エコナビスタ(5585)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 エコナビスタは経営理念「今と未来を見える化し 次世代の安心を創造する」に基づき、ライフリズムナビSleepSensor等各種センサーから得られた睡眠と生活習慣に関するビッグデータ(注1)に最新の解析技術を適用し、特徴量(注2)を可視化(Visualization)、AIを始めとした様々なソフトウェアを開発しております。開発した各種AIをお客さまが使いやすいソリューションに実装し、価値化(Value-ization)することで社会課題解決型のサービスとして提供しております。 現在の主たる事業といたしましては超高齢社会の進展に伴い現実的な課題が山積する介護業界を中心に、DX(注3)の推進による業務効率化とケアの質向上を両立する「ライフリズムナビ+Dr.」、ライフリズムナビ+Dr.で培ったノウハウを在宅介護領域に最適化し事業パートナーを通じて展開するサービス「ライフリズムナビ+HOME」がございます。これらのライフリズムナビ事業は、エコナビスタが事業を通して蓄積してまいりました高密度かつ長期間の睡眠データ、バイタルデータ(注4)をベースに医学的知見を加えた独自の解析技術、創業時から得意とするセンサフュージョン技術(注5)を組み合わせ、SaaS型(注6)見守りサービスとして提供しております。 またエコナビスタはもう一つの事業ポートフォリオとして受託研究開発事業を設定しており、ライフリズムナビ事業を通じて永続的に蓄積し続けているビッグデータ、ビッグデータの可視化(Visualization)×価値化(Value-ization)技術、そこから生み出される疲労回復度予測AIや認知症予測AIのような健康状態の推移を予測するAIを中核に、介護や医療業界に限らずハウスメーカーやデベロッパーなど住宅関連事業者や衣類・寝具メーカーといった様々な共創パートナーとの連携を実現し、事業領域を限定しない価値創造型の事業として展開しております。 なおエコナビスタの事業セグメントといたしましては、ライフリズムナビ事業の単一セグメントとなっております。事業の全体像ライフリズムナビ事業 エコナビスタの特徴としてお客様から取得するビッグデータを起点としたソフトウェアサービスを提供する事業者でありながら、睡眠やバイタルデータを取得しサービスの中核を担うライフリズムナビSleepSensorを内製化した、メーカーポジションであることが挙げられます。一般的にハードウェアの要素技術開発から量産化までの工程は複雑であり、技術的なノウハウが求められる他、製造体制を確立するまでには相当な投資が必要とされます。そのためデータサイエンス領域ではソフトウェアのみ手掛ける企業が多い中、エコナビスタならではのソフトとハードの両方を一貫して開発するスタイルはSleepSensorの計測精度や安定性を高めつつ、スピーディーに実装可能となる競争優位性の高い要素と考えております。エコナビスタではこの開発モデルを様々な業種や事業領域に適用可能で共創の根幹を支えるコアコンピタンスとして設定しております。 ソフトウェアとハードウェアの一貫開発イメージ (注)1.総務省の定義では「ビッグデータは、典型的なデータベースソフトウェアが把握し、蓄積し、運用し、分析できる能力を超えたサイズのデータを指す。」とされておりますが、エコナビスタでは累計ご利用者数が1万人を超える対象者の、睡眠や活動、温湿度などの時間的に連続したデータをビッグデータとして取り扱っております。なお、開け閉めセンサーや人感センサーなど、その他のセンサー情報も合わせてトータルで ビッグデータとして捉えております。 2.特徴量とは、データを変換し、活用可能な意味のある結果として抽出するまでの、過程における値のことです。ビッグデータから効率良く結果を出力するためには有用な特徴量を見出すことが重要であり、解析者のノウハウや技術が必要な領域です。 3.DX(ディーエックス)とは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、デジタル技術によって、ビジネスや社会、生活の形・スタイルを変える(Transformする)ことです。エコナビスタにおいては介護現場にシステムを導入するだけでなく、日常業務に無くてはならないものとして業務フローに落とし込み、オペレーションそのものを変革させるサービスを提供しております。 4.エコナビスタでは心拍数、呼吸数、体動データを基本的なバイタルデータとして取り扱っております。 5.エコナビスタでは空間情報を取得するセンサーや生体情報を取得するセンサーを組み合わせ、得られた各種データを自動的に分析および合成することで、リアルタイムに判断結果を出力する技術としております。 6.SaaS(サース) とは、Software as a Serviceの略称で、「インターネット経由でアプリケーション機能を提供するサービスの形態」を指します。最も一般的な SaaS の形態は、SaaS 提供者が提供するウェブアプリケーションを利用者がウェブブラウザを通じて利用する形態であります。サービス利用の観点ではSaaSに対する形態としてオンプレミスが存在し、これは自社内でサーバーを運用・管理し、システムを利用するものです。 (1)ライフリズムナビ事業の概要<国内動向について> 国内の超高齢社会の進展に伴い現時点で65歳以上の高齢者人口割合は約28%を超えており、今後総人口は減少傾向であるものの高齢者の割合は2050年以降も当面同水準(注1)と見込まれております。国や自治体の施策により健康寿命延伸の取り組みも進められておりますが、要介護人口は増大する見込みです。 一方、介護を担う介護職員数は2023年時点ですでに約22万人不足しており、2040年時点では約69万人まで不足分が拡大する(注2)とされています。これらの事実から、従来の「人の手による介護」モデルは限界に来ており、最新のロボット技術、ICT技術を駆使して介護を担う現場の負担軽減や介護施設の事業運営効率化等のサポートが必須となりつつあります。そのため内閣官房資料「成長戦略フォローアップ」の重要分野における取組みの中にもデータヘルス、健康・医療・介護のDXの推進について具体的な言及がなされている(注3)ところであります。 なお、この傾向は介護施設にとどまらず、地域包括ケアシステムの推進とともに拡大していく在宅介護領域においても同様です。しかしながら国内の介護業界には感情側面での「人の手による介護」といったこだわりが存在し、また業界としてICTリテラシー水準が決して高くないという実態もあり、DXが進展しにくいという根深い課題も存在しているのが実情であります。 国内の人口動態 介護の担い手に関する将来予測 国の政策・施策トレンド (注)1.内閣府「令和3年版高齢社会白書」第1章 高齢化の状況より 2.厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について 別紙1」 3.内閣官房「成長戦略フォローアップ 令和3年6月18日」12.重点分野における取組より 厚生労働省「ロボット技術の介護利用における重点分野(概要)」 <ライフリズムナビ+Dr.の概要> ライフリズムナビ+Dr.は各種センサーを活用した高齢者施設向けSaaS型見守りシステムとして提供しております。センサーはスタッフの介護や介助を阻害せず、また介護ベッドの寝心地を損なわない薄型形状のライフリズムナビSleepSensorを始めとして、人感センサー、ドアのあけしめセンサー及び温湿度センサー等の基本的な組み合わせのほか、ご利用者様(各施設事業者様)のニーズに合わせてエアコンの遠隔コントローラ、顔認証カメラ、ナースコールの代替機能を持つ呼び出しボタンや見守りコール、体温計・血圧計・血中酸素濃度計などの各種バイタル計測器等も任意に選択可能です。これにより、個室が主体の有料老人ホームや多床室が主体の特別養護老人ホームなど、お客様ごとに最適な組み合わせをご利用可能な形態を取っております。 ライフリズムナビ+Dr.システム全体像 ライフリズムナビ+Dr.センサー機器一覧 左:有料老人ホーム(個室) 右:特別養護老人ホーム(多床室)センサー組み合わせ例 各種センサーから取得された睡眠データ、バイタルデータ、環境データ等のビッグデータはクラウド上に蓄積され、エコナビスタ独自の解析技術により即時処理が施され、その結果をリアルタイムで介護施設のスタッフルームのパソコンや、各スタッフが保有するスマートフォン、タブレットに表示します。これにより施設のスタッフは日勤帯、夜勤帯を問わず各居室の様子を把握することができ、不要な訪室による状態確認業務を削減、業務効率化を実現しております。さらにライフリズムナビ+Dr.は国内大手6社の介護記録システムとAPI(注1)連携を実現しており、睡眠データ、各種バイタルデータ、室内環境データ等が自動で記録されます。これまで施設スタッフが日々時間を掛けて手入力をしていた作業を自動化することで、さらなる業務効率化に寄与します。 (注)1.API(エーピーアイ)とは、Application Programming Interfaceの略で、プログラムの機能をその他のプログラムでも利用できるようにするための規約のことを指します。API連携を行うことで他のサービスとの連携が実現し、サービスを拡張することができます。 ライフリズムナビ+Dr.一覧画面イメージ またライフリズムナビ+Dr.は様々なアラートを設定可能で、例えばトイレ介助が必要な入居者の方に対しベッド上の体動を継続して検知した場合に通知する「体動アラート」を活用することで、入居者がお一人で離床しトイレに向かおうとする行動の予兆段階でスタッフが把握、訪室し適切な介助を行うことが可能です。これにより施設で発生頻度が高いとされる転倒事故の削減に繋がっております。同様に「体動アラート」を認知症の入居者などオムツを装着している方に適用しますと、排泄後の気持ち悪さからベッド上でオムツを脱ごうとするいわゆる「オムツ外し」を事前に察知することができ、この段階で介助を行うことで寝具の汚染やその交換作業などを回避することも可能です。このような事後の対応を大きく減らすことで業務効率化が実現でき、スタッフにも余裕が生まれ、本来行うべきだった介護に注力することが可能となります。これは施設運営上の大きなメリットであるだけなく、施設スタッフの身体的、心理的負担も軽減し離職率の低減にも繋がっていきます。ライフリズムナビ+Dr.にはこのようなアラート設定が多数用意されており、カスタマーサクセス部による各種アラートの最適な運用に関するサポートも加わることで、多くのお客様にご活用いただいております。 左:睡眠中 中:在床(覚醒中) 右:体動アラート標準アイコンとアラートアイコンの例 <従来課題を解決した、ライフリズムナビSleepSensor> ライフリズムナビ+Dr.で使われるセンサーの中で、マットレスの下に設置し睡眠やバイタルデータを取得するライフリズムナビSleepSensorには、エコナビスタが開発した技術が活用されています。ライフリズムナビ+Dr.ではこれまでも生体判別のため200種類以上のスクリーニングフィルターを内包したクラウドAI(注1)を運用しておりましたが、2022年3月にリリースした自社開発のライフリズムナビSleepSensorから新たにセンサー上にエッジAI(注2)を搭載いたしました。クラウド上とハード上、二つのAIが連携し相互に自己学習を繰り返すデュアルAI(注3)化を進め、継続的に使用することでセンサーが計測対象者に適合し計測精度を高めていく自己成長型の睡眠センサーとして適用しております。さらに、SleepSensorマット部(特許出願中)にも特徴があり、従来はトレードオフの関係であった検知範囲の拡大と精度の高い睡眠データ・バイタルデータ取得の両立も実現しております。 ライフリズムナビSleepSensor 連携する二つのAI 尚、これらの技術を適用したライフリズムナビ+Dr.では、センサーを活用した見守りシステムにありがちな「誤反応・誤発報・通知遅延」を大幅に低減するとともに、これまで介護現場のニーズが高いものの適用が困難であったエアーマットとの組み合わせ利用が可能になるなど、顧客視点でより使いやすいサービスとなっております。 見守り用ベッドセンサーにありがちな課題 (注)1.クラウドAIとは、クラウド内で動作するAIであり、200種類以上のスクリーニングフィルターを持ち、正確なセンシングを可能にしております。またエッジ側から送信された新たなパターンデータを学習し、新規のフィルタとして構築するとともに、新フィルタをエッジ側にフィードバックする機能も有しております。 2.エッジAIとは、クラウドAIに対して端末側で処理を行うAIを指し、ライフリズムナビ事業ではライフリズムナビSleepSensorのゲートウェイ(LRNゲートウェイ)内に組み込んだAIを指しております。エッジAIは使用頻度の高い厳選されたフィルタを搭載しており、取得したデータについて例えば人かノイズかを判定し、さらにオートチューニングにより人にフィット&ギャップする機能を保有しております。また新たなパターンを検出した場合は、当該データパターンを解析するためクラウドAIに転送する機能も担っております。 3.デュアルAIとは、エッジAIで検出した新たなデータパターンをクラウドに転送し、クラウドAIで新たなフィルタを生成する機能と、当該フィルタを随時エッジAIにフィードバックすることで常に最新の判定が可能となるような、相互学習を繰り返す機能を持つ自己成長型のAIについて呼称しております。 <ライフリズムナビ+Dr.の導入効果> エコナビスタのライフリズムナビ+Dr.は介護施設現場の負担軽減に直接的に寄与するサービスであります。 ライフリズムナビ+Dr.導入による効果生産性の向上による介護人材の需給ギャップを補填 上の図はライフリズムナビ+Dr.を導入した施設において、導入前後における就業状況の変化です。ライフリズムナビ+Dr.導入後は業務効率化により残業時間を大きく削減できております。これはライフリズムナビ+Dr.の効果に加え、介護業界のお客様、現場のニーズに寄り添ったエコナビスタ独自のビジネスモデルによる効果も関連していると考えております。ライフリズムナビ事業では介護現場で就業経験を持つ人材が多数所属するエコナビスタのカスタマーサクセス部門による、ライフリズムナビ+Dr.導入前からのサポート、導入後の継続的な活用に至るまでの伴走しております。ハードウェア、ソフトウェア、施設内ネットワーク、そして日常の使い方のコツまで、現場のお困りごとに寄り添い続けるといった柔軟なサポート体制を構築しており、ICTやデジタル技術に苦手意識を持つ介護現場のお客様からも使いやすい、無くてはならないツールになった等の声が寄せられております。その結果として2023年10月末時点でライフリズムナビ+Dr.の累計利用者数が2万人を超えました。年次のChurn Rate(注1)も0.02%(2023年10月期)を維持しており、ほぼ解約の無いサービスとして受け入れられております。 (注)1.Churn rate(チャーンレート)とは、解約率のことを言います。エコナビスタでは収益を基準に算出するレベニューチャーンレートを採用しており、(月次の解約分の月額費総額÷月初時点における月額費収入合計)×100で算出しております。 <ライフリズムナビ+HOMEの概要> ライフリズムナビ+HOMEは、エコナビスタの事業パートナーである東京ガス株式会社がサービサーとして2021年2月から展開する一般のご家庭用の見守りサービスです。ニーズが顕在化しつつある「離れて暮らす親の日常を心配する子世帯向けサービス」としてスタートしており、東京ガス株式会社がエネルギー事業者として約140年に渡って日々の暮らしに寄り添う中で積み重ねてきたマーケティング技術と、生活者のお困りごとに対するソリューション提供の実績に、エコナビスタのライフリズムナビ+Dr.で培った技術、ノウハウを提供し共創することで子世帯の本音に寄り添った新たな価値軸での見守りサービスとして提供されております。また最近では国が推進する地域包括ケアシステムの方針を鑑み、在宅介護領域でのサポートサービスとして、展開の領域を広げております。エコナビスタは東京ガス株式会社にセンサー機器を販売するほか、月額利用料等による収益を得ております。 ライフリズムナビが支える地域包括ケアシステムのイメージ <受託研究開発> エコナビスタの睡眠/生活習慣データベース、睡眠データ解析技術並びにハードウェア/ソフトウェアの自社開発技術は、介護業界だけでなく、他の事業領域にも適用可能なエコナビスタのアセットと捉えております。実際に異業種の企業からお声がけを継続的に頂いており、複数の事業者と具体的な検討を深めているところであります。尚、パートナーと共創することによって得られた知見、技術、さらにサービスを通じて永続的に蓄積される睡眠/生活習慣ビッグデータは常にエコナビスタにフィードバックされ、さらなる付加価値として改良と発展を続けます。 (2)中長期的な事業及び収益拡大のイメージ エコナビスタのライフリズムナビ事業に関する今後の展開として、短・中期的な取り組みとして高齢者施設を対象としたライフリズムナビ+Dr.のシェア拡大に注力し、目標累計販売台数として2万台を設定し取り組みを進めていく予定です。また現在、在宅介護領域への展開を広げつつあるライフリズムナビ+HOMEについて、地域包括ケアシステムの枠組みの中で中・長期的に販売拡大を推進しつつ、さらに睡眠を軸とした新製品・サービスの投入も行うことで収益の拡大を目指してまいります。 事業及び収益拡大のイメージ 私たちは、経営理念「今と未来を見える化し 次世代の安心を創造する」に基づき、介護、医療の枠を超えた様々な社会課題の解決に継続的に貢献する企業でありたいと考えております。 [事業系統図]
有価証券報告書(2023年10月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】エコナビスタの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてエコナビスタが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 エコナビスタは経営理念「今と未来を見える化し 次世代の安心を創造する」に基づき、介護業界の課題に対して業務効率化に寄与するソリューションを提供しております。特に介護領域の担い手不足は国内の人口動態上当面継続する課題であり、施設における介護、在宅介護共に抜本的な対処が必要となっております。エコナビスタの創業者であり医師でもある現取締役会長の梶本修身は、自身の親に対する介護の経験から従来の「人の手に拘った事後的対応」を行う介護ではなく、最新のICT(注1)技術を取り入れ「変化の予兆」の段階で把握し、「先んじたケア」を行うことの重要性を認識したと言います。介護をする側、される側共に人としての尊厳を保ちつつ、お互いの心理的、肉体的負担を軽くする、そのソリューションの実現が必要だと痛感したことから、医師である自身が監修しライフリズムナビ+Dr.事業の立ち上げに至っております。 エコナビスタはこの思いを原点に、睡眠データ解析技術、センサフュージョン技術、そして医学的知見を統合することで、SaaS型高齢者施設見守りサービス「ライフリズムナビ+Dr.」を生み出しました。現在、ライフリズムナビ+Dr.はSaaS型高齢者施設見守りシステムとしてNo.1(注2)となっており、先回りの介護で業界を牽引する、まさに次世代の安心を創造するサービスとして展開しております。まずは介護・医療業界の課題に寄り添い、そこで培った技術とノウハウを磨くことで新たな事業パートナーと共に新たな事業領域も視野に入れ、様々な社会課題の解決にも取り組んでまいります。 (注)1.ICT(アイシーティー)とは、「Information and Communication Technology」の略称で、情報通信技術のことです。IT(Information Technology)が情報技術そのものを表すのに対し、さらに通信技術を介して行う技術の活用方法を指します。 2.2023年10月25日発行 高齢者住宅新聞 見守りシステム アンケート調査より。 (2)経営環境 高齢者向け介護産業の市場規模は、2025年で15.3兆円、2040年には25.8兆円に拡大する見通しとなっております(注3)。そのため介護サービスの需要拡大は進むものの、担い手としての介護人材不足は深刻であり、政府は2020年度に介護ロボット導入等への補助金を拡充する等、介護ロボットの普及を後押ししている状態です。介護ロボットとは、介護現場の負担軽減・業務効率化を実現する介護IT機器として自動で情報を感知・判断・動作するものとされ、近年多様な介護ロボットが上市されています。エコナビスタのライフリズムナビ+Dr.はオプションサービスの「見守りコール」を含め、介護ロボットの「見守り・緊急通報サービス」に該当し、各種補助金・助成金の対象となっております。 (注)3.内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省 2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材) 平成30年5月21日 また今後ライフリズムナビを後述の居宅介護向け、地域包括ケアシステムを推進するサービスへと拡張し、さらにエコナビスタの技術やサービスを公的保険外のヘルスケア市場への適用も想定いたしますと、エコナビスタ事業の対象となる領域は将来に渡って非常に大きな市場であると捉えております。以上を踏まえ、エコナビスタではTAMを3兆4,000億円、SAMを4,000億円、SOMを600億円と推定しております。 ※1 2025年における65歳以上世帯数見込2,103万世帯×1台当たり出荷金額(概算)15万円+公的保険外ヘルスケア市場のうち睡眠市場1,900億円+同ヘルスケア関連アプリ市場規模600億円[国立社会保障・人口問題研究所 日本の世帯数の将来推計(全国推計)2018(平成30)年推計](平成30年2月28日) / [経済産業省 「次世代ヘルスケア産業審議会の今後の方向性」](平成30年4月18日)※2 介護予防サービスにおける介護予防福祉用具貸与48,595百万円、及び介護サービスにおける福祉用具貸与350,628百万円の合計 [厚生労働省 令和3年度 介護給付費等実態統計の概況(令和3年5月審査分~令和4年4月審査分)](令和4年9月21日) (3)エコナビスタの強みと事業戦略 エコナビスタのコアコンピタンスは睡眠ビッグデータの解析技術、ライフリズムナビ事業を通じて保有し、今後も増大し続ける膨大な睡眠データ、ハードウェア/ソフトウェアの一貫した自社開発メソッドの三つと捉えております。睡眠データ解析技術はデータの解析のみに留まらず、社会課題や顧客のニーズに寄り添い適切なソリューションとしてご提供する価値化技術も含んでおり、例えば特許化された認知症予測AIの開発等、エコナビスタのノウハウや人材も含め強い差別化要素となっております。 これら三つのコアコンピタンスを中核に、エコナビスタの事業戦略として①知的財産戦略、②カスタマーサクセスによる伴走と顧客価値最大化、そして③導入時の機器販売による収益と月額費から構成される、事業を支える強靭なキャッシュフローの維持、の三つを設定しております。これらの事業戦略を追及することで、エコナビスタは確かな顧客価値を創造し、継続的な提供を実現しております。 ①知的財産戦略 エコナビスタは知的財産を重視しております。自社のシェア獲得のための競争力、他社参入障壁確保の源泉として具体的な知的財産関連の取り組みを継続しております。各種知的財産権に関してエコナビスタ単独での出願、権利化を推進することはもちろん、他社との共同開発の成果について共同出願を行うなどエコナビスタの事業推進上適切な手段により実効性のある知財戦略を取り進めております。また定期的に業界や競合の知的財産の調査も実施しており、特許や商標等相互の侵害状況の確認も行っております。現時点で特筆すべき事案は確認しておりませんが、エコナビスタとしましては今後もこのような取り組みを積極的に進めてまいります。 ②カスタマーサクセスによる伴走と顧客価値最大化 エコナビスタの重点戦略の一つとして、カスタマーサクセスの組織化とその活動が挙げられます。所属する担当者には介護現場経験者や介護福祉士の資格保有者も在籍し、介護現場のニーズや業務上のお困りごとを自ら体験してきた人材で構成しております。そのためエコナビスタのサポートはライフリズムナビ+Dr.の機能に関する一般的な内容に留まらず、現場のスタッフが躓きやすいポイントを先読みしたサポートであり、ICTリテラシーが決して高くないスタッフの方々も、脱落することなくライフリズムナビ+Dr.を活用できるようになっております。またこのサポートは個別相談以外にも複数回の定期専用プログラムとしてシステム的に運用しており、目標の明確化からサービスをご利用になる過程で顧客ごとの課題や躓きのポイントを抽出し、個別習熟プログラムとして再構築、実践しております。これらの結果として、ライフリズムナビ+Dr.を十分に使えるようになるだけでなく、さらにその先の科学的介護(注4)を活用したより効率的で発展的な介護に繋げる意欲の醸成まで伴走しており、業界の一般的なサポート部門とは一線を画す手厚いカスタマーサクセスを実現しております。 さらに、故障対応についてもライフリズムナビ+Dr.がSaaS型であることを活かし、機器やシステムの不調時はクラウドからカスタマーサクセスメンバーに即時通知が届く体制を整えております。介護スタッフが現場で機器の不調に気づく前にカスタマーサクセスメンバーが現場の状況を把握し、先んじて遠隔復旧を実施したり、介護スタッフに対処方法をお伝えすることで、現場スタッフの負担を軽減し、また業務を可能な限り止めない運用に貢献しております。 ③導入時の機器販売による収益と月額費から構成される、事業を支える強靭なキャッシュフローの維持 エコナビスタのライフリズムナビ事業における収益は一部のリースモデルを除き主に機器販売のイニシャル収益と月額費のストック収益の二つに分けられます。特に後者の月額費による収益は介護業界では比較的珍しいモデルとなっており、エコナビスタの事業のベースを支えております。エコナビスタはこの二つの収益により、エコナビスタの特徴であるカスタマーサクセス組織の維持拡大を実現させ、その効果で顧客満足度が向上し、低いChurn Rateを実現するという好循環に繋がっております。また今後もライフリズムナビ+Dr.の顧客数増大が見込まれる中では月額費による収益も増大するため、より強靭なキャッシュフローを維持し、スピーディーな投資判断の実行や事業のさらなる拡大に繋げていく源泉としてまいります。 (注)4.科学的介護とは、厚生労働省により科学的裏付け(エビデンス)に基づく介護と定義され、介護現場の情報を収集、蓄積、分析し、その結果を現場にフィードバックすることでさらなる科学的介護を推進することを指します。 (4)中期長期的な会社の経営戦略①ライフリズムナビ+Dr.のシェア拡大 エコナビスタは継続的な成長のためライフリズムナビ+Dr.のシェア拡大を目指します。まずはライフリズムナビ+Dr.を導入いただいた法人顧客に対してカスタマーサクセスによる伴走を行い、顧客満足度向上により当該法人のグループ施設への追加導入(リピート)を増やしてまいります。また国内各地方に根差し、地域特化型の販社体制を敷く法人と積極的なアライアンスを実施することで、広く地方に分散する高齢者施設に対して効率的に営業し、シェア拡大を実現してまいります。 ②事業パートナーシップ体制の拡充とソリューションの拡大 ライフリズムナビ+Dr.に関するアライアンスだけでなく、インフラ、エネルギー、住まい、家電機器等、介護はもちろん日常の暮らしまでカバーする多様なパートナーと提携を積極的に進めてまいります。これにより、施設介護の見守りやDXだけでなく、居宅介護、地域包括ケアシステムの中での総合的なソリューション事業者へと変革し、社会課題の解決と顧客価値最大化による収益の拡大を目指してまいります。 上記①、②によりライフリズムナビ事業が拡大するにつれて、エコナビスタが保有する睡眠データはますます増大し続けます。現在は睡眠データ解析による介護テック事業者として歩んでおりますが、今後はこの蓄積した睡眠データをベースに、ソリューション事業領域の拡大も進めてまいります。事業ポートフォリオの一環である受託研究開発事業を通し、様々なアセットや顧客基盤を保有するパートナーとの共創を深めてまいります。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 エコナビスタはライフリズムナビ事業における高い成長性及び安定性、収益性を確保する観点から、エコナビスタの状況を適切に表す指標として、導入床数の推移、年間リカーリング収益、Churn Rateの推移を重要な経営指標と捉えております。 (6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①ライフリズムナビ事業拡大の戦略 現在ライフリズムナビ+Dr.はBtoBの介護施設向けサービスとして提供しており、ライフリズムナビ+HOMEはBtoBtoC及びBtoCの一般ご家庭向けサービスとして展開しております。エコナビスタのライフリズムナビ事業で培った技術やノウハウは、新たな価値創出の源泉であり、介護に関わる各企業や福祉法人、自治体などのパートナーと互恵関係を築きながら機能的な連携を実現してまいります。パートナーとの共創を進め、施設介護と同等以上に大きな市場であるBtoBtoCの在宅介護領域、さらには医療サポートも含めた巨大な地域包括ケアシステム市場を牽引する企業を目指してまいります。 ②優秀な人材の採用と育成 エコナビスタの持続的な成長のためには、様々な事業領域で経験を積んだ優秀な人材を多数採用し、開発体制、カスタマーサクセス体制、その他営業、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えております。その中でも特に、ライフリズムナビ事業における顧客価値最大化のために、顧客ニーズを的確に吸い上げ、ソリューション化しお届けする、カスタマーサクセスと開発エンジニアの人員強化に努めてまいります。エコナビスタの企業理念や事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を進めるとともに、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築に取り組んでまいります。 ③情報管理体制の強化 エコナビスタはサービス提供やシステム運用の過程において、睡眠データ等の情報や個人情報を取り扱う可能性があり、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、情報管理規程等に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修実施やシステム整備などを継続して行ってまいります。 ④内部管理体制の強化 エコナビスタはライフリズムナビ事業における成長段階にあり、事業の拡大・成長に応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。経営の公正性・透明性を確保すべく、コーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築を図ってまいります。 ⑤財務上の課題 エコナビスタは、基本的に自己資金及び営業キャッシュ・フローによる安定的な財務基盤を確保しており、優先的に対処すべき財務上の課題はございません。ただし、今後の成長戦略の展開に伴い、内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの拡大で、さらに財務体質を強化するとともに、株式市場からの必要な資金確保と金融機関からの融資等を選択肢とする等により多様な資金調達を図ってまいります。 ⑥社会課題の解決とSDGsの取り組み エコナビスタは「今と未来を見える化し 次世代の安心を創造する」という経営理念に基づき事業を推進しており、社会課題解決が、結果としてSDGs(持続可能な開発目標)に掲げられる各目標達成に繋がっていくと認識しております。現状においては「3.すべての人に健康と福祉を」、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」、「11.住み続けられるまちづくりを」、「17.パートナーシップで目標を達成しよう」等がエコナビスタの事業展開と密接に同期しております。まずは介護業界から、そして今後も、これらのテーマにおけるより大きな社会的インパクトの創出に努めるほか、事業拡大を図る中で、多種多様な産業へと顧客層を拡大すると同時により広範な社会課題の解決を志向し、その他のSDGsの目標達成にも繋がるよう、具体的なアクションや成果を生み出すことを目指してまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要であると考えられる事項については積極的に開示しております。 エコナビスタは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、エコナビスタの株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 エコナビスタはリスク管理委員会を設置しリスク管理にあたっております。同委員会は代表取締役社長の諮問機関であると同時に、具体的なリスク管理活動又は緊急時対応に関する執行機関であり、取締役、部長及び常勤監査役にて構成しております。委員長を代表取締役社長とし、四半期に一度定時会を開催するほか必要に応じて適宜開催し、エコナビスタのリスク管理体制の構築及び運用に関する各種施策のほか、クレーム・インシデント事案の対応について審議し、答申しております。また、緊急事態発生時においては、対応策に関する決定・指示機関として機能することを予定しております。 本項に記載している将来に関する事項は、本書提出日現在においてエコナビスタが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるリスクの全てを網羅していることを保証するものではありません。 (1)事業に関するリスク①介護市場の成長性(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:中期、影響度:中) エコナビスタの主たる事業領域である介護関連市場は、人口動態としての超高齢社会の進展、要介護者と介護人材の需給ギャップの拡大、それらの課題解決のための技術革新や国主導のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進などの影響を受け、今後もさらなる市場規模の拡大が想定されます。しかしながら、今後の市場成長率は、介護に対する新たな法規制・政策の導入、関連市場の動向、景気変動による介護の担い手不足の深刻化など外的要因による影響を受けるため、これらの影響による市場成長率の鈍化により、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。エコナビスタとしましては、介護施設向けのライフリズムナビ+Dr.に加え、在宅介護に向けたライフリズムナビ+HOME等、国が推進する地域包括ケアシステムの枠組みに合わせて事業を推進しつつ、さらに介護業界に留まらず蓄積した睡眠データをベースに、ソリューション事業領域の拡大を行うことで対応してまいります。また法規制等につきましては早期に改正内容を把握し、適宜顧問弁護士等の専門家の指示を仰ぎながら対応を進めていく予定です。 ②競合の動向(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中) エコナビスタの現在の主たる事業領域である介護施設見守りは、多数の既存事業者が存在するほか、今後も業種にかかわらず大手企業から高度に専門化した新興企業まで、様々な事業者による新規参入が見込まれます。エコナビスタは独自の睡眠データ解析技術、膨大な睡眠データ、ハードウェア/ソフトウェアの一貫開発メソッドを中核に、クラウド型かつセンサー複合型の高齢者施設見守りシステムとして競争優位性を保持しており、関連事業者の増大が直ちに競争上の脅威となるものではありません。しかしながらエコナビスタより優れたデータ解析技術、営業力、ブランド又は知名度を有する他の事業者の動向によっては、エコナビスタの期待通りに顧客を獲得・維持できないことも考えられます。 エコナビスタとしましては、他の事業者と差別化を図ったサービスを開発・提供できるよう引き続き邁進してまいりますが、競争環境の激化等により、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 ③エコナビスタの製品について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中 ) エコナビスタの製品(センサー等)・サービスに欠陥等が生じた場合、エコナビスタの製品・サービスの質に対する信頼が悪影響を受け、当該欠陥等から生じた損害についてエコナビスタが責任を負う可能性があるとともに、エコナビスタの製品の販売能力に悪影響を及ぼす可能性があり、エコナビスタの経営成績、財政状態及び将来の業績見通しに悪影響を及ぼす可能性があります。エコナビスタとしましては、今後も継続して製品・サービス品質の維持向上に努めてまいります。 ④エコナビスタ製品の原材料、部品について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中) エコナビスタの製品(センサー等)に関する原材料、部品の不足は、昨今の半導体不足に代表されるように急激な価格の高騰を引き起こす可能性があります。これらの市況価格の上昇はエコナビスタの製造コストの上昇要因であり、エコナビスタの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対しては、市場流通在庫の把握や価格動向の定期的な調査を行うとともに、予算に基づく早期の発注を行い一定の在庫の確保に努めてまいります。 ⑤業績の季節変動(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期、影響度:中) 日本国内では商習慣上3月を期末月とする法人が多く、また介護関連の補助金も年度区切りで展開されていることから、エコナビスタの顧客法人は3月末までにエコナビスタのサービス提供を求める例が多くみられます。そのため、エコナビスタの売上高は、エコナビスタの第2四半期(2月から4月まで)、特に3月に偏在する傾向があり、特定の四半期業績のみをもってエコナビスタの通期業績見通しを判断することは困難であります。また、補助金については国や自治体の方針により補助の金額や継続性が変動することがあり、エコナビスタの売上に影響を及ぼす可能性があります。エコナビスタとしましては、新たに在宅介護向けのライフリズムナビ+HOMEの拡大を推進することで、季節変動の影響を受けにくい、年間を通した収益化を目指してまいります。 なお、当事業年度のエコナビスタの売上高及び営業利益の四半期会計期間毎の推移は以下の通りです。 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期通期売上高(千円)309,163516,109161,36799,6031,086,242営業利益(千円)142,031274,5536,049△37,447385,186 ⑥システム障害(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:短中期、影響度:高) エコナビスタがクラウドで提供しているライフリズムナビ事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。したがって、自然災害や事故によりインターネット通信網が切断された場合には、サービスの提供が困難になります。サイバー攻撃等によりエコナビスタサービス基盤への攻撃を受けた場合には、システム障害により事業遂行が困難になることや、事業上の重要機密が漏洩する可能性があります。また、予想外の急激なアクセス増加等による一時的な過負荷やその他予期せぬ事象によるサーバーダウン等により、エコナビスタのサービスが停止する可能性があります。これまでエコナビスタにおいて、そのような事象は発生しておりませんが、今後このようなシステム障害等が発生し、サービスの安定的な提供が行えないような事態が発生した場合には、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。これらのリスクに関しましては、監視ツールの運用により障害を早期に発見可能な体制を整えている他、セキュリティシステムの導入やシステムの冗長化等による安定稼働の継続に努めております。 ⑦知的財産権におけるリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中) エコナビスタのビジネス上、エコナビスタ独自もしくは共同開発を行った成果に対して特許、その他知的財産権は重要であります。エコナビスタは、サービスに関わる知的財産権の獲得に努めておりますが、エコナビスタの知的財産権が十分に保護されない場合には、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、エコナビスタによる第三者の知的財産権侵害の可能性につきましては、可能な範囲で調査を行っておりますが、エコナビスタの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、エコナビスタが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。かかる場合のロイヤリティの支払や損害賠償請求等により、あるいはエコナビスタの知的財産が侵害された場合において、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。エコナビスタとしましては、今後も知的財産の早期出願を行うとともに、他社の知的財産の調査を継続的に行い、必要に応じて弁理士等専門家の指示を仰ぎながら対応を進めていく予定です。 (2)経営管理体制に関するリスク①人材の採用及び育成(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短中期、影響度:高) エコナビスタは、事業の拡大に伴い、積極的に優秀なインフラやアプリケーション制作等のソフトウェア開発を行うエンジニア、睡眠データの解析を担うデータサイエンティスト、またライフリズムナビ事業を支えるカスタマーサクセス人材の採用・育成を進めております。しかしながら、事業規模の拡大に応じたエコナビスタにおける人材育成、外部からの優秀な人材の採用等が計画どおりに進まず、必要な人材を確保することができない場合には、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。エコナビスタとしましては、継続して人材の採用を行っており、現時点におきましても各部ソフトウェアの拡充を行っておりますので、今後も事業の拡大に併せた採用及び育成を行ってまいります。 ②特定の人物への依存(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:短期、影響度:高) エコナビスタの代表取締役社長渡邉君人は、経営戦略、事業戦略等エコナビスタの業務に関して専門的な知識・技術を有し、重要な役割を果たしております。エコナビスタでは取締役会等において役員及び従業員への情報共有や権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、経営体制の整備を進めており、経営に対するリスクを最小限にしております。しかしながら、渡邉がエコナビスタを退職した場合、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。エコナビスタにおきましては、渡邉以外の経営メンバーへの権限移譲を日常的に実施しており、その依存度の分散を推進しております。③内部管理体制(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:短期、影響度:中) エコナビスタは、企業価値の持続的な増大を図るために、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、人材、資本、サービス、情報資産の適正かつ効率的な活用をすることが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。 そのためにも、エコナビスタでは内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 ④コンプライアンス体制(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:短中期、影響度:高) エコナビスタは、企業価値の持続的な増大を図るために、コンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えており、コンプライアンスに関する社内規程を策定するとともに、役員及び従業員を対象として社内研修を実施し、コンプライアンスの重要性の周知徹底を図っております。しかしながら、これらの取組みにもかかわらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後のエコナビスタの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑤情報管理(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:短中期、影響度:高) エコナビスタがライフリズムナビ事業で取り扱う情報の中には、高齢施設の重要かつ機密性が高い情報が含まれる場合があります。また、エコナビスタが提供するサービスやセンサーからの情報においては、原則的に施設入居者の個人情報を取り扱うことはございませんが、状況により取り扱う可能性がございます。これらの情報の取扱いについては、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得し、情報管理に関する諸規程の整備及び適切な運用に努めておりますが、従業員及び委託先関係者の故意・過失、事故、災害、悪意をもった第三者による不正アクセス、その他予期せぬ要因等により情報の漏洩、不正使用または不適切な取扱が発生した場合、損害賠償責任やセキュリティシステム改修のための多額の費用負担を負う可能性及び当局による行政処分等の対象となる可能性があるほか、顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。エコナビスタとしましては、情報管理に関する諸規程等の社内方針に沿って情報管理を徹底し、また、従業員に対する継続的な教育を行うことなどによって、より一層の適切な情報管理に努めてまいります。 (3)その他のリスク①大規模な自然災害等(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:短中長期、影響度:高) エコナビスタは、有事に備えたBCPを設定し危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波、感染症等の自然災害等が想定を大きく上回る規模で発生した場合、エコナビスタ又はエコナビスタの取引先の事業活動に影響を及ぼし、エコナビスタの事業、財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 ②新型コロナウイルス(COVID-19)等の感染拡大による影響(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短中期、影響度:中) 国内及び海外主要各国において、COVID-19の長期化による社会的な影響は様々な産業に及んでおり、一定の終息をみた現在においても、何らかの変化により景気の動向に影響を与える状況が続いております。エコナビスタのライフリズムナビ事業はCOVID-19等の感染拡大時においては非接触での遠隔見守りのニーズが増大する側面があり、比較的事業上の影響は軽微な傾向があります。 一方でエコナビスタでは、感染症拡大の長期化に伴うリスクに対応するため、オンラインでの社内コミュニケーションの促進に努めるとともに、全社員に対して感染対策の徹底、感染疑いや体調不良時の就業に関する対応方針を周知し業務基盤を強化しております。 現時点において、COVID-19等の感染拡大はエコナビスタの事業展開及び経営成績に重大な影響を及ぼしておりませんが、今後何らかの感染症によりエコナビスタの想定していない事業環境の変化を招き事業展開が計画どおりに進まない場合には、エコナビスタの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ③訴訟等(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:短中期、影響度:中) 現時点において、エコナビスタにおいて係争中の訴訟はありません。しかしながら、将来においてエコナビスタの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や金額によって、エコナビスタの業績、財政状態及び事業展開に影響を与える可能性があります。顧問弁護士等と連携し、適切に対応してまいります。④新株予約権の行使による株式価値の希薄化(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短中期、影響度:中) エコナビスタでは、エコナビスタの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しており、本書提出日現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は14.55%となっております。これらの新株予約権が行使された場合には、エコナビスタの株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 ⑤配当政策(顕在化の可能性:小、顕在化の時期:中長期、影響度:中) エコナビスタは株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、エコナビスタは現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及びエコナビスタを取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。 ⑥資金使途(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中) 上場時に実施した公募増資による調達資金につきましては、人材確保費用、ハードウェア調達費用及び研究開発費(ハード・ソフト)等に充当する予定であります。 しかしながら、急激に変化する事業環境により柔軟に対応するため、現時点における計画以外の使途にも充当される可能性があります。また、計画に沿って資金を使用した場合でも想定通りの投資効果を上げられない場合、エコナビスタの経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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