の調達先と機動的な交渉を行うこと、さらには調達先の一層の多様化を進めることでリスクの低減を図っております。販売価格については、製品の機能・品質はもちろんのこと、デリバリー、各種サポートの充実、顧客との信頼関係の深化など、あらゆる面での競争力強化と差別化を継続的に図り、価格交渉力の向上に取り組んでおります。

 

(2)クレーム

 ヨドコウグループが製造・販売する製品や提供するサービス等に起因し、何らかのクレームが発生するリスクがあります。

 このリスクについて、ヨドコウグループとして可能な限り低減の措置をとっておりますが、リスクが顕在化する時期やその影響の程度は流動的です。

 ヨドコウグループとしましては、ISOの品質マネジメントシステムを主体とする品質保証体制のもと実効的な品質管理を行い、製品の性能と品質の確保に努めております。また、顧客対応の専用部署を設け、苦情や問い合わせに迅速かつ適切に対応することで、リスクの低減を図っております。なお、一部の製品を対象とする賠償責任保険に加入しております。

 ヨドコウが2007年から2016年に製造した建築外装用カラー鋼板の一部で発生している美観および耐久性上の不具合に関し、将来の不具合発生にかかる補修費用等の発生リスクについては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表(重要な会計上の見積り)製品補償引当金 (2)財務諸表利用者の理解に資するその他の情報」を参照ください。

 

(3)感染症による影響

 新型コロナウイルス感染症については、当連結会計年度末の状況として世界経済はその影響から脱しつつあるものと考えられますが、一方で、新型コロナウイルス感染症を始めとする既知のウイルスの変異種発生などによる大規模な蔓延や未知のウイルスが発生することなどから、再び経済活動への影響を及ぼすリスクが考えられます。同問題は引き続きヨドコウグループの2025年3月期以降の業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がありますが、その影響の程度は流動的です。

 ヨドコウグループとしましては、引き続き従業員の感染リスク低減と安全確保等に努めるとともに、グループ各社が機動的に連携することで調達・生産・販売のリスク低減に取り組んでまいります。

 

(4)海外情勢の変動

 ヨドコウグループは海外では台湾、中国、タイに生産・販売拠点を有しており、各拠点の経済圏のみならず他の地域への輸出販売が連結売上高の相当な比率を占めております。これら海外市場での事業活動には以下のようなリスクが内在しております。

 ①保護主義的な貿易措置による輸出販売の制約

 ②不利な政治または経済要因による事業活動の制約

 ③予期しない法律及び規制並びに税制の変更による事業活動の制約

 ④各種要因からの社会的混乱による事業活動の制約

 これらのリスクが顕在化する時期やその影響の程度については流動的です。

 2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は、欧米等によるロシアへの経済制裁の影響も含め、世界的なサプライチェーンの混乱や各種資源・エネルギーの供給制約と価格高騰など、世界経済に大きな影響を及ぼしております。これらの状況はヨドコウグループの特に中長期的な事業活動に影響を及ぼす可能性がありますが、その程度は流動的です。

 また、中国においては習近平政権への権力一極集中が進み、権威主義的・強権的姿勢が強まっていることから、台湾問題を含む国際情勢全般において日本および欧米諸国との対立が強まっております。中国との政治的対立や経済的分断が進む場合、ヨドコウグループの中長期的な事業活動に影響が及ぶ可能性がありますが、そのリスクが顕在化する時期や程度は流動的です。

 ヨドコウグループとしましては、複数の事業拠点を配することでリスクの分散を図るとともに、各拠点が連携をとって機動的に対処してまいります。また、特に台湾問題については、常に諸情勢を注視するとともに有事を想定した対応策を継続して検討してまいります。

 

(5)為替の変動

ヨドコウグループの海外連結子会社の取引は、各所在国の現地通貨または米ドルでの契約が大半を占めていることから、これら通貨と日本円との為替レートの変動は、ヨドコウの連結の売上高・利益に直接的な影響を及ぼします。

 米ドルに対する日本円の為替レートの変動は、直接的にはヨドコウおよび日本国内のグループ会社の輸出環境、日本国内市場における輸入競合製品との価格競争環境、ヨドコウの原材料の調達コスト等に影響を及ぼすとともに、間接的には日本のマクロ経済に影響を及ぼします。

 これらのリスクが顕在化する時期やその影響の程度については流動的です。

 当連結会計年度においても、米国ではインフレ抑制のため金融引き締め政策を継続したことやロシアのウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化などの地政学的リスクの増大から米ドルに対する円安が引き続き進捗するとともに、ヨドコウグループの海外連結子会社所在国通貨についても全般的に円安方向の傾向が続きました。

 ヨドコウグループでは、これら為替レートの動向に細心の注意を払うとともに、そのときどきの動向に応じた機動的な調達と販売施策を実行することで、収益の安定に努めております。

 

(6)情報セキュリティ

 ヨドコウの事業活動は、情報システムを利用して業務の効率化を図っております。また、自社及び取引先の営業秘密や個人情報などの機密情報を、情報システムに保管しています。これらの機密情報の管理には万全を期しておりますが、悪意のある第三者からのサイバー攻撃等で情報が漏洩した場合、社会的信用が著しく低下し、事業活動が滞る可能性があります。また、自然災害による大規模停電やランサムウェア他により、想定外のシステム障害が発生し、復旧に時間を要した場合は、生産・販売・間接業務など事業活動全てにおいて、直接的な影響が及ぶ可能性があります。

 これらのリスクが顕在化する時期やその影響の程度は流動的ですが、ヨドコウでは、情報システム・情報セキュリティに関する諸規程を定め、適切なシステム管理体制を構築し、セキュリティ対策を実施しております。また、バックアップデータの消失やハード障害への対策として、積極的にクラウドの利用を推進し、リスクの低減に取り組んでおります。

 

(7)気候変動

 気候変動は中長期的に地球環境や世界的マクロ経済に大きな影響を及ぼす可能性があるとともに、ヨドコウグループの事業活動、業績や財務状況、ひいては事業形態にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

 ヨドコウは2022年6月に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同を表明し、ガイダンスに沿った気候変動シナリオ分析を実施しております。脱炭素社会へ向けた移行リスクとしては、カーボンプライシング(炭素税,CO2排出量取引)の導入による原材料及びエネルギー価格の上昇、環境規制の強化による設備投資の発生などが想定されます。また、ヨドコウグループ事業への物理的リスクとしては、自然災害の激甚化によるヨドコウ事業所への被害やサプライチェーンの混乱などが予想されますが、これらのリスクが顕在化する時期や影響の程度については流動的です。シナリオ分析の結果を踏まえ、ヨドコウは「2050年カーボンニュートラルの実現」を目指し、「2030年度CO2排出量2013年度比30%削減」をターゲットとして取り組みます。

 ヨドコウグループではさまざまな環境問題に対応するべく1999年に「環境宣言」及び「環境行動指針」を定め、「安全・安心・環境・景観」を全ての事業活動におけるキーワードとして、自然と調和し共生する企業活動に取り組んでおります。地球温暖化問題への取組としては、グループ全体で省エネルギーやCO2排出量の削減などを推進する為、環境マネジメントシステムを構築し、国内外の主要事業所においてISO14001を取得しております。

 ヨドコウの外装建材商品では高強度かつ軽量で暴風・地震災害に強い鋼板製屋根・外壁商品、空調負荷の低減が期待できる高断熱屋根・外壁商品に注力しており、さらにはゲリラ豪雨時の道路冠水リスクを低減するグレーチング商品にも注力しております。ヨドコウグループでは気候変動をリスクとしてだけでなく機会として捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題の解決へ貢献してまいります。

 

2. 財 務 関 連

(1)市況変動にともなう財務状況への影響

 ヨドコウグループの主力事業である表面処理鋼板事業及びその二次製品である鋼板建材事業は、世界的な鉄鋼および鋼板建材市況の変動の影響を大きく受ける特徴があります。需給環境による販売数量の変動に加え、原材料価格・販売価格の双方の大きな変動に常にさらされるとともに、双方が想定を超えて乖離する場合は、ヨドコウグループの業績のみならず短期的なキャッシュフローに大きな影響が及びます。

 ヨドコウグループとしてはこのような事業上の特徴を踏まえ、保有する現預金についてキャッシュフローの大きな変動に耐えうる相応の水準維持に努めるとともに、投資有価証券の流動化に加え、金融機関と締結しているコミットメントライン契約の活用などにより、機動的に資金面の対応をしております。

 

(2)減損会計による影響

 ヨドコウグループは、各事業のセグメントに属する有形固定資産や無形固定資産を保有しておりますが、これらの資産については減損会計を適用し減損の兆候が認められた場合、当該資産グループから得られる将来キャッシュフローを測定し減損処理が必要な資産については適切に処理を行っております。当連結会計年度末(2024年3月期末)において、主要な資産に減損の検討が必要となるものはございませんが、将来の経営環境の変化等により減損処理が必要となった場合、ヨドコウグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)保有株式の時価変動

 ヨドコウは、事業の拡大と持続的成長のためにはさまざまな企業との協力関係が不可欠であるとの観点から、企業価値を向上させるための事業戦略上の重要性、取引先との事業上の関係等を総合的に判断し、政策的に株式を保有することとしております。この政策保有株式を含むその他投資有価証券については、金融商品会計基準に基づき、個々の銘柄の期末時点における時価が帳簿価額に比べ50%以上下落した場合には「著しく下落した」ものとみなして減損処理を行い、また30%以上50%未満下落した場合にも回復可能性の有無を判断し必要と認められた場合には減損処理を行い、簿価と時価との差額を評価損として特別損失に計上するという会計処理を行っております。経済情勢の変化等により、株価が大きく下落した場合には、この評価損の計上によりヨドコウグループの業績と財務状況に影響が及ぶ可能性があります。

 このリスクが顕在化する時期や影響の程度は流動的です。

 ヨドコウは、毎年、個別の政策保有株式の保有目的の妥当性や中長期的な保有の合理性について検証し、保有の合理性が認められないと判断したものは、適切な時期に純投資への振替や売却を進めております。

 

(4)退職給付債務

 ヨドコウグループは、会計基準に従って退職給付債務を処理しておりますが、今後の経済情勢によっては退職給付債務の計算基礎となる事項(割引率、長期期待運用収益率等)について再検討する必要が生じる可能性があり、また、年金資産の運用環境によっては数理計算上の差異が多額に発生する可能性もあります。これらの場合、未積立退職給付債務の増加等、費用処理すべき債務金額が増加することにより、ヨドコウグループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 このリスクが顕在化する時期や影響の程度は流動的です。

 ヨドコウグループとしましては、毎年、年金運用プランの見直しを実施し年金資産の構成比率を変動させることにより、経済情勢に即した運用を実施することによって、退職給付債務が業績に与える影響を抑える取り組みを行っております。

 なお、ヨドコウは2023年4月より社員の定年到達年齢を60歳から65歳に制度変更しておりますが、これに伴い退職給付債務が今後の業績に与える影響は極めて軽微であります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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