中部鋼鈑(5461)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】中部鋼鈑グループは、提出会社である中部鋼鈑と連結子会社である4社(明徳産業株式会社、シーケー商事株式会社、シーケークリーンアド株式会社、シーケー物流株式会社)で構成されております。事業内容別には鉄鋼関連事業、レンタル事業、物流事業及びエンジニアリング事業に大別され、各企業の事業及び関連は下記のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。○鉄鋼関連事業………………………中部鋼鈑とシーケー商事株式会社で構成されており、主原料の鉄スクラップを仕入れ、電気炉による厚板鉄鋼製品の製造、販売をしております。○レンタル事業………………………シーケークリーンアド株式会社で構成されており、業務用厨房向グリスフィルターのレンタル事業及び広告看板事業を行っております。○物流事業……………………………シーケー物流株式会社で構成されており、運送・荷役事業と危険物倉庫事業を行っております。○エンジニアリング事業…………… 明徳産業株式会社で構成されており、鉄鋼関連設備を中心とするプラントの設計・施工及び設備保全に関するエンジニアリング事業を行っております。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、中部鋼鈑グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針中部鋼鈑は、「資源リサイクル」による鉄づくりを原点として、新たなる社会的価値の創出に挑戦することを存在理念とし、また、トータル・テクノロジーを基盤とし、市場を見つめた経営を実践することを経営理念としております。中部鋼鈑の電気炉による厚板の製造は、ユーザーニーズに対応したタイムリーな基礎資材の供給とともに、資源の有効活用、省エネルギー等を通して、近時、社会的要請となっている環境の保全、循環型社会の構築にも寄与できるものと考えております。経営にあたっては、株主・取引先・従業員・地域社会など中部鋼鈑にかかわる全ての人々に受入れられ、期待される会社となるよう、経営基盤の強化と持続的な成長を目指して企業活動を行っております。 (2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題次期のわが国経済につきましては、力強さを欠くものの緩やかな回復が期待される一方で、中東情勢の混迷に伴う原油価格の上昇による内外経済への影響や中国経済の不動産投資の低迷や若年失業率の高止まりによる雇用不安など、先行きは不透明な状況が続くと見込まれます。国内厚板市場は、資材価格高騰や人手不足による建築需要への影響が継続しているものの、生産用機械や汎用・業務用機械の生産が増加し、回復傾向にあります。一方、主原料である鉄スクラップにつきまして、国内相場は当期末から引き続き高値水準で推移しており、国内・海外相場や為替の影響を受け変動することから、その動向には注視する必要があります。また、エネルギー価格についても中東情勢の混迷により高騰しており、厳しい経営環境が継続すると予想されます。そのような諸コストの上昇を受け、高炉メーカーをはじめ各社は販売価格の値上げを進めており、厚板市況につきましては高値水準で推移することが見込まれます。このような環境のもと、中部鋼鈑及び中部鋼鈑グループは、新電気炉の性能を発揮した効率的な操業とコストダウンの実現、CO2排出量の削減をはじめとした環境負荷低減への取り組み、品質の更なる向上を進めるとともに、お客様の多様なニーズに応える高品質な製品を市場に安定的に供給することで、企業価値の持続的な向上に努めてまいります。 <24中期経営計画(2024~2026年度)の概要と進捗状況について> 中部鋼鈑を取り巻く外部環境や社会からのニーズの変化を踏まえ、24中期経営計画の目標を「時価総額1,000億円を目指す」と定め、「鉄鋼製品80万トンの販売」、「脱炭素対応」、「持続可能な基盤整備」の3つの基本方針に従って、諸施策を㈱中山製鋼所との業務提携を有効に活用しつつ推進しております。 ・基本方針1 鉄鋼製品80万トンの販売 高炉メーカーの構造改革で生産設備の集約が進むことによる厚板供給量減少の代替に加え、今後さらに高まると予想されるユーザーの脱炭素需要に応えるため、鉄鋼製品の販売量を80万トンまで高めるべく製造、販売両面での体制強化に努めます。 新電気炉への更新による生産性向上を最大限発揮するため、CC(連続鋳造設備)の生産性向上やスクラップヤード・製品ヤードの拡張などに3ヶ年で約120億円規模の戦略投資を計画しています。さらなる省エネ化や増産によるコスト競争力強化、新電気炉稼働に伴うCO2排出量削減効果に基づくグリーンスチールの開発などを進め、積極的な営業活動により新規ユーザーの獲得を目指します。 ・基本方針2 脱炭素対応 中部鋼鈑は「2050年カーボンニュートラル」に向け、2030年度において温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すため、新電気炉による省エネルギー効果に加え、省エネ設備投資や再生可能エネルギー確保等を実施することで、CO2排出量削減を進めます。また、GXリーグや気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に沿った情報開示の充実にも努めてまいります。 ・基本方針3 持続可能な基盤整備 成長を支える基盤として最も重要な従業員の活力向上を実現するため、人的資本戦略をさらに充実させるほか、業務効率化に向けたDX戦略、ガバナンス・リスク管理・コンプライアンスの強化、効率的なバランスシート運営、環境・防災・BCP、子会社戦略等の各種施策を進め、長期的な成長の実現に向けた企業基盤の構築を加速します。 ・株主還元について 配当につきましては、安定的に実施することに意を払いつつ、中部鋼鈑グループの業績に見合った弾力的な配当を行うこととしております。配当金額については、企業価値の向上のための設備投資の実施、自己資本の充実などを総合的に勘案し決定しております。 上記方針に基づき、24中期経営計画(2024年度~2026年度)の期間中は、DOE(自己資本配当率)3.5%を目途に配当を行います。 ・主要KPIの進捗状況 2025年1月に発生した製鋼工場事故による製造・販売面への影響が継続し、中計2年目の進捗状況は遅延しておりますが、環境配慮型電気炉鋼材「すみれす」の開発及び販売開始やデマンド・レスポンス(上げDR)の開始、営業部門の機能強化、生産能力向上のための製鋼工場勤務体制4直化、荷積トラック予約制導入により高効率な出荷体制を構築するなど、目標に向けて各種施策を着実に進めてまいりました。 今後も、新電気炉の安定稼働を背景に中部鋼鈑の強みを活かして、建築・造船などの付加価値の高い分野への参入や海外需要の取り込みを図り、受注を拡大していくことで目標に向けて取り組んでまいります。 指標数値目標2025年度実績鉄鋼製品販売量80万トン(厚板+スラブ)45万トン設備投資額(戦略投資)120億円(予算取得ベース)15億円ROE10%1.7%連結経常利益150億円11億円株主還元DOE 3.5%DOE 3.7%付加価値労働生産性(※)40百万円(2023年度 約33百万円)14百万円 (※) 「(経常利益+減価償却費+人件費)÷従業員数」で算定
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において中部鋼鈑グループが判断したものであります。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に中部鋼鈑グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため、記載しておりません。 (1) 製品市況及び競業中部鋼鈑グループの主力事業である国内厚板市場は、国内高炉メーカーがメインプレイヤーであり高炉各社の生産動向や価格政策に大きな影響を受けます。また、国内電炉大手との厳しい競合、国内景気低迷による国内需要の減退、海外経済の低迷による競合他社の輸出不振による国内向け供給増加、輸出産業の業績不振による間接影響などをきっかけに厳しい価格競争となり、製品市況の下落に繋がることが懸念されます。その場合、中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 原材料価格の変動中部鋼鈑グループの主力製品である厚板の主要原材料は鉄スクラップです。鉄スクラップの購入価格は国内需給の影響のみならず、世界鉄鋼生産の動向による国際的な市況の影響を受けて大きく変動する懸念があります。原材料価格の上昇に連動した中部鋼鈑製品への価格転嫁が適切に行えない場合には、鉄スクラップの価格高騰が収益を圧迫し中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) エネルギー単価の高騰中部鋼鈑グループの主力製品である厚板の製造には電力及びLNG等のエネルギーを大量に消費します。極力単価の安い深夜帯を利用しての電力消費を行う等、コスト削減努力を行っておりますものの、為替レート、原油価格の変動、政府のエネルギー政策等によりエネルギー単価が高騰した場合には製造コストが上昇し、中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 品質保証中部鋼鈑グループは、ISO9001に基づく品質マネジメントシステムを運用するとともに、JIS規格以上に厳格な社内規程を定め、安定的に高品質な鋼板を製造・販売しておりますが、製品やサービスに品質問題が生じた場合は、顧客等への補償や製造・品質管理オペレーションの見直しのほか、中部鋼鈑グループの製品やサービスへの信頼低下による売上減少等、中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 設備投資装置産業である鉄鋼事業は継続的に多額の設備投資及び設備修繕支出を必要とします。中部鋼鈑グループは現在、多くの設備投資、設備改修に取り組んでおります。これらの投資が当初想定していた効果を発揮しない場合、あるいは、工事遂行に伴い予定していた生産量を確保できない場合等、中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 重大な災害、事故、感染症等中部鋼鈑グループは、主力製品の厚板製造工場を含め、その大半が愛知県名古屋市及びその近郊に立地しております。このため当地域が、地震、津波、台風といった大規模な自然災害、感染症の流行、あるいはテロ活動などに見舞われた場合、操業が停止する可能性があり、これが長期にわたる場合には、中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、重大な事故、労働災害等の重大な災害、環境問題、品質問題等が発生した場合、事業活動の停止・制約等により、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 環境規制及び法的規制中部鋼鈑グループの主力製品である厚板の製造工程においては、大量のエネルギー及び資材を消費し、廃棄物、副産物等が発生します。また、事業に関連する様々な法令・公的規制の適用を受けており、その遵守に努めております。今後、より厳格な規制導入や法令の運用厳格化などにより、これらに関わる事業上の制約や新たに必要となる対策費用が中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) カーボンニュートラルへの対応中部鋼鈑グループは、温暖化ガス排出量の相対的に少ない電気炉製鋼法により循環型社会へ貢献することを掲げ、気候変動問題を経営の重要課題と捉え、2050年度のカーボンニュートラル達成に向けて取組を強化しています。しかし、2026年度から排出量取引制度が本格稼働し今後、温室効果ガスの排出規制が導入された場合、原材料価格や電力料金等の操業コストが高騰し、収益性が低下する可能性があります。 (9) 情報漏洩、サイバーセキュリティ中部鋼鈑グループは事業遂行過程において顧客情報や個人情報、営業上・技術上の秘密情報を保有しております。中部鋼鈑グループはこれら機密情報に対する不正アクセスや情報漏洩等を防ぐため、管理体制を構築し適切な安全措置を講じております。しかし、顧客情報・個人情報等の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償や中部鋼鈑グループの社会的信用の低下等により、中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 人材確保中部鋼鈑グループは、人材マネジメント基本方針に基づき、有能な人材の確保と育成に努めております。今後、少子化や人材の流動化の加速、また労働市場の需給バランスの変化などによって人材確保が計画通り進まない場合、中部鋼鈑グループの事業活動、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 投資有価証券の価値変動上場株式の株価変動などに伴う投資有価証券の価値変動は、中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼします。また、年金資産を構成する上場株式の株価変動により、退職給付会計における数理計算上の差異(前提と実績の乖離)が生じた場合、中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 資材調達中部鋼鈑グループの主力製品である厚板の製造には各種資材を大量に消費します。資材の中には海外から調達する品もあり、幅広い情報収集を行い様々なルートを通じて安定した調達を行っておりますものの、地政学的リスクによって調達先で問題が発生した場合には資材が確保出来ず、中部鋼鈑グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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