AVILENグループは、AVILEN及び連結子会社(株式会社LangCore)1社で構成されております。
<AVILENグループのビジネスと目指す姿>
AVILENは、2018年に創業し、「データとアルゴリズムで、人類を豊かにする」というパーパス(※7)のもと、AVILENが独自開発した技術コアモジュール(※8)である「AVILEN AI」を活用したAIソフトウエアの開発、実装、加えてAIドリブン(※9)なビルドアップパッケージ(AIを推進するための組織開発や人材育成コンテンツ)も提供することで、企業のAI推進を一気通貫で支援する「AIソリューション事業」を連結子会社と一体で展開しております。
AVILENグループは、多くの企業に対し、AIソフトウエアのサービスとして、AIソフトウエアの実装・活用(顧客企業における新規事業の創出や業務効率化のために課題の特定から企画、PoC(※10)、開発・実装、運用保守まで行う)やAIエージェント(※11)の提供を通じて顧客が抱える課題を解決するAIソリューションを広範な業界に展開しております。また、その実現のために、AI推進に既に着手をしているAI-Readyな企業だけでなく、これからAI推進に着手するAI-Ready以前の企業に対しても、ビルドアップパッケージを提供することで、AI推進に向けたアセスメントやロードマップ策定を通してデジタル組織・人材の開発を行い、要件定義から実際のデータの利活用を見据えたデータ基盤となるデータ・プラットフォームの設計と実装を支援しております。加えて、M&Aや資本業務提携先とのパートナリングによるケイパビリティ(※12)の獲得・強化を通じて、共同開発したパッケージ型ソフトウエアの拡販・普及を実現し、データ×AIで豊かな未来を実現することを目指しております。
<提供するサービスとビジネスモデル>
AVILENグループはAIソリューション事業の単一セグメントとして、「AIソフトウエアユニット」、「ビルドアップユニット」という2つのサービスを提供しております(「ユニット」とはサービスの名称)。
「AIソフトウエアユニット」では、自社開発技術コアモジュールである「AVILEN AI」を活用し、AIソフトウエアの開発と提供、ビジネスプロセスへのAI実装・データ利活用を支援(連結子会社である株式会社LangCoreも同様)し、「ビルドアップユニット」では、組織のアセスメントやロードマップの策定、経営者や従業員、経営企画やエンジニア等、部門横断的なAI人材の育成による組織開発を支援しております。
「AIソフトウエアユニット」は法人向け、「ビルドアップユニット」は法人及び個人向けにサービスを提供しております。両ユニット共に主にフロー型収益ですが、「AIソフトウエアユニット」の一部サービスにおいてはストック型収益となっております。
[事業系統図]
<AVILENグループの特徴と優位性>
AVILENグループの特徴と優位性は、「①特定の業界に限定されない顧客の課題を捉え、マルチモーダル(※13)なAIソフトウエアの開発を可能にする技術コアモジュール」、「②潜在的なAI/DX市場を創出し、高い継続率を実現するビジネスモデル」、「③業界全体が抱える成長ボトルネックを解消する「AVILEN DS-Hub」のエコサイクル」、及び「④高いブランド認知による顧客獲得能力」にあります。
①特定の業界に限定されない顧客の課題を捉え、マルチモーダルなAIソフトウエアの開発を可能にする技術コアモジュール
AVILENは9つの自社開発技術コアモジュール「AVILEN AI」を有し、幅広い技術領域をカバーしており、当該コアモジュールにより効率的な開発が可能となっております。また、最新論文や最先端のテクノロジーをリサーチする社内の体制(AVILEN Research)を構築しており、常にコアモジュールをアップデートすることが可能となっております。加えて、特定の業界に限定されない顧客の課題を捉え、AIソフトウエアを提供しており、単一のモジュールで解決できない課題に対しては、複数のモジュールを組み合わせたマルチモーダルなAIソフトウエアの開発も可能としております。
生成AIビジネス分野では、2023年4月には、コアモジュールである「Instructea」とChatGPTを組み合わせたSaaSプロダクトである「ChatMee」の販売を開始し、ストック型収益として利益貢献を実現しております。加えて、2024年以降では各業界に共通する課題の解決に向けた生成AIソリューションを続々とリリース(2024年7月:生成AIを活用したコールセンターオペレーター向け応対品質評価システム、2024年9月:営業活動の効率化・高度化を実現する生成AIソリューション、2024年11月:高度な技術調査を自動化する生成AIソリューション、2025年4月:高精度な帳票処理AIエージェント「帳ラク」、2025年9月:作業効率化とデータ活用を推進する見積書フォーマット自動変換システム、2025年10月:業務効率化と顧客体験向上を推進する自動応答AIオペレーター)し、生成AIビジネスの展開を加速させております。
②潜在的なAI/DX市場を創出し、高い継続率を実現するビジネスモデル
AIビジネス市場は導入段階にあり今後の長期的な発展が期待されております。AI導入の目的は業務効率化や生産性向上、業務プロセスの再構築等その利用範囲及び目的も幅広い一方で、慢性的なAI人材の需給ギャップが顕在化しており、企業はAIの導入が急がれるも、専門人材の採用難等から同時に人材の育成を行うことによる、AI/DX組織への変革が求められています。
AVILENグループは、AI推進に既に着手をしているAI-Readyな企業だけでなく、これからAI推進に着手するAI-Ready以前の企業に対してもビルドアップパッケージを提供することで、潜在的なAI/DX市場を創出することが可能となっております。
また、「AIソフトウエアユニット」及び「ビルドアップユニット」のビジネスを展開することで、顧客内でのビルドアップコンテンツのクロスセル、そして他部門への拡大による深耕(ITシステム部門で領域特化型の研修、営業部門でG検定対策講座を実施する等)、さらにビルドアップコンテンツを活用しながら企業が抱える経営課題を特定しつつ、AI・データサイエンスの観点でAIソフトウエアを開発することで顧客と幅広い業務領域で取引ができるため、結果としてAI技術の導入サービスのみを提供するビジネスモデルと比較して高い継続率を実現し、LTV(※14)を拡大することが可能となっています。
③業界全体が抱える成長ボトルネックを解消する「AVILEN DS-Hub」のエコサイクル
AIビジネス市場は、人材不足が機会(ニーズ)であり脅威(ボトルネック)となっている状況であり、ベンダー側、ユーザー側の両社において慢性的な人材不足が顕在化しており、社内人材の育成、または中途採用が主流となっています。
AVILENは、社内のデータサイエンティスト・エンジニアに加え、350名超(2025年12月末時点)のデータサイエンティスト・エンジニア集団である「AVILEN DS-Hub」を組織しています。在籍メンバーは、AVILENが独自開発した技術スクリーニングテストを通過した人材であります。「AVILEN DS-Hub」は主にデータサイエンス領域を研究している学生メンバーで構成されており、在籍メンバーは個別にAVILENと業務委託契約を締結し、「AIソフトウエアユニット」におけるコーディング業務や技術的サポート(技術調査や技術適用等)、「ビルドアップユニット」におけるコンテンツ開発や受講者からのアルゴリズム(※15)等に関わる質問対応等の業務を行うとともに、AVILENの安定した採用ルートの確保にも繋がっており、「AVILEN DS-Hub」から累計で28名(2025年12月末時点)のデータサイエンティスト・エンジニアを採用しています。「AVILEN DS-Hub」で経験を積んだ後に正社員として採用するため、即戦力人材の獲得、採用コストの低減、高いエンゲージメント(貢献意識)とリテンション(定着)に繋がっております。
④高いブランド認知による顧客獲得能力
自社メディアの「AI Trend」、一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施するE資格において、AVILENが提供するE資格講座の受講者の9期連続合格者数1位(2021#1~2025#1)という実績等により効率的に顧客獲得が出来ており、新規法人顧客を堅調に増やしております。
これらの結果として、創業8期目で製造、金融、不動産、情報通信、電気機器及び食料品等の各産業の上場企業を中心とした大手企業との取引が「AIソフトウエアユニット」、「ビルドアップユニット」それぞれのサービスで複合的に進展しており、LTVも上昇傾向にあります。
<AVILENグループが展開するサービス及びソリューションの内容>
①AIソフトウエアユニット
AVILENグループは、企業が抱える経営課題を特定し、AI・データサイエンスの観点でデータの利活用により業務効率化や業務プロセス再構築等の新たな価値を創造するAIソリューションを提供しています。製造業や金融業、不動産業をはじめ様々な業界の既存オペレーションを理解し、コアモジュールを活用したカスタマイズ型ソフトウエアを提供しております。また、AVILENグループは「AIソフトウエアユニット」で開発されたサービスのうち、汎用性の高いサービスをパッケージ型ソフトウエア(SaaS)として業界横展開を推進しております。主に、2023年4月にコアモジュールである「Instructea」とChatGPTを組み合わせたSaaSプロダクトである「ChatMee」を開発・販売開始しており、ストック型収益として利益貢献を実現しております。さらに、2024年以降では各業界に共通する課題の解決に向けたAIエージェントや生成AIソリューションを続々とリリースし、生成AIビジネスの展開を着実に進めております。なお、2024年10月に連結子会社化した株式会社LangCoreは「AIソフトウエアユニット」のサービスとして生成AI関連ソフトウエアの受託開発及び顧客企業におけるAI利活用に向けたコンサルティングを提供しております。
<AIソフトウエアユニットの代表的なコアモジュールとソリューション>
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画像やパッケージデザインを自動生成するアルゴリズムを搭載したコアモジュール 開発事例)画像生成、パッケージデザイン自動生成
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ChatGPTなどのLLM(※16)を扱い自然言語処理をするためのアルゴリズムを搭載したコアモジュール 開発事例)「ChatMee」
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手書き文字や非定型帳票、図面等をデジタル化するためのアルゴリズムを搭載したコアモジュール 開発事例)帳票処理の自動化AIエージェントソフトウエア、機械部品の図面認識、広告チラシのデジタライズ化 |
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インフラ等建造物の異常・損傷を検知するためのアルゴリズムを搭載したコアモジュール 開発事例)大型設備の点検自動化、ケーブル異常検知
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時系列データを分析し、予測するためのアルゴリズムを搭載したコアモジュール 開発事例)不動産鑑定ソフトウエア、コールセンターにおけるAIエージェントソフトウエア
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②ビルドアップユニット
顧客企業におけるAI/DXに関わる組織及び人材の現状評価から必要人材(ビジネス領域及びエンジニア領域)の育成まで、AIの実装を実現するための組織開発に必要なアセスメントやロードマップ策定、人材育成に関わるパッケージ化されたサービスを一気通貫で提供しております。具体的には、法人・個人向けに社内人材を中心に独自に制作したeラーニングをベースとしたAI/DXに関するパッケージ化された研修サービス(動画講義、講義資料)を提供しております。
用語集
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注釈番号 |
用語 |
用語の定義 |
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※1 |
DX |
Digital Transformationの略称 データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること |
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※2 |
AI |
Artificial Intelligenceの略称であり、人間にしかできなかったような高度に知的な作業や判断を、コンピュータを中心とする人工的なシステムにより行えるようにしたもの |
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※3 |
ディープラーニング |
ディープラーニング(深層学習)とは、人間が自然に行うタスクをコンピュータに学習させる機械学習の手法のひとつ |
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※4 |
Microsoft for Startups |
Microsoftが提供する革新的な技術やサービスを有するスタートアップ企業のサービス立ち上げから顧客開拓まで伴走する無料支援プログラム |
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※5 |
ChatGPT |
OpenAI社が2022年11月に公開した人間的な会話の成立を目指した人工知能に類するコンピュータプログラム |
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※6 |
SaaS |
Software as a Serviceの略称で、クラウドサーバーにあるソフトウエアをインターネットを経由してユーザーが利用できるサービス |
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※7 |
パーパス |
企業が社会に対して果たすべき存在意義や価値創造の方向性を示す概念 |
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※8 |
コアモジュール |
AVILENの過去のAI関連開発におけるアルゴリズムの集合体 |
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※9 |
AIドリブン |
AIを活用して業務やプロセスを推進・最適化する手法 |
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※10 |
PoC |
Proof of Conceptの略称で、新たなアイデアやコンセプトの実現可能性やそれによって得られる効果などについて検証すること |
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※11 |
AIエージェント |
データを処理し、知識を構築し、タスクを実行するための意思決定プロセスを持つ自律的なAIシステム |
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※12 |
ケイパビリティ |
企業全体の組織的な能力や強み |
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※13 |
マルチモーダル |
様々な種類の情報を利用して高度な判断を行うAIで、例えば、音声、画像、テキストなどの複数の情報を組み合わせて判断するAI |
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※14 |
LTV |
Life Time Valueの略称で、「顧客生涯価値」と訳される 一社の顧客が取引を始めてから終わりまでの期間(顧客ライフサイクル)内にどれだけの利益をもたらすのかを算出した指標 |
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※15 |
アルゴリズム |
ある特定の問題を解いたり、課題を解決したりするための計算手順や処理手順 |
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※16 |
LLM |
Large Language Modelsの略称で、巨大なデータセットとディープラーニング技術を用いて構築された大規模言語モデル |
AVILENの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてAVILENが判断したものであります。
(1)経営方針
AVILENは、「データとアルゴリズムで、人類を豊かにする」をパーパスに掲げ、「企業と人がAIを自在に使いこなし、発展し続ける豊かな未来」の実現に向けて、「AIを搭載したソフトウエアの開発」と「デジタル組織の構築を支援するプログラムの提供」を主軸に、企業のAI活用/DX推進による成長を支援し、資本業務提携先とも連携しながら、データ×AIで豊かな未来を実現することを目指しております。
社会課題の解決にあたっては、様々な業界の顧客企業と協働・提携することで、多様な産業・社会課題を発見し、その革新を実現し続けることを目指して事業を推進しております。こうして各業界・様々な顧客との産業課題・社会課題解決を推進して得られた知見をもとに、AIを用いたサービス、プロダクトの開発・提供を行うことで、継続的に革新的なサービスを創出し、より広範な社会の課題を解決することを目指しております。
(2)経営戦略
AVILENは、業務効率化等の新たな価値を創造するAIソリューションを提供できるというビジネスモデルを構築しており、当該ビジネスモデルの優位性の最大化をするための経営戦略を策定しております。
①月間25万PV(当事業年度の月間PVの平均値)の自社メディア「AI Trend」、E資格講座の受講者の7期連続合格者数1位というブランド認知により効率的にリード顧客を獲得
②ビルドアップコンテンツ間のシナジーで取引深耕しLTVの向上
・様々なニーズ、レベルに応じたコンテンツを複合的に提供することで取引の深耕を図るとともに、継続率を高める。例えば、新卒者向けの研修を行った上で、次の取り組みとして部長クラスの研修を行うなど
③「ビルドアップユニット」で顧客のリテラシーを高めると共に顧客の理解を深め「AIソフトウエアユニット」で更に取引を深耕。同時にコアモジュールの性能向上
・「ビルドアップユニット」で顧客のビジネス構造の理解を深めた上で、実現場で実装できるAIソフトウエアを提供し、更なる継続率の上昇及びLTVの上昇を図る
・AIソフトウエアの開発・提供に関わるアルゴリズム構築ノウハウを蓄積することによりコアモジュールの性能向上を図る
・AIソフトウエアの開発に際しては、「AVILEN DS-Hub」を活用することで、先端AI技術者のリソースと安定した採用ルート確保
④「AIソフトウエアユニット」で開発されたパッケージ型ソフトウエアを横展開
・「ChatMee」や「AI Seed」のようなSaaS型等のパッケージ型ソフトウエアを顧客企業や資本業務提携先と共に共同開発・拡販
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
AVILENは、より高い成長性及び収益性を確保する観点から、売上高成長率及び営業利益率を重要な経営指標と捉えております。また、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、継続率を重要な指標としております。なお、2022年12月期から2023年12月期にかけての売上高成長率は27.0%、2023年12月期の営業利益率は18.5%、2023年12月期の継続率は76.7%(2022年12月期に100万円以上の取引を行った法人顧客の内、2023年12月期も取引を行った法人顧客)となっております。
(4)経営環境
国内のAIビジネス市場は2021-2027年の間に1.2兆円から2.0兆円に拡大(出典:株式会社富士キメラ総研「2022年人工知能ビジネス総調査」)、DX市場は2020年度に1.4兆円から2030年度に5.2兆円まで拡大する(出典:株式会社富士キメラ総研「2022デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)と予測されております。一方で、日本企業のDX人材の確保については、「量」が不足していると回答している割合(「大幅に不足している」と「やや不足している」を足した割合)が83.5%という状況(出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX白書」)であり、更には2030年にはAI人材の需給ギャップは12.4万人になると予想(出典:みずほ情報総研株式会社「IT人材需給に関する調査」)されております。日本企業は、DX推進のために必要となる人材要件を明らかにし、人材のスキル評価や処遇といったマネジメント制度の整備をする必要があると共に、その上で、採用や外部人材の活用だけでなく、社員の人材育成(リスキリング)といった人材確保のための施策の実施が求められている状況となっております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①業界及び顧客基盤の拡張
持続的な成長のためには業界や顧客基盤の拡張が必要となります。AVILENの優位性は「①特定の業界に限定されない顧客の課題を捉え、マルチモーダルなAIソフトウエアの開発を可能にする技術コアモジュール」、「②潜在的なAI/DX市場を創出し、高い継続率を実現するビジネスモデル」、「③業界全体が抱える成長ボトルネックを解消する「AVILEN DS-Hub」のエコサイクル」、「④高いブランド認知による顧客獲得能力」であり、これらの競争優位性は特定業界に限定されず幅広い業界において発揮されます。AVILENは既存の業界及び顧客で積み上げた実績や知見を活用することで継続的に成長を続けてまいります。
②一顧客当たり売上高の向上と契約の長期化
AVILENは、様々な業界の顧客に対し、ビジネスプロセスへのAI実装・データ利活用の支援(「AIソフトウエアユニット」)、組織のDXアセスメントやDXロードマップの策定、経営企画やエンジニア等部門横断的なAI人材の育成による組織開発の支援(「ビルドアップユニット」)を実施しております。初期的には課題の特定、概念検証等を行い、それらの結果を踏まえて具体的なサービスの提供、AIアルゴリズムの実装や運用へと領域を拡充いたします。従いまして、その成果に応じて、顧客企業との契約期間が長期化することが見込まれております。また、前年度から契約が継続した顧客との取引は、「ビルドアップユニット」におけるコンテンツ間での取引拡充、「AIソフトウエアユニット」においては、より高度なAIモデルの実装や運用が必要になることが多いため、結果として一顧客当たり売上高は上昇する傾向にあります。
③既存パッケージ型ソフトウエアの強化と新規パッケージ型ソフトウエアの開発
AVILENはこれまで資本業務提携先の企業や各業界の上場企業をはじめとした企業に対するAI実装・データ利活用の支援を通じて、「AI Seed」や「ChatMee」といったパッケージ型ソフトウエアを開発・提供してきました。今後は既存パッケージ型ソフトウエアの強化と新規パッケージ型ソフトウエアの開発が課題となりますが、そのために、開発体制の強化及び資本業務提携先との連携深化を進めてまいります。
④技術とビジネス双方において優れた人材の育成
持続的な成長のためには、技術面及びビジネス面の双方で優れた人材が必要となり、人材の確保と育成が課題となってまいります。AVILENには、AIアルゴリズムの構築等の技術面の豊富な知見を有するデータサイエンティストやエンジニアに加え、AIを活用した具体的な解決策の提示や難易度の高いAIプロジェクトのマネジメント等のビジネス面での執行能力を有するコンサルタントが在籍しております。更には「AVILEN DS-Hub」を通じた採用も行うことで、今後も、技術面及びビジネス面の双方の課題を解決できる能力を持つ人材の育成・採用に投資を継続してまいります。
⑤非連続な成長を支える事業資金の確保
AVILENは安定的にキャッシュ・フローを創出しているため、過去において第三者割当増資等の資金調達を必要としてきませんでしたが、今後の更なる事業拡大に伴う人材獲得や経営基盤の強化、非連続な成長のためのM&A等のアクション等のために、戦略的な資金調達を検討していく方針です。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性を、以下に記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。AVILENは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針ではありますが、AVILEN株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてAVILENが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
① 技術革新について(発生可能性:中 、影響度:高 )
AVILENは、各産業の大手企業とのプロジェクトにおいて蓄積されたAIに関する知見や独自のAIアルゴリズムをもとに、産業の共通課題の解決を目指しております。そのため、これらの技術やその周辺技術、またその技術を活用したソリューションが競争力の源泉となっており、急速な技術革新があった場合において、変化に対応する開発費や開発工数等が大幅に増加する可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は高くないと想定しております。当該リスクへの対応や更なる競争力の向上のため、継続的な情報収集、優秀なエンジニアやデータサイエンティストの採用や教育にも注力しております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、AVILENの事業進捗や業績に影響を及ぼす可能性があります。
② AIビジネス市場について(発生可能性:低 、影響度:高 )
AVILENが属する国内のAIビジネス市場は2021-2027年の間に1.2兆円から2.0兆円に拡大(出典:株式会社富士キメラ総研「2022年人工知能ビジネス総調査」)、DX市場は2020年度に1.4兆円から2030年度に5.2兆円まで拡大する(出典:株式会社富士キメラ総研「2022デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)と予測されております。市場拡大のペースの急速な鈍化や、AVILENのAIビジネスの競争優位性が発揮されないシナリオにおいては、市場が拡大した場合においてもAVILENの成長ペースが市場拡大と相関しない可能性があります。また、AIビジネス市場の歴史は浅く、成熟した市場でないため、市場動向が大きく変動する可能性もありますが、その時期は想定されるものではないため現時点で短期的に顕在化するリスクは低いと想定しております。当該リスクへの対応として、単一の業界や顧客に依存しないよう、AIソリューションのラインナップの拡充や、顧客の属する業界の拡充を行っております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、AVILENの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合他社について(発生可能性:中 、影響度:中 )
AVILENは、AI関連領域において事業展開しておりますが、当該分野はその成長性から注目されており、多くの企業が参入しております。そのため、AVILENの競争力が低下する可能性がありますが、ChatGPTをはじめとする最新のテクノロジーを早期にサービス活用(当該テクノロジーを解説したビルドアップコンテンツの開発)するなどの施策を講じております。また、AVILENの競争力が低下する時期は想定されるものではないため現時点で短期的に顕在化するリスクは高くないと想定しております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、AVILENの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ マクロ経済について(発生可能性:低 、影響度:中 )
AVILENがサービスやソリューションを提供する主要顧客は、各産業の大手企業であり、国内外に事業を展開する大企業が中心であります。国内外の景気後退時において多くの主要顧客の経営状態や業績に大きな影響を及ぼす状況となった場合には、プロジェクトの新規獲得や横展開、既存契約の継続に影響を及ぼす可能性はありますが、AVILENの主要顧客の属する業界は様々であるため、そのリスクは分散されているものと認識しております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、AVILENの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 外注先の確保について(発生可能性:低 、影響度:低 )
AVILENでは「ビルドアップユニット」及び「AIソフトウエアユニット」において業務の一部を「AVILEN DS-Hub」所属のメンバー、協力会社に外注してサービスを提供しております。外注先において不測の事態が生じた場合、信頼関係を損なう事態が生じた場合には、新たな外注先の確保に時間を要する、新たな外注先が確保できない事態が想定され、サービスの円滑な提供が阻害され、AVILENの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは外注先との契約のみで完全に回避できるものではなく、顕在化した場合に、顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、その影響度について確定的な見積りを行うことは困難であると認識しております。AVILENとしては、引き続き外注先の分散を図るとともに、定期的な面談機会を設ける等、外注先と良好な関係を維持、安定的な供給を受ける体制確保に努めること、適正な外注比率を維持することにより、リスクに対する影響度の低減を図る方針であります。
(2)事業内容に関するリスク
① プロジェクトの進捗等について(発生可能性:中 、影響度:高 )
AVILENでは、AIソリューション導入前の課題特定や企画、PoC実施、本導入のシステム開発、導入後の継続的な運用保守等のプロジェクトを実施しており、フェーズに応じて収益を獲得しております。多数のプロジェクトが早期のフェーズで終了するような場合や、各フェーズにおいて想定以上に工数がかかる可能性はありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は高くないと想定しております。当該リスクへの対応として毎月月初に経営管理チームにおいても進捗管理をモニタリングする等、引き続きプロジェクト管理の徹底等を行い、想定以上に工数を要している場合は、適切に工数の見積修正を行ってまいりますが、当該リスクが顕在化した場合には、AVILENの事業及び業績に影響(想定以上に工数を必要とした場合は採算が悪化。検収時期が後ろ倒しになった場合は売上計上時期も後ろ倒し等)を及ぼす可能性があります。
② 今後の非連続な成長のための投資等について(発生可能性:中 、影響度:中 )
AVILENは非連続な成長を続けるために、新規プロダクトの開発、戦略的な営業活動、新規事業への取り組み、人材の採用、M&A等の戦略的な投資が重要であると認識しております。いずれの投資等もAVILENの非連続な成長のために必要なものと認識しておりますが、安定的に収益を獲得できるまでには一定の期間が必要となることが想定され、短期的な利益率低下につながる可能性があります。また、外部環境の変化等により当初計画どおりに推移しない可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。当該リスクに対しては、リスクシナリオを慎重に検討し投資等を行うことで、そのリスクの低減に努める方針であります。
③ 新規ソリューションの開発・提供について(発生可能性:中 、影響度:中 )
AVILENでは産業共通の課題を解決する新規AIソリューションの開発を行っており、これらのAIソリューションを産業内外に横展開することで、事業規模拡大を見込んでおります。しかしながら、横展開が想定どおりに進まない場合や、横展開する際の導入工数が想定以上となる可能性があり、また、産業内外への横展開に際してAIソリューションにおけるアルゴリズムの精度向上のための産業固有のデータ蓄積が想定どおりに進まない可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は高くないと想定しております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、AVILENの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 顧客との継続取引について(発生可能性:中 、影響度:中 )
AVILENは顧客に対して継続的にサービスを提供しており、継続率は、2023年12月期は76.7%(2022年12月期に100万円以上の取引を行った法人顧客の内、2023年12月期も取引を行った法人顧客)となっております。継続顧客とは定期的に、商談だけなく情報共有等の面談機会を得るよう運用しておりますが、継続顧客との取引は長期契約に基づいて行われるものではなく、顧客に対する継続的な営業活動を実施した結果、顧客との様々な取引を実現することが可能になるため、何らかの事情で顧客ニーズの継続的な把握ができず、取引ができない場合はAVILENの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 経営成績の季節的な変動について(発生可能性:高 、影響度:低 )
AVILENの主要サービスである「ビルドアップユニット」及び「AIソフトウエアユニット」では主要顧客の多くが3月末を事業年度末としているため、事業年度末までのサービス提供完了に向けて7月から12月にサービス提供開始を求められ、AVILENの事業年度末である12月に向けて売上高が増加する傾向にあります。そのためAVILENの売上高及び営業利益には一定の季節変動がありますが、「ChatMee」等のSaaSプロダクトによる継続収入増加により季節変動を低減していく方針です。
⑥ ソフトウエア資産の減損について(発生可能性:低 、影響度:低 )
AVILENでは、「ChatMee」、「AI Seed」、ビルドアップコンテンツの受講管理システムに係るソフトウエア(ソフトウエア仮勘定を含む)及びデータドリブン経営の基盤となる全社データ集約・可視化システムについては、将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められたものを資産計上しております。資産計上を行う場合は、取締役会にてリスクシナリオの慎重な検討をしておりますが、将来収益計画の下方修正または開発計画の遅延・コスト増等により、投資回収計画が当初計画に達しない見込みとなった場合には、相当の減損による損失が発生するリスクがあります。その場合には、AVILENの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ AI資格対策講座について(発生可能性:低 、影響度:中 )
AVILENは一般社団法人日本ディープラーニング協会(以下、「JDLA」)の正会員であり、AVILENが提供しているAI資格対策講座のうち、「全人類がわかるE資格コース」はJDLAから認定を受けております。E資格はJDLAが主催するエンジニア資格であり、当該試験を受講するにあたっては、JDLA認定プログラムを一定期間に修了していることが求められております。AVILENは今後もJDLAへの加入を継続するとともに、有益な講座を提供し続ける方針ではありますが、何等かの事情により、万が一AVILENがJDLAから離脱する場合や、講座の認定の取り消しがなされるような場合にはE資格にかかる講座の提供ができなくなることにより、AVILENの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)コンプライアンスに関するリスク
① 訴訟について(発生可能性:低 、影響度:高 )
AVILENは本書提出日現在において、AVILENが当事者として提起されている訴訟はありません。リスク管理・コンプライアンス規程を整備して役職員へ周知すること等により法令違反などの発生リスクの低減に努めておりますが、AVILEN又はAVILEN役職員を当事者とした訴訟が発生した場合には、その訴訟の内容や進行状況によっては、当該訴訟に対する金銭的な負担の発生や、AVILEN又はAVILEN役職員のレピュテーションが悪化してAVILENの社会的信用が毀損されるなど、AVILENの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、訴訟の発生についてはその時期及び顕在化の可能性を予見できるものではありません。
② 情報セキュリティ体制について(発生可能性:低 、影響度:高 )
AVILENは、業務において顧客の機密情報及び顧客が保有する個人情報が含まれるデータを取扱う場合があります。人為的なミスや不正アクセスによる情報漏えいが発生する可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。当該リスクに対応するため、社内にて情報セキュリティ委員会を毎月開催し、情報セキュリティ体制や情報管理体制を構築するとともに、2020年5月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISO 27001)の認証を取得し、2022年8月にはプライバシーマークを取得しております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、顧客への損害賠償やAVILENの社会的信用の失墜等により、AVILENの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 知的財産管理について(発生可能性:低 、影響度:低 )
AVILENは知的財産権を重要な資産と捉えて、必要に応じて事業に関する知的財産権の保護に努めております。また、AVILENによる第三者の知的財産権侵害の可能性についても、調査可能な範囲で対応を行っております。AVILENが認識せずに他社の特許を侵害した場合には、損害賠償請求、使用差止請求またはロイヤリティの支払要求が発生する可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。しかしながら、AVILENの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当該リスクが顕在化した場合にはAVILENの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 法的規制について(発生可能性:低 、影響度:低 )
現在、AVILENが営むAIソリューション事業そのものを規制する法令はありませんが、事業の運営においては「著作権法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」等、多数の法令等により、規制を受けています。AVILENでは、これらの法令を遵守するために、顧問弁護士との情報交換等含め、コンプライアンス体制の整備等を含む管理体制充実に取り組んでおります。しかしながら、将来において、このような法令の制定や改正、監督官庁による行政処分、新たな規制の策定又は改定等により、AVILENの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、AVILENの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)事業運営に関するリスク
① 人材の確保及び育成について(発生可能性:中 、影響度:中 )
AVILENが今後も持続的な高成長を続けるためには、優秀な人材の確保・育成が必要不可欠であります。AVILENの求める水準に合致する人材の確保及び育成が計画どおりに進まない可能性や退職者の増加により必要な人員を維持することができない可能性がありますが、当該リスクが短期的及び中長期的に顕在化する可能性は高くないと想定しております。当該リスクに対応するため、積極的な採用活動を進めるとともに、人材の育成も進めており、また外部の業務委託者との連携を強化することでリソースの確保にも努めております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、AVILENの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② システム障害について(発生可能性:低 、影響度:高 )
AVILENの事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しているため、自然災害や事故等によりインターネット通信網が遮断された場合や、アクセス急増に伴いサーバーがダウンするような場合には、AVILENサービス提供に支障が生じる場合があります。また、外部からの不正アクセス等によって、AVILENシステムに重大な影響が出る場合があり、大規模なシステム障害が発生した場合等には、AVILENの業績及び事業運営に重要な影響を及ぼす可能性があります。AVILENでは、このようなシステム障害等に備え、定期的バックアップ、稼働状況の常時監視、不正アクセス防止のためのセキュリティ強化、原則月次での不正アクセスチェック等のリスク対応策を講じております。
③ 社歴が浅いことについて(発生可能性:中 、影響度:中 )
AVILENは2018年8月に設立された社歴の浅い企業となります。AVILENは今後もIR活動などを通じて経営状態を積極的に開示してまいりますが、AVILENの過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の実績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分である可能性があります。
④ 小規模組織であることについて(発生可能性:低 、影響度:中 )
AVILENは、2023年12月31日現在において、取締役5名、監査役3名、従業員54名と小規模な組織となっており、内部管理体制は事業の拡大及び従業員の増加に合わせて整備を進めております。適切な人材確保や配置ができず組織的な対応が困難となる場合や、事業規模に応じた事業体制、内部管理体制の構築が追いつかない可能性はありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。当該リスクに対応するため今後もより一層の人員充実を図る予定ですが、当該リスクが顕在化した場合にはAVILENの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 内部管理体制について(発生可能性:低 、影響度:中 )
AVILENでは、企業価値の持続的な増大を図るためにコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、AVILENの業績及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。AVILENでは、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、組織規模や環境に応じた管理人員の増員を図り、業務の自動化、効率化、各種研修などの教育により、管理体制の充実に努めております。
⑥ 大規模な災害等に関するリスク(発生可能性:低 、影響度:中 )
AVILENは、テレワークが可能な体制を構築しており、大規模な地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大等が発生した場合でも事業継続が可能となっております。これらの災害等が長期間に及ぶ場合には、顧客企業やAVILENの顧客ターゲットとなる企業の経営判断・事業運営に大きな影響を与える可能性がありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。当該リスクに対応するため、顧客及び顧客の属する業界の拡充を行っておりますが、当該リスクが顕在化した場合に、AVILENの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 特定の人物への依存について(発生可能性:低 、影響度:低 )
AVILEN代表取締役である高橋光太郎は、AVILENの創業メンバーであり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。現状において、何らかの理由により高橋光太郎がAVILENの業務を継続することが困難になった場合には次の代表取締役が就任するまでの期間やその後の定着までの期間において業務執行に支障をきたす可能性はありますが、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。当該リスクに対応するため、AVILENは特定の人物に過度に依存しない体制を構築するべく、執行役員の設置や積極的な情報共有等により経営組織の強化を図っております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合には、AVILENの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
① 日本郵政キャピタル株式会社との関係について(発生可能性:低 、影響度:低 )
AVILENと日本郵政キャピタル株式会社は日本郵政グループ(日本郵政株式会社を頂点とする、同社及び同社のグループ会社を総称して以下「日本郵政グループ」という。)に対するDX推進を目的とし2022年3月22日付で資本業務提携を締結し、2022年3月29日付でジャフコSV6投資事業有限責任組合及びジャフコSV6-S投資事業有限責任組合から日本郵政キャピタル株式会社に対してAVILEN株式の譲渡が行われたことにより、日本郵政キャピタル株式会社はAVILEN発行済株式数の2.00%を保有する株主となりました。その後、さらなる関係強化のため2023年6月2日付で資本業務提携を締結し、2023年6月14日付でジャフコSV6投資事業有限責任組合及びジャフコSV6-S投資事業有限責任組合から日本郵政キャピタル株式会社に対してAVILEN株式の譲渡が行われ日本郵政キャピタル株式会社はAVILEN発行済株式数の20%超を保有する株主となり、本書提出日現在、AVILENのその他の関係会社に該当しております。また、日本郵政キャピタル株式会社の100%親会社は、日本郵政株式会社であり、AVILENのその他の関係会社に該当します。
AVILENと日本郵政グループの間では、AVILENが有するデータサイエンティストやエンジニア等専門家人材による役務の提供や、日本郵政グループとAVILENで開発したDX人材育成教材の提供等がありますが、一般取引先と同様の決裁権限及び条件にて実施しており、取引の適正性を確保しております。また、関連当事者との取引については、関連当事者取引管理規程に従って、取締役会における取引結果の定期モニタリング及び新規取引の事前承認を行うこととしております。本書提出日現在、日本郵政グループからの役員の派遣等の人的関係はありません。さらに、AVILENの事業遂行において、日本郵政グループの事前承認又は事前報告を必要とする事項はなく、日本郵政グループと事業領域は相違していることから、AVILENの独立性及び自立性は確保されていると認識しており、今後についても同様の関係性を維持する方針です。
現在、日本郵政グループとの関係は良好ですが、仮に関係が悪化するような事態が発生した場合、AVILENに対する日本郵政グループ関連の取引の減少等によりAVILENの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。AVILENは、今後もサービス品質の維持向上を図り日本郵政グループの期待に応え、良好な関係維持に努めてまいります。
② ストック・オプションによる株式価値希薄化について(発生可能性:低 、影響度:低 )
AVILENは、役員、従業員に対するインセンティブ等を目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後もストック・オプション制度を活用していくことを予定しており、現在付与している新株予約権に加え、今後新たに付与される新株予約権について行使が行われた場合は、既存株主が有する株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。新たに付与される新株予約権について、その時期は想定されるものではありませんが、現在付与している新株予約権については短期及び中期において一定程度が行使され当該リスクが顕在化するものと想定しております。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は299,730株であり、発行済株式数6,050,000株の4.95%に相当しております。
③ 配当政策について(発生可能性:低 、影響度:低 )
AVILENは、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながるものと考え、創業以来配当を実施しておりません。今後においては、業績・財務状況及び事業環境等を勘案したうえで、株主への利益配当を検討していく方針でありますが、持続的な成長に向けた投資を戦略的に実行する場合やAVILENの事業が計画どおり推移しない場合など、配当を実施できない可能性があります。なお、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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